JP2006016550A - 多孔性フィルム、電池用セパレータおよび電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 少なくともポリエチレン樹脂(A)と、溶融張力が3.0gf以上であるポリプロピレン樹脂(B)と、充填剤(C)の3成分を含む樹脂組成物からなるフィルムで、延伸により上記充填剤(C)を起点とする空孔が設けられている。上記ポリエチレン樹脂(A)の密度が0.94g/cm3以上とし、該ポリエチレン樹脂(A)100質量部に対して、ポリプロピレン樹脂(B)が1〜50質量部で配合し、充填剤(C)として平均粒径0.1〜50μmの炭酸カルシウムあるいは/および硫酸バリウムを用いている。
【選択図】 図1
Description
従来の小型の二次電池は、OA、FA、家電、通信機器等のポータブル電子機器用電源として幅広く使用されており、さらに機器に装備した場合に容積効率がよく、機器の小型化、軽量化につながることからリチウムイオン二次電池を使用したポータブル機器が増加している。
一方、大型の二次電池は、ロードレベリング、無停電電源(UPS)、電気自動車をはじめ、環境問題に関連する多くの分野に置いて研究開発が進められ、大容量、高出カ、高電圧、長期保存性に優れている点より、非水電解質二次電池の一種であるリチウムイオン二次電池の用途が広がっている。
非水電解質用の溶媒としては、より多くのリチウムイオンを存在させることができる高誘電率有機溶媒が用いられ、該高誘電率有機溶媒としてポリプロピレンカーボネートやエチレンカーボネート等の有機炭酸エステルが使用されている。また、溶媒中でリチウムイオン源となる支持電解質として、6フッ化リン酸リチウム等の反応性の高い電解質を溶媒中に溶かして使用している。
この観点から、ポリオレフィン系樹脂からなる微多孔質膜がセパレータとして使用されている。しかし、シャットダウン後も何らかの理由で電池内部で温度の上昇が続いてセパレータの耐熱温度を超えると、セパレータが溶融し、極板間の隔離性が著しく低下するため、電池内でショートが発生する恐れがある。
しかし、ポリオレフィン系樹脂と無機粉体を素材としてセパレータ用の多孔性フィルムを製造する際、上記ポリエチレン樹脂と無機粉体に可塑剤を混合し、この混合物をシート状に成形する一次加工、該シートを延伸・圧延等して空孔を設ける二次加工を行った後に、配合している可塑剤を有機溶媒で抽出除去する工程が必要となり、この抽出工程で多量の有機溶剤等を使用すると共に工程数が増加し、生産性が悪い問題がある。
しかしながら、ポリプロピレンは融点が高く異常高温時での閉塞が困難で、シャットダウン機能を期待できない。よって、大容量の電池システム用のセパレータとしては使用可能であるが、民生用電池のセパレータとしては使用されていなのが現状である。
さらに、ポリプロピレンを使用しているため、均一な透過性を有するフィルムが形成しにくく非常に裂けやすく、巻芯を用いて正極、セパレータ、負極を渦巻き状に巻回する際に切断が困難で安定して電池を製造することができない。
しかしながら、本発明者が生産機レベルで追試した結果、連続的に製造することは困難であり、また厚み精度も目的とする精度を制御して得ることができない。原因として特に二軸延伸を行う場合は高密度ポリエチレンのみでは延展性が悪いという問題点が挙げられる。延展性がわるいと、製造される多孔性フィルムからなるセパレータは、その厚み精度が低くなり均一な厚にならない。その場合、円筒形、菱形または扁平形等の巻芯を用いて正極、セパレータおよび負極を重ねて渦巻状に捲回する際、所定のサイズに収めることができず、電池缶に収容出来きず、巻き込み不良が発生し易くなる問題があった。さらに、収容できても局所的に圧力がかかり短絡が発生しやすい場合がある。
ポリエチレンの重合触媒には特に制限はなく、チーグラー型触媒、フィリップス型触媒、カミンスキー型触媒等いずれのものでも良い。ポリエチレンの重合方法として、一段重合、二段重合、もしくはそれ以上の多段重合等があり、いずれの方法のポリエチレンも使用可能である。
