JP2006045074A - 工業用殺菌剤 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は工業用殺菌剤に関し、さらに詳しくは防黴および防腐・抗菌にその効力を示す工業用殺菌剤に関する。
従来より、各種産業製品の防黴および防腐・抗菌にその効力を示す工業用殺菌剤として、イソチアゾリン系化合物がよく知られている。このイソチアゾリン系化合物は、幅広い抗菌スペクトルを有し、各種の産業分野で幅広く使用されているが、その一方で、効力およびその持続性にやや劣ることも知られている。そのため、例えば、特許文献1では、イソチアゾリン系化合物を層状珪酸塩に担持させて、その効果を持続させることが提案されている。
特開平8−193013号公報
しかし、近年の産業製品の多様化につれて、より優れた効力を有し、かつその効力の持続性に優れる工業用殺菌剤の開発が要望されており、特許文献1に記載されるものでは、その要求に未だ十分に応え得るものではない。
そこで本発明は、このような事情に鑑みて為されれたもので、その目的とするところは、より優れた効力を有し、かつその優れた効力をそのまま有効に持続することができる、工業用殺菌剤を提供することにある。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表される化合物および層状粘土鉱物を含有していることを特徴とする工業用殺菌剤を提供する。
(但し、上記一般式において、R1およびR4は、炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐の同一または異なるアルキレン基であり、R2およびR5は、水素原子、同一または異なるハロゲン原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基であり、R3は、炭素数2〜12の直鎖若しくは分岐のアルキレン基であり、R6は、炭素数1〜18の直鎖若しくは分岐のアルキル基であり、Zは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子若しくはOSO2R7基(R7は、低級アルキル基若しくは置換あるいは無置換のフェニル基である)である。)
(但し、上記一般式において、R1およびR4は、炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐の同一または異なるアルキレン基であり、R2およびR5は、水素原子、同一または異なるハロゲン原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基であり、R3は、炭素数2〜12の直鎖若しくは分岐のアルキレン基であり、R6は、炭素数1〜18の直鎖若しくは分岐のアルキル基であり、Zは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子若しくはOSO2R7基(R7は、低級アルキル基若しくは置換あるいは無置換のフェニル基である)である。)
上記本発明の工業用殺菌剤においては、前記一般式(1)において、R1およびR4は、ピリジン環の3または4位置に結合しているメチレン基であり、R2およびR5は、水素原子であり、R3は、テトラメチレン基であり、R6は、オクチル基、デシル基およびドデシル基から選ばれる基であり、Zが塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子若しくはOSO2R7基(R7は、低級アルキル基若しくは置換あるいは無置換のフェニル基である)であること;前記一般式(1)で表される化合物は、下記式(1)〜(4)で表される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
また、上記本発明の工業用殺菌剤においては、層状粘土鉱物が、モンモリロナイト、ベントナイトおよび雲母から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の工業用殺菌剤は、皮膚刺激性が少なく、作業安全性および作業衛生性が良好であり、かつ防黴および防腐・抗菌においては、優れた効力を有し、かつその優れた効力をそのまま有効に持続することができる。とりわけ、本発明の工業用殺菌剤は、耐水性に優れているため、雨水や湿気などを受ける屋内外の環境下においても好適に使用することができ、例えば、プラスチック製品への練り込みや、塗料あるいは接着剤などに配合して好適に使用することができる。
次に発明を実施するための最良の形態を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の工業用殺菌剤には、前記一般式(1)で表される化合物および層状粘土鉱物が含有されている。前記一般式(1)で表される化合物として好ましい化合物は、前記一般式(1)において、R1およびR4が、ピリジン環の3または4位置に結合しているメチレン基であり、R2およびR5が、水素原子であり、R3が、テトラメチレン基であり、R6が、オクチル基、デシル基およびドデシル基から選ばれる基であり、Zが塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子若しくはOSO2R7基(R7は、低級アルキル基若しくは置換あるいは無置換のフェニル基である)である化合物であり、特に好ましい化合物は前記式(1)〜(4)の化合物である。前記一般式(1)で表される化合物は、単独でも混合物としても使用できる。
