JP2006021504A - 可撓性プラスチックフィルムおよびそれを用いた容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 耐熱性に優れ、易剥離シールを形成することができるヒートシール温度の許容範囲が広い可撓性プラスチックフィルムと、それを用いた容器を提供すること。
【解決手段】 可撓性プラスチックフィルムとして、ヒートシール可能なシール層を含み、上記シール層が、結晶融点Tmが135〜145℃であるプロピレン・α−オレフィンランダムコポリマーと、結晶融点Tmが160℃を超えるポリプロピレンホモポリマーとの混合物からなるものを使用する。容器10は、上記フィルムを、シール層が対向するように重ね合わせた状態で、周縁部をヒートシールし、シール部12を形成することによって、製造される。易剥離シール部11は、上記プロピレン・α−オレフィンランダムコポリマーの結晶融点Tmよりも高く、上記ポリプロピレンホモポリマーの結晶融点Tmよりも低い温度でヒートシールを実施することによって形成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、120℃を超える高温での滅菌処理後においても、易剥離シール部分の機能を維持することができる可撓性プラスチックフィルムとそれを用いた容器に関する。
近年、複数の成分を分離して収容しておき、使用時に容器内で混合させることができる複室容器が、例えば輸液バッグなどの医療分野において用いられている。
複室容器は、可撓性を有するプラスチック容器に複数の収容室を設けて、収容室間を、いわゆる易剥離シール部で区切ったものであって、この易剥離シール部のシール強度は、収容室を押圧することによって圧が加わると、剥離するように調節されている。また、易剥離シール部は、一般に、相溶性が乏しく、融点が異なる2種以上の樹脂混合物からなるフィルムをヒートシールすることによって形成されており、輸液バッグなどの医療分野に用いられる容器の場合は、人体に対する安全性や医薬などに対する安定性が確立されているポリエチレンとポリプロピレンとの混合樹脂を用いて形成されている(特許文献1)。
ところが、例えば、高カロリー輸液、腹膜透析液、灌流液、外科手術用の洗浄液などを収容する医療用容器においては、120℃以上の高温での滅菌を要する場合があり、このような場合には、滅菌処理温度がポリエチレンの融点を超えることになり、滅菌処理を実施することで、容器の変形、易剥離シール部の剥離強度の上昇といった問題が生じる。
一方、特許文献2には、120℃以上で滅菌処理を実施したときであっても易剥離シール部の機能を維持することを目的として、易剥離シール部を形成する容器の最内層を、結晶融点Tmが121〜140℃であるシンジオタクチックポリプロピレンと、アイソタクチックペンタッド分率が0.96以下で、結晶融点Tmが140〜160℃であるポリプロピレンとの混合物で形成した複室容器が提案されている(特許文献2)。
特許第2675075号公報 特開2000−5276号公報
しかしながら、特許文献2に記載の医療用容器のように、容器の最内層を、結晶融点Tmが異なる2種のポリプロピレンの混合物で形成した場合であっても、結晶融点Tmが高いポリプロピレンの結晶融点Tmが160℃以下である場合には、後述する実施例より明らかなように、易剥離シールを形成することができるヒートシール温度の許容範囲が1℃と極めて狭くなる問題がある。それゆえ、易剥離シールを形成するには、ヒートシール温度を厳密に管理する必要が生じて、製造工程が複雑化する問題がある。また、ヒートシール温度のわずかな変化によって易剥離シールの易剥離性が損なわれることから、製品の歩留まりが低下する問題もある。
しかも、特許文献2に記載の医療用容器は、耐熱性が十分ではなく、高温滅菌処理を実施することによって、ブロッキングを発生するおそれがある。
そこで、本発明の目的は、耐熱性に優れ、易剥離シールを形成することができるヒートシール温度の許容範囲が広い可撓性プラスチックフィルムと、それを用いた容器を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、
(1) ヒートシール可能なシール層を含み、前記シール層が、結晶融点Tmが135〜145℃であるプロピレン・α−オレフィンランダムコポリマーと、結晶融点Tmが160℃を超えるポリプロピレンホモポリマーとの混合物からなることを特徴とする可撓性プラスチックフィルム、
(2) 前記ポリプロピレンホモポリマーが、前記混合物に対して5〜30重量%の割合で含有されることを特徴とする、前記(1)に記載の可撓性プラスチックフィルム、
(3) 前記ポリプロピレンホモポリマーが、融点が160℃を超え、170℃以下であり、アイソタクチックペンタッド分率が0.97以上であることを特徴とする、前記(1)または(2)に記載の可撓性プラスチックフィルム、