上記のように、溶融張力が3.0g以上のポリプロピレン樹脂を添加すると、特にフィルムの成形安定性が大きく向上する。逆に、添加するポリプロピレン樹脂の溶融張力が3.0gf未満である場合は、3.0gf以上の溶融張力であるポリプロピレン樹脂を添加した場合と比較すると、成形が不安定になり、これにより膜厚精度が悪くなる。溶融張力が3.0gf以上であれば、ポリプロピレン樹脂(B)として、ホモポリプロピレン、エチレンプロピレンランダム共重合体、エチレンプロピレンブロック共重合体等を用いることができる。好ましくは、エチレンプロピレンランダム共重合体、エチレンプロピレンブロック共重合体である。さらに好ましくは、融点の温度が140℃以上であるエチレンプロピレン共重合体、エチレンプロピレンブロック共重合体である。
溶融張力の測定は、東洋精機社製メルトテンションメーターを190℃に設定して測定した。本発明での溶融張力は、このメルトテンションテスターを用いて引き取り速度1.5m/分、押出速度は4.5mm/分で測定した値である。
無機充填剤の例としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウムなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウムなどの塩化物、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、シリカなどの酸化物のほか、タルク、クレー、マイカなどのケイ酸塩等が挙げられる。これらの中でも、硫酸バリウムと炭酸カルシウムが好適に好ましい。
有機充填剤の例としては、超高分子量ポリエチレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリプチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、メラミン、ペンゾグアナミンなとの熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂が挙げられる。これらの中でも、特に架橋させたポリスチレンなどが好ましい。
より好ましくは、樹脂成分(A)(B)の合計100質量部に対し、充填剤(C)は50〜300質量部、さらに100〜200質量部が最も好ましい。
融点が25℃以上でないものは、フィルムの剛性が低下するので、フィルムのコシを必要としない用途では問題ない。しかしながらフィルムのコシを必要とする多孔性フィルム、例えば電池用セパレータとして使用する場合は、電池組立て工程でのハンドリングが困難となる。ここで融点は、DSCによる測定で吸熱ピークを明確に有しているものもしくは動粘度が100000mm2/SEC以上と定義する。
一方、可塑剤の沸点を140℃以上としているのは、140℃未満の沸点とすると、延伸加工時に上記樹脂を加熱した時に、可塑剤が揮発して大きな空隙が発生し、微細孔を有する多孔性フィルムとして形成出来なくなるからである。また、電池内にセパレータとして収容した後、何かの原因で高温となった場合、可塑剤がガス化し電池が破裂するそれがあり好ましくない。
沸点が140℃以上、即ち、140℃未満では液体または固体とは、沸点が大気中で明確に140℃以上であるもの、もしくは140℃1時間加熱した後の重量が加熱前の重量に対して10%以上減少していないものと定義する。
エステル化合物、アミド化合物長鎖脂肪酸、長鎖アルコール、パラフィンワックス、アミン化合物、エポキシ化合物、エーテル化合物、鉱油、パラフィンワックス、長鎖脂肪酸塩長鎖アミン、液状シリコーン、フッ素オイル、液状ポリエーテル類、液状ポリブテン類、液状ポリブタジエン類、カルボン酸類、スルホン酸塩、カルボン酸化合物、フッ素系化合物、スルホン結合を有する化合物等挙げられる。
具体的には、「プラスチック配合剤」(株式会社 大成社発行,昭和62年11月30日 第2版発行)P29〜P64の可塑剤の項目に記載され、P49からP50の表4と、P52〜P54の表6に列挙されている可塑剤が使用可能である。
可塑剤は1種類を単独で使用しても良いし、2種類以上をくみあわせても良い。
上記アミド化合物としては、エチレンビスステアリン酸アミドまたはヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどが挙げられる。
