JP4122272B2 - 口唇の荒れの処置のための化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、唇のあれを防止或いは改善するための局所投与形態の化粧料などの組成物に関し、更に詳細には、1)ヒドロキシポリカルボン酸の分岐アルコールエステル(炭素数12〜22)と、糖の分岐脂肪酸エステル(炭素数12〜22)とを含有することを特徴とする、唇のあれを防止或いは改善するための局所投与形態の組成物に関する。
敏感肌の人は、全般にわたって、僅かな刺激により、肌荒れを起こしやすい特質を有している。口唇もその例外ではなく、冬などの外気温の低下の著しい場合には、それを刺激に酷い肌荒れなどを起こすことが知られている。この様な場合には、普通の人であれば、リップクリームなどを塗布して、唇を保護し、増悪を予防したりするが、敏感肌の人においては、この様な固体を皮膚に押しつける、塗布行為そのものが刺激になるため、この様な処置が出来なかった。又、クリームなどの乳化系にした場合は、往々にして、乳化のための界面活性剤が刺激となる場合が存し、この様な剤形も適用しがたかった。オイルゲル化粧料であって、25℃付近の常温で粘ちょうな流動性を有するものは、40℃程度の高温域では低粘度の液体になることが殆どで、リップケアに好適な、柔らかいオイルゲル剤形は、存しないのが現状であった。従って、敏感肌の人に好適な口唇用の化粧料は存しないと言わざるを得ない。
口唇部の荒れを改善する有効成分としては、セラミド類、ヘパリノイド類、コウジ酸類、フラボノイド類が存するが(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4を参照)、これらを含有させるに適した剤形は、棒状化粧料剤形或いは乳化剤形であり、これらの剤形は前記の如く、敏感肌の人には好ましくない。
リンゴ酸ジイソステアリルは、化粧料などで油剤として汎用されている原料であり、その密着性の良さを利用して化粧崩れのしにくいメークアップ化粧料に配合されている。(例えば、特許文献5、特許文献6、特許文献7を参照)又、12−ヒドロキシステアリン酸とともに透明ゲルを生成させ、化粧料基材に用いることも知られている。(例えば、特許文献8を参照)しかしながら、敏感肌の人の口唇用の化粧料に好適なことは全く知られていない。
テトライソステアリン酸スクロース(ショ糖テトライソステアリン酸エステル)は、ラノリンの代替原料として開発された化粧料用原料であるが(例えば、特許文献9を参照)、敏感肌の人の口唇用の化粧料に好適なことは全く知られていない。
リンゴ酸ジイソステアリルと、テトライソステアリン酸スクロースを組み合わせることにより、40℃付近の使用条件の高温下でも、粘ちょう性を有し、5℃付近の使用条件の低温域でも、流動性の存する特性の剤形が得られることは全く知られていない。
ビタミンA類(レチノイド)には、肌荒れの改善作用が知られているが、これの製剤としては、固形オイルゲル剤形乃至は乳化剤形が知られているのみである。(例えば、特許文献10を参照)
特開2003−238508号公報 特開2000−204020号公報 特開2000−16912号公報 特開平10−330259号公報 特開2003−34616号公報 特開2002−322020号公報 特開2002−145738号公報 特開2002−332207号公報 特開2003−206213号公報 特開2003−183159号公報
本発明は、この様な条件下為されたものであり、敏感肌の人に好適な、口唇部の荒れの予防、改善に好適な、口唇用の化粧料を提供することを課題とする。
この様な状況に鑑みて、本発明者らは、敏感肌の人に好適な、口唇部の荒れの予防、改善に好適な、口唇用の化粧料を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、1)ヒドロキシポリカルボン酸の分岐アルコールエステル(炭素数12〜22)と、糖の分岐脂肪酸エステル(炭素数12〜22)とを含有することを特徴とする組成物がその様な特性を有していることを見出し、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は、以下に示す技術に関するものである。
(1)唇のあれを防止或いは改善する為の局所投与形態の組成物であって、1)ヒドロキシポリカルボン酸の分岐アルコールエステル(炭素数12〜22)と、糖の分岐脂肪酸エステル(炭素数12〜22)とを含有することを特徴とする組成物