本発明の工業用殺菌剤には、前記一般式(1)で表される化合物および層状粘土鉱物が含有されている。前記一般式(1)で表される化合物として好ましい化合物は、前記一般式(1)において、R1およびR4が、ピリジン環の3または4位置に結合しているメチレン基であり、R2およびR5が、水素原子であり、R3が、テトラメチレン基であり、R6が、オクチル基、デシル基およびドデシル基から選ばれる基であり、Zが塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子若しくはOSO2R7基(R7は、低級アルキル基若しくは置換あるいは無置換のフェニル基である)である化合物であり、特に好ましい化合物は前記式(1)〜(4)の化合物である。前記一般式(1)で表される化合物は、単独でも混合物としても使用できる。
一般式(1)で表される化合物は、下記一般式(a)
で表されるピリジン化合物と、下記一般式(b)
で表されるジオール類とを、強塩基の存在下に反応させることにより、下記一般式(c)
で表されるピリジン化合物を製し、該化合物と下記一般式(d)
で表されるピリジン化合物とを強塩基の存在下に反応させることにより下記一般式(e)
で表されるピリジン化合物を製し、該化合物と下記一般式(f)
で表されるハロゲン化合物若しくはスルホン酸エステル化合物とを反応させることによって得られる。
(但し、上記一般式(a)〜(f)において、AおよびBは塩基の作用により脱離基として機能し、アルキルカチオンを生成し得る置換基であり、XおよびYは無機、若しくは有機のプロトン酸の対アニオンであり、mおよびnは0〜1であり、R1〜R7、Zは前記と同意義である。)
で表されるピリジン化合物と、下記一般式(b)
で表されるジオール類とを、強塩基の存在下に反応させることにより、下記一般式(c)
で表されるピリジン化合物を製し、該化合物と下記一般式(d)
で表されるピリジン化合物とを強塩基の存在下に反応させることにより下記一般式(e)
で表されるピリジン化合物を製し、該化合物と下記一般式(f)
で表されるハロゲン化合物若しくはスルホン酸エステル化合物とを反応させることによって得られる。
(但し、上記一般式(a)〜(f)において、AおよびBは塩基の作用により脱離基として機能し、アルキルカチオンを生成し得る置換基であり、XおよびYは無機、若しくは有機のプロトン酸の対アニオンであり、mおよびnは0〜1であり、R1〜R7、Zは前記と同意義である。)
本発明で使用する層状粘土鉱物は、結晶層単位が互いに積み重なって層状構造をなしている珪酸塩であれば、特に制限されることなく使用でき、天然物と合成物のいずれでもよい。好ましい層状粘土鉱物として、粘土鉱物があり、その具体例として以下のものがある。すなわち、モンモリロナイト、バイデライト、ヘクトライト、サポナイトなどのスメクタイト族、バームキュライト族、イライト、白雲母、金雲母、黒雲母などの雲母族、マーガライト、クリントナイトなどの脆雲母族、スドーアイトなどの緑泥石族、カオリナイト、ハロイサイトなどのカオリン類、アンチゴライトなどの蛇紋石族などである。その他の好ましい層状粘土鉱物として以下のものがある。すなわち、マガディアイト、ケニヤアイト、カネマイト、マカタイト、アイラーアイトなどの層状ナトリウム珪酸塩、トバモライトなどの層状カルシウム珪酸塩、および水酸イオンなどの陰イオンをフッ素イオンで置換せしめた合成雲母などがある。より好ましい層状粘土鉱物は、モンモリロナイト、ベントナイトおよび雲母から選ばれる少なくとも1種である。
本発明における層状粘土鉱物の粒径、含水量、陽イオン交換容量、色などは特に制限されないが、プラスチックやゴムあるいは繊維などへの練り込み加工に使用する場合、平均粒径15μm以下の粉末が好ましく、より好ましくは平均粒径0.1〜7μmの粉末であり、さらに粒度分布が狭く、均一な粒径であることがより好ましい。また、工業用殺菌剤とした場合に充分な防菌・防黴効果を発揮させるために、陽イオン交換容量が0.1meq/g以上であることが好ましい。これらの層状粘土鉱物は1種類のみを用いてもよいが、徐放性のコントロールをするために2種類以上を併用することもできる。
上記層状粘土鉱物は、含まれるイオン交換可能な金属イオンを一部または全て他の金属イオンと置換して用いてもよい。交換する金属イオンは、イオン交換可能な金属イオンであれば特に制限はないが、リチウム、カルシウム、ナトリウムなどが好ましい。
上記層状粘土鉱物は、含まれるイオン交換可能な金属イオンを一部または全て他の金属イオンと置換して用いてもよい。交換する金属イオンは、イオン交換可能な金属イオンであれば特に制限はないが、リチウム、カルシウム、ナトリウムなどが好ましい。
なお、これらの層状粘土鉱物のうち、層状粘土鉱物と水とを配合して、その層状粘土鉱物の割合が1〜50質量%、好ましくは10〜40質量%となるような水分散液を調製し、その水分散液をB型粘度計(No.3 ローター、12回転)を使用して1分間回転させた時の粘度が、5,000cps以下、好ましくは3,000cps以下となるようなものがとりわけ好ましい。このような層状粘土鉱物を使用すると、後述する製剤化において、粉剤のみならず液剤の製剤化も容易となり、剤型形態が限定されることなく幅広い用途に使用することができる。
前記一般式(1)で表される化合物および層状粘土鉱物が配合される割合は、例えば、層状粘土鉱物10〜40質量部および前記一般式(1)で表される化合物が1〜20質量部であることが好ましい。また、層状粘土鉱物としてモンモリロナイトを使用する場合には、モンモリロナイトおよび前記一般式(1)で表される化合物の質量比がそれぞれ4:0.2〜2.0となるような割合で配合されることが好ましい。このような割合において、その効力を最も発現することができる。また、この配合においては前記一般式(1)で表される化合物が層状粘土鉱物に担持または包接されることが好ましい。