上記アミン化合物としては、ジヒドロジエチルステアリルアミンまたはラウリルアミンなどが挙げられる。
上記アミン塩としては、ステアリルジメチルベタインまたはラウリルトリメチルアンモニウムクロリドなどが挙げられる。
上記長鎖アルコールとしては、ステアリルアルコール、オレイルアルコールまたはドデシルフェノールなどが挙げられる。
上記エポキシ化合物としては、エポキシ大豆油などが挙げられる。
上記エーテル化合物としては、トリエチレングリコールなどが挙げられる。
前記鉱油としては、灯油またはナフテン油などが挙げられる。
上記カルボン酸塩としては、ステアリン酸カルシウムまたはオレイン酸ナトリウムなどが挙げられる。
上記スルホン酸塩としてはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。
上記カルボン酸化合物としては、ステアリン酸もしくはオレイン酸、またはこれらのエステル体などの誘導体(ただし塩は除く。)などが挙げられる。
上記スルホン結合を有する化合物としては、スルホランまたはジプロピルスルホン酸などが挙げられる。
上記範囲としているのは、可塑剤の配合比が1質量部未満であると、目的とする良好な延伸性が発現されにくくなり、外観および風合いも悪くなりやすい。一方、可塑剤の配合比が30質量部を超えるとフィルム成形の際に樹脂焼けなど工程上の不具合を起こしやすくなるためである。
平均厚みが5μm未満であるとフィルムが破れやすくなり、40μmを越えると電池用セパレータとして所定の電池缶に捲回して収納する際、電池面積が小さくなり、ひいては電池容量が小さくなる。好ましくは30μm以下である。
また、厚みの最大値と最小値とが平均厚みの±25%以下であることが好ましく、20%以下である。厚みの振れが平均厚みの±25%を越えると、捲回した時に部分的に圧力がかかり、電池用セパレータとして用いたときに絶縁性が低下する。
まず、各成分をヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、タンブラー型ミキサー等の粉体混合機で混合する。このとき、ポリエチレン、熱可塑性樹脂はパウダーあるいはペレット状、充填材はパウダー、可塑剤はパウダー、延伸補助財はペレット状に予めしておくことが好ましい。
ついで、1軸あるいは2軸混練機、ニーダー等で加熱混練する。その後、ペレット化して成膜工程に移行しても良いし、ペレット化せずに直接成型機で製膜してもよい。このペレットはサイロ、ホッパーフレコン等の原料を保存する設備、容器に一時的に保存しておいても良い。
上記延伸工程における延伸倍率は、延伸時のフィルムの破れ、得られるフィルムの透気度またはフィルムの硬さ等に対応させて適宜選択すればよい。具体的には、1軸延伸または2軸延伸において、縦横方向の少なくとも一方向が1.5倍以上、好ましくは2倍以上で延伸している。
より具体的には、本発明の多孔性フィルムは、その透気度が50〜500(sec/100cc)であることが好ましく、100〜500(sec/100cc)であることがより好ましく、100〜300(sec/100cc)であることがさらに好ましい。
透気度を50〜500(sec/100cc)としているのは、50(sec/100cc)未満とすると、電解質の含浸性・保持性が低下して二次電池の容量が低くなったり、サイクル性が低下したりする恐れがある。一方、透気度が500(sec/100cc)を超えると、イオン伝導性が低くなり非水電解質電池用セパレータとして用いた場合に十分な電池特性を得ることができない。
なお、上記透気度(ガーレ値)はJIS P8117に準拠して通気度(sec/100cc)を測定している。
本発明においては、このときの巻き込み不良率が5%以下とし、電池組立て工程においてハンドリング性が良好で不良品の発生率も少なくし、工業的な生産により適したものとしている。なお、巻き込み不良率は後述する実施例に記載の方法で測定する。
さらに、本発明のフィルムは初期の特定長さに対して10mm以上長くならない、即ち、伸びを抑制でき、その結果、電極間でショートを発生させない所要の厚みに保持でき、巻き込み特性に優れたものとなる。
