JP2006018902A - ディスクリートトラック媒体を有する垂直磁気記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ディスクリートトラック媒体と、記録ヘッドのスキュー角を考慮した適切な主磁極とを有し、信号SN比の低下を防止できる垂直磁気記録装置を提供する。
【解決手段】基板上に、軟磁性層と、垂直記録層とを有し、前記垂直記録層の膜面内に記録トラックを磁気的に分断する溝または非磁性材料からなるガードバンドが形成されたディスクリートトラック媒体と、主磁極と、補助ヨークと、コイルとを有する磁気ヘッドとを具備し、前記主磁極の媒体対向面の形状は、ヘッド走行方向に沿う側辺をヘッド走行方向に垂直な直線上に投影した線分の距離Jが前記ディスクリートトラック媒体のガードバンドの幅bよりも小さいという条件を、前記主磁極が前記ディスクリートトラック媒体のどの記録トラック上に位置するときにも満たす、ディスクリートトラック媒体を有する垂直磁気記録装置。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ディスクリートトラック媒体を有する垂直磁気記録装置に関する。
ディスクリートトラック媒体は、隣接する記録トラックどうしを溝または非磁性材料で磁気的に分断した構造を有する媒体である。以下、隣接する記録トラックを磁気的に分断する溝または非磁性材料をガードバンドという。ディスクリートトラック媒体は、ガードバンドによって、記録ヘッドからの磁界が隣接する記録トラックへにじみ出すのを防止することを目的としている。このようなディスクリートトラック媒体を垂直磁気記録媒体に適用すれば、非常に高い記録密度を実現できると期待されている。
従来、ディスクリートトラック媒体ではない垂直磁気記録媒体を組み込んだ垂直磁気記録装置において、媒体対向面においてトラック幅よりも磁極長さを長くした主磁極を用いることが提案されている(特許文献1)。しかし、この垂直磁気記録装置では、磁気ヘッドのスキュー角を考慮していないので、主磁極の媒体対向面の側辺が隣接する記録トラックにオーバーラップして信号SN比を低下させるおそれがある。
また、ディスクリートトラック媒体ではない垂直磁気記録媒体を組み込んだ垂直磁気記録装置において、磁気ヘッドのスキュー角を考慮して主磁極の寸法を規定することが提案されている(特許文献2)。
しかし、現状では、ディスクリートトラック媒体を組み込んだ垂直磁気記録装置において、記録ヘッドのスキュー角まで考慮して適切な主磁極を用いて信号SN比の低下を防止することは提案されていない。
特開2002−100001号公報 特開2003−203309号公報
本発明の目的は、ディスクリートトラック媒体と、記録ヘッドのスキュー角を考慮した適切な主磁極とを有し、信号SN比の低下を防止できる垂直磁気記録装置を提供することにある。
本発明の一態様に係るディスクリートトラック媒体を有する垂直磁気記録装置は、基板上に、軟磁性層と、垂直記録層とを有し、前記垂直記録層の膜面内に記録トラックを磁気的に分断する溝または非磁性材料からなるガードバンドが形成されたディスクリートトラック媒体と;主磁極と、補助ヨークと、コイルとを有する磁気ヘッドとを具備し、前記主磁極の媒体対向面の形状は、ヘッド走行方向に沿う側辺をヘッド走行方向に垂直な直線上に投影した線分の距離Jが前記ディスクリートトラック媒体のガードバンドの幅bよりも小さいという条件を、前記主磁極が前記ディスクリートトラック媒体のどの記録トラック上に位置するときにも満たすことを特徴とする。
本発明の垂直磁気記録装置によれば、磁気ヘッドのスキュー角を考慮して主磁極の媒体対向面の形状を規定することにより、ディスクリートトラック媒体上において、主磁極の側辺が隣接する記録トラック上にオーバーラップしないようにして、SN比の低下を防止できる。しかも、主磁極の媒体対向面の断面積をできるだけ大きくすることができるので、十分な磁界強度を確保でき、媒体上に記録分解能の高い磁化転移を形成させることができ、高密度化に有利である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明の実施形態に係る垂直磁気記録装置を示す斜視図である。図1において、磁気ディスクは、基板50上に、軟磁性層51、膜面に対して垂直方向に磁気異方性をもつ垂直記録層52を有する。垂直記録層52の膜面内には、記録トラック21と、隣接する記録トラック21を磁気的に分断する溝または非磁性材料からなるガードバンド23が形成されている。このような磁気ディスクはディスクリートトラック媒体と呼ばれる。