また、本発明の工業用殺菌剤は、その目的および用途に応じて、例えば、液剤(水懸濁剤および油剤を含む)、ペースト剤、粉剤、粒剤などの公知の剤型に製剤化して使用できる。これらのうち、液剤および粉剤として使用することが好ましく、とりわけ、水中に懸濁させる水懸濁剤として製剤化することが好ましい。このような水懸濁剤として製剤化するには、例えば、前記一般式(1)で表される化合物および層状粘土鉱物と、水とを配合して前記一般式(1)で表される化合物および層状粘土鉱物の合計量が、得られる製剤に対して1〜70質量%、好ましくは5〜50質量%の割合となるように調製し、これを攪拌および分散させればよい。水懸濁剤として製剤化すれば、ろ別や遠心分離などの粉末化のための工程が不要であり、簡単に製剤化できてコストの低減を図ることができる。
さらに、本発明の工業用殺菌剤は、その目的および用途によって、公知の添加剤、例えば、界面活性剤、酸化防止剤などを添加してもよい。これらの界面活性剤および酸化防止剤は、例えば、液剤の場合には、液剤100質量部に対して0.1〜20質量部添加される。
界面活性剤としては、例えば、石鹸類、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両イオン界面活性剤、高分子界面活性剤など、公知の界面活性剤が挙げられ、好ましくは、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤が挙げられる。ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、酸化エチレンと酸化プロピレンとのブロック共重合物などのポリオキシエチレン系界面活性剤などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩、アルキルナフタレンスルホン酸金属塩、ポリカルボン酸型界面活性剤、ジアルキルスルホコハク酸エステル金属塩、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテルサルフェートアンモニウム塩、リグニンスルホン酸金属塩などが挙げられる。また、これらの金属塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩などが挙げられる。
また、酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−t−ブチルフェノール]などのフェノール系酸化防止剤、例えば、アルキルジフェニルアミン、N,N’−ジ−s−ブチル−p−フェニレンジアミンなどのアミン系酸化防止剤などが挙げられる。
このようにして得られる本発明の工業用殺菌剤は、皮膚刺激性が少なく、作業安全性および作業衛生性が良好であり、かつ防黴および防腐・抗菌においては、優れた効力を有し、かつその優れた効力をそのまま有効に持続することができる。
そのため、例えば、製紙パルプ工場、冷却水循環工程などの種々の産業用水、切削油などの金属加工用油剤、カゼイン、澱粉糊、にかわ、塗工紙、紙製品、紙用塗工液、表面サイズ剤、塗料、接着剤、合成ゴムラテックス、印刷インキ、ポリビニルアルコールフィルム、塩化ビニルフィルム、プラスチック製品、セメント混和剤、繊維などの各種産業製品などの用途において、防黴剤、防腐剤および抗菌剤として有効に使用することができる。とりわけ、本発明の工業用殺菌剤は、耐水性に優れているため、雨水や湿気などを受ける屋内外の環境下においても好適に使用することができ、例えば、プラスチック製品への練り込みや、塗料あるいは接着剤などに配合して好適に使用することができる。
なお、本発明の工業用殺菌剤は、その適用対象に応じて添加量を適宜決定すればよいが、約0.005〜20質量%、好ましくは0.01〜5質量%程度の有効成分濃度として作用させることが好ましい。
次に合成例、参考例、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
合成例1(前記化合物(1)の合成)
[下記構造式で示される化合物(1−1)の合成]
DMF(ジメチルホルムアミド)75mlに1,4−ブタンジオール8.24g(91.43mmol)を加え、氷冷下カリウムtert−ブトキシド10.3g(91.79mmol)を添加し、室温で1.5時間撹拌した。このスラリー液に−8〜−3℃で3−クロロメチルピリジン塩酸塩1.0g(6.10mmol)およびカリウムtert−ブトキシド0.68g(6.06mmol)を交互に添加し、これを15回繰り返し、全量で3−クロロメチルピリジン塩酸塩15.0g(91.45mmol)およびカリウムtert−ブトキシド10.2g(90.9mmol)を添加した。
合成例1(前記化合物(1)の合成)
[下記構造式で示される化合物(1−1)の合成]
DMF(ジメチルホルムアミド)75mlに1,4−ブタンジオール8.24g(91.43mmol)を加え、氷冷下カリウムtert−ブトキシド10.3g(91.79mmol)を添加し、室温で1.5時間撹拌した。このスラリー液に−8〜−3℃で3−クロロメチルピリジン塩酸塩1.0g(6.10mmol)およびカリウムtert−ブトキシド0.68g(6.06mmol)を交互に添加し、これを15回繰り返し、全量で3−クロロメチルピリジン塩酸塩15.0g(91.45mmol)およびカリウムtert−ブトキシド10.2g(90.9mmol)を添加した。
