JP2002284588A - 耐酸化性を具備した炭素繊維強化SiC系複合材料、およびその製造方法 - Google Patents

耐酸化性を具備した炭素繊維強化SiC系複合材料、およびその製造方法

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JP2002284588A
JP2002284588A JP2001092185A JP2001092185A JP2002284588A JP 2002284588 A JP2002284588 A JP 2002284588A JP 2001092185 A JP2001092185 A JP 2001092185A JP 2001092185 A JP2001092185 A JP 2001092185A JP 2002284588 A JP2002284588 A JP 2002284588A
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sic
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dross
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Kenji Nakano
健治 中野
Takao Ida
孝男 位田
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NGK Insulators Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温の酸化性雰囲気下、とくに、金属溶湯中
で使用する溶湯搬送ポンプやドロスを除去するための溶
湯ポンプの部材等として、高温の酸化性条件下でも使用
しても、金属溶湯中に所望とする金属成分以外の成分が
溶出することがなく、かつ、充分な耐熱衝撃性と耐酸化
性とを備えた複合材料の提供。 【解決手段】 基材としてSi−SiC系複合材料また
はSiC系複合材料を用い、同基材の少なくとも表層部
にリン酸塩からなる耐酸化性層を形成させた炭素繊維強
化SiC系複合材料により達成。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、高温の酸化性雰
囲気下で使用される耐酸化性特性に優れた炭素繊維強化
SiC系複合材料に関する。特に、金属溶湯中で使用す
る溶湯搬送ポンプやドロスを除去するための溶湯ポンプ
の部材等として高温の酸化性条件下でも使用可能な複合
材料に関する。
【0002】
【従来の技術】 高温で、かつ、酸化性雰囲気で使用さ
れるものには、宇宙航空分野における耐酸化性部品は勿
論のこと、各種産業用の大型輸送機械である、自動車、
鉄道車両、航空機などのブレーキ材として使用される材
料がある。また、各種機械などの製造用機械の一部など
においても使用される。例えば、自動車用鋼板等への亜
鉛、アルミニウムによるメッキを行う場合は、加熱して
溶融した金属(金属溶湯)に被メッキ物を浸漬すること
により行う。その際、被メッキ物の浸漬を繰り返すと、
溶湯中の不純物が粒成長を起こすことにより金属溶湯に
固体浮遊物(ドロス)が発生し、これを放置したままメ
ッキ作業を続けると、メッキ厚が不均一になったり、メ
ッキ製品の外観が悪くなるというような不都合が生じ
る。
【0003】 そのため、このような金属メッキ工程に
おいては、溶湯ポンプを用いてドロスを除去しながらメ
ッキ作業を行っている。そのような装置としては、例え
ば、図1に示すような溶湯ポンプのがある。図1におい
て、被メッキ物である鋼板1は、水素雰囲気下、滑車2
にて金属溶湯3中に浸漬されメッキされる。溶湯ポンプ
4は、一般に、ドロス蓄積部5および両端に開口部を有
するドロス流路6を備え、ドロス流路6の一端側開口部
はドロス蓄積部5外側の金属溶湯液面部においてのみ金
属溶湯3と連通し、ドロス流路6の他端側開口部はドロ
ス蓄積部5内の金属溶湯液面部においてのみ金属溶湯3
と連通する。また、ドロス流路6は、他端側のドロス流
路内に、回転軸7に取り付けられ、一端側から他端側へ
の液流を引き起こすためのインペラ8を有する。図1に
示す溶湯ポンプ4においては、内側容器10の内部空間
がドロス蓄積部5を形成し、外側容器11の内壁と内側
容器10の外壁との間の空間がドロス流路6を構成して
いる。
【0004】 上記の溶湯ポンプ4において、ドロス流
路6内には、インペラ8の回転により、ドロス流路6の
一端側開口部から他端側開口部へ向かう液流が生じるた
め、金属溶湯3表面に浮いたドロス2はドロス流路6の
一端側開口部からドロス流路6内に取り込まれ、ドロス
流路6内を通ってドロス流路6の他端側開口部からドロ
ス蓄積部5内に入る。ドロス蓄積部5内に溜められたド
ロス12は真空ポンプ13等により吸引除去される。
【0005】 このような溶湯ポンプ4において、例え
ば500〜800℃という高温の金属溶湯3と接触する
外側容器11、内側容器10、回転軸7、インペラ8等
