JP2007262512A - 複合材料およびその製造法 - Google Patents

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Abstract

【課題】マグネシウム基材の表面に酸化皮膜が形成されていても該マグネシウム基材の表面上に遷移金属層が強固に密着した複合材料を提供すること。
【解決手段】マグネシウム基材および遷移金属層を含む複合材料であって、マグネシウム基材に対して親和性を有するマグネシウム親和層および遷移金属層に対して親和性を有する遷移金属親和層を有し、遷移金属親和層上にマグネシウム親和層が形成された金属層含有炭素繊維がマグネシウム基材に含有されるとともに、遷移金属親和層が露出した金属層含有炭素繊維がマグネシウム基材の表面上に突出し、遷移金属層がその突出した金属層含有炭素繊維を包埋してマグネシウム基材上に形成されてなる複合材料。
【選択図】なし

Description

本発明は、複合材料およびその製造法に関する。さらに詳しくは、例えば、自動車用部品、航空機などの輸送機器の部品用材料、人工衛星、宇宙開発用ロケットなどの部品用材料、ロボットアーム、ステッパーなどの部品用材料、電子部品などの部品用材料、放熱基板用材料、パーソナルコンピュータなどのハードディスクドライブのフレーム用材料、携帯電話機本体用材料、壁材などの建築用材料などをはじめ、眼鏡フレーム用材料などとして使用することが期待される複合材料およびその製造法に関する。
本発明の複合材料は、その基材にマグネシウム基材が用いられていることから、軽量でかつ耐久性に優れるとともにリサイクル性にも優れているため、従来の繊維強化プラスチックやアルミニウム系複合材料などに代わりうる第三の材料として期待されるものである。
従来、プラスチック自体の機械的強度を高めるために、プラスチックに繊維が配合された繊維強化プラスチック(以下、FRPという)が広く用いられている。FRPは、一般に、エポキシ樹脂や架橋型ポリエステルを基材とし、その基材中にガラス繊維や炭素繊維などの繊維が含有されている。しかし、FRPは、一般に耐熱温度が低いため、常温で使用される貯水槽などに使用することができるが、自動車などのように高温に曝される用途には適しておらず、またリサイクル性にも劣る。
FRPの耐熱性を高めるために、FRPに使用される基材として、ポリイミドなどの高融点を有する熱可塑性樹脂が提案されている。しかし、このような熱可塑性樹脂には、その耐熱温度が高すぎるため、高温に加熱溶融させた後に成形する必要があることから成形性に劣り、またその熱可塑性樹脂自体が高価であるため、工業的生産性に劣るという欠点がある。
そこで、耐熱性に優れた複合材料として、フッ化物層を有する炭素繊維をアルミニウム中に含有させた複合材料(例えば、特許文献1参照)や、二酸化ケイ素層を有する炭素繊維をアルミニウムに含有させた複合材料(例えば、特許文献2参照)などが提案されている。
しかし、これらの複合材料には、炭素繊維とアルミニウムとの結合強度が弱いのみならず、炭素繊維とアルミニウムとの熱膨張率の差が大きいため、温度変化によって両者間に剥離が生じるおそれがあるという欠点がある。
特開平5−125662号公報 特開2002−59257号公報
そこで、本発明者らは、前記従来技術に鑑みて、アルミニウムに代わる基材として、
樹脂材料に匹敵する軽さ、金属としての放熱性、制振性、リサイクル性などを有するという利点があることから、マグネシウムに着目し、これまで鋭意研究を重ねてきた。
しかし、マグネシウムは本質的に化学的に不安定であるため、マグネシウムからなる基材の表面には、防食処理を施す必要がある。マグネシウムからなる素材の表面に防食処理を施す方法として、(1)その基材の表面に酸化皮膜を形成し、マグネシウムを不動態化させる方法、(2)マグネシウムからなる基材の表面にめっきを施す方法などが考えられる。
しかしながら、前記(1)の方法では、表面光沢が失われるのみならず、その表面の化学的安定性がそれほど高められない。また、前記(2)の方法では、めっきを施す前に、基材表面に形成されている酸化皮膜をあらかじめ除去するという煩雑な操作を必要とするのみならず、酸化皮膜を除去しても周囲の水分や空気中の酸素により、露出したマグネシウムが速やかに酸化され、酸化皮膜が形成されるという欠点、不用意に酸化皮膜を除去するとマグネシウムの腐食が進行するという欠点、形成されためっき皮膜と基材との密着性が十分ではないという欠点などがある。
本発明は、前記実情に鑑みてなされたものであり、マグネシウム基材の表面に酸化皮膜が形成されていても該マグネシウム基材の表面上に遷移金属層が強固に密着した複合材料を提供することを課題とする。
本発明は、
〔1〕マグネシウム基材および遷移金属層を含む複合材料であって、マグネシウム基材に対して親和性を有するマグネシウム親和層および遷移金属層に対して親和性を有する遷移金属親和層を有し、遷移金属親和層上にマグネシウム親和層が形成された金属層含有炭素繊維がマグネシウム基材に含有されるとともに、遷移金属親和層が露出した金属層含有炭素繊維がマグネシウム基材の表面上に突出し、遷移金属層がその突出した金属層含有炭素繊維を包埋してマグネシウム基材上に形成されてなる複合材料、および
〔2〕マグネシウム基材および遷移金属層を含む複合材料の製造法であって、
(1)マグネシウム基材を形成するためのマグネシウム基材用原料を加熱溶融させ、溶融したマグネシウム基材用原料と、マグネシウム基材に対して親和性を有するマグネシウム親和層および遷移金属層に対して親和性を有する遷移金属親和層を有し、遷移金属親和層上にマグネシウム親和層が形成された金属層含有炭素繊維とを混合し、
(2)得られた混合物からマグネシウム基材を成形し、冷却することによりマグネシウム基材を固化させ、
(3)固化したマグネシウム基材の表面上に突出した金属層含有炭素繊維のマグネシウム親和層を除去して遷移金属親和層を露出させた後、
