JP2006022031A - 藻類防除剤および藻類防除方法 - Google Patents

藻類防除剤および藻類防除方法 Download PDF

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JP2006022031A JP2004200770A JP2004200770A JP2006022031A JP 2006022031 A JP2006022031 A JP 2006022031A JP 2004200770 A JP2004200770 A JP 2004200770A JP 2004200770 A JP2004200770 A JP 2004200770A JP 2006022031 A JP2006022031 A JP 2006022031A
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寛紀 高麗
Yoshio Igarashi
喜雄 五十嵐
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Abstract

【課題】 低毒性で取扱いが容易であり、低濃度でも高い殺藻効果を発揮する、経済的な藻類防除剤および藻類防除方法を提供すること。
【解決手段】 下記一般式(1)で表される化合物を有効成分として含有することを特徴とする藻類防除剤。
Figure 2006022031

【選択図】 なし

Description

本発明は、各種工場やビルなどの温度調節設備における熱交換用循環水系内などに藻類が発生することを防止し、スライムなどの形成を抑制するための藻類防除剤および藻類防除方法に関する。
従来、製紙パルプ工場の抄紙工程、金属加工油循環工程、工業用冷却水循環工程などの循環水系、貯水ピット、プール、噴水池などの日光が照射する各種の水系などには、藻類、細菌類、その他の微生物が繁殖しやすく、種々の障害を引き起こすことが知られている。特に循環使用されている用水系でスライムが発生すると、配管内の流れを阻害し、冷却効率を低下させるなどの経済的な損失につながることが知られている。
そのために用水系におけるスライムなどの原因となる藻類の防除剤として、従来から種々の化合物が提案され使用されてきている。こうした藻類防除剤の中で、塩素などは効果的ではあるが金属に対して腐食性を有し、また、継続して添加することが必要であって煩わしい欠点があり、また、イソチアゾロン類の化合物は有効ではあるが、毒性、皮膚刺激性、粘膜刺激性が強く、取扱いにくいという欠点がある。
一方、ピリジニウム塩化合物が抗菌活性を有することは知られており、従来から消毒剤や殺菌剤として種々の用途に使用されている。しかし、用水系などに添加して、スライムなどの原因となる藻類を防除するのに特に有効であるとは考えられていなかった。
特開2000−159607公報
本発明者らは、特に循環水系などに発生する藻類を防除するに適した薬剤について研究を進めていたところ、下記一般式(1)で表される化合物が低使用量でも効果的な藻類防除効果を得ることができることを見出した。本発明はかかる新しく得られた研究成果に基づいてなされたもので、低毒性で取扱いが容易であり、低濃度でも高い殺藻効果を発揮する、経済的な藻類防除剤および藻類防除方法を提供することを目的とする。
上記目的は以下の本発明によって達成される。
1.下記一般式(1)で表される化合物を有効成分として含有することを特徴とする藻類防除剤。
Figure 2006022031
(但し、上記一般式において、R1およびR4は、炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐の同一または異なるアルキレン基であり、R2およびR5は、水素原子、同一または異なるハロゲン原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基であり、R3は、炭素数2〜12の直鎖若しくは分岐のアルキレン基であり、R6は、炭素数1〜18の直鎖若しくは分岐のアルキル基であり、Zは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子若しくはOSO27基(R7は、低級アルキル基若しくは置換或いは無置換のフェニル基である)である。)