よって、電池用セパレータとして正極板と負極板の間に介在させて渦巻き状に巻回して電池缶内に収容したとき、セパレータに局部的に負荷がかかることを抑制でき、その結果セパレータの破損等が防止でき絶縁性を確実に保持することができる。かつ、セパレータの厚さを40μm以下と薄くしているため電池缶内への正極板および負極板の充填量を増加でき、電池容量を高めることができる。
かつ、適性な透気性を保持する微細孔構造を持たせるために延伸法を採用しており、製造コストを低廉化できる。
そのうえ、本発明の多孔質フィルムの物性は、樹脂、充填剤および可塑剤の配合量や種類、延伸条件(延伸倍率、延伸温度等)によって自由に調整できる。そのため、該条件等を種々変化させることにより、用途に応じた所望の物性の多孔性フィルムを得ることができる。
図1は多孔性フィルムの断面模式図であり、多孔性フィルム1は三次元網状の空孔1aを備え、該空孔1aは多孔性フィルムの両面1b、1cに連通し、多孔性フィルムの透気度は50〜500[sec/100cc]の範囲内としている。
多孔性フィルム1aの厚さは5〜40μm、かつ、厚みの振れを平均厚さの±25%未満以下としている。
このフィルムを2軸延伸機で、縦横長さ方向のいずれか一方に1.5倍以上で延伸している。詳細には、フィルムの長手方向(縦方向)に延伸倍率4〜4.5倍で延伸し、ついで、長手方向と直交方向(横方向)に延伸倍率4〜4.5倍で延伸している。
上記縦・横方向の2軸延伸で、図2に示すように、高密度ポリエチレンとポリプロピレンとからなる樹脂11中に充填剤12が分散されているフィルム10は、樹脂11と充填剤12との界面で剥離が生じ、この剥離した部分を空孔1aとして、多孔性フィルム1を得ている。其の際、多孔性フィルム1の厚さは前記したように5〜40μmで、厚さの振れが±25%未満となっている。
上記多孔性フィルム1は、連続材からなるフィルム10を連続的に2軸延伸することで、連続材として得られ、コイル状に巻き取っている。
セパレータ1’は図3に示す円筒型のリチウム二次電池20の内部に、正極板21と負極板22との間に介在させて渦巻き状に巻回して収容している。
電解質としては、例えば、リチウム塩を電解質とし、これを有機溶媒に溶解した電解質が用いられる。有機溶媒としては、特に限定されるものではないが、たとえば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、プチレンカーボネート、γ−プチロラクトン、γ−バレロラクトン、ジメチルカーボネート、プロピオン酸メチル、酢酸プチルなどのエステル頼、アセトニトリル等のニトリル頼、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジメトキシメタン、ジメトキシプロパン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2一メチルテトラヒドロフラン、4−メチルー1,3一ジオキソランなどのエーテル類、さらにはスルフオランなどの単独、もしくは二種類以上の混合溶媒が使用できる。
上記アルカリ金属を含む化合物としては、例えばアルカリ金属とアルミニウム、鉛、インジウム、カリウム、カドミウム、スズ、マグネシウムなどの合金、さらにはアルカリ金属と炭素材料との化合物、低電位のアルカリ金属と金属酸化物、硫化物との化合物などが挙げられる。
負極に炭素材料を用いる場合、炭素材料としては、リチウムイオンをドープ、脱ドープできるものであればよく、例えば、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ、炭素繊維、活性炭などを用いることができる。
負極板22は、平均粒径10μmの炭素材料を、フッ化ビニリデンをN−メチルピロリドンに溶解させた溶液と混合してスラリーにした。この負極合剤スラリーを70メッシュの網を通過させて大きなものを取り除いた後、厚さ18μmの帯状の銅箔からなる負極集電体の両面に均一に塗布して乾燥し、その後、ロールプレス機により圧縮成形し切断し、帯状の負極板としている。
