JP3673436B2 - 炭素基金属複合材料およびその製造方法 - Google Patents

炭素基金属複合材料およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭素基金属複合材料およびその製造方法に関するものであり、更に詳しくは、半導体のパッケージ用の高熱伝導率で低熱膨張率の基板、比強度・比剛性の高い宇宙航空機器用構造材料、一般産業用構造材料、ガスタービン等の耐熱材料、または摺動特性の良い電気接点材料等、特に、電子機器用基板状成形体の提供に有用な炭素質金属複合材料および炭素成形体への金属成分の加圧含浸による炭素基金属複合材料の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、炭素材料を含む金属複合材料は、金属成分マトリックスに炭素粒子または炭素繊維を強化材料として分散、配列することにより製造されている。また、黒鉛粉と金属粉から粉末治金法による製造方法も採用されている。これらは、いずれも母材となる金属成分の特性を炭素材料により改善する目的で製造されている金属基炭素複合材料と呼ばれるものであり、炭素材料の体積比率が金属成分のそれを大きく上回るものは実現されていないためその性能には自ずから限界があった。
【0003】
一方、炭素材料は、耐熱性に優れ、加工しやすいため広く用いられているが、脆い、強度が低い、傷つきやすい、耐酸化性がない、メッキがし難い、熱伝導率が低い等改善すべき点も多い、この理由のひとつに、特殊な炭素材料を除き、炭素材料には気孔が存在するため、炭素材料が本来持っている電気・熱・化学的な機能性を十分発揮できないという点が挙げられる。
【0004】
そこで、炭素材料の気孔に金属材料を充填することにより炭素材料と金属材料とを複合化し、その特性を改善することが試みられてきた。例えば、炭素材料の電気的特性を改善するために気孔の一部を溶融状態の銅または銅合金、銀で置換したものが提案されている。しかしながら、気孔の大部分をそれらの金属で置換できたものが得られず、性能としては不十分なものであった。
【0005】
一般に、炭素材料と溶融金属は濡れ性が悪く、従来からの検討においては炭素材料の気孔に溶融金属成分を含浸させることはほとんど不可能であった。特にアルミニウム含浸においては、高温では濡れ性が改善されるものの高温条件下で鋳込み含浸をすると炭素成分と金属成分とが反応し、その結果、炭素材料が劣化し金属基炭素複合材料が得られないという問題があった。
【0006】
すなわち、炭素材料への金属成分の含浸による複合化には従来から提案されている条件および操作による製造方法では、炭素成分と金属成分との界面において反応が生じ、潮解性のある炭化アルミニウムが生成することにより炭素基アルミニウム複合材料は現実に開発されていなかった。
【0007】
このような金属・炭素複合材料の技術開発の状況下において、電子装置の高機能化、大容量化に伴ない熱の発生が増加しており、熱除去に有効な高熱伝導性で熱膨張率の小さい材料として炭素成分量が高割合で強度にも優れた炭素基金属複合材料が着目され、その開発が切望されるに至っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の課題は、炭素材料の気孔に溶融金属を、炭素材料と金属との反応を抑えながら低温で含浸させることにより、機能性を改善した炭素材料を提供することにある。ここに、機能性の改善とは、炭素材料の熱膨張率を用途に応じて制御可能とすること、熱伝導率を向上すること、強度をあげ脆さを改善すること、高温での耐酸化性を向上すること、メッキ等による表面処理を容易にすること等、特に熱膨張率を制御可能とし、かつ熱伝導率を向上させることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは、前記の如き従来の開発状況に鑑み、本発明の課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、コークスなどのフィラーとコールタールピッチなどのバインダーの混合物を、成形、焼成することで製造された板状、ブロック状の一般炭素材料、炭素繊維強化炭素複合材料の板状、ブロック状の成形体、容器内に加圧成形された人造黒鉛粉または炭素繊維等の炭素材料を、融点より50℃〜250℃高い温度で溶融した金属に浸漬し、その溶融金属に200kg/cm2 以上の圧力をかけることで炭素材料に存在する気孔に強制的に金属を圧入・含浸し、その後冷却することにより炭素材料が骨格である炭素基金属複合材料を得られることに想到し、これらの知見に基づいて本発明を完成した。