2.前記一般式(1)において、R1およびR4は、ピリジン環の3または4位置に結合しているメチレン基であり、R2およびR5は、水素原子であり、R3は、テトラメチレン基であり、R6は、オクチル基、デシル基およびドデシル基から選ばれる基であり、Zは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子若しくはOSO27基(R7は、低級アルキル基若しくは置換或いは無置換のフェニル基である)である前記1に記載の藻類防除剤。
3.前記一般式(1)で表される化合物は、下記式(1)〜(4)で表される少なくとも1種の化合物である前記1に記載の藻類防除剤。
Figure 2006022031
Figure 2006022031
Figure 2006022031
Figure 2006022031
4.前記一般式(1)で表される化合物の有効量を防除対象の水系に添加することを特徴とする藻類防除方法。
本発明の藻類防除剤は、前記一般式(1)で表される化合物を有効成分とするもので、かかる藻類防除剤を水系中に添加することにより、低濃度の使用でも藻類を効果的に防除することができ、しかも低毒性で安全なため使用し易く、長期の使用にも安定で、効果的に藻類並びにスライムの発生を抑制できる効果がある。
以下に発明を実施するための最良の形態を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。本発明に用いられる前記一般式(1)で表される化合物のなかで好ましい化合物は、前記一般式(1)において、R1およびR4が、ピリジン環の3または4位置に結合しているメチレン基であり、R2およびR5が、水素原子であり、R3が、テトラメチレン基であり、R6が、オクチル基、デシル基およびドデシル基から選ばれる基であり、Zが塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子若しくはOSO27基(R7は、低級アルキル基若しくは置換或いは無置換のフェニル基である)である化合物であり、特に好ましい化合物は前記式(1)〜(4)の化合物である。前記一般式(1)で表される化合物は、単独でも混合物としても使用できる。
一般式(1)で表される化合物は、下記一般式(a)
Figure 2006022031
で表されるピリジン化合物と、下記一般式(b)
Figure 2006022031
で表されるジオール類とを、強塩基の存在下に反応させることにより、下記一般式(c)
Figure 2006022031
で表されるピリジン化合物を製し、該化合物と下記一般式(d)
Figure 2006022031
で表されるピリジン化合物とを強塩基の存在下に反応させることにより下記一般式(e)
Figure 2006022031
で表されるピリジン化合物を製し、該化合物と下記一般式(f)
Figure 2006022031
で表されるハロゲン化合物若しくはスルホン酸エステル化合物とを反応させることによって得られる。
(但し、上記一般式(a)〜(f)において、AおよびBは塩基の作用により脱離基として機能し、アルキルカチオンを生成し得る置換基であり、XおよびYは無機、若しくは有機のプロトン酸の対アニオンであり、mおよびnは0〜1であり、R1〜R7、Zは前記と同意義である。)
また、本発明の藻類防除剤を使用して藻類の防除を実施するに当たっては、例えば、アクリル酸系重合体、マレイン酸系重合体、メタクリル酸系重合体、スルホン酸系重合体、燐酸系重合体、イタコン酸系重合体、イソブチレン系重合体、ホスホン酸、ホスフィン酸、或いはこれらの水溶性塩などのスケール防止剤、例えば、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンなどのイソチアゾロン系化合物、例えば、グルタルアルデヒド、フタルアルデヒドなどのアルデヒド類、例えば、過酸化水素、ヒドラジン、塩素系殺菌剤(次亜塩素酸ナトリウムなど)、臭素系殺菌剤およびヨウ素形殺菌剤の無機物類、さらにジチオール系化合物、メチレンビスチオシアネートなどのチオシアネート系化合物、ヨーネンポリマー、第4級アンモニウム塩系化合物などのスライム防止剤、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミンなどのアミン系化合物、例えば、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸などのアミノカルボン酸系化合物、例えば、グルコン酸、クエン酸、シュウ酸、ギ酸、酒石酸、フィチン酸、琥珀酸、乳酸などの有機カルボン酸など、各種の水処理剤を併用することができ、場合によっては予め本発明の藻類防除剤にこれらの水処理剤を配合した水処理剤として使用してもよい。