JP2006022032A - 無臭性防蟻剤 - Google Patents

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JP2006022032A JP2004200771A JP2004200771A JP2006022032A JP 2006022032 A JP2006022032 A JP 2006022032A JP 2004200771 A JP2004200771 A JP 2004200771A JP 2004200771 A JP2004200771 A JP 2004200771A JP 2006022032 A JP2006022032 A JP 2006022032A
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寛紀 高麗
Yoshio Igarashi
喜雄 五十嵐
Hirofumi Nobushima
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Abstract

【課題】 人や自然環境に対して安全で、しかも遅効性であり、シロアリの巣から遠いところで使用した場合においてもシロアリが防蟻剤を巣に持ち帰り、巣の中にいるシロアリも駆除することができる無臭性の防蟻剤を提供すること。
【解決手段】 下記一般式(1)で表される化合物を有効成分として含有することを特徴とする防蟻剤。
Figure 2006022032

【選択図】 なし

Description

本発明は、建材などに使用される木質材料をシロアリなどの害虫による食害から保護するのに用いられる防蟻剤に関する。
木質材料は、我が国の伝統的な建築材料としてその利用は極めて広く、住宅や構築物などの建材、家具、その他の一般工業用材料或いは一般土木用材料として多用されている。しかし、シロアリやキクイムシなどの害虫による食害などのために、家屋、樹木の被害は近年増加の一途をたどっている。そこで、木質材料をシロアリなどの食害から保護するために、木質材料に対して防蟻剤を塗布または含浸させるなどの方法、或いは木質材料と接触する他の部材などに防蟻剤を塗布するかまたは周囲の土壌などに防蟻剤を散布する方法などが行われており、そのための薬剤が種々提案されている。
シロアリ用の防蟻剤としては、有機塩素系薬剤のクロルデンが長年に渡り使用されてきたが、施行時の作業者に対する薬害や土壌・地下水などの著しい汚染のため、環境汚染防止の観点から1986年に事実上その使用が禁止された。このような有機塩素系薬剤に代わるものとして、現在では、有機リン系薬剤のクロルピリホス、ホキシム、ピリダフェンチオンなどが単剤または他剤と配合されて使用されている。しかしながら、これらの薬剤は、特有の残留性のある臭気を有するうえ、効力の持続性や安全性の点で多々問題があるため、これらの欠点が改良された防蟻剤の開発が強く要望されている。
特開2001−58903公報
近年、薬剤の人体に対する毒性の問題についての関心が高まっており、人や自然環境に対して安全であることが求められているのが現状である。しかし、シロアリなどの蟻類に対し、強力な殺虫剤でも必ずしも効果が高いとはいえず、また、多量に用いると衛生上の問題が発生するという欠点があり、上記の如き要望に応えることができなかった。
本発明の目的は、人や自然環境に対して安全で、しかも遅効性であり、シロアリの巣から遠いところで使用した場合においても、シロアリが防蟻剤を巣に持ち帰り、巣の中にいるシロアリも駆除することができる無臭性の防蟻剤を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を行なった結果、下記一般式(1)で表される化合物が、無臭で安全性が高くかつシロアリの腸内細菌を殺す、すなわち消化不良を引き起こすことにより遅効性を示し防蟻剤として極めて適していることを見出し本発明を完成するに至った。
上記目的は以下の本発明によって達成される。
1.下記一般式(1)で表される化合物を有効成分として含有することを特徴とする防蟻剤。
Figure 2006022032