【0010】
すなわち、
本発明の第一は、
平均面間隔d002 が0.340nm以下の黒鉛結晶含有炭素質マトリックスと該黒鉛結晶含有炭素質マトリックス中に分散された金属成分とからなる炭素基金属複合材料であって、
(1)前記黒鉛結晶含有炭素質マトリックスの気孔の90体積%以上が、
前記金属成分により置換され、
(2)前記金属成分の含有量が、前記炭素基金属複合材料全体積基準で
35%以下であり、
熱伝導率が150w/(m・k)以上であることを特徴とする炭素基金属複合材料に関するものである。
【0011】
また、本発明の第二は、
密度が1.4g/cm3 〜2g/cm3 であり、気孔率が40体積%未満であって、平均面間隔d002 が0.340nm以下の黒鉛結晶含有炭素材料からなる炭素成形体に溶融金属を
(1)該金属の融点の50℃〜250℃高い温度 および
(2)加圧装置の押し子により該押し子断面積当たり200kg/cm2 以上の圧力で加圧含浸させることを特徴とする熱伝導率が150W/(m・k)以上である炭素基金属複合材料の製造方法
に関するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
炭素質マトリックス
本発明の炭素基金属複合材料を構成する炭素質マトリックスとして用いられる炭素材料としては、(a)一般炭素材料、(b)炭素繊維で強化された炭素複合材料および(c)炭素粉、人造黒鉛粉および炭素繊維の少なくとも一種の炭素材料を含む加圧成形体等を挙げることができる。これらの炭素材料を本明細書においては、必要に応じて「炭素成形体」と総称する。炭素成形体の形状は、炭素基金属複合材料の用途に応じて適宜選択することができる。
【0013】
(a)一般炭素材料
本発明の炭素基金属複合材料の炭素質マトリックスとして用いられる炭素成形体は、黒鉛系結晶炭素またはこれらの混合物を有するものが用いられるが、特に、黒鉛系結晶を含有するものが、その気孔特性の均一性、金属成分との反応抑制の観点から好ましい。黒鉛系結晶としては、X線回折により測定される平均面間隔dが0.340nm以下であるものを選択することが肝要である。また、炭素材料組織として微細な気孔が均一に存在したものが好ましいが、気孔径がサブミクロンから数百ミクロンに広範囲に分布したものでもよい。平均気孔径は直径として0.1μm〜10μm、好ましくは0.1μm〜3μmである。気孔径がこのように特定の範囲である場合、製造条件の特定により金属成分の含浸が容易となり金属充填率が90体積%以上、さらに95体積%に向上し実質的に充填率100%を達成することができる。ここで充填率とは、気孔内に含浸された金属の気孔全体積に対し占める体積割合である。
【0014】
また、炭素成形体の気孔率は40体積%未満、好ましくは5体積%〜35体積%、さらに好ましくは5体積%〜25体積%である。すなわち、炭素質部分の体積比率を60体積%以上、特に75体積%を超えるものを実現したものである。これにより、従来困難であった炭素材料本来の特性を生かすことができ、特に電子機器用基板に要求される熱伝導度および熱膨張率を十分具有することが可能となる。
【0015】
また、炭素成形体の密度は、1.4g/cm3 〜2g/cm3 、好ましくは1.6g/cm3 〜2g/cm3 であり、特に1.7g/cm3 〜1.9g/cm3 が好ましい。密度が1.4g/cm3 に満たないと金属の比率が高くなり、熱膨張率が過大になるという弊害が生じ、一方、2g/cm3 を超えると金属含浸率が低下するという問題がある。また、ほぼ完全に充填できたとしても金属比率が小さくなるため電子機器用基板として有用な熱膨張率4×10-6/℃以上が得られないという問題がある。
【0016】
前記炭素質マトリックスに適用することができる炭素成形体として具体的には電気製鋼用、アルミ精練用、その他電解炉用電極、放電加工用電極、シリコン半導体または光ファイバー等の製造用治具、耐熱構造材用の炭素成形体を用いることができる。
【0017】
このような炭素成形体は、原料としてフィラーとバインダーを用い、主として混合、成形、焼成および黒鉛化等の工程を経て製造することができる。フィラーとしてはか焼石油コークス、か焼ピッチコークス、天然黒鉛、か焼無鉛炭、カーボンブラック等を、また、バインダーとしてはコールタールピッチ、コールタール、合成樹脂等を任意に使用することができる。混合、成形、焼成および黒鉛化の各工程の操作および条件は従来採用されているとおりのものでよく、前記の所望性状が得られるように適宜決定することができるが、前記黒鉛系結晶は、2500℃以上、特に、2800℃以上の温度での焼成処理により得ることができる。この温度条件での焼成処理により平均面間隔d002 =0.340nm以下のものを調製することが可能である。