(4) さらに、前記シール層の表面に形成され、ポリプロピレンを含む層を有することを特徴とする、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の可撓性プラスチックフィルム、
(5) さらに、前記シール層の表面に形成される第1柔軟層と、前記第1柔軟層の表面に形成される補強層と、前記補強層の表面に形成される第2柔軟層と、前記第2柔軟層の表面に形成される最外層と、を備え、
前記第1柔軟層が、プロピレン・α−オレフィンランダムコポリマー、プロピレン・α−オレフィンブロックコポリマーおよびシンジオタクチックポリプロピレンからなる群より選ばれる少なくとも1種のポリマーと、エチレン・α−オレフィン共重合体エラストマーとの混合物からなり、前記エチレン・α−オレフィン共重合体エラストマーが、第1柔軟層の全体に対して30〜50重量%の割合で含有され、
前記補強層が、ポリプロピレンホモポリマー、プロピレン・α−オレフィンランダムコポリマー、プロピレン・α−オレフィンブロックコポリマーおよびポリ環状オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のポリマーからなり、
前記第2柔軟層が、プロピレン・α−オレフィンランダムコポリマー、プロピレン・α−オレフィンブロックコポリマーおよびシンジオタクチックポリプロピレンからなる群より選ばれる少なくとも1種のポリマーと、エチレン・α−オレフィン共重合体エラストマーとの混合物からなり、前記エチレン・α−オレフィン共重合体エラストマーが、第2柔軟層の全体に対して30〜50重量%の割合で含有され、
前記最外層が、ポリプロピレンホモポリマー、プロピレン・α−オレフィンランダムコポリマーおよびプロピレン・α−オレフィンブロックコポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種のポリマーからなる
ことを特徴とする、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の可撓性プラスチックフィルム、
(6) 前記第1柔軟層および第2柔軟層の厚さが、それぞれ、フィルム全体の厚さの30〜40%であることを特徴とする、前記(5)に記載の可撓性プラスチックフィルム、
(7) 前記(1)〜(6)のいずれかに記載の可撓性プラスチックフィルムを用いて形成された容器であって、前記可撓性プラスチックフィルムを、そのシール層が対向するように重ね合わせた状態で、その周縁部をヒートシールすることによって形成されるシール部を備えていることを特徴とする容器、
(8) 前記シール部よりも剥離強度が小さい易剥離シール部を備え、前記シール部と前記易剥離シール部とで仕切られた複数の収容室を備えることを特徴とする、前記(7)に記載の容器、
(9) 前記易剥離シール部が、結晶融点Tmが135〜145℃であるプロピレン・α−ランダムオレフィンコポリマーの結晶融点Tmよりも高く、結晶融点Tmが160℃を超えるポリプロピレンホモポリマーの結晶融点Tmよりも低い温度でヒートシールすることによって形成されていることを特徴とする、前記(8)に記載の容器、
(10) 121℃で滅菌処理が施されていることを特徴とする、前記(7)〜(9)のいずれかに記載の容器、
を提供するものである。
本発明において、結晶融点Tmとは、示差走査熱量測定(DSC)によって求められた融解ピ−ク温度Tpmを示す(JIS K 7121参照)。
また、本発明において、「アイソタクチックペンタッド(isotactic pentad)分率」とは、プロピレンの重合体中において、プロピレンユニットが5つ連続してアイソタクチックに結合している割合(%,mmmm構造の含有割合)をいう。このアイソタクチックペンタッド分率は、ポリプロピレンについての13C−NMRスペクトルのピークの帰属に基づいて、m(mmmm)m、m(mmmm)r、および、r(mmmm)rの3つのヘプタッド分率の和として算出される。
本発明の可撓性プラスチックフィルムによれば、輸液バッグなどの容器を形成した場合に、その耐熱性を優れたものとすることができる。また、本発明の可撓性プラスチックフィルムを用いて、易剥離シール部を備える容器を形成した場合であって、この容器に対して、120℃以上の高温で滅菌処理を実施した場合であっても、易剥離シールの易剥離性が損なわれることがない。しかも、本発明の可撓性プラスチックフィルムを用いて易剥離シール部を形成する場合において、易剥離シール部を形成するヒートシール温度には、工業的生産上、有意な温度幅(許容範囲)を得ることができる。
従って、本発明の可撓性プラスチックフィルムおよびそれを用いた容器は、例えば、高温蒸気滅菌処理を要する医療用容器において、とりわけ、易剥離シールを有する複室容器において好適である。