(但し、上記一般式において、R1およびR4は、炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐の同一または異なるアルキレン基であり、R2およびR5は、水素原子、同一または異なるハロゲン原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基であり、R3は、炭素数2〜12の直鎖若しくは分岐のアルキレン基であり、R6は、炭素数1〜18の直鎖若しくは分岐のアルキル基であり、Zは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子若しくはOSO27基(R7は、低級アルキル基若しくは置換或いは無置換のフェニル基である)である。)
2.前記一般式(1)において、R1およびR4は、ピリジン環の3または4位置に結合しているメチレン基であり、R2およびR5は、水素原子であり、R3は、テトラメチレン基であり、R6は、オクチル基、デシル基およびドデシル基から選ばれる基であり、Zは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子若しくはOSO27基(R7は、低級アルキル基若しくは置換或いは無置換のフェニル基である)である前記1に記載の防蟻剤。
3.前記一般式(1)で表される化合物は、下記式(1)〜(4)で表される少なくとも1種の化合物である前記1に記載の防蟻剤。
Figure 2006022032
Figure 2006022032
Figure 2006022032
Figure 2006022032
本発明の無臭性防蟻剤である前記一般式(1)で表される化合物は、人畜に対する安全性が高く、かつシロアリに対して遅効性を示す。従って、施用時の作業者らが安全に取り扱うことができ、該薬剤をシロアリの巣から遠いところで使用した場合にも、シロアリが防蟻剤を巣に持ち帰ることが可能であり、巣の中にいるシロアリも駆除することができる。また、木材に本発明の防蟻剤を含浸させることにより予防効果を示し、かつ仮にシロアリが木材を食べた場合にも、殺蟻効果を有する本発明の防蟻剤がシロアリの腸内細菌を殺し、その結果、シロアリが消化不良を引き起こし死滅するので、木材防蟻・防腐効果を期待することができる。
以下に発明を実施するための最良の形態を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。本発明に用いられる前記一般式(1)で表される化合物のなかで好ましい化合物は、前記一般式(1)において、R1およびR4が、ピリジン環の3または4位置に結合しているメチレン基であり、R2およびR5が、水素原子であり、R3が、テトラメチレン基であり、R6が、オクチル基、デシル基およびドデシル基から選ばれる基であり、Zが塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子若しくはOSO27基(R7は、低級アルキル基若しくは置換或いは無置換のフェニル基である)である化合物であり、特に好ましい化合物は前記式(1)〜(4)の化合物である。前記一般式(1)で表される化合物は、単独でも混合物としても使用できる。
一般式(1)で表される化合物は、下記一般式(a)
Figure 2006022032
で表されるピリジン化合物と、下記一般式(b)
Figure 2006022032
で表されるジオール類とを、強塩基の存在下に反応させることにより、下記一般式(c)
Figure 2006022032
で表されるピリジン化合物を製し、該化合物と下記一般式(d)
Figure 2006022032
で表されるピリジン化合物とを強塩基の存在下に反応させることにより下記一般式(e)
Figure 2006022032
で表されるピリジン化合物を製し、該化合物と下記一般式(f)
Figure 2006022032
で表されるハロゲン化合物若しくはスルホン酸エステル化合物とを反応させることによって得られる。
(但し、上記一般式(a)〜(f)において、AおよびBは塩基の作用により脱離基として機能し、アルキルカチオンを生成し得る置換基であり、XおよびYは無機、若しくは有機のプロトン酸の対アニオンであり、mおよびnは0〜1であり、R1〜R7、Zは前記と同意義である。)
