JP2006298868A - クレンジング用の化粧料に好適な皮膚外用剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 皮膚に負担無く角栓を除去する技術を提供する。
【解決手段】 1)尿素0.05〜5質量%と、2)炭酸のジエステル0.1〜50質量%とを皮膚外用剤に含有させる。該皮膚外用剤は、化粧料であることが好ましく、該化粧料は、クレンジング用の化粧料であることが好ましく、角栓の除去効果を有することが好ましい。更に、カラギーナンを含有することが好ましく、前記カラギーナンの含有量としては、0.5〜2質量%であることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、皮膚外用剤に関し、更に詳細には、クレンジング用の化粧料に好適な皮膚外用剤に関する。
高度成長期を越えて、日本人の生活レベルは著しく向上したと言われており、それに伴って、種々の生活習慣も大きく変化している。特に食生活においては、戦前の栄養不良の状態から、飽食の時代へと移行し、それに伴って、生活習慣病の蔓延などの社会問題も顕在化するようになっている。この様な生活環境の大きな変化は、化粧品の分野にも少なからぬ影響を与えており、特に、食生活の変化は、脂質代謝に大きな影響を与え、これに起因して、皮脂と古い角層とが形成する角栓による皮膚トラブルが急増するようになって来ている。即ち、自然には除去されない角栓が毛穴を閉塞することにより、毛穴に微生物が繁殖し、炎症を起こしたり、閉塞により代謝物の排泄が阻害され、代謝物に起因する炎症などが起こったりするからである。この為、角栓を除去する化粧行為の必要性が増してきている。角栓は、脂質である皮脂と、親水性水不溶物である古い角層と、皮膚上の汚れの複合体であり、しかも毛穴に詰まった状況で存在するので、クレンジング用の皮膚外用剤などの通常の皮膚外用剤では除去しにくく、例えば、固着性を有する粘着剤等で固着させて、剥離するような角栓除去専用の皮膚外用剤が開発され、この様な専用皮膚外用剤を用いて除去するのが常であった。(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3を参照)しかしながら、この様な皮膚外用剤に於いては、クレンジング、洗顔を終えた後、かかる皮膚外用剤を用いて角栓を除去し、更に、もう一度洗顔と言った化粧コースを取らざるを得ず、化粧ステップで2ステップ増えてしまうことになり、その手間の増大は大きな障害となっている。加えて、この様な化粧ステップを踏むことにより、洗顔の回数が増えすぎ、通常の顔の部位に於いては、皮脂を除去しすぎ、皮膚バリア機能を損なう場合も存すると言う、欠点もあった。
一方、炭酸ジアルキルはベタツキのない皮膚外用剤用の油剤として開発され、さっぱりとした油剤として使用されたり、その優れた溶剤特性を利用して化粧落とし料の溶剤として使用されたりしている。(例えば、特許文献4、特許文献5、特許文献6を参照)しかしながら、角栓のように脂質と角層のような蛋白の複合した汚れの除去には有用とは考えられておらず、これまでも使用されなかった。尿素は皮膚外用剤の分野では、角質軟化作用が知られており、有効成分の経皮吸収性を高める目的で使用されている。(例えば、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10を参照)しかしながら、炭酸ジアルキルと尿素とを組み合わせて皮膚外用剤に含有せしめる技術は全く知られていないし、この様な組合せの構成の皮膚外用剤が、角栓除去効果に優れることも全く知られていなかった。
特開2004−300162号公報 特開2004−35545号公報 WO00/69397 特開2004−346001号公報 特表2004−526007号公報 特表2004−524395号公報 特開2004−161623号公報 特開2004−123662号公報 特開2002−138033号公報 特開平10−265365号公報
本発明は、この様な状況下為されたものであり、皮膚に負担無く角栓を除去する技術を提供することを課題とする。
この様な状況に鑑みて、本発明者らは、皮膚に負担無く角栓を除去する技術を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、1)尿素0.05〜5質量%と、2)炭酸のジエステル0.1〜50質量%と含有する皮膚外用剤がその様な特性を有していることを見出し、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は以下に示すとおりである。
(1)1)尿素0.05〜5質量%と、2)炭酸のジエステル0.1〜50質量%と含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
(2)クレンジング用の化粧料であることを特徴とする、(1)に記載の皮膚外用剤。
(3)角栓の除去効果を有することを特徴とする、(1)又は(2)に記載の皮膚外用剤。
(4)更に、カラギーナンを含有することを特徴とする、(1)〜(3)何れか1項に記載の皮膚外用剤。
(5)前記カラギーナンの含有量が0.5〜2質量%であることを特徴とする、(4)に記載の皮膚外用剤。
本発明によれば、皮膚に負担無く角栓を除去する技術を提供することができる。
