JP2003101131A - 半導体レーザ制御装置 - Google Patents

半導体レーザ制御装置

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JP2003101131A
JP2003101131A JP2001288516A JP2001288516A JP2003101131A JP 2003101131 A JP2003101131 A JP 2003101131A JP 2001288516 A JP2001288516 A JP 2001288516A JP 2001288516 A JP2001288516 A JP 2001288516A JP 2003101131 A JP2003101131 A JP 2003101131A
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monitor
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Junji Omori
淳史 大森
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 温度検出器などの検出素子を用いることな
く、光出力やモニタ電流の温度特性に依らずに安定した
光出力が得られる半導体レーザ制御装置を提供する。 【解決手段】 半導体レーザLDの発光時の順方向電流
を制御する光・電気負帰還ループ2の制御区間におい
て、半導体レーザLDの発光レベルをモニタする発光レ
ベルモニタ信号Vmaを増幅する信号増幅器21の信号
増幅率Aを、発光レベル制御信号に対応する基準温度信
号VLD0と半導体レーザLDの駆動電流に対応する動
作電圧VLDとの値に応じて変更設定することにより、
半導体レーザLDの温度特性によるモニタ電流や光出力
の変動を低減させることができ、温度検出器などの他の
検出器などを用いることなく、電気的な回路構成により
温度変化に依らず光出力の安定した制御を行うことがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザプリンタ、
デジタル複写機、光ディスク装置、光通信装置等におい
て光源として用いられる半導体レーザを駆動制御するた
めの半導体レーザ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体レーザは極めて小型であり、か
つ、駆動電流により高速に直接変調を行うことができる
ので、近年、レーザプリンタ等の光源として広く用いら
れている。
【0003】しかし、半導体レーザの駆動電流と光出力
との関係は、温度により著しく変化するので、半導体レ
ーザの光強度を所望の値に設定しようとする場合、問題
となる。そこで、この問題を解決し半導体レーザの利点
を活かすため、従来、様々なAPC(Automatic Powe
r Control)回路が提案されている。このAPC回路の
一例として、特開平11-298079号公報による提
案例がある。
【0004】APC回路として、半導体レーザの光出力
を受光素子によりモニタし、パワー設定時間内では発光
レベル信号と光出力に比例したモニタ電流に比例した信
号とが等しくなるように、光・電気負帰還ループにより
半導体レーザの順方向電流を制御し、パワー設定時間外
では、パワー設定時間内に設定した半導体レーザ順方向
電流をサンプルホールド回路により保持し、光出力を所
望の値に設定すると共に、順方向電流を変調信号に基づ
いて変調することにより、半導体レーザを変調信号によ
り点灯、消灯させる方式がある。
【0005】この方式では、半導体レーザの高速変調が
可能となるが、半導体レーザの光出力の常時制御を行っ
ているわけではないため、外乱などにより容易に光出力
が変動してしまう。また、外乱として半導体レーザのド
ゥループ特性があり、光出力に数%の誤差を生じてしま
う。このような点を改良した方式として特開平2−20
5086号公報に示される例がある。
【0006】また、半導体レーザの発光パワーを制御す
る際、半導体レーザの発光状態を受光素子によりモニタ
し、受光素子の出力信号、即ち、モニタ電流を電流−電
圧変換回路により電圧信号に変換し、その電圧信号をレ
ーザ駆動制御回路にフィードバックして半導体レーザが
適正なパワーで発光するように制御し、パルス発光時に
おけるフォトダイオード(受光素子)の出力信号の波形
なまりの補償を行う一例として特開平5−121805
号公報例がある。
【0007】そこで、光・電気負帰還ループで構成され
る従来の半導体レーザ制御装置の構成例を図19に示
す。
【0008】まず、半導体レーザLDとこの半導体レー
ザLDの光出力の一部をモニタする受光素子PDとが設
けられている。そして、受光素子PDから得られる半導
体レーザLDの発光時の光出力に比例したモニタ信号
と、半導体レーザLDの発光レベルを設定する外部から
の発光レベル制御信号とが等しくなるように半導体レー
ザLDの順方向電流を制御する第1の誤差増幅部1を含
んで構成される第1の光・電気負帰還ループ2が設けら
れている。また、コレクタに半導体レーザLD、ベース
に半導体レーザLDの順方向電流信号、エミッタ・接地
間に抵抗RLDが接続された駆動トランジスタQ1が設
けられている。そして、半導体レーザLDの消光時の駆
動トランジスタQ1のエミッタ電位が、消光レベル制御
電圧(バイアスレベル制御信号)と等しくなるように半
導体レーザLDの順方向電流を制御する第2の誤差増幅
部3から構成される第2の光・電気負帰還ループ4が設
けられている。このように、発光時と消光時との二重の
光・電気負帰還ループ2,4が形成されている。
【0009】また、半導体レーザLDを変調駆動させる
タイミングを生成する変調信号により半導体レーザLD
の発光、消光の順方向電流を切換える電流駆動部5を備
え、第1、第2の各誤差増幅部1,3出力から得られる
光出力の発光レベル値、消光レベル値をホールドするピ
ーク、ボトムの2系統のサンプルホールド回路6,7に
おいて、サンプルホールド制御タイミングは変調信号が
連続した一定期間(ここでは、τとする)同一ステート
となる場合に自動制御を行う制御方法を実行する。この
ため、変調信号は時間τの遅延回路8を介してサンプル
ホールド回路6の系統に対してはNORゲート9により
サンプルホールド制御がスイッチングされ、サンプルホ
ールド回路7の系統に対してはANDゲート10により
サンプルホールド制御がスイッチングされるように構成
されている。また、コンデンサC1,C2は各々の系統
の順方向電圧を保持するサンプルホールド用コンデンサ
である。
【0010】このような半導体レーザ制御装置の構成に
より、画像形成装置などにおいて、画像域と非画像域と
に関わらず、或る一定の期間連続して発光又は消光する
制御期間において半導体レーザLDの順方向電流の制御
が行われる。
【0011】ここに、半導体レーザLDの発光パワー
(光出力P0)を制御する際に、半導体レーザLDの発
光状態をモニタするフォトダイオード等の受光素子PD
の出力信号であるモニタ電流Imを抵抗RPDを用いて
電流−電圧変換し、その電圧信号(モニタ電圧Vm)を
レーザ駆動制御回路にフィードバックしているが、光出
力制御を高精度に行うためには、モニタ電流Im出力は
フィードバック時に信号比較の対象となる発光レベル制
御信号に対して比較制御を行う適正な出力値を得られる
ことが望ましい。
【0012】一方、近年、レーザプリンタやデジタル複
写機などの画像形成装置において、光源として用いられ
る半導体レーザは、画像の高密度化に伴いビームスポッ
ト径の微小化が望まれることから、その手段として短波
長半導体レーザのニーズが高まっている。
【0013】また、半導体レーザLDのモニタ電流Im
は、異なる波長の半導体レーザにおけるモニタ信号(電
圧値)を比較した場合、780nm帯の赤外色半導体レ
ーザに比べ、650nmの赤色半導体レーザにおいてモ
ニタ電流が小さくなる傾向が見られる。よって、受光素
子PDの端子に直列に抵抗RPDを接続し、モニタ電流
Imを電圧に変換してモニタ信号を電圧値Vmとして検
出する場合、650nmの赤色半導体レーザのモニタ電
圧は、780nm帯の赤外色半導体レーザのモニタ電圧
に比べ値が小さく、モニタ電流の場合と同様にモニタ信