添加終了後、反応混合物をHPLC(条件1)で分析すると、3−クロロメチルピリジンのピークが確認されたので、3−クロロメチルピリジンのピークが消失するまで、カリウムtert−ブトキシドを5℃以下で添加した。追加したカリウムtert−ブトキシドは1.13g(10.07mmol)であった。反応混合物を固液分離し、ケークをDMF30mlで洗浄、ろ洗液からDMFを減圧下に留去して油状の粗生成物(化合物(1−1))17.1gを得た。得られたオイルをHPLC(条件1)で分析すると、前記化合物(1−1)の面積%は76.0%であった。
前記化合物(1−1)の粗生成物を水30mlに溶解し、トルエンで洗浄した。その後、水層に食塩6gを加え、ジクロロメタン20ml×2で抽出し、無水硫酸マグネシウムで脱水後、溶媒を留去し、油状の前記化合物(1−1)9.21g(収率(1,4−ブタンジオールより):57.2%)を得た。得られたオイルをHPLC(条件1)で分析すると、面積%は99.4%であった。(1H−NMR(CDCl3):δ1.67−1.75(4H,m,−(CH 2)2−)、δ2.35(1H,s,OH)、δ3.52−3.56(2H,t,J=6.0Hz,CH 2)、δ3.64−3.68(2H,t,J=6.0Hz,CH 2 )、δ4.52(2H,s,CH 2)、δ7.27−7.31(1H,m,aromH)、δ7.66−7.70(1H,m,aromH)、δ8.52−8.56(2H,m,arom H×2)、MS(APCl):m/z=182[M+H]+)
HPLC(条件1)
・カラム:Inertsil ODS-3(GL Sciences)4.6mmφ×250mm
・カラム温度:15℃付近の一定温度
・移動相:A−0.5%酢酸アンモニウム水溶液、B−アセトニトリル A:B=70:30(一定)
・流量:1.0ml/min
・検出器:UV254nm
・注入量:20μL
・カラム:Inertsil ODS-3(GL Sciences)4.6mmφ×250mm
・カラム温度:15℃付近の一定温度
・移動相:A−0.5%酢酸アンモニウム水溶液、B−アセトニトリル A:B=70:30(一定)
・流量:1.0ml/min
・検出器:UV254nm
・注入量:20μL
[下記構造式で示される化合物(1−2)の合成]
DMF25mlに前記化合物(1−1)5.0g(27.59mmol)を加え、氷冷下カリウムtert−ブトキシド3.1g(27.63mmol)を添加した。このスラリーに5〜6℃で3−クロロメチルピリジン塩酸塩0.5g(3.05mmol)およびカリウムtert−ブトキシド0.34g(3.03mmol)を交互に添加し、これを9回繰り返し、全量で3−クロロメチルピリジン塩酸塩4.5g(27.43mmol)およびカリウムtert−ブトキシド3.06g(27.27mmol)を添加した。添加終了後、反応混合物をHPLC(条件1)で分析すると、3−クロロメチルピリジンおよび前記化合物(1−1)のピークが確認されたので、3−クロロメチルピリジンのピークおよび前記化合物(1−1)のピークが消失するまで、カリウムtert−ブトキシドを5℃以下で添加した。追加したカリウムtert−ブトキシドは0.62g(5.53mmol)であった。
DMF25mlに前記化合物(1−1)5.0g(27.59mmol)を加え、氷冷下カリウムtert−ブトキシド3.1g(27.63mmol)を添加した。このスラリーに5〜6℃で3−クロロメチルピリジン塩酸塩0.5g(3.05mmol)およびカリウムtert−ブトキシド0.34g(3.03mmol)を交互に添加し、これを9回繰り返し、全量で3−クロロメチルピリジン塩酸塩4.5g(27.43mmol)およびカリウムtert−ブトキシド3.06g(27.27mmol)を添加した。添加終了後、反応混合物をHPLC(条件1)で分析すると、3−クロロメチルピリジンおよび前記化合物(1−1)のピークが確認されたので、3−クロロメチルピリジンのピークおよび前記化合物(1−1)のピークが消失するまで、カリウムtert−ブトキシドを5℃以下で添加した。追加したカリウムtert−ブトキシドは0.62g(5.53mmol)であった。
反応混合物を固液分離し、ケークをDMF30mlで洗浄、ろ洗液からDMFを減圧下に留去した。この濃縮残液にジクロロメタン20mlを添加し、溶解液を飽和食塩水で洗浄後、溶媒を留去し、油状物5.8gを得た。この粗生成物0.5gについてシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム−メタノール)で精製を行い、油状の前記化合物(1−2)0.3gを得た。(1H−NMR:δ1.70−1.74(4H,m,−(CH 2)2−)、δ3.50−3.54(4H,m,CH 2×2)、δ4.51(4H,s,CH 2×2)、δ7.25−7.29(2H,dd,J=4.9Hz,7.9Hz,aromH×2)、δ7.65−7.69(2H,dt,J=1.7Hz,7.9Hz,arom H×2)、δ8.52−8.57(4H,dd,J=1.7Hz,4.9Hz,aromH×4)、MS(APCl):m/z=273[M+H]+)
[化合物(1)の合成]
前記化合物(1−2)5.0g(18.36mmol)にオクチルブロマイド35.5g(183.8mmol)を加え、70〜80℃で20時間反応を行った。反応混合物をHPLC(条件2)で分析すると、前記化合物(1−2)のピークは消失していた。反応混合物より上層のオクチルブロマイド層を分離し、下層油状物をアセトニトリル−酢酸エチル=1:3(v/v)混液に注加した。混合物を冷却し、析出結晶を0℃で濾過、減圧乾燥を行い、灰白色結晶9.7g(粗収率(前記化合物(1−2)より):85%)を得た。
