JP2006025377A - 受光アンプ回路および光ピックアップ - Google Patents

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Abstract

【課題】 光ピックアップのレーザパワーモニタ用素子に内蔵される受光アンプ回路の差動増幅回路に生じるオフセット電圧を、専用のトランジスタを設けることによって入力電圧範囲を制限することなく補正する。
【解決手段】 受光アンプ回路1の差動増幅回路2において、差動増幅回路2に生じるオフセット電圧を補正するための補正電流Ioffset を生成する補正電流生成回路3を設ける。差動増幅回路2においては、差動トランジスタ対をなすトランジスタQ1,Q2に流れる電流Icn1,Icn2に差があることでオフセット電圧を補償できる。電流Icn1,Icn2の差は、トランジスタQ1,Q2のそれぞれのコレクタ−エミッタ間電圧Vcen1,Vcen2の差ΔVceに基づいている。補正電流生成回路3は、差ΔVceに基づいた補正電流Ioffset を生成し、トランジスタQ1のコレクタに流し込む。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光ディスク再生/記録のために用いられる光ピックアップに搭載される回路内蔵の受光素子に関し、特にレーザパワーをモニタ/制御するための信号を出力するフロントモニタ用素子に用いると好適な受光アンプ回路および光ピックアップに関するものである。
光ディスクを再生/記録する光ディスク装置は、再生/記録のためのレーザ光を光ディスクに照射したり、光ディスクからの反射光を受光したりする光ピックアップを備えている。光ピックアップには、上記の反射光を受光したり、レーザ光源から出射されたレーザ光をモニタしたりして、電気信号に変換する受光素子と、変換された電気信号を増幅する受光アンプ回路とが設けられている。また、近年、小型で光ピックアップの設計を容易にできることから、受光素子と受光アンプ回路とを1チップに集積化したICが光ピックアップに用いられる。
図8は、差動増幅回路を含む従来の受光アンプ回路を示している。この受光アンプ回路においては、フォトダイオードPD21で受光された光が光電流に変換され、フォトダイオードPD21から出力される光電流が差動増幅回路に帰還抵抗R22が接続されてなる反転増幅器(電流−電圧変換回路)で電圧に変換され、光電流に比例した出力電圧Voが得られる。この受光アンプ回路における差動増幅回路は、トランジスタQ21〜Q25と、定電流源CS21,CS22とを有している。
NPN型のトランジスタQ21,Q22は差動トランジスタ対をなしており、トランジスタQ21,Q22にそれぞれコレクタ電流を供給するPNP型のトランジスタQ23,Q24はカレントミラー回路を構成している。トランジスタQ21のベース(差動増幅回路の非反転入力端子)には、入力抵抗R21を介して入力電圧Vinが基準電圧として入力されている。フォトダイオードPD21の光電流は、トランジスタQ25のエミッタより抵抗R22を介して供給される。また、定電流源CS21は、トランジスタQ21,Q22のエミッタ電流の和が一定となるように定電流を流す。出力トランジスタとしてのNPN型のトランジスタQ25は、エミッタフォロワ回路を形成しており、トランジスタQ24のコレクタから出力電圧Voを出力する。定電流源CS22は、トランジスタ25に定電流を流す。
上記のように構成される差動増幅回路のオフセット電圧について説明する。なお、以下の説明では、各NPNトランジスタの特性は共通であり、各PNPトランジスタの特性も共通であって、各トランジスタ間でのバラツキは考慮しないものとする。
図8に示す差動増幅回路において、入力がない時の出力電圧Voは、
Vo=Vin−(Ibn1×Rf)−Vben1+Vben2+(Ibn2×Rf)
=Vin−(Rf×Icn1/hFEn)−VT×ln(Icn1/Is)+VT×ln(Icn2/Is)+(Rf×Icn2/hFEn)
=Vin+((Icn2−Icn1)×Rf/hFEn)+VT×ln(Icn2/Icn1) …(1)
ここで、上式における各パラメータは次のように示される。
hFEn:NPNトランジスタの電流増幅率
VT:kT/q(kはボルツマン定数、Tは絶対温度、qは電子荷)で表される熱起電力
Ibn1:トランジスタQ21のベース電流
Ibn2:トランジスタQ22のベース電流
Vben1 :トランジスタQ21のベース−エミッタ間電圧
Vben2 :トランジスタQ22のベース−エミッタ間電圧
Icn1:トランジスタQ21のコレクタ電流
Icn2:トランジスタQ22のコレクタ電流
Icp1:トランジスタQ23のコレクタ電流
Icp2:トランジスタQ24のコレクタ電流
Ibp1:トランジスタQ23のベース電流
Ibp2:トランジスタQ24のベース電流
Ibp3:トランジスタQ25のベース電流
Is:トランジスタの逆方向飽和電流(トランジスタの構造等によって決定される定数)
Rf:抵抗R21,R22の抵抗値
よって、出力電圧Voと基準電圧Vinの差電圧、即ちオフセット電圧Voffは、次式で表される。
Voff=Vo−Vin=((Icn2−Icn1)×Rf/hFEn)+VT×ln(Icn2/Icn1) …(2)
この式より、Icn1とIcn2の差がオフセット電圧の原因となることが分かる。逆に、Icn1=Icn2であれば、Voff=0となり、オフセット電圧は発生しない。