炭素成形体の成形法として、押出法、型込法およびCIP法等が挙げられるが押出法および型込法が好ましい。
【0018】
(b)炭素繊維強化炭素複合材料
炭素繊維強化炭素複合材料は、炭素繊維と炭素を含む化合物から構成される炭素/炭素複合材料(以下、必要に応じ、「c/c複合材料」という。)である。炭素繊維はフィラーとして用いられ、繊維の配列方式により一方向に揃えた繊維(1D)を用いる複合材料をはじめ、平織(2D)の繊維から、3D織を用いる複合材料の一次元、二次元および三次元の各種形態のものが提供され、用途により任意に選択することができる。
【0019】
本発明の炭素基金属複合材料の炭素質マトリックスとして用いられるc/c複合材料としては、炭素繊維または炭素マトリックスまたは両者が黒鉛系結晶を有するものが好ましい。また、密度としては1.6g/cm3 〜2g/cm3 、好ましくは1.7g/cm3 〜1.9g/cm3 のものを採用することができる。
【0020】
c/c複合材料の気孔構造は、前記一般炭素材料と同様でよいが、平均気孔径は0.5μm〜5μm、好ましくは1μm〜3μmの範囲である。また、気孔率としては10%〜30%に制御したものが好ましい。
【0021】
前記の如きc/c複合材料は如何なる方法で製造してもよいが、炭素繊維の間にフェノール樹脂、石油ピッチ等の炭素マトリックス前駆体を含浸させ、成形した後、不活性ガス中で、通常、1000℃以上の温度で焼成することにより製造することができ、さらに、焼成温度を2500℃以上、特に2800℃以上の温度に制御することにより黒鉛化結晶含有炭素材料を得ることができる。
【0022】
また、従来の製造方法で必要としたマトリックス前駆体の再含浸を回避する方法として、生コークス粉末を50重量%以上含有する炭素粉末を分散させた分散液を熱処理温度500℃以上の炭素繊維に含浸させ、次いで溶媒を揮発させて炭素質マトリックス前駆体含有炭素繊維を加圧下に成形、焼成する方法(特開平3−247563号公報参照。)を採用し、本発明の炭素基金属複合材料の炭素質マトリックスとして好適な性状を有する炭素材料を提供することができる。
【0023】
(c)炭素粉・人造黒鉛粉または炭素繊維からなる加圧成形体としては、例えば、鉄製の容器に黒鉛粉、炭素繊維等を充填し加圧することにより得られる炭素複合体であり、気孔率を10体積%〜30体積%に制御したものであり、本発明の炭素質マトリックス用原料として有用である。具体的には炭素成形体として長径1.0mm〜3mmの黒鉛粒子を体積基準で10%以上、または繊維長さ0.02mm〜5mmのピッチ系炭素繊維を体積基準で10%以上、または長径0.1mm〜3mmの黒鉛粒子と繊維長さ0.02mm〜5mmのピッチ系炭素繊維を体積基準で10%以上含有するものを挙げることができる。この炭素成形体は特に後記の電子機器用基板状成形体の炭素質マトリックスとして有用である。
【0024】
金属成分
本発明の炭素質金属複合材料を構成する金属成分としては、その用途に応じて任意に選択することができるが、マグネシウム、アルミニウム、チタン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、銀、スズおよび各金属の合金等を挙げることができる。
【0025】
好ましい金属成分は、アルミニウム、銅、銀および該金属の合金等であり、特に、アルミニウムまたは銅の純金属成分が好ましい。これらの金属成分は、本発明の炭素質金属複合材料の特異性の一つとされる特定の熱伝導率および熱膨張率を充足する上で好適である。
【0026】
炭素基金属複合材料
本発明の炭素基金属複合材料は、前記の如く炭素質マトリックスおよび該炭素質マトリックスに分散された金属成分とから構成されるものであり、
1)前記金属成分が前記炭素質マトリックスの気孔の90体積%以上に充填されたものであり、
2)その含有量が、前記炭素質金属複合材料全体積基準で35%以下のものである。
【0027】
前記の如く金属成分は炭素質マトリックスの気孔内に充填され、全開気孔の少なくとも90体積%以上、特に95体積%以上を占めるものが好ましい。さらに好ましくは実質的には100体積%充填されたものである。充填率が90体積%に達することにより熱伝導性等の要求性能を容易に満足させることができる。従来、提案された溶融金属の含浸方法ではせいぜい70体積%であり、高充填率のものは開示されていない。また、炭素質マトリックスは、非晶質炭素または黒鉛系結晶性炭素およびこれらの混合物であるが、特に黒鉛系炭素が好ましい。金属成分の炭素質マトリックス中での存在形態は、走査型電子顕微鏡を用いて観察することができる。
