JP2001278683A - 保護層形成用層を有する炭素製部材、およびその製造方法 - Google Patents

保護層形成用層を有する炭素製部材、およびその製造方法

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JP2001278683A JP2000094072A JP2000094072A JP2001278683A JP 2001278683 A JP2001278683 A JP 2001278683A JP 2000094072 A JP2000094072 A JP 2000094072A JP 2000094072 A JP2000094072 A JP 2000094072A JP 2001278683 A JP2001278683 A JP 2001278683A
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Shigeru Hanzawa
茂 半澤
Kenji Nakano
健治 中野
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NGK Insulators Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐摩耗性に優れ、露点が30℃〜70℃程度
の高露点雰囲気下あるいは大気中で、700℃、好まし
くは1000℃以上の高温でも実質的に酸化されること
のない炭化珪素からなる保護層を特定の厚さで表層部に
のみ形成することができる、耐酸化性保護層を形成する
ための保護層形成用層を有する炭素製部材、および同炭
素製部材の製造方法の提供。 【解決手段】 炭素製の部材の表面にフェノール樹脂を
含浸させたカーボンペーパーを巻き付け、フェノール樹
脂を硬化させるか、或いは硬化させることなく、不活性
雰囲気中で500℃〜600℃で仮焼し、該フェノール
樹脂を炭化し、炭化珪素からなる耐酸化性保護層を形成
するための保護層形成用層を形成することにより製造さ
れうる耐酸化性保護層を形成するための保護層形成用層
を有する炭素製部材、およびその製造方法により達成。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、露点が30℃〜
70℃の高露点雰囲気下あるいは大気中で、700℃〜
1000℃の高温に曝されても、優れた耐酸化性保護層
で被覆された炭素製部材の製造用原料として有用な保護
層形成用層が形成された、耐酸化性保護層を形成するた
めの保護層形成用層を有する炭素製部材、特に製鉄工業
で使用される耐酸化性保護層で被覆された炭素製部材の
製造用の原料として有用な耐酸化性保護層を形成するた
めの保護層形成用層を有する炭素製部材、同炭素製部材
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】 技術革新が急速に進む中で、露点が3
0℃〜70℃の高露点雰囲気下あるいは大気中で、少な
くとも700℃、好ましくは、1000℃以上の高温下
でも実質的に酸化されることがない耐酸化性の高い炭素
質材料の出現が熱望されている。勿論、このような条件
下で使用するためには、高温における高強度(高い耐熱
衝撃性)と材料としての高い信頼性(靱性、耐衝撃性、
耐摩耗性)、耐環境性(耐食性、耐酸化性、耐放射線
性)等に加え、省エネルギー、容作業性の観点から軽量
性が要求されることはいうまでもない。
【0003】 このような条件で操業される分野として
は鉄鋼分野で使用される搬送用ロール、アルミ、亜鉛と
いった溶解金属を取り扱う攪拌部品があげられる。これ
らの分野においては、従来から、相手材との相性等を考
慮して、炭素製のロール、攪拌部品が使用されている。
しかし、炭素製部品は、耐酸化性、耐摩耗性の点で劣る
ため、酸化の進行によりロール表面精度が劣化し被搬送
材に傷をつけたり、ロール本体の摩耗により強度が劣
化、破損するといった問題点がある。また搬送する鋼板
の熱分布が均一でなく、鋼板の両端部に偏るために、こ
の両端部に当接するロール部分で酸化反応が進行し易
く、その結果、激しく摩耗するものと考えられている。
従って、可成りの頻度で、ロールを交換する必要があ
る。更に攪拌部品においても酸化、摩耗によって強度が
