JP2006022047A - 閉塞効果が高いスキンケア化粧料。 - Google Patents
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Abstract
保護効果(閉塞効果;水分蒸散抑制効果)の持続性の高い化粧料を提供する。
【解決手段】
2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを構成モノマーとする重合体乃至は共重合体、デンプン・アクリル酸ブロック重合体、さらには20℃で固体である炭化水素類及び/又はロウ類を油剤中に70〜90質量%含有させることにより、化粧動作の最後に保湿性を有する皮膜を形成する、保湿効果の持続性の高いO/W乳化型保湿コート化粧料が得られた。
Description
(2) さらに、当該化粧料中に油剤を1〜10質量%含有し、且つ該油剤において、20℃で固体である炭化水素類及び/又はロウ類の割合が、当該化粧料に含まれる油剤中の70〜90質量%であることを特徴とする(1)に記載のO/W乳化型化粧料。
(3) 2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを構成モノマーとする重合体乃至は共重合体の含有量が0.001〜1質量%であることを特徴とする、(1)乃至(2)に記載のO/W乳化型化粧料。
(4) 前記抱水性ポリマーとして、少なくともデンプン・アクリル酸ブロック重合体及び/又はその塩0.001〜0.5質量%を含有することを特徴とする、(1)〜(3)何れか1項に記載のO/W乳化型化粧料。
(5) 化粧膜の最上部に保湿性を有する皮膜を形成させる目的で使用される、保湿コート料であることを特徴とする、請求項1〜4項に記載の化粧料。
(6) 化粧膜の最上部に保湿性を有する皮膜を形成させる目的で使用される旨が、化粧料容器及び/又は包装形態に表示されていることを特徴とする、請求項5に記載のO/W乳化型保湿コート用化粧料。
(7) 化粧行動の最後に使用する化粧料であって、化粧膜の最上部に塗布され、化粧膜の最上部に保湿膜を形成することを特徴とする保湿コート用化粧料。
2−メタクリオキシエチルホスホリルコリンを構成モノマーとする重合体(ホモ重合体)としては、市販品(日本油脂社製「Lipidure−HMシリーズ」)があるので、これらを入手して使用することが可能であり、好ましい。また、2−メタクリルオキシエチルホスホリルコリンと共重合するメタクリル酸アルキルとしては、通常入手できるメタクリル酸アルキルが使用可能であるが、具体的にはメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ミリスチル、メタクリル酸ステアリルなどが例示できる。これらのモノマーの内、メタクリル酸ブチルが特に好ましい。2−メタクリルオキシエチルホスホリルコリンとメタクリル酸アルキル共重合体のモノマー組成比は97:3〜45:55が好ましく例示できる。これより、メタクリル酸アルキル組成比が少なくなると、共重合体とする効果が無くなるし、逆に多くなると、水への馴染みが少なくなってしまう。これらの重合体乃至は共重合体の皮膚外用組成物中での含有量は、0.001〜1質量%が好ましく、0.003〜0.5質量%が更に好ましく、0.005〜0.3質量%が特に好ましい。また、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンとメタクリル酸ブチルの共重合体としては、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンとメタクリル酸ブチルのモル比が、およそ80:20であり、分子量が100000〜1000000程度の2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体の5%水溶液が市販されており、これらの市販品(日本油脂社製;Lipidure−PMBシリーズ)を入手して使用することも可能であり、好ましい。
本発明は、抱水性ポリマーを含有することを特徴としている。本発明でいう抱水性ポリマーとは、水分を吸収して膨潤する性質を有するポリマーの総称であり、例えば、アクリル酸塩に親水性部分を導入した形態のものが知られている。このようなものとして、デンプン・アクリル酸ナトリウムブロックポリマーが好ましく例示できる。デンプン・アクリル酸ナトリウムブロックポリマーは、既に市販されているものが存在し、この様な市販品を使用することができる。市販品の内、好ましいものとして、三洋化成工業株式会社製のサンフレッシュST−100Pが例示できる。このような、抱水性ポリマーの当該化粧料中の含有量は、0.001〜0.5質量%が好ましく、0.005〜0.1質量%がより好ましい。0.001質量%以下では、十分な保湿効果を得ることが難しく、0.5質量%を超えて配合しても配合量に応じた保湿効果の向上も見られず、ベトツキ感が生じてしまう。