本発明の可撓性プラスチックフィルムは、ヒートシール可能なシール層を含んでおり、このシール層が、結晶融点Tmが135〜145℃であるプロピレン・α−オレフィンランダムコポリマーと、結晶融点Tmが160℃を超えるポリプロピレンホモポリマーとの混合物からなっている。
シール層を形成する融点が135〜145℃であるプロピレン・α−オレフィンランダムコポリマーの融点は、好ましくは、136〜140℃であり、より好ましくは、137〜139℃である。
シール層を形成するプロピレン・α−オレフィンランダムコポリマーの融点が135℃を下回ると、可撓性プラスチックフィルムおよびそれを用いた容器の耐熱性が低下して、ブロッキングを生じやすくなる。一方、シール層を形成するプロピレン・α−オレフィンランダムコポリマーの融点が145℃を超えると、易剥離シール部を形成することができるシール温度の範囲が狭くなって、易剥離シール部を備える容器の工業的生産性が低下する。また、シール層を形成するプロピレン・α−オレフィンランダムコポリマーの融点が145℃を超えることによって、可撓性プラスチックフィルムおよびそれを用いた容器の柔軟性が低下する。
上記融点が135〜145℃であるプロピレン・α−オレフィンランダムコポリマーのプロピレン・α−オレフィンランダムコポリマーにおけるα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、または、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンなどの炭素数4〜6のα−オレフィンが挙げられる。
上記プロピレン・α−オレフィンランダムコポリマーにおいて、α−オレフィンの含有割合は、特に限定されるものではないが、好ましくは、1〜5重量%である。また、上記プロピレン・α−オレフィンランダムコポリマーについて、分子量、重合度、分子量分布などの範囲は特に限定されるものではなく、融点を上記範囲に設定することができる範囲において、適宜選択できる。
上記プロピレン・α−オレフィンランダムコポリマーとしては、好ましくは、プロピレン・エチレンランダムコポリマーであって、エチレンの含有割合が1〜3重量%であるものが挙げられる。
シール層を形成する融点が160℃を超えるポリプロピレンホモポリマーの融点は、好ましくは、160℃を超え、170℃以下であり、より好ましくは、161〜165℃である。
シール層を形成するポリプロピレンホモポリマーの融点が160℃以下になると、易剥離シール部を形成することができるシール温度の範囲が狭くなって、易剥離シール部を備える容器の工業的生産性が低下する。一方、シール層を形成するポリプロピレンホモポリマーの融点の上限は、特に限定されるものではないが、融点が170℃を超えると、可撓性プラスチックフィルムの柔軟性が低下するおそれがある。
上記融点が160℃を超えるポリプロピレンホモポリマーのポリプロピレンホモポリマーとしては、アイソタクチックペンタッド分率が、好ましくは、0.97以上である。アイソタクチックペンタッド分率が0.97以上であるポリプロピレンは、その立体規則性が極めて高く、融点が高い。一方、アイソタクチックペンタッド分率が0.97を下回るポリプロピレンには、融点が160℃を超えるものが少なくなる。
また、上記ポリプロピレンホモポリマーについて、分子量、重合度、分子量分布などの範囲は特に限定されるものではなく、融点を上記範囲に設定することができる範囲において、適宜選択できる。
シール層を形成する、融点が135〜145℃であるプロピレン・α−オレフィンランダムコポリマーと、融点が160℃を超えるポリプロピレンホモポリマーとの混合物において、上記混合物における上記ポリプロピレンホモポリマーの含有割合は、好ましくは、5〜30重量%であり、より好ましくは、10〜20重量%である。融点が160℃を超えるポリプロピレンホモポリマーの含有割合が、上記混合物に対して30重量%を超えると、可撓性プラスチックフィルムおよびそれを用いた容器の柔軟性が低下するおそれがある。一方、融点が160℃を超えるポリプロピレンホモポリマーの含有割合が、上記混合物に対して5重量%を下回ると、可撓性プラスチックフィルムの易剥離性が低下するおそれがあり、また、易剥離シール部を形成することができるヒートシール温度の許容範囲が狭くなるおそれがある。
本発明の可撓性プラスチックフィルムには、例えば、
・上記シール層のみからなる単層フィルムと、
・上記シール層と、上記シール層の表面に形成され、ポリプロピレンを含む層と、を有する多層フィルムと、
が挙げられる。
本発明の可撓性プラスチックフィルムを上記単層フィルムとする場合において、フィルムの厚みは、フィルムに要求される可撓性、柔軟性を維持できる範囲であれば特に限定されるものではないが、好ましくは、150〜350μmであり、より好ましくは、200〜300μmである。