前記一般式(1)で表される化合物は、防蟻剤として実際に使用する場合には、適当な溶剤、界面活性剤、希釈剤、担体などとともに製剤化することができ、その製剤形態としては、例えば、油剤、乳剤、粉剤、粒剤、水和剤、可溶化剤、塗料などの種々の形態をとることができる。また、前記一般式(1)で表される化合物の施用量は、製剤の形態や施用方法などに応じて適宜選択することができるが、一般には、0.01〜100g/m2の範囲内が適当である。
前記一般式(1)の化合物は、シロアリの発生箇所や巣、土台、柱などの建築部材、建造物、周辺の土壌などに対して、例えば、塗布、吹きつけ、浸漬、注入、散布、練り込みなどすることによって施用することができる。
次に本発明で使用する前記一般式(1)で表される化合物の合成例を挙げる。合成例1(前記化合物(1)の合成)
[下記構造式で示される化合物(1−1)の合成]
Figure 2006022032
DMF(ジメチルホルムアミド)75mlに1,4−ブタンジオール8.24g(91.43mmol)を加え、氷冷下カリウムtert−ブトキシド10.3g(91.79mmol)を添加し、室温で1.5時間撹拌した。このスラリー液に−8〜−3℃で3−クロロメチルピリジン塩酸塩1.0g(6.10mmol)およびカリウムtert−ブトキシド0.68g(6.06mmol)を交互に添加し、これを15回繰り返し、全量で3−クロロメチルピリジン塩酸塩15.0g(91.45mmol)およびカリウムtert−ブトキシド10.2g(90.9mmol)を添加した。
添加終了後、反応混合物をHPLC(条件1)で分析すると、3−クロロメチルピリジンのピークが確認されたので、3−クロロメチルピリジンのピークが消失するまで、カリウムtert−ブトキシドを5℃以下で添加した。追加したカリウムtert−ブトキシドは1.13g(10.07mmol)であった。反応混合物を固液分離し、ケークをDMF30mlで洗浄、ろ洗液からDMFを減圧下に留去して油状の粗生成物(化合物(1−1))17.1gを得た。得られたオイルをHPLC(条件1)で分析すると、前記化合物(1−1)の面積%は76.0%であった。
前記化合物(1−1)の粗生成物を水30mlに溶解し、トルエンで洗浄した。その後、水層に食塩6gを加え、ジクロロメタン20ml×2で抽出し、無水硫酸マグネシウムで脱水後、溶媒を留去し、油状の前記化合物(1−1)9.21g(収率(1,4−ブタンジオールより):57.2%)を得た。得られたオイルをHPLC(条件1)で分析すると、面積%は99.4%であった。(1H−NMR(CDCl3):δ1.67−1.75(4H,m,−(C 22−)、δ2.35(1H,s,O)、δ3.52−3.56(2H,t,J=6.0Hz,C 2)、δ3.64−3.68(2H,t,J=6.0Hz,C 2 )、δ4.52(2H,s,C 2)、δ7.27−7.31(1H,m,arom)、δ7.66−7.70(1H,m,arom)、δ8.52−8.56(2H,m,arom ×2)、MS(APCl):m/z=182[M+H]+
HPLC(条件1)
・カラム:Inertsil ODS-3(GL Sciences)4.6mmφ×250mm
・カラム温度:15℃付近の一定温度
・移動相:A−0.5%酢酸アンモニウム水溶液、B−アセトニトリル A:B=70:30(一定)
・流量:1.0ml/min
・検出器:UV254nm
・注入量:20μL
[下記構造式で示される化合物(1−2)の合成]
Figure 2006022032
DMF25mlに前記化合物(1−1)5.0g(27.59mmol)を加え、氷冷下カリウムtert−ブトキシド3.1g(27.63mmol)を添加した。このスラリーに5〜6℃で3−クロロメチルピリジン塩酸塩0.5g(3.05mmol)およびカリウムtert−ブトキシド0.34g(3.03mmol)を交互に添加し、これを9回繰り返し、全量で3−クロロメチルピリジン塩酸塩4.5g(27.43mmol)およびカリウムtert−ブトキシド3.06g(27.27mmol)を添加した。添加終了後、反応混合物をHPLC(条件1)で分析すると、3−クロロメチルピリジンおよび前記化合物(1−1)のピークが確認されたので、3−クロロメチルピリジンのピークおよび前記化合物(1−1)のピークが消失するまで、カリウムtert−ブトキシドを5℃以下で添加した。追加したカリウムtert−ブトキシドは0.62g(5.53mmol)であった。