図9は、従来の他の受光アンプ回路を示している。
この受光アンプ回路においては、図8の回路にNPN型のトランジスタQ26、PNP型のトランジスタQ27および定電流源CS23,CS24が付加されている。電源電圧Vccとグランドラインとの間に、トランジスタQ26と定電流源CS23とが直列に接続され、同様にトランジスタQ27と定電流源CS24とが直列に接続されている。トランジスタQ26のベースはトランジスタQ23のコレクタに接続され、トランジスタQ27のベースはトランジスタQ24のコレクタに接続されている。
このように構成される図9の回路において、能動負荷のベース電流Ibp1+Ibp2を補正電流Ibp3=Ibp1+Ibp2で補正し、出力回路のベース電流Ibn3を補正電流Ibn4=Ibn3で補正することによりIcn1=Icn2とすることでVoff=0を得ている。ここで、差動対を構成するトランジスタQ21,Q22のアーリー効果を考慮すると、能動負荷および出力回路のベース電流補正のみではIcn1=Icn2からVben1=Vben2を得ることはできない。即ち、トランジスタQ21,Q22のコレクタ−エミッタ間電圧をそれぞれVcen1,Vcen2とすると、Vben1,Vben2は、次式のように表される。
Vben1=VT×ln(Icn1/(Is×(1+(Vcen1/VA)))
Vben2=VT×ln(Icn2/(Is×(1+(Vcen2/VA)))
これにより、オフセット電圧Voffは次式のようにして求められる。
Voff=Vo−Vin=((Icn2−Icn1)×Rf/hFEn)+
VT×ln((Icn2×(1+(Vcen1/VA)))/(Icn1×(1+(Vcen2/VA)))) …(3)
式(3)において、Icn1=Icn2とすれば、オフセット電圧Voffは次式のように表される。
Voff=VT×ln((VA+Vcen1)/(VA+Vcen2)) …(4)
しかしながら、式(4)においては、Vcen1=Vcen2を満足しないと、オフセット電圧は0とならない。
ここで、アーリー効果とオフセット電圧との関係について説明する。まず、式(1)の1行目から次式が求められる。
Voff=Vo-Vin=((Icn2−Icn1)×Rf/hFEn)+(Vben2−Vben1)) …(A)
一方、Vbenについては、トランジスタのアーリー効果を無視した場合と、アーリー効果を考慮した場合でそれぞれ式(B),式(C)が得られる。これらは、Vben2についても同様に得られる。
Vben1=VT×ln(Icn1/Is) … (B)
Vben1=VT×ln(Icn1/(Is×(1+(Vcen1/VA))) …(C)
式(2)は式(A)に式(B)を適用することにより得られ、式(3)は式(A)に式(C)を適用することによれ得られる。
アーリー効果を無視した場合、図9の回路ではVoff=0となる。これに対し、アーリー効果を考慮した場合、オフセット電圧が発生することを式(1)ないし式(3)までの記述で示している。
図9の受光アンプ回路では、Vcen1=Vcen2を満足できないため、従来、Vcen1=Vcen2を満足することができる図10の受光アンプ回路が従来用いられてきた。
図10の受光アンプ回路は、図9の受光アンプ回路にさらにNPN型のトランジスタQ28,Q29およびバイアス電源Eが付加されている。トランジスタQ28は、トランジスタQ21,Q23の間に接続され、トランジスタQ29は、トランジスタQ22,Q24の間に接続されている。バイアス電源Eは、電源ラインとトランジスタQ28,Q29のベースとの間に接続されており、バイアス電圧VBを発生する。
この受光アンプ回路では、トランジスタQ28,Q29を備えることにより、トランジスタQ21,Q22のコレクタ電圧VAを共にVA=Vcc-VB-Vbenに設定している。これにより、Voff=0が達成される。
なお、図9の回路と構成は異なるが機能的に同等の回路を開示した先行技術文献としては、特許文献1(図1)および2が挙げられる。特許文献1に開示された差動増幅回路では、ベース電流の補正を行うトランジスタと出力トランジスタとが共通のトランジスタである。また、特許文献2の回路では、カレントミラー回路を構成するトランジスタと出力トランジスタとがともにNPN型のトランジスタであるため、ベース電流の上記の補正が1つのNPN型のトランジスタで行われる。
また、図10の回路と構成は異なるが機能的に同等の回路を開示した先行技術文献としては、特許文献3ないし7が挙げられる。各特許文献3ないし7は、トランジスタQ21,Q22により構成される差動対と同等の差動対を有し、この差動対のコレクタ電圧を等しくすることを開示している。
特開2000−114888号公報(2000年4月21日公開) 特開平8−130421号公報(1996年5月21日公開) 特開平5−14075号公報(1993年1月21日公開) 特開平8−70221号公報(1996年3月12日公開) 特開平4−127703号公報(1992年4月28日公開) 特開平4−119005号公報(1992年4月20日公開) 特開平4−129306号公報(1992年4月30日公開)
光ピックアップにおけるフロントモニタ素子は、レーザビームを受けてその光量に応じたモニタ電圧を出力するレーザ光量モニタ用の素子である。レーザドライバは、フロントモニタ素子からフィードバックされたモニタ電圧に基づいて、レーザビームが所定のレーザパワー値になるようにレーザ光源の駆動電流を制御する。