上記単層フィルムは、結晶融点Tmが135〜145℃であるプロピレン・α−オレフィンランダムコポリマーと、結晶融点Tmが160℃を超えるポリプロピレンホモポリマーとを混合し、公知の成形法によって、例えば、Tダイ押出し成形法、インフレーション成形法などによって、上記シール層を成形することによって製造できる。
上記のいずれの成形法においても、結晶融点Tmが135〜145℃であるプロピレン・α−オレフィンランダムコポリマーと、結晶融点Tmが160℃を超えるポリプロピレンホモポリマーとの混合物が溶融する温度で成形する必要があるが、成形温度が高すぎると、プラスチックの一部が熱劣化を起こすおそれがある。それゆえ、上記単層フィルムの成形温度は、これに限定されるものではないが、好ましくは、200〜230℃である。
本発明の可撓性プラスチックフィルムを上記多層フィルムとする場合において、その具体的な層構成としては、例えば、
(i) 上記シール層と、上記シール層の表面に形成される第1柔軟層と、上記第1柔軟層の表面に形成される最外層と、を備える多層フィルム、
(ii) 上記シール層と、上記シール層の表面に形成される第1柔軟層と、上記第1柔軟層の表面に形成される補強層と、上記補強層の表面に形成される第2柔軟層と、上記第2柔軟層の表面に形成される最外層と、を備える多層フィルム、
が挙げられる。
本発明の可撓性プラスチックフィルムを多層フィルムとする場合において、多層フィルムを形成する他のフィルムとしては、滅菌処理に耐え得る耐熱性を有するフィルムであること以外は特に限定されるものではなく、例えば、ポリオレフィン、ポリ環状オレフィン、ポリエステル、ポリアミドなどの熱可塑性プラスチックのフィルムから適宜選択することができる。
ポリオレフィンとしては、例えば、ホモポリエチレン、エチレン・α−オレフィンコポリマー、ポリプロピレンホモポリマー、プロピレン・α−オレフィンランダムコポリマー、プロピレン・α−オレフィンブロックコポリマーなどが挙げられる。
上記エチレン・α−オレフィンコポリマーのα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンなどの炭素数3〜6のα−オレフィンが挙げられる。
上記プロピレン・α−オレフィンランダムコポリマーおよびプロピレン・α−オレフィンブロックコポリマーのα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、または、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンなどの炭素数4〜6のα−オレフィンが挙げられる。
ポリ環状オレフィンとしては、例えば、エチレンとジシクロペンタジエン系化合物との共重合体(またはその水素添加物)、エチレンとノルボルネン系化合物との共重合体(またはその水素添加物)、シクロペンタジエン系化合物の開環重合体(またはその水素添加物)、2種以上のシクロペンタジエン系化合物(またはその水素添加物)からなる開環共重合体などのポリ環状オレフィンが挙げられる。
ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等が挙げられる。
ポリアミドとしては、例えば、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6,10等のナイロンが挙げられる。
上記他のプラスチックフィルムとしては、上記シール層との相溶性や、積層処理のしやすさの観点から、好ましくは、ポリオレフィンが挙げられ、特に好ましくは、ポリプロピレンが挙げられる。
本発明の可撓性プラスチックフィルムを多層フィルムとする場合において、その総厚みは、フィルムの可撓性、柔軟性を維持することができる範囲であれば特に限定されるものではないが、好ましくは、150〜350μmであり、より好ましくは、200〜300μmである。
また、上記多層フィルムにおいて、シール層の厚みは、特に限定されるものではないが、ヒートシールされた周縁部および易剥離シール部の耐熱性や強度を確保するという観点から、好ましくは、20〜100μmであり、より好ましくは、30〜50μmである。
上記第1柔軟層および第2柔軟層(以下、両層をまとめて、単に「柔軟層」という場合がある。)は、多層フィルムの耐熱性を損なうことなく、フィルム全体に柔軟性を付与することを目的とする層である。
柔軟層としては、例えば、プロピレン・α−オレフィンランダムコポリマー、プロピレン・α−オレフィンブロックコポリマーおよびシンジオタクチックポリプロピレンからなる群より選ばれる少なくとも1種のポリマーと、エチレン・α−オレフィン共重合体エラストマーとの混合物からなり、エチレン・α−オレフィン共重合体エラストマーが、柔軟層全体に対して30〜50重量%の割合で含有されるものが挙げられる。また、好ましくは、プロピレン・α−オレフィンランダムコポリマーとエチレン・α−オレフィン共重合体エラストマーとの混合物からなり、エチレン・α−オレフィン共重合体エラストマーが、プロピレン・α−オレフィンランダムコポリマーとエチレン・α−オレフィン共重合体エラストマーとの総量に対して30〜50重量%の割合で含有されるものが挙げられ、より好ましくは、プロピレン・エチレンランダムコポリマーとエチレン・α−オレフィン共重合体エラストマーとからなり、上記エチレン・α−オレフィン共重合体エラストマーが、プロピレン・α−オレフィンランダムコポリマーとエチレン・α−オレフィン共重合体エラストマーとの総量に対して30〜50重量%の割合で含有されるものが挙げられる。