低下し、折損する問題があり、2〜4週間で交換と頻繁
に交換しているのが実状である。
【0004】 一方、炭素質材料の表層部に炭化珪素か
らなる耐酸化性の保護膜を形成する方法が色々提案され
ているが、基材が、炭素、又は炭素と炭素繊維からなる
場合には、表面が円滑な炭化珪素からなる耐酸化性の保
護膜を形成する方法が未だ提案されていないのが現状で
ある。その原因としては、表層部のみに金属珪素を含浸
させても、表層部にのみ存在する炭素を選択的に炭化珪
素化する手段が提供されていないからである。また一部
CVD等の気層蒸着法により炭素質材料上にSiCコー
ティングを施した材料が市販されているが、コストが高
く、あまり使用されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】 本発明は上記した従
来の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とする
ところは、耐摩耗性に優れ、露点が露点が30℃〜70
℃の高露点雰囲気下あるいは大気中で、少なくとも70
0℃、好ましくは、1000℃以上の高温でも実質的に
酸化されることのない炭化珪素からなる保護層を特定の
厚さで表層部にのみ形成することができる、耐酸化性保
護層を形成するための保護層形成用層を有する炭素製部
材、および同炭素製部材の製造方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】 本発明者等は、上記の
様な現状に鑑みて種々検討した結果、耐酸化性保護層を
形成するための保護層形成用層を有する炭素製部材、特
に、炭素製の部材の表面にフェノール樹脂を含浸させた
カーボンペーパーを巻き付け、フェノール樹脂を硬化さ
せるか、或いは硬化させることなく、不活性雰囲気中で
500℃〜600℃で仮焼し、該フェノール樹脂を炭化
し、炭化珪素からなる耐酸化性保護層を形成するための
保護層形成用層を形成することにより製造されうる耐酸
化性保護層を形成するための保護層形成用層を有する炭
素製部材が上記の目的を達成できることを見いだして、
本発明を完成させたものである。
【0007】 即ち、本発明によれば、第1に、耐酸化
性保護層を形成するための保護層形成用層、好ましくは
炭化珪素からなる耐酸化性保護層を形成するための保護
層形成用層を有する炭素製部材が提供される。また、該
炭素製部材の基材が炭素製の管状体、円柱状体、また
は、角状体であることを特徴とする炭素製部材、更に、
該保護層形成用層が炭素と炭素繊維から構成され、その
気孔率が40%〜50%であり、かつ、その厚さが5m
m〜6mmであることを特徴とする炭素製部材が提供さ
れる。
【0008】 また、本発明によれば、炭素製の部材の
表面にフェノール樹脂を含浸させたカーボンペーパーを
巻き付け、フェノール樹脂を硬化させるか、或いは硬化
させることなく、不活性雰囲気中で500℃〜600℃
で仮焼し、該フェノール樹脂を炭化し、炭化珪素からな
る耐酸化性保護層を形成するための保護層形成用層を形
成することを特徴とする炭化珪素からなる耐酸化性保護
層を形成するための保護層形成用層を有する炭素製部材
の製造方法が提供される。特に、該保護層形成用層が炭
素と炭素繊維から構成され、その気孔率が40%〜50
%であり、かつ、その厚さが5mm〜6mmであること
を特徴とする炭素製部材の製造方法、および該炭素製部
材の基材がC/Cコンポジット、Si−SiC系複合材
料またはSiC系複合材料のいずれかであることを特徴
とする炭素製部材の製造方法が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】 本発明に係る耐酸化性保護層を
形成するための保護層形成用層を有する炭素製部材は、
その基材として、主として無定形炭素、炭素繊維、或い
は、無定形炭素と炭素繊維とから構成される炭素質材料
を原料として使用するものである。本発明に使用する炭
素質材料としては、通常は、炭素繊維を使用した複合材
が使用される。本発明における炭素質材料として使用さ
れる炭素繊維は、その製法、使用原料を問わず使用可能
である。実際の使用に際しては、炭素繊維を粉末炭素と
バインダー等を使用して、所定形状に成形して、使用す
る。耐久性の点から以下にいうC/Cコンポジットが好