さらに、防食剤であるトリルトリアゾール、ベンゾトリアゾール、メルカプトベンゾチアゾール、モリブデン酸およびその塩、亜鉛およびその塩、リン酸およびその塩、亜硝酸およびその塩、亜硫酸およびその塩などから選ばれる1種或いはそれ以上の成分を添加してもよい。
次に本発明で使用する前記一般式(1)で表される化合物の合成例を挙げる。合成例1(前記化合物(1)の合成)
[下記構造式で示される化合物(1−1)の合成]
Figure 2006022031
DMF(ジメチルホルムアミド)75mlに1,4−ブタンジオール8.24g(91.43mmol)を加え、氷冷下カリウムtert−ブトキシド10.3g(91.79mmol)を添加し、室温で1.5時間撹拌した。このスラリー液に−8〜−3℃で3−クロロメチルピリジン塩酸塩1.0g(6.10mmol)およびカリウムtert−ブトキシド0.68g(6.06mmol)を交互に添加し、これを15回繰り返し、全量で3−クロロメチルピリジン塩酸塩15.0g(91.45mmol)およびカリウムtert−ブトキシド10.2g(90.9mmol)を添加した。
添加終了後、反応混合物をHPLC(条件1)で分析すると、3−クロロメチルピリジンのピークが確認されたので、3−クロロメチルピリジンのピークが消失するまで、カリウムtert−ブトキシドを5℃以下で添加した。追加したカリウムtert−ブトキシドは1.13g(10.07mmol)であった。反応混合物を固液分離し、ケークをDMF30mlで洗浄、ろ洗液からDMFを減圧下に留去して油状の粗生成物(化合物(1−1))17.1gを得た。得られたオイルをHPLC(条件1)で分析すると、前記化合物(1−1)の面積%は76.0%であった。
前記化合物(1−1)の粗生成物を水30mlに溶解し、トルエンで洗浄した。その後、水層に食塩6gを加え、ジクロロメタン20ml×2で抽出し、無水硫酸マグネシウムで脱水後、溶媒を留去し、油状の前記化合物(1−1)9.21g(収率(1,4−ブタンジオールより):57.2%)を得た。得られたオイルをHPLC(条件1)で分析すると、面積%は99.4%であった。(1H−NMR(CDCl3):δ1.67−1.75(4H,m,−(C 22−)、δ2.35(1H,s,O)、δ3.52−3.56(2H,t,J=6.0Hz,C 2)、δ3.64−3.68(2H,t,J=6.0Hz,C 2 )、δ4.52(2H,s,C 2)、δ7.27−7.31(1H,m,arom)、δ7.66−7.70(1H,m,arom)、δ8.52−8.56(2H,m,arom ×2)、MS(APCl):m/z=182[M+H]+
HPLC(条件1)
・カラム:Inertsil ODS-3(GL Sciences)4.6mmφ×250mm
・カラム温度:15℃付近の一定温度
・移動相:A−0.5%酢酸アンモニウム水溶液、B−アセトニトリル A:B=70:30(一定)
・流量:1.0ml/min
・検出器:UV254nm
・注入量:20μL
[下記構造式で示される化合物(1−2)の合成]
Figure 2006022031
DMF25mlに前記化合物(1−1)5.0g(27.59mmol)を加え、氷冷下カリウムtert−ブトキシド3.1g(27.63mmol)を添加した。このスラリーに5〜6℃で3−クロロメチルピリジン塩酸塩0.5g(3.05mmol)およびカリウムtert−ブトキシド0.34g(3.03mmol)を交互に添加し、これを9回繰り返し、全量で3−クロロメチルピリジン塩酸塩4.5g(27.43mmol)およびカリウムtert−ブトキシド3.06g(27.27mmol)を添加した。添加終了後、反応混合物をHPLC(条件1)で分析すると、3−クロロメチルピリジンおよび前記化合物(1−1)のピークが確認されたので、3−クロロメチルピリジンのピークおよび前記化合物(1−1)のピークが消失するまで、カリウムtert−ブトキシドを5℃以下で添加した。追加したカリウムtert−ブトキシドは0.62g(5.53mmol)であった。