昨今、光ディスクの記録速度の高速化に伴い、記録時のレーザパワーは増加している。ところが、フロントモニタ素子の出力電圧範囲は限られており、例えば、電源電圧=5V、基準電圧=2.5Vの場合、2.5V未満の出力電圧範囲しか確保できない。このため、レーザパワーの増大により入射光量が増えると、それに応じてフロントモニタ素子の感度を下げないと、入射光に応じた電圧を出力できない。一方で、再生時のレーザパワーは記録時のように増大させなくてもよいため、記録時のレーザパワーに合わせてフロントモニタ素子の感度を下げると、再生時の出力信号が小さくなってしまう。このため、特に再生時にはレーザパワーに応じた電圧を正確に出力するために、出力電圧の誤差、すなわちオフセット電圧およびオフセット電圧温度特性を小さくすることが必要になる。
そこで、図10の受光アンプ回路においては、Ibp3=Ibp1+Ibp2,Ibn4=Ibn3によりIcn1=Icn2を満足し、トランジスタQ28,Q29の追加によってVcen1=Vcen2を満足し、Voff=0を満足している。しかしながら、この受光アンプ回路は、入力電圧VinをVA+Vben1以上にすると、Vcen1が0になるために動作しなくなる。即ち、この受光アンプ回路では、トランジスタQ28,Q29を設けることにより、動作可能な入力電圧範囲が制限されることになってしまい、大きな信号を処理できなくなる。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、上記のようなトランジスタQ28,Q29を設けることなく、Vcen1,Vcen2の差に起因するオフセット電圧を補償することができる差動増幅回路を有する受光アンプ回路を提供することにある。
本発明の受光アンプ回路は、差動トランジスタ対および該差動トランジスタ対の能動負荷を有し、受光素子の出力電流に応じた電圧を出力する差動増幅回路を含む受光アンプ回路において、前記の課題を解決するために、前記差動トランジスタ対に流れる電流の差に基づく補正電流を前記差動増幅回路に与える補正電流生成手段を備えていることを特徴としている。
上記の構成において、後述する式(5)に示すように、差動トランジスタ対に流れる電流に差が生じていることにより、オフセット電圧を0にすることができる。それゆえ、この電流差に基づく補正電流を補正電流生成手段で生成して差動増幅回路に与えると、差動増幅回路におけるオフセット電圧を補償することができる。
前記受光アンプ回路において、前記補正電流生成手段は、前記差動トランジスタ対のコレクタ電圧差を前記差動トランジスタ対を構成する2つのトランジスタのコレクタ出力抵抗で除した値の前記補正電流を生成することが好ましい。後述する式(6)に示すように、上記の電流差は、差動トランジスタ対の構成する2つのトランジスタのコレクタ電圧差を上記のコレクタ出力抵抗で除した値で表される。それゆえ、補正電流生成手段は、上記の値により所望の補正電流値を得ることができる。
前記受光アンプ回路において、前記補正電流生成手段は、前記差動トランジスタ対を構成する前記トランジスタと同一のコレクタ出力抵抗を有する第1および第2トランジスタを含む第1カレントミラー回路と、該第1カレントミラー回路の2つの出力に前記コレクタ電圧差と同一の電圧差を与える電圧差生成手段と、前記第1カレントミラー回路の出力電流の差を生成する電流差生成手段とを有していることが好ましい。このような構成では、補正電流生成手段が、第1カレントミラー回路、電圧差生成手段および電流差生成手段を有することにより、前記コレクタ電圧差が反映された補正電流を、後述する式(7)に示すように、第1カレントミラー回路の第1および第2トランジスタのコレクタ電流差として取り出すことができる。
前記受光アンプ回路において、前記電流差生成手段は、前記第1トランジスタに電流を流す第3トランジスタと、前記第2トランジスタに電流を流す第4トランジスタとを含む第2カレントミラー回路を有していることが好ましい。このような構成では、後述する式(9)に示すように、第2カレントミラー回路において、第3および第4トランジスタのコレクタ電流が等しいことを利用して、第1カレントミラー回路の第1および第2トランジスタのコレクタ電流を補正電流として取り出すことができる。
前記受光アンプ回路において、前記第2カレントミラー回路は前記能動負荷と同一に構成されていることが好ましい。このような構成により、後述する式(9)に示すように、差動トランジスタ対のコレクタ電圧差によるオフセット電圧と、能動負荷のベース電流誤差によるオフセット電圧とを同時に補正することができる。
前記受光アンプ回路において、前記電圧差生成手段は、前記第1カレントミラー回路と前記電流差生成回路との間に形成される2つの電流経路のそれぞれに配される第5および第6トランジスタと、該第5および第6トランジスタのコレクタ間の電圧差が前記コレクタ電圧差となるように前記第5および第6トランジスタのベースに電圧を印加する電圧印加手段とを有していることが好ましい。このような構成では、第5および第6トランジスタのベースに電圧印加手段による上記の電圧を印加すると、第5および第6トランジスタのコレクタ間に現れる電圧差が差動トランジスタ対のコレクタ電圧差となるので、所望の電圧差を第1カレントミラーの2つの出力に与えることができる。
前記の構成により、前記コレクタ電圧差に等しい電圧差を生成することが理想的であるが、実際には受光アンプ回路が形成されるICチップの温度勾配や能動負荷と第2カレントミラー回路との素子配置の差異によって、両電圧差が等しくならないことがある。