(2)前記ヒドロキシポリカルボン酸の分岐アルコールエステルが、リンゴ酸ジイソステアリルであることを特徴とする、(1)に記載の組成物。
(3)前記糖の分岐脂肪酸エステルが、テトライソステアリン酸スクロースであることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の組成物。
(4)更に、ビタミンA誘導体を含有することを特徴とする、(1)〜(3)何れか1項に記載の組成物。
(5)化粧料であることを特徴とする、(1何れか1項に記載の組成物。
(6)敏感肌の人に適用される為のものであることを特徴とする、(1)〜(5)何れか1項に記載の組成物。
(7)1気圧、25℃の条件で、粘ちょうな流体の形態を取ることを特徴とする、(1)〜(6)何れか1項に記載の組成物。
本発明によれば、敏感肌の人に好適な、口唇部の荒れの予防、改善に好適な、口唇用の化粧料を提供することが出来る。
<1>本発明の組成物の必須成分であるヒドロキシポリカルボン酸の分岐アルコールエステル
本発明の組成物は、唇の荒れを防止乃至は改善するためのものであって、必須成分として、ヒドロキシポリカルボン酸の分岐アルコールエステルを含有することを特徴とする。本発明に言う、ヒドロキシポリカルボン酸とは、構成元素が炭素、水素、酸素のみであり、水酸基を有するカルボン酸であって、1分子内のカルボキシル基の数が少なくとも2つであるものの総称を意味し、かかるヒドロキシポリカルボン酸としては、例えば、クエン酸、イソクエン酸、L−リンゴ酸、D−リンゴ酸などが好適に例示でき、クエン酸乃至はL−リンゴ酸がより好適に例示できる。又、分岐アルコール(分岐のアルキル基)としては、炭素数12〜22のものが好ましく、具体的には、イソステアリルアルコール(イソステアリル基)、イソパルミチルアルコール(イソパルミチル基)、オクチルドデシルアルコール(オクチルドデシル基)等が好ましく例示でき、イソステアリル基が特に好ましい、好ましい化合物としては、クエン酸ジイソステアリル、クエン酸トリイソステアリル、リンゴ酸ジイソステアリルが好適に例示でき、リンゴ酸ジイソステアリルが特に好ましい。本発明の組成物に於いて、かかるヒドロキシポリカルボン酸の分岐アルコールエステルは、高温乃至低温の通常の使用条件下において、組成物に粘ちょうな構造を持たせる作用を有する。本発明の組成物に於いて、前記ヒドロキシポリカルボン酸の分岐アルコールエステルは、唯一種を含有することも出来るし、二種以上を組み合わせて含有させることも出来る。本発明の組成物に於ける、かかるヒドロキシポリカルボン酸の分岐アルコールエステルの好ましい含有量は、総量で、組成物全量に対して、1〜70質量%であり、更に好ましくは30〜60質量%である。これは、少なすぎると温度勾配に対して安定な構造が作れない場合が存し、多すぎると処方の自由度を損なう場合が存するためである。
<2>本発明の組成物の必須成分である糖の分岐脂肪酸エステル
本発明の組成物は、唇の荒れを防止乃至は改善するためのものであって、必須成分として、糖の分岐脂肪酸エステルを含有することを特徴とする。前記糖の脂肪酸エステルを構成する、糖としては、通常化粧料などの分野で使用される糖であれば、特段の限定なく使用でき、例えば、グルコース、ガラクトース、アラビノース、ラクトース、スクロース(ショ糖)等が好適に例示できる。特に好ましいものはスクロースである。又、分岐脂肪酸としては、炭素数12〜22のものが好ましく、例えば、イソパルミチン酸、イソステアリン酸、オクチルドデカン酸などが好ましく例示でき、特に好ましくは、イソステアリン酸が例示できる。糖1分子内に有するかかるエステルの数は、2以上が好ましく、より好ましくは3以上である。これは、フリーの水酸基の数が多すぎると、前記ヒドロキシポリカルボン酸の分岐アルコールエステルとともに働いて、構造を作ることが困難になるためである。具体的な好ましい化合物名としては、テトライソステアリン酸スクロース、トリイソステアリン酸スクロース、トリイソステアリン酸グルコースなどが好適に例示できる。これらは、分岐脂肪酸を塩化チオニルなどでハライド化し、しかる後に、アルカリ存在下、糖と反応させることにより製造することが出来る。又、市販品も存するのでかかる市販品を購入して使用することも出来る。本発明の組成物に於いては、かかる糖の分岐脂肪酸エステルを唯一種含有させることも出来るし、二種以上を組み合わせて含有させることも出来る。本発明の組成物に於いて、かかる糖の分岐脂肪酸エステルは、前記ヒドロキシポリカルボン酸の分岐アルコールエステルとともに作用して、温度勾配に対して安定な構造を形成する作用を有する。この様な効果を奏するためには、糖の分岐脂肪酸エステルは、組成物全量に対して、総量で、1〜40質量%含有することが好ましく、更に好ましくは、5〜25質量%である。
