JP2006035210A - マイクロカプセルエマルジョン及びその製造方法 - Google Patents

マイクロカプセルエマルジョン及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 機能性物質を、長期間にわたり一定の放出速度でほぼ全量放出することができるマイクロカプセルエマルジョン及びその製造方法を提供する。
【解決手段】機能性物質の存在下で、第1の一官能性(メタ)アクリル酸アルキルエステルと第1の多官能性(メタ)アクリル酸アルキルエステルを乳化重合させて得られるエマルジョン粒子と、上記エマルジョン粒子に、第2の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと第2の多官能性(メタ)アクリル酸アルキルエステルを添加して乳化重合させて該エマルジョン粒子を被覆させた被覆層とを含んでなるマイクロカプセルエマルジョンであって、第1の一官能性(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基の炭素数と、第2の一官能性(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基の炭素数との差が、3〜17であるマイクロカプセルエマルジョンを提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、マイクロカプセル中に含有されている性フェロモン物質等の機能性物質を長期間にわたり一定の放出速度でほぼ全量放出することができるだけでなく、希釈時の放出ライフの低下を防止し、かつ噴霧又は散布しやすく、付着性能等の機能も付与することが可能なマイクロカプセルエマルジョン及びその製造方法に関するものである。
近年、性フェロモン物質、医薬品、農薬及び香料等の機能性物質を含有する徐放性製剤の開発が求められてきている。例えば性フェロモン物質をセルロース誘導体でマイクロカプセル化した徐放性製剤(特許文献1)、性フェロモン物質と相溶性を有する合成樹脂のペレットに性フェロモン物質を含浸させて粉砕し、更にこの表面を無機粉粒体や性フェロモン物質と相溶性のない合成樹脂で被覆した徐放性製剤(特許文献2)、また性フェロモン物質含有の合成樹脂ペレットをO/W型アクリル系接着剤エマルジョンと混合して懸濁化させた徐放性製剤(特許文献3)等、多くの方法が提案されている。
しかしながら、特許文献1で開示されたマイクロカプセル化した徐放性製剤及びアクリルエマルジョン中に機能性物質を含んだ徐放性製剤は、性フェロモン物質の放出ライフが短く、放出ライフを延ばそうとするとマイクロカプセルの粒径が大きくなり、散布が困難であった。
特許文献2で開示された徐放性製剤は、放出初期の性フェロモン物質の放出量が多く、放出後期には機能性物質の残留量が10〜40質量%しかない段階で極端に放出量が少なくなってしまい、実質的にロスになってしまうという問題があった。
また、特許文献3で開示された徐放性製剤は、上記問題点のほかに、製剤の水分散性が悪いため、噴霧又は散布時にむらが生じる可能性が高く、また混合する工程が必要となる等の問題があった。
最近、光開始基含有(メタ)アクリル酸エステルモノマー又はラジカル重合性有機過酸化物から選ばれる1種と、(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー、多官能の(メタ)アクリル酸エステルモノマー及び必要に応じて親水性モノマーとを含むモノマー成分と、機能性物質等を添加して乳化共重合を行って乳化液を得る第1の工程と、第1の工程で得られた乳化液中に(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー及び多官能の(メタ)アクリル酸エステルモノマーを加えて重合させる第2の工程によって相互侵入高分子網目(以下、IPNと略記する。)中に機能性物質を含有する水分散型の徐放性製剤の製造方法が報告されている(特許文献4)。なお、(メタ)アクリル酸エステルは、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルを表し、(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、アクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルを表す。
しかし、機能性物質を水に希釈して使用する場合、IPNによる水分散型の徐放性製剤は、水希釈に非常に弱く、機能性物質の放出ライフが短くなるという問題があった。
特開昭58−183601号公報 特開昭61−92024号公報 特開平7−231743号公報 WO01/37660A1パンフレット
本発明は、マイクロカプセル中に機能性物質を、長期間にわたり一定の放出速度でほぼ全量放出することができるだけでなく、希釈時の放出ライフの低下を防止し、かつ噴霧又は散布しやすく、付着性能等の機能も付与することが可能なマイクロカプセルエマルジョン及びその製造方法を提供する。
本発明は、機能性物質100質量部の存在下で、第1の一官能性(メタ)アクリル酸アルキルエステルと第1の多官能性(メタ)アクリル酸エステルとの合計15〜90質量部を乳化重合させて得られるエマルジョン粒子と、上記エマルジョン粒子に、第2の一官能性(メタ)アクリル酸アルキルエステルと第2の多官能性(メタ)アクリル酸エステルとの合計20〜200質量部を添加して乳化重合させて該エマルジョン粒子を被覆させた被覆層とを含んでなるマイクロカプセルエマルジョンであって、第1の一官能性(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基の炭素数と、第2の一官能性(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基の炭素数との差が、3〜17であることを特徴とするマイクロカプセルエマルジョンを提供する。
また、機能性物質100質量部存在下、第1の一官能性(メタ)アクリル酸アルキルエステルと第1の多官能性(メタ)アクリル酸エステルとの合計15〜90質量部を乳化重合してエマルジョン粒子を得る第1工程と、上記エマルジョン粒子に、第2の一官能性(メタ)アクリル酸アルキルエステルと第2の多官能性(メタ)アクリル酸エステルとの合計を20〜200質量部を添加し光重合して該エマルジョン粒子を被覆させる第2工程と、を含んでなるマイクロカプセルエマルジョンの製造方法であって、第1の一官能性(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基の炭素数と、第2の一官能性(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基の炭素数との差が、3〜17であることを特徴とするマイクロカプセルエマルジョンの製造方法を提供する。