柔軟層を形成するプロピレン・α−オレフィンランダムコポリマーおよびプロピレン・α−オレフィンブロックコポリマーにおけるα−オレフィンとしては、シール層を形成する融点が135〜145℃であるプロピレン・α−オレフィンランダムコポリマーにおけるα−オレフィンと同じものが挙げられ、好ましくは、エチレンが挙げられる。
柔軟層を形成するシンジオタクチックポリプロピレンとしては、例えば、メタロセン触媒を用いて合成されたポリプロピレンなどが挙げられる。
上記プロピレン・α−オレフィンランダムコポリマー、プロピレン・α−オレフィンブロックコポリマーおよびシンジオタクチックポリプロピレンについて、融点、分子量、重合度、分子量分布などの範囲は特に限定されるものではないが、柔軟層の柔軟性を維持する観点から、融点が135〜145℃程度であることが好ましい。
柔軟層を形成するエチレン・α−オレフィン共重合体エラストマーにおけるα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンなどの炭素数3〜6のα−オレフィンが挙げられ、好ましくは、1−ブテンが挙げられる。
また、上記エチレン・α−オレフィン共重合体エラストマーとしては、これに限定されるものではないが、例えば、密度が0.880〜0.910g/cm3であることが好ましい。
柔軟層を形成する、プロピレン・α−オレフィンランダムコポリマー、プロピレン・α−オレフィンブロックコポリマーおよびシンジオタクチックポリプロピレンからなる群より選ばれる少なくとも1種のポリマーと、エチレン・α−オレフィン共重合体エラストマーとの混合物には、フィルムの柔軟性を調節するという観点から、例えば、スチレン系熱可塑性エラストマー、融点が160℃を超えるポリプロピレンホモポリマー、プロセスオイルなどを、適宜配合することができる。
上記スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、マレイン酸などで変性された変性SEBS、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン/ブチレンブロック共重合体(SEB)、スチレン−エチレン/プロピレンブロック共重合体(SEP)などが挙げられる。
上記融点が160℃を超えるポリプロピレンホモポリマーとしては、シール層を形成する融点が160℃を超えるポリプロピレンホモポリマーと同じものが挙げられる。
柔軟層を形成する、プロピレン・α−オレフィンランダムコポリマー、プロピレン・α−オレフィンブロックコポリマーおよびシンジオタクチックポリプロピレンからなる群より選ばれる少なくとも1種のポリマーと、エチレン・α−オレフィン共重合体エラストマーとの混合物に対する、上記スチレン系熱可塑性エラストマーまたは上記ポリプロピレンホモポリマーの配合割合は、特に限定されるものではないが、上記混合物の総量に対する上記スチレン系熱可塑性エラストマーまたは上記ポリプロピレンホモポリマーの配合割合が、10〜30重量%であることが好ましい。
上記プロセスオイルとしては、例えば、パラフィン系プロセスオイル(出光興産(株)製の商品名「PW−90」、「PW−380」、「PS−90」など)、オレフィン系プロセスオイル(松村石油(株)製の商品名「P18」、「P380」、「P46」)が挙げられる。
柔軟層を形成する、プロピレン・α−オレフィンランダムコポリマー、プロピレン・α−オレフィンブロックコポリマーおよびシンジオタクチックポリプロピレンからなる群より選ばれる少なくとも1種のポリマーと、エチレン・α−オレフィン共重合体エラストマーとの混合物に対する、上記プロセスオイルの配合割合は、特に限定されるものではなく、可撓性プラスチックフィルムの表面にプロセスオイルが滲出する現象を防止し得る範囲で、適宜設定することができる。
本発明の可撓性プラスチックフィルムを多層フィルムとする場合において、柔軟層の厚みは特に限定されるものではないが、好ましくは、フィルム全体の厚みに対して、60〜80%である。
補強層は、例えば、高温の滅菌処理によって上記柔軟層が軟化または流動して、不良品となることを防止する目的で配置される層である。
補強層としては、例えば、ポリプロピレンホモポリマー、プロピレン・α−オレフィンランダムコポリマー、プロピレン・α−オレフィンブロックコポリマーおよびポリ環状オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のポリマーからなるものが挙げられる。