本発明における化粧料において使用される20℃で固体である炭化水素類およびロウ類としては、室温に於いて、固体から半固体の性状を有する炭化水素類およびロウ類であれば、使用可能である。具体的には、鯨ロウ、セラック、ミツロウ、ラノリン、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、モンタンワックスなどの天然のロウ類、パルミチン酸セチル、パルミチン酸オクタデシル、ステアリン酸ウンデシル、ステアリン酸ヘキサデシルなどの合成の高融点エステル類、ワセリン、固体パラフィン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンなどの炭化水素類などが例示できる。これらの内、「高融点ワックス」と称される成分、すなわち、融点が60℃以上、さらに言えば70℃以上のものを含有することが好ましく、前記20℃で固体である炭化水素類及び/又はロウ類の総量の70質量%以上、さらに言えば80質量%以上が高融点ワックスであることが好ましい。前記高融点ワックスの具体例を挙げれば、ミツロウ、セラック、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、モンタンワックス、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンなどが例示できる。上記の様な油剤類を、製剤全体に対して、1〜10質量%、さらに好ましくは4〜8質量%配合することにより、油分によるベトツキ感を生じさせることなく、さっぱりとした感触の使用感を得ることが可能となる。これより少なくなると、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを構成モノマーとする重合体乃至は共重合体との併用効果が認められなくなり、多くなると油剤の固さにより感触が悪くなってしまう。さらに、上記のような20℃で固体であるような融点の高い油剤を、全油剤中の70〜90質量%、さらに好ましくは75〜85質量%配合することで、閉塞効果により水分の蒸散を抑制することが可能となった。これより少なくなると、閉塞効果が損なわれ、多くなると皮膜が固くなりすぎて、閉塞効果や使用感に劣る。すなわち、油剤の量を1〜10質量%とし、しかも固体の炭化水素及び/又はロウ類の割合を多くすることにより、使用感が良く、閉塞効果の優れた製剤が可能となった。
本発明のO/W乳化型保湿化粧料の製造
ステアリン酸 0.24質量%
モノステアリン酸ソルビタン 0.5 質量%
セタノール 0.5 質量%
POE(45)−ステアリン酸エステル 0.7 質量%
流動パラフィン 0.65質量%
パルミチン酸セチル 0.3 質量%
ワセリン 3.75質量%
セレシン 1.8 質量%
(B)
PEG4000 2.25質量%
1,3−BG 3.0 質量%
パラオキシ安息香酸メチル 0.3 質量%
グリセリン 3.0 質量%
キサンタンガム 0.025質量%
アルキル変性カルボキシビニルポリマー
(商品名「カーボポール1382」BFGoodrich社製) 0.15質量%
純水 40.0 質量%
(C)
トリエタノールアミン 0.15質量%
純水 5.0 質量%
(D)
2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体
(商品名「Lipidure−PMB」日本油脂製) 0.1 質量%
(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・
メタクリル酸ブチル共重合体として、0.005質量%)
デンプン・アクリル酸ブロックポリマー
(商品名「サンフレッシュST100SP」三洋化成製) 0.012質量%
トリメチルグリシン 0.10 質量%
純水 37.473質量%
ステアリン酸 0.24質量%
モノステアリン酸ソルビタン 0.5 質量%
セタノール 0.5 質量%
POE(45)−ステアリン酸エステル 0.7 質量%
流動パラフィン 0.1 質量%
パルミチン酸セチル 0.1 質量%
ワセリン 0.25質量%
セレシン 1.5 質量%
(B)
PEG4000 2.25質量%
1,3−BG 3.0 質量%
パラオキシ安息香酸メチル 0.3 質量%
グリセリン 3.0 質量%
キサンタンガム 0.025質量%
アルキル変性カルボキシビニルポリマー