(1)本発明の皮膚外用剤の必須成分である尿素
本発明の皮膚外用剤は、尿素0.05〜5質量%、より好ましくは0.1〜3質量%を必須成分として含有する。本発明の皮膚外用剤に於いて、尿素は角栓を皮膚組織より離脱せしめる作用を有する。かかる作用により、後記の炭酸ジエステルの角栓を毛穴より押し出す作用をより確実なものにならしめる。含有量が少なすぎるとこの様な効果を奏さない場合が存し、多すぎると帰って角栓が皮膚組織より離脱しにくくなる。
(2)本発明の皮膚外用剤の必須成分である炭酸ジエステル
本発明の皮膚外用剤は、炭酸ジエステルを0.1〜50質量%、より好ましくは10〜45質量%含有することを特徴とする。前記炭酸ジエステルとしては、例えば、ヘキシルアルコール、カプリルアルコール、カプリニルアルコール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコールなどの炭素数、6〜30の、より好ましくは6〜10の飽和、不飽和の1価アルコールとのエステル、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオールなどの炭素数2〜4の2価アルコールとのエステルなど好ましく例示でき、中でも、6〜10の飽和、不飽和の1価アルコールとのエステルが特に好ましく例示できる。具体的な化合物名としては、エチレングリコールとの環状エステルである炭酸エチレン、プロピレングリコールとの環状エステルである炭酸プロピレン、ヘキシルアルコールとの炭酸ジヘキシル、カプリルアルコールとのエステルである炭酸ジカプリル、カプリニルアルコールとのエステルである、炭酸ジカプリニル、ラウリルアルコールとのエステルである炭酸時ラウリルなどが好ましく例示でき、中でも炭酸ジカプリル、炭酸ジカプリニルが特に好ましい。これは、その溶剤効果により、角栓除去効果に優れるためである。又、同時に脂質除去効果に優れるため、クレンジング用の皮膚外用剤でありながら、角栓除去効果に優れる皮膚外用剤とすることが出来るためである。前記炭酸ジエステルの含有量の範囲において、かかる効果が奏される。又、前記の炭酸ジエステルは化粧料などの皮膚外用剤用の原料として市販されているため、この様な市販品を購入して利用することが出来る。
(3)本発明の皮膚外用剤
本発明の皮膚外用剤は、乳化剤形であって、前記必須成分を含有することを特徴とする。前記乳化剤形の乳化形態は、皮膚外用剤で知られているものであれば特段の限定無く適用することが出来、例えば、水中油乳化剤形、油中水乳化剤形、水中油中水乳化剤形や油中水中油乳化剤形などの多相乳化剤形などが例示できる。特に好ましい剤形は水中油乳化剤形である。これは、この様な乳化剤形において、角栓の除去効果が如実であるためである。又、本発明の皮膚外用剤は、皮膚に外用で投与されるものであれば特段の限定無く適用することが出来、例えば、化粧料或いは皮膚外用医薬などが好適に例示できる。特に好ましいのは化粧料である。又、皮膚外用剤の機能としては、クレンジング機能が好適であるが、炭酸ジエステルは、使用感に優れる油剤としての性格も兼ね備えるため、保湿化粧料や皮膚外用医薬のベースとして使用することも可能であり、この様な適用も本発明の技術範囲に属する。特に、皮膚外用医薬においては、炭酸ジエステルの溶剤効果を利用して難溶性有効成分を溶解させて担持することも可能であり、本発明の皮膚外用剤は、難溶性有効成分を含有する皮膚外用医薬と言う形態も皮膚外用医薬では好ましい。かかる難溶性有効成分としては、例えば、クラリスロマイシンなどのマクロライド系抗生物質やニフェジピンなどの循環器用薬が好適に例示できる。本発明の皮膚外用剤の最も好ましい使用態様は角栓除去効果を有するクレンジング用の化粧料乃至はクレンジング効果を有する角栓除去化粧料である。
本発明の皮膚外用剤においては、前記必須成分以外に、通常皮膚外用剤で使用される任意成分を含有することが出来る。この様な任意成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類、流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類、オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類、脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類、イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類、ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキシレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等の多価アルコール類、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類、グアガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、カードラン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、グリコーゲン、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