補強層を形成するポリプロピレンホモポリマーとしては、例えば、シール層を形成する融点が160℃を超えるポリプロピレンホモポリマーなどが挙げられる。
補強層を形成するプロピレン・α−オレフィンランダムコポリマーおよびプロピレン・α−オレフィンブロックコポリマーにおけるα−オレフィンとしては、シール層を形成する融点が135〜145℃であるプロピレン・α−オレフィンランダムコポリマーにおけるα−オレフィンと同じものが挙げられ、好ましくは、エチレンが挙げられる。
ポリ環状オレフィンとしては、上記したのと同じものが挙げられる。また、これに限定されるものではないが、ガラス転移温度が100〜170℃であるものが好ましい。
可撓性プラスチックフィルムの柔軟性の維持を重視する場合には、補強層として、上記融点が135〜145℃であるプロピレン・α−オレフィンランダムコポリマーを用いることが好ましい。一方、可撓性プラスチックフィルムのフィルム強度や耐熱性を重視する場合には、補強層として、上記融点が160℃を超えるポリプロピレンホモポリマー、または、ポリ環状オレフィンを使用することが好ましい。
補強層の厚みは、特に限定されるものではないが、好ましくは、可撓性プラスチックフィルム全体の厚みに対し、3〜15%である。
最外層は、例えば、高温の滅菌処理によって上記柔軟層が軟化または流動し、不良品となることを防止する目的で配置される層である。
最外層としては、例えば、ポリプロピレンホモポリマー、プロピレン・α−オレフィンランダムコポリマーおよびプロピレン・α−オレフィンブロックコポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種のポリマーからなるものが挙げられる。
最外層を形成するポリプロピレンホモポリマーとしては、例えば、シール層を形成する融点が160℃を超えるポリプロピレンホモポリマーなどが挙げられる。
補強層を形成するプロピレン・α−オレフィンランダムコポリマーおよびプロピレン・α−オレフィンブロックコポリマーにおけるα−オレフィンとしては、シール層を形成する融点が135〜145℃であるプロピレン・α−オレフィンランダムコポリマーにおけるα−オレフィンと同じものが挙げられ、好ましくは、エチレンが挙げられる。
最外層を形成するプラスチックフィルムの組成は、可撓性プラスチックフィルム全体の強度、耐熱性、柔軟性などを鑑みて、適宜決定することができる。
上記の多層フィルムは、上記シール層、第1柔軟層および補強層、または、上記シール層、第1柔軟層、補強層、第2柔軟層および最外層を、公知の押出しラミネーションによって、例えば、Tダイ共押出し成形法、多層インフレーション成形法などによって、成形、積層することによって製造できる。
上記のいずれの成形法においても、各層を構成するプラスチックが溶融する温度で成形する必要があるが、成形温度が高すぎると、プラスチックの一部が熱劣化を起こすおそれがある。それゆえ、上記の多層フィルムの成形温度は、これに限定されるものではないが、好ましくは、200〜230℃である。
本発明の容器10は、例えば、図1に示すように、上記可撓性プラスチックフィルムを、そのシール層が対向するように重ね合わせた状態で、その周縁部をヒートシールすることによって形成されるシール部12を備えているものである。
上記容器は、具体的には、例えば、
・Tダイ法により押出し成形された上記単層フィルムを2枚重ね合わせ、その周縁部をヒートシールすることによりシール部を形成して、袋状または筒状に成形することによって、
・Tダイ法により共押出し成形された上記多層フィルム2枚を、それぞれのシール層を向かい合わせて重ね合わせ、その周縁部をヒートシールすることによりシール部を形成して、袋状または筒状に成形することによって、
・インフレーション成形された上記単層フィルムを折り重ね、その周縁部をヒートシールすることによりシール部を形成して、袋状または筒状に成形することによって、または、
・シール層を内側にして多層インフレーション成形された上記多層フィルムを折り重ね、その周縁部をヒートシールすることによりシール部を形成して、袋状または筒状に成形することによって、
製造することができる。
周縁部のヒートシール条件は、これに限定されるものではないが、170℃以上、好ましくは、180〜200℃で、3〜5秒程度である。
上記容器に易剥離シールを設ける場合において、易剥離シールを形成する際のヒートシール温度は、上記の融点が135〜145℃であるプロピレン・α−オレフィンランダムコポリマーの融点よりも高く、上記の融点が160℃を超えるポリプロピレンホモポリマーの融点よりも低い温度に設定される。