アルキル基は、直鎖状又は分岐状を含む。
本発明のマイクロカプセルエマルジョンは、性フェロモン物質等の機能性物質を希釈しても含有する性フェロモン物質等の機能性物質を長期間にわたって一定の放出速度でほぼ全量放出することができるだけでなく、希釈時の放出ライフの低下を防止し、かつ噴霧又は散布しやすく、付着性能等の機能も付与することが可能である。
以下に、本発明の詳細について説明する。
本発明によれば、第1工程において、機能性物質の存在下で、第1の一官能性(メタ)アクリル酸アルキルエステル(成分a)と第1の多官能性(メタ)アクリル酸エステル(成分b)とを乳化重合させて得られるエマルジョン粒子に、第2工程において、第2の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(成分d)と第2の多官能性(メタ)アクリル酸エステル(成分e)を添加して乳化重合させ該エマルジョン粒子を被覆しマイクロカプセルエマルジョンを提供する。成分aのアルキル基の炭素数と、成分dのアルキル基の炭素数との差を、3〜17としたため、例えば、機能性物質が性フェロモンの場合、被覆層を被覆層内部のポリマーよりも機能性物質に対して相溶性の悪い層とすることができる。このような構造を有するマイクロカプセルから形成されているため、品質が安定な製造が可能であり、均一な放出性能と長い放出ライフを有している。すなわち、被覆層の内部は、機能性物質で濡れており、機能性物質の大半が放出された後でも、均一な放出を維持できる。被覆層は、被覆層の内部よりも機能性物質に対して相溶性の悪いポリマーから構成されているため、膜タイプの放出制御が可能になり、従来のエマルジョンタイプの製剤より著しく放出ライフが長くなっている。特に後述する第3工程の重合を行ったマイクロカプセルでは、水希釈をしても通常のエマルジョンタイプやIPNタイプの徐放性製剤に見られる放出ライフが大幅に低下するような欠点が矯正される。
本発明に用いる機能性物質としては、特に限定されないが、性フェロモン物質、農薬、香料等が挙げられる。例えば性フェロモン物質としては、14−メチル−1−オクタデセン、Z9−トリコセン、E4−トリデセニルアセテート、ドデシルアセテート、Z7−ドデセニルアセテート、Z8−ドデセニルアセテート、Z9−ドデセニルアセテート、E7,Z9−ドデカジエニルアセテート、Z9−テトラデセニルアセテート、E11−テトラデセニルアセテート、Z11−テトラデセニルアセテート、Z9,E11−テトラデカジエニルアセテート、Z9,E12−テトラデカジエニルアセテート、Z11−ヘキサデセニルアセテート、Z7,Z/E11−ヘキサデカジエニルアセテート、Z13−ヘキサデセニルアセテート、Z13−オクタデセニルアセテート、E13,Z13−オクタデカジエニルアセテート、Z11−ヘキサデセナール、Z13−オクタデセナール、Z13−イコセン−10−オン、7,8−エポキシ−2−メチルオクタデカン、8−メチル−2−デシルプロピオネート等のフェロモン等が挙げられる。
また、農薬としては、ダイアジノン、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル等の比較的蒸気圧が高い農薬(減圧1mmHg下、20〜250℃の沸点を有する物質)等が挙げられる。
更に、香料としては、リナノールのエステル類、シス−3−ヘキセノールのエステル類、イロン等が挙げられる。
これらの機能性物質は、単独で用いても、混合して用いてもよい。なお、混合する場合には、マイクロカプセル中に複数の機能性物質を混合して用いても、別々に合成したマイクロカプセルを混合して用いることもできる。
一官能性(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(成分a)としては、炭素数4〜20のアルキル鎖を有している(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーが好ましい。具体例としては、例えばブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられ、1種のみを用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
多官能性(メタ)アクリル酸エステルモノマー(成分b)としては、ラジカル重合性の官能基、例えば、ビニル基等が2つ以上有するモノマーであればいずれも使用できる。成分aと成分bを重合させて得られるポリマーは、成分a由来の部分が機能性物質と濡れ性に貢献し、成分b由来の部分が機能性物質の保持に貢献すると考えられる。
多官能性(メタ)アクリル酸エステルモノマー(成分b)としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジアクリルフタレート、アリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジ(メタ)アクリロキシプロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタン(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられ、1種のみを用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
一官能性(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(成分a)の添加量は、第1工程で使用するモノマー成分の総量を基準として、通常80〜99.9質量%、特に80〜98質量%が好ましい。80質量%未満では機能性物質を徐放性製剤に安定に保有できず、99.9質量%を超えると、乳化が不安定となり凝集物を生じ易くなる傾向にある。
また、多官能性(メタ)アクリル酸エステルモノマー(成分b)の添加量は、第1工程で使用するモノマー成分の総量を基準として、通常0.1〜20質量%、特に2〜20質量%が好ましい。0.1質量%未満では徐放速度が速くなり易く、20質量%を超えると機能性物質が放出されず、残留する機能性物質が多くなる傾向にある。
