JP4343631B2 - 炭素繊維強化アルミニウム基複合材料 - Google Patents

炭素繊維強化アルミニウム基複合材料 Download PDF

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Description

本発明は、アルミニウムまたはアルミニウム合金を基材とし、基材中に金属被覆炭素繊維を混在させることによって強化した炭素繊維強化アルミニウム基複合材料に関する。
素材の軽量化かつ高強度化が実現されることによって、たとえば建築素材であれば、構築物を高層化して土地を有効活用することが可能になり、また車両、航空機などの素材であれば燃料の節約が可能になることから、種々の試みがなされている。
素材と素材とを複合させた材料による軽量化かつ高強度化も試みの一つであり、たとえば繊維強化プラスチック(略称FRP)などが良く知られている。一般的なFRPは、エポキシ樹脂をマトリックス(基材)とし、基材中に炭素繊維などの強化用繊維を混在させたものである。しかしながら、エポキシ樹脂を基材とするFRPは、耐熱温度が約200℃と低いので、常温での用途、たとえば貯水槽などの用途では問題が無いけれども、自動車の高温度に曝される部材のような用途には適用できないという問題がある。
このような問題に対して、ポリエーテルエーテルケトンまたはポリイミドなどの熱可塑性プラスチックを基材とすることによって、耐熱温度を高めたFRPがあるけれども、その耐熱温度は高々400℃程度であり、耐熱温度を高めることによって成形が難しくなり、また樹脂が高価なので汎用性に劣るという問題がある。
したがって、自動車の高温度に曝される部材のような用途を対象として、金属を基材とする複合材料の開発が試みられ、基材用の金属の中でも、比重が小さく軽量化に適すること、また加工性、耐食性、熱伝導性に優れることから、アルミニウムが注目されている。しかしながら、基材であるアルミニウム中に、たとえばPAN系炭素繊維などの炭素繊維を加えると、アルミニウムと炭素繊維とが反応し、アルミニウムと炭素との化合物である炭化アルミニウム(おそらくAlおよび/またはAlと推定される)が形成されるので、炭素繊維の強度が著しく低下し、強化材としての機能を発揮し得なくなるという問題がある。
このような問題を解決する従来技術に、炭素繊維の表面にフッ化物基の溶融塩凝固層を形成またはフッ化物基の層を付着形成させて、アルミニウムと炭素との化合物形成を阻害しかつアルミニウムに対して良好な濡れ性を発現させるもの(たとえば、特許文献1参照)がある。また他の従来技術に、炭素繊維の表面に二酸化ケイ素層を形成し、アルミニウムに対して良好な濡れ性を発現させるもの(たとえば、特許文献2参照)がある。
しかしながら、特許文献1および特許文献2に開示される技術は、炭素繊維表面に、炭素繊維表面よりも表面粗度の大きい被覆層を設け、アルミニウムとの接触面積を増加させることによって、炭素繊維とアルミニウムとの濡れ性を向上させているに過ぎず、炭素繊維とアルミニウムとの界面の結合状態を改善するものではない。また、炭素繊維、炭素繊維の表面に設けられる被覆層および基材であるアルミニウムまたはアルミニウム合金の熱膨張率は大きく異なることが多いので、その場合には、炭素繊維と被覆層との間および被覆層と基材との界面で剥離が生じ易い。したがって、前述の自動車部材の高温度に曝される用途のように、従来鉄系合金の素材が用いられている部材用途の代替とするに充分な強度を実現するのは困難であるという問題がある。
特開平5−125662号公報 特開2002−59257号公報
本発明の目的は、強化材として表面に金属層を有する炭素繊維を含む炭素繊維強化アルミニウム基複合材料であって、数百度またはそれ以上の高温に晒されても、金属材料と同等またはそれ以上の高い機械的強度を示す炭素繊維強化アルミニウム基複合材料を提供することである。
本発明者らは、(1)炭素繊維の表面に複数の金属層の積層構造からなる被覆層を形成し、(2)炭素繊維に接する金属層を、炭素と健全な固溶体(界面剥離を起こし難い強固で均一な固溶体)を形成する第1の金属によって構成し、(3)炭素繊維強化アルミニウム基複合材料の基材であるアルミニウムまたはアルミニウム合金と接する金属層を、第1の金属と、前記基材と健全な固溶体を形成する第2の金属とを含み、第1の金属と第2の金属との組成比が遷移的に変化するように構成する場合には、炭素繊維とそれに接する金属層との界面から、基材とそれに接する金属層との界面まで、物性の急激な変化がない連続層が形成され、傾斜界面が実現されるので、炭素繊維と基材との結合強度を高めることができることに着目し、本発明に至ったものである。
