JP2006045596A - 高熱伝導・低熱膨脹複合体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高い熱伝導率を有し、電気回路保護用の放熱板、熱交換器やヒートポンプ等の熱的機械において、従来使用されている銅やアルミニウム等の代替材料として有用な高熱伝導材を提供する。
【解決手段】 炭素繊維、カーボンナノチューブから選ばれた繊維状物質とCu、Al、Ag、Mg、W、Mo、Znから選ばれた金属又はこれらの金属を含む合金からなり、前記繊維状物質の周囲を前記Cu、Al、Ag、Mg、W、Mo、Znから選ばれた金属又はこれらの金属を含む合金にて被覆し、この金属被覆層を有する多数の繊維状物質の集合体を一体的に複合化したことを特徴とする高熱伝導・低熱膨張複合体。
【選択図】 図1
【解決手段】 炭素繊維、カーボンナノチューブから選ばれた繊維状物質とCu、Al、Ag、Mg、W、Mo、Znから選ばれた金属又はこれらの金属を含む合金からなり、前記繊維状物質の周囲を前記Cu、Al、Ag、Mg、W、Mo、Znから選ばれた金属又はこれらの金属を含む合金にて被覆し、この金属被覆層を有する多数の繊維状物質の集合体を一体的に複合化したことを特徴とする高熱伝導・低熱膨張複合体。
【選択図】 図1
Description
本発明は、高熱伝導・低熱膨脹複合体及びその製造方法に関する。本発明の高熱伝導・低熱膨脹複合体は、電気回路保護用の放熱板、熱交換器やヒートポンプ等の熱的機械の高熱伝導性が要求されるヒートシンク材料として有用である。
従来、熱交換、熱伝達の現象を伴う熱的機械又は放熱用のヒートシンク材料としては、主に銅及び銅合金、アルミニウム及びアルミニウム合金等が使用されている。特に、高熱伝導率が要求される熱交換器等の熱的機械には、常温から高温までの温度範囲にわたって熱伝導率が最も高い銅やアルミニウム等が使用されている。
また、最近では、炭素粒子又は炭素繊維と金属との複合材を放熱基板として使用する試みが数多く提案されている。例えば、特許文献1(特開平10-168502号公報)には、黒鉛、炭素繊維、カーボンブラック、フラーレン又はカーボンナノチューブから選ばれた1種類以上からなる結晶性カーボン材1〜200重量部と、Fe、Cu、Al、Ag、Be、Mg、W、Ni、Mo、Si、Zn及びこれらの合金からなる群から選ばれた金属の粉末100重量部とを混合し、ホットプレス成形することにより得られた高熱伝導率複合材を開示している。この複合材によれば金属マトリックスに結晶性カーボン材が分散した構造を有した高熱伝導率の複合体が得られている。
また、特許文献2(特開2000-203973号公報)には、炭素質マトリックス中にアルミニウム、マグネシウム、錫、亜鉛、銅、銀、鉄、ニッケル及びこれらの合金からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属が含浸されてなる炭素基金属複合材であって、炭素質マトリックスの気孔の90体積%以上に前記金属が含浸し、前記金属の含有量が前記炭素基金属複合材全体の35体積%以下である炭素基金属複合材を開示している。
また、特許文献3(特開2001-58255号公報)には、黒鉛結晶を含む炭素粒子又は炭素繊維を含む炭素成形体にアルミニウム、銅、銀又はこれらの合金を溶湯鍛造法で加圧含浸させることにより製造された炭素基金属複合材であって、室温における厚さ方向の熱伝導率が150 W/mK以上であり、熱膨張率が4×10-6/K〜12×10-6/Kである炭素基金属複合材を開示している。これらの炭素基金属複合材は、高剛性で高熱伝導率及び低熱膨張率を有する黒鉛マトリックスを骨格とし、その気孔に金属が含浸した構造を有するので、黒鉛の低熱膨張率と金属の高熱伝導率を兼備する。