そこで、下記のような各種の調整手段を用いて両電圧差のずれを補償して適正な補正電流を生成することができる。
(a)前記第1カレントミラー回路を有する受光アンプ回路において、前記第1カレントミラー回路の2つの出力電流を同時または単独に調整する出力電流調整手段。
(b)前記電圧差生成手段を有する受光アンプ回路において、前記電圧差生成手段が発生する電圧差を調整する電圧差調整手段。
(c)前記電流差生成手段を有する受光アンプ回路において、前記電流差生成手段の出力電流を調整する電流差調整手段。
本発明の光ピックアップは、前述のように構成される各受光アンプ回路を備えることにより、受光アンプ回路における差動増幅回路のオフセット電圧が補償される。それゆえ、特に、受光アンプ回路がレーザ光源から出射されるレーザビームの光量を検出するためのフロントモニタ素子として用いれば、受光アンプ回路は、正確にレーザパワーに応じた電圧を光量検出のために出力できる。
本発明の受光アンプ回路は、差動トランジスタ対に流れる電流の差に基づく補正電流を補正電流生成手段で生成して差動増幅回路に与えることにより、差動増幅回路におけるオフセット電圧を補償することができる。これにより、入力電圧範囲を制限するようなオフセット電圧補償用のトランジスタを設ける必要がなくなるので、大きな信号を処理することができるという効果を奏する。従って、この受光アンプ回路を光ピックアップのフロントモニタ素子として用いれば、光量検出の出力を広い入力電圧範囲で正確に得ることができるという効果を奏する。
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1ないし図7に基づいて説明すれば以下の通りである。
図1は、本実施の形態に係る受光アンプ回路1の構成を示している。
受光アンプ回路1は、差動増幅器回路2と、入力抵抗R1と、帰還抵抗R2とを備えている。また、差動増幅回路2は、トランジスタQ1〜Q7、定電流源CS1〜CS4および補正電流生成回路3を有している。
NPN型のトランジスタQ1,Q2は、差動増幅回路2における差動トランジスタ対をなしており、エミッタがともに定電流源CS1に接続されている。定電流源CS1は、トランジスタQ1に流れる電流Icn1とトランジスタQ2に流れる電流Icn2との和の電流IEEを一定値に保つ回路である。基準電圧入力端子T1には基準電圧Vinが入力電圧として印加されており、その基準電圧入力端子T1と差動増幅回路2の非反転入力端子となるトランジスタQ1のベースとの間には入力抵抗R1が接続されている。一方、差動増幅回路2の反転入力端子となるトランジスタQ2のベースには、受光素子としてのフォトダイオードPD1のカソードが接続されている。フォトダイオードPD1のアノードは、グランドラインに接続されている。また、トランジスタQ2のベースは、帰還抵抗R2を介して受光アンプ回路1の出力端子T2に接続されている。
PNP型のトランジスタQ3,Q4は、それぞれトランジスタQ1,Q2の能動負荷としてカレントミラー回路を構成している。トランジスタQ3,Q4のエミッタは、電源電圧Vcc が印加される電源ラインに接続されている。また、トランジスタQ3,Q4のベースは、互いに接続されるとともに、トランジスタQ3のコレクタに接続されている。トランジスタQ3のコレクタは、トランジスタQ1のコレクタおよびトランジスタQ5のベースに接続されるとともに、補正電流生成回路3に接続されている。
NPN型のトランジスタQ5のコレクタには、前記の電源ラインが接続されている。定電流源CS2は、トランジスタQ5のエミッタとグランドラインとの間に接続されている。一方、トランジスタQ4のコレクタには、トランジスタQ6,Q7のベースが接続されている。NPN型のトランジスタQ6のコレクタは、前記の電源ラインが接続されている。定電流源CS3は、トランジスタQ6のエミッタとグランドラインとの間に接続されている。トランジスタQ6は、エミッタフォロワ回路からなる出力回路を構成しており、エミッタから出力端子定2に出力電圧Voを出力する。定電流源CS4は、PNP型のトランジスタQ7と電源ラインとの間に接続され、トランジスタQ7のコレクタはグランドラインに接続されている。
補正電流生成回路3は、トランジスタQ3のコレクタおよびトランジスタQ3,Q4のベースへ流し込む補正電流Ioffsetを生成する回路である。補正電流Ioffsetは、後述するように、トランジスタQ3,Q4のコレクタ電流Icn1,Icn2の差に基づいて設定されている。補正電流生成回路3は、この補正電流IoffsetをトランジスタQ1のコレクタに流し込む。
差動増幅回路2は、出力端子T2と非反転入力端子(トランジスタQ2のベース)との間に帰還抵抗R2が接続されることにより、電流−電圧変換回路として機能する反転増幅器を構成する。上記のように構成される受光アンプ回路1において、フォトダイオードPD1で受光された光が光電流に変換され、フォトダイオードPD1から出力される光電流が上記の反転増幅器で電圧に変換され、光電流に比例した出力電圧Voが得られる。
ここで、上記の受光アンプ回路1における補正電流生成回路3で生成される補正電流Ioffsetについて説明する。
以下の説明で使用する各式における各パラメータは次のように示される。
hFEn:NPNトランジスタの電流増幅率
hFEp:PNPトランジスタの電流増幅率