ましい。なお、ここで、本明細書においては、炭素質材
料とは、カーボンブラック等の無定形炭素や炭素繊維を
も含むものである。
【0010】 本発明に使用する炭素質材料は、その基
材として、上述の如く主として無定形炭素粉末のみなら
ず、炭素繊維から構成されたものも使用可能である。本
発明に使用する基材としての炭素質材料としては、先ず
第1に、カーボンブラックなどの無定形炭素粉末が挙げ
られる。炭素粉末を使用する場合には、予め、所望とす
る形状にフェノール樹脂等をバインダーとして使用し
て、成形し、成形品の表面に炭化珪素膜を形成すればよ
い。この場合に、炭化珪素層を形成する方法としては、
平成12年3月23日出願に係る特願2000−811
62の明細書に記載の方法が例示される。
【0011】 なお、ここで、本明細書においては、炭
素質材料とは、上述の通り、無定形炭素粉末は、勿論の
こと、炭素繊維それ自体、および、広義には、炭素繊維
に含まれる、C/Cコンポジットをも含むものである。
加えて、このC/Cコンポジットに所定量の金属珪素を
含浸して得られる、特定の加工をした炭素質材料であ
る、Si−SiC系複合材料もSiC系複合材料も炭素
質材料に含むものである。これらのものの性状、製造方
法等については以下に詳述することとする。なお、称呼
上の混乱を避けるために、本明細書の以下の記述におい
ては、炭素質材料とは、C/Cコンポジット、Si−S
iC系複合材料、およびSiC系複合材料をも包含する
用語として使用する。従って、本発明においては、基材
としては、狭義の炭素繊維のみならず、上述の複合材料
の両者も使用可能である。
【0012】 本明細書において、C/Cコンポジット
とは、炭素繊維の束のマトリックスとして作用する粉末
状のバインダーであって、焼成後には炭素繊維の束に対
して遊離炭素となるピッチ、コークス類を包含させ、さ
らに必要に応じてフェノール樹脂粉末等を含有させるこ
とによって、炭素繊維束を調製し、この炭素繊維束の周
囲に、熱可塑性樹脂等のプラスチックからなる柔軟な被
膜を形成し、柔軟性中間材としてのプリフォームドヤー
ンを得る。このプリフォームドヤーンを、特開平2−8
0639号公報に記載されている方法によりシート状ま
たは織布状にし、必要量を積層した後、ホットプレスで
成形し得られた成形体、または、この成形体を焼成して
得られる焼成体をいう。すなわち、本発明においてC/
Cコンポジットとは、炭素繊維と炭素繊維以外の炭素と
から構成され、該炭素繊維は、特定の本数からなる炭層
繊維束からなる積層構造を構成しており、炭素繊維以外
の炭素は、該積層構造と積層構造との間の空隙をマトリ
ックスを形成して、埋めている構造を有する、特定積層
構造とマトリックスの構造からなることを特徴とする複
合材料をいう。
【0013】 基本素材として使用するC/Cコンポジ
ットとしては、直径が10μm前後の炭素繊維を、通
常、数百本〜数万本束ねて繊維束(ヤーン)を形成し、
この繊維束を熱可塑性樹脂で被覆して調製した柔軟性糸
状中間材を得、これを特開平2−80639号公報に記
載されている方法によりシート状にし、このシート状と
したものを二次元または三次元方向に配列して一方向シ
ート(UDシート)や各種クロスとしたり、また上記シ
ートやクロスを積層したりすることにより、所定形状の
予備成形体(繊維プリフォーム)を形成し、該予備成形
体の繊維束の外周に形成されている有機物からなる熱可
塑性樹脂等の被膜を焼成し、上記の同皮膜を炭化除去し
たものを使用すればよい。なお、本明細書に於いて、参
考のために特開平2−80639号公報の記載を引用す
る。本発明に於いて使用するC/Cコンポジットは、上
記のヤーン中の炭素繊維以外の炭素成分は、好ましくは
炭素粉末であり、特に好ましくは黒鉛化した炭素粉末で
ある。
【0014】 本発明において、Si−SiC系複合材
料とは、55重量%〜75重量%の炭素と、1重量%〜
10重量%の珪素と、10重量%〜50重量%の炭化珪
素とから構成され、少なくとも炭素繊維の束と炭素繊維
以外の炭素成分とを含有するヤーンが層方向に配向しつ
つ三次元的に組み合わされ、互いに分離しないように一
体化されているヤーン集合体と、このヤーン集合体中で
隣り合う前記ヤーンの間に充填されているSi−SiC
系材料からなるマトリックスとを備え、0.05〜0.