すなわち本発明は、アルミニウムまたはアルミニウム合金を基材とし、基材中に金属被覆炭素繊維を混在させることによって強化した炭素繊維強化アルミニウム基複合材料において、
金属被覆炭素繊維は、
炭素繊維の表面に接して形成されるニッケルまたはニッケル合金を含む第1層と、
第1層の表面に接して形成されるニッケルと銅とを含む金属層であって、ニッケルと銅との組成比が連続的または段階的に変化する組成遷移層である第2層とを含んで構成される被覆層を有する金属被覆炭素繊維であることを特徴とする炭素繊維強化アルミニウム基複合材料である。
また本発明は、金属被覆炭素繊維が、
炭素繊維の表面に接して形成されるニッケルまたはニッケル合金を含む第1層と、
第1層の表面に接して形成されるニッケルと銅とを含む金属層であって、ニッケルと銅との組成比が連続的または段階的に変化する組成遷移層である第2層と、
第2層の表面に接して形成される銅または銅合金を含む第3層とを含んで構成される被覆層を有する金属被覆炭素繊維であることを特徴とする炭素繊維強化アルミニウム基複合材料である。
また本発明は、第3層におけるニッケルと銅との組成比は、第1層から層厚方向へ遠ざかるのに伴って、銅の組成割合が大きくなるように遷移することを特徴とする。
また本発明は、金属被覆炭素繊維の被覆層が、めっきによって形成されることを特徴とする。
また本発明は、金属被覆炭素繊維は、被覆層が形成された後、非酸化性雰囲気下において500℃以上、1000℃以下で加熱処理されることを特徴とする。
また本発明は、金属被覆炭素繊維が、非酸化性雰囲気下において、溶融状態にあるアルミニウムまたはアルミニウム合金中へ装入されることによって形成されることを特徴とする。
また本発明は、金属被覆炭素繊維の含有量が、体積%で5%以上、70%以下であることを特徴とする。
本発明によれば、炭素繊維が複数層、少なくとも2層の金属層によって被覆される。金属被覆炭素繊維の第1層に含まれるニッケルまたはニッケル合金が、炭素繊維を構成する炭素と固溶体を形成するので、結合強度に優れた炭素繊維と第1層との界面が形成される。また、第2層は、ニッケルと銅との組成比がなだらかな勾配で連続的または段階的に変化する組成遷移層であり、好ましくは銅の組成割合が、第1層から層厚方向へ遠ざかるに伴って、大きくなるように遷移するので、第2層の基材に接する面では銅の割合が多くなり、この銅が基材であるアルミニウムまたはアルミニウム合金と固溶体を形成し、結合強度に優れた第2層と基材との界面が形成される。
さらに、第2層の表面に、銅または銅合金から構成される第3層を設けることによって、第2層表面にニッケルよりも多く露出した銅と第3層の銅または銅合金とが固溶体を形成し、第3層の銅または銅合金と基材とが固溶体を形成するので、炭素繊維が基材中にさらに強固に固定化される。
このよう炭素繊維と第1層との界面から、基材と第2層または第3層との界面まで、急激な物性変化を伴わない連続層および該連続層の間の連続界面、いわゆる傾斜界面を形成することができるので、界面の結合強度が著しく高められ、基材であるAlと強化材である炭素繊維との剥離が生じにくくなり、軽量かつ高強度の炭素繊維強化アルミニウム基複合材料が実現される。
また本発明によれば、金属被覆炭素繊維の被覆層が、めっきによって形成される。めっきは、大型の設備を必要とすることなく実施することのできる被覆層形成手段である。まためっきは、炭素繊維を被覆する層の厚みおよび層の成分組成を容易に制御することが可能である。したがって、めっきによれば、低コストで精度高く金属被覆炭素繊維を形成することができる。
また本発明によれば、金属被覆炭素繊維は、被覆層が形成された後、非酸化性雰囲気下において500℃以上、1000℃以下で加熱処理されるので、炭素繊維と第1層との界面、アルミニウムと第2層または第3層との界面および層中の固溶体形成が確実に行われる。このことによって、界面および層中の物性変化の度合いが一層緩和されて結合強度が向上するので、アルミニウムと炭素繊維との剥離が一層抑制されて炭素繊維強化アルミニウム基複合材料の強度が向上する。
また本発明によれば、炭素繊維強化アルミニウム基複合材料は、金属被覆炭素繊維が、非酸化性雰囲気下において、溶融状態にあるアルミニウムまたはアルミニウム合金中へ装入されることによって形成される。このことによって、少なくともアルミニウムの融点以上の高温下で、銅とアルミニウムとが相互拡散して固溶体を形成するので、第2層または第3層とアルミニウムとの結合強度を向上することが可能になる。