の部材は、熱により破損しないよう、耐熱衝撃性の材質
にて構成する必要がある。また、溶湯ポンプを構成する
材質の成分が金属溶湯中に滲み出したのでは、メッキ製
品の品質に影響を与えるため、高温下においても成分が
滲み出さないような材質を用いることも必要となる。さ
らに、溶湯ポンプを構成する材質は、大気中で使用され
ることもあるため、耐酸化性を備えることも必要とされ
る。このような観点より、従来においては、溶湯ポンプ
を構成する部材のうち、金属溶湯と接触する外側容器等
の部材の材質にはサイアロンが用いられていた。また、
特開平7−41376号公報においては、摺動材とし
て、炭素繊維を基材とし、その表面にメタリン酸アルミ
からなる耐酸化性層を形成させた複合部材が提案されて
いる。
【0006】 しかしながら、サイアロンは耐酸化性に
は優れるものの、耐熱衝撃性に劣り、例えば800℃の
温度で100時間程度使用すると、特に金属溶湯の液面
近傍に割れが生じるという問題があった。また金属溶湯
との接触により表面に溶融金属が堆積し、管内部を閉塞
してしまうといった問題があった。そこで、上記の問題
を解決するために、本発明者等は、平成12年1月14
日の出願にかかる特願2000−5168明細書におい
て、Si−SiC系複合材料またはSiC系複合材料を
溶湯ポンプとして使用することを提案しているが、耐熱
衝撃性においては充分な改良効果が期待できるものの、
耐酸化性特性の面で依然として、メッキ現場での要求を
充分に満足させるには至っていないのが現状である。一
方、特開平7−41376号公報に開示されている摺動
材の場合には、基材が炭素繊維そのものであるために、
耐酸化特性の点で、金属溶湯のポンプなどの部材として
使用するには、不完全である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】 本発明の目的は、高
温の酸化性雰囲気下で使用しても、充分な耐熱衝撃性お
よび耐酸化性を備えた新規な複合材料を提供することに
ある。特に、金属溶湯中で使用する溶湯搬送ポンプやド
ロスを除去するための溶湯ポンプの部材等として、高温
の酸化性条件下でも使用しても、金属溶湯中に所望とす
る金属成分以外の成分が溶出することがなく、かつ、充
分な耐熱衝撃性と耐酸化性とを備えた複合材料を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】 本発明者等は、上記の
目的を達成するために、種々検討の結果、基材としてS
i−SiC系複合材料またはSiC系複合材料を用い、
同基材の少なくとも表層部にリン酸塩からなる耐酸化性
層を形成させた炭素繊維強化SiC系複合材料が上記の
目的を達成することができることを見出して、本発明を
完成させたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】 即ち、本発明によれば、第1
に、耐酸化性を具備した炭素繊維強化SiC系複合材料
であって、その基材がSi−SiC系複合材料またはS
iC系複合材料であり、同基材の少なくとも表層部にリ
ン酸塩からなる耐酸化性層が形成されている特徴とする
上記炭素繊維強化SiC系複合材料が提供される。さら
に、該Si−SiC系複合材料が、55質量%〜75質
量%の炭素と、1質量%〜10質量%の珪素と、10質
量%〜50質量%の炭化珪素とから構成され、少なくと
も炭素繊維の束と炭素繊維以外の炭素成分とを含有する
ヤーンが層方向に配向しつつ三次元的に組み合わされ、
互いに分離しないように一体化されているヤーン集合体
と、このヤーン集合体中で隣り合う前記ヤーンの間に充
填されているSi−SiC系材料からなるマトリックス
とを備え、0.05〜0.6の動摩擦係数と、0.5%
〜10%に制御された気孔率とを有する炭素繊維強化S
iC系複合材料が提供される。
【0010】 さらにまた、該SiC系複合材料が、炭
化珪素と炭素繊維と炭素繊維以外の炭素成分とから構成
され、骨格部と骨格部の周囲に形成されマトリックスと
からなる構造を有し、炭化珪素の少なくとも50%はβ
型で、該骨格部は、炭素繊維と炭素繊維以外の炭素成分
により形成されており、該骨格部の一部分には炭化珪素
が存在していてもよく、該マトリックスは、炭化珪素に
より形成され、該マトリックスと該骨格部とは一体的に
形成されており、かつ、該SiC系複合材料が0.5%
〜5%の気孔率と二山型の平均気孔径の分布を有する炭
素繊維強化SiC系複合材料が提供される。なお、該S
iC系複合材料の動摩擦係数が0.05〜0.6である
炭素繊維強化SiC系複合材料が好ましく、また、該S
iC系複合材料において、大気中で10℃/分の割合で
昇温したときに5%質量減少が生じる温度が600℃以
上である炭素繊維強化SiC系複合材料が好ましい。
【0011】 本発明によれば、第2に、Si−SiC
系複合材料またはSiC系複合材料に所望とする量のリ
ン酸塩を含浸させ、減圧下に保持し、リン酸塩を基材の
表面から少なくとも深さ500μmまで浸透させ、その
後所定の温度で乾燥させることを特徴とする、Si−S