号(電圧値)においても短波長時にモニタ信号値の低減
が認められる。
【0014】このような半導体レーザの波長の違いによ
る受光素子のモニタ信号の出力値低減は、光・電気負帰
還ループ2でモニタ信号Vmと発光レベル制御信号との
差動増幅により光出力を制御する系において、モニタ信
号Vmが微小な値となることにより、例えば、短波長半
導体レーザで一定の発光を行う場合に、発光レベル制御
信号が微小な値で制御することとなり、光出力を可変す
る場合においてモニタ信号Vmと発光レベル制御信号の
レベルに差異が生じて発光制御の精度が低下するととも
に、微小信号故にモニタ信号や発光レベル制御信号への
ノイズ重畳等により光出力制御が精度良くできなくなっ
てしまう。
【0015】そこで、短波長半導体レーザのようにモニ
タ電流が微小な値となる半導体レーザを用いる場合にお
いても、光出力制御を安定して精度良く行わせる方法と
して、モニタ信号増幅器を用いることで、モニタ電流の
微小信号を増幅して制御する方法がある。
【0016】このような受光素子PDのモニタ信号Vm
を増幅する信号増幅器を備えた従来の構成例を図20に
示す。即ち、図19との対比で、モニタ電流Imから電
圧Vmに変換されたモニタ信号の振幅を増幅するための
信号増幅器11を備えている。
【0017】図20に示すような構成によれば、短波長
半導体レーザのようにモニタ電流Imの値が小さく、そ
の結果、モニタ信号Vmも微小な値となる場合におい
て、モニタ信号の電圧値をVmaとして増幅することが
できる。さらに、発光レベル制御信号のレベルが或る決
まった範囲内のときに、信号増幅器11の信号増幅率A
0を適切な値に設定することでモニタ信号Vmaと発光
レベル制御信号とを同等の値に設定可能となり、モニタ
信号の振幅補償を行うことにより光出力制御の安定性や
精度を高く設定することができる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】このような方法では、
モニタ電流Imを電圧変換したモニタ電圧Vmの振幅を
オペアンプなどの信号増幅器11を用いて増幅しVma
として出力することにより、発光レベルのレーザ制御を
モニタ電圧との差動出力より行う発光レベル制御信号の
信号振幅を大きくとることが可能となり、発光レベルの
精度が向上する効果がある。しかし、半導体レーザLD
の温度特性によるモニタ電流Imや光出力P0の変動を
低減させるには、温度検出器などで半導体レーザLDの
周辺部の温度を検出し、その値を基に温度特性の補正を
行う方法があるものの、半導体レーザ制御装置の他に温
度検出器などの検出素子を付加することが必要となる。
【0019】そこで、本発明は、例えば、温度検出器な
どの検出素子を用いることなく、光出力やモニタ電流の
温度特性に依らずに安定した光出力が得られる半導体レ
ーザ制御装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
半導体レーザの光出力の一部をモニタする受光素子から
得られる前記半導体レーザの発光時の光出力に比例した
発光レベルモニタ信号と、発光レベル制御信号とが等し
くなるように前記半導体レーザの順方向電流を制御する
第1の誤差増幅部を含んで構成される第1の光・電気負
帰還ループと、コレクタに前記半導体レーザ、ベースに
前記半導体レーザの順方向電流信号、エミッタ・接地間
に抵抗が接続された駆動トランジスタの前記半導体の消
光時のエミッタ電位が、消光レベル制御電圧と等しくな
るように前記半導体レーザの順方向電流を制御する第2
の誤差増幅部を含んで構成される第2の光・電気負帰還
ループと、前記受光素子による発光レベルモニタ信号を
増幅する信号増幅器と、変調信号により前記半導体レー
ザの発光、消光の順方向電流を切換える電流駆動部と、
前記変調信号が連続した一定期間同一ステートとなる場
合にサンプルホールド制御タイミングとなって自動制御
を行うために前記第1、第2の誤差増幅部出力から得ら
れる光出力の発光レベル値、消光レベル値をホールドす
るピーク、ボトムの2系統のサンプルホールド回路とを
備える半導体レーザ制御装置であって、前記信号増幅器
は信号増幅率が変更自在であり、基準温度信号VLD0
と前記半導体レーザの動作電圧VLDとの値に応じて信
号増幅率が設定される。
【0021】従って、半導体レーザの発光時の順方向電
流を制御する光・電気負帰還ループの制御区間におい
て、半導体レーザの発光レベルをモニタする発光レベル
モニタ信号を増幅する信号増幅器の信号増幅率を、基準
温度信号VLD0と動作電圧VLDとの値に応じて変更
設定することにより、温度検出器などの他の検出器など
を用いることなく、電気的な回路構成により温度変化に
依らず光出力の安定した制御を行うことができる。即
ち、信号増幅器の信号増幅率を変化させる入力信号とし
て、光出力時の半導体レーザの電流信号である駆動トラ
ンジスタのエミッタ端子と接地間を接続する抵抗の端子
電圧である動作電圧VLDの電圧値と、或る温度条件下
において現在の光出力値を設定する信号である発光レベ
ル制御信号を入力した場合のモニタ電圧と同電位とする
基準温度信号VLD0との2つの信号の大小関係を用い
ることにより、モニタ電圧を発光レベル制御信号と比較
する前に信号増幅することで、温度変化時における受光
素子のモニタ電流の変動を補正し、温度に依らない光出
力値の一定制御を行うことができる。
【0022】請求項2記載の発明は、請求項1記載の半
導体レーザ制御装置において、前記信号増幅器は、一定
の信号増幅率で前記発光レベルモニタ信号を増幅する第
1の信号増幅器と、信号増幅率が変更自在で前記第1の
増幅器により増幅された信号を前記基準温度信号VLD
0と前記動作電圧VLDとの値に応じて設定される信号
増幅率で増幅する第2の信号増幅器とにより構成されて
いる。
【0023】従って、信号増幅器を、半導体レーザの発
光レベルをモニタする発光レベルモニタ信号の振幅値を
増幅する第1の信号増幅器と、増幅されたこの信号を基
準温度信号VLD0と動作電圧VLDとの値に応じて設
定される信号増幅率で増幅する第2の信号増幅器とによ
り構成することにより、第1の信号増幅器で大振幅信号
として得られたモニタ電圧に含まれる温度特性を、基準
温度信号VLD0と動作電圧VLDの値に基づいて第2
の信号増幅器において一定倍率補正することにより、温
度検出器などの他の検出器などを用いることなく、電気
的な回路構成により温度変化に依らず光出力の安定した
制御を行うことができる。また、信号増幅をモニタ信号
の振幅増幅を一定増幅率で行う第1の信号増幅器と、温
度特性を補正するために動作電圧VLDと基準電圧信号
VLD0とにより求まる倍率だけ微調変更する第2の信
号増幅器とに分けた構成により、温度特性の微小な変動
を高精度に補正することが可能となる。
【0024】請求項3記載の発明は、請求項1記載の半
導体レーザ制御装置において、前記信号増幅器は、一定
の信号増幅率で前記発光レベルモニタ信号を増幅する第
1の信号増幅器と、信号増減度が変更自在で前記第1の
増幅器により増幅された信号の振幅値を前記基準温度信
号VLD0と前記動作電圧VLDとの値に応じて設定さ
れる信号増減度で増減する信号増減器とにより構成され
ている。
【0025】従って、信号増幅器を、半導体レーザの発
光レベルをモニタする発光レベルモニタ信号の振幅値を
増幅する第1の信号増幅器と、増幅されたこの信号を基
準温度信号VLD0と動作電圧VLDの値に応じて設定
される信号増減度で振幅値の微増、微減を行う信号加減
算器とにより構成することにより、第1の信号増幅器で
大振幅信号として得られたモニタ電圧に含まれる温度特
性を、基準温度信号VLD0と動作電圧VLDの値に基
づいて信号増減器において微増、微減などの高精度な制
御を行うことができ、温度検出器などの他の検出器など
を用いることなく、電気的な回路構成により温度変化に
依らず光出力の安定した制御を行うことができる。
【0026】請求項4記載の発明は、請求項2記載の半
導体レーザ制御装置において、前記第2の信号増幅器
は、前記基準温度信号VLD0と前記動作電圧VLDと
の差動信号出力がゼロのときには信号増幅率が1に設定
され、前記差動信号出力がゼロ以外のときにはその正負
に応じて信号増幅率が1に対して大小何れかの値に設定
される。
【0027】従って、請求項2記載の発明を実現する上