(4)マグネシウム基材の表面上に、突出した金属層含有炭素繊維を包埋させてパラジウム層を形成させる複合材料の製造法
に関する。
本発明によれば、マグネシウム基材の表面に酸化皮膜が形成されていても該マグネシウム基材の表面上に遷移金属層が強固に密着した複合材料が提供される。
本発明の複合材料は、マグネシウム基材および遷移金属層を含む複合材料であり、マグネシウム基材上に遷移金属層が形成されている。
マグネシウム基材には、マグネシウム基材に対して親和性を有するマグネシウム親和層および遷移金属層に対して親和性を有する遷移金属親和層を有し、遷移金属親和層上にマグネシウム親和層が形成された金属層含有炭素繊維が含有されており、遷移金属親和層が露出した金属層含有炭素繊維がマグネシウム基材の表面上に突出している。遷移金属層は、その突出した金属層含有炭素繊維を包埋してマグネシウム基材上に形成されている。
マグネシウム基材は、本発明の複合材料の基材となるものである。マグネシウム基材は、マグネシウムまたはマグネシウム合金で構成される。
マグネシウム合金は、マグネシウムを含有する合金を意味する。マグネシウム合金におけるマグネシウムの含有量は、マグネシウムが本質的に有する軽さなどをマグネシウム基材に付与する観点から、好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%、さらに好ましくは70重量%以上である。
マグネシウム合金としては、例えば、マグネシウム−銅合金、マグネシウム−亜鉛合金、マグネシウム−マンガン合金、マグネシウム−アルミニウム合金、マグネシウム−アルミニウム−マンガン合金、マグネシウム−ケイ素合金、マグネシウム−アルミニウム−ケイ素合金、マグネシウム−アルミニウム−銅合金、マグネシウム−アルミニウム−亜鉛合金、マグネシウム−アルミニウム−亜鉛−銅合金などが挙げられるが、本発明は、かかる例示によって限定されるものではない。
マグネシウム基材の大きさおよび形状は、本発明の複合基材の用途などによって異なるので、一概には決定することができない。したがって、マグネシウム基材の大きさおよび形状は、その用途などに応じて適宜設定することが好ましい。
マグネシウム基材は、金属層含有炭素繊維を含有する。金属層含有炭素繊維は、金属層としてマグネシウム親和層および遷移金属親和層を有する。マグネシウム親和層は、マグネシウム基材に対して親和性を有する層であり、遷移金属親和層は、遷移金属層に対して親和性を有する層である。金属層含有炭素繊維の遷移金属親和層上には、マグネシウム親和層が形成されている。
本発明における1つの大きな特徴は、このようにマグネシウム基材に対して親和性を有するマグネシウム親和層および遷移金属層に対して親和性を有する遷移金属親和層を有し、遷移金属親和層上にマグネシウム親和層が形成された金属層含有炭素繊維が用いられている点にある。本発明では、この金属層含有炭素繊維が用いられているので、マグネシウム基材と遷移金属層とを強固に一体化させることができる。
金属層含有炭素繊維に用いられる炭素繊維としては、例えば、ピッチ系炭素繊維、液晶系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維、ポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維、気相成長系炭素繊維などが挙げられるが、本発明は、かかる例示によって限定されるものではない。これらの炭素繊維は、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。炭素繊維のなかでは、引張り強度および引張り弾性率を高める観点から、ピッチ系炭素繊維、ポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維および気相成長系炭素繊維が好ましい。
炭素繊維の繊維径は、マグネシウム基材中で均一に分散させる観点および成形性を高める観点から、好ましくは0.1〜30μm、より好ましくは1〜15μm、さらに好ましくは3〜10μmである。また、炭素繊維の長さは、マグネシウム基材中で均一に分散させる観点および成形性を高める観点から、好ましくは1μm〜100mm、より好ましくは50μm〜50mm、さらに好ましくは100μm〜10mmである。
なお、炭素繊維の長さが10〜100mmの範囲内にある場合には、金属層含有炭素繊維をあらかじめ金型内に入れておいた後、加熱溶融したマグネシウム基材用原料を金型内に射出し、金型内でマグネシウム基材用原料と金属層含有炭素繊維とを混合し、得られた混合物を金型内で、必要により加圧することにより、マグネシウム基材を成形することができる。
一方、炭素繊維の長さが1μm〜25mmの範囲内にある短繊維を用いる場合には、金属層含有炭素繊維と加熱溶融したマグネシウム基材用原料とを混合し、得られた混合物を金型内に射出することにより、金型内でマグネシウム基材を成形することができる。短繊維の長さは、マグネシウム基材の表面上に金属層含有炭素繊維が突出されやすくするようにするとともに、金属層含有炭素繊維とマグネシウム基材用原料との混合物の射出成形性を高める観点から、好ましくは1μm〜25mm、より好ましくは1〜20mm、さらに好ましくは3〜15mm、より一層好ましくは5〜10mmである。
炭素繊維のなかでは、炭素繊維の長さLに対する炭素繊維の直径Dの比(D/L)は、マグネシウム基材中における金属層含有炭素繊維の配向性を高め、本発明の複合材料の機械的強度を高める観点から、1/100000以上であることが好ましく、また、作業時の取扱いやすさや炭素繊維の捕集の容易さの観点から、1/10以下であることが好ましい。
金属層含有炭素繊維上に形成されている遷移金属親和層は、マグネシウム基材に形成された遷移金属層との親和性に優れているため、金属層含有炭素繊維と遷移金属層とを強固に結合する役割を有する。