、ムコイチン硫酸、ヒドロキシエチルグアガム、カルボキシメチルグアガム、デキストラン、ケラト硫酸,ローカストビーンガム,サクシノグルカン,カロニン酸,キチン,キトサン、カルボキシメチルキチン、寒天、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ベントナイト等の増粘剤、表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類、表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類、レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類、ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類、パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、糖系紫外線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類、ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩,ビタミンB6トリパルミテート,ビタミンB6ジオクタノエート,ビタミンB2又はその誘導体,ビタミンB12,ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類、α−トコフェロール,β−トコフェロール,γ−トコフェロール,ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸マグネシウムなどの塩類などが好ましく例示できる。
この様な任意成分の中で、特に好ましいものは、カラギーナンである。これは、カラギーナンの作るゲルが、通常のゲル化剤や増粘剤と比して、皮膚上で崩壊しにくい為、角栓の特に著しい小鼻などの狭い部位に的確に投与できるためである。かかるカラギーナンはツノマタ属などの紅藻類を基源とした多糖類であって、ガラクトースを主たる構成単糖とし、硫酸基を有するものである。カラギーナンは古くより、増粘剤として皮膚外用剤で使用されいる。皮膚外用剤原料としてのカラギーナンは種々のメーカーから販売されている。例えば、日本バイオコン株式会社の「デルタゲルC80」、「デルタゲルC200」、「デルタゲルS80」、「デルタゲルS200」、日本カラギーナン工業株式会社の「カラギーナン」、大日本製薬株式会社から販売されている「シーピーガム(登録商標)FA」等が好ましく例示でき、これらの何れもが使用可能であるが、特に好ましいものは大日本製薬株式会社から販売されている「シーピーガムFA」である。これは、前記の作用に特に優れるためである。この様な作用を発揮するためには、前記カラギーナンは皮膚外用剤全量に対して0.5〜2質量%、より好ましくは0.8〜1.5質量%含有させることが好ましい。
又、カラギーナンをゲル化剤として用いた場合には、増粘させるために塩を含有させることが好ましく、塩類としては、塩化ナトリウムが特に好ましい。これは塩化ナトリウムの共存下において、角栓除去効果がより顕著になるためである。本発明の皮膚外用剤においては、塩類は唯一種を含有させることも出来るし、二種以上を組み合わせて含有させることも出来る。本発明の皮膚外用剤に於ける塩類の好ましい含有量は、0.01〜0.5質量%が適当である。更に、塩を1〜10質量%、製剤に溶解しない、塩の固形物が分散した形態で含有させると、塩の毛穴収縮促進効果により、より角栓除去が行いやすくなるので好ましい。
1,2−ペンタンジオール、イソプレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、2,4−ヘキシレングリコール、1,2−オクタンジオールから選択される1種乃至は2種以上は、抗菌性を有するため、これらを含有することにより、パラベンなど時として一過性の刺激発現の原因となる成分の含有量を低下させることが出来る。かかる成分の好ましい含有量は、1〜10質量%であり、より好ましくは2〜5質量%である。かかる質量比で含有し、パラベン類、取り分けブチルパラベンを配合しない形態が特に好ましい形態である。
又、本発明の皮膚外用剤では、カラギーナン以外の増粘剤、例えば、アルキル変性されていても良いカルボキシビニルポリマーの塩やキサンタンガムなども含有することが出来るが、これらを含有することにより、カラギーナンの好ましい特性が損なわれる場合が存するため、増粘剤としては、カラギーナンのみを含有する形態が特に好ましい。
本発明の皮膚外用剤は、かかる任意成分、必須成分を常法に従って処理することにより、製造することが出来る。
以下に、実施例を挙げて、本発明について、更に詳細に説明を加えるが本発明がかかる実施例にのみ限定されないことは言うまでもない。
下記に示す処方に従って、本発明のクレンジング化粧料を作成した。即ち、イ、ロ、ハの成分をそれぞれ70℃に加温し、イの成分にロの成分を攪拌下徐々に加え乳化し、ハの成分を加えゲル化させ、攪拌冷却し本発明の皮膚外用剤である、クレンジング用の化粧料1を得た。別途、クレンジング化粧料1の炭酸ジカプリルを流動パラフィンに置換した比較例1、尿素を水に置換した比較例2も同様に製造した。