で、基準温度を半導体レーザの通常使用温度とした場合
などにおいて、或る温度時の動作電圧VLDを基準とし
この基準に対して信号増幅率の大小をとることにより、
或る温度を中心とした高精度な光出力補正を行うことが
できる。
【0028】請求項5記載の発明は、請求項3記載の半
導体レーザ制御装置において、前記信号増減器は、前記
基準温度信号VLD0と前記動作電圧VLDとの差動信
号出力がゼロのときには信号増減度がゼロに設定され、
前記差動信号出力がゼロ以外のときにはその正負に応じ
て信号増減度が正負の何れかの値に設定される。
【0029】従って、請求項3記載の発明を実現する上
で、基準温度を半導体レーザの通常使用温度とした場合
などにおいて、或る温度時の動作電圧VLDを基準とし
この基準に対して信号増減度の正負をとることにより、
或る温度を中心とした高精度な光出力補正を行うことが
できる。
【0030】請求項6記載の発明は、請求項2記載の半
導体レーザ制御装置において、前記第2の信号増幅器
は、前記基準温度信号VLD0と前記動作電圧VLDと
の差動信号出力が最大値又は最小値をとるときには信号
増幅率が1に設定され、前記差動信号出力の値に応じて
前記信号増幅率が1より小さい値又は1より大きい値の
何れかに可変設定される。
【0031】従って、請求項2記載の発明を実現する上
で、基準温度信号VLD0と動作電圧VLDとの差動信
号をとり、差動信号出力が最大値又は最小値をとる場合
に信号増幅率を1と設定することで、差動信号出力値に
応じて信号増幅率が1より小さい値又は1より大きい値
の何れかのみをとるように制御を行うことにより、発光
レベルモニタ信号の補正値を換算しやすい構成とするこ
とができ、温度に依らず光出力の高精度な制御を行うこ
とができる。
【0032】請求項7記載の発明は、請求項3記載の半
導体レーザ制御装置において、前記信号増減器は、前記
基準温度信号VLD0と前記動作電圧VLDとの差動信
号出力が最大値又は最小値をとるときには信号増減度が
ゼロに設定され、前記差動信号出力の値に応じて前記信
号増減度が負の値又は正の値の何れかに可変設定され
る。
【0033】従って、請求項3記載の発明を実現する上
で、基準温度信号VLD0と動作電圧VLDとの差動信
号をとり、差動信号出力が最大値又は最小値をとる場合
に信号増減度をゼロと設定することで、差動信号出力値
に応じて信号増減度が負の値又は正の値の何れかのみを
とるように制御を行うことにより、発光レベルモニタ信
号の補正値を換算しやすい構成とすることができ、温度
に依らず光出力の高精度な制御を行うことができる。
【0034】また、請求項4又は5記載の発明を実現す
る上で、基準温度信号VLD0を取得する温度条件を、
半導体レーザの使用温度範囲の中央値近傍に設定するこ
とにより、温度特性によるレーザ発光時の光出力値補正
を行う差動信号出力を、ゼロを中心とする正負の小信号
による補正が可能となり、温度に依らず光出力の高精度
な制御を行うことができる。
【0035】また、請求項6又は7記載の発明を実現す
る上で、基準温度信号VLD0を取得する温度条件を、
差動信号出力が最大値で1となる場合には半導体レーザ
の使用温度範囲の上限近傍に設定することで、例えば、
信号増幅率は常に1より小さい値となるためモニタ電圧
として微小な値をとることができ、半導体レーザの温度
変動が小さい場合などにおいて、温度に依らず高精度な
光出力制御を行うことができる。逆に、基準温度信号V
LD0を取得する温度条件を、差動信号出力が最小値で
1となる場合には半導体レーザの使用温度範囲の下限近
傍に設定することで、信号増幅率は常に1より大となる
ため、半導体レーザの動作電流の温度変動が大きい場合
などに、温度変化による光出力補正を高精度に行うこと
ができる。信号増減度の場合も同様である。
【0036】また、請求項1ないし3記載の発明を実現
する上で、基準温度信号VLD0を設定するため、発光
レベル制御信号Vcを入力信号として、予め特定の温度
条件Tにおける動作電圧VLDと発光レベル制御信号V
cの光出力制御範囲に渡るデータをメモリバッファに保
存しておき、実際に入力される発光レベル制御信号Vc
の値に基づいて温度T時の基準温度信号VLD0をメモ
リバッファから読み出して設定することで、発光レベル
モニタ信号の制御を行うことにより、或る温度条件Tに
おける光出力値を基準として、高精度な光出力補正を行
うことができる。
【0037】また、請求項1又は2記載の発明を実現す
る上で、発光レベルモニタ信号の値を決定する信号増幅
器ないしは第2の信号増幅器の信号増幅率を設定するた
めに、或る温度条件Tにおける発光レベル制御信号、動
作電圧及び信号増幅率の関係を基準値として設定し、実
際に入力される発光レベル制御信号のレベルにより動作
電圧に対する信号増幅率の値を変更させる機能を有する
信号変換器を用いることにより、温度変化時にも高精度
な発光レベルモニタ信号制御が行え、温度に依らず発光
レベル制御信号により決まる一定の光出力を高精度に得
ることができる。
【0038】また、請求項3記載の発明を実現する上
で、発光レベルモニタ信号の値を決定する信号増減器の
信号増減度を設定するために、或る温度条件Tにおける
発光レベル制御信号、動作電圧及び信号増減度の関係を
基準値として設定し、実際に入力される発光レベル制御
信号のレベルにより動作電圧に対する信号増減度の値を
変更させる機能を有する信号変換器を用いることによ
り、温度変化時にも高精度な発光レベルモニタ信号制御
が行え、温度に依らず発光レベル制御信号により決まる
一定の光出力を高精度に得ることができる。
【0039】
【発明の実施の形態】本発明の第一の実施の形態を図1
ないし図7に基づいて説明する。図19及び図20で示
した部分と同一部分は同一符号を用いて示し、説明も省
略する(以降の各実施の形態でも順次同様とする)。
【0040】まず、図20で前述した従来技術では、半
導体レーザLDの発光時の発光レベルを制御する発光レ
ベル制御信号Vcと、受光素子PDによるモニタ電圧V
mとの差動信号により発光時のレベルを制御し、半導体
レーザLDの消灯時のバイアスレベルを制御するバイア
スレベル制御信号と、LD駆動電流を抵抗RLDにより
電圧値変換して得られる動作電圧VLDとの差動信号に
より消灯時のレベルを制御し、発光レベル制御を行うモ
ニタ電圧Vmを信号増幅器11で増幅することでモニタ
電流Imが微小な値の場合にも高精度の発光レベル制御
を行っている。
【0041】上記の構成において、温度T1<T2<T
3の3状態での動作電流、動作電圧と光出力との関係、
及び、モニタ電流、モニタ電圧と光出力との関係を図2
に示す。
【0042】温度T2を基準温度とし、この基準温度T
2のときに所定の光出力P2が得られるように発光レベ
ル制御信号を設定する(Vc2とする)。このときの制御
を考えると、設定初期は発光レベル制御信号Vc2と発
光レベルモニタ信号Vma2が釣り合っていないとする
と、半導体レーザLDにはLD駆動電流を増減のどちら
かを行う制御がかかり、半導体レーザLDの発光量は変
化する。そのときの発光量により受光素子PDにはモニ
タ電流Imが流れるが、温度T2の場合に光出力P2が
得られるにはモニタ電流としてIm2の電流が、モニタ
電圧Vm2としてはVm2=Im2×RPDが得られる
必要がある。このとき発光量P2を得るためには、モニ
タ電圧を信号増幅器11により信号増幅(信号増幅率A
2とする)して得られる発光レベルモニタ信号Vma2
(=A2×Vm2)が発光レベル制御信号Vc2と釣り
合うように信号増幅器11の信号増幅率A2を決めてや
れば良い。
【0043】同様に、温度T2のときに光出力P2′を
得るための発光レベル制御信号をVc2′とすると、モ
ニタ電流Im2′、モニタ電圧Vm2′となり、上述の
場合と同様に発光レベルモニタ信号Vma2′=A2′
×Vm2′となるように信号増幅器11の信号増幅率を
決めてやれば良い。
【0044】但し、温度一定時における光出力とモニタ
電流との関係を1次式に近似する場合、モニタ電流は光
出力に比例し、モニタ電流を電圧変換したモニタ電圧も
また比例するため、モニタ電圧を信号増幅する信号増幅
率を一定値、例えば、A2とした場合、光量とモニタ電
圧、及びモニタ電圧を信号増幅した発光レベルモニタ信
号も光量に比例した値をとる。発光レベル制御信号が光
量に対してある一定倍率で増加しているとするとき、発