金属層含有炭素繊維の遷移金属親和層は、マグネシウム基材上に形成される遷移金属層を構成する遷移金属と同じ種類であることが遷移金属層と遷移金属親和層とを強固に結合させる観点から好ましい。遷移金属層を構成する好適な遷移金属としては、遷移金属親和層と強固に結合させる観点から、例えば、ニッケル族金属、ニッケル族金属の合金などが挙げられる。
ニッケル族金属としては、ニッケル、パラジウム、白金などが挙げられ、これらは、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。これらのなかでは、その入手が容易であるとともに、マグネシウム基材上に形成させることが容易であることから、ニッケルが好ましい。
ニッケル族金属の合金は、ニッケル族金属を含有する合金を意味する。ニッケル族金属の合金におけるニッケル族金属の含有量は、繊維金属層との結合を強固にする観点から、好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%、さらに好ましくは70重量%以上である。
ニッケル族金属の合金の代表例としては、ニッケル−銅合金、ニッケル−クロム合金、ニッケル−鉄合金、ニッケル−リン合金などのニッケル合金、パラジウム−銅合金、パラジウム−クロム合金、パラジウム−鉄合金、パラジウム−リン合金などのパラジウム合金、白金−銅合金、白金−クロム合金、白金−鉄合金、白金−リン合金などの白金合金などが挙げられ、これらは、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。これらのニッケル族の合金のなかでは、遷移金属層の遷移金属と遷移金属親和層とを強固に結合させる観点から、ニッケル合金およびパラジウム合金が好ましく、ニッケル合金がより好ましい。
なお、本発明においては、遷移金属親和層は、炭素繊維上に直接形成されていてもよく、あるいは他の金属層を介して炭素繊維上に形成されていてもよい。
遷移金属親和層を炭素繊維上に形成させる方法としては、例えば、溶媒中で炭素繊維と遷移金属含有化合物とを反応させる溶液反応法(ゾル−ゲル法)、炭素繊維と遷移金属含有化合物とを混合し、この混合物を酸化性雰囲気中で加熱処理する方法、めっきにより形成させる方法などが挙げられる。これらの方法のなかでは、遷移金属親和層の形成のしやすさの観点から、めっきにより形成させる方法が好ましい。
めっきにより炭素繊維上に遷移金属親和層を形成させる方法を採用する場合、電解めっき法および無電解めっき法のいずれの方法でも遷移金属親和層を炭素繊維上に形成させることができる。これらの方法のなかでは、遷移金属親和層の迅速に形成させることができることから、電解めっき法が好ましい。
遷移金属親和層を構成する代表的な遷移金属としてニッケルまたはニッケル合金を用いて遷移金属親和層をめっきによって形成させる場合について説明する。
ニッケルからなる遷移金属親和層をめっきによって形成させる場合には、ニッケルめっき浴を用いることができる。
ニッケルめっき浴としては、例えば、ニッケル塩、必要に応じて還元剤、錯化剤、pH調整剤、pH緩衝剤、安定剤、応力緩和剤などを含む水溶液が挙げられる。
ニッケル塩としては、例えば、スルファミン酸ニッケル、塩化ニッケル、硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、炭酸ニッケル、ギ酸ニッケル、酢酸ニッケル、シュウ酸ニッケル、メタンスルホン酸ニッケル、2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ニッケル、フェノールスルホン酸ニッケル、ホウフッ化ニッケルなどが挙げられ、これらは、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
還元剤としては、例えば、次亜リン酸ナトリウムなどのリン系還元剤、ジメチルアミンボランなどのホウ素系還元剤などが挙げられる。錯化剤としては、例えば、ピロリン酸、クエン酸、乳酸、エチレンジアミン四酢酸などの有機酸およびそれらの塩、グリシンなどが挙げられる。pH調整剤としては、例えば、アンモニウム塩、水酸化ナトリウムなどが挙げられる。pH緩衝剤としては、例えば、ホウ酸などが挙げられる。安定剤としては、例えば、ビスマスや鉛などが挙げられる。応力緩和剤としては、例えばサッカリンなどが挙げられる。
ニッケルめっき浴の具体例としては、ワット浴、スルファミン酸浴、ピロリン酸銅浴などが挙げられる。
ニッケル合金からなる遷移金属親和層をめっきによって形成させる場合には、ニッケル合金めっき浴を用いることができる。
ニッケル合金めっき浴は、前記ニッケルめっき浴に、ニッケルと合金を形成する金属化合物を添加することによって調製することができる。
ニッケルと合金を形成する金属としては、例えば、硫酸銅やピロリン酸銅などの銅化合物、無水クロム酸などのクロム化合物、硫酸鉄などの鉄化合物などが挙げられる。
ニッケルまたはニッケル合金を用いて遷移金属親和層を電解めっきによって形成させるときに、例えば、ワット浴を用いる場合には、めっき浴の温度を40〜60℃程度の温度に調整し、めっき浴のpHを3〜5程度とすることが好ましい。また、電解めっきの際の電流密度は、0.1〜100A/dmであることが好ましい。
なお、めっきを施す前には、炭素繊維との接着強度を高める観点から、炭素繊維の表面をメチルエチルケトン、アセトンなどの有機溶媒であらかじめ清浄化させておいてもよい。
かくして炭素繊維上に形成される遷移金属親和層の厚さは、炭素繊維の充填密度を高める観点および遷移金属親和層の均一性を向上させる観点から、好ましくは0.0001〜10μm、より好ましくは0.01〜5μm、さらに好ましくは0.1〜2μmである。
次に、炭素繊維の遷移金属親和層上には、マグネシウム基材に対して親和性を有するマグネシウム親和層を形成させる。