6の動摩擦係数と、0.5%〜10%に制御された気孔
率とを有する複合材料をいう。この材料は、平成10年
9月4日付けの出願に係る特願平10−267402号
に開示された方法により製造することができる。従っ
て、特願平10−267402号の内容を参考までにこ
こに引用する。
【0015】 本発明において、SiC系複合材料と
は、炭化珪素と炭素繊維と炭素繊維以外の炭素成分とか
ら構成され、骨格部と骨格部の周囲に形成されマトリッ
クスとからなる構造を有するSiC−C/Cコンポジッ
ト複合材料であって、炭化珪素の少なくとも50%はβ
型で、骨格部は、炭素繊維と炭素繊維以外の炭素成分に
より形成されており、その骨格部の一部分には炭化珪素
が存在していてもよく、マトリックスは、炭化珪素によ
り形成され、前記マトリックスと前記骨格部とは一体的
に形成されており、かつ、前記複合材料は0.5%〜5
%の気孔率と二山型の平均気孔径の分布を有する複合材
料をいう。
【0016】 従って、このSiC系複合材料は、骨格
部として、各炭素繊維が炭素繊維束から構成されている
C/Cコンポジットを用いており、そのため、その一部
にSiCが形成されていても、各炭素繊維としては炭素
繊維としての構造が、破壊されることなく保持されてい
るために炭素繊維が炭化珪素化により短繊維化すること
がないので、原料であるC/Cコンポジットの有する機
械的強度がほぼ保持されるか、炭化珪素化により増大す
るという大きな特徴を有している。しかも、ヤーン集合
体中で隣り合うヤーンの間に、SiC系材料からなるマ
トリックスが形成された複合構造を有している。この点
で、上記のSi−SiC系複合材料とは異なる。なお、
この材料は、平成11年2月9日付けの出願に係る特願
平11−31979号に開示された方法により製造する
ことができる。従って、特願平11−31979号の内
容をここに引用する。
【0017】 次に、本発明に係る耐酸化性保護層を形
成するための保護層形成用層を有する炭素製部材につい
て説明する。本発明により提供される耐酸化性保護層を
形成するための保護層形成用層を有する炭素製部材とし
ては、耐酸化性保護層を形成するために上記の炭素質材
料からなる基材の表層部に形成されている保護層形成用
層が、本発明と同日出願係る特許出願(整理番号:WP
03129)の明細書に記載の方法により、金属珪素を
含浸させ、これを同表層部の炭素と反応させることによ
り形成される炭化珪素を、耐酸化保護膜として形成でき
るように構成されていることが好ましい。通常は、鋼板
の搬送工程などのロールとして使用されることから、基
材の形状は円柱状体、または、内部に空洞部を有する管
状体が使用される。勿論、角状体等のものもその用途に
よっては使用可能であり、カーボンペーパーの巻き付け
時に、円柱状または管状体に成形してもよい。
【0018】 とくに、上述の如く、同日付けの出願に
係る明細書に開示した方法により、金属珪素と反応させ
て形成される炭化珪素から成る耐酸化性保護層が特定の
厚さで表層部のみに形成され、基材を構成する炭素質材
料の炭素と反応しないようにするためには、該保護層形
成用層が炭素と炭素繊維から構成され、その気孔率が4
0%〜50%であり、かつ、その厚さが5mm〜6mm
であることが好ましい。もしも、気孔率が40%未満で
は、表層部に、充分な厚さの炭化珪素からなる保護層を
形成することができず、また、50%を超えると、基材
部まで金属珪素が浸透して、基材を構成する炭素と反応
して、その部分には、表面が盛り上がり、円滑な曲面を
維持した表面を有する炭素製部材を製造することができ
なくなるからである。また、保護層形成用層の厚さは、
5mm〜6mm程度がよく、この範囲外では、巨視的に
は円滑な曲面を有し、その外表面の断面形状は実質的に
円形を呈しており、微視的には、外表面の平均表面粗度
Raが1.6μm以下の優れた表面特性を有し、ロール
等として好適に使用可能な炭素製部材を製造することが
できなくなる。
【0019】 なお、耐酸化性保護層を形成するための
保護層形成用層を有する炭素製部材は、例えば、カーボ
ンペーパーに予め所望とする量のフェノール樹脂を含浸
させたものを、C/Cコンポジット等の炭素質材料の表
面に巻き付け、該フェノール樹脂を硬化させ、或いは、
硬化させることなく、不活性雰囲気中で500℃〜60
0℃の温度範囲で仮焼し、該フェノール樹脂を炭化し、
かくして形成された無定形の炭素とカーボンペーパー由
来の炭素から成る保護層形成用層をその表面に形成す