反応混合物を固液分離し、ケークをDMF30mlで洗浄、ろ洗液からDMFを減圧下に留去した。この濃縮残液にジクロロメタン20mlを添加し、溶解液を飽和食塩水で洗浄後、溶媒を留去し、油状物5.8gを得た。この粗生成物0.5gについてシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム−メタノール)で精製を行い、油状の前記化合物(1−2)0.3gを得た。(1H−NMR:δ1.70−1.74(4H,m,−(C 22−)、δ3.50−3.54(4H,m,C 2×2)、δ4.51(4H,s,C 2×2)、δ7.25−7.29(2H,dd,J=4.9Hz,7.9Hz,arom×2)、δ7.65−7.69(2H,dt,J=1.7Hz,7.9Hz,arom×2)、δ8.52−8.57(4H,dd,J=1.7Hz,4.9Hz,arom×4)、MS(APCl):m/z=273[M+H]+
[化合物(1)の合成]
Figure 2006022031
前記化合物(1−2)5.0g(18.36mmol)にオクチルブロマイド35.5g(183.8mmol)を加え、70〜80℃で20時間反応を行った。反応混合物をHPLC(条件2)で分析すると、前記化合物(1−2)のピークは消失していた。反応混合物より上層のオクチルブロマイド層を分離し、下層油状物をアセトニトリル−酢酸エチル=1:3(v/v)混液に注加した。混合物を冷却し、析出結晶を0℃でろ過、減圧乾燥を行い、灰白色結晶9.7g(粗収率(前記化合物(1−2)より):85%)を得た。
得られた結晶2gについてアセトニトリル−酢酸エチル=1:3(v/v)混液で再結晶を行い、微灰白色結晶の化合物(1)1.6gを得た。(融点:52〜53℃、1H−NMR(d6−DMSO):δ0.82−0.89(6H,t,J=5.3Hz,C 3×2)、δ1.25−1.34(20H,m,−(C 25−×2)、δ1.77−1.80(4H,m,−(C 22−×2)、δ2.04−2.09(4H,t,J=7.0Hz,C 2×2)、δ3.70−3.72(4H,t,J=5.9Hz,C 2×2)、δ4.67−4.71(4H,t,J=7.0Hz,C 2×2)、δ4.84(4H,s,C 2×2)、δ8.11−8.15(2H,dd,J=6.0Hz,8.0Hz,arom×2)、δ8.56−8.59(2H,d,J=8.0Hz,arom×2)、δ8.69−8.92(4H,dd,J=6.0Hz,13.1Hz,arom×4)、MS(ESI):m/z=579[M−Br]+)。
HPLC(条件2)
・カラム:Inertsil ODS-3(GL Sciences)4.6mmφ×250mm
・カラム温度:15℃付近の一定温度
・移動相:A−0.5%酢酸アンモニウム水溶液、B−アセトニトリル A:70%(12min保持)→(10min)→A:50%(14min保持)→A:70%
・流量:1.0ml/min
・検出器:UV254nm
・注入量:20μL
合成例2(前記化合物(2)の合成)
[下記構造式で示される化合物(2−1)の合成:3−クロロメチルピリジン塩酸塩から4−クロロメチルピリジン塩酸塩に代え、反応条件を以下の通りにした他は合成例1と同様]
Figure 2006022031
DMF75mlに1,4−ブタンジオール8.24g(91.43mmol)を加え、氷冷下カリウムtert−ブトキシド10.3g(91.79mmol)を添加し、室温で1時間撹拌した。このスラリーに−10〜−5℃で4−クロロメチルピリジン塩酸塩1.5g(9.14mmol)、カリウムtert−ブトキシド1.03g(9.18mmol)を交互に添加し、これを10回繰り返した。
添加終了後、反応混合物をHPLC(条件1)で分析すると、4−クロロメチルピリジンのピークが確認されたので、4−クロロメチルピリジンのピークが消失するまでカリウムtert−ブトキシドを10℃以下で添加した。追加したカリウムtert−ブトキシドは1.03g(9.18mmol)であった。反応混合物を固液分離し、ケークをDMF20mlで洗浄、ろ洗液からDMFを減圧下に留去し油状の粗生成物17.0gを得た。得られたオイルをHPLC(条件1)で分析すると、前記化合物(2−1)の面積%は63.0%であった。