VT:kT/q(kはボルツマン定数、Tは絶対温度、qは電子荷)で表される熱起電力
VA:トランジスタQ1,Q2のコレクタ電圧
Vcen1:トランジスタQ1のコレクタ−エミッタ間電圧
Vcen2:トランジスタQ2のコレクタ−エミッタ間電圧
Icn1:トランジスタQ1のコレクタ電流
Icn2:トランジスタQ2のコレクタ電流
Icn3:トランジスタQ5のコレクタ電流
Icn4:トランジスタQ6のコレクタ電流
Icp1:トランジスタQ3のコレクタ電流
Icp2:トランジスタQ4のコレクタ電流
Ibp1:トランジスタQ3のベース電流
Ibp2:トランジスタQ4のベース電流
Ibp3:トランジスタQ5のベース電流
IEE:定電流源CS1に流れる電流
Rf:抵抗R1,R2の抵抗値
まず、出力電圧Voと基準電圧Vinの差電圧、即ちオフセット電圧Voffは、次式で表される。
Voff=Vo−Vin
=((Icn2−Icn1)×Rf/hFEn)+
VT×ln((Icn2×(1+(Vcen1/VA)))/(Icn1×(1+(Vcen2/VA))))
上式の第1項は差動対(差動トランジスタ対)のベース電流差による項目であるので、ほぼ0として無視すると、次のように第2項を0とすればVoff=0が得られる。
VT×ln((Icn2×(1+(Vcen1/VA)))/(Icn1×(1+(Vcen2/VA))))=0
これより、Icn1,Icn2の差であるΔIcnは次のようにして得られる。
(Icn2×(1+(Vcen1/VA)))/(Icn1×(1+(Vcen2/VA)))=1
ΔIcn=Icn1−Icn2=(Icn2×Vcen1−Icn1×Vcen2)/VA …(5)
このように、差が生じるようにIcn1とIcn2との値を異ならせ、上式を満足することにより、オフセット電圧Voffを0にすることができる。即ち、上式を満足するIoffsetを差動増幅回路2におけるトランジスタQ1のコレクタに流し込むことにより、Voff=0が得られる。上式は、下記のように変形できる。
ΔIcn=Icn1−Icn2=(Icn2×Vcen1−Icn1×Vcen2)/VA
=(Icn2/VA)×Vcen1−(Icn1/VA)×Vcen2
ここで、Icn1とIcn2との差は微小と考え、
Icn2/VA=Icn1/VA=Icn/VA=1/ro,(roはトランジスタQ1,Q2のコレクタ出力抵抗)とすると、補正電流Ioffsetは、次式のように表される。
Ioffset=ΔIcn
=(Icn/VA)×(Vcen1−Vcen2)
=(Vcen1−Vcen2)/ro
=ΔVce/ro …(6)
これにより、Vcen1とVcen2との差であるΔVceをroで除した値の補正電流を差動増幅回路2に流し込むのが最も適している。
このように、受光アンプ回路1は、差動トランジスタ対に流れる電流Icn1,Icn2の差の差に基づく補正電流Ioffsetを補正電流生成回路3で生成して差動増幅回路2に与えることにより、差動増幅回路2におけるオフセット電圧Voffを補償することができる。これにより、入力電圧範囲を制限するようなオフセット電圧補償用のトランジスタを設ける必要がなくなるので、大きな信号を処理することができる。
また、受光アンプ回路1は、上記のように構成されることで、背景技術で述べたアーリー効果による誤差を補償することができる。アーリー効果を考慮しなければならない場合としては、アーリー効果によるオフセット電圧が無視できないほど厳しい特性を要望される場合や、ICに内蔵された受光アンプ回路1に、高速化のための高速なトランジスタを用いた場合などがある。従って、受光アンプ回路1は、このような場合に、アーリー効果によるオフセット電圧を補償して安定した性能を発揮することができる。
なお、一般的に、トランジスタの動作速度とアーリー電圧はトレードオフの関係にある(トランジスタの動作が速ければアーリー電圧が低く、アーリー効果が大きい)。
図2は、前記のΔVce/roの補正電流Ioffsetを生成するための構成を示している。図2に示す受光アンプ回路1において、補正電流生成回路3は、電流差生成回路4、電圧差生成回路5、NPN型のトランジスタQ8〜Q10および定電流源CS5を有している。
定電流源CS5は、トランジスタQ8のコレクタと電源ラインとの間に接続されている。トランジスタQ8において、コレクタとベースとが接続されている。トランジスタQ8〜Q10のベースは共に接続されている。また、トランジスタQ8〜Q10のエミッタは共にグランドラインに接続されている。これにより、トランジスタQ8〜Q10は、カレントミラー回路6を構成している。
トランジスタQ9,Q10のコレクタは、共に電流差生成回路4および電圧差生成回路5に接続されている。電流差生成回路4は、トランジスタQ9に流れるコレクタ電流Ioc1とトランジスタQ10に流れるコレクタ電流Ioc2との差を生成する回路である。差動対を構成するトランジスタQ1,Q2のコレクタ電圧差ΔVceを生成する回路である。
上記のように構成される受光アンプ回路1において、上記の両コレクタ電流の差は、Vocen1,Vocen2をそれぞれトランジスタQ9,Q10のコレクタ−エミッタ間電圧とすれば、次式のように表される。
Ioc1−Ioc2=(Is(1+(Vocen1/VA))×exp(Vbe/VT))−(Is(1+(Vocen2/VA))×exp(Vbe/VT))
=((Vocen1−Vocen2)/VA)×Is×exp(Vbe/VT)