前記化合物(1−2)5.0g(18.36mmol)にオクチルブロマイド35.5g(183.8mmol)を加え、70〜80℃で20時間反応を行った。反応混合物をHPLC(条件2)で分析すると、前記化合物(1−2)のピークは消失していた。反応混合物より上層のオクチルブロマイド層を分離し、下層油状物をアセトニトリル−酢酸エチル=1:3(v/v)混液に注加した。混合物を冷却し、析出結晶を0℃で濾過、減圧乾燥を行い、灰白色結晶9.7g(粗収率(前記化合物(1−2)より):85%)を得た。
得られた結晶2gについてアセトニトリル−酢酸エチル=1:3(v/v)混液で再結晶を行い、微灰白色結晶の化合物(1)1.6gを得た。(融点:52〜53℃、1H−NMR(d6−DMSO):δ0.82−0.89(6H,t,J=5.3Hz,CH 3×2)、δ1.25−1.34(20H,m,−(CH 2)5−×2)、δ1.77−1.80(4H,m,−(CH 2)2−×2)、δ2.04−2.09(4H,t,J=7.0Hz,CH 2×2)、δ3.70−3.72(4H,t,J=5.9Hz,CH 2×2)、δ4.67−4.71(4H,t,J=7.0Hz,CH 2×2)、δ4.84(4H,s,CH 2×2)、δ8.11−8.15(2H,dd,J=6.0Hz,8.0Hz,aromH×2)、δ8.56−8.59(2H,d,J=8.0Hz,aromH×2)、δ8.69−8.92(4H,dd,J=6.0Hz,13.1Hz,aromH×4)、MS(ESI):m/z=579[M−Br]+)。
HPLC(条件2)
・カラム:Inertsil ODS-3(GL Sciences)4.6mmφ×250mm
・カラム温度:15℃付近の一定温度
・移動相:A−0.5%酢酸アンモニウム水溶液、B−アセトニトリル A:70%(12min保持)→(10min)→A:50%(14min保持)→A:70%
・流量:1.0ml/min
・検出器:UV254nm
・注入量:20μL
・カラム:Inertsil ODS-3(GL Sciences)4.6mmφ×250mm
・カラム温度:15℃付近の一定温度
・移動相:A−0.5%酢酸アンモニウム水溶液、B−アセトニトリル A:70%(12min保持)→(10min)→A:50%(14min保持)→A:70%
・流量:1.0ml/min
・検出器:UV254nm
・注入量:20μL
合成例2(前記化合物(2)の合成)
[下記構造式で示される化合物(2−1)の合成:3−クロロメチルピリジン塩酸塩から4−クロロメチルピリジン塩酸塩に代え、反応条件を以下の通りにした他は合成例1と同様]
DMF75mlに1,4−ブタンジオール8.24g(91.43mmol)を加え、氷冷下カリウムtert−ブトキシド10.3g(91.79mmol)を添加し、室温で1時間撹拌した。このスラリーに−10〜−5℃で4−クロロメチルピリジン塩酸塩1.5g(9.14mmol)、カリウムtert−ブトキシド1.03g(9.18mmol)を交互に添加し、これを10回繰り返した。
[下記構造式で示される化合物(2−1)の合成:3−クロロメチルピリジン塩酸塩から4−クロロメチルピリジン塩酸塩に代え、反応条件を以下の通りにした他は合成例1と同様]
DMF75mlに1,4−ブタンジオール8.24g(91.43mmol)を加え、氷冷下カリウムtert−ブトキシド10.3g(91.79mmol)を添加し、室温で1時間撹拌した。このスラリーに−10〜−5℃で4−クロロメチルピリジン塩酸塩1.5g(9.14mmol)、カリウムtert−ブトキシド1.03g(9.18mmol)を交互に添加し、これを10回繰り返した。
添加終了後、反応混合物をHPLC(条件1)で分析すると、4−クロロメチルピリジンのピークが確認されたので、4−クロロメチルピリジンのピークが消失するまでカリウムtert−ブトキシドを10℃以下で添加した。追加したカリウムtert−ブトキシドは1.03g(9.18mmol)であった。反応混合物を固液分離し、ケークをDMF20mlで洗浄、ろ洗液からDMFを減圧下に留去し油状の粗生成物17.0gを得た。得られたオイルをHPLC(条件1)で分析すると、前記化合物(2−1)の面積%は63.0%であった。
粗生成物を水30mlに溶解し、トルエンで洗浄した。その後、水層に食塩6gを加え、ジクロロメタン20ml×2で抽出し、無水硫酸マグネシウムで脱水後、溶媒を留去し、油状の前記化合物(2−1)9.21g(収率(1,4−ブタンジオールより):57.2%)を得た。得られたオイルをHPLC(条件1)で分析すると、面積%は99.4%であった。(1H−NMR(CDCl3):δ1.65−1.80(4H,m,−(CH 2 )2−)、δ2.4(1H,s,OH)、δ3.54−3.58(2H,t,J=5.9Hz,CH 2 )、δ3.66−3.70(2H,t,J=5.9Hz,CH 2 )、δ4.53(2H,s,CH 2 )、δ7.24−7.26(2H,dd,J=1.5Hz,4.5Hz,aromH×2)、δ8.55−8.57(2H,dd,J=1.5Hz,4.5Hz,aromH×2)、MS(APCl):m/z=182[M+H]+)
[下記構造式で示される化合物(2−2)の合成:3−クロロメチルピリジン塩酸塩から4−クロロメチルピリジン塩酸塩に代え、反応条件を以下の通りにした他は合成例1と同様]