第1工程における成分aと成分bのモノマーの合計添加量は、機能性物質100質量部に対して、15〜90質量部、特に30〜70質量部が好ましい。成分aと成分bのモノマーの合計添加量が15質量部未満だと、エマルジョン粒子自体が不安定になり、水希釈や他のエマルジョンを添加した場合に不安定となる場合がある。一方、90質量部を超えると重合は可能であるが、第2工程の際に表面のみが重合し、被覆層の内部に機能性物質を主とする部分を形成しにくくなる場合がある。すなわち、機能性物質の濃度が低いと、被覆層内部のポリマーは被覆層を形成するモノマーと共重合せずに残ってしまう。そして、この部分は機能性物質がポリマーに練り込まれた状況となり、機能性物質が液状として存在する部分が少なくなり、機能性物質が30〜50質量%放出した段階で機能性物質が液状ではなくなり、後半は均一放出でなくなる。
更に、成分aと成分bに、乳化液の安定性を向上させる目的で、水に任意の割合で溶解する親水性モノマー(成分c)を加えて共重合させることができる。これにより、親水性成分が高分子(粒子)表面に配向して水分散性を高めることが可能となる。
親水性モノマー(成分c)の具体例としては、例えば(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、メサコン酸、シトラコン酸、6−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート等の不飽和モノカルボン酸モノマー、マレイン酸無水物、イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物、4−メタクリロキシエチルトリメリット酸無水物等の不飽和酸無水物モノマー、ヒドロキシフェノキシエチル(メタ)アクリレート、エチレンオキサイドの付加モル数が2〜90のヒドロキシフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイドの付加モル数が2〜50のヒドロキシフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイドの付加モル数がプロピレンオキサイドの付加モル数より多い全付加モル数が3〜90のヒドロキシフェノキシポリエチレンポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ビニルフェノール、ヒドロキシフェニルマレイミド等のフェノール基含有モノマー、スルホキシエチル(メタ)アクリレート、スチレンスルホン酸、アクリルアミド−t−ブチルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸等のスルホン酸基含有モノマー、モノ2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート等のリン酸基含有モノマー、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミドモノマー、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノアルキル(メタ)アクリレートモノマー、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートモノマー、エチレンオキサイドの付加モル数が2〜98のポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイドの付加モル数が2〜98のメトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加モル数が2〜98のフェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加モル数が1〜4のノニルフェノールモノエトキシレート(メタ)アクリレート、メトキシエチルアクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート等のポリオキシエチレンのモノ(メタ)アクリレートモノマー、(メタ)アクリル酸のナトリウム塩、スチレンスルホン酸ナトリウム、アクリルアミド−t−ブチルスルホン酸のナトリウム塩、アクリルアミド−2−メチルプロパンルスルホン酸のナトリウム塩等の酸基含有モノマー、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド等の四級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレートモノマー、或いは、アリルグリコール、エチレンオキサイド付加モル数が3〜32のポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、メトキシポリエチレングリコールモノアリルエーテル等の(メタ)アリル化合物モノマー、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等の環状複素環含有化合物モノマー、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、シアン化ビニリデン等のシアン化ビニルモノマーが挙げられる。
親水性モノマー(成分c)の添加量は、第1工程で使用するモノマー成分の総量を基準として、通常0〜20質量%、好ましくは1〜5質量%である。20質量%を超えると、機能性物質を徐放性製剤内に安定に保有できなくなる傾向にある。
また、第1工程で使用するモノマー成分には、前記モノマー以外に、被覆前のエマルジョン粒子の機能を損なわない範囲で、他のモノマー成分、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニルモノマー、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等のビニルエステルモノマー等を使用しても良い。
第1工程で得られたエマルジョン粒子の被覆層を構成するポリマーは、機能性物質の放出を抑制する目的と粒子の安定性を付与する目的で使用される。従って、被覆前のポリマーとは異なる基準で選択される。
この被覆層を形成可能なモノマーとしては、被覆前のエマルジョン粒子を部分的に溶解する又は膨潤させるモノマーを選択する必要がある。もし、被覆前のエマルジョン粒子を溶解又は膨潤させることができなければ、被覆前のエマルジョン粒子の外側で重合が進行する割合が高くなり、良好な被覆層を形成することができなくなる。
本発明によれば、第2工程では、第1工程で得られたエマルジョン粒子に、第2の一官能性(メタ)アクリル酸アルキルエステル(成分d)と第2の多官能性(メタ)アクリル酸エステル(成分e)を添加して乳化重合させて該エマルジョン粒子を被覆させた被覆層を形成する。成分aのアルキル基の炭素数と、成分dのアルキル基の炭素数の差を、3〜17としたため、被覆層を、被覆層内部のポリマーよりも機能性物質に対して相溶性の悪いポリマー層とすることができる。成分aのアルキル基の炭素数と、成分dのアルキル基の炭素数の差は、より好ましくは3〜5である。
