JP2000290799A - 電気メッキ用不溶性電極 - Google Patents

電気メッキ用不溶性電極

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JP2000290799A
JP2000290799A JP11101260A JP10126099A JP2000290799A JP 2000290799 A JP2000290799 A JP 2000290799A JP 11101260 A JP11101260 A JP 11101260A JP 10126099 A JP10126099 A JP 10126099A JP 2000290799 A JP2000290799 A JP 2000290799A
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sic
yarns
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JP11101260A
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Shigeru Hanzawa
茂 半澤
Kenji Nakano
健治 中野
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NGK Insulators Ltd
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NGK Insulators Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電性と、耐化学薬品性とに富み、長期間に
亘り使用可能な電気メッキ用不溶性電極の提供。 【解決手段】 耐化学薬品性が高いSiまたはCuを含
浸させた複合材料からなる、電気メッキ用不溶性電極に
より達成。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、鋼板の電気メッ
キ等の使用する不溶性電極に関する。
【0002】
【従来の技術】 Zn、Sn、Ni、Fe、Cu等の金
属、あるいはこれらの合金等による鋼板の電気メッキに
は、従来から、電極としては、大別して2種類が使用さ
れている。即ち、金属イオンを供給するタイプの溶解性
電極と、メッキ液に金属イオンを供給しないタイプの不
溶性電極の2種類である。最近は、チタン等の耐食性金
属の基体表面に、白金族金属またはその酸化物から選ば
れた不溶性電極触媒体をコーティングしたものが使用さ
れている。しかしながら、不溶性電極触媒体として白金
族の金属、またはその合金を使用しなければならず、従
来の溶解性電極と比較して、高価にならざるを得ないと
いう欠点がある。さらに、電極の耐久性に大幅な向上が
認められるものの、やはり、約1ヶ月間隔で、交換が必
要となる点で問題なしとすることはできない。
【0003】 さらに、浴組成が多種多様化するに伴
い、基体であるチタン合金がこれらの浴中に含まれる各
種酸根、例えば、塩素イオン、フッ素イオン、クロム酸
イオン等により腐食されて、所定の耐久性を示さないと
いう問題も発生している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 導電性と、耐化学薬
品性とに富み、長期間に亘り使用可能な電気メッキ用不
溶性電極を提供せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】 本発明者等は、上記の
様な現状に鑑みて種々検討した結果、本発明を完成させ
たものである。すなわち、本発明によれば、耐化学薬品
性が高いSiまたはCuを含浸させた複合材料からなる
電気メッキ用不溶性電極が提供される。特に、該複合材
料としてSi−SiC系複合材料、SiC系複合材料、
または、Cuを含浸させた複合材料を使用する電気メッ
キ用不溶性電極が提供される。
【0006】
【発明の実施の形態】 本発明に係る耐化学薬品性の高
いSiまたはCuを含浸させた複合材料からなる電気メ
ッキ用不溶性電極は、以下に詳述する複合材料から製造
する。即ち、本発明に係る不溶性電極を製造するに際し
ては、例えば、所望の形状に成形したC/Cコンポジッ