【0028】
次に、本発明の炭素基金属複合材料において、金属成分の含有量は35体積%以下、好ましくは30体積%以下、さらに好ましくは5体積%〜25体積%である。含有量が35体積%を超えると、高熱伝導率で低熱膨張率の性能を充足することが困難となる。
【0029】
前記の如くして本発明の炭素基金属複合材料としては金属成分の種類により異なるが、アルミニウムを含浸した場合、密度:2g/cm3 〜2.4g/cm3 、好ましくは、2.1g/cm3 〜2.2g/cm3 の範囲であり、熱伝導率200W/(m・K)以上、熱膨張係数12×10-6/℃以下、特に、4×10-6/℃〜12×10-6/℃のものを提供することができる。
【0030】
本発明の炭素基金属複合材料の形状としては特に限定されるものではなく、各種用途により任意に選択することができ、例えば、板、ブロック、シート、フィルム、顆粒、粉、繊維、織物、不織布、機械加工された部品等の成形品を挙げることができる。
【0031】
本発明の炭素基金属複合材料は、前記の如き熱伝導率および熱膨張率を有することから電子機器用基板状成形体として有用である。半導体素子、抵抗体、トランス、コンデンサーまたは配線から構成される電子回路の回路指示基板および回路指示基板の支持体であるベース基板を包む電子機器においては、電子回路から発生する熱の大部分は回路支持基板およびベース基板から冷却装置に伝熱され最終的に大気または冷却液体に放熱される。従来、ベース基板材料としてアルミニウム、銅またはそれらの合金からなる金属が使用されているが電子回路との間に熱膨張差があり、反りまたは剥がれの問題がある。
【0032】
本発明の炭素基金属複合材料は、熱伝導率150W/(m・K)以上であり、熱膨張係数12×10-6/℃以下を有するものであり、前記金属ベース基板より基板特性が優れ、これを用いることにより前記問題点を解消することができる。
【0033】
炭素基金属複合材料の製造方法
次に、本発明の炭素基金属複合材料の製造方法について説明する。
本発明によれば、炭素成形体に溶融金属を押し子で封入し加圧装置で加圧し含浸させることからなる炭素基金属複合材料の製造方法であって、
▲1▼該溶融金属の温度がその融点の50℃〜250℃高い温度であり、
▲2▼該溶融金属の圧力が押し子断面積当たり200kg/cm2 以上である
ことを特徴とする炭素基金属複合材料の製造方法
に関するものである。
【0034】
炭素成形体としては、前記の炭素質マトリックスに転化可能な炭素材料のいずれのものをも用いることができる。具体的には好ましい炭素成形体としては密度が1.4g/cm3 〜2g/cm3 であり、気孔率が40体積%未満、好ましくは35体積%以下、さらに好ましくは、一般炭素材料は5体積%〜25体積%のもの、炭素繊維強化複合材料または前記加圧成形体としては10体積%〜30体積%のものを使用することができる。
【0035】
前記金属成分の含浸において、具体的には炭素成形体は金型内に設置され、金属成分を顆粒等の形態で金型内に供給し加熱し押し子で封入し加圧装置、例えばプレス機で加圧する方法を採るかまたは金型内に予熱した炭素成形体を置き溶融金属を注入し押し子で封入し、加圧する方法を採ることができる。炭素成形体は予熱することが好ましく、温度としては溶融金属の融点より100℃以上、特に100℃〜250℃が好ましい。
また、高融点の金属の場合においては炭素成形体に穴を開けそのなかに溶融金属を注入することにより金属成分の含浸を行なわせることもできる。
【0036】
溶融金属の加圧含浸は、該金属の融点より50℃以上、特に、50℃〜250℃で行なうことが好ましい。温度が50℃に達しないと金属充填率が低いため、金属含有量が少なく要求性能を有する複合材料を得ることができない一方、高温、例えば250℃を超えると炭素と金属との反応を抑制することが困難となる。例えばアルミニウムの場合には250℃を超えると潮解性のある炭化アルミニウムを生成しやすくなり、実用的な複合材料が得られない。
【0037】
また、溶融金属の加圧含浸において、炭素成形体を溶融金属と接触させる際に、押し子の押し断面積当たり200kg/cm2 以上、好ましくは500kg/cm2 以上、特に好ましくは1000kg/cm2 以上の圧力で溶融金属に加圧し、前記炭素成形体に含浸させる。なお、含浸圧力が200kg/cm2 に達しないと金属充填率が低く所望性能の複合材料は得られない。溶融金属の炭素成形体への加圧含浸は、炭素成形体に溶融金属を注入し押し子で直接加圧することに特異性があり、従来、提案されている耐圧容器内でのガス加圧方式とは別異のものである。