(商品名「カーボポール1382」BFGoodrich社製) 0.01質量%
純水 40.0 質量%
(C)
トリエタノールアミン 0.15質量%
純水 5.0 質量%
(D)
2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体
(商品名「Lipidure−PMB」日本油脂製) 1.0 質量%
(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・
メタクリル酸ブチル共重合体として、0.05質量%)
デンプン・アクリル酸ブロックポリマー
(商品名「サンフレッシュST100SP」三洋化成製) 0.3 質量%
トリメチルグリシン 0.10 質量%
純水 36.713質量%
スクワラン 2.5 質量%
セラック 2.0 質量%
カルナウバロウ 2.0 質量%
ポリエチレン 0.2 質量
固体パラフィン 3.0 質量%
モノステアリン酸ポリオキシエリレンソルビタンPOE(20) 2.0 質量%
モノステアリン酸グリセリン 1.5 質量%
γ−トコフェロール 0.1 質量%
1,3−ブタンジオール 5.0 質量%
(B)
パラオキシ安息香酸メチル 0.3 質量%
グリセリン 3.0 質量%
キサンタンガム 0.05質量%
PEG4000 3.0 質量%
純水 20.0 質量%
(C)
2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体
(商品名「Lipidure−PMB」日本油脂製) 10.0 質量%
(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・
メタクリル酸ブチル共重合体として、0.5質量%)
デンプン・アクリル酸ブロックポリマー
(商品名「サンフレッシュST100SP」三洋化成製) 0.005 質量%
純水 45.345質量%
下記に示すように、試験例で使用するクリームを作成した。(A)を混合し、75℃に加熱して均一にし、(B)を混合し、75℃にしたものを添加して乳化した。さらに(C)を加えて、撹拌しながら室温まで冷却した。
流動パラフィン 10.0 質量%
オリーブ油 10.0 質量%
オレイン酸 5.0 質量%
セタノール 2.0 質量%
モノステアリン酸ポリオキシエリレンソルビタンPOE(20) 2.0 質量%
モノステアリン酸グリセリン 1.5 質量%
γ−トコフェロール 0.1 質量%
1,3−ブタンジオール 3.0 質量%
(B)
パラオキシ安息香酸メチル 0.3 質量%
グリセリン 3.0 質量%
キサンタンガム 0.05質量%
PEG4000 3.0 質量%
純水 60.05質量%
下記に示すように、実施例1の処方より、流動パラフィン、パルミチン酸セチル、ワセリン、セレシンの各油剤を除き、代わりに表1の油剤を使用したO/W乳化型化粧料を作成した。
ステアリン酸 0.24質量%
モノステアリン酸ソルビタン 0.5 質量%
セタノール 0.5 質量%
POE(45)−ステアリン酸エステル 0.7 質量%
油剤 (表1)
(B)
PEG4000 2.25質量%
1,3−BG 3.0 質量%
パラオキシ安息香酸メチル 0.3 質量%
グリセリン 3.0 質量%
キサンタンガム 0.025質量%
アルキル変性カルボキシビニルポリマー
(商品名「カーボポール1382」BFGoodrich社製) 0.15質量%
純水 40.0 質量%
(C)
トリエタノールアミン 0.15質量%
純水 5.0 質量%
(D)2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体
(商品名「Lipidure−PMB」日本油脂製) 0.1 質量%
(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・
メタクリル酸ブチル共重合体として、0.1質量%)
デンプン・アクリル酸ブロックポリマー 0.012質量%
(商品名「サンフレッシュST100SP」三洋化成製
トリメチルグリシン 0.10 質量%
純水 17.175質量%
桐山ロート用濾紙(4cmφ:No5)に比較例1で作成したクリーム0.5gを均一に塗布し、40℃、30%RHの部屋で30分間乾燥した。この濾紙に、さらに実施例1で作成した乳液、比較例1で作成したクリーム0.5gを重ねて塗布し、再度、40℃、30%RHに部屋で30分間乾燥した。別途、内径3.5cmφ×高さ6.0cmの円筒容器に蒸留水20mlを入れ、精秤した。この円筒容器に、先にサンプルを塗布した桐山ロート用濾紙を載せ、開口部3cmφのキャップをした。これを、40℃、30%RHの雰囲気中に24時間放置し、開口部を通して、蒸散していく水の量を測定した。測定は、キャップと濾紙を除いた後、円筒容器の重量を精秤することによっておこなった。コントロールとして、サンプルを塗布していない濾紙を用いた。測定は、各5例で行ない、平均、偏差を算出した。結果を図1に示す。