ここで、Is×exp(Vbe/VT)はアーリー効果を無視した場合のコレクタ電流であり、Iocnで近似できるため、上式は次のように表される。
Ioc1−Ioc2=(Vocen1−Vocen2)×(Iocn/VA)=ΔVoce×(Iocn/VA) …(7)
差動対に流し込む補正電流Ioffsetは、式(6)に示すようにΔVce/roであるから、Iocn=Icn、ΔVoce=ΔVceとすれば、Ioffset=Ioc1−Ioc2となり、所望の補正電流値が得られる。Iocn=Icnは即ち、差動対のコレクタ出力抵抗(1/ro=Icn/VA)とカレントミラー回路6のコレクタ出力抵抗(1/ro=Ioc/VA)とを同一にすることと等価である。
図3は、電流差生成回路4の詳細な構成を示す受光アンプ回路1を示している。図3に示すように、電流差生成回路4は、PNP型のトランジスタQ11〜Q13を有している。
トランジスタQ11,Q12のエミッタは共に電源ラインに接続され、トランジスタQ11,Q12のベースは互いに接続され、かつトランジスタQ13のエミッタに接続されている。トランジスタQ13のコレクタはグランドラインに接続されている。トランジスタQ11のコレクタおよびトランジスタQ13のベースは、共にトランジスタQ9のコレクタに接続されている。トランジスタQ12のコレクタは、トランジスタQ10のコクレタに接続されている。この電流差生成回路4は、上記のようにカレントミラー回路を構成している。
図3において、カレントミラー回路6に電流差生成回路4のカレントミラー回路を接続することによって、前記のコレクタ電流Ioc1とトランジスタQ11を流れるコレクタ電流Icp1とトランジスタQ12を流れるコレクタ電流Icp2との関係はIoc1=Icp1=Icp2となる。従って、電流差生成回路4によって、Icp2=Ioc2+Ioffsetとなる。これにより、次式が得られる。
Ioffset=Icp2−Ioc2=Ioc1−Ioc2
電流差生成回路4のカレントミラー回路はどのような構成でもよいが、カレントミラー回路特有のベース電流誤差をなるべく低減し、Icp1=Icp2を精度よく達成することで上式が精度よく得られる。
図4は、電流差生成回路4の他の詳細な構成を示す受光アンプ回路1を示している。図4に示すように、電流差生成回路4は、差動増幅回路2の能動負荷(トランジスタQ3,Q4)、即ちカレントミラー回路と同一に構成されている。即ち、トランジスタQ11のベースとコレクタとが互いに接続されている。これにより、補正電流Ioffsetの生成と同時に能動負荷のベース電流の誤差を補正することができる。
ここで、図2において、Icn1,Icn2は次式のように表される。
Icn1=Icp1+Ibp1+Ibp2−Ibn4−Ioffset
Icn2=Icp2−Ibn3
能動負荷として機能するトランジスタQ3,Q4からなるカレントミラー回路の特性としてIcp1=Icp2であるので、Icn1,Icn2の差は次式のように表される。
Icn1−Icn2=Ibp1+Ibp2+Ibn3−Ibn4−Ioffsetbp …(8)
ここで、Ioffsetbpは、能動負荷のベース電流誤差の補正電流である。上式において、Ibp=Ibp1=Ibp2,Icn3=Icn4とすれば、Ibn3=Icn3/hFEn=Icn4/hFEn=Ibn4となるので、IEE=2×Icp=Icp1+Icp2と近似すれば、式(8)は次式のように表される。
Icn1−Icn2=2×Ibp−Ioffsetbp
これにより、Icn1とIcn2との差を0にするには、Ioffsetbp=2×Ibpが必要である。従って、能動負荷のベース電流誤差を補正するために、補正電流IoffsetbpをトランジスタQ3のコレクタから引き抜く。
また、この受光アンプ回路1において、次のようにIoc1、Ioc2、2IbpおよびIoffsetの関係から、補正電流Ioffsetが得られる。
Ioc1=Icp1+2Ibp=Icp2+2Ibp=Ioc2+Ioffset+2Ibp
Ioffset=(Ioc1−Ioc2)−2Ibp …(9)
上式において、(Ioc1−Ioc2)は前述のようにΔVceによる補正電流であり、−2Ibpは上記の能動負荷のベース電流誤差の補正電流である。これにより、能動負荷のベース電流誤差によるオフセット電圧と、ΔVceによるオフセット電圧とが同時に補正される。
図5は、電圧差生成回路5の詳細な構成を示す受光アンプ回路1を示している。図5に示すように、電圧差生成回路5は、NPN型のトランジスタQ13,Q14および電圧源E1,E2を有している。
トランジスタQ13のコレクタは、電流差生成街路4(トランジスタQ11のコレクタ)に接続されている。トランジスタQ14のコレクタは、電流差生成街路4(トランジスタQ12のコレクタ)に接続されている。また、トランジスタQ13のエミッタはトランジスタQ9のコレクタに接続され、トランジスタQ14のエミッタはトランジスタQ10のコレクタに接続されている。トランジスタQ13のベースは電圧源E1の正極端子に接続され、トランジスタQ14のベースは電圧源E2の正極端子に接続されている。電圧源E1,E2の負極端子は共にグランドラインに接続されている。
電圧源E1,E2は、それぞれトランジスタQ13,Q14のベースに印加する定電圧(バイアス電圧)VB1,VB2を出力するために、例えば電源回路で構成される。しかしながら、電圧源E1,E2は、このような構成に限らず、抵抗と電流源との組み合わせで構成されても良いし、ダイオード等によって定電圧を出力する構成であっても良い。