磁気ヘッドは、記録ヘッドと再生ヘッドとを含む。記録ヘッドは、ディスク面に対して垂直方向に磁界を発生させる高透磁率材料からなる主磁極1と、そのリーディング側に配置され主磁極1直下の軟磁性層51を介して効率的に閉磁路を形成するために設けられたリターン磁極3と、主磁極1に磁束を流すために主磁極1およびリターン磁極3を含む磁路に巻回されたコイル7とを含む。再生ヘッドは、磁気抵抗効果素子(図1には示されていない)と、磁気抵抗効果素子を挟むようにそのトレーリング側およびリーディング側に配置されたシールド膜3、4とを含む。トレーリング側のシールド膜3は、リターン磁極を兼ねている。
図2は本発明の第1の実施形態に係る垂直磁気記録装置に組み込まれたディスクリートトラック媒体とその上に配置される主磁極1の媒体対向面(以下、ABSと記す)の形状を示す平面図である。図2に示すように、ディスクリートトラック媒体の記録トラック21の幅をa、隣接する記録トラック21を磁気的に分断するガードバンドの幅をbとする。また、図2は磁気ヘッドしたがって主磁極1が、ヘッド走行方向に対して角度θ(以下、スキュー角と呼ぶ)だけ傾いている状態を示している。図2においては主磁極1のABSの形状はほぼ長方形をなしている。主磁極1のABSの形状に関して、ヘッド走行方向に沿う側辺の長さ、すなわちヘッド走行方向に沿うトレーリング端とリーディング端との間の距離をL、トレーリング端のトラック幅をTt、リーディング端のトラック幅をTlとする。ヘッド走行方向とはトラックの長手方向を意味し、ヘッドに対して相対的に移動する媒体の移動方向とは逆の方向である。
このとき、図2に示すように、ヘッド走行方向に沿う側辺(長さL)をヘッド走行方向に垂直な直線上に投影した線分の距離J(図2ではJ=Lsinθ)はディスクリートトラック媒体のガードバンド23の幅bよりも小さくなっている。この条件は、主磁極1がディスクリートトラック媒体のどの記録トラック21上に位置するときにも満たしている。この条件を満たしていれば、主磁極1の側辺が隣接する記録トラック21上にオーバーラップするおそれがないので、SN比の低下を防止できる。
また、図2に示す主磁極1のABSの形状に関しては、ヘッド走行方向に沿うトレーリング端とリーディング端との間の距離(図2ではヘッド走行方向に沿う側辺の長さ)Lは、トレーリング端のトラック幅Ttよりも大きくなっている。この条件を満たしていれば、トラック密度を上げるためにトラック幅を狭くしても、主磁極1のABSの面積を十分大きくして十分な磁界強度を確保でき、記録分解能を向上させることができる。
図3は本発明の第2の実施形態に係る垂直磁気記録装置に組み込まれたディスクリートトラック媒体とその上に配置される主磁極1のABSの形状を示す平面図である。ディスクリートトラック媒体および主磁極1について使用した記号の意味は、図2の場合と同様である。図3も主磁極1が、ヘッド走行方向に対してあるスキュー角だけ傾いている状態を示している。図3においては主磁極1のABSの形状は、ヘッド走行方向に沿った両方の側辺にそれぞれ凸部を有する6角形の形状をなしている。この結果、トレーリング端のトラック幅Ttはリーディング端のトラック幅Tlよりも大きくなっている。なお、主磁極1のABSのヘッド走行方向に沿った両方の側辺に複数の凸部を設けてもよい。
図3においても、ヘッド走行方向に沿う側辺をヘッド走行方向に垂直な直線上に投影した線分の距離Jはディスクリートトラック媒体のガードバンド23の幅bよりも小さくなっている。この条件は、主磁極1がディスクリートトラック媒体のどの記録トラック21上に位置するときにも満たしている。この条件を満たしていれば、主磁極1の側辺が隣接する記録トラック21上にオーバーラップするおそれがないので、SN比の低下を防止できる。また、図3においても、ヘッド走行方向に沿うトレーリング端とリーディング端との間の距離Lは、トレーリング端のトラック幅Ttよりも大きくなっている。この条件を満たしていれば、トラック密度を上げるためにトラック幅を狭くしても、主磁極1のABSの面積を十分大きくして十分な磁界強度を確保でき、記録分解能を向上させることができる。