粘着性試験
スライドガラス上に比較例1のクリーム、0.05mlを1.2cmφの面積に塗布し、40℃、相対湿度30%で30分間乾燥した。これに、試験サンプル(実施例1、比較例(2−1)、比較例(2―2)、比較例1のクリーム)0.05mlを重ねて塗布し、再度40℃、相対湿度30%で30分間乾燥して、試験膜を作成した。この試験膜の粘着性をハンディー圧着試験器KES−G5((株)カトーテック製)を用いて評価した。粘着性は装置のヘッドを塗布膜から引き剥がす際の粘着力(g)で表した。すなわち、この値が高いほど塗布膜の粘着性が高いことを表している。結果を表2に示した。
各試験は、それぞれ5名のパネラーによって行い、測定値は平均した。測定に際しては、20℃、相対湿度50%の部屋で実施した。測定部位を37℃の温水で30秒間洗浄し、20分間安静にした後、測定を行った。前腕内側部の皮膚を対象として、試験部位の皮膚水分量をSKICON−200EX(IBS社製)にて測定した後、比較例1で作成したクリームを塗布し、さらに、実施例1、比較例2−1,比較例2−2の乳液を重ねて塗布し、2時間後に、再び測定部位を温水で30秒間洗浄し、20分間安静にした後、SKICON−200EXにて、皮膚水分量を測定した。同時に、何も使用しないコントロールも測定した。また、試験サンプルの感触(塗布時に固さ)についての官能評価も同時に実施した(結果は5名の平均値とした)。評価結果を表2と図2に示す。
(官能評価の基準)
ベタツキ感について 固さについて
1:ベタツキ感を感じない 1:適当である
2:ベタツキ感をやや感じる 2:やや固さを感じる
3:ベタツキ感を感じる 3:固さを感じる
4:ベタツキ感をかなり感じる 4:かなり固さを感じる
実施例1の乳液について、通常のメークアップ化粧料の下地の基礎化粧料として使用する形態と、化粧膜の最上部に保湿性を有する被膜を形成させる目的で使用する形態で保湿コート化粧料として使用する形態での効果の比較を行った。各試験は、それぞれ5名のパネラーによって行い、測定値は平均した。測定に際しては、20℃、相対湿度50%の部屋で実施した。測定部位を37℃の温水で30秒間洗浄し、20分間安静にした後、測定を行った。前腕内側部の皮膚を対象として、試験部位の皮膚水分量をSKICON−200EXにて、経表皮水分蒸散量(TEWL)をTEWAMETER TM210にて測定した。その後、実施例1で作成した乳液を直接、又は比較例1で作成したクリームを塗布した上に重ねて実施例1の乳液を塗布し、2時間後に再度、測定部位を37℃の温水で30秒間洗浄し、20分間安静にした後、皮膚水分量と経表皮水分蒸散量を測定した。評価結果を図3に示す。
Claims (7)
- 1)2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを構成モノマーとする重合体乃至は共重合体、及び抱水性ポリマーを含有するO/W乳化型化粧料。
- さらに、当該化粧料中に油剤を1〜10質量%含有し、且つ該油剤中の、20℃で固体である炭化水素類及び/又はロウ類の割合が、当該化粧料に含まれる油剤中の70〜90質量%であることを特徴とする請求項1に記載のO/W乳化型化粧料。
- 2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを構成モノマーとする重合体乃至は共重合体の含有量が0.001〜1質量%であることを特徴とする、請求項1乃至2項に記載のO/W乳化型化粧料。
- 前記抱水性ポリマーとして、少なくともデンプン・アクリル酸ブロック重合体及び/又はその塩を0.001〜0.5質量%含有することを特徴とする、請求項1〜3何れか1項に記載のO/W乳化型化粧料。
- 化粧膜の最上部に保湿性を有する皮膜を形成させる目的で使用される、保湿コート料であることを特徴とする、請求項1〜4項に記載の化粧料。
- 化粧膜の最上部に保湿性を有する皮膜を形成させる目的で使用される旨が、化粧料容器及び/又は包装形態に表示されていることを特徴とする、請求項5に記載のO/W乳化型保湿コート用化粧料。
- 化粧行動の最後に使用する化粧料であって、化粧膜の最上部に塗布され、化粧膜の最上部に保湿膜を形成することを特徴とする保湿コート用化粧料。
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