すなわち、相溶性の悪いポリマー層を形成可能なモノマーの使用量が多くなれば、ミクロセルが密になり徐放性は遅くなる傾向にあり、使用量が少なくなれば、ミクロセルが粗になり徐放性は速くなる傾向がみられ、充分に内部に液体状態に近い機能性物質が存在しなくなる。
一官能性(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(成分d)としては、炭素数1〜8のアルキル鎖を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーが好ましい。具体例としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられ、1種のみを用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
成分aと成分dの選択は、機能性物質の相溶性を考慮して行われる。例えば、ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートは、油溶性の高い機能性物質を用いた場合には、相溶性の悪いポリマーを形成可能なモノマーであるため、成分dとして選択され、極性の高い機能性物質を用いた場合には、相溶性の良いポリマーを形成可能なモノマーであるため、成分aとして選択される。成分aと成分dのアルキル基の炭素数の差が3〜17であるため、この選択が可能となる。
多官能性(メタ)アクリル酸エステルモノマー(成分e)としては、ラジカル重合性の官能基、例えば、ビニル基等が2つ以上有するモノマーであればいずれも使用できる。多官能性(メタ)アクリル酸エステルモノマー(成分e)の具体例としては、成分bと同様なものが挙げられる。
一官能性(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(成分d)の添加量は、第2工程の被覆層を形成するモノマー成分の総量を基準として、通常60〜99.9質量%、特に70〜99質量%が好ましい。
また、多官能性(メタ)アクリル酸エステルモノマー(成分e)の使用割合は、この一官能性(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(成分d)と当該多官能性(メタ)アクリル酸エステルモノマー(成分e)の総量を基準として、通常0.1〜40質量%、好ましくは1〜20質量%である。これらの範囲を逸脱すると、良好な徐放性能、付着性等の付加的機能が得られにくくなる傾向にある。
第2工程の被覆層を形成するモノマー成分の総量は、機能性物質100質量部に対して、20〜200質量部、特に50〜140質量部が好ましい。モノマーの添加量が20質量部未満だと、安定したマイクロカプセルが形成されにくくなり、200質量部を超えると放出速度が遅くなったり、放出残量が多くなる場合がある。
更に、第2工程の被覆層を形成するモノマー成分には、当該被覆層の機能を損なわない範囲で、他のモノマー成分、例えば、先に挙げた親水性モノマー(成分c)を使用しても良い。
このようにして得られたマイクロカプセルエマルジョンは、水分散状態における固形分(機能性物質を含まない固形分)は、通常10〜65質量%であり、特に20〜60質量%が好ましい。また、マイクロカプセルの平均粒径は、通常10〜1000nm、特に50〜700nmが好ましい。
本発明によれば、得られたマイクロカプセルエマルジョンを徐放性製剤として用いる場合は、必要に応じて、徐放性製剤の水分散性を向上させ、且つ機能性物質の変性を防ぐために、アルカリ性物質、例えばアンモニア水や水酸化ナトリウム等により、乳化液のpH値を調製してもよい。その場合のpH値の範囲は、通常2〜9、好ましくは3〜8、更に好ましくは3.5〜7.5である。pH値が上記範囲から逸脱すると、乳化液の安定性が損なわれてしまう場合がある。
また、本発明のマイクロカプセルエマルジョンを徐放性製剤として用いる場合、乳化液とした水分散状態、これを乾燥させた粉体、これをフィルム化したいずれの形態でも使用可能である。水分散状態から乾燥状態の徐放性製剤を得る方法は、水分を除去する通常の手段の全てを使用可能である。
本発明のマイクロカプセルエマルジョンは、通常のマイクロカプセルとは異なり、性フェロモン等の機能性物質の後期における放出量を初期の放出量と同程度に維持することができるという、優れた徐放性能を有する。
次に、本発明のマイクロカプセルエマルジョンの製造方法について説明する。
第1工程では、例えば(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(成分a)、多官能の(メタ)アクリル酸エステルモノマー(成分b)と、必要に応じて親水性モノマー(成分c)とを含むモノマー成分、並びに、機能性物質、界面活性剤、重合開始剤、光開始重合剤及び水を用いて乳化共重合を行い、乳化液を得る。
初めに、一官能性(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(成分a)と多官能性(メタ)アクリル酸エステルモノマー(成分b)と、必要に応じて親水性モノマー(成分c)とを含むモノマー成分、並びに、機能性物質、界面活性剤、光開始重合剤及び水を、ホモミキサー等の剪断力の強い攪拌機を用いてプレ乳化を行い、均一に乳化分散させる。(このようにして得られた溶液を、本明細書中では「プレ乳化液」と称する。)このプレ乳化液を、重合開始剤を含む水中に滴下して、乳化共重合させる。この際、機能性物質は、重合の進行とともに第1層のマイクロカプセル中に取り込まれる。ここで重合開始剤及び光開始重合剤は、プレ乳化液調製時に予め添加しても良い。