光レベルモニタ信号が或る光量における発光レベル制御
信号と等しくなるように信号増幅器11の信号増幅率を
決めることにより、温度T2のときにおける光出力の高
精度な制御を行うことができる。
【0045】しかし、上記構成では温度がT2から例え
ば低い温度T1に変化した場合、モニタ電流−光出力特
性の傾きが変わるため所望の光出力P2を得ることがで
きない。図3に図2の拡大図及び上記不具合の解決法に
ついて示す。いま、モニタ信号の信号増幅を行う信号増
幅率を、温度T2のときに最適化した値A2であるとす
る。このとき温度T2の場合には、発光レベル制御信号
Vc2と発光レベルモニタ信号Vma2=A2×Vm2
との間には、Vc2=Vm2が成り立ち、その時の動作
電流をILD2とする。
【0046】温度がT1と低くなった場合、モニタ電流
と光出力の関係は図3(b)中に示すように傾きが変化
し、前述の制御方法ではモニタ電圧がIm2のときに光
出力P2を得るように設定しているため、温度T1時に
はモニタ電流はIm2で平衡を保ち、モニタ電圧がVm
2、発光量がP1となり、そのときの動作電流はILD
1となり所望の光量P2から誤差が生じてしまう。
【0047】同様に、温度がT2から高い温度T3に変
化した場合、モニタ電流−光出力特性の傾きが変わり、
所望の光出力P2を得ることができない。温度がT3と
高くなった場合、モニタ電流と光出力の関係は図3(b)
中に示すように傾きが変化し、温度T3時にはモニタ電
流はIm2で平衡を保つので、発光量がP3となり、そ
のときの動作電流はILD3となり、所望の光量P2か
ら誤差が生じてしまう。
【0048】このようなことから、本実施の形態では、
温度変化時における発光レベルモニタ信号と発光レベル
制御信号により制御し出力される光出力値を、温度に依
らず発光レベル制御信号により設定した光出力を得る制
御を行うものである。即ち、本実施の形態は、例えば、
図20に示したような構成を基本とし、半導体レーザL
Dと受光素子PDとの各々が持つ温度特性により発光レ
ベル制御に生じる誤差を補正する手段を講じたものであ
る。具体的には、信号増幅率Aが可変自在であり、基準
温度信号VLD0と半導体レーザLDの動作電圧VLD
との値に応じて信号増幅率Aが設定される信号増幅器2
1をモニタ信号増幅用に用いたものである。
【0049】図1ないし図3において、温度T2を基準
温度として基準温度T2時のモニタ電流Im2、モニタ
電圧Vm2、信号増幅器21の信号増幅率をA2、発光
レベルモニタ信号をVma2とする。このとき、光出力
P2を得るための発光レベル制御信号をVc2とする
と、Vc2=Vma2=A2×Vm2=A2×Im2×
RPDが成り立つ。
【0050】ここで、温度がT2で一定の場合には、モ
ニタ電流と光出力との間には、両出力値が0を基準とし
た線形に近似できる関係があり、発光レベル制御信号V
c2と光出力Pとの間には発光レベル制御範囲がLD発
光領域では線形に近似できる関係があるので、LD発光
領域において発光レベル制御信号Vc2とモニタ電流I
mとの間にも一定の線形に近似できる関係がある。この
関係を本実施の形態では、信号増幅率A2と置くことに
より、温度T2時の発光レベル制御信号Vc2に対する
光出力Pを、発光レベル制御信号Vc2を所定の設定と
することにより得ることができる。
【0051】また、温度T2から低い温度T1に変化し
た場合、図3に示すようにモニタ電流−光出力特性の傾
きが変わり、制御としては基準温度T2時の発光レベル
制御信号Vc2に対して釣り合うように、モニタ電流I
m2、モニタ電圧Vm2となる光出力P1が得られるこ
とになる(図3参照)。このとき動作電流としてはI
LD1が得られるが(図3参照)、この値は温度T2
の基準温度時におけるILD2より小さい値となってい
る。そこで、温度T1時に光出力P2が得られるような
動作電流をA1×ILD1とすると、このときのモニタ
電流としてはIm1が得られる(図3参照)。
【0052】よって、温度T2時における発光レベルモ
ニタ信号Vc2に対して、モニタ電流としてIm1が流
れている場合には光出力としては温度T2と同じように
P2が得られることになる。つまり、モニタ電流がIm
1となるということは、モニタ電圧がVm1=Im1×
RPDとなればよいわけであり、温度T1時に得られる
動作電流ILD1、動作電圧VLD1と、基準温度T2
時の動作電流ILD2、動作電圧VLD2(図1ではV
LD2を基準温度信号VLD0とする)との比較値によ
り、基準温度に対する温度変化が分かる。比較値によっ
て信号増幅器21の信号増幅率Aを変化させ、温度T1
時にはモニタ電圧Vm2、発光レベルモニタ信号Vma
2=A2×Vm2=Vc2で釣り合う制御を、モニタ電
圧Vm1、発光レベルモニタ信号Vma1=A1×Vm
1=Vc2となるように制御する。これにより、温度T
1時にも基準温度T2時と同様の発光レベル制御信号V
c2により、温度変化に依らず高精度の光出力制御を行
うことができる。
【0053】同様に、温度T2から高い温度T3に変化
した場合、図3に示すようにモニタ電流−光出力特性の
傾きが変わり、制御としては基準温度T2時の発光レベ
ル制御信号Vc2に対して釣り合うように、モニタ電流
Im2、モニタ電圧Vm2となる光出力P3が得られる
ことになる(図3参照)。このとき動作電流としては
ILD3が得られるが(図3参照)、この値は温度T
2の基準温度時におけるILD2より大きい値となって
いる。そこで、温度T3時に光出力P2が得られるよう
な動作電流をA3×ILD3とすると、このときのモニ
タ電流としてはIm3が得られる(図3参照)。
【0054】よって、温度T2時における発光レベルモ
ニタ信号Vc2に対して、モニタ電流としてIm3が流
れている場合には光出力としては温度T2と同じように
P2が得られることになる。つまり、モニタ電流がIm
3となるということは、モニタ電圧がVm3=Im3×
RPDとなればよいわけであり、温度T3時に得られる
動作電流ILD3、動作電圧VLD3と、基準温度T2
時の動作電流ILD2、動作電圧VLD2(図1ではV
LD2を基準温度信号VLD0とする)との比較値によ
り、基準温度に対する温度変化が分かる。比較値によっ
て信号増幅器21の信号増幅率Aを変化させ、温度T3
時にはモニタ電圧Vm2、発光レベルモニタ信号Vma
2=A2×Vm2=Vc2で釣り合う制御を、モニタ電
圧Vm3、発光レベルモニタ信号Vma3=A3×Vm
3=Vc2となるように制御する。これにより、温度T
3時にも基準温度T2時と同様の発光レベル制御信号V
c2により、温度変化に依らず高精度の光出力制御を行
うことができる。
【0055】次に、各温度T2,T1,T3における本
実施の形態のタイムチャートを図4ないし図6に示す
(図4は温度T2の時、図5は温度T1の時、図6は温
度T3の時を各々示している)。
【0056】本実施の形態では、変調信号が或る一定期
間、ここではτ連続した発光或いは消灯の状態のとき
に、発光レベル、消灯レベルの値を制御するものであ
る。
【0057】まず、図4より、温度T2時に発光レベル
制御信号Vc2のとき変調信号の立ち上がりτ時間後に
発光レベルの制御を開始する発光制御信号がオンとな
る。制御前のモニタ信号をVm0、発光レベルモニタ信
号をVma0、光出力をP0としたとき、発光制御信号
がオンとなったとき発光レベル制御信号Vc2に対して
発光レベルモニタ信号Vmaが釣り合うように制御を行
い、制御後にはモニタ信号Vm2=Im2×RPD、発
光レベルモニタ信号Vma2=A2×Vm2=Vc2、
光出力P2となる。
【0058】これに対して温度がT1のように低くなっ
た場合には、動作電圧VLD1と基準温度信号VLD0
との値により信号増幅器21の信号増幅率をA2からA
1と変化させることによって、モニタ信号Vm1=Im
1×RPD、発光レベルモニタ信号Vma1=A1×V
m1=Vc2、光出力P2となり、温度変化時にも発光
レベル制御信号に依らず一定の光出力を得ることができ
る。
【0059】一方、温度がT3のように高くなった場合
には、動作電圧VLD3と基準温度信号VLD0との値
により信号増幅器21の信号増幅率をA2からA3と変
化させることによって、モニタ信号Vm3=Im3×R
PD、発光レベルモニタ信号Vma3=A3×Vm3=