本発明では、このように炭素繊維の表面にマグネシウム親和層が形成されているので、マグネシウム基材と強固に結合させることができる。
マグネシウム親和層は、マグネシウム基材との親和性に優れている。マグネシウム親和層は、マグネシウム基材との界面での結合強度を高めるとともに、マグネシウム基材の表面に突出した金属層含有炭素繊維のマグネシウム親和層の除去を容易にする観点から、亜鉛または亜鉛合金、好ましくは亜鉛で構成されていることが望ましい。
亜鉛合金としては、例えば、亜鉛−銀合金、亜鉛−カドミウム合金、亜鉛−クロム合金、亜鉛−ベリリウム合金、亜鉛−コバルト合金、亜鉛−錫合金、亜鉛−ニッケル合金などが挙げられるが、本発明はかかる例示のみに限定されるものではない。
マグネシウム親和層は、例えば、めっきにより形成させることができる。その一例として、マグネシウム親和層を亜鉛または亜鉛合金のめっきによって形成させる場合について、以下に説明する。
マグネシウム親和層は、電解めっき法または無電解めっき法によって形成されることができる。これらの方法のなかでは、マグネシウム親和層を迅速に形成させる観点から、電解めっき法が好ましい。
亜鉛めっきを施す場合には、亜鉛めっき浴を用いることができる。亜鉛めっき浴としては、亜鉛塩、錯化剤、pH調整剤、還元剤、pH緩衝剤などを含む水溶液が挙げられる。亜鉛めっき浴の具体例としては、硫酸亜鉛浴、シアン化亜鉛浴などが挙げられる。
亜鉛塩としては、例えば、硫酸亜鉛、シアン化亜鉛などが挙げられる。また、錯化剤、pH調整剤、還元剤およびpH緩衝剤としては、前記したものを用いることができる。
亜鉛合金めっき浴としては、例えば、前記亜鉛めっき浴に、亜鉛と合金を形成する金属化合物を添加したものが挙げられる。亜鉛と合金を形成する金属化合物としては、例えば、銀、カドミウム、クロム、ベリリウム、コバルト、錫、ニッケルなどの金属の化合物、例えば、塩化物、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
電解めっきは、一般に行われている電解亜鉛めっき法または電解亜鉛合金めっき法と同様の方法で行うことができる。
かくして炭素繊維上に形成された遷移金属親和層上にマグネシウム親和層を形成させることにより、金属層含有炭素繊維が得られる。
金属層含有炭素繊維上に形成されたマグネシウム親和層の厚さは、炭素繊維の充填密度を高める観点およびその内部の繊維金属親和層を保護するとともにマグネシウム基材の表面に突出した金属層含有炭素繊維のマグネシウム親和層の除去を容易にする観点から、好ましくは0.0001〜10μm、より好ましくは0.01〜5μm、さらに好ましくは0.1〜2μmである。
なお、炭素繊維とその表面に形成される遷移金属和層およびマグネシウム親和層とを強固に結合させ、ひいては該炭素繊維を介してマグネシウム基材と遷移金属層とをより強固に結合させる観点から、金属層含有炭素繊維に加熱処理を施すことが好ましい。
加熱処理は、例えば、アルゴンガス、窒素ガスなどの不活性ガス中で、400〜800℃の温度に前記炭素繊維を加熱することによって行うことができる。その加熱時間は、加熱処理時の加熱温度などによって異なるが、通常、15〜200分程度であることが好ましい。
かくして得られる金属層含有炭素繊維は、マグネシウム基材に対して親和性を有するマグネシウム親和層および遷移金属層に対して親和性を有する遷移金属親和層を有し、マグネシウム親和層が遷移金属親和層上に形成されている。この金属層含有炭素繊維を用いることにより、本発明の複合材料が得られる。
本発明においては、まず、金属層含有炭素繊維とマグネシウム基材用原料とをマグネシウム基材用原料を加熱溶融させて混合する。その際、本発明の目的が阻害されない範囲内であれば、金属層を有しない炭素繊維、チタン酸カリウム繊維、ホウ酸マグネシウム繊維、ホウ酸マグネシウム繊維などのその他の繊維などが含まれていてもよい。
マグネシウム基材用原料は、マグネシウム基材を構成する原料である。マグネシウム基材は、このマグネシウム基材用原料を用いて成形することによって製造することができる。マグネシウム基材用原料としては、マグネシウムおよびマグネシウム合金が挙げられる。マグネシウム合金は、前記マグネシウム基材に用いられるものと同様である。
マグネシウム基材用原料を溶融させるために、まず、マグネシウム基材用原料を加熱する。そのときの加熱温度は、マグネシウム基材用原料の融点以上の温度でかつ沸点以下の温度あるいはチクソトロピーを発現する温度であるが、溶融したマグネシウム基材用原料と炭素繊維との混合を容易にする観点および生産性を高める観点から、好ましくはマグネシウム基材用原料の融点よりも約100℃低い温度〜マグネシウム基材用原料の融点よりも約450℃高い温度、より好ましくはマグネシウム基材用原料の融点よりも約50℃低い温度〜マグネシウム基材用原料の融点よりも約400℃高い温度である。例えば、マグネシウム基材用原料としてマグネシウムを用いる場合、マグネシウムの融点が651℃であり、沸点が1107℃であることから、マグネシウムの加熱温度は、好ましくは約550〜約1100℃であり、より好ましくは約600〜約1050℃である。
溶融したマグネシウム基材用原料と金属層含有炭素繊維とを混合する。このとき、炭素繊維の長さが10〜100mmの範囲内にある金属層含有炭素繊維を用いる場合には、金属層含有炭素繊維をあらかじめ金型内に入れておいた後、金型内に加熱溶融したマグネシウム基材用原料を射出し、金型内でマグネシウム基材用原料と金属層含有炭素繊維とを混合することが好ましい。
一方、炭素繊維の長さが1μm〜25mmの範囲内にある金属層含有炭素繊維を用いる場合には、金属層含有炭素繊維と加熱溶融したマグネシウム基材用原料とを混合し、得られた混合物を金型内に射出することが好ましい。