また本発明によれば、金属被覆炭素繊維の含有量が好適範囲に設定されるので、優れた強度を有する炭素繊維強化アルミニウム基複合材料が実現される。
本発明の炭素繊維強化アルミニウム基複合材料は、基材中に金属被覆炭素繊維を含有するものである。
図1は、本発明の第1の実施形態である炭素繊維強化アルミニウム基複合材料の構成を模式的に示す要部断面図である。
炭素繊維強化アルミニウム基複合材料1は、基材2中に、金属被覆炭素繊維3を含んで構成される。金属被覆炭素繊維3は、炭素繊維4の表面に金属層5が形成されたものであり、金属層5は、炭素繊維4の表面に形成される第1層6と、第1層6の表面に形成される第2層7とを含んで構成される。炭素繊維4と第1層6との界面には、固溶体層9aが形成される。第1層6と第2層7との界面には、固溶体層9bが形成される。第2層7と基材2との界面には、固溶体層9cが形成される。炭素繊維4、第1層6、第2層7および基材2はそれぞれの界面に形成される固溶体層9a,9b,9cによって強固に結合されるので、炭素繊維4が基材2に安定的に固定化され、炭素繊維4が持つ機械的強度の向上効果が充分に発揮される。
図2は、本発明の第2の実施形態である炭素繊維強化アルミニウム基複合材料の構成を模式的に示す要部断面図である。
炭素繊維強化アルミニウム基複合材料10は、基材2中に、金属被覆炭素繊維11を含んで構成される。金属被覆炭素繊維11は、炭素繊維4の表面に金属層12が形成されたものであり、金属層12は、炭素繊維4の表面に形成される第1層6と、第1層6の表面に形成される第2層7と、第2層7の表面に形成される第3層12とを含んで構成される。炭素繊維4、第1層6および第2層7のそれぞれの界面には、金属被覆炭素繊維3と同様に、固溶体層9a,9bが形成される。さらに、第2層7と第3層12との界面には固溶体層9dが、第3層12と基材2との界面には固溶体層9eがそれぞれ形成される。炭素繊維4、第1層6、第2層7、第3層8および基材2は、固溶体層9a,9b,9d,9eを介して強固に結合するので、炭素繊維4が基材2に安定的に固定化され、炭素繊維4が持つ機械的強度の向上効果が充分に発揮される。
基材2は、アルミニウムまたはアルミニウム合金である。アルミニウム合金としては公知のものを使用でき、たとえば、アルミニウム−銅、アルミニウム−亜鉛、アルミニウム−マンガン、アルミニウム−マグネシウム、アルミニウム−マグネシウム−マンガン、アルミニウム−マグネシウム−珪素、アルミニウム−珪素、アルミニウム−銅−マグネシウム、アルミニウム−亜鉛−マグネシウム、アルミニウム−亜鉛−マグネシウム−銅などが挙げられる。基材2は得られる炭素繊維強化アルミニウム基複合材料10の用途などに応じて適宜選択される。
金属被覆炭素繊維3,11の芯材である炭素繊維4としては公知のものを使用でき、たとえば、ピッチ系炭素繊維、液晶系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維、PAN系炭素繊維、気相成長系炭素繊維などが挙げられる。これらの中でも、引張強度、引張弾性率などを考慮すると、ピッチ系炭素繊維、PA系炭素繊維、気相成長系炭素繊維などが好ましい。炭素繊維は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。炭素繊維の繊維径は特に制限されず広い範囲から適宜選択できるけれども、通常は0.1〜30μm程度、好ましくは3〜10μm程度である。このような繊維径の炭素繊維の中でも、繊維長さLに対する繊維径Dの比(D/L)が1/100000以下のものが好ましい。これによって、基材中における金属被覆炭素繊維の配向性を高めることができるので、本発明の炭素繊維強化アルミニウム複合材料の機械的強度をさらに高めることができる。
また、前述の炭素繊維を複数のフィラメントからなるフィラメント糸とし、このフィラメント糸を公知の方法に従って開繊処理した炭素繊維開繊糸を用いることができる。炭素繊維開繊糸におけるフィラメント数は特に制限されず広い範囲から適宜選択できるけれども、通常は1000〜50000程度、好ましくは12000〜48000程度である。炭素繊維開繊糸の幅の広さは特に制限されず、広い範囲から適宜選択できるけれども、通常はその断面の巾が8〜60mm、好ましくは10〜50mmであり、開繊度(開繊糸断面の厚み/開繊糸断面の巾)が通常0.05以下、好ましくは0.01以下、より好ましくは0.0005〜0.01である。市販の炭素繊維開繊糸を用いてもよく、たとえば、トレカ(登録商標、東レ(株)製)、パイロフィル(登録商標、三菱レーヨン(株)製)、ベスファイト(登録商標、東邦レーヨン(株)製)、グラノック(登録商標、日本グラファイトファイバー(株)製)などが挙げられる。