粗生成物を水30mlに溶解し、トルエンで洗浄した。その後、水層に食塩6gを加え、ジクロロメタン20ml×2で抽出し、無水硫酸マグネシウムで脱水後、溶媒を留去し、油状の前記化合物(2−1)9.21g(収率(1,4−ブタンジオールより):57.2%)を得た。得られたオイルをHPLC(条件1)で分析すると、面積%は99.4%であった。(1H−NMR(CDCl3):δ1.65−1.80(4H,m,−(C 2 2−)、δ2.4(1H,s,O)、δ3.54−3.58(2H,t,J=5.9Hz,C 2 )、δ3.66−3.70(2H,t,J=5.9Hz,C 2 )、δ4.53(2H,s,C 2 )、δ7.24−7.26(2H,dd,J=1.5Hz,4.5Hz,arom×2)、δ8.55−8.57(2H,dd,J=1.5Hz,4.5Hz,arom×2)、MS(APCl):m/z=182[M+H]+
[下記構造式で示される化合物(2−2)の合成:3−クロロメチルピリジン塩酸塩から4−クロロメチルピリジン塩酸塩に代え、反応条件を以下の通りにした他は合成例1と同様]
Figure 2006022031
DMF49mlに1,4−ブタンジオール2.7g(30.0mmol)を加え、氷冷下カリウムtert−ブトキシド3.4g(30.0mmol)を添加し、室温で1時間撹拌した。このスラリーに−5〜−3℃で4−クロロメチルピリジン塩酸塩0.98g(6mmol)、カリウムtert−ブトキシド0.68g(6mmol)を交互に添加し、これを5回繰り返した。これ以降の添加は、−5〜−2℃で4−クロロメチルピリジン塩酸塩0.98g(6mmol)、カリウムtert−ブトキシド1.36g(12mmol)を交互に添加し、これを5回繰り返し、全量で4−クロロメチルピリジン塩酸塩9.8g(60mmol)、カリウムtert−ブトキシド10.2g(90mmol)を添加した。
添加終了後、反応混合物をHPLC(条件1)で分析すると、4−クロロメチルピリジンおよび前記化合物(2−1)のピークが確認されたので、4−クロロメチルピリジンのピークおよび前記化合物(2−1)のピークが消失するまで、4−クロロメチルピリジン塩酸塩とカリウムtert−ブトキシドを10℃以下で添加した。追加した4−クロロメチルピリジン塩酸塩は2.0g(12mmol)、カリウムtert−ブトキシドは2.6g(24mmol)であった。反応混合物を固液分離し、ケークをDMF20mlで洗浄、ろ洗液からDMFを減圧下に留去した。
この濃縮残液に酢酸エチル50mlを添加し、溶解液を水で洗浄後、溶媒を留去し、黄色結晶の前記化合物(2−2)を得た。該化合物の結晶をHPLC(条件1)で分析すると、前記化合物(2−2)の面積%は70.5%であった。得られた粗生成物5g(18mmol)をイソプロピルアルコール23.3gで再結晶を行い、白色結晶の前記化合物(2−2)2.7gを得た。(融点:98.6〜100.2℃、1H−NMR(CDCl3):δ1.75−1.79(4H,m,−(C 22−)、δ3.53−3.57(4H,m,C 2×2)、δ4.52(4H,s,C 2×2)、δ7.23−7.27(4H,dd,J=0.8Hz,6.0Hz,arom×4)、δ8.55−8.57(4H,dd,J=1.6Hz,6.0Hz,arom×4)、MS(APCl):m/z=273[M+H]+
[下記構造式の化合物(2)の合成:前記化合物(2−2)を4−クロロメチルピリジン塩酸塩から誘導したものに代え、反応条件を以下の通りにした他は合成例1と同様]
Figure 2006022031
前記化合物(2−2)2.0g(7.34mmol)にオクチルブロマイド21.3g(110.3mmol)を加え、70〜80℃で53時間反応を行った。反応混合物をHPLC(条件2)で分析すると、前記化合物(2−2)のピークは消失していた。反応混合物からオクチルブロマイドを減圧下で留去し、油状の前記化合物(2)5.2g(粗収率:107.7%)を得た。得られたオイルをHPLC(条件2)で分析すると、化合物(2)のピークの面積%は81.3%であった。
合成例3(前記化合物(3)の合成)
Figure 2006022031
前記化合物(1−2)5.0g(18.36mmol)にデシルブロマイド40.6g(183.8mmol)を加え、70〜80℃で20時間反応を行った。