トあるいはその焼成体を、以下に詳述する方法により、
SiまたはCuを添加、含浸させることにより容易に製
造できる。なお、SiまたはCuを添加、含浸させた複
合材料としては、炭素と、珪素と、炭化珪素とから構成
され、少なくとも炭素繊維の束と炭素繊維以外の炭素成
分とを含有するヤーンが層方向に配向しつつ三次元的に
組み合わされ、互いに分離しないように一体化されてい
るヤーン集合体と、このヤーン集合体中で隣り合う前記
ヤーンの間に充填されているSi−SiC系材料からな
るマトリックスと有するSi−SiC系複合材料、炭素
繊維と炭素繊維以外の炭素成分とから構成され、その一
部分には炭化珪素が存在していてもよい骨格部と、骨格
部の周囲に形成された、少なくとも50%はβ型である
炭化珪素からなるマトリックスとからなる構造を有する
SiC−C/Cコンポジット複合材料であって、二山型
の平均気孔径の分布を有するSiC系複合材料と、Cu
を含浸させた複合材料が挙げられる。ここで、耐化学薬
品性が高いとは、酸根として硫酸イオンを含むメッキ浴
液に500時間以上浸漬しても、重量の増減がないこと
をいう。
【0007】 本明細書において、C/Cコンポジット
とは、炭素繊維の束のマトリックスとして作用する粉末
状のバインダーであって、焼成後には炭素繊維の束に対
して遊離炭素となるピッチ、コークス類を包含させ、さ
らに必要に応じてフェノール樹脂粉末等を含有させるこ
とによって、炭素繊維束を調製し、この炭素繊維束の周
囲に、熱可塑性樹脂等のプラスチックからなる柔軟な被
膜を形成し、柔軟性中間材としてのプレフォームドヤー
ンを得る。このプレフォームドヤーンを、特開平2−8
0639号公報に記載されている方法によりシート状ま
たは織布状にし、必要量を積層した後、ホットプレスで
成形し得られた成形体、または、この成形体を焼成して
得られる焼成体をいう。
【0008】 基本素材として使用するC/Cコンポジ
ットとしては、直径が10μm前後の炭素繊維を、通
常、数百本〜数万本束ねて繊維束(ヤーン)を形成し、
この繊維束を熱可塑性樹脂で被覆して調製した柔軟性糸
状中間材を得、これを特開平2−80639号公報に記
載されている方法によりシート状にし、このシート状と
したものを二次元または三次元方向に配列して一方向シ
ート(UDシート)や各種クロスとしたり、また上記シ
ートやクロスを積層したりすることにより、所定形状の
予備成形体(繊維プリフォーム)を形成し、該予備成形
体の繊維束の外周に形成されている有機物からなる熱可
塑性樹脂等の被膜を焼成し、上記の同皮膜を炭化除去し
たものを使用すればよい。なお、本明細書に於いて、参
考のために特開平2−80639号公報の記載を引用す
る。本発明に於いて使用するC/Cコンポジットは、上
記のヤーン中の炭素繊維以外の炭素成分は、好ましくは
炭素粉末であり、特に好ましくは黒鉛化した炭素粉末で
ある。
【0009】 本発明において、炭素と炭化珪素と金属
珪素とから構成される複合材料とは、Si−SiC系複
合材料の名称で呼ばれることもある、55重量%〜75
重量%の炭素と、1重量%〜10重量%の珪素と、10
重量%〜50重量%の炭化珪素とから構成され、少なく
とも炭素繊維の束と炭素繊維以外の炭素成分とを含有す
るヤーンが層方向に配向しつつ三次元的に組み合わさ
れ、互いに分離しないように一体化されているヤーン集
合体と、このヤーン集合体中で隣り合う前記ヤーンの間
に充填されているSi−SiC系材料からなるマトリッ
クスとを備え、0.05〜0.6の動摩擦係数と、0.
5%〜10%に制御された気孔率とを有する複合材料を
いう。この材料は、平成10年9月4日付の出願に係る
特願平10−267402号に開示された方法により製
造することができる。従って、特願平10−26740
2号の内容をここに引用する。
【0010】 なお、ここで、Si−SiC系材料と
は、未反応の状態で残存する珪素からなる珪素相からほ
ぼ純粋な炭化珪素に至るまでの、いくつかの相異なる相
を含む、典型的には珪素相と炭化珪素相からなるが、炭
化珪素相には、珪素の含有量が傾斜的に変化しているS
iC共存相を含みうるものをいう。従って、Si−Si
C系材料とは、このようにSi−SiC系列において、
炭素の濃度として、0mol%から50mol%までの
範囲以内で含まれてる材料の総称である。本発明に係る