反応混合物を固液分離し、ケークをDMF30mlで洗浄、ろ洗液からDMFを減圧下に留去した。この濃縮残液にジクロロメタン20mlを添加し、溶解液を飽和食塩水で洗浄後、溶媒を留去し、油状物5.8gを得た。この粗生成物0.5gについてシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム−メタノール)で精製を行い、油状の前記化合物(1−2)0.3gを得た。(1H−NMR:δ1.70−1.74(4H,m,−(C 22−)、δ3.50−3.54(4H,m,C 2×2)、δ4.51(4H,s,C 2×2)、δ7.25−7.29(2H,dd,J=4.9Hz,7.9Hz,arom×2)、δ7.65−7.69(2H,dt,J=1.7Hz,7.9Hz,arom×2)、δ8.52−8.57(4H,dd,J=1.7Hz,4.9Hz,arom×4)、MS(APCl):m/z=273[M+H]+
[化合物(1)の合成]
Figure 2006022032
前記化合物(1−2)5.0g(18.36mmol)にオクチルブロマイド35.5g(183.8mmol)を加え、70〜80℃で20時間反応を行った。反応混合物をHPLC(条件2)で分析すると、前記化合物(1−2)のピークは消失していた。反応混合物より上層のオクチルブロマイド層を分離し、下層油状物をアセトニトリル−酢酸エチル=1:3(v/v)混液に注加した。混合物を冷却し、析出結晶を0℃でろ過、減圧乾燥を行い、灰白色結晶9.7g(粗収率(前記化合物(1−2)より):85%)を得た。
得られた結晶2gについてアセトニトリル−酢酸エチル=1:3(v/v)混液で再結晶を行い、微灰白色結晶の化合物(1)1.6gを得た。(融点:52〜53℃、1H−NMR(d6−DMSO):δ0.82−0.89(6H,t,J=5.3Hz,C 3×2)、δ1.25−1.34(20H,m,−(C 25−×2)、δ1.77−1.80(4H,m,−(C 22−×2)、δ2.04−2.09(4H,t,J=7.0Hz,C 2×2)、δ3.70−3.72(4H,t,J=5.9Hz,C 2×2)、δ4.67−4.71(4H,t,J=7.0Hz,C 2×2)、δ4.84(4H,s,C 2×2)、δ8.11−8.15(2H,dd,J=6.0Hz,8.0Hz,arom×2)、δ8.56−8.59(2H,d,J=8.0Hz,arom×2)、δ8.69−8.92(4H,dd,J=6.0Hz,13.1Hz,arom×4)、MS(ESI):m/z=579[M−Br]+)。
HPLC(条件2)
・カラム:Inertsil ODS-3(GL Sciences)4.6mmφ×250mm
・カラム温度:15℃付近の一定温度
・移動相:A−0.5%酢酸アンモニウム水溶液、B−アセトニトリル A:70%(12min保持)→(10min)→A:50%(14min保持)→A:70%
・流量:1.0ml/min
・検出器:UV254nm
・注入量:20μL
合成例2(前記化合物(2)の合成)
[下記構造式で示される化合物(2−1)の合成:3−クロロメチルピリジン塩酸塩から4−クロロメチルピリジン塩酸塩に代え、反応条件を以下の通りにした他は合成例1と同様]
Figure 2006022032
DMF75mlに1,4−ブタンジオール8.24g(91.43mmol)を加え、氷冷下カリウムtert−ブトキシド10.3g(91.79mmol)を添加し、室温で1時間撹拌した。このスラリーに−10〜−5℃で4−クロロメチルピリジン塩酸塩1.5g(9.14mmol)、カリウムtert−ブトキシド1.03g(9.18mmol)を交互に添加し、これを10回繰り返した。