反応混合物をHPLC(条件3)で分析すると、前記化合物(1−2)のピークは消失していた。反応混合物より上層のデシルブロマイド層を分離し、下層油状物をアセトニトリル−酢酸エチル=1:3(v/v)混液に注加した。混合物を冷却し、析出結晶を0℃でろ過、減圧乾燥を行い、灰白色結晶11.6g(粗収率(前記化合物(1−2)より):88.5%)を得た。該化合物の結晶をHPLC(条件1)で分析すると、前記化合物(3)の面積%は98.4%であった。融点およびNMR分析値は以下の通りであった。
(融点:76.8〜79.2℃、1H−NMR(CD3OD):δ0.9(6H、t、C 3×2)、δ1.29〜1.40(28H、m、(C 27×2)、δ1.77〜1.84(4H、m、C 2×2)、δ2.00〜2.05(4H、t、C 2×2)、δ3.69〜3.70(4H、t、C 2×2)、δ4.64〜4.68(4H、t、C 2×2)、δ4.77(4H、s、C 2×2)、δ8.07〜8.11(2H、dd、J=、arom×2)、δ8.55〜8.57(2H、d、arom×2)、δ8.93〜8.94(2H、d、arom×2)、δ9.02(2H、s、arom×2)
HPLC(条件3)
・カラム:Inertsil ODS-3(GL Sciences)4.6mmφ×250mm
・カラム温度:15℃付近の一定温度
・移動相:A−0.5%酢酸アンモニウム水溶液、B−アセトニトリル A:60%(5min保持)→(10min)→A:30%(30min保持)→A:60%
・流量:1.0ml/min
・検出器:UV254nm
・注入量:10μL
合成例4(前記化合物(4)の合成)
合成例3におけるデシルブロマイドに代えて当モル量のドデシルブロマイドを用いた以外は合成例3と同様にして下記構造式で表される化合物(4)13.0g(粗収率:91.5%)を得た。得られた化合物(4)をHPLC(条件4)で分析すると、化合物(4)のピークの面積%は97.5%であった。また、融点およびNMR分析値は以下の通りであった。
Figure 2006022031
(融点:90.0〜91.4℃、1H−NMR(CD3OD):δ0.89(6H、t、C 3×2)、δ1.26〜1.39(36H、m、(C 29×2)、δ1.79〜1.82(4H、m、C 2×2)、δ1.84〜2.05(4H、m、C 2×2)、δ3.67〜3.70(4H、t、C 2×2)、δ4.65〜4.68(4H、t、C 2×2)、δ4.77(4H、s、C 2×2)、δ8.07〜8.11(2H、dd、arom×2)、δ8.55〜8.57(2H、d、arom×2)、δ8.93〜8.94(2H、d、arom×2)、δ9.02(2H、s、arom×2)
HPLC(条件4)
・カラム:CAPCELL PAK C18 SG120(資生堂)4.6mmφ×250mm
・カラム温度:15℃付近の一定温度
・移動相:A−0.1Mリン酸二水素カリウム(0.05%燐酸)水溶液、B−80%アセトニトリル水溶液 A:B=30:70
・流量:1.0ml/min
・検出器:UV254nm
・注入量:20μL
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
本発明の藻類防除剤の有効成分である前記一般式(1)で表される化合物として、前記化合物(1)〜(4)を用意した。そして、これらの薬剤をそれぞれエタノールに溶解して、それぞれの0.5質量%の本発明の藻類防除剤を準備した。また、比較のために、前記一般式(1)で表される化合物の代わりの、公知のイソチアゾロン系殺菌殺藻剤である10.1質量%の5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと3.8質量%の2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとを含む薬剤(ローム・アンド・ハース社商品、KATHON WTと略記)、グルタルアルデヒド(GUAL)、およびメチレンビスチオシアネート(MBTC)を用意し、上記と同様にこれらの薬剤の0.5質量%の藻類防除剤を準備した。