また、最近では、炭素粒子又は炭素繊維と金属との複合材を放熱基板として使用する試みが数多く提案されている。例えば、特許文献1(特開平10-168502号公報)には、黒鉛、炭素繊維、カーボンブラック、フラーレン又はカーボンナノチューブから選ばれた1種類以上からなる結晶性カーボン材1〜200重量部と、Fe、Cu、Al、Ag、Be、Mg、W、Ni、Mo、Si、Zn及びこれらの合金からなる群から選ばれた金属の粉末100重量部とを混合し、ホットプレス成形することにより得られた高熱伝導率複合材を開示している。この複合材によれば金属マトリックスに結晶性カーボン材が分散した構造を有した高熱伝導率の複合体が得られている。
また、特許文献2(特開2000-203973号公報)には、炭素質マトリックス中にアルミニウム、マグネシウム、錫、亜鉛、銅、銀、鉄、ニッケル及びこれらの合金からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属が含浸されてなる炭素基金属複合材であって、炭素質マトリックスの気孔の90体積%以上に前記金属が含浸し、前記金属の含有量が前記炭素基金属複合材全体の35体積%以下である炭素基金属複合材を開示している。
また、特許文献3(特開2001-58255号公報)には、黒鉛結晶を含む炭素粒子又は炭素繊維を含む炭素成形体にアルミニウム、銅、銀又はこれらの合金を溶湯鍛造法で加圧含浸させることにより製造された炭素基金属複合材であって、室温における厚さ方向の熱伝導率が150 W/mK以上であり、熱膨張率が4×10-6/K〜12×10-6/Kである炭素基金属複合材を開示している。これらの炭素基金属複合材は、高剛性で高熱伝導率及び低熱膨張率を有する黒鉛マトリックスを骨格とし、その気孔に金属が含浸した構造を有するので、黒鉛の低熱膨張率と金属の高熱伝導率を兼備する。
ところが、従来のアルミニウムや銅等の金属製のヒートシンクは、熱膨張係数が2×10−5/K前後であり、近年の半導体素子の発熱量の増大によって、半導体素子との熱膨張係数との違いにより発生する接合部の剥離が新たな問題となりつつある。
また、特許文献1のようにカーボン材と金属の複合体の場合は、単純に混合しただけでは、カーボン材がいかなる金属とも濡れないために、緻密な複合体が得られず、期待通りの特性が得られていなかった。一方、特許文献2、3の溶浸法による場合は、緻密化の問題は改善することができるが、溶浸に絶え得る強固なプリフォームの作製を必要としていた。
また、特許文献1のようにカーボン材と金属の複合体の場合は、単純に混合しただけでは、カーボン材がいかなる金属とも濡れないために、緻密な複合体が得られず、期待通りの特性が得られていなかった。一方、特許文献2、3の溶浸法による場合は、緻密化の問題は改善することができるが、溶浸に絶え得る強固なプリフォームの作製を必要としていた。
そこで、本発明は、従来のアルミニウムや銅等の金属製のヒートシンクと同等以上の放熱性を有するとともに、半導体素子の発熱により半導体素子とヒートシンクとの熱膨張係数の違いにより、接合界面が剥離することのないヒートシンクで、かつ緻密化が容易で、プリフォームの作製の必要のない複合体を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明者らは高い放熱性を有するとともに、半導体素子の発熱により半導体素子とヒートシンクとの熱膨張係数との違いにより、接合界面が剥離することのないヒートシンクを得るべく、種々検討を行い、半導体素子と同等の熱膨張係数を有するとともに、一方向の熱伝導率を大きくした、結晶性カーボンと金属を均一に複合化させた複合体を得るために本発明を想到した。