る。なお、巻き付けように使用するカーボンペーパーの
厚さは、100〜300μm程度でよい。なお、カーボ
ンペーパーを巻き付ける厚さは、保護層形成用層として
形成されたときの厚さとして、通常は、仮焼後に5mm
〜6mmの厚さがあれば充分である。
【0020】 カーボンペーパーとしては、フェノール
樹脂を含浸させることができるものであれば特に限定は
ないが、フェノール樹脂を含浸し易い、気孔率90〜9
5%程度のカーボンシートが好適に使用される。カーボ
ンペーパーに含浸させるフェノール樹脂の量は、フェノ
ール樹脂が炭化されて生成する炭素とカーボンペーパー
を構成する炭素の内、少なくとも、フェノール樹脂が炭
化されて生成する炭素を全量とカーボンペーパーを構成
する炭素の少なくとも10%以上、好ましくは、50%
以上を、本出願と同日付けの出願に係る明細書に開示し
た方法により、金属珪素と反応させて形成される炭化珪
素から成る耐酸化性保護層を形成するときに、炭化珪素
に変換できるに充分な量が好ましい。使用するフェノー
ル樹脂としては、ノボラック型も、レゾール型も使用で
きるが、常温で液体のレゾール型の方が取り扱い上有利
である。
【0021】 基材である炭素質材料表面に、所望量の
フェノール樹脂を含浸させたカーボンペーパーを巻き付
けるには、図1に模式的に一部省略斜視図として示した
ように、炭素質材料1を3個の金属製ロール3A、3
B、および3Cに担持させて、各金属製ロールをそれぞ
れ矢印の方向に回転させながら、所望量のフェノール樹
脂を含浸させたカーボンペーパー2を巻き付ければよ
い。通常は、巻き取り速度は、1cm/分程度の速度で
所望とする大きさの荷重をかけながら巻き取る。所望と
する厚さとなった時点で、巻き取り操作を停止し、図2
にその断面図を示したように、外周部にカーボンペーパ
ー2が巻かれた、炭素質材料1を得る。次いで、カーボ
ンペーパーに含浸させてあるフェノール樹脂を約200
℃前後で硬化させる。勿論、硬化させることなく、仮焼
炉中に収容して、不活性雰囲気下で、徐々に昇温させ
て、500℃〜600℃でフェノール樹脂が完全に炭化
するまで、仮焼する。時間的には、8時間程度で充分で
ある。かくして、所望の厚さの耐酸化性保護層を形成す
るための保護層形成用層を有する炭素製部材が製造され
る。
【0022】
【実施例】 以下、本発明の具体的態様について実施例
によりさらに詳しく説明するが、本発明はその要旨を超
えない限りこれらの実施例によって限定されるものでは
ない。
【0023】(製造例) (1)C/Cコンポジットの製造 直径10μmの炭素長繊維を約1万本束ね、遊離炭素と
なるピッチ、コークスとフェノールジス粉末を含有させ
繊維束(ヤーン)を得、このヤーンを簾状にしたヤーン
配列体(プリプレグシート)を作り、これを図3のよう
に配列し、プリプレグシート積層体を得、プリプレグシ
ート積層体をホットプレスにより温度600℃、圧力8
0Kg/cm2の条件下で成形した後、窒素雰囲気中で
2000℃で焼成して幅50mm、長さ1000mm、
厚さ50mmのC/Cコンポジットを得た。これを旋盤
により、φ50×950mmの円柱体に加工した。
【0024】(2)耐酸化性保護層を形成するための保
護層形成用層を有する炭素製部材の製造 上記(1)で得た炭素製部材の基材に、予め所定量のフ
ェノール樹脂を含浸させた呉羽化学工業社製のカーボン
ペーパーを、上記(1)で得た炭素質材料に緊密に巻き
付け、このものを風乾し、風乾させたものを炉内に収容
し、アルゴン雰囲気下で徐々に昇温し、約600℃に達
したところで、その温度で約3時間保持し、フェノール
樹脂を完全に炭化させた。炭化操作が終了した時点で、
炉内温度を徐々に下げ、室温に達した時点で耐酸化性保
護層を形成するための保護層形成用層を有する炭素製部
材を炉外に取り出した。かくして得られた耐酸化性保護
層を形成するための保護層形成用層を有する炭素製部材
は、約5mmの厚さの耐酸化性保護層を形成するための
保護層形成用層が形成されていた。
【0025】 上記の様にして調製された本発明に係る
耐酸化性保護層を形成するための保護層形成用層を有す
る炭素質部材を使用して、本発明と同日付けで出願した
上述の耐酸化性保護層としての炭化珪素層を形成する方
法に基づき、炭化珪素層を形成した。即ち、上記の炭素
質材料を真空にできる容器に水を張ったものの中に漬
け、減圧にして、主として表層部に形成されている空隙
部中に含まれる空気を完全に追い出した後、復圧して、
金属珪素のスラリー(水:金属珪素=1:1)を加え