<3>本発明の組成物
本発明の組成物は、唇のあれを防止或いは改善するための局所投与形態の組成物であって、1)前記ヒドロキシポリカルボン酸の分岐アルコールエステル(炭素数12〜22)と、前記糖の分岐脂肪酸エステル(炭素数12〜22)とを含有することを特徴とする。本発明の組成物としては、かかる目的に使用されるものであれば、商品分類に限定を受けることが無く、該商品分類としては、例えば、化粧料(医薬部外品を含む)や皮膚外用医薬などが好適に例示できる。特に好ましい商品分類としては化粧料が例示でき、化粧料でも敏感肌の人用のものが特に好ましく例示できる。これは、本発明の組成物の持つ、物理的にも、化学的にも極めて刺激発現性が低い特徴による。本発明の組成物に於いては、前記必須成分以外に、通常皮膚外用医薬や、化粧料で使用される任意成分を含有することが出来る。この様な任意成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類、流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類、オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の必須成分には分類されない合成エステル油類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類、脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類、イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類、ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキシレングリコール、1,2−オクタンジオール等の多価アルコール類、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類、グアガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、カードラン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、グリコーゲン、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、ムコイチン硫酸、ヒドロキシエチルグアガム、カルボキシメチルグアガム、デキストラン、ケラト硫酸,ローカストビーンガム,サクシノグルカン,カロニン酸,キチン,キトサン、カルボキシメチルキチン、寒天、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ベントナイト等の増粘剤、表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類、表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類、レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類、ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類、パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、糖系紫外線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類、レチノイドと総称される、ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩,ビタミンB6トリパルミテート,ビタミンB6ジオクタノエート,ビタミンB2又はその誘導体,ビタミンB12,ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類、α−トコフェロール,β−トコフェロール,γ−トコフェロール,ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類などが好ましく例示できる。