【0038】
溶融金属の含浸において提案されている加圧方式は高圧ガスを使用するガス加圧方式であり、含浸関連装置の大型化が必要である。このため装置上の問題から金属の十分な含浸に必要な圧力においては実用に供する大きさの複合材料の製造は不可能であった。これに対して本発明の加圧含浸の特異性は通常のプレス機を使用し溶融金属を注入し押し子で封入し加圧するものであり、従来からの問題点はすべて解消することができる。これにより高度の金属充填率が得られ、高性能の複合材料を実現することができる。
【0039】
前記炭素成形体の気孔径は、サブミクロンから数百ミクロンに分布しているため、1ミクロン以下の気孔に溶融金属を圧入・充填するためには溶融温度が融点より100℃程度高いアルミニウムの場合約1トン/cm2 の高圧が必要と計算される。平均気孔径が5μmより大きい被含浸体の場合には溶融金属の状態にもよるが圧力を押し子断面積あたり200kg/cm2 以上とすれば気孔のほぼ90%以上に含浸することができる。圧力は、1000kg/cm2 以上が望ましいが、上限は、ラムの押し圧、金型の経済的な耐圧性能から決定される。なお、本発明の炭素成形体としては気孔が外部と通じている開気孔を多く含むものが、溶融金属を圧入の観点から重要である。
【0040】
加圧含浸処理の終了後、切削加工等の工程を経て炭素基金属複合材料を得ることができる。
従来、炭素繊維を強化材料として用いた金属基炭素複合材料において、金属と炭素繊維が反応し脆化するため強度が得られないことが問題となってきたが、これに対して、本発明の炭素基金属複合材料においては、炭素が主体で金属が気孔の充填物であるため、炭素材料と金属間の反応による複合材機能に対する影響は金属基炭素複合材に比べて極めて小さい。前記、温度範囲内では炭素材料と溶融金属で起こる反応を十分抑制することができ、所望の複合材料を得ることができる。
【0041】
本発明の炭素基金属複合材料の製造方法について図面に従って具体的に説明する。
第1図において、1はホットプレス加熱部または試料室である。2は鋼製または炭素製金型である。3はラムを示す。
【0042】
金属を溶融することおよび溶融金属に圧力をかける必要があるため、ホットプレスを使用する。ホットプレスの試料室に耐圧性のある金属製あるいは炭素製の金型を据える。同金型内に炭素材と金属粒子を入れ押し子をのせる。雰囲気を真空、あるいは不活性ガスとし所定の温度まで上げ、押し子をホットプレスのラムで押し、金型内部の溶融金属を加圧する。高温の金属の場合には、被含浸体であるカーボン自身に穴をあけその中に溶融金属を入れ、直接試供体に含浸することで試供体を得る。なお、加圧時に押し子部分をガスで冷却する。この条件を30分保持しその後200℃程度に冷却した後金型を取り出す。金属試料から炭素基金属複合材を切り出す。
【0043】
【実施例】
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明する。もっとも本発明は実施例等により限定されるものではない。
なお、実施例および比較例により調製した炭素基金属複合材料の品質・性能評価について測定方法および試験方法を利用した。
【0044】
1)金属成分含浸性
株式会社日立製作所製走査型電子顕微鏡S2300を用い、金属成分の分布状態を500倍の倍率で観察した。
【0045】
2)気孔率
金属成分の含浸前の炭素成形体の気孔率は、その見かけ密度から炭素の密度を2.1g/cm3 と仮定して算出した計算値である。
【0046】
3)金属充填率
[(金属充填前の気孔率−金属充填後の気孔率) /金属充填前の気孔率] ×100
【0047】
4)比熱
パーキンエルマーDSC−2を用いDSC法(DSC:示差走査熱量計)により、昇温温度10℃/分、乾燥窒素気流中室温で測定した。比較校正にはサファイアを用いた。
【0048】
5)密度
株式会社島津製作所製電子分析天びんAEL−200を用いてアルキメデス法により室温(25℃)で測定した。
【0049】
6)曲げ強度
株式会社島津製作所製精密万能試験器AG−500を用い、サイズ4mm×4mm×80mmの強度試験片についてスパン間距離60mm、クロスヘッド降下速度0.5mm/分の条件にて曲げ強度を測定した。
【0050】
7)熱伝導率
熱伝導率は、熱拡散率と比熱および密度の積として求めた。熱拡散率は、レーザーフラッシュ法による真空理工(株)製TC−7000を用い25℃で測定した。また、照射光としてルビーレーザー光(励起電圧2.5kv、均一フィルターおよび滅光フィルター1枚)を使用した。