添加終了後、反応混合物をHPLC(条件1)で分析すると、4−クロロメチルピリジンのピークが確認されたので、4−クロロメチルピリジンのピークが消失するまでカリウムtert−ブトキシドを10℃以下で添加した。追加したカリウムtert−ブトキシドは1.03g(9.18mmol)であった。反応混合物を固液分離し、ケークをDMF20mlで洗浄、ろ洗液からDMFを減圧下に留去し油状の粗生成物17.0gを得た。得られたオイルをHPLC(条件1)で分析すると、前記化合物(2−1)の面積%は63.0%であった。
粗生成物を水30mlに溶解し、トルエンで洗浄した。その後、水層に食塩6gを加え、ジクロロメタン20ml×2で抽出し、無水硫酸マグネシウムで脱水後、溶媒を留去し、油状の前記化合物(2−1)9.21g(収率(1,4−ブタンジオールより):57.2%)を得た。得られたオイルをHPLC(条件1)で分析すると、面積%は99.4%であった。(1H−NMR(CDCl3):δ1.65−1.80(4H,m,−(C 2 2−)、δ2.4(1H,s,O)、δ3.54−3.58(2H,t,J=5.9Hz,C 2 )、δ3.66−3.70(2H,t,J=5.9Hz,C 2 )、δ4.53(2H,s,C 2 )、δ7.24−7.26(2H,dd,J=1.5Hz,4.5Hz,arom×2)、δ8.55−8.57(2H,dd,J=1.5Hz,4.5Hz,arom×2)、MS(APCl):m/z=182[M+H]+
[下記構造式で示される化合物(2−2)の合成:3−クロロメチルピリジン塩酸塩から4−クロロメチルピリジン塩酸塩に代え、反応条件を以下の通りにした他は合成例1と同様]
Figure 2006022032
DMF49mlに1,4−ブタンジオール2.7g(30.0mmol)を加え、氷冷下カリウムtert−ブトキシド3.4g(30.0mmol)を添加し、室温で1時間撹拌した。このスラリーに−5〜−3℃で4−クロロメチルピリジン塩酸塩0.98g(6mmol)、カリウムtert−ブトキシド0.68g(6mmol)を交互に添加し、これを5回繰り返した。これ以降の添加は、−5〜−2℃で4−クロロメチルピリジン塩酸塩0.98g(6mmol)、カリウムtert−ブトキシド1.36g(12mmol)を交互に添加し、これを5回繰り返し、全量で4−クロロメチルピリジン塩酸塩9.8g(60mmol)、カリウムtert−ブトキシド10.2g(90mmol)を添加した。
添加終了後、反応混合物をHPLC(条件1)で分析すると、4−クロロメチルピリジンおよび前記化合物(2−1)のピークが確認されたので、4−クロロメチルピリジンのピークおよび前記化合物(2−1)のピークが消失するまで、4−クロロメチルピリジン塩酸塩とカリウムtert−ブトキシドを10℃以下で添加した。追加した4−クロロメチルピリジン塩酸塩は2.0g(12mmol)、カリウムtert−ブトキシドは2.6g(24mmol)であった。反応混合物を固液分離し、ケークをDMF20mlで洗浄、ろ洗液からDMFを減圧下に留去した。
この濃縮残液に酢酸エチル50mlを添加し、溶解液を水で洗浄後、溶媒を留去し、黄色結晶の前記化合物(2−2)を得た。該化合物の結晶をHPLC(条件1)で分析すると、前記化合物(2−2)の面積%は70.5%であった。得られた粗生成物5g(18mmol)をイソプロピルアルコール23.3gで再結晶を行い、白色結晶の前記化合物(2−2)2.7gを得た。(融点:98.6〜100.2℃、1H−NMR(CDCl3):δ1.75−1.79(4H,m,−(C 22−)、δ3.53−3.57(4H,m,C 2×2)、δ4.52(4H,s,C 2×2)、δ7.23−7.27(4H,dd,J=0.8Hz,6.0Hz,arom×4)、δ8.55−8.57(4H,dd,J=1.6Hz,6.0Hz,arom×4)、MS(APCl):m/z=273[M+H]+
[下記構造式の化合物(2)の合成:前記化合物(2−2)を4−クロロメチルピリジン塩酸塩から誘導したものに代え、反応条件を以下の通りにした他は合成例1と同様]
Figure 2006022032