iC系複合材料またはSiC系複合材料を基材とし、同
基材の少なくとも表層部にリン酸塩からなる耐酸化性層
が形成されていることを特徴とする耐酸化性を具備した
炭素繊維強化SiC系複合材料の製造方法が提供され
る。
【0012】 本発明によれば、第3に、ドロス蓄積部
および両端に開口部を有するドロス流路を備え、該ドロ
ス流路の一端側開口部は該ドロス蓄積部外側の金属溶湯
液面部においてのみ金属溶湯と連通し、該ドロス流路の
他端側開口部は該ドロス蓄積部内の金属溶湯液面部にお
いてのみ金属溶湯と連通し、該ドロス流路は、該他端側
のドロス流路内に、回転軸に取り付けられ、該一端側か
ら該他端側への液流を引き起こすためのインペラを有す
る溶湯ポンプであって、該ドロス流路が、外側容器の内
壁と、該外側容器の内側に設置され、該ドロス蓄積部を
構成する内側容器の外壁との間の空間によって構成さ
れ、少なくとも該外側容器、該内側容器、該インペラお
よび該回転軸が上記の炭素繊維強化SiC系複合材料で
あることを特徴とする溶湯ポンプが提供される。すなわ
ち、本発明によれば、金属溶湯に浸漬して使用される溶
湯ポンプであって、少なくとも金属溶湯と接触する部分
からなる溶湯ポンプが提供される。
【0013】 本発明において基材であるSi−SiC
系複合材料またはSiC系複合材料は、「C/Cコンポ
ジット」を原料として以下に記述する方法により製造さ
れるものである。ここで「C/Cコンポジット」とは、
少なくとも炭素繊維の束と炭素繊維以外の炭素成分とを
含有するヤーンを層方向に配向しつつ三次元的に組み合
わせ、互いに分離しないように一体化したヤーン集合体
からなる材料をいうが、より具体的にはヤーン集合体が
複数のヤーン配列体を積層して構成され、各ヤーン配列
体は複数のヤーンを略平行に二次元的に配列することに
よって構成されている材料をいう。本発明において用い
られるC/Cコンポジットは、隣接するヤーン配列体に
おける各ヤーンの長手方向が互いに交差しているもので
あることが好ましい。
【0014】 C/Cコンポジットは、炭素繊維束の周
囲に、熱可塑性樹脂等のプラスチックからなる柔軟な被
膜を形成して得た、柔軟性中間材であるプレフォームド
ヤーンを、特開平2−80639号公報に記載されてい
る方法によりシート状または織布状にし、必要量を積層
した後、ホットプレスで成形、または、この成形体を焼
成することにより製造される。
【0015】 なお、炭素繊維束は、炭素繊維束のマト
リックスとして作用する粉末状のバインダーであって、
焼成後には炭素繊維の束に対して遊離炭素となるピッ
チ、コークス類を包含させ、さらに必要に応じてフェノ
ール樹脂粉末等を含有させることによって調製する。な
お、本発明の基材の製造に使用されるC/Cコンポジッ
トにおいては、上記のヤーンを構成する炭素繊維以外の
炭素成分は、好ましくは炭素粉末であり、特に好ましく
は黒鉛化した炭素粉末である。
【0016】 本発明において、「Si−SiC系複合
材料」とは、C/Cコンポジットからなる基本骨格をS
i−SiC系材料からなるマトリックスが取り巻いた構
成を有する材料をいう。
【0017】 より具体的には、「Si−SiC系複合
材料」とは、55質量%〜75質量%の炭素と、1質量
%〜10質量%の珪素と、10質量%〜50質量%の炭
化珪素とから構成され、少なくとも炭素繊維の束と炭素
繊維以外の炭素成分とを含有するヤーンが層方向に配向
しつつ三次元的に組み合わされ、互いに分離しないよう
に一体化されているヤーン集合体と、このヤーン集合体
中で隣り合う前記ヤーンの間に充填されているSi−S
iC系材料からなるマトリックスとを備え、0.05〜
0.6の動摩擦係数と、0.5%〜10%に制御された
気孔率とを有する複合材料をいう。
【0018】 「C/Cコンポジット」については前述
の通りであるが、Si−SiC系複合材料の基本骨格と
して用いられるC/Cコンポジットとしては、直径が1
0μm前後の炭素繊維を、通常、数百本〜数万本束ねて
形成した繊維束(ヤーン)を熱可塑性樹脂で被覆して柔
軟性糸状中間材とし、これを特開平2−80639号公
報に記載されている方法によりシート状にしたものを二
次元または三次元方向に配列して一方向シート(UDシ
ート)若しくは各種クロスとしたり、または上記シート
やクロスを積層することにより、所定形状の予備成形体
(繊維プリフォーム)とし、次いでこの予備成形体の繊
維束の外周に形成されている有機物からなる熱可塑性樹
脂等の被膜を焼成することにより炭化除去したものが使
用される。なお、本明細書においては、参考のために特
開平2−80639号公報の記載を引用する。
【0019】 また、「Si−SiC系材料」とは、未
反応の状態で残存する珪素からなる珪素相からほぼ純粋
な炭化珪素に至るまでの、いくつかの相異なる相を含む
材料をいい、典型的には珪素相と炭化珪素相からなる
が、炭化珪素相には、珪素の含有量が傾斜的に変化して
いるSiC共存相を含んでもよい。従って、Si−Si
C系材料とは、このようにSi−SiC系列において、