Si−SiC系複合材料においては、マトリックス部が
Si−SiC系材料により形成されていることとなる。
【0011】 また、このSi−SiC系複合材料は、
好ましくは、ヤーンの表面から離れるのに従って珪素の
含有比率が上昇する傾斜組成を有するマトリックスを有
している。また、このSi−SiC系複合材料において
は、好ましくは、炭素繊維からなるヤーン集合体は、複
数のヤーン配列体から構成されており、各ヤーン配列体
はそれぞれ特定本数の炭素繊維を束ねて構成したヤーン
をほぼ平行に二次元的に配列することによって形成され
ており、各ヤーン配列体が積層されることによってヤー
ン集合体が構成されている。これによって、Si−Si
C系複合材料は、複数層のヤーン配列体を特定方向に積
層した積層構造を有することになる。
【0012】 図1は、ヤーン集合体の概念を説明する
ための概略斜視図であり、図2(a)は図1のIIa−
IIa線断面図であり、図2(b)は図1のIIb−I
Ib線断面図である。Si−SiC系複合材料7の骨格
は、ヤーン集合体6によって構成されている。ヤーン集
合体6は、ヤーン配列体1A、1B、1C、1D、1
E、1Fを上下方向に積層してなる。各ヤーン配列体に
おいては、各ヤーン3が二次元的に配列されており、各
ヤーンの長手方向がほぼ平行である。上下方向に隣り合
う各ヤーン配列体における各ヤーンの長手方向は、直交
している。すなわち、各ヤーン配列体1A、1C、1E
の各ヤーン2Aの長手方向は、互いに平行であり、かつ
各ヤーン配列体1B、1D、1Fの各ヤーン2Bの長手
方向に対して直交している。各ヤーンは、炭素繊維と、
炭素繊維以外の炭素成分とからなる繊維束3からなる。
ヤーン配列体が積層されることによって、三次元格子形
状のヤーン集合体6が構成される。各ヤーンは、後述す
るような加圧成形工程の間に押しつぶされ、略楕円形に
なっている。
【0013】 各ヤーン配列体1A、1C、1Eにおい
ては、隣り合う各ヤーンの間隙には、マトリックス8A
が充填されており、各マトリックス8Aはヤーン2Aの
表面に沿ってそれと平行に延びている。各ヤーン配列体
1B、1D、1Fにおいては、隣り合う各ヤーンの間隙
には、マトリックス8Bが充填されており、各マトリッ
クス8Bは、ヤーン2Bの表面に沿ってそれと平行に延
びている。本例では、マトリックス8A、8Bは、それ
ぞれ、各ヤーンの表面を被覆する炭化珪素相4A、4B
と、炭化珪素相4A、4Bよりも炭素の含有割合が少な
いSi−SiC系材料相5A、5Bからなっている。炭
化珪素相中にも珪素を一部含有していてよい。また、本
例では、上下方向に隣接するヤーン2Aと2Bとの間に
も、炭化珪素相4A、4Bが生成している。
【0014】 各マトリックス8Aと8Bとは、それぞ
れヤーンの表面に沿って細長く、好ましくは直線状に延
びており、各マトリックス8Aと8Bとは互いに直交し
ている。そして、ヤーン配列体1A、1C、1Eにおけ
るマトリックス8Aと、これに直交するヤーン配列体1
B、1D、1Fにおけるマトリックス8Bとは、それぞ
れヤーン2Aと2Bとの間隙部分で連続している。この
結果、マトリックス8A、8Bは、全体として、三次元
格子を形成している。
【0015】 本発明において、炭素と炭化珪素とから
構成される複合材料とは、SiC系複合材料の名称で呼
ばれることもある、炭化珪素と炭素繊維と炭素繊維以外
の炭素成分とから構成され、骨格部と骨格部の周囲に形
成されマトリックスとからなる構造を有するSiC−C
/Cコンポジット複合材料であって、炭化珪素の少なく
とも50%はβ型で、骨格部は、炭素繊維と炭素繊維以
外の炭素成分により形成されており、その骨格部の一部
分には炭化珪素が存在していてもよく、マトリックス
は、炭化珪素により形成され、前記マトリックスと前記
骨格部とは一体的に形成されており、かつ、前記複合材
料は0.5%〜5%の気孔率と二山型の平均気孔径の分
布を有する複合材料をいう。
【0016】 従って、このSiC系複合材料は、骨格
部として、各炭素繊維が炭素繊維束から構成されている
C/Cコンポジットを用いており、そのため、その一部
にSiCが形成されていても、各炭素繊維としては炭素
繊維としての構造が、破壊されることなく保持されてい
るために炭素繊維が炭化珪素化により短繊維化すること
がないので、原料であるC/Cコンポジットの有する機