次に、2倍に希釈したデトマー(Detmer)培地中に、前培養したスフェロキスチス属の粒状緑藻を1ml当たりの乾燥重量が0.2mgとなるように懸濁し、L型試験管に15mlずつ分注した。そして、前記の藻類防除剤をそれぞれ有効成分の濃度が0mg/lから400mg/lの範囲となるように添加した後、10,000lxの光を照射して30rpmで振とうしながら、これらを30℃で7日間培養した。そして経日的に培養液の色調を観察し、緑色が初期と同程度である場合を+、増殖して緑色が濃くなった場合を++、さらに著しく増殖した場合を+++とし、一方、緑色が若干褪色した場合を±、完全に褪色して微黄白色となった場合を−と判定した。こうして求めた結果を表1に示した。
Figure 2006022031
表1の結果をみると、本発明の藻類防除剤の有効成分である前記一般式(1)で表される化合物は、従来から殺菌殺藻剤として知られているイソチアゾロン化合物、グルタルアルデヒド、メチレンビスチオシアネートなどと比較して、高い殺藻効果があることがわかる。
実施例2
実施例1で用いた前記化合物(1)〜(4)の0.5質量%の藻類防除剤と、比較用の薬剤の0.5質量%の藻類防除剤とを、実施例1と同様にして用意した。そして実施例1と同様に、2倍に希釈したデトマー(Detmer)培地中に、冷却水系で稼働中の冷却塔より採取したスライム(らん藻約0.4、糸状性緑藻約0.4、粒状緑藻約0.2の割合で含む)を、1ml当たりの乾燥重量が0.2mgとなるように懸濁し、L型試験管に15mlずつ分注した。そして、前記の藻類防除剤を有効成分の濃度が0mg/lから400mg/lの範囲となるように添加した後、10,000lxの光を照射して30rpmで振とうしながら、これらを30℃で7日間培養した。そして経日的に培養液の色調を観察し、実施例1と同様の基準で色調の変化状態を判定した結果を表2に示した。
Figure 2006022031
表2の結果をみると、本発明の藻類防除剤は稼働中の冷却水系で発生したスライムに対しても、極めて有効であることが分かる。
本発明の藻類防除剤は、前記一般式(1)で表される化合物を有効成分とするもので、かかる藻類防除剤を水系中に添加することにより、低濃度の使用でも藻類を効果的に防除することができ、しかも低毒性で安全なため使用し易く、長期の使用にも安定で、効果的に藻類並びにスライムの発生を抑制できる効果がある。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物を有効成分として含有することを特徴とする藻類防除剤。
    Figure 2006022031
    (但し、上記一般式において、R1およびR4は、炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐の同一または異なるアルキレン基であり、R2およびR5は、水素原子、同一または異なるハロゲン原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基であり、R3は、炭素数2〜12の直鎖若しくは分岐のアルキレン基であり、R6は、炭素数1〜18の直鎖若しくは分岐のアルキル基であり、Zは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子若しくはOSO27基(R7は、低級アルキル基若しくは置換或いは無置換のフェニル基である)である。)
  2. 前記一般式(1)において、R1およびR4は、ピリジン環の3または4位置に結合しているメチレン基であり、R2およびR5は、水素原子であり、R3は、テトラメチレン基であり、R6は、オクチル基、デシル基およびドデシル基から選ばれる基であり、Zは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子若しくはOSO27基(R7は、低級アルキル基若しくは置換或いは無置換のフェニル基である)である請求項1に記載の藻類防除剤。
  3. 前記一般式(1)で表される化合物は、下記式(1)〜(4)で表される少なくとも1種の化合物である請求項1に記載の藻類防除剤。
    Figure 2006022031
    Figure 2006022031
    Figure 2006022031
    Figure 2006022031
  4. 前記一般式(1)で表される化合物の有効量を防除対象の水系に添加することを特徴とする藻類防除方法。
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