炭素の濃度として、0mol%から50mol%までの
範囲以内で含まれている材料の総称である。
【0020】 本発明に用いる「Si−SiC系複合材
料」は、ヤーンの表面から離れるにしたがって、珪素の
含有比率が上昇する傾斜組成を有するマトリックスを有
することが好ましい。また、本発明に用いる「Si−S
iC系複合材料」において、C/Cコンポジットからな
る基本骨格は、炭素繊維から構成される複数のヤーン配
列体を特定方向に積層してなるヤーン集合体からなり、
各ヤーン配列体はそれぞれ特定本数の炭素繊維を束ねて
構成したヤーンをほぼ平行に二次元的に配列したもので
あることが好ましい。
【0021】 このSi−SiC系複合材料は、たとえ
ば、特開平11−292662号公報に開示された方法
により製造することができる。したがって、特開平11
−292662号公報の開示内容をここに参考までに引
用する。すなわち、炭素繊維の束に対して、最終的にマ
トリックスとなる粉末状のバインダーピッチ、コークス
類を包含させ、さらに必要に応じてフェノール樹脂粉末
等を含有させることによって、炭素繊維束を作製する。
炭素繊維束の周囲に、熱可塑性樹脂等のプラスチックか
らなる柔軟な被膜を形成し、柔軟性中間材料を得る。こ
の柔軟性中間材料を、例えば、特開平2−80639号
公報記載の方法によりヤーン状にし、必要量を積層した
後、ホットプレスで300〜2000℃、常圧〜500
kg/cm2の条件下で成形することによって、成形体
を得る。または、この成形体を、必要に応じて700〜
1200℃で炭化させ、1500〜3000℃で黒鉛化
して、焼結体を得る。
【0022】 炭素繊維は、石油ピッチ若しくはコール
タールピッチを原料とし、紡糸用ピッチの調整、溶融紡
糸、不融化及び炭素化して得られるピッチ系炭素繊維並
びにアクリロニトリル(共)重合体繊維を耐炎化および
炭素化して得られるPAN系炭素繊維のいずれのもので
もよいが、コスト面からPAN系炭素繊維が望ましい。
【0023】 マトリックスの形成に必要な有機バイン
ダーとしては、フェノール樹脂やエポキシ樹脂等の熱硬
化性樹脂およびタール、ピッチ等が用いられるが、これ
らはコークス類、金属、金属化合物、無機および有機化
合物等を含んでいてもよい。有機バインダーの一部が炭
素源となる場合もある。
【0024】 次いで、上記のように作製された成形体
または焼結体とSiとを、1100〜1400℃の温度
域、炉内圧0.1〜10HPaで1時間以上保持する。
好ましくは、この際、成形体または焼結体とSiの合計
質量1kg当たり0.1NL(ノルマルリットル:12
00℃、圧力0.1HPaの場合、5065リットルに
相当)以上の不活性ガスを流しつつ、成形体または焼結
体表面にSi−SiC層を形成する.次いで、温度14
50〜2500℃に昇温して前記成形体または焼結体の
開気孔内部へSi−SiC系材料を溶融、含浸成形させ
る。また、この過程において、成形体を用いた場合は、
前記成形体の焼成も行われ、Si−SiC系複合材料が
生成する。Si−SiC系複合材料全体における、Si
−SiC系材質の濃度傾斜の調節は、成形体または焼結
体の開気孔率およびその細孔径により行う。
【0025】 また、本発明において、「SiC系複合
材料」とは、C/Cコンポジットからなる基本骨格をS
iC系材料からなるマトリックスが取り巻いた構成を有
する材料をいう。
【0026】 より具体的には、「SiC系複合材料」
とは、炭化珪素と炭素繊維と炭素繊維以外の炭素成分と
から構成され、骨格部と骨格部の周囲に形成されたマト
リックスとからなる構造を有するSiC−C/Cコンポ
ジット複合材料であって、炭化珪素の少なくとも50%
はβ型で、骨格部は、炭素繊維と炭素繊維以外の炭素成
分により形成されており、その骨格部の一部分には炭化
珪素が存在していてもよく、マトリックスは、炭化珪素
により形成され、前記マトリックスと前記骨格部とは一
体的に形成されており、かつ、前記複合材料は0.5%
〜5%の気孔率と二山型の平均気孔径の分布を有する複
合材料をいう。SiC系複合材料の動摩擦係数は0.0
5〜0.6であることが好ましく、また、大気中で10
℃/分の割合で昇温したときに5%質量減少が生じる温
度が600℃以上であることが好ましい。
【0027】 ここで「C/Cコンポジット」について
は、「Si−SiC系複合材料」の場合と同様である。
【0028】 SiC系複合材料は、骨格部がC/Cコ
ンポジットであるため、その一部にSiCが形成されて
いても、各炭素繊維の構造が破壊されることなく保持さ
れているために炭素繊維が炭化珪素化により短繊維化す
ることがなく、原料であるC/Cコンポジットの有する
機械的強度がほぼ保持されるか、炭化珪素化により増大
するという大きな特徴を有している。しかも、ヤーン集
合体中で隣り合うヤーンの間に、SiC系材料からなる
マトリックスが形成された複合構造を有している。この
点で、上記のSi−SiC系複合材料とは異なる。な
お、この材料は、平成12年1月12日付出願の特願2
000−3499明細書に開示された方法により製造す