ここで、界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、高分子界面活性剤、反応性乳化剤等が使用できるが、特にアニオン性界面活性剤あるいは非イオン性界面活性剤を使用することが好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、ナトリウムドデシルサルフェートもしくはカリウムドデシルサルフェート等のアルカリ金属アルキルサルフェート、アンモニウムドデシルサルフェート等のアンモニウムアルキルサルフェート、ナトリウムドデシルポリグリコールエーテルサルフェート、スルホン化パラフィンのアルカリ金属塩もしくはスルホン化パラフィンのアンモニウム塩等のアルキルスルホネート、ナトリウムラウレートもしくはトリエタノールアミンオレエートもしくはトリエタノールアミンアビエテート等の脂肪酸塩、ナトリウムドデシルベンゼンスルホネートもしくはアルカリフェノールヒドロキシエチレンのアルカリ金属塩サルフェート等のアルキルアリールスルホネート、高アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等のジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェート塩、又はポリオキシエチレンアルキルアリールサルフェート塩等が例として挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセロールのモノラウレート等の脂肪酸モノグリセライド、ポリオキシエチレンオキシプロピレン共重合体、又はエチレンオキサイドと脂肪酸アミンもしくはアミドもしくは酸との縮合生成物等が例として挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、オクタデシルアミン酢酸塩、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、又はジオレイルジメチルアンモニウムクロライド等が例として挙げられる。
両性界面活性剤としては、ジメチルラウリルベタイン、ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム、アミドベタイン型、又はイミダゾリン型等が例として挙げられる。
高分子界面活性剤としては、ポリビニルアルコール、或いは、ポリ(メタ)アクリル酸ナトリウム、ポリ(メタ)アクリル酸カリウム、ポリ(メタ)アクリル酸アンモニウム、ポリ(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、ポリ(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル等の水溶性高分子が例として挙げられる。
反応性乳化剤としては、花王株式会社製のラテムルS−180もしくはS−180A、第一工業製薬株式会社製のアクアロンRNシリーズもしくはHSシリーズもしくはニューフロンティアA−229EもしくはN−177E、日本乳化剤株式会社製のAntoxMS−60、MS−2NもしくはRA−1120もしくはRA−2614もしくはRMA−564もしくはRMA−568もしくはRMA1114、旭電化工業株式会社製のアデカリアソープNE−10もしくはNE−20もしくはNE−40、又は新中村化学工業株式会社製のNKエステルM20GもしくはM−40GもしくはM−90GもしくはM−230G等が例として挙げられる。
界面活性剤は、単独で又は2種以上を混合して使用することができ、その添加量は、第1工程で使用するモノマー総量100質量部に対して、好ましくは0.1〜20質量部、より好ましくは0.5〜10質量部である。0.1質量部未満では乳化が不安定となって凝集物を生じする場合があり、20質量部を超えると乳化液の粘度が上昇する傾向にある。
重合開始剤は、特に限定されるものでなく、例えばナトリウムパーサルフェート、カリウムパーサルフェート、アンモニウムパーサルフェート、アセチルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、2,2−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、2,2−アゾビス{2−[N−(4−クロフェニル)アミジノ]プロパン}ジヒドロクロライド、2,2−アゾビス[2−(N−フェニルアミジノ)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2−アゾビス{2−[N−(4−ヒドロキシフェニル)アミジノ]プロパン}ジヒドロクロライド、2,2−アゾビス[2−(N−ベンジルアミジノ)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2−アゾビス[2−(N−アリルアミジノ)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2−アゾビス{2−[N−(2−ヒドロキシエチル)アミジノ]プロパン}ジヒドロクロライド、2,2−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2−アゾビス[2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−1,3−ジアジピン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2−アゾビス[2−(5−ヒドロキシ−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}ジヒドロクロライド、2,2−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド]、2,2−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル]プロピオンアミド}、2,2−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)ジヒドレート、4,4'−アゾビス(4−シアノバレリック アシッド)、2,2−アゾビス[2−(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル]等が例として挙げられる。
良好な重合安定性を得るために、好ましくはナトリウムパーサルフェート、カリウムパーサルフェート、アンモニウムパーサルフェート、アセチルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ターシャリブチルパーオキシマレイン酸、2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、2,2−アゾビス[2−(N−フェニルアミジノ)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2−アゾビス{2−[N−(4−ヒドロキシフェニル)アミジノ]プロパン}ジヒドロクロライド、2,2−アゾビス[2−(N−ベンジルアミジノ)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2−アゾビス{2−[N−(2−ヒドロキシエチル)アミジノ]プロパン}ジヒドロクロライド、2,2−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2−アゾビス[2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−1,3−ジアジピン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}ジヒドロクロライド、2,2−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド]、2,2−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、4,4'−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2−アゾビス[2−(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル]等が例として挙げられる。