械的強度がほぼ保持されるか、炭化珪素化により増大す
るという大きな特徴を有している。しかも、ヤーン集合
体中で隣り合うヤーンの間に、SiC系材料からなるマ
トリックスが形成された複合構造を有している。この点
で、上記のSi−SiC系複合材料とは異なる。なお、
この材料は、平成11年2月9日付の出願に係る特願平
11−31979号に開示された方法により製造するこ
とができる。従って、特願平11−31979号の内容
をここに引用する。
【0017】 本発明において、SiC系材料とは、炭
素との結合度を異にする炭化珪素を含有する材料をい
い、このSiC系材料は以下のようにして製造されるも
のをいう。本発明では、C/Cコンポジットに対して、
金属珪素を含浸させるが、その際、金属珪素はコンポジ
ット内の炭素繊維を構成する炭素原子および/または炭
素繊維の表面に残存している遊離炭素原子と反応し、一
部が炭化されるために、C/Cコンポジットの最表面や
炭素繊維からなるヤーンとヤーンとの間には、一部炭化
された珪素が生成し、かくして上記のヤーンとヤーンと
の間には炭化珪素からなるマトリックスが形成される。
【0018】 このマトリックスにおいては、極微量の
珪素と炭素とが結合したが炭化珪素質の相から、純粋な
炭化珪素結晶相に至るまで、いくつかの相異なる相を含
みうる。しかし、このマトリックスには、X線による検
出限界(0.3重量%)以下の金属珪素しか含まれな
い。つまり、このマトリックスは、典型的には炭化珪素
相からなるが、炭化珪素相には、珪素の含有量が傾斜的
に変化しているSiC質相を含みうる。従って、SiC
系材料とは、このようなSiC系列において、炭素の濃
度として、少なくとも0.01mol%以上から50m
ol%までの範囲以内で含まれてる材料の総称である。
なお、炭素濃度が、0.01mol%未満に制御するに
は、C/Cコンポジット中の遊離炭素の量とに関係で、
添加する金属珪素の量の厳密な計量が要求されること
と、最終工程での温度管理が複雑になるので実質的でな
い。従って、理論的には、炭素濃度を0.001mol
%程度まで制御することは可能である。
【0019】 このSi系複合材料について、図面を使
用してさらに説明することとする。このSiC系複合材
料の骨格部も、基本的には図1に示したものと同じであ
る。本発明に係るSiC系複合材料を、図1においての
IIa−IIa線で切断した場合の断面図は、図3
(a)、同じく図1においてのIIb−IIb線で切断
した場合の断面図は、図3(b)として示す。SiC系
複合材料17の骨格は、Si−SiC系複合材料7の骨
格と同様に、ヤーン集合体16によって構成されてい
る。ヤーン集合体16は、ヤーン配列体11A、11
B、11C、11D、11E、11Fを上下方向に積層
してなる。各ヤーン配列体においては、各ヤーン13が
二次元的に配列されており、各ヤーンの長手方向がほぼ
平行である。上下方向に隣り合う各ヤーン配列体におけ
る各ヤーンの長手方向は、直交している。すなわち、各
ヤーン配列体11A、11C、11Eの各ヤーン12A
の長手方向は、互いに平行であり、かつ各ヤーン配列体
11B、11D、11Fの各ヤーン12Bの長手方向に
対して直交している。各ヤーンは、炭素繊維と、炭素繊
維以外の炭素成分とからなる繊維束13からなる。ヤー
ン配列体が積層されることによって、三次元格子形状の
ヤーン集合体16が構成される。各ヤーンは、後述する
ような加圧成形工程の間に押しつぶされ、やや楕円形に
なっている。
【0020】 各ヤーン配列体11A、11C、11E
においては、隣り合う各ヤーンの間隙には、マトリック
ス18Aが充填されており、各マトリックス18Aはヤ
ーン12Aの表面に沿ってそれと平行に延びている。各
ヤーン配列体11B、11D、11Fにおいては、隣り
合う各ヤーンの間隙には、マトリックス18Bが充填さ
れており、各マトリックス18Bは、ヤーン12Bの表
面に沿ってそれと平行に延びている。図3(a)および
図3(b)に示したように、マトリックス18A、18
Bは、それぞれ、各ヤーンの表面を被覆する炭化珪素相
14からなっている。炭化珪素相の一部は、小突起部1
9として表面に突出するか、あるいは、複合部材の内部
においては、炭素繊維層に突出していてもよい。この様
な小突起部の内部には、中央値が約100μmの孔径を