ることができる。したがって、特願2000−3499
明細書の内容をここに引用する。なお、得られる材料の
耐酸化性は、他のSi−SiC系複合材料と同程度で、
大気中800℃×10hrでの重量減少率は30〜50
%程度である。
【0029】 ここで、「SiC系材料」とは、炭素と
の結合度を異にする炭化珪素を含有する材料をいい、C
/Cコンポジットに金属珪素を含浸させることにより製
造できる。その際、金属珪素はコンポジット内の炭素繊
維を構成する炭素原子および/または炭素繊維の表面に
残存している遊離炭素原子と反応し、一部が炭化される
ために、C/Cコンポジットの最表面や炭素繊維からな
るヤーンとヤーンとの間には、一部炭化された珪素が生
成し、かくして上記のヤーンとヤーンとの間には炭化珪
素からなるマトリックスが形成される。
【0030】 このマトリックスにおいては、極微量の
珪素と炭素とが結合した炭化珪素質の相から、純粋な炭
化珪素結晶相に至るまで、いくつかの相異なる相を含み
うる。しかし、このマトリックスには、X線による検出
限界(0.3質量%)以下の金属珪素しか含まれない。
つまり、このマトリックスは、典型的には炭化珪素相か
らなるが、炭化珪素相には、珪素の含有量が傾斜的に変
化しているSiC質相を含みうる。従って、SiC系材
料とは、このようなSiC系列において、炭素の濃度と
して、少なくとも0.01mol%以上から50mol
%までの範囲以内で含まれている材料の総称である。ま
た、SiC系複合材料は、マトリックスが骨格部表面か
ら離れるに従って、珪素の含有比率が上昇する傾斜組成
を有していてもよい。なお、炭素濃度を0.01mol
%未満に制御するには、C/Cコンポジット中の遊離炭
素の量との関係で、添加する金属珪素の量の厳密な計量
が要求され、また、後述する最終工程での温度管理が複
雑になるため実際的ではない。従って、理論的には、炭
素濃度を0.001mol%程度まで制御することは可
能である。
【0031】 このSiC系複合材料は、たとえば平成
12年1月12日付出願の特願2000−3499明細
書に開示された下記の方法にて製造することができる。
すなわち、Si−SiC系複合材料の場合と同様に製造
した炭素繊維からなる成形体または焼成体と金属珪素と
を、1100〜1400℃の温度域、炉内圧0.1〜1
0HPaで1時間以上保持する。保持時間は、種々の要
因により変動しうるが、無機ポリマーないし無機物のセ
ラミックス化への変化に伴うCO等の発生ガスを焼成雰
囲気より除去し、また大気中のO2等による外部からの
焼成雰囲気の汚染を防止するに充分な時間であればよ
い。また、この際、成形体または焼成体と珪素の合計質
量1kg当たり0.1NL(ノルマルリットル:120
0℃、圧力0.1HPaの場合、5065リットルに相
当)以上の不活性ガスを流しつつ、成形体または焼成体
表面にSiC層を形成することが好ましい。次いで、温
度1450〜2500℃に昇温して前記成形体または焼
成体の開気孔内部へ珪素を溶融、含浸させ、先ず、Si
C系材料を形成させる。
【0032】 次いで、炉内温度を一旦周囲環境温度
(20℃〜25℃)まで冷却するか、あるいは、炉内温
度をそのまま保持しつつ、炉内圧力を約1気圧程度まで
上げ、炉内温度を2000℃〜2800℃に引き上げ
て、場合によっては残存していることもある金属珪素
と、既に生成している炭化珪素を炭素繊維と炭素繊維外
の炭素成分中(一部黒鉛化した炭素を含む遊離炭素と同
義である)にまで拡散させ、これら炭素と反応させる。
この場合の保持時間は1時間程度で充分である。また、
この過程において、C/Cコンポジットからなる成形体
を用いた場合は、前記成形体の焼成も行われ、同時にS
iC系複合材料が生成する。
【0033】 次いで、上記の基材に含浸させ、耐酸化
層を形成させるに使用するリン酸塩について述べること
とする。使用条件などにより異なるが、充分な耐酸化層
を形成させるには、通常は、基材の最表面から少なくと
も500μmの深さまで、好ましくは、750μmの深
さまで、より好ましくは、1000μmの深さまで、リ
ン酸塩を浸透させる必要がある。使用するリン酸塩とし
ては、基材に溶液状態で浸透させることができること、
少なくとも1000℃の温度で熱分解しないこと等の性
質を有することが必要である。このような条件を満たす
リン酸塩としては、リン酸アルミニウム、リン酸カルシ
ウム、リン酸ジルコニウム等が挙げられるが、溶湯用の
ポンプの部材として使用する場合には、万が一にも、溶
湯を汚染する金属を溶出させないことが求められるの
で、リン酸アルミニウムが好適に使用される。
【0034】 リン酸塩を含浸させるには、通常減圧
下、たとえば、0.1HPa〜3HPaの減圧下で、数
分〜数時間程度、5〜30質量%のリン酸塩溶液、好ま
しくは第一リン酸アルミニウムの水溶液中に上記の基材
を浸漬すればよい。なお、リン酸塩溶液は、有機酸のア
ルミニウム塩、たとえば、酢酸アルミニウムとリン酸と
を混合して使用してもよい。減圧下での浸漬の後に、常
圧下で、さらに、1〜2時間程度浸漬を続けてもよい。