重合開始剤の添加量は、第1工程で使用するモノマーの総量100質量部に対して、通常0.05〜5質量部、好ましくは0.2〜4質量部である。0.05質量部未満では、重合開始能が低下してしまい、5質量部を超えると重合安定性が低下してしまう傾向にある。
マイクロカプセルを形成するためには、第1工程で光重合開始剤として機能する光開始基含有(メタ)アクリル酸エステルモノマーを添加することが必要である。
第1工程では、これら重合開始基が分解してラジカルを発生させないように光を遮断して注意して重合する必要がある。
光開始重合剤としては、光開始基含有(メタ)アクリル酸エステルモノマー(成分a1)挙げられ、例えば、下記式(1)〜(8)の化合物が好ましく、特に下記式(1)〜(4)がマイクロカプセル形成の観点から好ましい。
Figure 2006035210
光重合開始剤として機能する光開始基含有(メタ)アクリル酸エステルモノマーの添加量は、第2工程で形成する被覆層を構成するモノマー成分の総量を基準として、通常0.05〜20質量%、好ましくは0.1〜15質量%である。20質量%を超えると、得られるマイクロカプセルエマルジョンに導入される光開始基が反応に際して極度のゲル等を引き起こし、エマルジョンが形成されにくくなる虞がある。
水の添加量は、第1工程で用いるモノマー成分と機能性物質との総量100質量部を基準として、通常60〜250質量部、好ましくは80〜150質量部である。60質量部未満だと、安定なマイクロカプセルの形成が困難であり、250質量部を超えると、機能性物質の濃度が低下し経済性が乏しくなる場合がある。
上記乳化重合時の重合温度は、通常40〜90℃、好ましくは50〜70℃であり、重合時間は通常2〜12時間、好ましくは4〜10時間である。
次に、第2工程は、好ましくは、モノマーを光(紫外線)重合する工程である。具体的には、第1の工程で得られた乳化液中に、例えば一官能性(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(成分d)及び多官能性(メタ)アクリル酸エステルモノマー(成分e)を滴下しながら加え、又は滴下後、室温で撹拌して重合開始剤を添加せず又は第3工程において使用する重合開始剤存在下で光(紫外線)重合させる。
ここで、第2工程で重合開始剤を添加せず光重合を行う場合は、第1工程で得られたエマルジョン粒子の中に既に存在する光開始剤により光重合が開始され、高濃度の機能性物質を有する該エマルジョン粒子中で一種の塩析効果が働き、機能性物質が液状に存在するようになる。そして、被覆層の内部に機能性物質が液状で存在する結果となり、均一放出性が保たれるといった利点がある。
一方、第2工程において第3工程で使用する重合開始剤の存在下で光重合を行う場合は、第2工程の重合温度では分解せず、かつ第3工程において分解するような後述のラジカル重合開始剤が用いられる。なお、この場合における第3工程の重合は、既に第2工程で重合開始剤が添加されているので、ラジカル重合開始剤を新たに添加しないで行われる。
重合開始剤の添加量は、第2工程で使用するモノマーの総量100質量部に対して、通常0.05〜5質量部、好ましくは0.2〜4質量部である。0.05質量部未満では、重合開始能が低下してしまい、5質量部を超えると重合安定性が低下してしまう傾向にある。
重合温度は、通常40〜100℃、好ましくは50〜90℃であり、重合時間は通常2〜12時間、好ましくは4〜10時間である。
更に、必要に応じて、第2工程後に、第3工程として、機能性物質100質量部に対して第3の一官能性(メタ)アクリル酸アルキルエステルと第3の多官能性(メタ)アクリル酸エステルとの合計20〜200質量部を添加し乳化重合して更なる被覆を行う。これにより、マイクロカプセルの膜厚が厚くなり、優れた徐放性を有する事ができる。
第3工程は、例えば一官能性(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(成分d)及び多官能性(メタ)アクリル酸エステルモノマー(成分e)を滴下しながら加え、ラジカル重合用開始剤の存在下でラジカル重合させる。
ここで、ラジカル重合を行う場合、ラジカル重合開始剤としては、例えば、t−ブチルペルオキシアクリロイロキシエチルカーボネート、t−ブチルペルオキシメタクリロイロキシエチルカーボネート、t−ブチルペルオキシアリルカーボネート、t−ブチルペルオキシメタクリルカーボネート等が挙げられる。これらの中でも、t−ブチルペルオキシアクリロイロキシエチルカーボネート、t−ブチルペルオキシメタクリロイロキシエチルカーボネート等を用いることがマイクロカプセル形成と過酸化結合の分解開始温度が高いという点から好ましい。
ラジカル重合の場合の重合温度は、通常60〜110℃、好ましくは90〜105℃であり、重合時間は通常2〜10時間、好ましくは3〜6時間である。
なお、光(紫外線)重合する場合には、前記マイクロカプセルの第2層を形成する第2工程と同様の条件でマイクロカプセルの第3層を形成することができる。
本発明では、必要に応じて第2工程又は第3工程で得られたマイクロカプセルエマルジョンに対して、上記機能性物質を含まない、好ましくは固形物濃度30〜65質量%のエマルジョンを、質量比で1〜40倍、好ましくは1〜35倍添加することができる。
機能性物質を含まないエマルジョンとしては、(メタ)アクリル酸エステルポリマーのエマルジョンがよく、例えば炭素数8〜20のアルキル鎖を有する(メタ)アクリル酸アルキルと、必要に応じて加えられる、炭素数1〜7のアルキル鎖を有する(メタ)アクリル酸アルキルと多官能性(メタ)アクリル酸エステルモノマー(成分b)と親水性モノマー(成分c)からなる一群から選ばれるモノマーとを重合されて得られるエマルジョンが用いられる。
炭素数8〜20のアルキル鎖を有する(メタ)アクリル酸アルキルとしては、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられ、好ましくは(メタ)アクリル酸エステルポリマーの20〜100質量%を構成する。