DMF49mlに1,4−ブタンジオール2.7g(30.0mmol)を加え、氷冷下カリウムtert−ブトキシド3.4g(30.0mmol)を添加し、室温で1時間撹拌した。このスラリーに−5〜−3℃で4−クロロメチルピリジン塩酸塩0.98g(6mmol)、カリウムtert−ブトキシド0.68g(6mmol)を交互に添加し、これを5回繰り返した。これ以降の添加は、−5〜−2℃で4−クロロメチルピリジン塩酸塩0.98g(6mmol)、カリウムtert−ブトキシド1.36g(12mmol)を交互に添加し、これを5回繰り返し、全量で4−クロロメチルピリジン塩酸塩9.8g(60mmol)、カリウムtert−ブトキシド10.2g(90mmol)を添加した。
DMF49mlに1,4−ブタンジオール2.7g(30.0mmol)を加え、氷冷下カリウムtert−ブトキシド3.4g(30.0mmol)を添加し、室温で1時間撹拌した。このスラリーに−5〜−3℃で4−クロロメチルピリジン塩酸塩0.98g(6mmol)、カリウムtert−ブトキシド0.68g(6mmol)を交互に添加し、これを5回繰り返した。これ以降の添加は、−5〜−2℃で4−クロロメチルピリジン塩酸塩0.98g(6mmol)、カリウムtert−ブトキシド1.36g(12mmol)を交互に添加し、これを5回繰り返し、全量で4−クロロメチルピリジン塩酸塩9.8g(60mmol)、カリウムtert−ブトキシド10.2g(90mmol)を添加した。
添加終了後、反応混合物をHPLC(条件1)で分析すると、4−クロロメチルピリジンおよび前記化合物(2−1)のピークが確認されたので、4−クロロメチルピリジンのピークおよび前記化合物(2−1)のピークが消失するまで、4−クロロメチルピリジン塩酸塩とカリウムtert−ブトキシドを10℃以下で添加した。追加した4−クロロメチルピリジン塩酸塩は2.0g(12mmol)、カリウムtert−ブトキシドは2.6g(24mmol)であった。反応混合物を固液分離し、ケークをDMF20mlで洗浄、ろ洗液からDMFを減圧下に留去した。
この濃縮残液に酢酸エチル50mlを添加し、溶解液を水で洗浄後、溶媒を留去し、黄色結晶の前記化合物(2−2)を得た。該化合物の結晶をHPLC(条件1)で分析すると、前記化合物(2−2)の面積%は70.5%であった。得られた粗生成物5g(18mmol)をイソプロピルアルコール23.3gで再結晶を行い、白色結晶の前記化合物(2−2)2.7gを得た。(融点:98.6〜100.2℃、1H−NMR(CDCl3):δ1.75−1.79(4H,m,−(CH 2)2−)、δ3.53−3.57(4H,m,CH 2×2)、δ4.52(4H,s,CH 2×2)、δ7.23−7.27(4H,dd,J=0.8Hz,6.0Hz,aromH×4)、δ8.55−8.57(4H,dd,J=1.6Hz,6.0Hz,aromH×4)、MS(APCl):m/z=273[M+H]+)
[下記構造式の化合物(2)の合成:前記化合物(1−2)を4−クロロメチルピリジン塩酸塩から誘導したもの(前記化合物(2−2))に代え、反応条件を以下の通りにした他は合成例1と同様]
前記化合物(2−2)2.0g(7.34mmol)にオクチルブロマイド21.3g(110.3mmol)を加え、70〜80℃で53時間反応を行った。反応混合物をHPLC(条件2)で分析すると、前記化合物(2−2)のピークは消失していた。反応混合物からオクチルブロマイドを減圧下で留去し、油状の前記化合物(2)5.2g(粗収率:107.7%)を得た。得られたオイルをHPLC(条件2)で分析すると、化合物(2)のピークの面積%は81.3%であった。
前記化合物(2−2)2.0g(7.34mmol)にオクチルブロマイド21.3g(110.3mmol)を加え、70〜80℃で53時間反応を行った。反応混合物をHPLC(条件2)で分析すると、前記化合物(2−2)のピークは消失していた。反応混合物からオクチルブロマイドを減圧下で留去し、油状の前記化合物(2)5.2g(粗収率:107.7%)を得た。得られたオイルをHPLC(条件2)で分析すると、化合物(2)のピークの面積%は81.3%であった。
反応混合物をHPLC(条件3)で分析すると、前記化合物(1−2)のピークは消失していた。反応混合物より上層のデシルブロマイド層を分離し、下層油状物をアセトニトリル−酢酸エチル=1:3(v/v)混液に注加した。混合物を冷却し、析出結晶を0℃で濾過、減圧乾燥を行い、灰白色結晶11.6g(粗収率(前記化合物(1−2)より):88.5%)を得た。該化合物の結晶をHPLC(条件1)で分析すると、前記化合物(3)の面積%は98.4%であった。融点およびNMR分析値は以下の通りであった。
(融点:76.8〜79.2℃、1H−NMR(CD3OD):δ0.9(6H、t、CH 3×2)、δ1.29〜1.40(28H、m、(CH 2)7×2)、δ1.77〜1.84(4H、m、CH 2×2)、δ2.00〜2.05(4H、t、CH 2×2)、δ3.69〜3.70(4H、t、CH 2×2)、δ4.64〜4.68(4H、t、CH 2×2)、δ4.77(4H、s、CH 2×2)、δ8.07〜8.11(2H、dd、J=、aromH×2)、δ8.55〜8.57(2H、d、aromH×2)、δ8.93〜8.94(2H、d、aromH×2)、δ9.02(2H、s、aromH×2)