リン酸アルミニウム塩を基材中に含浸させた後、自然乾
燥させるか、120℃程度の温度で乾燥し、つづいて、
300℃以上、好ましくは、600℃〜900℃で加熱
処理して、不溶性のリン酸アルミニウムに変換する。か
くして、基材の最表面から少なくとも500μmの深さ
まで耐酸化特性に富んだリン酸塩の層が形成されること
となる。Si−SiC系材料のリン酸アルミニウムが染
み込むべき気孔の表面はSiまたはSiC化されてい
る。このため従来C/Cコンポジットよりリン酸アルミ
ニウムとなじみがよく、温度が上がったときにカーボン
と反応し、脆性材料を形成することがない等の効果を発
揮する。
【0035】 つぎに、本発明にかかる複合材料を使用
した溶湯ポンプについて説明する。溶湯ポンプは、ドロ
ス蓄積部および両端に開口部を有するドロス流路を備
え、上記ドロス流路の一端側開口部は上記ドロス蓄積部
外側の金属溶湯液面部においてのみ金属溶湯と連通し、
上記ドロス流路の他端側開口部は上記ドロス蓄積部内の
金属溶湯液面部においてのみ金属溶湯と連通し、上記ド
ロス流路は、上記他端側のドロス流路内に、回転軸に取
り付けられており、場合によっては、上記一端側から上
記他端側への液流を引き起こすためのインペラを有して
いてもよい。
【0036】 また、上記の溶湯ポンプは、ドロス流路
が、外側容器の内壁と、上記外側容器の内側に設置さ
れ、上記ドロス蓄積部を構成する内側容器の外壁との間
の空間によって構成され、少なくとも外側容器、内側容
器、インペラおよび回転軸が本発明にかかる複合材料か
らなるものであることが好ましい。また、本発明の溶湯
ポンプは、亜鉛溶湯又はアルミニウム溶湯に対して用い
るものであってもよい。本発明においては、溶湯ポンプ
の少なくとも金属溶湯と接触する部分を本発明にかかる
複合材料で構成することにより、溶湯ポンプに充分な耐
熱衝撃性と耐酸化性を付与するとともに、金属溶湯中に
溶湯ポンプを構成する素材の成分が溶出するのを防止し
ている。
【0037】 すなわち、本発明にかかる複合材料は、
表1に示すように、室温(20℃)のみならず、高温下
においても優れた耐熱衝撃性を有し、また、高温下にお
いても耐酸化性に優れるため、溶湯ポンプに上記の特性
を付与できるのである。特に耐熱衝撃性はサイアロンに
比べ著しく大きいことがわかる。
【0038】
【表1】
【0039】 なお、表1において耐熱衝撃性の値は、
幅25mm×長さ50mm×厚さ10mmの試験ピース
を用いて、800℃×5分のサイクル試験を100回繰
り返すことにより測定した。
【0040】 また、耐酸化性の値の測定は、上記と同
寸法の試験ピースを作成し雰囲気炉内にセットし、大気
中で300℃/hrで昇温し、800℃の温度下で5時
間放置した場合の質量減少を測定することにより行っ
た。
【0041】 本発明にかかる複合材料を使用した溶湯
ポンプの場合、その方式、種類にとくに制限はなく、金
属溶湯に浸漬して使用されるものであればよいが、たと
えば金属溶湯中のドロスを除去するための溶湯ポンプ
は、一般には、図1に示すように、ドロス蓄積部と両端
に開口部を有するドロス流路を備えており、ドロス流路
の一端側開口部がドロス蓄積部外側の金属溶湯液面部と
連通し、ドロス流路の他端側開口部がドロス蓄積部内の
金属溶湯液面部と連通するように構成されたものであ
る。また、ドロス流路は、回転軸に取り付けられたイン
ペラ等のように、ドロス流路の一端側から他端側への液
流を引き起こすための手段を有する。
【0042】 上記の溶湯ポンプのより具体的な態様
は、図1に示すように、溶湯ポンプ4を少なくとも内側
容器10、外側容器11、回転軸7、インペラ8および
回転軸駆動部14から構成し、内側容器10の内部空間
がドロス蓄積部5を形成し、外側容器11の内壁と内側
容器の外壁との間の空間がドロス流路6を構成するよう
にしたものである。この場合、溶湯ポンプ4の使用時に
おいて金属溶湯3と接触するのは、内側容器10、外側
容器11、回転軸7およびインペラ8であるため、少な
くともこれらの部材が本発明にかかる複合材料で構成さ
れることになる。ただし、回転軸駆動部14等の他の部
材をも上記材料で構成してもよい。
【0043】 また、本発明の溶湯ポンプが使用される
金属溶湯の種類にも特に制限はなく、亜鉛、アルミニウ
ム、鉄、錫、銅等の金属溶湯に好適に用いることができ
るが、溶湯温度を考慮した場合、亜鉛溶湯又はアルミニ
ウム溶湯に対して特に好適に用いることができる。
【0044】
【実施例】 以下、本発明について、製造例および使用
例を挙げてさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの
製造例および使用例により何ら制限的に解されるべきも
のではない。
【0045】 (製造例)特開平11−292662号
公報の記載にしたがって製造した大きさ幅25mm×長
さ50mm×厚み10mmで、気孔率が3%のSi−S
iC系複合材料をあらかじめ耐圧装置に収容した10質
量%の第一リン酸アルミニウム水溶液に浸漬して、0.