【0051】
8)熱膨張率
マックスサイエンス社製熱分析装置001、TD−5020を用いて室温から300℃までの熱膨張率を測定した。
【0052】
実施例1
市販人造黒鉛材I(密度;1.85g/cm3 、気孔率;12体積%、曲げ強度;3.5kg/cm2 、熱伝導度;100W/(m・K)、熱膨張率;3.8×10-6/℃)から長さ30mm、幅30mm、厚さ10mmのブロックを切り出し、これを純アルミニウムの顆粒と共に鉄製金型内にいれ、アルゴンガス中で750℃まで加熱した。ラムの断面積あたりの圧力500kg/cm2 で加圧し、その状態で30分間維持することで人造黒鉛材Iの気孔内にアルミニウムを含浸させ複合化した。冷却後アルミニウムの塊ごと取り出し切削加工し、炭素基アルミニウム複合材料を得た。
【0053】
ここで得られた炭素基アルミニウム複合材料におけるアルミニウムの含浸性を前記の方法にて観察した。気孔はアルミニウムにより100%置換され、アルミニウムが炭素質マトリックスに均一に分散していることが確認できた。炭素基アルミニウム複合材料中のアルミニウムの含有量は12体積%であった。
【0054】
強度試験片を作製し曲げ試験を行なったところ、曲げ強度8kg/mm2 の結果を得た。その結果を表1に表示する。これによれば、曲げ強度はアルミニウムを含浸していない人造黒鉛材Iの4kg/mm2 の2倍に向上したことがわかる。
【0055】
また、熱伝導率および熱膨張率を前記方法にてそれぞれ測定した。これらの結果を表1に表示する。熱伝導率が人造黒鉛材Iの100W/(m・K)の2倍である200W/(m・K)に向上し、熱膨張率が、3.8×10-6/℃から11×10-6/℃に上昇した。
【0056】
実施例2
市販人造黒鉛材Iから長さ30mm、幅30mm、厚さ10mmのブロックを切り出し、これを純銅の顆粒と共に、カーボン製金型内にいれ、アルゴンガス中で1200℃まで加熱した。ラムの断面積あたりの圧力1000kg/cm2 で加圧し、その状態で30分間維持することで人造黒鉛材Iの気孔内に銅を含浸させ複合化した。冷却後銅の塊ごと取出し切削加工し、炭素銅複合材料を得た。
【0057】
このようにして得られた炭素基銅複合材料における銅の含浸性を前記の方法にて観察した。気孔は銅により100%置換され、銅が炭素質マトリックスに均一に分散していることが確認できた。炭素基銅複合材料中の銅含有量は12体積%であった。
【0058】
強度試験片を作製し曲げ試験を行なった。試験結果を表1に表示する。これによれば曲げ強度は、銅を含浸していない人造黒鉛材Iの4kg/mm2 の2倍である8kg/mm2 に向上したことがわかる。
【0059】
また、熱伝導率および熱膨張率を前記方法にてそれぞれ測定し、これらの結果を表1に表示する。熱伝導率が人造黒鉛材Iの100W/(m・K)の2倍以上である220W/(m・K)に、熱膨張率が3.8×10-6/℃から9.9×10-6/℃に上昇した。
【0060】
実施例3
市販人造黒鉛材Iのブロックに直径5mm、奥行き100mmの穴をあけ、その内部に純ニッケルの顆粒をいれた。押し子を穴に挿入し、真空脱気後、アルゴンガス中で1550℃まで加熱した。押し子の断面積あたりの圧力1000kg/cm2 で加圧し、その状態で30分間維持することで人造黒鉛材Iの気孔にニッケルを含浸させた。冷却後ブロックにおいて、ニッケルを含浸した部分を取出し切削加工し炭素基ニッケル複合材料を得た。
【0061】
このようにして得られた炭素基ニッケル複合材料のニッケルの含浸性を観察した。また、曲げ強度、熱伝導率および熱膨張率をそれぞれ測定した。ニッケルの含浸性の観察の結果、気孔はニッケルにより100%置換され、ニッケルが炭素質マトリックスに均一に分散していることが確認できた。炭素基ニッケル複合材料のニッケル含有量は12体積%であった。
【0062】
曲げ強度は、人造黒鉛材Iの4kg/mm2 の約3倍の11kg/mm2 に、熱伝導率は、人造黒鉛材Iの100W/(m・K)から170W/(m・K)に向上し、また熱膨張率は、人造黒鉛材Iの3.8×10-6/℃に対し7.5×10-6/℃となった。これらの結果を表1に示す。
【0063】
実施例4
特開平3−247563号公報および同8−157273号公報に基づき製造した繊維方向を0°、90°に配向させ、積層したピッチ系炭素繊維強化炭素複合材料(以下、「2D炭素複合材料」という(第2図参照)。)から長さ(xy方向)100mm、幅100mm、厚さ(z方向)250mmのブロックを製作した。2D炭素複合材料の気孔率は25体積%であり、曲げ強度、熱伝導率、熱膨張率はxy方向、z方向についてそれぞれ表1に示す。