炭素数1〜7のアルキル鎖を有する(メタ)アクリル酸アルキルとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられ、好ましくは(メタ)アクリル酸エステルポリマーの0〜80質量%を構成する。
また、多官能性(メタ)アクリル酸エステルモノマー(成分b)及び親水性モノマー(成分c)は先に例示されたモノマーを用いることができ、上記炭素数8〜20のアルキル鎖を有する(メタ)アクリル酸エステル及び炭素数1〜7のアルキル鎖を有する(メタ)アクリル酸エステルの合計量の100質量部に対して、それぞれ0〜5質量部である。
なお、エマルジョンの重合条件は、第1工程と同様の条件で行われる。
以下、実施例によって本発明を説明するが、本発明は下記の実施例によって制限を受けるものではない。
実施例1
攪拌機、温度計、冷却器、滴下装置、窒素ガス導入管のついたフラスコにイオン交換水23.7質量部を仕込んだ後、窒素ガスを吹き込みながら撹拌下に65℃まで昇温した。その後、重合開始剤として2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド(ABAPH)0.2質量部を添加した。
ビーカーに、機能性物質として7,8−エポキシ−2−メチルオクタデカン(EMOD;マイマイガの性フェロモン)36.5質量部、光開始剤を含むモノマー成分(組成割合は表1に記載)全部で12.3質量部、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート(POEAES)(パーソフトEL(日本油脂株式会社製)、アニオン性界面活性剤)4.4質量部、イオン交換水22.9質量部を入れ、室温でホモミキサーにより10,000回転/分で15分間撹拌し、プレ乳化液を調製した。
先のフラスコ中に、3時間かけてプレ乳化液を65℃の温度条件を維持しながら滴下後、更に4時間重合を行うことにより、乳化液を得た。
得られた乳化液に、予め表2に記載した組成割合で混合したモノマー成分12.3質量部を滴下し、光重合反応を3時間行って、マイクロカプセルエマルジョンを得た。乳化液中に残存モノマーが存在せず、重合が完結していることをGC分析により確認した。
次に、表3に記載した組成割合と条件でエマルジョンを製造し、このエマルジョン16質量部、マイクロカプセルエマルジョン1質量部を室温で1時間撹拌し、エマルジョンが添加されたマイクロカプセルエマルジョンの混合液を得た。
徐放性能を調べる目的で、上記の混合液をポリエチレンテレフタレート製のフィルムに塗布し、25℃で6時間乾燥し、EMODを20mg含有するフィルム状のEMOD含有徐放性製剤を得た。
次に、30℃、風速0.7m/秒の条件下の放出試験機にこの徐放性製剤を設置し、製剤からのEMODの放出速度を質量変化により測定した。その結果、これら徐放性製剤は、設置後30日を経過しても均一に放出して良好な徐放性を示し、40日後のEMODの残存率は、44.4%であった。また、EMODの80%放出時の放出速度は良好で、希釈による著しい放出ライフの低下も見られなかった。
実施例2
攪拌機、温度計、冷却器、滴下装置、窒素ガス導入管のついたフラスコにイオン交換水14.4質量部を仕込んだ後、窒素ガスを吹き込みながら撹拌下に65℃まで昇温した。その後、重合開始剤としてカリウムパーサルフェート(PPS)0.2質量部を添加した。
ビーカーに、機能性物質としてZ7,Z/E11−ヘキサデカジエニルアセテート(PBW;ワタアカミムシの性フェロモン)40.1質量部、光開始剤を含むモノマー成分(組成割合は表1に記載)全部で15.2質量部、ナトリウムドデシルサルフェート(SDS)(アニオン性界面活性剤)4.4質量部、イオン交換水25.7質量部を入れ、室温でホモミキサーにより10,000回転/分で15分間撹拌し、プレ乳化液を調製した。
先のフラスコに、3時間かけてプレ乳化液を80℃の温度条件を維持しながら滴下後、更に4時間重合を行うことにより、乳化液を得た。
得られた乳化液に、予め表2に記載した組成割合で混合したモノマー成分を13.0質量部を滴下し、光重合反応を1時間行って、マイクロカプセルエマルジョンを得た。乳化液中に残存モノマーが存在せず、重合が完結していることをGC分析により確認した。
次に、表3に記載した組成割合と条件でエマルジョンを製造し、このエマルジョン35質量部、マイクロカプセルエマルジョン1質量部を室温で1時間撹拌し、エマルジョンが添加されたマイクロカプセルエマルジョンの混合液を得た。
徐放性能を調べる目的で、上記混合液をポリエチレンテレフタレート製のフィルムに塗布し、25℃で6時間乾燥し、PBWを20mg含有するフィルム状のPBW含有徐放性製剤を得た。
次に、30℃、風速0.7m/秒の条件下の放出試験機にこの徐放性製剤を設置し、製剤からのPBWの放出速度を質量変化により測定した。その結果、これら徐放性製剤は、設置後30日を経過しても均一に放出して良好な徐放性を示し、40日後のPBWの残存率は、32.8%であった。また、80%放出時の放出速度も良好であった。
表1において、光重合開始剤は、下記式により表される化合物である。
Figure 2006035210
実施例3
実施例1と同様にして、表1〜表3の組成に従い、徐放性製剤を得た後、実施例1と同様にEMODの放出速度を質量変化により測定した。その結果、これら徐放性製剤は設置後30日を経過して均一に放出して良好な徐放性を示し、38日後のEMODの残存率は28.3%であった。また、80%放出時の放出速度も良好であった。
実施例4
実施例1と同様にして、表1〜表3の組成に従い、徐放性製剤を得た後、実施例1と同様にEMODの放出速度を質量変化により測定した。その結果、これら徐放性製剤は設置後30日を経過して均一に放出して良好な徐放性を示し、36日後のEMODの残存率は25.1%であった。また、80%放出時の放出速度も良好であった。
実施例5
攪拌機、温度計、冷却器、滴下装置、窒素ガス導入管のついたフラスコにイオン交換水14.4質量部を仕込んだ後、窒素ガスを吹き込みながら撹拌下に65℃まで昇温した。その後、重合開始剤としてカリウムパーサルフェート(PPS)0.2質量部を添加した。
ビーカーに、機能性物質としてZ7,Z/E11−ヘキサデカジエニルアセテート(PBW;ワタアカミムシの性フェロモン)35.1質量部、光開始剤を含むモノマー成分(組成割合は表1に記載)全部で15.2質量部、ナトリウムドデシルサルフェート(SDS)(アニオン性界面活性剤)4.4質量部、イオン交換水30.7質量部を入れ、室温でホモミキサーにより10,000回転/分で15分間撹拌し、プレ乳化液を調製した。