前記化合物(2−2)2.0g(7.34mmol)にオクチルブロマイド21.3g(110.3mmol)を加え、70〜80℃で53時間反応を行った。反応混合物をHPLC(条件2)で分析すると、前記化合物(2−2)のピークは消失していた。反応混合物からオクチルブロマイドを減圧下で留去し、油状の前記化合物(2)5.2g(粗収率:107.7%)を得た。得られたオイルをHPLC(条件2)で分析すると、化合物(2)のピークの面積%は81.3%であった。
合成例3(前記化合物(3)の合成)
Figure 2006022032
前記化合物(1−2)5.0g(18.36mmol)にデシルブロマイド40.6g(183.8mmol)を加え、70〜80℃で20時間反応を行った。
反応混合物をHPLC(条件3)で分析すると、前記化合物(1−2)のピークは消失していた。反応混合物より上層のデシルブロマイド層を分離し、下層油状物をアセトニトリル−酢酸エチル=1:3(v/v)混液に注加した。混合物を冷却し、析出結晶を0℃でろ過、減圧乾燥を行い、灰白色結晶11.6g(粗収率(前記化合物(1−2)より):88.5%)を得た。該化合物の結晶をHPLC(条件1)で分析すると、前記化合物(3)の面積%は98.4%であった。融点およびNMR分析値は以下の通りであった。
(融点:76.8〜79.2℃、1H−NMR(CD3OD):δ0.9(6H、t、C 3×2)、δ1.29〜1.40(28H、m、(C 27×2)、δ1.77〜1.84(4H、m、C 2×2)、δ2.00〜2.05(4H、t、C 2×2)、δ3.69〜3.70(4H、t、C 2×2)、δ4.64〜4.68(4H、t、C 2×2)、δ4.77(4H、s、C 2×2)、δ8.07〜8.11(2H、dd、J=、arom×2)、δ8.55〜8.57(2H、d、arom×2)、δ8.93〜8.94(2H、d、arom×2)、δ9.02(2H、s、arom×2)
HPLC(条件3)
・カラム:Inertsil ODS-3(GL Sciences)4.6mmφ×250mm
・カラム温度:15℃付近の一定温度
・移動相:A−0.5%酢酸アンモニウム水溶液、B−アセトニトリル A:60%(5min保持)→(10min)→A:30%(30min保持)→A:60%
・流量:1.0ml/min
・検出器:UV254nm
・注入量:10μL
合成例4(前記化合物(4)の合成)
合成例3におけるデシルブロマイドに代えて当モル量のドデシルブロマイドを用いた以外は合成例3と同様にして下記構造式で表される化合物(4)13.0g(粗収率:91.5%)を得た。得られた化合物(4)をHPLC(条件4)で分析すると、化合物(4)のピークの面積%は97.5%であった。また、融点およびNMR分析値は以下の通りであった。
Figure 2006022032
(融点:90.0〜91.4℃、1H−NMR(CD3OD):δ0.89(6H、t、C 3×2)、δ1.26〜1.39(36H、m、(C 29×2)、δ1.79〜1.82(4H、m、C 2×2)、δ1.84〜2.05(4H、m、C 2×2)、δ3.67〜3.70(4H、t、C 2×2)、δ4.65〜4.68(4H、t、C 2×2)、δ4.77(4H、s、C 2×2)、δ8.07〜8.11(2H、dd、arom×2)、δ8.55〜8.57(2H、d、arom×2)、δ8.93〜8.94(2H、d、arom×2)、δ9.02(2H、s、arom×2)
HPLC(条件4)
・カラム:CAPCELL PAK C18 SG120(資生堂)4.6mmφ×250mm
・カラム温度:15℃付近の一定温度
・移動相:A−0.1Mリン酸二水素カリウム(0.05%燐酸)水溶液、B−80%アセトニトリル水溶液 A:B=30:70
・流量:1.0ml/min
・検出器:UV254nm
・注入量:20μL
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
前記化合物(1)〜(4)の防蟻効力を評価した。すなわち、薬剤濃度2.5質量%に調製したエタノール溶液を含浸させた円形濾紙(直径6cm)2枚を乾燥した後、乾熱殺菌したペトリ皿(直径15cm)に入れ、ヤマトシロアリの職蟻50匹を投入し、温度28±2℃の暗所に14日間放置した。その間、毎日、シロアリの生存数を記録した。なお、対照として、エタノールのみを含浸し、乾燥させた後の円形濾紙を用いた。結果を下記表1に示す。