Vc2、光出力P2となり、温度変化時にも発光レベル
制御信号に依らず一定の光出力を得ることができる。
【0060】なお、図7は本実施の形態に関して、信号
増幅器21の具体的な構成例を示すものである。即ち、
信号増幅器21をオペアンプ22により構成し、基準温
度信号VLD0と動作電圧VLDとにより決める信号増
幅率Aを、減算器23により得られる基準温度信号VL
D0と動作電圧VLDとの差動信号の振幅値により決定
し、オペアンプ22の出力値制御を行う構成とされてい
る。
【0061】より具体的には、差動増幅型のオペアンプ
22により構成されており、正相に基準温度信号VLD
0と動作電圧VLDの差動信号(VLD-VLD0)を、
負相にモニタ電圧(Vm)を入力したオペアンプ22によ
り、次式に示す発光レベルモニタ信号Vmaに増幅され
る。
【0062】Vma=(R2/R1){(VLD−VL
D0)−Vm} よって、差動信号(VLD-VLD0)とオペアンプ22
の信号増幅率Aを決定する抵抗R1,R2の組合せによ
りモニタ電圧Vmに対して発光レベルモニタ信号Vma
が発光レベル制御信号Vcと等しくなり、かつ、光出力
値が一定となるような制御を行うことにより、温度検出
器などを用いずに半導体レーザLD及び受光素子PDの
温度変動の影響を受けることなく、発光レベル制御信号
Vcに基づく一定の光出力を高精度に得ることができ
る。
【0063】本発明の第二の実施の形態を図8及び図9
に基づいて説明する。本実施の形態では、温度変化時に
おける光出力値Pを温度に依らず一定に保つため、発光
レベル制御信号Vcとその比較信号である発光レベルモ
ニタ信号Vmとが等しい値をとる構成において、発光レ
ベルモニタ信号の基準となるモニタ電圧Vmを或る一定
の信号増幅率Bで信号増幅する第1の信号増幅器24
と、基準温度信号VLD0と動作電圧Vmとにより信号
増幅率Cを設定して第1の信号増幅器24の出力信号で
あるモニタ電圧Vm′を信号増幅する第2の信号増幅器
25とにより、信号増幅器21に相当する信号増幅器を
構成したものである。
【0064】本実施の形態においても、その基本原理は
前述の実施の形態の場合と同じであるが、本実施の形態
では、微小信号であるモニタ電圧を信号増幅する第1の
信号増幅器24と、第1の信号増幅器24により信号増
幅されたモニタ電圧Vm′を基準温度に対して温度変化
分だけ信号増幅する第2の信号増幅器25とを有し、こ
の第2の信号増幅器25の信号増幅率Cを、基準温度信
号VLD0と動作電圧VLDとの両信号より求めて、温
度変化分の信号増幅を行わせるようにしたものである。
【0065】本実施の形態の構成によれば、微小な信号
であるモニタ電圧を一旦第1の信号増幅器24により一
定の信号増幅率Bで信号増幅した後に、温度変化分に相
当する信号増幅率Cの信号増幅を第2の信号増幅器25
により行うことにより、温度変化分の信号変動を高精度
に制御でき、結果として得られる光出力の高精度な制御
を行うことができる。
【0066】なお、図9は本実施の形態に関して、第
1,第2の信号増幅器24,25の具体的な構成例を示
すものである。図9に示す例では、第1,第2の信号増
幅器24,25は何れもオペアンプ26,27と減算器
28により構成され、各々の出力信号であるモニタ信号
Vm′、発光レベルモニタ信号Vmaは次の式で示され
る。
【0067】Vm′=−(R2/R1)(Vm) Vma=(R4/R3){(VLD−VLD0)−V
m′} 上式よりモニタ信号Vmと発光レベルモニタ信号Vma
の関係は次式で示される。
【0068】Vma=(R4/R3){(VLD−VL
D0)+(R2/R1)(Vm)} 本実施の形態によれば、温度が低くなった場合には動作
電圧VLDが下がり信号増幅率Cは減少するが、温度が
高くなった場合には動作電圧VLDが上がり信号増幅率
Cは増加する。このような信号増幅率Cを半導体レーザ
LDの特性、基準温度に基づいて設定することにより、
温度変化分の信号変動を高精度に制御でき、結果として
得られる光出力の高精度な制御を行うことができる。
【0069】本発明の第三の実施の形態を図10及び図
11に基づいて説明する。本実施の形態では、温度変化
時における光出力値Pを温度に依らず一定に保つため、
発光レベル制御信号Vcとその比較信号である発光レベ
ルモニタ信号Vmとが等しい値をとる構成において、発
光レベルモニタ信号の基準となるモニタ電圧Vmを或る
一定の信号増幅率Dで信号増幅する第1の信号増幅器2
9と、この第1の信号増幅器29により信号増幅され得
られたモニタ電圧Vm′を基準温度信号VLD0と動作
電圧Vmとの値に基づいて設定される信号増減度Eで電
圧値(振幅値)の増減を行う信号増減器30とにより、
信号増幅器21に相当する信号増幅器を構成したもので
ある。
【0070】なお、本実施の形態において、信号増減器
30によりモニタ電圧Vm′の信号振幅値を増減する度
合いを「信号増減度」と呼び、信号増減度Eがゼロのと
きは入力信号をそのまま出力信号として出力し、信号増
減度Eが正のときは入力信号の振幅を増加し、信号増減
度Eが負のときは減少させることとする。
【0071】本実施の形態の基本原理は第一の実施の形
態の場合とほぼ同じであるが、本実施の形態にあって
は、微小信号であるモニタ電圧を信号増幅する第1の信
号増幅器29と、第1の信号増幅器29により信号増幅
されたモニタ電圧Vm′を、基準温度信号VLD0と動
作電圧VLDとの両信号に基づいて設定される信号増減
度Eで基準温度に対する温度変化分だけモニタ電圧V
m′の振幅値の増減を行う信号増減器30とを備える点
を特徴としている。前述の第一、第二の実施の形態にお
いては、温度変化時のモニタ電圧の補正を、モニタ信号
又は一旦増幅後のモニタ信号を信号増幅することにより
行っているのに対して、本実施の形態では、温度変化分
だけ信号の振幅値を信号増減器30で増減することによ
り、微小な電圧変動を行うことができ、高精度なモニタ
電圧補正、ひいては光出力の温度変化に対する高精度な
補正を行うことができる。
【0072】なお、図11は本実施の形態に関して、第
1の信号増幅器29、信号増減器30の具体的な構成例
を示すものである。図11に示す例では、第1の信号増
幅器29はオペアンプ31により構成され、信号増減器
30はオペアンプ32と減算器28により構成され、各
々の出力信号であるモニタ信号Vm′、発光レベルモニ
タ信号Vmaは次の式で示される。
【0073】Vm′=−(R2/R1)(Vm) Vma=−(VLD0−VLD)−Vm′ 上式よりモニタ信号と発光レベルモニタ信号Vmaの関
係は次式で示される。
【0074】Vma=(VLD−VLD0)+(R2/
R1)(Vm) 本実施の形態によれば、温度が低くなった場合には動作
電圧VLDが下がり信号増減度Eは減少するが、温度が
高くなった場合には動作電圧VLDが上がり信号増減度
Eは増加する。このような信号増減度Eを半導体レーザ
LDの特性、基準温度に基づいて設定することにより、
温度変化分の信号変動を高精度に制御でき、結果として
得られる光出力の高精度な制御を行うことができる。
【0075】本発明の第四の実施の形態を図12に基づ
いて説明する。本実施の形態は、例えば、図10や図1
1に示したような構成の場合の信号増減器30の信号増
減度Eの決定に関する。基本的には、信号増減器30の
信号増減度Eを決めるために、基準温度信号VLD0と
動作電圧VLDとの差動信号をとり、差動信号出力がゼ
ロのときの信号増減度Eをゼロとして、差動出力信号の
正負に応じて信号増減度Eが正負の何れかの値となるよ
う制御を行うものである。
【0076】図10に示した実施の形態によれば、或る
光出力値に対してモニタ電圧Vmが得られるとき、モニ
タ電圧Vmは信号増幅器29で信号増幅率Dにより信号
増幅され、その後、基準温度信号VLD0と動作電圧V
LDとに基づいて決められる信号の振幅値の増減を行う
信号増減器30により信号増減度Eだけ振幅が変化し、
最終的に発光レベルモニタ信号Vmaが得られる構成と
なっている。
【0077】このような構成における温度変化時の挙動
を図3により説明する。いま、温度T2のとき基準温度
信号VLD0と動作電圧VLD2が釣り合うとする(V
LD0−VLD2=0)。このとき信号増減度Eはゼロ
(E=0)となり信号の増減は行われないため、発光レ
ベルモニタ電圧Vmaとしては信号増幅器29によるD