炭酸ジカプリル 45 質量%
セチルイソオクタネート 24 質量%
ステアリン酸 1 質量%
蜜ロウ 3 質量%
ソルビタンセスキステアレート 1 質量%
POE(12)イソステアレート 2 質量%
POE(20)イソステアリン酸グリセリル 1 質量%
POE(7)ヤシ油脂肪酸グリセリル 0.5質量%
グリセリルモノステアレート 1 質量%
POE(25)ステアレート 2 質量%

1,3−ブタンジオール 5 質量%
1,2−ペンタンジオール 2 質量%
フェノキシエタノール 0.5質量%
「シーピーガムFA」 1 質量%
水 10.1質量%
尿素 0.5質量%

塩化ナトリウム 0.2質量%
水 0.2質量%
<試験例1>
前記のクレンジング化粧料1、比較例1、比較例2を用いて、クレンジング力のテストを行った。即ち、前腕内側部に2cm×4cmの部位を4つ設け、その内の3つに下記に示すリップカラーを塗布し、しかる後にそのリップカラーをそれぞれのクレンジング料0.2gを用いてなじませ、温水を流して除去した。軽くタオルで水分を拭き取り、10分間静置した後、何も処置していないブランク部位との色差をΔEとして測定した。結果を表1に示す。これより、本発明のクレンジング化粧料はクレンジング作用に優れることが判る。
(リップカラー処方)
顔料 20 質量%
トリグリセリンジイソステアレート 20 質量%
ひまし油 5 質量%
マイクロクリスタリンワックス 5 質量%
カルナウバワックス 5 質量%
キャンデリラワックス 5 質量%
リンゴ酸ジイソステアリル 15 質量%
ポリエチレン 5 質量%
レジン酸イソステアリル 20 質量%
Figure 2006298868
<試験例2>
クレンジング化粧料1、比較例1、比較例2について、角栓除去能の試験を行った。即ち、3群計30名用意し、無作為に1群10名ずつ3群に分け、それぞれの群に前記3種の化粧料を割り付けた。各パネラーは小鼻の部分の右側をサンプルで処理し、クレンジングを行った。その後、角栓除去シートを用いて小鼻の部分の角栓を固着剥離し、左の小鼻の部分から採取された角栓の数で右の小鼻の部分から採取された角栓の数を除し、100を乗じてサンプル化粧料による角栓の除去率とした。結果を表2に示す。これより本発明のクレンジング化粧料は角栓除去効果に優れることが判る。
Figure 2006298868
実施例1と同様に操作して、下記処方の本発明の皮膚外用剤である、クレンジング用の化粧料2を製造した。このものの試験例1の評価結果は、ΔEが0.44であり、試験例2の方法での評価結果は、61.1±31.5であり、尿素量を増やしても、効果が頭打ちに近づいていることが判る。