て、主として表層部に形成されている空隙部中に金属珪
素を含浸させた。容器から取り出し、真空状態で乾燥
後、炉内に収容し、アルゴン雰囲気下で徐々に昇温し、
約2000℃に達したところで、同温度で3時間保持
し、金属珪素を、炭素と完全に反応させて、表層部に炭
化珪素なら成る耐酸化性保護層を形成させた。このもの
を温度1000℃、露点が30℃の炉内に収容して、1
0時間保持したが、重量の増減は認められなかった。こ
のものは、その表面に形成された耐酸化性保護膜が、肉
眼観察の結果では、その外表面は円滑な曲面を有し、ま
た、その断面形状は実質的に円形を呈しており、外表面
の平均表面粗度Raは1.2μmであり、ロール等とし
て好適に使用可能な炭素製部材であると判断された。
【0026】 比較例として、フェノール樹脂の含浸量
を調節して、表層部の気孔率が70%の炭素質材料を上
記と同様の処理に供した後、同様に保護層を形成したと
ころ、一部に基材部を形成する炭素との反応が認めら
れ、円滑な曲面を有するものは得られなかった。従っ
て、ロールとしては使用できないと判断された。
【0027】
【発明の効果】 上記の試験結果から明らかなように、
本発明に係る方法により製造されうる耐酸化性保護層を
形成するための保護層形成用層を有する炭素質部材は、
炭化珪素から成る耐酸化性保護層で被覆されたロール等
として使用可能な炭素質材料を、確実に製造できる。従
って、露点が30℃〜70℃程度の高露点雰囲気下ある
いは大気中で使用される、例えば、鋼板などの搬送工程
で使用される炭化珪素から成る耐酸化性保護層で被覆さ
れたロール等として使用可能な炭素質材料を製造するた
めに極めて有用な材料であるといえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る耐酸化性保護層を形成するため
の保護層形成用層を有する炭素質部材の製造方法を模式
的に示す図面である。
【図2】 外周部にカーボンペーパーが巻かれた状態で
の炭素質材料の断面を模式的に示す図面である。
【図3】 本発明において炭素質材料の基材の1つとし
て使用可能なC/Cコンポジットの基本構造をなすヤー
ン集合体の構造を模式的に示す斜視図である。
【符号の説明】
1…耐酸化性保護層を形成するための保護層形成用層を
有する炭素質部材製造用の基材、2…フェノール樹脂含
浸カーボンパーパー、3A、3B、3C…金属製ロー
ル、11A、11B、11C、11D、11Eおよび1
1F…ヤーン配列体、12A…ヤーン、12B…ヤー
ン、13…繊維束(ヤーン)。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐酸化性保護層を形成するための保護層
    形成用層を有する炭素製部材。
  2. 【請求項2】 耐酸化性保護層が炭化珪素層である請求
    項1に記載の炭素製部材。
  3. 【請求項3】 該炭素製部材の基材が炭素製の管状体、
    円柱状体、または、角状体であることを特徴とする請求
    項1または2に記載の炭素製部材。
  4. 【請求項4】 該保護層形成用層が炭素と炭素繊維から
    構成され、その気孔率が40%〜50%であり、かつ、
    その厚さが5mm〜6mmであることを特徴とする請求
    項1〜3のいずれか1項に記載の炭素製部材。
  5. 【請求項5】 炭素製の部材の表面にフェノール樹脂を
    含浸させたカーボンペーパーを巻き付け、フェノール樹
    脂を硬化させるか、或いは硬化させることなく、不活性
    雰囲気中で500℃〜600℃で仮焼し、該フェノール
    樹脂を炭化し、炭化珪素からなる耐酸化性保護層を形成
    するための保護層形成用層を形成することを特徴とする
    炭化珪素からなる耐酸化性保護層を形成するための保護
    層形成用層を有する炭素製部材の製造方法。
  6. 【請求項6】 該保護層形成用層が炭素と炭素繊維から
    構成され、その気孔率が40%〜50%であり、かつ、
    その厚さが5mm〜6mmであることを特徴とする請求
    項5に記載の炭素製部材の製造方法。
  7. 【請求項7】 該炭素製部材の基材がC/Cコンポジッ
    ト、Si−SiC系複合材料またはSiC系複合材料の
    いずれかであることを特徴とする請求項5または6に記
    載の炭素製部材の製造方法。
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