さらに、炭素繊維からなる織物、不織布などを用いてもよい。不織布には、一方向布帛などが含まれる。一方向布帛は、たとえば、一方向強化繊維シート、一方向性強化繊維材などとも呼ばれている。
炭素繊維からなる織物としては特に制限されず、たとえば、目付けが通常50〜320g/m、好ましくは70〜300g/mであり、厚みが通常0.02〜0.8mm、好ましくは0.08〜0.2mmのものが使用される。
炭素繊維からなる一方向布帛としては特に制限されず、たとえば、目付けが通常20〜125g/m、好ましくは30〜85g/m、厚みが通常0.01〜0.2mm、好ましくは0.05〜0.1mmのものが使用される。
これらの中でも、得られる炭素繊維強化アルミニウム基複合材料の機械的強度などを考慮すると、炭素繊維開繊糸、炭素繊維開繊糸からなる織物、不織布などが好ましく、炭素繊維開繊糸からなる織物、不織布などが特に好ましい。
炭素繊維4の表面に被覆される第1層6は、ニッケルまたはニッケル合金、好ましくはニッケルを含む金属層である。ニッケル合金としては公知のものを使用でき、たとえば、ニッケル−銅、ニッケル−クロム、ニッケル−鉄、ニッケル−リンなどが挙げられる。ニッケル合金は1種を単独で使用できまたは必要に応じて2種以上を併用できる。
第1層6の表面に形成される第2層7は、ニッケルと銅とを含み、ニッケルと銅との組成比が異なる薄層が多数積層されて構成される金属層である。各薄層におけるニッケルと銅との組成比は、連続的または段階的に変化する。好ましくは、第1層6から層厚方向に遠ざかるに伴って、銅の組成割合が大きくなるように変化するのが好ましい。すなわち、第1層6に近づくほど、ニッケルの組成割合が大きくなるように変化し、かつ基材2または第3層12に近づくほど、銅の組成割合が大きくなるように変化するのが好ましい。
金属被覆炭素繊維11において、第2層7の表面に形成される第3層8は、銅または銅合金を含み、好ましくは銅を含む金属層である。銅合金としては公知のものを使用でき、たとえば、銅−銀、銅−カドミウム、銅−クロム、銅−ベリリウム、銅−アルミニウム、銅−ニッケルなどが挙げられる。
炭素繊維4に金属層5,12を形成する方法は特に制限されず、たとえば、溶媒中にて炭素繊維と金属含有化合物とを反応させる溶液反応法(ゾル−ゲル法)、炭素繊維と金属含有化合物とを混合し、この混合物を酸化性雰囲気中で加熱処理する方法、めっき法などが挙げられる。これらの中でも、特に第2層7における組成変化の連続性を高め、一層良好な傾斜界面を有する金属層5を形成することを考慮すると、めっき法が好ましい。
金属被覆炭素繊維3,11の金属層5,12は、めっき法によれば、たとえば次のようにして形成することができる。
第1層6は、炭素繊維4の表面にニッケルめっきまたはニッケル合金めっきを施すことによって形成することができる。ニッケルめっきおよびニッケル合金めっきは、電解めっきおよび無電解めっきのいずれでも行うことができるけれど、単位時間あたりに得られる金属層の厚みを大きくするというめっき効率を考慮すると、電解めっきを実施するのが好ましい。ニッケルめっき浴としては公知のものを使用でき、たとえば、ニッケル塩とともに、必要に応じて還元剤、錯化剤、pH調整剤、pH緩衝剤、安定剤、応力緩和剤などを含む水溶液が挙げられる。ニッケル塩としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、硝酸ニッケル、炭酸ニッケル、スルファミン酸ニッケル、蟻酸ニッケル、酢酸ニッケル、蓚酸ニッケル、メタンスルホン酸ニッケル、2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ニッケル、フェノールスルホン酸ニッケル、ホウフッ化ニッケルなどが挙げられる。還元剤としては公知のものを使用でき、たとえば、次亜リン酸ナトリウムなどのリン系還元剤、ジメチルアミンボランなどのホウ素系還元剤などが挙げられる。錯化剤としても公知のものを使用でき、たとえば、ピロリン酸、クエン酸、乳酸、エチレンジアミン四酢酸などの有機酸およびそれらの塩、グリシンなどが挙げられる。