これらの任意成分の内、特に好ましい成分としては、レチノイドであり、該レチノイドとしては、レチノール、レチナール、13−シス−レチノイン酸、オール−トランス−レチノイン酸およびレチニルエステルから選択される1種乃至は2種以上が好ましく例示でき、中でもレチノールの脂肪酸エステルが特に好ましく例示できる。レチノールの脂肪酸エステルのアシル基(脂肪酸残基)としては、炭素数12〜22のアシル基が好ましく、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、ベヘノイル基、オレオイル基、イソステアロイル基などが好適に例示でき、パルミトイル基が特に好ましい。かかるレチノイドの好ましい含有量は、0.001〜0.1質量%である。更に、なめし効果を付与するために、ポリクォタニウム類の様な陽イオン化ポリマーを極微量含有する形態も好ましい。特にポリクォタニウム類の内、ポリクォタニウム51を0.00001〜0.1質量%含有することが、皮膚バリア能を向上させるので好ましい。更に、皮膚の保湿能を向上させる意味で、異性化糖を0.00001〜0.1質量%含有させることも好ましい。尚、これらに加えて、ローズマリーエキス、セイジエキス、或いはポンカン、ウンシュウミカン、タンカン、ハッサク等のミカン科の果実のエキス等の抗酸化作用を有するエキスを0.00001〜0.1質量%含有させることも、炎症の増悪の抑制に繋がり好ましい。
本発明の組成物は、かかる必須成分、及び、所望により、任意成分を常法に従って処理することにより製造することが出来る。かくして得られた、本発明の組成物は、5〜40℃の使用域において、粘ちょうな液状を呈し、塗布に際しては滑らかに、物理的刺激感を発現することなくのばして塗布できるために、敏感肌の人用の口唇のあれの予防或いは改善のための皮膚外用剤として好適である。又、本発明の組成物は、その粘ちょうな物理的特性故に、吐出口が0.1〜3mmφ程度の口細のチューブに充填し用いることが好ましい。
以下に、実施例を挙げて、本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明がかかる実施例のみに限定を受けないことは言うまでもない。
<実施例1>
下記に示す処方に従って、本発明の唇のあれの改善・予防用の化粧料を作成した。即ち、処方成分を、90℃に加熱し、攪拌、溶解させ、減圧下攪拌冷却し、チューブに充填し本発明の化粧料1を得た。同時に化粧料1のリンゴ酸ジイソステアリルを全てテトライソステアリン酸スクロースに置換した比較例1と、テトライソステアリン酸スクロースを全てリンゴ酸ジイソステアリルに置換した比較例2、従来のリップクリームである、下記に処方を示す、リップスティックタイプの比較例3も作成し、使用性をテストした。使用性は、唇をガムテープで3回ストリッピングして作成したヒト敏感肌モデルでの刺激発現性のテストと、5℃、20℃、40℃での塗布のし易さのテストで評価した。ヒト敏感肌モデルでは、ガムテープストリッピングした部位に化粧料を塗布し、直後及び塗布後10分に感じる刺激を、スコア0:刺激を全く感じない、スコア1:僅かに刺激を感じる、スコア2:少し刺激を感じる、スコア3:明確に刺激を感じる、スコア4:刺激感が強いの基準で判定を行い、塗布のし易さは、5℃、20℃、40℃の恒温室に化粧料を12時間静置し、状態を観察した後、塗布操作を行い、組成物の皮膚へののり具合を見て、○:使用性良好、△:使用性にやや難あり、×:使用性が悪いの基準で判定を行った。結果を表1、表2に示す。本発明の組成物である、化粧料1は5℃、20℃、40℃で何れも使用性が良好であり、刺激発現も極めて少ないことが判る。
(化粧料1)
リンゴ酸ジイソステアリル 60 重量部
テトライソステアリン酸スクロース 20 重量部
トリオクタノイン 5 重量部
ホホバ油 5 重量部
パルミチン酸デキストリン 4.96重量部
イソステアリン酸グリセリル 5 重量部
パルミチン酸レチノールエステル 0.01重量部
ポリクォタニウム51 0.01質量部
異性化糖 0.01質量部
ローズマリーエキス 0.005質量部