【0064】
2D炭素複合材料のブロックに直径5mm、奥行き100mmの穴をあけ、内部に純ニッケルの顆粒をいれた。押し子を穴に挿入し、真空脱気後アルゴンガス中で1550℃まで加熱した後、押し子の断面積あたりの圧力500kg/cm2 で加圧し、その状態で30分間維持することで2D炭素複合材のブロックの気孔にニッケルを含浸させた。冷却後ブロックのニッケルで含浸された部分を取出し切削加工し炭素基ニッケル複合材料を得た。
【0065】
ニッケルの含浸性を観察したが、気孔はニッケルで100%置換され、ニッケルが炭素質マトリックスに均一に分散していることが確認できた。ニッケル含有量は25体積%であった。
【0066】
強度試験片を作製し曲げ試験を行なった。この結果を表1に表示する。これによれば、曲げ強度は、xy面において含浸前20kg/mm2 が2.5倍の50kg/mm2 に、またz面において1kg/mm2 未満であったものが5kg/mm2 に向上した。
【0067】
熱伝導率の測定結果はxy面の上下方向、即ちz軸方向において、含浸前8W/(m・K)から45W/(m・K)に、またz面の上下方向、すなわちxまたはy軸方向について含浸前200W/(m・K)から250W/(m・K)にそれぞれ向上した。
【0068】
ニッケルで含浸した試験片を縦横3mm、長さ10mmに切り出し、その表面に電解メッキおよび無電解メッキ法で合計約約10μm厚さのニッケルを被覆した。このサンプルを大気炉に置き、1000℃、1時間放置し、冷却後取り出して目視にて観察したが、ニッケルが黒ずんだほかに変化はなかった。一方、含浸しない2D炭素複合材のサンプルはもとの重量の38%までに減量した。
【0069】
比較例1
溶融アルミニウムの温度を700℃としたこと以外すべて実施例1と同様にしてアルミニウム含有量2体積%の炭素基アルミニウム複合材料を得た。アルミニウムの含浸性を観察したところ開気孔に充填されていない空隙部分があり、人造黒鉛材の気孔の17体積%がアルミニウムで置換されたにすぎなかった。また、熱伝導度113W/(m・K)、熱膨張率3.9×10-6/℃の結果を得た。性能評価の結果を表1に示す。
【0070】
比較例2
押し子の断面積当たりの圧力を150kg/cm2 としたこと以外すべて実施例1と同様にしてアルミニウムの含浸処理を行なったが、アルミニウム充填率47体積%であり溶融アルミニウムをほどんど含浸させることができず、十分な性能を有する炭素基アルミニウム複合材料は得られなかった。性能評価の結果を表1に示す。
【0071】
比較例3
アルミニウムの含有量が40体積%になるような人造黒鉛材を使用したこと以外はすべて実施例1と同様にしてアルミニウムで含浸された炭素基アルミニウム複合材料を調製した。曲げ強度、熱伝導率および熱膨張率を測定したところ表1に示す結果を得た。アルミニウム充填率は100%となったが、熱膨張率が13.2×10-6/℃と過大であり要求性能を満たすことはできなかった。
【0072】
比較例4
市販人造黒鉛材Iの代わりに、針状コークスとピッチおよびフェノール樹脂を最終的に2000℃で焼成した炭素成形体(平均面間隔d002 =0.343nm)を使用したこと以外実施例1と同様にして炭素基アルミニウム複合材料を調製した。性状等を表1に示す。アルミニウム充填率、熱伝導率、熱膨張率は比較的好結果を得たが、この成形体(30mm立方体)を水に浸漬したところ発泡し、崩壊した。また、空気中に放置したところ徐々に粉化し約2週間で完全に原型を失ない粉状体となり実用的価値のあるものは得られなかった。これはアルミニウムと炭素が反応し炭化アルミニウムが生成したものと推定される。
【0073】
【表1】
Figure 0003673436
【0074】
【発明の効果】
本発明の炭素基金属複合材料は、炭素と金属との反応を抑制した条件下に炭素成形体に溶融金属を加圧含浸させることにより複合化したものであり、気孔に対し金属充填率が実質的に100体積%、金属含有量35体積%以下のものである。炭素、金属の成分組成が特定され、強度が高く、熱伝導度および熱膨張率が電子機器用基板、例えば半導体パッケージ材料の要求品質、それぞれ150W/(m・K)および4〜12×10-6/℃を容易に満たすことができる。特に、熱伝導度は、気孔の全部が金属に単に含浸されたと仮定して計算される以上に高い結果を得ることができる。
【0075】