上記のように構成される電圧差生成回路5を用いれば、ΔVoceは次のように表される。
ΔVoce=(VB1−Vbe1)−(VB2−Vbe2)=VB1−VB2
但し、トランジスタQ13,Q14のそれぞれのベース−エミッタ間電圧Vbe1,Vbe2は、Vbe1=Vbe2の関係を有するものとする。
実際の受光アンプ回路1が形成されるICチップ内では、設計段階でIocn=IcnおよびΔVoce=ΔVceが成立していても、温度勾配、素子配置等の要因で上式が成立しない場合がある。そのような場合、図6に示すように、下記の微調整のための構成(a)ないし(c)を備えることが望ましい。このような各構成を有することにより、補正電流Ioffsetを実際の特性に応じて微調整することが可能となる。
(a)カレントミラー回路6の出力電流Ioc1,Ioc2を同時、あるいは単独に微調整する構成(例えば、トランジスタQ9,Q10のエミッタとグランドラインとの間にそれぞれ可変抵抗VR1,VR2を設ける構成)
(b)電圧差生成回路5の出力する電圧差を微調整する構成(例えば、電圧源E1,E2が可変出力型の電圧源である構成)
(c)電流差生成回路4の出力電流を微調整する構成(例えば、トランジスタQ12のコレクタとトランジスタQ3のコレクタとの間に調整用の抵抗R11を挿入する構成)
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施形態について図7に基づいて説明すれば以下の通りである。なお、本実施形態においても、前述の実施の形態1における構成要素と同等の機能を有する構成要素については同一の符号を付記し、その説明を省略する。
図7は、本実施の形態に係る光ピックアップ101の構成を示している。
図7に示すように、本光ピックアップ101は、レーザダイオード111、レーザパワーモニタ用受光IC112,113、信号用受光IC114、コリメータレンズ115、スポットレンズ116、ビームスプリッタ117、コリメータレンズ118および対物レンズ119を備えている。
レーザ光源としてのレーザダイオード111は、CD用の780nmのレーザビームとDVD用の659nmのレーザビームの2種類のレーザビームを発する。レーザダイオード111に供給される駆動電流は、図示しないレーザドライバにより生成される。
レーザパワーモニタ用受光IC112,113は、前述の実施の形態1の受光アンプ回路1を内蔵しており、受光面にフォトダイオードPD1を配している。レーザパワーモニタ用受光IC112,113は、レーザダイオード111から出射されるレーザビームの一部を受光して、検出信号として電気信号に変換するためのICであり、いずれか一方があればよい。また、レーザパワーモニタ用受光ICの位置は、レーザビームを検出に必要な量を受けることができる位置であれば、図示された位置に限定されない。
上記のように構成される光ピックアップ101においては、レーザダイオード111から出射されたレーザビームは、コリメータレンズ115によって平行光束に変換され、ビームスプリッタ117により偏向する。ビームスプリッタ117からのレーザビームは、さらにコリメータレンズ118を経て、対物レンズ119によって光ディスク120に集束される。光ディスク120から反射したレーザビームは、対物レンズ119およびコリメータレンズ117を経て、ビームスプリッタ117を透過した後、スポットレンズ116によって信号用受光IC114に集束される。信号用受光IC114では、レーザビームが電気信号に変換され、この電気信号からRF信号、トラッキングエラー信号などが生成される。
一方、レーザパワーモニタ用受光IC112,113は、レーザダイオード111から出射されたレーザビームを受け、内蔵する受光アンプ回路1によって、レーザビームを出力電圧Vo(検出信号)として検出する。この検出信号は、図示しないレーザドライバに与えられる。レーザドライバは、レーザパワーモニタ用受光IC112,113からの検出信号をモニタしながら、レーザビームのパワーが所定値になるようにレーザダイオードの駆動電流を制御する。
このように、光ピックアップ101においては、レーザパワーモニタ用受光IC112,113が受光アンプ回路1を内蔵していることにより、トランジスタなどの素子の特性バラツキや温度に影響されることなく差動増幅回路2のオフセット電圧を常に零にすることができる。これにより、記録時より低下した再生時のレーザパワーに合わせてレーザパワーモニタ用受光IC112,113の感度を低下させても、オフセット電圧の影響を受けることなく、正確にレーザビーム(レーザパワー)を正確に検出することができる。それゆえ、レーザパワーの制御を高精度に行うことができる。
なお、本実施の形態では、レーザパワーモニタ用受光IC112,113が受光アンプ回路1を内蔵することについて説明したが、信号用受光IC114が受光アンプ回路1を内蔵していてもよい。信号用受光IC114には、レーザパワーモニタ用受光IC112,113のように厳格にオフセット電圧を低減させることは要求されないが、差動増幅回路2を構成するNPNトランジスタとPNPトランジスタとの特性が大きく異なるプロセスを要するために、オフセット電圧が仕様値を満たさない場合は、受光アンプ回路1を用いることにより、オフセット電圧を低下させることができ、有効である。
本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