ポンカンエキス 0.005質量部
(比較例3)
リンゴ酸ジイソステアリル 50 重量部
カルナウバワックス 5 重量部
モクロウ 5 重量部
キャンデリラワックス 5 重量部
マイクロクリスタリンワックス 5 重量部
水添ヤシ油 10 重量部
トリオクタノイン 5 重量部
ホホバ油 5 重量部
パルミチン酸デキストリン 4.96重量部
イソステアリン酸グリセリル 5 重量部
パルミチン酸レチノールエステル 0.01重量部
ポリクォタニウム51 0.01質量部
異性化糖 0.01質量部
ローズマリーエキス 0.005質量部
ポンカンエキス 0.005質量部
Figure 0004122272
Figure 0004122272
<実施例2>
実施例1と同様に、本発明の組成物である、化粧料2を作成した。刺激発現スコアは、スコア0であり、5℃、20℃、40℃で粘ちょうな流動物の性状を呈し、使用性は何れも○であった。
(化粧料2)
リンゴ酸ジイソステアリル 40 重量部
テトライソステアリン酸スクロース 30 重量部
トリオクタノイン 5 重量部
ホホバ油 5 重量部
パルミチン酸デキストリン 4.96重量部
イソステアリン酸グリセリル 5 重量部
パルミチン酸レチノールエステル 0.01重量部
ポリクォタニウム51 0.01質量部
異性化糖 0.01質量部
ローズマリーエキス 0.005質量部
ポンカンエキス 0.005質量部
<実施例3>
実施例1と同様に、本発明の組成物である、化粧料3を作成した。刺激発現スコアは、スコア0であり、5℃、20℃、40℃で粘ちょうな流動物の性状を呈し、使用性は何れも○であった。
(化粧料3)
リンゴ酸ジイソステアリル 50 重量部
テトライソステアリン酸スクロース 25 重量部
モノイソステアリン酸スクロース 5 重量部
トリオクタノイン 5 重量部
ホホバ油 5 重量部
パルミチン酸デキストリン 4.96重量部
イソステアリン酸グリセリル 5 重量部
パルミチン酸レチノールエステル 0.01重量部
ポリクォタニウム51 0.01質量部
異性化糖 0.01質量部
ローズマリーエキス 0.005質量部
ポンカンエキス 0.005質量部
(参考例)
20gのクエン酸をジメトキシメタン100ml中で10時間還流し、減圧濃縮し、クエン酸のメトキシメトキシエーテルを得た。これをジメチルホルムアミド中水素化ナトリウムを加え、更に、イソステアリルアルコールと塩化チオニルを反応させて誘導したイソステリルクロリドを反応させ、減圧濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、9.6gの、クエン酸トリイソステアリルを得た。
<実施例4>
参考例の如く調整したクエン酸トリイソステアリルを用いて、実施例1と同様に、本発明の組成物である、化粧料4を作成した。刺激発現スコアは、スコア0であり、5℃、20℃、40℃で粘ちょうな流動物の性状を呈し、使用性は何れも○であった。
(化粧料4)
クエン酸トリイソステアリル 60 重量部
テトライソステアリン酸スクロース 20 重量部
トリオクタノイン 5 重量部
ホホバ油 5 重量部
パルミチン酸デキストリン 4.96重量部
イソステアリン酸グリセリル 5 重量部
パルミチン酸レチノールエステル 0.01重量部
ポリクォタニウム51 0.01質量部
異性化糖 0.01質量部
ローズマリーエキス 0.005質量部
ポンカンエキス 0.005質量部
本発明は、敏感肌の人の唇のあれの改善や予防に有用な化粧料に応用できる。

Claims (4)

  1. 唇のあれを防止或いは改善するための局所投与形態の組成物であって、下記の条件を満たすことを特徴とする、組成物。
    1)1気圧、25℃の条件で、粘ちょうな流体の形態を取る。
    2)リンゴ酸ジイソステアリルと、テトライソステアリン酸スクロースとを含有する。
  2. 更に、ビタミンA誘導体を含有することを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  3. 化粧料であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 敏感肌の人に適用される為のものであることを特徴とする、請求項1〜3何れか1項に記載の組成物。
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