炭素材料の気孔への金属の充填により気密性のあるメッキが容易となる。また、気孔の減少により酸素の拡散が阻止され耐酸化性の向上した炭素材料を得ることができ、従来、不可能であった炭素繊維強化炭素複合材料を母材とする耐酸化性のある高温強度材料、例えばタービン部品を製造することも可能となる。
【0076】
さらに、炭素材料の脆性を改善することができ、特に機械的な加工において、材料の割れ、欠けが生じにくくなり、加工作業が容易で精度も向上できる。
【0077】
また、複合材料の表面に金属が存在することにより、複合材料とセラミックスまたはガラス質のコーティングの密着性を強固とすることができる。例えば、シリコンを含む金属の場合炭素材料表面は炭化珪素に転化しており珪酸等からなるガラス質に濡れやすく、密着性のよいコーティングができる。
【0078】
以上のように炭素材料の網目状の気孔内に金属を充填することにより、炭素材料の機械的強度、例えば、引っ張り強度、曲げ強度、弾性率、靱性値、表面硬度等が2倍以上に向上させることができる。炭素繊維複合材料においては、層間強度が大幅に強化されるためZ方向の強度において5倍以上改善されその効果が著しい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の炭素基金属複合材料の製造装置の基本構造を示す概略図である。
【図2】実施例4で使用した2D炭素繊維強化炭素複合材料の概念図である。
【符号の説明】
1 ホットプレス加熱部
2 金型と押し子
3 ラム
4 繊維方向90度配向シート
5 繊維方向0度配向シート

Claims (12)

  1. 平均面間隔d002 が0.340nm以下の黒鉛結晶含有炭素質マトリックスと該黒鉛結晶含有炭素質マトリックス中に分散された金属成分とからなる炭素基金属複合材料であって、
    (1)前記黒鉛結晶含有炭素質マトリックスの気孔の90体積%以上が、
    前記金属成分により置換され、
    (2)前記金属成分の含有量が、前記炭素基金属複合材料全体積基準で
    35%以下であり、
    熱伝導率が150w/(m・k)以上であることを特徴とする炭素基金属複合材料。
  2. 前記金属成分が、アルミニウム、マグネシウム、錫、亜鉛、銅、銀、鉄およびニッケルからなる群より選択される少なくとも一種の金属または該金属を一種以上含む合金である請求項1に記載の炭素基金属複合材料。
  3. 前記金属成分がアルミニウム、銅および銀からなる群より選択される純金属成分である請求項2に記載の炭素基金属複合材料。
  4. 前記黒鉛結晶含有炭素質マトリックスが、(a)黒鉛結晶系炭素材料、(b)炭素繊維で強化された炭素複合材料、ならびに(c)炭素粉、人造黒鉛粉および炭素繊維少なくとも一種の炭素材料を含む加圧成形体からなる群より選択される少なくとも一種の炭素材料である請求項1に記載の炭素基金属複合材料。
  5. 前記炭素質マトリックスの気孔の95体積%以上が前記金属成分で置換されたものである請求項1に記載の炭素基金属複合材料。
  6. 前記金属成分の含有量が前記炭素基金属複合材料全体積基準で5%〜30%である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の炭素基金属複合材料。
  7. 前記炭素基金属複合材料の熱膨張係数が12×10-6/℃以下である請求項1ないし6のいずれかの1項に記載の炭素基金属複合材料。
  8. 密度が1.4g/cm3 〜2g/cm3 であり、気孔率が40体積%未満であって、平均面間隔d002 が0.340nm以下の黒鉛結晶含有炭素材料からなる炭素成形体に溶融金属を
    (1)該金属の融点の50℃〜250℃高い温度 および
    (2)加圧装置の押し子により該押し子断面積当たり200kg/cm 2 以上の圧力で加圧含浸させることを特徴とする熱伝導率が150W/(m・k)以上である炭素基金属複合材料の製造方法。
  9. 平均面間隔d002 が0.340nm以下である炭素成形体が、2500℃以上の温度にて焼成された黒鉛結晶系炭素材料である請求項8に記載の炭素基金属複合材料の製造方法。
  10. 前記炭素成形体の気孔率が、40体積%未満である請求項8または9に記載の炭素基金属複合材料の製造方法。
  11. 前記炭素成形体の気孔率が、5体積%〜30体積%である請求項8ないし10のいずれかの1項に記載の炭素基金属複合材料の製造方法。
  12. 前記炭素成形体中の黒鉛粒子が、長径1mm〜3mmであり、その含有量が体積分率で10%以上である請求項8に記載の炭素基金属複合材料の製造方法。
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