金属層含有炭素繊維の量は、得られるマグネシウム基材の表面に突出する炭素繊維の量を多くし、マグネシウム基材の表面上に形成される遷移金属層との結合強度を高める観点および軽量化を図る観点から、マグネシウム基材100重量部に対して、好ましくは0.3〜90重量部、より好ましくは0.5〜50重量部、さらに好ましくは1〜30重量部である。
次に、得られた金属層含有炭素繊維とマグネシウム基材用原料との混合物から、マグネシウム基材を成形する。マグネシウム基材の形状には特に限定がなく、得られる複合材料の用途に応じてマグネシウム基材の形状を決定することが好ましい。例えば、得られる複合材料を眼鏡フレームに使用する場合には、マグネシウム基材は、眼鏡フレームに対応した形状を有するように調整すればよい。
前記混合物からマグネシウム基材を成形する際には、溶湯鍛造用の金型を用いることができる。金型の内面形状は、マグネシウム基材の形状に対応する形状とすることができる。
なお、金型内にいきなり加熱溶融したマグネシウム基材用原料または前記混合物を射出した場合には、マグネシウム基材用原料または前記混合物が急激に冷却され、得られる複合材料の表面上に炭素繊維が突出しがたくなるおそれがある。したがって、本発明においては、マグネシウム基材用原料または前記混合物を金型内に射出する前に、金型を予熱しておくことが好ましい。金型の予熱温度は、加熱溶融したマグネシウム基材用原料または前記混合物が急激に冷却されることを回避する観点から、好ましくは150℃以上、より好ましくは200℃以上である。なお、金属層含有炭素繊維の表面に形成されている遷移金属親和層およびマグネシウム親和層の安定性の観点から、金型の予熱温度は、好ましくは400℃以下、より好ましくは350℃以下、さらに好ましくは300℃以下である。
金型を予熱するときの雰囲気および加熱溶融したマグネシウム基材用原料または前記混合物を金型内に射出させるときの雰囲気には特に限定がない。かかる雰囲気は、例えば、大気であってもよく、アルゴンガス、窒素ガスなどの不活性ガスであってもよい。
加熱溶融したマグネシウム基材用原料または前記混合物を金型内に射出するときの射出圧および射出速度についても特に限定がない。射出圧は、通常、好ましくは10〜800MPa、より好ましくは20〜600MPaである。また、射出速度は、通常、好ましくは0.5〜8m/s、より好ましくは2〜6m/sである。
かくして炭素繊維の長さが10〜100mmの範囲内にある金属層含有炭素繊維を用いる場合には、金属層含有炭素繊維をあらかじめ金型内に入れておいた後、金型内に加熱溶融したマグネシウム基材用原料を射出し、金型内でマグネシウム基材用原料と金属層含有炭素繊維とを混合することにより、あるいは炭素繊維の長さが1μm〜25mmの範囲内にある金属層含有炭素繊維を用いる場合には、金属層含有炭素繊維と加熱溶融したマグネシウム基材用原料とを混合し、得られた混合物を金型内に射出することにより、炭素繊維の比重がマグネシウム基材用原料よりも小さいことから、マグネシウム基材の内部よりもその表面に炭素繊維が集まり、炭素繊維の一部がマグネシウム基材の表面に突出する。
金型内でマグネシウム基材を成形した後、金型を冷却し、成形されたマグネシウム基材を固化させる。冷却温度は、成形されたマグネシウム基材が固化する温度以下であればよいが、金型から取り出したマグネシウム基材の取扱い性を考慮すれば、好ましくは60℃以下、より好ましくは40℃以下である。
金型を冷却した後、型開きをし、成形されたマグネシウム基材を取り出す。取り出されたマグネシウム基材の表面には、金属層含有炭素繊維が突出している。マグネシウム基材の表面に突出している金属層含有炭素繊維の量は、用いられる金属層含有炭素繊維の量や成形条件などによって異なるので一概には決定することができない。したがって、マグネシウム基材に突出している金属層含有炭素繊維の量は、マグネシウム基材の用途などに応じて金属層含有炭素繊維の量や成形条件などを適宜設定することによって調整することが好ましい。通常の場合、マグネシウム基材の表面上には、長さが1mm以下、好ましくは0.01〜1mmの金属層含有炭素繊維がその面積1cm2あたり約50〜約150本程度が突出している。
次に、突出した金属層含有炭素繊維の表面に形成されているマグネシウム親和層を除去する。マグネシウム親和層の除去は、例えば、エッチングなどによって行うことができる。エッチングは、例えば、水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ溶液で容易に行うことができる。これにより、マグネシウム基材の表面上に突出している金属層含有炭素繊維の表面に存在しているマグネシウム親和層を除去し、その内部に存在している遷移金属親和層を露出させることができる。
マグネシウム基材の表面上に突出している金属層含有炭素繊維の遷移金属親和層を露出させた後、この突出している金属層含有炭素繊維を包埋させて遷移金属層をマグネシウム基材上に形成させる。
遷移金属層は、遷移金属で構成される。遷移金属のなかでは、マグネシウム基材との結合力が強いことから、ニッケル族金属またはニッケル族金属の合金が好ましい。
ニッケル族金属としては、ニッケル、パラジウム、白金などが挙げられ、これらは、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。これらのなかでは、
金属層含有炭素繊維の遷移金属層と、マグネシウム基材の表面に形成された遷移金属層とを強固に結合させる観点から、パラジウムおよびニッケルが好ましく、パラジウムがより好ましい。したがって、本発明においては、遷移金属層として、パラジウム層を用いることが好ましい。
ニッケル族金属の合金は、ニッケル族金属を含有する合金を意味する。ニッケル族金属の合金におけるニッケル族金属の含有量は、繊維金属層との結合を強固にする観点から、好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%、さらに好ましくは70重量%以上である。