(融点:76.8〜79.2℃、1H−NMR(CD3OD):δ0.9(6H、t、CH 3×2)、δ1.29〜1.40(28H、m、(CH 2)7×2)、δ1.77〜1.84(4H、m、CH 2×2)、δ2.00〜2.05(4H、t、CH 2×2)、δ3.69〜3.70(4H、t、CH 2×2)、δ4.64〜4.68(4H、t、CH 2×2)、δ4.77(4H、s、CH 2×2)、δ8.07〜8.11(2H、dd、J=、aromH×2)、δ8.55〜8.57(2H、d、aromH×2)、δ8.93〜8.94(2H、d、aromH×2)、δ9.02(2H、s、aromH×2)
HPLC(条件3)
・カラム:Inertsil ODS-3(GL Sciences)4.6mmφ×250mm
・カラム温度:15℃付近の一定温度
・移動相:A−0.5%酢酸アンモニウム水溶液、B−アセトニトリル A:60%(5min保持)→(10min)→A:30%(30min保持)→A:60%
・流量:1.0ml/min
・検出器:UV254nm
・注入量:10μL
・カラム:Inertsil ODS-3(GL Sciences)4.6mmφ×250mm
・カラム温度:15℃付近の一定温度
・移動相:A−0.5%酢酸アンモニウム水溶液、B−アセトニトリル A:60%(5min保持)→(10min)→A:30%(30min保持)→A:60%
・流量:1.0ml/min
・検出器:UV254nm
・注入量:10μL
合成例4(前記化合物(4)の合成)
合成例3におけるデシルブロマイドに代えて当モル量のドデシルブロマイドを用いた以外は合成例3と同様にして下記構造式で表される化合物(4)13.0g(粗収率:91.5%)を得た。得られた化合物(4)をHPLC(条件4)で分析すると、化合物(4)のピークの面積%は97.5%であった。また、融点およびNMR分析値は以下の通りであった。
合成例3におけるデシルブロマイドに代えて当モル量のドデシルブロマイドを用いた以外は合成例3と同様にして下記構造式で表される化合物(4)13.0g(粗収率:91.5%)を得た。得られた化合物(4)をHPLC(条件4)で分析すると、化合物(4)のピークの面積%は97.5%であった。また、融点およびNMR分析値は以下の通りであった。
(融点:90.0〜91.4℃、1H−NMR(CD3OD):δ0.89(6H、t、CH 3×2)、δ1.26〜1.39(36H、m、(CH 2)9×2)、δ1.79〜1.82(4H、m、CH 2×2)、δ1.84〜2.05(4H、m、CH 2×2)、δ3.67〜3.70(4H、t、CH 2×2)、δ4.65〜4.68(4H、t、CH 2×2)、δ4.77(4H、s、CH 2×2)、δ8.07〜8.11(2H、dd、arom H×2)、δ8.55〜8.57(2H、d、arom H×2)、δ8.93〜8.94(2H、d、arom H×2)、δ9.02(2H、s、arom H×2)
HPLC(条件4)
・カラム:CAPCELL PAK C18 SG120(資生堂)4.6mmφ×250mm
・カラム温度:15℃付近の一定温度
・移動相:A−0.1Mリン酸二水素カリウム(0.05%燐酸)水溶液、B−80%アセトニトリル水溶液 A:B=30:70
・流量:1.0ml/min
・検出器:UV254nm
・注入量:20μL
・カラム:CAPCELL PAK C18 SG120(資生堂)4.6mmφ×250mm
・カラム温度:15℃付近の一定温度
・移動相:A−0.1Mリン酸二水素カリウム(0.05%燐酸)水溶液、B−80%アセトニトリル水溶液 A:B=30:70
・流量:1.0ml/min
・検出器:UV254nm
・注入量:20μL
(1)実施例および比較例の工業用殺菌剤の調製
実施例1
モンモリロナイト20gに水67gを分散させ、前記化合物(1)の10gを添加し、60℃で5時間攪拌した。室温でこの懸濁液にポリオキシエチレン系界面活性剤3gを添加し、2時間攪拌後、ビーズミルで粉砕することによって本発明の工業用殺菌剤を得た。
実施例1
モンモリロナイト20gに水67gを分散させ、前記化合物(1)の10gを添加し、60℃で5時間攪拌した。室温でこの懸濁液にポリオキシエチレン系界面活性剤3gを添加し、2時間攪拌後、ビーズミルで粉砕することによって本発明の工業用殺菌剤を得た。
実施例2〜4
各成分を表1に示す割合で配合したこと以外は実施例1と同様の操作により、本発明の工業用殺菌剤を得た。
比較例1〜7
各成分を表2に示す割合で配合したこと以外は実施例1と同様の操作により工業用殺菌剤を得た。なお、表2中におけるOITは2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンであり、MBCはメチル2−ベンズイミダゾールカルバメートである。
各成分を表1に示す割合で配合したこと以外は実施例1と同様の操作により、本発明の工業用殺菌剤を得た。
比較例1〜7
各成分を表2に示す割合で配合したこと以外は実施例1と同様の操作により工業用殺菌剤を得た。なお、表2中におけるOITは2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンであり、MBCはメチル2−ベンズイミダゾールカルバメートである。
(2)防黴試験
供試黴として、ポテトデキストローズ液体寒天培地で培養したクラドスポリウム・クラドスポリオイデス(Cladosporium cladosporioides クロカワ黴)、ペニシリウム・シトリナム(Penicillium citrinum、青黴)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger、黒黴)およびアルタナリア・スピーシーズ(Alternaria sp.)をサブロー培地液に混合したものを使用した。