1HPaの減圧下で、1時間保持した。このものを耐圧
装置から取り出し、120℃で乾燥し、さらに窒素雰囲
気中で、800℃に加熱し、表層部に厚さ500μmの
深さまでリン酸アルミニウムを浸透させて形成させた耐
酸化性層を有する本発明にかかる複合材料を製造し、上
述した耐酸化性試験に供した。その際、対照として、基
材としてC/Cコンポジットに上記と同一条件下で耐酸
化性層を形成させて製造した複合材料、C/Cコンポジ
ットそのもの、およびSi−SiC系複合材料そのもの
を使用した。その結果は表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】 上記の結果から、本発明にかかる複合材
料の場合においては、予想を超えた耐酸化性を示すこと
が明らかとなった。その原因としては、C/Cコンポジ
ットは気孔率が15%程度あり、また100μm程度の
細孔が多く、リン酸アルミニウムが充分に気孔を埋める
ことが難しいが、Si−SiCは気孔率が3%程度でか
つ100μm程度の細孔が消失しているため、リン酸ア
ルミニウムが充分気孔に充填されたためと考えられる。
【0048】 (使用例)溶湯ポンプを構成する部材を
上記の製造例にしたがって製造した本発明にかかる複合
材料から構成した溶湯ポンプを用いてアルミニウム溶湯
のドロス除去を行い、溶湯ポンプを構成する部材におけ
る割れの発生、酸化および珪素の溶出について調べた。
【0049】 金属(アルミニウム)溶湯3は、図1に
示すように、鋼板メッキ用のものであり、その温度は7
50℃であった。また、溶湯ポンプ4は、図1に示すよ
うに、内側容器10、外側容器11、回転軸7、インペ
ラ8および回転軸駆動部14からなり、内側容器10の
内部空間がドロス蓄積部5を形成し、外側容器11の内
壁と内側容器10の外壁との間の空間がドロス流路6を
構成する。上記部材のうち、内側容器10、外側容器1
1、回転軸7およびインペラ8を上記材料により構成し
た。
【0050】 上記溶湯ポンプ4をアルミニウム溶湯3
に浸漬し、インペラ8を回転させつつ、100時間ドロ
ス12の除去を行った後、溶湯ポンプを構成する部材に
おける割れの発生、および酸化について調べた。
【0051】 割れの発生は、内側容器、外側容器、回
転軸、インペラの各部材について目視にて観察すること
により調べた。酸化の程度の指標としては、これらの部
材の質量減少を測定した。耐酸化性の評価については、
質量減少率5%未満の場合を○、質量減少率5%以上、
10%未満の場合を△、質量減少率10%以上の場合を
×とした。珪素の溶出については、試験ピースの組成変
化を調べることにより判断した。珪素の溶出についての
評価は、アルミニウム中に珪素が混在していることがX
線により確認された場合を「有り」、珪素の混在が確認
されなかった場合を「無し」とした。結果を表3に示
す。
【0052】 (比較例)内側容器、外側容器、回転軸
およびインペラをサイアロンにて構成した点を除いては
実施例と同様の溶湯ポンプを用いて、実施例と同様にア
ルミニウム溶湯のドロス除去を行い、溶湯ポンプを構成
する部材における割れの発生、酸化および珪素の溶出に
ついて調べた。結果を表3に示す。
【0053】
【表3】
【0054】 サイアロンを用いた比較例の溶湯ポンプ
を用いた場合は、酸化の程度は小さかったものの、外側
容器のアルミニウム溶湯液面近傍部分に割れの発生が認
められた。一方、本発明にかかる複合材料から構成した
溶湯ポンプを用いた場合は、内側容器、外側容器、回転
軸、インペラの各部材において割れの発生は認められ
ず、酸化の程度も低かった。また、本発明にかかる複合
材料を用いた場合、溶湯中へのアルミニウムや珪素の溶
出量はほとんど見られなかった。
【0055】
【発明の効果】 本発明の溶湯ポンプは、少なくとも金
属溶湯と接触する部分が優れた耐熱衝撃性と耐酸化性を
有する本発明にかかる複合材料から構成されているた
め、高温の金属溶湯中で長時間使用しても割れたり、酸
化することがなく、溶湯ポンプの寿命を長くすることが
できるため、メッキ製品の製造コストを低減することが
できる。また、金属溶湯中に珪素が溶出しにくいため、
溶出した珪素がメッキ製品のメッキ純度を低下させるの
を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 溶湯ポンプの一般的構成を示す模式断面図で