ニッケル族金属の合金の代表例としては、ニッケル−銅合金、ニッケル−クロム合金、ニッケル−鉄合金、ニッケル−リン合金などのニッケル合金、パラジウム−銅合金、パラジウム−クロム合金、パラジウム−鉄合金、パラジウム−リン合金などのパラジウム合金、白金−銅合金、白金−クロム合金、白金−鉄合金、白金−リン合金などの白金合金などが挙げられ、これらは、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。これらのニッケル族の合金のなかでは、遷移金属層の遷移金属と遷移金属親和層とを強固に結合させる観点から、ニッケル合金およびパラジウム合金が好ましく、ニッケル合金がより好ましい。
マグネシウム基材の表面に突出している金属層含有炭素繊維を包埋させて、遷移金属層をマグネシウム基材上に形成させる方法としては、例えば、めっきによる方法、蒸着法、スパッタリングによる方法などが挙げられるが、これらの方法のなかでは、生産効率の観点から、めっきによる方法が好ましい。めっきは、電解めっきおよび無電解めっきのいずれであってもよいが、めっき効率を高める観点から、電解めっきが好ましい。
以下に、マグネシウム基材上に遷移金属層を形成させる方法として、めっきによる方法で遷移金属層をマグネシウム基材上に形成させる場合について説明する。
めっき浴には、例えば、遷移金属塩、必要に応じて還元剤、錯化剤、pH調整剤、pH緩衝剤などを含む水溶液が挙げられる。
好適な遷移金属塩の具体例としては、硫酸パラジウム、塩化パラジウム、硝酸パラジウム、炭酸パラジウム、スルファミン酸パラジウム、ギ酸パラジウム、酢酸パラジウム、シュウ酸パラジウム、メタンスルホン酸パラジウム、2−ヒドロキシプロパンスルホン酸パラジウム、フェノールスルホン酸パラジウム、ホウフッ化パラジウムなどのパラジウム塩、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、硝酸ニッケル、炭酸ニッケル、スルファミン酸ニッケル、ギ酸ニッケル、酢酸ニッケル、蓚酸ニッケル、メタンスルホン酸ニッケル、2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ニッケル、フェノールスルホン酸ニッケル、ホウフッ化ニッケルなどのニッケル塩などが挙げられる。
還元剤としては、例えば、次亜リン酸ナトリウムなどのリン系還元剤、ジメチルアミンボランなどのホウ素系還元剤などが挙げられる。
錯化剤としては、例えば、ピロリン酸、クエン酸、乳酸、エチレンジアミン四酢酸などの有機酸およびそれらの塩、グリシンなどが挙げられる。pH調整剤としては、例えば、アンモニウム塩、水酸化ナトリウムなどが挙げられる。pH緩衝剤としては、例えば、ホウ酸などが挙げられる。
めっきの際に使用されるめっき浴の具体例としては、ワット浴、スルファミン酸浴、ピロリン酸銅浴などが挙げられる。
めっき浴には、遷移金属と合金を形成する金属化合物を添加することができる。遷移金属と合金を形成する金属化合物としては、例えば、銅、クロム、鉄などの金属の化合物、例えば、硫酸銅、スルファミン酸銅、クロム酸、硫酸鉄などが挙げられる。
電解めっきは、たとえばワット浴の場合、めっき浴の温度を40〜60℃程度に、めっき浴のpHを3〜5程度に調整し、電流密度が0.1〜100A/dmとなるように通電することにより、行うことができる。
かくして、マグネシウム基材上に突出し、金属層含有炭素繊維の遷移金属親和層が露出している部分を包埋してマグネシウム基材上に遷移金属層が形成する。
マグネシウム基材上に形成された遷移金属層の厚さは、耐食性を高める観点および密着強度を向上させる観点から、好ましくは0.01〜100μm、より好ましくは0.5〜50μm、さらに好ましくは0.1〜10μmである。なお、マグネシウム基材上に形成された遷移金属層の厚さは、めっき条件やめっきに要する時間などを適宜調整することによって容易に調節することができる。
かくして得られる本発明の複合材料は、マグネシウム基材とその表面に形成されている繊維金属層とが金属層含有炭素繊維介して投錨効果(アンカー効果)によって結合されているだけでなく、金属層含有炭素繊維のマグネシウム親和層とマグネシウム基材とが強固に結合し、金属層含有炭素繊維の遷移金属親和層とマグネシウム基材の表面に形成されている繊維金属層とが強固に結合するので、マグネシウム基材と遷移金属層との結合強度が著しく高められたものである。
本発明の複合材料は、マグネシウム基材とその表面上に形成された遷移金属層とが強固に結合し、マグネシウム基材の表面が保護されており、樹脂材料に匹敵する軽さ、金属としての放熱性、制振性、リサイクル性などを有するという利点があることから、例えば、自動車用部品、航空機などの輸送機器の部品用材料、人工衛星、宇宙開発用ロケットなどの部品用材料、ロボットアーム、ステッパーなどの部品用材料、電子部品用材料、放熱基板材料、パーソナルコンピュータなどのハードディスクドライブのフレーム、携帯電話機本体、壁材などの建築用材料をはじめ、眼鏡フレームなどに使用することができる。
次に、本発明の複合材料を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。
製造例1
(1)遷移金属親和層の形成
炭素繊維として、直径7μm、長さ6cmの炭素繊維(フィラメント数:12000)を用意した。
この炭素繊維を常温下でメチルエチルケトン中に2分間浸漬し、炭素繊維に付着しているサイズ剤を溶解させて除去した後、メチルエチルケトン中から取り出し、乾燥させた。
この炭素繊維の表面に、遷移金属親和層を形成させるためにニッケルめっきを施した。ニッケルめっきは、60%スルファミン酸ニッケル350mL、塩化ニッケル45gおよびホウ酸40gを含有するめっき浴1L(浴温度:50℃、pH:4.0)に、アノードとしてニッケル板(100mm×100mm×厚さ1mm)、カソードとして前記炭素繊維を用い、電流密度1A/dm2にて、積算電気量が約463Cとなるまで通電することにより行った。その結果、ニッケルめっき層の厚さは、約1μmであった。