すなわち、本発明の高熱伝導・低熱膨脹複合体は、炭素繊維、カーボンナノチューブから選ばれた繊維状物質とCu、Al、Ag、Mg、W、Mo、Znから選ばれた金属又はこれらの金属を含む合金からなり、前記繊維状物質の周囲を前記Cu、Al、Ag、Mg、W、Mo、Znから選ばれた金属又はこれらの金属を含む合金にて被覆し、この金属被覆層を有する多数の繊維状物質を一体的に複合化したものである。
すなわち、本発明の高熱伝導・低熱膨脹複合体は、炭素繊維、カーボンナノチューブから選ばれた繊維状物質とCu、Al、Ag、Mg、W、Mo、Znから選ばれた金属又はこれらの金属を含む合金からなり、前記繊維状物質の周囲を前記Cu、Al、Ag、Mg、W、Mo、Znから選ばれた金属又はこれらの金属を含む合金にて被覆し、この金属被覆層を有する多数の繊維状物質を一体的に複合化したものである。
このとき、前記複合体の繊維状物質となる炭素繊維の繊維長が1mm以上であるか、あるいは、前記複合体の繊維状物質となるカーボンナノチューブのチューブ長が10μm以上あり、前記カーボンナノチューブ(以下CNTと記す。)が長さ10mm以上のテープ状あるいはシート状であることが好ましい。また、前記複合体の繊維軸方向の熱伝導率が200W/(m・K)以上であり、前前記複合体の繊維軸方向の熱膨張係数が10×10−6/K以下であることが望ましい。さらに、前記体を構成する繊維状物質と金属層との割合が、体積割合で9:1〜1:9であることは望ましい。
また、前記複合体は、繊維状物質が一方向に配向されているのが好ましい。本発明で使用する繊維状物質は、ピッチ系炭素繊維あるいは気相成長法炭素繊維、あるいはテープ状やシート状のカーボンナノチューブ等いずれの種類でもよいが、特に繊維軸方向の熱伝導率が高い黒鉛化したピッチ系炭素繊維や黒鉛化した気相成長炭素繊維やアーク放電法にて作製されたカーボンナノチューブが好適である。前記繊維状物質の周囲をCu、Al、Ag、Mg、W、Mo、Znから選ばれた金属又はこれらの金属を含む合金にて被覆した後に、これら多数の繊維状物質を一体的に複合化することが望ましい。
また、本発明は、前記複合体をHIP焼結により製造することが望ましく、HIP焼結による高熱伝導・低熱膨脹複合体の製造方法にも関する。
本発明によれば、単なる混合粉の焼結より高い熱伝導率が得られ繊維軸方向では、高熱伝導、低熱膨張が得られる。本発明の高熱伝導・低熱膨張複合体は、高熱伝導率と低熱膨張係数を有し、しかも、様々な形状に加工することができるので、電気回路保護用の放熱板、熱交換器やヒートポンプ等の熱的機械の高熱伝導性が要求されるヒートシンク材料として有用である。
以下、本発明を実施例により説明する。
先ず、本発明で用いる金属としては、Cu、Al、Ag、Mg、W、Mo、Zn等の金属単体又はこれらの金属を1種類以上含む合金を使用することができる。これらの金属によって繊維状物質の周囲を被覆して使用する。熱伝導率の高い金属、例えば、Cu、Ag、Al等を使用することにより、より熱伝導率の高い複合体を得ることができる。
先ず、本発明で用いる金属としては、Cu、Al、Ag、Mg、W、Mo、Zn等の金属単体又はこれらの金属を1種類以上含む合金を使用することができる。これらの金属によって繊維状物質の周囲を被覆して使用する。熱伝導率の高い金属、例えば、Cu、Ag、Al等を使用することにより、より熱伝導率の高い複合体を得ることができる。