倍の信号増幅のみが行われる。
【0078】これに対して、温度T2より高くなる温度
T3の場合の動作電圧は、温度T2での動作電圧VLD
2(=VLD0)に比べ高い値VLD3となり(VLD
0−VLD3<0)、光出力はP3と所望の値より低く
なる。このとき光出力が温度T2時の発光レベル制御信
号Vc2に基づく出力値P2となるようにするため、信
号増減器30の信号増減度Eを温度変化による基準温度
信号VLD0と動作電圧VLDとの差動信号に基づいて
変化させる。動作電流ILD3、動作電圧VLD3を上
げるように、信号増減度Eが負の値をとるようにする
(E<0)ことで、モニタ電流Im、モニタ電圧Vmが
増加し、モニタ電圧がVm3のときに発光レベルモニタ
信号と発光レベル制御信号が釣り合うように動作電圧V
LDと基準温度信号VLD0に基づいて信号増減度Eを
設定することにより、発光レベルモニタ信号Vmaを補
正し、温度T2時の発光レベル制御信号Vc2による所
望の光出力を温度変化時にも得ることができる。
【0079】温度T2より低くなる温度T1の場合に
は、上記とは逆方向の制御となり、動作電圧は、温度T
2での動作電圧VLD2(=VLD0)に比べ低い値V
LD1となり(VLD0−VLD1>0)、光出力はP1
と所望の値より高くなる。よって、動作電流ILD1、
動作電圧VLD1を下げるように、信号増減器30の信
号増減度Eが正の値をとるようにする(E>0)ことで、
モニタ電流Im、モニタ電圧Vmが増加し、モニタ電圧
がVm3のときに発光レベルモニタ信号と発光レベル制
御信号が釣り合うように動作電圧と基準温度信号に基づ
いて信号増減度Eを設定することにより、発光レベルモ
ニタ信号Vmaを補正し、温度T2時の発光レベル制御
信号Vc2による所望の光出力を温度変化時にも得るこ
とができる。
【0080】本実施の形態によれば、或る温度における
動作電圧を基準として基準に対して信号増減度Eの大小
をとることにより、或る温度付近では第1の信号増幅器
29のみの補正となり、ある温度を中心とした高精度な
光出力補正を行うことができる。
【0081】なお、特に図示しないが、図8に示したよ
うに第2の信号増幅器25を用いた構成の場合であれ
ば、基準温度信号VLD0と動作電圧VLDとの差動信
号出力がゼロのときには第2の信号増幅器25の信号増
幅率Cを1に設定し、差動信号出力がゼロ以外のときに
はその正負に応じて信号増幅率Eが1に対して大小何れ
かの値に設定されるようにすればよい。即ち、VLD0
−VLD=0であればE=1、VLD0−VLD>0で
あればE>1、VLD0−VLD<0であればE<1に
設定すればよい。
【0082】従って、図8に示した構成の場合でも、基
準温度を半導体レーザLDの通常使用温度とした場合な
どにおいて、或る温度時の動作電圧VLDを基準としこ
の基準に対して信号増幅率Cの大小をとることにより、
或る温度を中心とした高精度な光出力補正を行うことが
できる。
【0083】本発明の第五の実施の形態を図12に基づ
いて説明する。本実施の形態も、例えば、図10や図1
1に示したような構成の場合の信号増減器30の信号増
減度Eの決定に関する。基本的には、信号増減器30の
信号増減度Eを決めるために、基準温度信号VLD0と
動作電圧VLDとの差動信号をとり、この差動信号出力
が最大値又は最小値をとる場合の信号増減度Eをゼロと
して、差動信号出力値の正負に応じて信号増減度Eが正
の値又は負の値の何れかのみとなるよう制御を行うもの
である。
【0084】信号増減度Eを正の値又は負の値なる一方
向変化とすることにより、信号補正を換算しやすい構成
により温度に依らず高精度な光出力を得ることができ
る。
【0085】例えば、差動信号出力が最小値(VLD0
−VLD=MIN)をとる場合に信号増減度Eをゼロ
(E=0)となるように制御する場合には、差動信号出
力としてはゼロより大きい正の値((VLD0−VLD
>MIN)をとり、信号増減度EもE>0となる。よっ
て、例えば差動信号出力の最小値を半導体レーザLDの
使用温度範囲の下限近傍に設定することにより、通常使
用状態では常に一定以上の正の値を信号増減器30の信
号増減値Eにより与える制御を行うことになる。
【0086】逆に、差動信号出力が最大値(VLD0−
VLD=MAX)をとる場合に信号増減度Eをゼロ(E
=0)となるように制御する場合には、差動信号出力と
してはゼロより小さい負の値((VLD0−VLD<M
AX)をとり、信号増減度EもE<0となる。よって、
例えば差動信号出力の最大値を半導体レーザLDの使用
温度範囲の上限近傍に設定することにより、通常使用状
態では常に一定以上の負の値を信号増減器30の信号増
減値Eにより与える制御を行うことになる。
【0087】なお、特に図示しないが、図8に示したよ
うに第2の信号増幅器25を用いた構成の場合であれ
ば、第2の信号増幅器25の信号増幅率Cを決めるため
に、基準温度信号VLD0と動作電圧VLDの差動信号
をとり、この差動信号出力が最大値又は最小値をとる場
合の信号増幅率を1と設定し、差動信号出力値の正負に
対して信号増幅率が1より大きい値又は小さい値の何れ
かの値のみとなるよう制御を行えばよい。
【0088】本発明の第六の実施の形態を図13に基づ
いて説明する。本実施の形態は、第四の実施の形態を実
現する上で、基準温度信号VLD0を取得する温度条件
を、半導体レーザLDの使用温度範囲の中央値近傍に設
定するようにしたものである。
【0089】前述の第四の実施の形態によれば、温度変
動による光出力の補正を行う発光レベルモニタ信号の信
号増減度E(又は、信号増幅率C)を、基準温度出力信
号VLD0と動作電圧VLDとの差動信号により決定す
るものであり、本実施の形態では差動信号の値がゼロと
なるときを半導体レーザLDの使用温度範囲の中央値近
傍である基準温度に設定することによって、半導体レー
ザLDの通常使用温度状態では信号増減器30の信号増
減度Eはほぼゼロとなり、第1の信号増幅器29のみに
よる信号増幅が行われるのと同等になる。
【0090】図13(a)に光出力−動作電流、動作電
圧の関係を、(b)に光出力、モニタ電流、モニタ電圧
の関係を示す。図13によれば、半導体レーザLDの使
用温度範囲の中央値近傍を基準温度をT2とした場合、
基準温度に対する温度の高低により温度が高い場合には
信号増減度Eが正、低い場合には信号増減度Eが負とな
り、基準温度からの電圧差によって信号増減度Eの値を
決めることにより、基準温度時を中心として光出力の高
精度な制御を行うことができる。
【0091】特に図示しないが、第2の信号増幅器25
に対する信号増幅率Cの場合も同様である。
【0092】本発明の第七の実施の形態を図14に基づ
いて説明する。本実施の形態は、前述の第五の実施の形
態を実現する上で、第2の信号増幅器25の信号増幅率
Cを決める差動信号出力が最小値で1となる場合に基準
温度信号VLD0を取得する温度条件を半導体レーザL
Dの使用温度範囲の下限近傍、例えば、T1に設定した
ものである。
【0093】図14に差動信号出力が最小値で1となる
場合の本実施の形態のモデル図を示す。基準温度を半導
体レーザLDの使用温度範囲の下限値、ここではT1に
設定した場合、第2の信号増幅器25の信号増幅率Cは
常に1より大きい値をとる。信号増幅率Cが常に1より
大となる場合には、半導体レーザLDの動作電流の温度
変動が大きい場合などに温度変化による光出力補正を高
精度に行うことができる。
【0094】特に図示しないが、信号増減器30に対す
る信号増減度Eの場合も同様である。
【0095】本発明の第八の実施の形態を図15に基づ
いて説明する。本実施の形態は、前述の第五の実施の形
態を実現する上で、第2の信号増幅器25の信号増幅率
Cを決める差動信号出力が最大値で1となる場合に基準
温度信号VLD0を取得する温度条件を半導体レーザL
Dの使用温度範囲の上限近傍、例えば、T3に設定した
ものである。
【0096】図15に差動信号出力が最大値で1となる
場合の本実施の形態のモデル図を示す。基準温度信号V
LD0に対する動作電圧VLDの変動量は光出力一定制
御を行う場合には、光出力−動作電流特性に基づいて変
動する。基準温度を半導体レーザLDの使用温度範囲の
上限値、ここではT3に設定した場合、第2の信号増幅
器25の信号増幅率Cは常に1より小さい値をとる。信