(2)マグネシウム親和層の形成
前記(1)で得られたニッケルめっき層が形成された炭素繊維を用いた。この炭素繊維のニッケルめっき層の表面に、マグネシウム親和層を形成させるために亜鉛めっきを施した。亜鉛めっきは、塩化亜鉛14gおよび塩化アンモニウム200gを含有するめっき浴1L〔浴温度:50℃、pH:5.0〜6.0(塩酸を添加して調整)〕に、アノードとして亜鉛板(100mm×100mm×厚さ1mm)、カソードとして前記ニッケルめっき層が形成された炭素繊維を用い、電流密度0.5A/dm2にて、積算電気量が約543Cとなるまで通電することにより行った。その結果、亜鉛めっき層の厚さが約1μmである金属層含有炭素繊維が得られた。
実施例1〜3および比較例1
(1)マグネシウム基材の製造
製造例1で得られた金属層含有炭素繊維をマグネシウム合金(JIS H 5202−1992に規定のAZ91D)100重量部に対して0重量部(比較例1)、1重量部(実施例1)、2重量部(実施例2)または3重量部(実施例3)の割合で用いた。
実施例1〜3では、縦100mm、横50mm、厚さ1.0mmのマグネシウム基材に対応した内面形状を有する成形型内に金属層含有炭素繊維を入れ、また比較例1では成形型内に金属層含有炭素繊維を入れずに、金型を250℃に予熱した後、650℃に加熱溶融させておいた前記マグネシウム合金をこの金型内に40MPaの射出圧で4m/sの射出速度で射出し、金型を40℃以下の温度に冷却することにより、成形されたマグネシウム基材を固化させた後、型開きし、マグネシウム基材を取り出した。
得られたマグネシウム基材の表面を観察したところ、実施例1〜3で得られたマグネシウム基材の表面には、長さが1mm以下の炭素繊維が1cm2あたり約100本(実施例1)、約120本(実施例2)または約100本(実施例3)の割合で突出していた。
(2)遷移金属層の形成
実施例1〜3では、前記マグネシウム基材の表面上に、5%水酸化ナトリウム水溶液(液温:25℃)を2分間塗布し、炭素繊維の表面に存在しているマグネシウム親和層(銅めっき層)を除去し、遷移金属親和層(ニッケルめっき層)を露出させた後、十分に水洗を行った。
比較例1(炭素繊維を使用せず)では、マグネシウム基材の表面上に、5%水酸化ナトリウム水溶液(液温:25℃)を2分間塗布した後、十分に水洗を行った。
次に、マグネシウム基材の表面に、遷移金属層を形成させるためにニッケルめっきを施した。ニッケルめっきは、60%スルファミン酸ニッケル350mL、塩化ニッケル45gおよびホウ酸40gを含有するめっき浴1L(浴温度:50℃、pH:4.0)に、アノードとしてニッケル板(100mm×100mm×厚さ1mm)、カソードとして前記マグネシウム基板を用い、電流密度0.5A/dm2にて、積算電気量が約550Cとなるまで通電することにより行った。その結果、各実施例および比較例1で用いられたマグネシウム基板の表面上に形成されたニッケルめっき層(遷移金属層)の厚さが約1μmである複合材料が得られた。
次に、各実施例または比較例1で得られた複合材料の物性として、引張り強度およびパラジウムめっき層の付着強度を以下の方法に基づいて調べた。その結果を表1に示す。
(1)引張り強度
JIS H 5202に準じて測定した。
(2)パラジウムめっき層の付着強度
パラジウムめっき層の表面に、カッターナイフにて、縦および横に1mm間隔で切れ目を入れ、一辺の長さが1mmの碁盤目100個を作成したのち、その表面にセロハン粘着テープ〔(株)ニチバン製、登録商標:セロテープ、品番:CT−24S〕を貼り付けた後、JIS Z1522に準じて45度の角度でセロハン粘着テープを引き剥がすことにより、碁盤目剥離試験を行い、残存している碁盤目の数をカウントした。
表1に示された結果から、各実施例で得られた複合材料は、いずれも、比較例1で得られた複合材料と対比して、優れた引張り強度を有するとともに、遷移金属層がマグネシウム基材に強固に付着していることがわかる。
製造例2
(1)遷移金属親和層の形成
炭素繊維として、直径7μm、長さ5mmの炭素繊維200gを用意した。この炭素繊維にサイズ剤が付いている場合には、常温下でメチルエチルケトン中に2分間浸漬し、炭素繊維に付着しているサイズ剤を溶解させて除去した後、メチルエチルケトン中から取り出し、乾燥させた後に炭素繊維を用いた。
この炭素繊維の表面に、遷移金属親和層を形成させるためにニッケルめっきを施した。ニッケルめっきは、スルファミン酸ニッケル40gおよびクエン酸ナトリウム60gを含有し、アンモニア水によりpHが9.0に調整されためっき浴2Lに、この炭素繊維を分散させ、浴温度65℃で、30%ホスフィン酸ナトリウム水溶液を添加して行った。ホスフィン酸ナトリウム水溶液の添加量を調整することにより、炭素繊維の表面に厚さ約1μmのニッケルめっき層を形成させた。
(2)マグネシウム親和層の形成
前記(1)で得られたニッケルめっき層が形成された炭素繊維を用いた。この炭素繊維のニッケルめっき層の表面にマグネシウム親和層を形成させるために、亜鉛めっきを施した。亜鉛めっきは、塩化亜鉛14gおよび塩化アンモニウム200gを含有するめっき浴1L〔浴温度:50℃、pH:5.0〜6.0(塩酸を添加して調整)〕に、アノードとして亜鉛板(100mm×100mm×厚さ1mm)、カソードとして前記ニッケルめっき層が形成された炭素繊維を用い、電流密度0.5A/dm2にて、積算電気量が約543Cとなるまで通電することにより行った。その結果、亜鉛めっき層の厚さが約1μmである金属層含有炭素繊維が得られた。
実施例4
製造例2で得られた金属層含有炭素繊維をマグネシウム合金(JIS H 5202−1992に規定のAZ91D)100重量部に対して3重量部(実施例1)の割合で用いた。