Figure 2006022032
上記表1から明らかなように、前記化合物(1)〜(4)を含浸させた濾紙では日数が経つにつれシロアリの生存数は減少し、14日後には全滅した。このことから前記化合物(1)〜(4)はシロアリに対し遅効性を示すことがわかる。
実施例2
「(社)日本木材保存協会規格 第11号1992塗布・吹付け・浸せき処理用木材防蟻剤の防蟻効力試験方法(1)室内試験方法の総合試験方法」に基づいて、前記化合物(1)〜(4)の木材の防蟻防腐効果を評価した。すなわち、1×1×2cmの供試木材片(アカマツ辺材)に刷毛を用いて所定濃度の薬剤試料を100g/m2の割合で塗布し、室温で20日間放置後、60℃で48時間乾燥した。得られた木材片を、規定のアクリル製容器(容器底部を石膏で固めたもので、予め水を含ませた脱脂綿の上に静置してあるもの)の底部中心部にこれを1個ずつ(合計5個)入れ、さらにイエシロアリの職蟻150匹を投入し、28℃の暗所に21日間静置し、イエシロアリの職蟻の平均死虫率と木材片の平均質量減少率を求めた。得られた結果を下記表2に示す。
Figure 2006022032
上記の表2から明らかなように、前記化合物(1)〜(4)を木材に含浸させることによりシロアリを死滅させ、木材防蟻・防腐効果を示すことがわかる。
前記一般式(1)で表される化合物は、人畜に対する安全性が高く、かつシロアリに対して遅効性を示す。従って、施用時の作業者らが安全に取り扱うことができ、該薬剤をシロアリの巣から遠いところで使用した場合にも、シロアリが防蟻剤を巣に持ち帰ることが可能であり、巣の中にいるシロアリも駆除することができる。また、木材に本発明の防蟻剤を含浸させることにより予防効果を示し、かつ仮にシロアリが木材を食べた場合にも、殺蟻効果を有する本発明の防蟻剤がシロアリの腸内細菌を殺し、その結果、シロアリが消化不良を引き起こし死滅するので、木材防蟻・防腐効果を期待することができる。

Claims (3)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物を有効成分として含有することを特徴とする防蟻剤。
    Figure 2006022032
    (但し、上記一般式において、R1およびR4は、炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐の同一または異なるアルキレン基であり、R2およびR5は、水素原子、同一または異なるハロゲン原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基であり、R3は、炭素数2〜12の直鎖若しくは分岐のアルキレン基であり、R6は、炭素数1〜18の直鎖若しくは分岐のアルキル基であり、Zは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子若しくはOSO27基(R7は、低級アルキル基若しくは置換或いは無置換のフェニル基である)である。)
  2. 前記一般式(1)において、R1およびR4は、ピリジン環の3または4位置に結合しているメチレン基であり、R2およびR5は、水素原子であり、R3は、テトラメチレン基であり、R6は、オクチル基、デシル基およびドデシル基から選ばれる基であり、Zは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子若しくはOSO27基(R7は、低級アルキル基若しくは置換或いは無置換のフェニル基である)である請求項1に記載の防蟻剤。
  3. 前記一般式(1)で表される化合物は、下記式(1)〜(4)で表される少なくとも1種の化合物である請求項1に記載の防蟻剤。
    Figure 2006022032
    Figure 2006022032
    Figure 2006022032
    Figure 2006022032
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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