炭酸ジカプリル 45 質量%
セチルイソオクタネート 24 質量%
ステアリン酸 1 質量%
蜜ロウ 3 質量%
ソルビタンセスキステアレート 1 質量%
POE(12)イソステアレート 2 質量%
POE(20)イソステアリン酸グリセリル 1 質量%
POE(7)ヤシ油脂肪酸グリセリル 0.5質量%
グリセリルモノステアレート 1 質量%
POE(25)ステアレート 2 質量%

1,3−ブタンジオール 5 質量%
1,2−ペンタンジオール 2 質量%
フェノキシエタノール 0.5質量%
「シーピーガムFA」 1 質量%
水 8.6質量%
尿素 2 質量%

塩化ナトリウム 0.2質量%
水 0.2質量%
実施例1と同様に操作して、下記処方の本発明の皮膚外用剤である、クレンジング用の化粧料3を製造した。このものの試験例1の評価結果は、ΔEが0.53であり、試験例2の方法での評価結果は、49.7±25.1であり、尿素量としては、効果発現のための下限値に近いことが判る。

炭酸ジカプリル 45 質量%
セチルイソオクタネート 24 質量%
ステアリン酸 1 質量%
蜜ロウ 3 質量%
ソルビタンセスキステアレート 1 質量%
POE(12)イソステアレート 2 質量%
POE(20)イソステアリン酸グリセリル 1 質量%
POE(7)ヤシ油脂肪酸グリセリル 0.5質量%
グリセリルモノステアレート 1 質量%
POE(25)ステアレート 2 質量%

1,3−ブタンジオール 5 質量%
1,2−ペンタンジオール 2 質量%
フェノキシエタノール 0.5質量%
「シーピーガムFA」 1 質量%
水 10.5質量%
尿素 0.1質量%

塩化ナトリウム 0.2質量%
水 0.2質量%
実施例1と同様に操作して、下記処方の本発明の皮膚外用剤である、クレンジング用の化粧料4を製造した。このものの試験例1の評価結果は、ΔEが0.48であり、試験例2の方法での評価結果は、52.3±24.3であった。

炭酸ジカプリル 45 質量%
セチルイソオクタネート 24 質量%
ステアリン酸 1 質量%
蜜ロウ 3 質量%
ソルビタンセスキステアレート 1 質量%
POE(12)イソステアレート 2 質量%
POE(20)イソステアリン酸グリセリル 1 質量%
POE(7)ヤシ油脂肪酸グリセリル 0.5質量%
グリセリルモノステアレート 1 質量%
POE(25)ステアレート 2 質量%

1,3−ブタンジオール 5 質量%
1,2−ペンタンジオール 2 質量%
フェノキシエタノール 0.5質量%
「シーピーガムFA」 0.8質量%
カルボキシビニルポリマー 0.2質量%
水 10.5質量%
尿素 0.1質量%

10%水酸化カリウム水溶液 0.2質量%
水 0.2質量%
<試験例3>
本発明の皮膚外用剤であるクレンジング用の化粧料1〜4の保存試験を行った。即ち、製造後1日に、1サンプルあたり2本の瓶に充填し、40℃で保存し、粘度の推移を調べた。粘度は20℃に恒量にした状態で測定した。(B型粘度計;4号ローター、単位はmPs)結果を表3に示す。いずれのサンプルも安定に推移しているが、カルボキシビニルポリマーを含有するクレンジング用の化粧料4においては減粘傾向が認められた。これより、増粘剤としてはカラギーナンのみを含有する形態が好ましいことが判る。
Figure 2006298868
本発明はクレンジング用の化粧料に好適に応用される。

Claims (5)

  1. 1)尿素0.05〜5質量%と、2)炭酸のジエステル0.1〜50質量%と含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
  2. クレンジング用の化粧料であることを特徴とする、請求項1に記載の皮膚外用剤。
  3. 角栓の除去効果を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の皮膚外用剤。
  4. 更に、カラギーナンを含有することを特徴とする、請求項1〜3何れか1項に記載の皮膚外用剤。
  5. 前記カラギーナンの含有量が0.5〜2質量%であることを特徴とする、請求項4に記載の皮膚外用剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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