650℃に加熱溶融させたマグネシウム合金に前記金属層含有炭素繊維を添加し、攪拌することにより混合し、混合物を得た。
得られた混合物を、縦100mm、横50mm、厚さ1.0mmのマグネシウム基材に対応した内面形状を有する成形型(金型温度:250℃)内に40MPaの射出圧で4m/sの射出速度で射出し、金型を40℃以下の温度に冷却することにより、成形されたマグネシウム基材を固化させた後、型開きし、マグネシウム基材を取り出した。
得られたマグネシウム基材の表面を観察したところ、その表面には、長さが1mm以下の炭素繊維が1cm2あたり約140本の割合で突出していた。
前記マグネシウム基材の表面上に、5%水酸化ナトリウム水溶液(液温:25℃)を2分間塗布し、炭素繊維の表面に存在しているマグネシウム親和層(銅めっき層)を除去し、遷移金属親和層(ニッケルめっき層)を露出させた後、十分に水洗を行った。
次に、このマグネシウム基材の表面に、遷移金属層を形成させるためにニッケルめっきを施した。ニッケルめっきは、60%スルファミン酸ニッケル350mL、塩化ニッケル45gおよびホウ酸40gを含有するめっき浴1L(浴温度:50℃、pH:4.0)に、アノードとしてニッケル板(100mm×100mm×厚さ1mm)、カソードとして前記マグネシウム基板を用い、電流密度0.5A/dm2にて、積算電気量が約550Cとなるまで通電することにより行った。
その結果、マグネシウム基板の表面上に形成されたニッケルめっき層(遷移金属層)の厚さが約1μmである複合材料が得られた。
次に、得られた複合材料の物性として、引張り強度およびパラジウムめっき層の付着強度を実施例1〜3と同様にして調べた。その結果、得られた複合材料の引張り強度が250MPaであり、パラジウムめっき層の付着強度では、残存している碁盤目の数が100個であった。
このことから、実施例4で得られた複合材料は、比較例1で得られた複合材料と対比して、優れた引張り強度を有するとともに、遷移金属層がマグネシウム基材に強固に付着していることがわかる。
本発明の複合材料は、樹脂材料に匹敵する軽さ、金属としての放熱性、制振性、リサイクル性などを有するという利点を有する。また、本発明の複合材料は、マグネシウム基材の表面に酸化皮膜が形成されていても該マグネシウム基材の表面上に遷移金属層が強固に密着している。
したがって、本発明の複合材料は、例えば、自動車用部品、航空機などの輸送機器の部品用材料、人工衛星、宇宙開発用ロケットなどの部品用材料、ロボットアーム、ステッパーなどの部品用材料、電子部品用材料、放熱基板材料、パーソナルコンピュータなどのハードディスクドライブのフレーム、携帯電話機本体、壁材などの建築用材料をはじめ、眼鏡フレームなどに使用することが期待される。

Claims (14)

  1. マグネシウム基材および遷移金属層を含む複合材料であって、マグネシウム基材に対して親和性を有するマグネシウム親和層および遷移金属層に対して親和性を有する遷移金属親和層を有し、遷移金属親和層上にマグネシウム親和層が形成された金属層含有炭素繊維がマグネシウム基材に含有されるとともに、遷移金属親和層が露出した金属層含有炭素繊維がマグネシウム基材の表面上に突出し、遷移金属層がその突出した金属層含有炭素繊維を包埋してマグネシウム基材上に形成されてなる複合材料。
  2. マグネシウム基材がマグネシウムまたはその合金で形成されてなる請求項1記載の複合材料。
  3. 遷移金属層の遷移金属がニッケル族金属またはその合金である請求項1または2記載の複合材料。
  4. ニッケル族金属がニッケル、パラジウムおよび白金からなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項3記載の複合材料。
  5. ニッケル族金属がパラジウムである請求項3記載の複合材料。
  6. 金属層含有炭素繊維のマグネシウム親和層が亜鉛またはその合金で形成されてなる請求項1記載の複合材料。
  7. 金属層含有炭素繊維の遷移金属親和層がニッケル族金属またはその合金で形成されてなる請求項1記載の複合材料。
  8. マグネシウム基材および遷移金属層を含む複合材料の製造法であって、
    (1)マグネシウム基材を形成するためのマグネシウム基材用原料を加熱溶融させ、溶融したマグネシウム基材用原料と、マグネシウム基材に対して親和性を有するマグネシウム親和層および遷移金属層に対して親和性を有する遷移金属親和層を有し、遷移金属親和層上にマグネシウム親和層が形成された金属層含有炭素繊維とを混合し、
    (2)得られた混合物からマグネシウム基材を成形し、冷却することによりマグネシウム基材を固化させ、
    (3)固化したマグネシウム基材の表面上に突出した金属層含有炭素繊維のマグネシウム親和層を除去して遷移金属親和層を露出させた後、
    (4)マグネシウム基材の表面上に、突出した金属層含有炭素繊維を包埋させて遷移金属層を形成させる複合材料の製造法。
  9. マグネシウム基材用原料がマグネシウムまたはその合金である請求項8記載の複合材料の製造法。
  10. 遷移金属層の遷移金属がニッケル族金属またはその合金である請求項8または9記載の複合材料の製造法。
  11. ニッケル族金属がニッケル、パラジウムおよび白金からなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項10記載の複合材料の製造法。
  12. ニッケル族金属がパラジウムである請求項10記載の複合材料の製造法。
  13. 金属層含有炭素繊維のマグネシウム親和層が亜鉛またはその合金で形成されてなる請求項8記載の複合材料の製造法。
  14. 金属層含有炭素繊維の遷移金属親和層がニッケル族金属またはその合金で形成されてなる請求項8記載の複合材料の製造法。
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