図4は本発明の第3の実施形態に係る垂直磁気記録装置に組み込まれたディスクリートトラック媒体とその上に配置される主磁極1のABSの形状を示す平面図である。ディスクリートトラック媒体および主磁極1について使用した記号の意味は、図2の場合と同様である。図4も主磁極1が、ヘッド走行方向に対してあるスキュー角だけ傾いている状態を示している。図4においては主磁極1のABSの形状は、ヘッド走行方向に沿った両方の側辺にそれぞれ凸部と凹部を有する8角形の形状をなしている。この結果、トレーリング端のトラック幅Ttはリーディング端のトラック幅Tlよりも大きくなっている。なお、主磁極1のABSのヘッド走行方向に沿った両方の側辺に複数の凸部または凹部を設けてもよい。
図4においても、ヘッド走行方向に沿う側辺をヘッド走行方向に垂直な直線上に投影した線分の距離Jはディスクリートトラック媒体のガードバンド23の幅bよりも小さくなっている。この条件は、主磁極1がディスクリートトラック媒体のどの記録トラック21上に位置するときにも満たしている。この条件を満たしていれば、主磁極1の側辺が隣接する記録トラック21上にオーバーラップするおそれがないので、SN比の低下を防止できる。また、図4においても、ヘッド走行方向に沿うトレーリング端とリーディング端との間の距離Lは、トレーリング端のトラック幅Ttよりも大きくなっている。この条件を満たしていれば、トラック密度を上げるためにトラック幅を狭くしても、主磁極1のABSの面積を十分大きくして十分な磁界強度を確保でき、記録分解能を向上させることができる。
図5は本発明の第4の実施形態に係る垂直磁気記録装置に組み込まれたディスクリートトラック媒体とその上に配置される主磁極1のABSの形状を示す平面図である。ディスクリートトラック媒体および主磁極1について使用した記号の意味は、図2の場合と同様である。図5も主磁極1が、ヘッド走行方向に対してあるスキュー角だけ傾いている状態を示している。図5においては主磁極1のABSの形状は、ヘッド走行方向に沿った両方の側辺にそれぞれ凹部を形成する曲線を有する形状をなしている。この結果、トレーリング端のトラック幅Ttはリーディング端のトラック幅Tlよりも大きくなっている。
図5においても、ヘッド走行方向に沿う側辺をヘッド走行方向に垂直な直線上に投影した線分の距離Jはディスクリートトラック媒体のガードバンド23の幅bよりも小さくなっている。この条件は、主磁極1がディスクリートトラック媒体のどの記録トラック21上に位置するときにも満たしている。この条件を満たしていれば、主磁極1の側辺が隣接する記録トラック21上にオーバーラップするおそれがないので、SN比の低下を防止できる。また、図5においても、ヘッド走行方向に沿うトレーリング端とリーディング端との間の距離Lは、トレーリング端のトラック幅Ttよりも大きくなっている。この条件を満たしていれば、トラック密度を上げるためにトラック幅を狭くしても、主磁極1のABSの面積を十分大きくして十分な磁界強度を確保でき、記録分解能を向上させることができる。
図6は本発明の第5の実施形態に係る垂直磁気記録装置に組み込まれたディスクリートトラック媒体とその上に配置される主磁極1のABSの形状を示す平面図である。ディスクリートトラック媒体および主磁極1について使用した記号の意味は、図2の場合と同様である。図6も主磁極1が、ヘッド走行方向に対してあるスキュー角だけ傾いている状態を示している。図6においては主磁極1のABSの形状は、リーディング端のトラック幅Tlがトレーリング端のトラック幅Ttよりも大きい台形の形状をなしている。また、図6に示す主磁極1のLは、図2〜図5に示した主磁極のLよりも小さい。これらの点で、図6の主磁極の形状は図2〜図5に示した主磁極の形状と異なっている。図6の主磁極1のABS断面積は、(主磁極1のトレーリング端とリーディング端の距離L)×(トレーリング端のトラック幅Tt)よりも大きくなっている。したがって、主磁極1のABSの面積を十分大きくして十分な磁界強度を確保でき、記録分解能を向上させることができる。
図6においても、ヘッド走行方向に沿う側辺をヘッド走行方向に垂直な直線上に投影した線分の距離Jはディスクリートトラック媒体のガードバンド23の幅bよりも小さくなっている。この条件は、主磁極1がディスクリートトラック媒体のどの記録トラック21上に位置するときにも満たしている。この条件を満たしていれば、主磁極1の側辺が隣接する記録トラック21上にオーバーラップするおそれがないので、SN比の低下を防止できる。
図2〜図6に示したような形状を有する主磁極は、主磁極を形成する高透磁率材料を成膜した後、スパッタエッチングする際に、たとえばエッチングガスの入射角度を調整することにより所望の形状に加工することができる。