ある。
【符号の説明】
1…鋼板、2…滑車、3…金属溶湯、4…溶湯ポンプ、
5…ドロス蓄積部、6…ドロス流路、7…回転軸、8…
インペラ、10…内側容器、11…外側容器、12…ド
ロス、13…真空ポンプ、14…回転軸駆動部。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐酸化性を具備した炭素繊維強化SiC
    系複合材料であって、その基材がSi−SiC系複合材
    料またはSiC系複合材料であり、同基材の少なくとも
    表層部にリン酸塩からなる耐酸化性層が形成されている
    ことを特徴とする炭素繊維強化SiC系複合材料。
  2. 【請求項2】 該Si−SiC系複合材料が、55質量
    %〜75質量%の炭素と、1質量%〜10質量%の珪素
    と、10質量%〜50質量%の炭化珪素とから構成さ
    れ、少なくとも炭素繊維の束と炭素繊維以外の炭素成分
    とを含有するヤーンが層方向に配向しつつ三次元的に組
    み合わされ、互いに分離しないように一体化されている
    ヤーン集合体と、このヤーン集合体中で隣り合う前記ヤ
    ーンの間に充填されているSi−SiC系材料からなる
    マトリックスとを備え、0.05〜0.6の動摩擦係数
    と、0.5%〜10%に制御された気孔率とを有する請
    求項1に記載の炭素繊維強化SiC系複合材料。
  3. 【請求項3】 該SiC系複合材料が、炭化珪素と炭素
    繊維と炭素繊維以外の炭素成分とから構成され、骨格部
    と骨格部の周囲に形成されマトリックスとからなる構造
    を有し、 炭化珪素の少なくとも50%はβ型で、 該骨格部は、炭素繊維と炭素繊維以外の炭素成分により
    形成されており、該骨格部の一部分には炭化珪素が存在
    していてもよく、 該マトリックスは、炭化珪素により形成され、 該マトリックスと該骨格部とは一体的に形成されてお
    り、かつ、 該SiC系複合材料が0.5%〜5%の気孔率と二山型
    の平均気孔径の分布を有する請求項1に記載の炭素繊維
    強化SiC系複合材料。
  4. 【請求項4】 該SiC系複合材料の動摩擦係数が0.
    05〜0.6である請求項1〜3のいずれか1項に記載
    の炭素繊維強化SiC系複合材料。
  5. 【請求項5】 該SiC系複合材料において、大気中で
    10℃/分の割合で昇温したときに5%質量減少が生じ
    る温度が600℃以上である請求項1〜4のいずれか1
    項に記載の炭素繊維強化SiC系複合材料。
  6. 【請求項6】 Si−SiC系複合材料またはSiC系
    複合材料に所望とする量のリン酸塩を含浸させ、減圧下
    に保持し、リン酸塩を基材の表面から少なくとも深さ5
    00μmまで浸透させ、その後所定の温度で乾燥させる
    ことを特徴とする、Si−SiC系複合材料またはSi
    C系複合材料を基材とし、同基材の少なくとも表層部に
    リン酸塩からなる耐酸化性層が形成されていることを特
    徴とする耐酸化性を具備した炭素繊維強化SiC系複合
    材料の製造方法。
  7. 【請求項7】 ドロス蓄積部および両端に開口部を有す
    るドロス流路を備え、 該ドロス流路の一端側開口部は該ドロス蓄積部外側の金
    属溶湯液面部においてのみ金属溶湯と連通し、該ドロス
    流路の他端側開口部は該ドロス蓄積部内の金属溶湯液面
    部においてのみ金属溶湯と連通し、 該ドロス流路は、該他端側のドロス流路内に、回転軸に
    取り付けられ、該一端側から該他端側への液流を引き起
    こすためのインペラを有する溶湯ポンプであって、 該ドロス流路が、外側容器の内壁と、該外側容器の内側
    に設置され、該ドロス蓄積部を構成する内側容器の外壁
    との間の空間によって構成され、 少なくとも該外側容器、該内側容器、該インペラおよび
    該回転軸が請求項1〜5のいずれか1項に記載の炭素繊
    維強化SiC系複合材料であることを特徴とする溶湯ポ
    ンプ。
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