易剥離シールを形成する際のヒートシール条件は、例えば、容器に対して121℃で滅菌処理を施した後においても、易剥離シールの剥離強度を3.92〜5.88N/15mm(約0.4〜0.6kgf/15mm)の範囲に設定することができるように、適宜、設定される。具体的なヒートシール条件としては、好ましくは、140〜155℃、より好ましくは、140〜145℃で、4〜5秒程度である。
なお、上記剥離強度は、JIS Z 0237「粘着テープ・粘着シート試験方法」に記載の方法(180度引きはがし法)に従って測定したものである。この剥離強度は、可撓性プラスチックフィルムを、易剥離シール部分を起点として、幅15mmで切り取り、こうして得られた測定試料の一対のフィルム部分を、互いに180°の方向で、200mm/分の速度で引っ張って、易剥離シールが剥離したときの強度(N/15mm)として測定される。
本発明の容器は、121℃での滅菌処理に供することができる。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
下記の実施例および比較例で使用したフィルム形成材料の略号と、物性、製造元、商品名などを以下に示す。
PP1:ポリプロピレン・α−オレフィンランダムコポリマー(結晶融点Tm138℃、三井化学製の商品名「三井ポリプロ F327」)
PP2:ポリプロピレンホモポリマー(結晶融点Tm163℃、アイソタクチックペンタッド分率0.97、三井化学製の商品名「三井ポリプロ J103」)
PP3:ポリプロピレン・α−オレフィンランダムコポリマー(結晶融点Tm130℃、三井化学製の商品名「三井ポリプロ F337」)
PP4:ポリプロピレンホモポリマー(結晶融点Tm160℃、アイソタクチックペンタッド分率0.96、三井化学製の商品名「三井ポリプロ F107」)
COP:ノルボルネン系単量体の開環重合体の水素添加物(比重1.01、ガラス転移温度105℃、日本ゼオン(株)製「ゼオノア(登録商標)1020R」)
PEE:エチレン・1−ブテン共重合体(密度0.885g/cm3、三井化学(株)製「タフマー(登録商標)A0585X」)
実施例1および比較例1〜3
下記表1に示す層構成の可撓性プラスチックフィルムを製造し、さらにそのフィルムを用いて、図1に示す容器(輸液バッグ)10を製造した。
実施例1および比較例1〜3で製造した可撓性プラスチックフィルムは、一方の表面から順に、シール層、第1柔軟層、補強層、第2柔軟層および最外層の合計5つの層を積層したものであって、各層の厚みは、シール層から順に、30μm、90μm、20μm、90μmおよび20μmとなるように設定した。
また、上記可撓性プラスチックフィルムは、多層インフレーション法によって、シール層を内層とするインフレーションフィルムとして成形した。
表1に示す層構成を有するインフレーションフィルムを、所定の長さに切り取って、その周縁部を195℃で、5秒間ヒートシールして、シール部12を形成することによって、可撓性を有する容器(輸液バッグ)10を製造した(図1参照)。
また、この容器10には、収容室13の中間部分を140〜145℃で、4.5秒間ヒートシールすることによって、易剥離シール部11を形成した。易剥離シール部11の形成は、各実施例および比較例において、シール温度を変えて実施した。その際、シール温度は、122〜152℃の範囲で、0.1℃ピッチで変更した。
容器10の口部材14には、ポリエチレンからなる外枠体と、スチレン系熱可塑性エラストマーからなる栓体とを備えるポート型の口部材を使用した。
次に、容器の上部収容室13aに生理食塩水720mLを充填し、下部収容室13bに生理食塩水1280mLを充填して、密封した後、121℃で、20分間、高圧蒸気滅菌を施した。また、滅菌処理後の易剥離シール11の剥離強度(N/15mm,JIS Z 0237)を、(株)島津製作所製のオートグラフを使用して測定した。
上記測定の結果、滅菌処理後においても、易剥離シールの剥離強度を3.92〜5.88N/15mmの範囲に維持することができたヒートシールの温度範囲(℃)と、その温度幅で示される許容温度(℃)を求めた。
以上の結果を表2に示す。
表2に示すように、実施例1の可撓性プラスチックフィルムで作製された容器は、いずれも、易剥離シールの許容シール温度範囲が2℃以上であった。
これに対し、比較例3の可撓性プラスチックフィルムは、シール温度範囲が131.0〜132.0℃であって、その許容範囲が1.0℃と極めて狭いことから、シール温度の制御が難しく、不良品が生じやすくなって、歩留まりが低下した。
また、比較例1および2の可撓性プラスチックフィルムにおいては、滅菌処理後に、容器の内面同士が溶着するブロッキング現象や、易剥離シールの剥離強度の上昇による易剥離性の低下が生じた。
実施例2〜8
下記表3に示す層構成であること以外は、実施例1と同様にして、可撓性プラスチックフィルムを製造し、さらにそのフィルムを用いて、実施例1と同様にして、図1に示す容器(輸液バッグ)10を製造した。