pH緩衝剤としても公知のものを使用でき、たとえば、ホウ酸などが挙げられる。このようなニッケルめっき浴の具体例としては、たとえば、ワット浴、スルファミン酸浴、ピロリン酸銅浴などが挙げられる。ニッケル合金めっき浴としては、たとえば、前記のニッケルめっき浴に、ニッケルと合金化することができる金属を含有する化合物から選ばれる1種または2種以上を添加したものが挙げられる。ニッケルと合金化できる金属を含有する化合物としては特に制限されず、たとえば、銅、クロム、鉄、リンなどを含有する化合物が挙げられる。電解めっきは、たとえばワット浴の場合は、めっき浴温度40〜60℃程度およびめっき浴pH3〜5程度において、電流密度が0.1〜100A/dmになるように通電することにより実施される。なお、第1層6であるめっき皮膜を形成する素材として、炭素繊維を含む織物、一方向布帛などを用いる場合は、均一で炭素繊維との接合強度の高いめっき皮膜を形成するために、これらの表面に付着したサイズ剤をメチルエチルケトン、アセトンなどの有機溶媒によって除去するのが好ましい。
第2層7は、第1層6の表面に銅−ニッケルめっきを施すことによって形成することができる。銅−ニッケルめっきも、電解および無電解のいずれの方法でも実施できるけれども、めっき効率を考慮すると、電解めっきが好ましい。銅−ニッケルめっき浴としては公知のものを使用でき、ニッケル塩および銅塩とともに、錯化剤、pH調整剤、還元剤、pH緩衝剤などを含む水溶液が挙げられる。ニッケル塩としては前記のものと同様のものを使用できる。銅塩としては、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ピロリン酸銅、硫酸銅、シアン銅、塩化第2銅、硝酸銅、塩基性炭酸銅、スルファミン酸銅、酢酸銅、蓚酸銅、メタンスルホン酸銅、2−ヒドロキシプロパンスルホン酸銅、フェノールスルホン酸銅、ホウフッ化銅などが挙げられる。錯化剤としては公知のものを使用でき、たとえば、ピロリン酸、酒石酸、エチレンジアミンテトラ酢酸などが挙げられる。pH調整剤としても公知のものを使用でき、たとえば、アンモニウム塩、水酸化ナトリウムなどが挙げられる。還元剤としては、たとえば、ホルムアルデヒドなどが挙げられる。pH緩衝剤としても公知のものを使用でき、たとえば、四硼酸などが挙げられる。さらに銅−ニッケルめっき浴には、浴安定剤、光沢剤などが含まれてもよい。銅−ニッケルめっき浴の具体例としては、たとえば、ピロリン酸銅浴が挙げられる。電解めっきは、第1層6のニッケルめっきまたはニッケル合金めっきと同様に行われる。たとえばピロリン酸銅浴の場合には、めっき浴温度40〜60℃程度およびめっき浴pH8〜10程度において、電流密度が0.1〜100A/dmになるように通電することにより実施される。第2層7を銅とニッケルとの組成比が異なる複数の薄層の積層体として形成するには、めっき条件を適宜変更しながらめっきを行えばよい。たとえば、めっき開始時のめっき浴には銅塩を添加せず、一定時間毎に一定量の銅塩をめっき浴に添加することによって、第1層6に近いほどニッケルの組成割合が大きくかつ基材2または第3層8に近いほど銅の組成割合が大きくなる第2層7が形成される。
第3層8は、第2層7の表面に銅または銅合金めっきを施すことによって形成することができる。銅めっきおよび銅合金めっきも、第1層6および第2層7の形成と同様に。電解および無電解のいずれの方法でも実施できるけれども、めっき効率を考慮すると、電解めっきが好ましい。銅めっき浴としては公知のものを使用でき、銅塩とともに、錯化剤、pH調整剤、還元剤、pH緩衝剤などを含む水溶液が挙げられる。銅塩、錯化剤、pH調整剤、還元剤およびpH緩衝剤には、第2層7の形成に用いられる銅−ニッケルめっき浴と同様のものを使用できる。銅めっき浴の具体例としては、硫酸銅浴、シアン銅浴、ピロリン酸銅などが挙げられる。銅合金めっき浴としては、たとえば、前記の銅めっき浴に、銅と合金化することができる金属を含有する化合物から選ばれる1種または2種以上を添加したものが挙げられる。銅と合金化できる金属を含有する化合物としては特に制限されず、たとえば、銀、カドミウム、クロム、ベリリウム、コバルト、亜鉛、錫、ニッケルなどを含有する化合物が挙げられる。電解めっきは、公知の電解銅めっきまたは電解銅合金めっきと同様に実施できる。
このようにして、炭素繊維4の表面に、2層または3層からなる金属層5,12が形成される。