有する気孔(空隙:15)が形成されている。なお、こ
の小突起部19は、殆どが原料のC/Cコンポジットの
炭素繊維以外の炭素成分からなるマトリックスの跡に沿
って形成されるので、ヤーンとヤーンとの間隔および/
またはヤーン配列体とヤーン配列体との間隔を適宜選択
することにより、単位面積当たりの小突起部19の密度
を調整することが可能である。隣接するヤーン12Aと
12Bとの間にも、炭化珪素相14が形成されていても
よい。
【0021】 各マトリックス18Aと18Bとは、そ
れぞれヤーンの表面に沿って細長く、好ましくは直線状
に延びており、各マトリックス18Aと18Bとは互い
に直交している。そして、ヤーン配列体11A、11
C、11Eにおけるマトリックス18Aと、これに直交
するヤーン配列体11B、11D、11Fにおけるマト
リックス18Bとは、それぞれヤーン12Aと12Bと
の間隙部分で連続している。この結果、マトリックス1
8A、18Bは、全体として、三次元格子を形成してい
る。
【0022】 本発明に係る不溶性電極材料として使用
可能なCuを含浸させた複合材料とは、炭素繊維と炭素
繊維以外の炭素成分とから構成された骨格部と、同骨格
部の周囲にCuを含浸させて形成したCuからなるマト
リックスとからなる複合材料であって、炭素が35重量
%〜85重量%を占め、残部が、最大1重量%迄の銅と
炭素繊維との濡れ性改良材としてのBe、Al、Si、
Mg、TiおよびNiと、不可避的不純物であるCa、
Ag、Cd、Zn、Au、Pd、Ga、Pt、Cr、G
e、Rh、Sb、Ir、Co、As、Zr、Fe、S
n、Ni、P、Pb等を含んでいてもよい、Cuまたは
銅合金であり、前記マトリックスと前記骨格部とは一体
的に形成されており、耐化学薬品性が高い複合材料をい
う。
【0023】 従って、このCuを含浸させた複合材料
は、骨格部として、各炭素繊維が炭素繊維束から構成さ
れているC/Cコンポジットを用いており、炭素繊維と
しての構造が、破壊されることなく保持されているため
に、原料であるC/Cコンポジットの有する機械的強度
がほぼ保持されているという特徴を有している。しか
も、ヤーン集合体中で隣り合うヤーンの間に、Cuから
なるマトリックスが形成された複合構造を有している。
なお、この材料は、平成10年9月18日付の出願に係
る特願平10−265131号明細書に開示された方法
により製造することができる。従って、参考のために特
願平10−265131号の記載を引用する。
【0024】 本発明に係る電気メッキ用不溶性電極
は、電極材として要求される形状に積層したC/Cコン
ポジットを焼成し、また焼成せずに、金属珪素を添加し
て、これを焼成し、製造したSi−SiC系複合材料、
または、SiC系複合材料、あるいは、C/Cコンポジ
ットの焼成体を用い、この焼成体とCu粉末を相互に接
触させずに同一炉内で加熱し、Cu粉末が溶融した時点
で、両者を接触させると共に、同時に高圧力を掛けて溶
融した銅を焼成体に含浸させ、直ちに冷却して製造する
ことにより得られるCuを含浸させた複合材料から製造
すればよい。なお、Cuを含浸させた複合材料から製造
する電極の場合には、電解液の種類により、銅が溶出す
ることがあるので、予め、銅の溶出がないか否かを試験
してから使用することが好ましい。
【0025】
【実施例】 以下、実施例を挙げて本発明をさらに説明
するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるも
のではない。
【0026】(電極の製造例)炭素繊維を一方向に引き
揃えたものにフェノール樹脂を含浸させ、直径10μm
の炭素長繊維を約1万本束ね、繊維束(ヤーン)を得、
このヤーンを簾状にしたヤーン配列体(プレプリグシー
ト)を作り、これを図1のように配列し、電極としての
所望の形状を充たすプリプレグシート積層体を得た。か
くして得たプリプレグシート積層体に炭素系接着剤を塗
布し、ヤーン同士を固着した。固着後、型から固着体を
離型し、離型した円柱状のプリプレグシート積層体をオ
ーブン中に入れ、含浸させたフェノール樹脂を180
℃、常圧で硬化させた後、窒素雰囲気中で2000℃で
焼成した。得られた焼成体を切断、外周加工して、縦9
00mmで、横1800mm、厚さが5mmの電極板を