先のフラスコに、3時間かけてプレ乳化液を80℃の温度条件を維持しながら滴下後、更に4時間重合を行うことにより、乳化液を得た。
得られた乳化液に、予め表2に記載した組成割合で混合したモノマー成分を8.5質量部を滴下し、光重合反応を1時間行って、マイクロカプセルエマルジョンを得た。
次に、得られたマイクロカプセルエマルジョンに、第1工程の組成物を100質量部とした場合の添加量が4.5質量部となるように、ブチルアクリレートとベンゾイルパーオキサイド(BPO、重合開始剤)を質量比100:0.045を添加して、80℃で30分間重合を行って、マイクロカプセルエマルジョンを得た。乳化液中に残存モノマーが存在せず、重合が完結していることをGC分析により確認した。
次に、表3に記載した組成割合と条件でエマルジョンを製造し、このエマルジョン35質量部、マイクロカプセルエマルジョン1質量部を室温で1時間撹拌し、エマルジョンが添加されたマイクロカプセルエマルジョンの混合液を得た。
徐放性能を調べる目的で、上記混合液をポリエチレンテレフタレート製のフィルムに塗布し、25℃で6時間乾燥し、PBWを20mg含有するフィルム状のPBW含有徐放性製剤を得た。
次に、30℃、風速0.7m/秒の条件下の放出試験機にこの徐放性製剤を設置し、製剤からのPBWの放出速度を質量変化により測定した。その結果、これら徐放性製剤は設置後30日を経過しても均一に放出して良好な徐放性を示し、41日後のPBWの残存率は、20.2%であった。また、80%放出時の放出速度も良好であった。
比較例1
第2工程の重合を行わない以外は、実施例1と同様にして、徐放性製剤を得た後、実施例1と同様にEMODの放出速度を質量変化により測定した。その結果、これら徐放性製剤は初期の放出速度が速く、10日後のEMODの残存率は、20.1%であり、放出ライフが著しく低かった。
比較例2
機能性物質の添加量が少ない以外は、実施例1と同様にして、徐放性製剤を得た後、実施例1と同様にEMODの放出速度を質量変化により測定した。その結果、これら徐放性製剤は比較的良好な徐放性を示したものの、30日後のEMODの残存率は、28.2%と実施例1に比較して放出ライフは短く、80%放出時の放出速度は低かった。
比較例3
機能性物質の添加量が少ない以外は、実施例1と同様にして、徐放性製剤を得た後、実施例1と同様にEMODの放出速度を質量変化により測定した。その結果、これら徐放性製剤は、初期の放出速度が速く、設置後31日を経過すると均一に放出されず、31日後のEMODの残存率は、12.5%と実施例1に比較して放出ライフは短く、80%放出時の放出速度は低かった。
比較例4
機能性物質の添加量が多い以外は、実施例1と同様にして、徐放性製剤を得た後、実施例1と同様にEMODの放出速度を質量変化により測定した。その結果、これら徐放性製剤は、初期の放出速度が速く、13日後のEMODの残存率は、8.4%と実施例1に比較して放出ライフは短く、80%放出時の放出速度は低かった。
Figure 2006035210
Figure 2006035210
Figure 2006035210

Claims (8)

  1. 機能性物質100質量部の存在下で、第1の一官能性(メタ)アクリル酸アルキルエステルと第1の多官能性(メタ)アクリル酸エステルとの合計15〜90質量部を乳化重合させて得られるエマルジョン粒子と、
    上記エマルジョン粒子に、第2の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと第2の多官能性(メタ)アクリル酸エステルとの合計20〜200質量部を添加して乳化重合させて該エマルジョン粒子を被覆させた被覆層とを含んでなるマイクロカプセルエマルジョンであって、
    第1の一官能性(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基の炭素数と、第2の一官能性(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基の炭素数との差が、3〜17であることを特徴とするマイクロカプセルエマルジョン。
  2. 上記第1の一官能性(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基の炭素数が、4〜20であり、上記第2の一官能性(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基の炭素数が、1〜8である請求項1に記載のマイクロカプセルエマルジョン。
  3. 更に、上記機能性物質を含まないエマルジョンを添加した請求項1又は請求項2に記載のマイクロカプセルエマルジョン。
  4. 機能性物質100質量部存在下、第1の一官能性(メタ)アクリル酸アルキルエステルと第1の多官能性(メタ)アクリル酸エステルとの合計15〜90質量部を乳化重合してエマルジョン粒子を得る第1工程と、
    上記エマルジョン粒子に、第2の一官能性(メタ)アクリル酸アルキルエステルと第2の多官能性(メタ)アクリル酸エステルとの合計を20〜200質量部を添加し光重合して該エマルジョン粒子を被覆させる第2工程と、
    を含んでなるマイクロカプセルエマルジョンの製造方法であって、
    第1の一官能性(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基の炭素数と、第2の一官能性(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基の炭素数との差が、3〜17であることを特徴とするマイクロカプセルエマルジョンの製造方法。
  5. 上記第2工程後に、第3の一官能性(メタ)アクリル酸アルキルエステルと第3の多官能性(メタ)アクリル酸エステルとの合計20〜200質量部を添加し乳化重合して更なる被覆を行う第3工程を含んでなる請求項4に記載のマイクロカプセルエマルジョンの製造方法。
  6. 上記第2工程後に、上記機能性物質を含まないエマルジョンを、得られたマイクロカプセルエマルジョンに対して質量比で1〜40倍添加することを含んでなる請求項4に記載のマイクロカプセルエマルジョンの製造方法。
  7. 上記第3工程後に、上記機能性物質を含まないエマルジョンを、得られたマイクロカプセルエマルジョンに対して質量比で1〜40倍添加することを含んでなる請求項5に記載のマイクロカプセルエマルジョンの製造方法。
  8. 第1工程が、光重合開始剤の添加を含む請求項4〜7のいずれかに記載のマイクロカプセルエマルジョンの製造方法。
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