号増幅率Cが常に1より小となる場合には、モニタ電圧
が微小な値をとり半導体レーザLDの温度変動が小さい
場合などにおいて、高精度な光出力制御を行うことがで
きる。
【0097】本発明の第九の実施の形態を図16に基づ
いて説明する。本実施の形態は、前述の実施の形態を実
現する上で、実際に半導体レーザ制御装置の組込みを行
った後に、或る温度条件Tにおける動作電圧VLDと発
光レベル制御信号Vcとの関係を光出力制御範囲分予め
メモリバッファ34に保存しておき、実際に入力される
発光レベル制御信号Vcに基づきメモリバッファ34か
ら動作電圧VLDのデータを読み出して基準温度信号V
LD0を第2の信号増幅器25に出力設定するようにし
たものである。
【0098】このようにメモリバッファ34を利用する
ことにより、発光レベルの補正を行う発光レベル制御信
号Vcの値により温度T時の基準温度信号VLD0が求
まる。温度変化時には差動信号VLD0−VLDの値に
より基準温度との差を検出し、微分量子効率が温度に依
らず一定であると仮定した場合に、光出力P0、発光レ
ベル制御信号Vc0のときの動作電圧の温度変化分を基
準として信号増幅率C′に換算する。ここで、実際には
温度変化により微分量子効率ηが変化するため、発光レ
ベル制御信号がVc0のときの信号増幅率C″を1とし
て、発光レベル制御信号Vcの値により微分量子効率に
よる変動分を求め、VcがVc0より小さい場合には信
号増幅率C″<1、Vc0より大きい場合には信号増幅
率C″>1として補正する。第2の信号増幅器25では
このように信号増幅率C′,C″を決定し、トータルと
して信号増幅率C=C′×C″により信号増幅を行う。
【0099】以上により、発光レベル制御信号Vcの値
により基準温度信号VLD0をメモリバッファ34から
読み込み、第2の信号増幅器25の信号増幅率Cを決定
する構成とするにより、或る温度条件Tにおける光出力
値を基準とした高精度な光出力補正を行うことができ
る。
【0100】特に図示しないが、信号増減器30を用い
る構成の場合にも同様に適用できる。
【0101】本発明の第十の実施の形態を図17及び図
18に基づいて説明する。本実施の形態は、前述の実施
の形態を実現する上で、光出力Pを得る発光レベル制御
信号Vcの設定のとき、発光レベルモニタ信号の値を決
定する信号増幅器21、第2の信号増幅器25ないしは
信号増減器30の、信号増幅率A,Cないしは信号増減
度Eを設定するために、温度条件Tにおける発光レベル
制御信号をVc2としたときの動作電圧VLD、信号増
幅率A,Cないしは信号増減度Eの関係を基準値として
設定し、発光レベル制御信号Vc2のレベルにより動作
電圧VLDに対する信号増幅率A,Cないしは信号増減
度Eの値を変更する機能を有する信号変換器35を付加
したものである。
【0102】図17は第2の信号増幅器25を用いた場
合への適用例を示す。第2の信号増幅器25の信号増幅
率Cを決定する信号増幅率設定信号C0が、動作電圧V
LDと発光レベル制御信号Vcとにより決定する信号変
換器35により出力設定される。
【0103】図18に信号変換器35の動作原理を示
す。信号変換器35は、或る温度条件Tにおける発光レ
ベル制御信号Vcと動作電圧VLDとにより、信号増幅
率設定信号C0及びこの信号増幅率設定信号C0により
一意的に求まる信号増幅率Cを決定する機能を有するも
のである。例えば、温度条件T2において発光レベル制
御信号Vc2のとき、動作電圧としてVLD2が得られ
ている場合には信号増幅率はC2と設定することによ
り、所望の光出力P2が得られるとする。
【0104】いま、温度変化により発光レベル制御信号
Vc2が変わらず温度がT1に低下した場合を考える
と、図3で説明したように動作電圧VLD1はVLD2
より低い値となり、光出力はP1と低下する。このとき
光出力がP2となるようなモニタ電圧Vm1となるよう
に、第2の信号増幅器25の信号増幅率CをC1に増加
することにより、発光レベル制御信号に基づく一定の光
出力P2が得られるようになる。
【0105】ここで、基準温度をT2とした場合におい
て、動作電圧VLD、発光レベル制御信号Vc、信号増
幅率Cの関係を図18に示す。光出力をP2からP1に
増加した場合、つまり、発光レベル制御信号をVc2か
らVc1に増加した場合、図3において考えるとき、図
18に示すように光出力P2、つまり、Vc2設定時に
おける動作電圧VLDと信号増幅率Cとの関係を1次式
で近似するとする。このとき光出力つまりVc2を増加
しVc1とするとモニタ電圧の変動分が大きくなり、動
作電圧VLDがVLD2より小さい場合には温度が基準
温度T2より低いと判断し、信号増幅率Cを基準温度T
2における発光レベル制御信号がVc2の場合に比べて
大きい値をとり、逆に動作電圧VLDがVLD2より大
きい場合には温度が基準温度T2より高いと判断し、信
号増幅率Cを基準温度T2における発光レベル制御信号
がVc2の場合に比べて小さい値をとるものである。光
出力をP2からP3に減少させた場合には、図18に示
すように上述の場合とは逆の信号増幅率Cの傾向を持つ
ことになる。
【0106】このように動作電圧VLD、発光レベル制
御信号Vcにより一意的に決まる信号増幅率Cを決める
信号変換器35を備える構成とすることにより、温度変
化時にも高精度な発光レベルモニタ信号制御が行え、発
光レベル制御信号Vcにより決まる一定の光出力を高精
度に得ることができる。
【0107】特に図示しないが、信号増幅器21や信号
増減器30を用いる構成の場合にも同様に適用できる。
【0108】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、半導体レ
ーザの発光時の順方向電流を制御する光・電気負帰還ル
ープの制御区間において、半導体レーザの発光レベルを
モニタする発光レベルモニタ信号を増幅する信号増幅器
の信号増幅率を、基準温度信号VLD0と動作電圧VL
Dとの値に応じて変更設定することにより、温度検出器
などの他の検出器などを用いることなく、電気的な回路
構成により温度変化に依らず光出力の安定した制御を行
うことができる。
【0109】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載の半導体レーザ制御装置において、信号増幅器を、半
導体レーザの発光レベルをモニタする発光レベルモニタ
信号の振幅値を増幅する第1の信号増幅器と、増幅され
たこの信号を基準温度信号VLD0と動作電圧VLDと
の値に応じて設定される信号増幅率で増幅する第2の信
号増幅器とにより構成したので、第1の信号増幅器で大
振幅信号として得られたモニタ電圧に含まれる温度特性
を、基準温度信号VLD0と動作電圧VLDの値に基づ
いて第2の信号増幅器において一定倍率補正することに
より、温度検出器などの他の検出器などを用いることな
く、電気的な回路構成により温度変化に依らず光出力の
安定した制御を行うことができ、また、信号増幅をモニ
タ信号の振幅増幅を一定増幅率で行う第1の信号増幅器
と、温度特性を補正するために動作電圧VLDと基準電
圧信号VLD0とにより求まる倍率だけ微調変更する第
2の信号増幅器とに分けた構成により、温度特性の微小
な変動を高精度に補正することが可能となる。
【0110】請求項3記載の発明によれば、請求項1記
載の半導体レーザ制御装置において、信号増幅器を、半
導体レーザの発光レベルをモニタする発光レベルモニタ
信号の振幅値を増幅する第1の信号増幅器と、増幅され
たこの信号を基準温度信号VLD0と動作電圧VLDの
値に応じて設定される信号増減度で振幅値の微増、微減
を行う信号加減算器とにより構成したので、第1の信号
増幅器で大振幅信号として得られたモニタ電圧に含まれ
る温度特性を、基準温度信号VLD0と動作電圧VLD
の値に基づいて信号増減器において微増、微減などの高
精度な制御を行うことができ、温度検出器などの他の検
出器などを用いることなく、電気的な回路構成により温
度変化に依らず光出力の安定した制御を行うことができ
る。
【0111】請求項4記載の発明によれば、請求項2記
載の発明を実現する上で、基準温度を半導体レーザの通
常使用温度とした場合などにおいて、或る温度時の動作
電圧VLDを基準としこの基準に対して信号増幅率の大
小をとることにより、或る温度を中心とした高精度な光
出力補正を行うことができる。