繊維状物質としては、炭素繊維、カーボンナノチューブの結晶性を有するカーボン材を使用することが好ましい。中でもカーボンナノチューブは、テープ状、シート状であることが好ましい。また、繊維状物質は、繊維状物質となる炭素繊維の繊維長が1mm以上であるか、あるいは、繊維状物質となるカーボンナノチューブのチューブ長が10μm以上あり、前記CNTが長さ10mm以上のテープ状あるいはシート状であり、繊維状物質1の周囲を、図1(a)に示すようにめっき法、CVD法、PVD法により、あらかじめ金属層2を被覆させ、これら繊維状物質1の集合体をその後に一体的に複合化することにより、より均一な複合体を得ることができ好ましい。炭素繊維の繊維長は、1mm以上、あるいは長さ10mm以上のテープ状、シート状のカーボンナノチューブであればよいが、より、好ましくは、複合化に用いるHIP装置のワーキングゾーンの長さと同程度であるとよい。図2に示すようにワーキングゾーンの端から端までを金属が被覆された連続した繊維状物質1の集合体を缶中にならべて真空封止した試料をHIP焼結することにより、図1(b)に示すように金属層2を介して一体化させて、繊維状物質の繊維軸方向あるいは、テープ状、シート状の長さ方向において、高熱伝導・低熱膨張を有する長尺の複合体10を作製することができる。すると、長尺方向に直交する方向で板状に切断することにより、板状の厚さ方向において放熱基板としては好適な高熱伝導・低熱膨張の複合体が、一度のHIP焼結において数多く作製することができ、一般に高コストとされているHIP焼結において、製造コストが低減される。また、繊維が途中で分断されることがないために、基板の厚さ方向において、非常に高い熱伝導率を得ることができる。金属層の形成方法は、めっき法にて、Ni層、Ag層、Cu層、Zn層、Al層を、PVD法、CVD法では、Cu、Al、Ag、Mg、W、Mo、Znを1種以上含む層を形成させればよい。特に、めっき法は束になっている繊維状物質の隅々までめっき液が回り込むことができるため、均一な金属層形成に最も好ましく、さらに、CVD法やPVD法よりも低コストが可能である。また、金属層として、Cu層、Al層、Ag層を形成させておくと、より熱伝導率の高い複合体を得ることができる。繊維状物質としては、例えば、黒鉛化されたピッチ系炭素繊維や気相成長法炭素繊維、アーク放電法にて作製されたカーボンナノチューブ等を使用することにより、より熱伝導率の高い複合体を得ることができる。
金属被覆層とカーボン材等の繊維状物質との比率については、体積比率で9:1〜1:9、好ましくは7:3〜3:7とすることにより、熱伝導率が高く且つ複合化が容易な複合体を得ることができる。好ましい実施の形態では、金属が被覆された繊維状物質を複合化することにより、繊維状物質と金属が均一に分散した複合体となる。
金属が被覆された繊維状物質の複合化は、HIP焼結することにより実施することができる。HIP焼結は、金属が被覆された繊維状物質を、一方向に配列し、それを金属製のカプセルに入れ、真空封止する。それを、金属の溶融温度より10℃以上低い温度、で焼結する。緻密な複合体を得るためには、金属の溶融温度にできるだけ近い温度で複合化するのが良い。また、複合化時の圧力は、50MPa以上が好ましい。そして、冷却後、使用した金属の溶融温度より10℃以上低い温度で、かつ200℃以上の温度において、昇温速度30℃/分以下、冷却速度20℃/分以下の条件で熱処理を行うと複合体の残留応力が緩和され好ましい。より好ましくは昇温速度10℃/分以下、冷却速度10℃/分以下である。
以下に本発明の実施例と比較例を示し、本発明を説明する。
(実施例1)
繊維長1mmのピッチ系炭素繊維に炭素繊維:銅の体積比率が6:4となるように銅めっきを施し、鉄製の缶に銅めっき処理された炭素繊維を充填し、真空封止した。それを、圧媒ガスとしてArを用い、100MPa、900℃×1hにてHIP焼結した。得られた試料を室温でレーザーフラッシュ法による熱伝導率を、熱機械分析装置にて熱膨張係数を測定した。その結果を表1に示す。
(実施例1)
繊維長1mmのピッチ系炭素繊維に炭素繊維:銅の体積比率が6:4となるように銅めっきを施し、鉄製の缶に銅めっき処理された炭素繊維を充填し、真空封止した。それを、圧媒ガスとしてArを用い、100MPa、900℃×1hにてHIP焼結した。得られた試料を室温でレーザーフラッシュ法による熱伝導率を、熱機械分析装置にて熱膨張係数を測定した。その結果を表1に示す。