本発明では、上記で得られた金属被覆炭素繊維3,11を加熱処理してもよい。加熱処理は、アルゴンガス、窒素ガスなどの非酸化性雰囲気中にて、500〜1000℃の温度下に行われ、15〜200分程度で終了する。加熱処理することによって、炭素繊維4と金属層5,12との界面および金属層5,12中で固溶体形成が確実に行われ、炭素繊維4と金属層5,12との剥離が一層抑制される。その結果、本発明複合材料における基材2であるアルミニウムまたはアルミニウム合金を金属被覆炭素繊維3,11からなる予備成形体に含浸させる際に、該基材2と、金属被覆炭素繊維3,11の金属層5,12の第2層7を構成する銅−ニッケル合金または第3層8を構成する銅もしくは銅合金とが、固溶体を形成して強固に結合するとともに、炭素繊維4と金属層5,12との剥離も起こらないので、炭素繊維4が基材2中に安定に保持され、炭素繊維4による補強効果が充分に発現される。
この金属被覆炭素繊維を用いて本発明の複合材料を製造するに際しては、まず、予備成形体を作成する。たとえば、金属被覆炭素繊維を経糸および/または緯糸に用いて製織し、得られる織物を予備成形体として使用することができる。製織は、たとえば、レピア織機、シャトル織機、グリッパ織機、ジェット織機などの公知の織機を用いて行われる。また、金属被覆炭素繊維を隣同士が重なり合うように一方向に引き揃えて一方向布帛などの不織布を作成し、これを予備成形体として用いることができる。織物および不織布の目付けおよび厚みは、前述の炭素繊維の織物および不織布と同程度でよい。
また、金属被覆炭素繊維を用い、溶湯鍛造法において予備成形体を作成するための一般的な方法に従って予備成形体を作成してもよい。たとえば、金属被覆炭素繊維、ポリビニルアルコールなどのバインダ、シリカゾルなどの賦形剤、水などの適量を混合し、得られるスラリーを成形用型に入れて所定の形状に加圧成形し、必要に応じて乾燥することにより、予備成形体を得ることができる。このとき、各成分の使用量は特に制限されず、金属被覆炭素繊維の繊維径および繊維長、得ようとする炭素繊維強化アルミニウム基複合材料の用途などに応じて広い範囲から適宜選択できるけれども、バインダの使用量は、金属被覆炭素繊維全量の1〜3体積%程度にするのが好ましい。
炭素繊維開繊糸からなる織物、不織布などに金属層を被覆した場合には、そのまま、予備成形体として使用できる。
なお、本発明において使用する予備成形体には、その好ましい特性を損なわない範囲で、金属が被覆されない炭素繊維、チタン酸カリウム繊維、ホウ酸アルミニウム繊維、ホウ酸マグネシウム繊維などのその他の無機強化繊維などが含まれていてもよい。
このようにして得られる予備成形体に、アルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯を含浸させるに際しては、従来の溶湯鍛造法と同様に実施することができる。
予備成形体へ溶湯を含浸するに際しては、まず、予備成形体を700〜1000℃、好ましくは750〜800℃に予備加熱し、同様に予熱されている溶湯鍛造用の金型内に設置する。700℃未満では、溶湯の予備成形体への含浸が円滑に進行せず、機械的強度、物理的特性などが不均一な炭素繊維強化アルミニウム基複合材料が得られる可能性がある。1000℃を大幅に超えると、金属被覆炭素繊維の金属層中の金属成分が相互拡散することによって、金属層内の傾斜界面が損なわれ、金属被覆炭素繊維による機械的強度の向上効果が低下するおそれがある。予備加熱時間は特に制限されず、予備成形体の内部まで均一に加熱される時間を適宜選択すればよい。予備加熱は空気中で行うことができ、または必要に応じてアルゴンガス、窒素ガスなどの不活性ガス中で行うこともできる。
次いで、予備加熱された予備成形体が設置された金型にアルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯を供給し、予備成形体と溶湯とを接触させ、プレス装置を用い、押し子(加圧用パンチ)を介して溶湯に圧力をかけ、溶湯を予備成形体に含浸させる。溶湯の含浸量は特に制限されず、広い範囲から適宜選択できるけれども、得られる複合材料の機械的強度、切削加工性、軽量性などを考慮すると、通常は金属被覆炭素繊維が複合材料全量の5〜70体積%、好ましくは35〜55体積%含まれるように溶湯を含浸させればよい。溶湯の温度は、アルミニウムまたはアルミニウム合金の融点よりも50〜450℃程度高い温度にするのが好ましい。圧力は溶湯が予備成形体に充分含浸される圧力とすればよく、通常は30〜120MPa、好ましくは70〜100MPaである。含浸時間は、予備成形体の大きさおよび密度、溶湯の種類などによって広い範囲から適宜選択できるけれども、通常は3〜20分、好ましくは5〜10分である。