供試黴として、ポテトデキストローズ液体寒天培地で培養したクラドスポリウム・クラドスポリオイデス(Cladosporium cladosporioides クロカワ黴)、ペニシリウム・シトリナム(Penicillium citrinum、青黴)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger、黒黴)およびアルタナリア・スピーシーズ(Alternaria sp.)をサブロー培地液に混合したものを使用した。
供試塗料として、アクリル−スチレン系エマルション塗料を使用して、この塗料に各実施例および各比較例の工業用殺菌剤を、1.0質量%、0.5質量%となるような濃度でそれぞれ添加した。次いで、No.5定性濾紙上に、濾紙と等質量の塗料を均一に塗布し、これを乾燥したものを試験片として、次の試験方法により防黴効果を評価した。
試験方法
1)試験片を30×30mmにカットし、200mlの水に3日間浸漬し、次いでこれを引き上げて24時間乾燥させた。
2)オートクレーブで滅菌したサブロー培地を直径9cmのペトリ皿中に注いで凝固させた寒天平板の中央に各試験片を貼り付けた。
3)各試験片に供試黴液を一定量噴霧した後、28℃、4週間培養を行なった。4)培養後の黴の生育状態を観察して判定した。結果を表1および表2に示す。 なお、表1および表2において、生育の程度は、次の基準による。
−:試験片上に黴の生育が全く認められない。
±:試験片上に黴の生育がごくわずかに認められる。
+:試験片上の1/3以下の面積で黴の生育が認められる。
++:試験片上の2/3以下の面積で黴の生育が認められる。
+++:試験片上の2/3以上の面積で黴の生育が認められる。
1)試験片を30×30mmにカットし、200mlの水に3日間浸漬し、次いでこれを引き上げて24時間乾燥させた。
2)オートクレーブで滅菌したサブロー培地を直径9cmのペトリ皿中に注いで凝固させた寒天平板の中央に各試験片を貼り付けた。
3)各試験片に供試黴液を一定量噴霧した後、28℃、4週間培養を行なった。4)培養後の黴の生育状態を観察して判定した。結果を表1および表2に示す。 なお、表1および表2において、生育の程度は、次の基準による。
−:試験片上に黴の生育が全く認められない。
±:試験片上に黴の生育がごくわずかに認められる。
+:試験片上の1/3以下の面積で黴の生育が認められる。
++:試験片上の2/3以下の面積で黴の生育が認められる。
+++:試験片上の2/3以上の面積で黴の生育が認められる。
以上述べたように、本発明の工業用殺菌剤は、皮膚刺激性が少なく、作業安全性および作業衛生性が良好であり、かつ防黴および防腐・抗菌においては、優れた効力を有し、かつその優れた効力をそのまま有効に持続することができる。とりわけ、本発明の工業用殺菌剤は、耐水性に優れているため、雨水や湿気などを受ける屋内外の環境下においても好適に使用することができ、例えば、プラスチック製品への練り込みや、塗料あるいは接着剤などに配合して好適に使用することができる。
Claims (4)
- 前記一般式(1)において、R1およびR4は、ピリジン環の3または4位置に結合しているメチレン基であり、R2およびR5は、水素原子であり、R3は、テトラメチレン基であり、R6は、オクチル基、デシル基およびドデシル基から選ばれる基であり、Zは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子若しくはOSO2R7基(R7は、低級アルキル基若しくは置換あるいは無置換のフェニル基である)である請求項1に記載の工業用殺菌剤。
- 層状粘土鉱物が、モンモリロナイト、ベントナイトおよび雲母から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の工業用殺菌剤。
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JP2004224952A JP2006045074A (ja) | 2004-07-30 | 2004-07-30 | 工業用殺菌剤 |
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Family
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007246560A (ja) * | 2006-03-13 | 2007-09-27 | Tama Kagaku Kogyo Kk | 抗菌性樹脂成形体およびその製造方法 |
JP2007308390A (ja) * | 2006-05-16 | 2007-11-29 | Aasu Biochem Kk | 害虫防除剤および害虫防除方法 |
JP2011148754A (ja) * | 2010-01-25 | 2011-08-04 | Tama Kagaku Kogyo Kk | 抗菌性・抗黴性ケイ酸アルミニウムおよびその製造方法 |
JP2011212521A (ja) * | 2010-03-31 | 2011-10-27 | Aquas Corp | スケール剥離剤、および、スケール剥離方法 |
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2004
- 2004-07-30 JP JP2004224952A patent/JP2006045074A/ja active Pending
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