本発明の他の実施形態に係る垂直磁気記録装置に組み込まれるディスクリートトラック媒体では、ガードバンドの幅bがディスクリートトラック媒体の半径方向の位置に応じて異なっていてもよい。たとえば、図7に示すように、主磁極のスキュー角が大きくなるディスクリートトラック媒体の内周部および外周部においてガードバンドの幅b1を広くし、主磁極のスキュー角が大きくなるディスクリートトラック媒体の半径方向に沿う中間的な位置においてガードバンドの幅b2を狭くしてもよい。
このようなディスクリートトラック媒体を用いれば、主磁極1の側辺が隣接する記録トラック21上にオーバーラップするための、主磁極の設計マージンを大きくすることができ、主磁極の設計が容易になる。
なお、ディスクリートトラック媒体はいわゆるインプリント法を使用して製造することができるので、図7に示したようにディスクリートトラック媒体の半径方向の位置に応じてガードバンドの幅bを変えることに関して製造上の困難が生じることはない。
本発明の実施形態に係る垂直磁気記録装置を示す斜視図。 本発明の第1の実施形態に係る垂直磁気記録装置に組み込まれたディスクリートトラック媒体とその上に配置される主磁極の媒体対向面の形状を示す平面図。 本発明の第2の実施形態に係る垂直磁気記録装置に組み込まれたディスクリートトラック媒体とその上に配置される主磁極の媒体対向面の形状を示す平面図。 本発明の第3の実施形態に係る垂直磁気記録装置に組み込まれたディスクリートトラック媒体とその上に配置される主磁極の媒体対向面の形状を示す平面図。 本発明の第4の実施形態に係る垂直磁気記録装置に組み込まれたディスクリートトラック媒体とその上に配置される主磁極の媒体対向面の形状を示す平面図。 本発明の第5の実施形態に係る垂直磁気記録装置に組み込まれたディスクリートトラック媒体とその上に配置される主磁極の媒体対向面の形状を示す平面図。 本発明の他の実施形態に係る垂直磁気記録装置に組み込まれるディスクリートトラック媒体の平面図。
符号の説明
1…主磁極、3…リターン磁極(シールド膜)、4…シールド膜、7…コイル、21…記録トラック、23…ガードバンド、50…基板、51…軟磁性層、52…垂直記録層。

Claims (9)

  1. 基板上に、軟磁性層と、垂直記録層とを有し、前記垂直記録層の膜面内に記録トラックを磁気的に分断する溝または非磁性材料からなるガードバンドが形成されたディスクリートトラック媒体と;主磁極と、補助ヨークと、コイルとを有する磁気ヘッドとを具備し、
    前記主磁極の媒体対向面の形状は、ヘッド走行方向に沿う側辺をヘッド走行方向に垂直な直線上に投影した線分の距離Jが前記ディスクリートトラック媒体のガードバンドの幅bよりも小さいという条件を、前記主磁極が前記ディスクリートトラック媒体のどの記録トラック上に位置するときにも満たすことを特徴とするディスクリートトラック媒体を有する垂直磁気記録装置。
  2. 前記主磁極の媒体対向面の形状は、ヘッド走行方向に沿うトレーリング端とリーディング端との間の距離Lが、トレーリング端のトラック幅Ttよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の垂直磁気記録装置。
  3. 前記主磁極の媒体対向面は、ほぼ長方形の形状をなすことを特徴とする請求項2に記載の垂直磁気記録装置。
  4. 前記主磁極の媒体対向面は、両側辺に凸部を有する多角形の形状をなすことを特徴とする請求項2に記載の垂直磁気記録装置。
  5. 前記主磁極の媒体対向面は、両側辺に凸部および凹部を有する多角形の形状をなすことを特徴とする請求項2に記載の垂直磁気記録装置。
  6. 前記主磁極の媒体対向面は、両側辺に凹部を形成する曲線を有する形状をなすことを特徴とする請求項2に記載の垂直磁気記録装置。
  7. 前記主磁極の媒体対向面の形状は、リーディング端のトラック幅Tlがトレーリング端のトラック幅Ttよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の垂直磁気記録装置。
  8. 前記ガードバンドの幅bは、前記ディスクリートトラック媒体の半径方向の位置に応じて異なることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに1項に記載の垂直磁気記録装置。
  9. 前記ガードバンドの幅bは、前記ディスクリートトラック媒体の内周部および外周部で広く、前記ディスクリートトラック媒体の半径方向に沿う中間的な位置で狭いことを特徴とする請求項8に記載の垂直磁気記録装置。
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