上記実施例2〜8の可撓性プラスチックフィルムを用いて製造された容器(輸液バッグ)10について、実施例1と同様に、易剥離シール部を形成するシール温度を変えつつ、そのときの剥離強度(N/15mm)を測定した。その結果、易剥離シールの剥離強度を3.92〜5.88N/15mmの範囲に維持することができたヒートシールの許容温度(℃)の範囲は、実施例2〜8のいずれについても、2℃以上であった。
容器の一実施形態を示す正面図である。
符号の説明
10 容器(輸液バッグ)
11 易剥離シール部
12 シール部
13 収容室

Claims (10)

  1. ヒートシール可能なシール層を含み、前記シール層が、結晶融点Tmが135〜145℃であるプロピレン・α−オレフィンランダムコポリマーと、結晶融点Tmが160℃を超えるポリプロピレンホモポリマーとの混合物からなることを特徴とする可撓性プラスチックフィルム。
  2. 前記ポリプロピレンホモポリマーが、前記混合物に対して5〜30重量%の割合で含有されることを特徴とする、請求項1に記載の可撓性プラスチックフィルム。
  3. 前記ポリプロピレンホモポリマーが、融点が160℃を超え、170℃以下であり、アイソタクチックペンタッド分率が0.97以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載の可撓性プラスチックフィルム。
  4. さらに、前記シール層の表面に形成され、ポリプロピレンを含む層を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の可撓性プラスチックフィルム。
  5. さらに、前記シール層の表面に形成される第1柔軟層と、前記第1柔軟層の表面に形成される補強層と、前記補強層の表面に形成される第2柔軟層と、前記第2柔軟層の表面に形成される最外層と、を備え、
    前記第1柔軟層が、プロピレン・α−オレフィンランダムコポリマー、プロピレン・α−オレフィンブロックコポリマーおよびシンジオタクチックポリプロピレンからなる群より選ばれる少なくとも1種のポリマーと、エチレン・α−オレフィン共重合体エラストマーとの混合物からなり、前記エチレン・α−オレフィン共重合体エラストマーが、第1柔軟層の全体に対して30〜50重量%の割合で含有され、
    前記補強層が、ポリプロピレンホモポリマー、プロピレン・α−オレフィンランダムコポリマー、プロピレン・α−オレフィンブロックコポリマーおよびポリ環状オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のポリマーからなり、
    前記第2柔軟層が、プロピレン・α−オレフィンランダムコポリマー、プロピレン・α−オレフィンブロックコポリマーおよびシンジオタクチックポリプロピレンからなる群より選ばれる少なくとも1種のポリマーと、エチレン・α−オレフィン共重合体エラストマーとの混合物からなり、前記エチレン・α−オレフィン共重合体エラストマーが、第2柔軟層の全体に対して30〜50重量%の割合で含有され、
    前記最外層が、ポリプロピレンホモポリマー、プロピレン・α−オレフィンランダムコポリマーおよびプロピレン・α−オレフィンブロックコポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種のポリマーからなる
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の可撓性プラスチックフィルム。
  6. 前記第1柔軟層および第2柔軟層の厚さが、それぞれ、フィルム全体の厚さの30〜40%であることを特徴とする、請求項5に記載の可撓性プラスチックフィルム。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の可撓性プラスチックフィルムを用いて形成された容器であって、前記可撓性プラスチックフィルムを、そのシール層が対向するように重ね合わせた状態で、その周縁部をヒートシールすることによって形成されるシール部を備えていることを特徴とする容器。
  8. 前記シール部よりも剥離強度が小さい易剥離シール部を備え、前記シール部と前記易剥離シール部とで仕切られた複数の収容室を備えることを特徴とする、請求項7に記載の容器。
  9. 前記易剥離シール部が、結晶融点Tmが135〜145℃であるプロピレン・α−オレフィンランダムコポリマーの結晶融点Tmよりも高く、結晶融点Tmが160℃を超えるポリプロピレンホモポリマーの結晶融点Tmよりも低い温度でヒートシールすることによって形成されていることを特徴とする、請求項8に記載の容器。
  10. 121℃で滅菌処理が施されていることを特徴とする、請求項7〜9のいずれかに記載の容器。
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