溶湯の含浸終了後、冷却することにより、炭素繊維強化アルミニウム基複合材料と、含浸しなかった溶湯の凝固体とが一体化した接合体が得られる。この接合体を金型から取り出し、溶湯の凝固体を切削、溶解などの公知の方法に従って取り除くことによって、本発明の炭素繊維強化アルミニウム基複合材料が得られる。
本発明の炭素繊維強化アルミニウム基複合材料は、従来の炭素繊維強化アルミニウム基複合材料が用いられている用途およびその他の用途に使用できる。用途の具体例としては、たとえば、自動車、航空機などの輸送機器の部品材料、人工衛星、宇宙開発用ロケットなどの部品材料、ロボットアーム、ステッパーなどの部品材料、電子部品材料、放熱基板材料、建築資材(たとえば壁材)、ハンダゴテ材料などが挙げられる。
以下に製造例、実施例および試験例を挙げ、本発明を具体的に説明する。
(製造例1)
100mm×100mm×0.1mmの炭素繊維織物(炭素繊維開繊幅24mm、織物目付70g/m)を、常温下、メチルエチルケトン中に2分間浸漬し、炭素繊維織物中のサイズ剤を溶解除去した。この炭素繊維織物をメチルエチルケトン中から取り出し、乾燥した。
この炭素繊維織物に、次の条件に従って、ニッケルめっき、銅−ニッケル合金めっきおよび銅めっきを順番に施し、銅とニッケルとを含む厚さ2.5μmの金属層が形成された金属被覆炭素繊維織物を製造した。
図3は、金属被覆炭素繊維における金属層の組成変化を示すグラフである。図3において、膜厚とは、炭素繊維と金属層との界面を「0」とし、その界面から外方に向かって積層される金属層の厚みを意味する。図3から、ニッケルめっき層(第1層)の厚みが約0.5μm、銅−ニッケル合金めっき層(第2層)の厚みが約1.5μm、および銅めっき層(第3層)の厚みが0.5μmであることが判る。
(1)ニッケルめっき
めっき浴組成:硫酸ニッケル 240g/l
塩化ニッケル 50g/l
硼酸 40g/l
めっき浴pH:4(硫酸にて調整)
めっき浴温度:50℃
陽極:ニッケル板
めっき電流値:1A
めっき時間:15分
(2)銅−ニッケル合金めっき
めっき浴組成:
ピロリン酸銅 0〜3g/l(1.5分毎に濃度を0.1g/lずつ増加させた)
硫酸ニッケル 25g/l
ピロリン酸 300g/l
四硼酸 6g/l
アンモニア水(表面平滑剤) 3ml/l
めっき浴pH:9(水酸化カリウムにて調整)
めっき浴温度:50℃
陽極:ニッケル板
めっき電流値:1A
めっき時間:45分
(3)銅めっき
めっき浴組成:ピロリン酸銅 10g/l
ピロリン酸 300g/l
四硼酸 6g/l
アンモニア水 3ml/l
めっき浴pH:9
めっき浴温度:50℃
陽極:銅板
めっき電流値:1A
めっき時間:15分
(製造例2)
実施例1において、(1)のニッケルめっきを行わず、(2)の銅−ニッケル処理において最初の15分間はめっき浴にピロリン酸銅を添加せず、その後1.5分毎にピロリン酸銅を0.1g/lの割合で添加する以外は、実施例1と同様に操作し、金属被覆炭素繊維織物を製造した。
得られた金属被覆炭素繊維は、実施例1の金属被覆炭素繊維と同じ構成の金属層を有していた。
(製造例3)
実施例1において、(1)のニッケルめっきおよび(3)の銅めっきを行わず、(2)の銅−ニッケル処理において最初の15分間はめっき浴にピロリン酸銅を添加せず、その後1.5分毎にピロリン酸銅を0.1g/lの割合で添加する以外は、実施例1と同様に操作し、金属被覆炭素繊維織物を製造した。
図4は、金属被覆炭素繊維における金属層の組成変化を示すグラフである。図4において、膜厚とは、炭素繊維と金属層との界面を「0」とし、その界面から外方に向かって積層される金属層の厚みを意味する。図4から、ニッケルめっき層(第1層)の厚みが約0.5μmおよび銅−ニッケル合金めっき層(第2層)の厚みが約1.5μmであることが判る。
(実施例1)
製造例1で得られた金属被覆炭素繊維織物70枚を、金型内に重ねて設置し、予備成形体として用いた。予備成形体を750℃に予備加熱し、別途750℃に予備加熱された金型内に設置し、750℃のアルミニウム合金溶湯を供給し、100MPaの圧力を加えてアルミニウム合金溶湯を予備成形体に含浸させた。アルミニウム合金としては、JIS
H 5202−1992のAC1Aの化学組成(下記の組成)のものを使用した。
Cu:4.0〜5.0重量%、Si:1.2重量%以下、Mg:0.2重量%以下、Zn:0.3重量%以下、Ni:0.05重量%以下、Ti:0.25重量%以下、Pb:0.05重量%以下、Sn:0.05重量%以下、Cr:0.05重量%以下、Al:残部