(実施例2)
繊維長50mmのピッチ系炭素繊維に炭素繊維:銀の体積比率が7:3となるように銀めっきを施し、鉄製の缶に銀めっき処理された炭素繊維を充填し、真空封止した。それを、圧媒ガスとしてArを用い、100MPa、800℃×1hにてHIP焼結した。得られた試料を室温でレーザーフラッシュ法による熱伝導率を、熱機械分析装置にて熱膨張係数を測定した。その結果を表1に示す。
繊維長50mmのピッチ系炭素繊維に炭素繊維:銀の体積比率が7:3となるように銀めっきを施し、鉄製の缶に銀めっき処理された炭素繊維を充填し、真空封止した。それを、圧媒ガスとしてArを用い、100MPa、800℃×1hにてHIP焼結した。得られた試料を室温でレーザーフラッシュ法による熱伝導率を、熱機械分析装置にて熱膨張係数を測定した。その結果を表1に示す。
(実施例3)
繊維長500mmのピッチ系炭素繊維に炭素繊維:銅の体積比率が8:2となるように銅めっきを施し、鉄製の缶に銅めっき処理された炭素繊維を充填し、真空封止した。それを、圧媒ガスとしてArを用い、100MPa、900℃×1hにてHIP焼結した。得られた試料を室温でレーザーフラッシュ法による熱伝導率を、熱機械分析装置にて熱膨張係数を測定した。その結果を表1に示す。
繊維長500mmのピッチ系炭素繊維に炭素繊維:銅の体積比率が8:2となるように銅めっきを施し、鉄製の缶に銅めっき処理された炭素繊維を充填し、真空封止した。それを、圧媒ガスとしてArを用い、100MPa、900℃×1hにてHIP焼結した。得られた試料を室温でレーザーフラッシュ法による熱伝導率を、熱機械分析装置にて熱膨張係数を測定した。その結果を表1に示す。
(実施例4)
繊維長100mmの気相成長法炭素繊維に炭素繊維:Alの体積比率が6:4となるようにAlめっきを施し、鉄製の缶にAlめっき処理された炭素繊維を充填し、真空封止した。それを、圧媒ガスとしてArを用い、50MPa、500℃×1hにてHIP焼結した。得られた試料を室温でレーザーフラッシュ法による熱伝導率を、熱機械分析装置にて熱膨張係数を測定した。その結果を表1に示す。
繊維長100mmの気相成長法炭素繊維に炭素繊維:Alの体積比率が6:4となるようにAlめっきを施し、鉄製の缶にAlめっき処理された炭素繊維を充填し、真空封止した。それを、圧媒ガスとしてArを用い、50MPa、500℃×1hにてHIP焼結した。得られた試料を室温でレーザーフラッシュ法による熱伝導率を、熱機械分析装置にて熱膨張係数を測定した。その結果を表1に示す。
(実施例5)
カーボンナノチューブのチューブ長が50μm以上あり、このCNTからなるテープの長さが500mmのアーク放電法にて作製されたテープ状カーボンナノチューブにカーボンナノチューブ:銅の体積比率が5:5となるように銅めっきを施し、鉄製の缶に銅めっき処理されたカーボンナノチューブを一方向に配列充填し、真空封止した。それを、圧媒ガスとしてArを用い、100MPa、900℃×1hにてHIP焼結した。得られた試料を室温でレーザーフラッシュ法による熱伝導率を、熱機械分析装置にて熱膨張係数を測定した。その結果を表1に示す。
カーボンナノチューブのチューブ長が50μm以上あり、このCNTからなるテープの長さが500mmのアーク放電法にて作製されたテープ状カーボンナノチューブにカーボンナノチューブ:銅の体積比率が5:5となるように銅めっきを施し、鉄製の缶に銅めっき処理されたカーボンナノチューブを一方向に配列充填し、真空封止した。それを、圧媒ガスとしてArを用い、100MPa、900℃×1hにてHIP焼結した。得られた試料を室温でレーザーフラッシュ法による熱伝導率を、熱機械分析装置にて熱膨張係数を測定した。その結果を表1に示す。
(比較例1)