受光アンプ回路における差動増幅回路の差動対を構成する一対のトランジスタのコレクタ−エミッタ間電圧の差に起因するオフセット電圧を、差動増幅回路に上記一対のトランジスタに流れるコレクタ電流間に差に基づく補正電流を供給することにより補正する。これにより、差動増幅回路にオフセット電圧補正用のトランジスタが不要となるので、そのトランジスタに起因する入力電圧範囲の制限を回避することができる。従って、本発明の受光アンプ回路は、光ピックアップにおいてレーザパワーに応じた電圧を正確に出力できるフロントモニタ素子に好適に利用することができる。
本発明の実施の形態1に係る受光アンプ回路の構成を示す回路図である。 上記受光アンプ回路において補正電流生成回路の構成を詳細に示す回路図である。 上記受光アンプ回路において上記補正電流生成回路の電流差生成回路の構成を詳細に示す回路図である。 上記受光アンプ回路において上記補正電流生成回路の電流差生成回路の他の構成を詳細に示す回路図である。 上記受光アンプ回路において上記補正電流生成回路の電圧差生成回路の構成を詳細に示す回路図である。 上記受光アンプ回路においてIocn=IcnおよびΔVoce=Δvceを成立させるための微調整を行う構成を示す回路図である。 本発明の実施の形態2に係る光ピックアップの構成を示す図である。 従来の受光アンプ回路を示す回路図である。 従来の他の受光アンプ回路を示す回路図である。 従来のさらに他の受光アンプ回路を示す回路図である。
符号の説明
1 受光アンプ回路
2 差動増幅回路
3 補正電流生成回路(補正電流生成手段)
4 電流差生成回路(電流差生成手段,第2カレントミラー回路)
5 電圧差生成回路(電圧差生成手段)
6 カレントミラー回路(第1カレントミラー回路)
101 光ピックアップ
111 レーザダイオード(レーザ光源)
112,113 レーザパワーモニタ用受光IC
E1,E2 電圧源(電圧印加手段,電圧差微調整手段)
Q1,Q2 トランジスタ(差動トランジスタ対)
Q3,Q4 トランジスタ(能動負荷)
Q9 トランジスタ(第1トランジスタ)
Q10 トランジスタ(第2トランジスタ)
Q11 トランジスタ(第3トランジスタ)
Q12 トランジスタ(第4トランジスタ)
Q13 トランジスタ(第5トランジスタ)
Q14 トランジスタ(第6トランジスタ)
R11 抵抗(電流差調整手段)
VR1,VR2 可変抵抗(出力電流調整手段)

Claims (11)

  1. 差動トランジスタ対および該差動トランジスタ対の能動負荷を有し、受光素子の出力電流に応じた電圧を出力する差動増幅回路を含む受光アンプ回路において、
    前記差動トランジスタ対に流れる電流の差に基づく補正電流を前記差動増幅回路に与える補正電流生成手段を備えていることを特徴とする受光アンプ回路。
  2. 前記補正電流生成手段は、前記差動トランジスタ対のコレクタ電圧差を前記差動トランジスタ対を構成する2つのトランジスタのコレクタ出力抵抗で除した値の前記補正電流を生成することを特徴とする請求項1に記載の受光アンプ回路。
  3. 前記補正電流生成手段は、前記差動トランジスタ対を構成する前記トランジスタと同一のコレクタ出力抵抗を有する第1および第2トランジスタを含む第1カレントミラー回路と、該第1カレントミラー回路の2つの出力に前記コレクタ電圧差と同一の電圧差を与える電圧差生成手段と、前記第1カレントミラー回路の出力電流の差を生成する電流差生成手段とを有していることを特徴とする請求項1または2に記載の受光アンプ回路。
  4. 前記電流差生成手段は、前記第1トランジスタに電流を流す第3トランジスタと、前記第2トランジスタに電流を流す第4トランジスタとを含む第2カレントミラー回路を有していることを特徴とする請求項3に記載の受光アンプ回路。
  5. 前記第2カレントミラー回路は前記能動負荷と同一に構成されていることを特徴とする請求項4に記載の受光アンプ回路。
  6. 前記電圧差生成手段は、前記第1カレントミラー回路と前記電流差生成回路との間に形成される2つの電流経路のそれぞれに配される第5および第6トランジスタと、該第5および第6トランジスタのコレクタ間の電圧差が前記コレクタ電圧差となるように前記第5および第6トランジスタのベースに電圧を印加する電圧印加手段とを有していることを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1項に記載の受光アンプ回路。
  7. 前記第1カレントミラー回路の2つの出力電流を同時または単独に調整する出力電流調整手段を備えていることを特徴とする請求項3ないし6のいずれか1項に記載の受光アンプ回路。
  8. 前記電圧差生成手段が発生する電圧差を調整する電圧差調整手段を備えていることを特徴とする請求項請求項3ないし6のいずれか1項に記載の受光アンプ回路。
  9. 前記電流差生成手段の出力電流を調整する電流差調整手段を備えていることを特徴とする請求項3ないし6のいずれか1項に記載の受光アンプ回路。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の受光アンプ回路を備えていることを特徴とする光ピックアップ。
  11. 前記受光アンプ回路はレーザ光源から出射されるレーザビームの光量を検出するために用いられることを特徴とする請求項10に記載の光ピックアップ。
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