含浸終了後、自然冷却し、金型から、炭素繊維強化アルミニウム基複合材料とアルミニウム合金の凝固体との接合体を取り出し、切削によりアルミニウム合金の凝固体を取り除くことによって、本発明の炭素繊維強化アルミニウム基複合材料(寸法20cm×30cm×1.6cm)が得られた。このものは、金属被覆炭素繊維40体積%とアルミニウム合金60体積%とからなる複合材料であった。
(実施例2)
製造例1で得られた金属被覆炭素繊維織物に代えて製造例3で得られた金属被覆炭素繊維織物を使用する以外は、実施例1と同様にして、本発明の炭素繊維強化アルミニウム基複合材料を製造した。該複合材料は、金属被覆炭素繊維25体積%とアルミニウム合金75体積%とからなる複合材料であった。
(試験例1)
実施例1および実施例2で得られた本発明の炭素繊維強化アルミニウム基複合材料について、引張り強度をJIS H 5202に基づいて測定した。
比較のため、AC1Aの組成のアルミニウム合金について、同様の物性を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0004343631
本発明の第1の実施形態である炭素繊維強化アルミニウム基複合材料の構成を模式的に示す要部断面図である。 本発明の第2の実施形態である炭素繊維強化アルミニウム基複合材料の構成を模式的に示す要部断面図である。 金属被覆炭素繊維における金属層の組成変化を示すグラフである。 金属被覆炭素繊維における金属層の組成変化を示すグラフである。
符号の説明
1,10 炭素繊維強化アルミニウム基複合材料
2 基材
3,11 金属被覆炭素繊維
4 炭素繊維
5,12 金属層
6 第1層
7 第2層
8 第3層
9a,9b,9c,9d,9e 固溶体層

Claims (7)

  1. アルミニウムまたはアルミニウム合金を基材とし、基材中に金属被覆炭素繊維を混在させることによって強化した炭素繊維強化アルミニウム基複合材料において、
    金属被覆炭素繊維は、
    炭素繊維の表面に接して形成されるニッケルまたはニッケル合金を含む第1層と、
    第1層の表面に接して形成されるニッケルと銅とを含む金属層であって、ニッケルと銅との組成比が連続的または段階的に変化する組成遷移層である第2層とを含んで構成される被覆層を有する金属被覆炭素繊維であることを特徴とする炭素繊維強化アルミニウム基複合材料。
  2. 金属被覆炭素繊維は、
    炭素繊維の表面に接して形成されるニッケルまたはニッケル合金を含む第1層と、
    第1層の表面に接して形成されるニッケルと銅とを含む金属層であって、ニッケルと銅との組成比が連続的または段階的に変化する組成遷移層である第2層と、
    第2層の表面に接して形成される銅または銅合金を含む第3層とを含んで構成される被覆層を有する金属被覆炭素繊維であることを特徴とする炭素繊維強化アルミニウム基複合材料。
  3. 第2層におけるニッケルと銅との組成比は、
    第1層から層厚方向へ遠ざかるのに伴って、銅の組成割合が大きくなるように遷移することを特徴とする請求項1または2記載の炭素繊維強化アルミニウム基複合材料。
  4. 金属被覆炭素繊維の被覆層が、
    めっきによって形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の炭素繊維強化アルミニウム基複合材料。
  5. 金属被覆炭素繊維は、
    被覆層が形成された後、非酸化性雰囲気下において500℃以上、1000℃以下で加熱処理されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の炭素繊維強化アルミニウム基複合材料。
  6. 金属被覆炭素繊維が、
    非酸化性雰囲気下において、溶融状態にあるアルミニウムまたはアルミニウム合金中へ装入されることによって形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の炭素繊維強化アルミニウム基複合材料。
  7. 金属被覆炭素繊維の含有量が、
    体積%で5%以上、70%以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の炭素繊維強化アルミニウム基複合材料。
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