製造した。このものに、純度99.9%、平均粒径1m
mのSi粉末を添加し、このものを炉内温度1300
℃、炉内圧1hPaの焼成炉内に入れ、炉内に毎分アル
ゴンガスを20NLの割合で流しながら、4時間保持し
た。次いで、炉内圧はそのままとし、炉内温度を160
0℃に昇温させて、Siを含浸させた。かくして、S
i、Si−C、炭素繊維からなるSi−SiC系複合材
料をよりなる本発明に係る電極を得た。
【0027】 この電極から20mm×20mmの大き
さの試験用電極を切り取り、この試験用電極を使用し
て、以下の条件で腐食試験に供した。 電流密度 : 30A/dm2 試験用電極の大きさ : 20mm×20mm メッキ液の種類 : 硫酸亜鉛電解液 メッキ液温度 : 60℃ 電極と被メッキ材の距離: 10mm 1000時間を超える通電でも全く異常は認められなか
った。
【0028】
【発明の効果】 本発明に係る不溶性電極は、炭素繊維
からなるC/Cコンポジットをその素材とし、その素材
に、金属珪素、または、金属銅を添加して、製造するも
のであるから、不溶性電極として使用可能な導電性は十
分に確保されている。また、耐化学薬品性が高いので、
ほぼ1年に及ぶ長期間の連続使用に充分耐えうるという
特性を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の不溶性電極に使用する複合材料の基
本構造をなすヤーン集合体の構造を模式的に示す斜視図
である。
【図2】 (a)は、不溶性電極に使用するSi−Si
C系複合材料を図1のIIa−IIa線で切断した場合
の断面図であり、(b)は、同材料を図1のIIb−I
Ib線で切断した場合の断面図である。
【図3】 (a)は、不溶性電極に使用するSiC系複
合材料を図1のIIa−IIa線で切断した場合の断面
図であり、(b)は、同材料を図1のIIb−IIb線
で切断した場合の断面図である。
【符号の説明】 1A、1B、1C、1D、1Eおよび1F…ヤーン配列
体、2A…ヤーン、2B…ヤーン、3…繊維束(ヤー
ン)、4A…炭化珪素相、4B…炭化珪素相、4C…炭
化珪素相、5A…Si−SiC系材料相、5B…Si−
SiC系材料相、5C…Si−SiC系材料相、6…ヤ
ーン集合体、7…繊維複合材料、8A…マトリックス、
8B…マトリックス、11A、11B、11C、11
D、11Eおよび11F…ヤーン配列体、12A…ヤー
ン、12B…ヤーン、13…繊維束(ヤーン)、14…
炭化珪素相、15…空隙、16…ヤーン集合体、17…
繊維複合材料、18A…マトリックス、18B…マトリ
ックス、19…小突起部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 31:34 Fターム(参考) 4F205 AA37 AB16 AD16 AE03 AG02 AH81 HA06 HA29 HA33 HA35 HA45 HB01 HC17 HF02 HK04 HW21 4K024 AA05 BA03 BC01 CB07 GA16

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐化学薬品性が高いSiまたはCuを含
    浸させた複合材料からなる電気メッキ用不溶性電極。
  2. 【請求項2】 上記複合材料がSiを含浸させた複合材
    料であることを特徴とする請求項1に記載の電気メッキ
    用不溶性電極。
  3. 【請求項3】 上記Siを含浸させた複合材料がSi−
    SiC系複合材料であることを特徴とする請求項2に記
    載の電気メッキ用不溶性電極。
  4. 【請求項4】 上記Siを含浸させた複合材料がSiC
    系複合材料であることを特徴とする請求項2に記載の電
    気メッキ用不溶性電極。
  5. 【請求項5】 上記複合材料がCuを含浸させた複合材
    料であることを特徴とする請求項1に記載の電気メッキ
    用不溶性電極。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110983208A (zh) * 2019-10-24 2020-04-10 中南大学 一种C/C-SiC-Cu复合材料及其制备方法和应用

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