繊維長200μmのピッチ系炭素繊維と銅粉を8:2になるように混合した後、黒鉛型に充填し、それを、真空中にて、加圧力40MPa、900℃×1hにてホットプレス焼結した。得られた試料を室温でレーザーフラッシュ法による熱伝導率を、熱機械分析装置にて熱膨張係数を測定した。その結果を表1に示す。
繊維長200μmのピッチ系炭素繊維と銅粉を8:2になるように混合した後、黒鉛型に充填し、それを、真空中にて、加圧力40MPa、900℃×1hにてホットプレス焼結した。得られた試料を室温でレーザーフラッシュ法による熱伝導率を、熱機械分析装置にて熱膨張係数を測定した。その結果を表1に示す。
(比較例2)
粉体状のCVD法にて作製されたカーボンナノチューブと銅粉を7:3になるように混合した後、鉄製の缶に充填し、真空封止した。それを、圧媒ガスとしてArを用い、100MPa、900℃×1hにてHIP焼結した。得られた試料を室温でレーザーフラッシュ法による熱伝導率を、熱機械分析装置にて熱膨張係数を測定した。その結果を表1に示す。
粉体状のCVD法にて作製されたカーボンナノチューブと銅粉を7:3になるように混合した後、鉄製の缶に充填し、真空封止した。それを、圧媒ガスとしてArを用い、100MPa、900℃×1hにてHIP焼結した。得られた試料を室温でレーザーフラッシュ法による熱伝導率を、熱機械分析装置にて熱膨張係数を測定した。その結果を表1に示す。
以上のように、実施例による複合体は、繊維軸方向の熱伝導率が200W/(m・K)以上であり、同時に複合体の繊維軸方向の熱膨張係数は10×10−6/K以下に収まっている。よって、高熱伝導率と低熱膨張を有する複合体となすことが出来た。
Claims (8)
- 炭素繊維、カーボンナノチューブから選ばれた繊維状物質とCu、Al、Ag、Mg、W、Mo、Znから選ばれた金属又はこれらの金属を含む合金からなり、前記繊維状物質の周囲を前記Cu、Al、Ag、Mg、W、Mo、Znから選ばれた金属又はこれらの金属を含む合金にて被覆し、この金属被覆層を有する多数の繊維状物質の集合体を一体的に複合化したことを特徴とする高熱伝導・低熱膨張複合体。
- 前記複合体の繊維状物質となる炭素繊維の繊維長が1mm以上であることを特徴とする請求項1記載の高熱伝導・低熱膨脹複合体。
- 前記複合体の繊維状物質となるカーボンナノチューブのチューブ長が10μm以上あり、前記カーボンナノチューブが長さ10mm以上のテープ状あるいはシート状であることを特徴とする請求項1記載の高熱伝導・低熱膨脹複合体。
- 前記複合体の繊維軸方向の熱伝導率が200W/(m・K)以上であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の高熱伝導・低熱膨脹複合体。
- 前記複合体の繊維軸方向の熱膨張係数が10×10−6/K以下であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の高熱伝導・低熱膨脹複合体。
- 前記複合体を構成する繊維状物質と金属層との割合が、体積割合で9:1〜1:9であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の高熱伝導・低熱膨脹複合体。
- 請求項1〜6の何れかに記載の繊維状物質の周囲をCu、Al、Ag、Mg、W、Mo、Znから選ばれた金属又はこれらの金属を含む合金にて被覆する方法が無電解めっき、電解めっき、あるいは無電解めっき後に電解めっきを施してなることを特徴とする高熱伝導・低熱膨脹複合体の製造方法。
- 請求項1〜6の何れかに記載の複合体をHIP焼結することにより製造することを特徴とする高熱伝導・低熱膨脹複合体の製造方法。
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