【0112】請求項5記載の発明によれば、請求項3記
載の発明を実現する上で、基準温度を半導体レーザの通
常使用温度とした場合などにおいて、或る温度時の動作
電圧VLDを基準としこの基準に対して信号増減度の正
負をとることにより、或る温度を中心とした高精度な光
出力補正を行うことができる。
【0113】請求項6記載の発明によれば、請求項2記
載の発明を実現する上で、基準温度信号VLD0と動作
電圧VLDとの差動信号をとり、差動信号出力が最大値
又は最小値をとる場合に信号増幅率を1と設定すること
で、差動信号出力値に応じて信号増幅率が1より小さい
値又は1より大きい値の何れかのみをとるように制御を
行うことにより、発光レベルモニタ信号の補正値を換算
しやすい構成とすることができ、温度に依らず光出力の
高精度な制御を行うことができる。
【0114】請求項7記載の発明によれば、請求項3記
載の発明を実現する上で、基準温度信号VLD0と動作
電圧VLDとの差動信号をとり、差動信号出力が最大値
又は最小値をとる場合に信号増減度をゼロと設定するこ
とで、差動信号出力値に応じて信号増減度が負の値又は
正の値の何れかのみをとるように制御を行うことによ
り、発光レベルモニタ信号の補正値を換算しやすい構成
とすることができ、温度に依らず光出力の高精度な制御
を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態の半導体レーザ制御
装置を示す回路構成図である。
【図2】その光出力、動作電流及びモニタ電流の関係を
示す相関図である。
【図3】光出力、動作電流及びモニタ電流の関係の一部
を抽出し拡大して示す相関図である。
【図4】温度T2の時の動作制御例を示すタイムチャー
トである。
【図5】温度T1の時の動作制御例を示すタイムチャー
トである。
【図6】温度T3の時の動作制御例を示すタイムチャー
トである。
【図7】より具体的な構成例を示す回路構成図である。
【図8】本発明の第二の実施の形態の半導体レーザ制御
装置を示す回路構成図である。
【図9】より具体的な構成例を示す回路構成図である。
【図10】本発明の第三の実施の形態の半導体レーザ制
御装置を示す回路構成図である。
【図11】より具体的な構成例を示す回路構成図であ
る。
【図12】本発明の第四及び第五の実施の形態を示す部
分的な回路構成図である。
【図13】本発明の第六の実施の形態の光出力、動作電
流及びモニタ電流の関係を示す相関図である。
【図14】本発明の第七の実施の形態の光出力、動作電
流及びモニタ電流の関係を示す相関図である。
【図15】本発明の第八の実施の形態の光出力、動作電
流及びモニタ電流の関係を示す相関図である。
【図16】本発明の第九の実施の形態の半導体レーザ制
御装置を示す回路構成図である。
【図17】本発明の第十の実施の形態の半導体レーザ制
御装置を示す回路構成図である。
【図18】その動作原理図である。
【図19】光・電気負帰還ループを用いた従来の半導体
レーザ制御装置を示す回路構成図である。
【図20】モニタ信号増幅用の信号増幅器を備える従来
の半導体レーザ制御装置を示す回路構成図である。
【符号の説明】
1 第1の誤差増幅部 2 第1の光・電気負帰還ループ 3 第2の誤差増幅部 4 第21の光・電気負帰還ループ 5 電流駆動部 6,7 サンプルホールド回路 21 信号増幅器 24 第1の信号増幅器 25 第2の信号増幅器 29 第1の信号増幅器 30 信号増減器 34 メモリバッファ 35 信号変換器 LD 半導体レーザ PD 受光素子 Q1 駆動トランジスタ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体レーザの光出力の一部をモニタす
    る受光素子から得られる前記半導体レーザの発光時の光
    出力に比例した発光レベルモニタ信号と、発光レベル制
    御信号とが等しくなるように前記半導体レーザの順方向
    電流を制御する第1の誤差増幅部を含んで構成される第
    1の光・電気負帰還ループと、 コレクタに前記半導体レーザ、ベースに前記半導体レー
    ザの順方向電流信号、エミッタ・接地間に抵抗が接続さ
    れた駆動トランジスタの前記半導体の消光時のエミッタ
    電位が、消光レベル制御電圧と等しくなるように前記半
    導体レーザの順方向電流を制御する第2の誤差増幅部を
    含んで構成される第2の光・電気負帰還ループと、 前記受光素子による発光レベルモニタ信号を増幅する信
    号増幅器と、 変調信号により前記半導体レーザの発光、消光の順方向
    電流を切換える電流駆動部と、 前記変調信号が連続した一定期間同一ステートとなる場
    合にサンプルホールド制御タイミングとなって自動制御
    を行うために前記第1、第2の誤差増幅部出力から得ら
    れる光出力の発光レベル値、消光レベル値をホールドす
    るピーク、ボトムの2系統のサンプルホールド回路とを
    備える半導体レーザ制御装置であって、 前記信号増幅器は信号増幅率が変更自在であり、基準温
    度信号VLD0と前記半導体レーザの動作電圧VLDと
    の値に応じて信号増幅率が設定される半導体レーザ制御
    装置。
  2. 【請求項2】 前記信号増幅器は、一定の信号増幅率で
    前記発光レベルモニタ信号を増幅する第1の信号増幅器
    と、信号増幅率が変更自在で前記第1の増幅器により増
    幅された信号を前記基準温度信号VLD0と前記動作電
    圧VLDとの値に応じて設定される信号増幅率で増幅す
    る第2の信号増幅器とにより構成されている請求項1記
    載の半導体レーザ制御装置。
  3. 【請求項3】 前記信号増幅器は、一定の信号増幅率で
    前記発光レベルモニタ信号を増幅する第1の信号増幅器
    と、信号増減度が変更自在で前記第1の増幅器により増
    幅された信号の振幅値を前記基準温度信号VLD0と前
    記動作電圧VLDとの値に応じて設定される信号増減度
    で増減する信号増減器とにより構成されている請求項1
    記載の半導体レーザ制御装置。
  4. 【請求項4】 前記第2の信号増幅器は、前記基準温度
    信号VLD0と前記動作電圧VLDとの差動信号出力が
    ゼロのときには信号増幅率が1に設定され、前記差動信
    号出力がゼロ以外のときにはその正負に応じて信号増幅
    率が1に対して大小何れかの値に設定される請求項2記
    載の半導体レーザ制御装置。
  5. 【請求項5】 前記信号増減器は、前記基準温度信号V
    LD0と前記動作電圧VLDとの差動信号出力がゼロの
    ときには信号増減度がゼロに設定され、前記差動信号出
    力がゼロ以外のときにはその正負に応じて信号増減度が
    正負の何れかの値に設定される請求項3記載の半導体レ
    ーザ制御装置。
  6. 【請求項6】 前記第2の信号増幅器は、前記基準温度
    信号VLD0と前記動作電圧VLDとの差動信号出力が
    最大値又は最小値をとるときには信号増幅率が1に設定
    され、前記差動信号出力の値に応じて前記信号増幅率が
    1より小さい値又は1より大きい値の何れかに可変設定
    される請求項2記載の半導体レーザ制御装置。
  7. 【請求項7】 前記信号増減器は、前記基準温度信号V
    LD0と前記動作電圧VLDとの差動信号出力が最大値
    又は最小値をとるときには信号増減度がゼロに設定さ
    れ、前記差動信号出力の値に応じて前記信号増減度が負
    の値又は正の値の何れかに可変設定される請求項3記載
    の半導体レーザ制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004040721A1 (en) * 2002-10-31 2004-05-13 Ricoh Company, Ltd. Semiconductor laser driving device, semiconductor laser driving method, and image forming apparatus using semiconductor laser driving device

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