正極板21は、リチウムコバルト酸化物(LiCoO2)に導電助剤としてリン状黒鉛を重量比90:5で加えて混合し、この混合物と、ポリフッ化ビニリデンをN−メチルピロリドンに溶解させた溶液とを混合してスラリーにした。この正極合剤スラリーを70メッシュの網を通過させて大きなものを取り除いた後、厚さ20μmのアルミニウム箔からなる正極集電体の両面に均一に塗布して乾燥し、その後、ロールプレス機により圧縮成形した後、切断し、帯状の正極板としている。
高密度ポリエチレン[三井住友ポリオレフィン株式会社製 7000FP、密度0.954g/cm3,メルトフローレート0.04g/10min]100質量部、ポリプロプレン[ダウケミカル社製 インスパイア114 密度0.90g/cm3,メルトフローレート0.4g/10min、溶融張力11.1gf]8質量部、充填剤として硫酸バリウム[堺化学社製 B−55、]176重量部、可塑剤として[ハイカスターワックス 豊国精油社製HCOP、融点86℃、140℃で1時間加熱後の重量減少率が2.4%]9重量部としてブレンドしてコンパウンドを行い、次に温度200℃でTダイ成形を行い原反シートを得た。原反シートの厚みは平均80μmであった。
次に、得られた原反シートを60℃でシートの長手方向(MD)に4.5倍延伸を行い厚み平均22μm、厚み精度±12%、透気度410sec/100ccの多孔性フィルムを作製した。
実施例1と同じ組成物をブレンドしてコンパウンドを行い、次に温度200℃でTダイ成形を行い原反シートを得た。原反シートの厚みは平均150μmであった。
次に、得られた原反シートを60℃でシートの長手方向(MD)に4.0倍延伸を行いつづいて直交するTD方向に3.5倍延伸し、延伸後の厚み平均18μm、厚み精度±10%、透気度150sec/100ccの多孔性フィルムを作製した。
高密度ポリエチレン[三井住友ポリオレフィン株式会社製 7000FP、密度0.954g/cm3,メルトフローレート0.04g/10min]100質量部、ポリプロプレン[チッソ社製 NEWSTREN SH9000 密度0.90g/cm3,メルトフローレート0.3g/10min、溶融張力15.2gf]10質量部、充填剤として硫酸バリウム[堺化学社製 B−55、]115重量部、可塑剤として[ハイカスターワックス 豊国精油社製HCOP、融点86℃、140℃で1時間加熱後の重量減少率が2.4%]5重量部としてブレンドしてコンパウンドを行い、次に温度200℃でTダイ成形を行い原反シートを得た。原反シートの厚みは平均130μmであった。
次に、得られた原反シートを60℃でシートの長手方向(MD)に3.5倍、続いてTD方向に2.8倍延伸を行い、厚み平均22μm、厚み精度±7%、透気度260sec/100ccの多孔性フィルムを作製した。
高密度ポリエチレン[日本ポリケム株式会社製 HY430P、密度:0.955g/cm3、メルトフローレート:0.8g/10min]100質量部に、硫酸バリウム[堺化学社製 B−55、]150重量部、可塑剤としてグリセリントリスチアレート[和光純薬工業社製、試薬 融点72℃、140℃で1時間加熱後の重量減少率が1.1%]5重量部としてブレンドしてコンパウンドを行い、次に温度200℃でTダイ成形を行い原反シートを得た。原反シートの厚みは平均100μmであった。
次に、得られた原反シートを80℃でシートの長手方向(MD)に5.0倍延伸を行い厚み平均16μm、厚み精度±10%、透気度190sec/100ccの多孔性フィルムを作製した。
高密度ポリエチレン[三井住友ポリオレフィン株式会社製 7000FP、密度0.954g/cm3,メルトフローレート0.04g/10min]100質量部、ポリプロプレン[日本ポリケム社製 EG7F 密度0.90g/cm3,メルトフローレート1.3g/10min、溶融張力2.65gf]10質量部、充填剤として硫酸バリウム[堺化学社製 B−55、]176重量部、可塑剤として[ハイカスターワックス 豊国精油社製HCOP、融点86℃、140℃で1時間加熱後の重量減少率が2.4%]9重量部としてブレンドしてコンパウンドを行い、次に温度200℃でTダイ成形を行い原反シートを得た。原反シートの厚みは平均120μmであった。
次に、得られた原反シートを60℃でシートの長手方向(MD)に4.5倍、続いてTD方向に3.5倍延伸を行い、厚み平均18μm、厚み精度±21%、透気度260sec/100ccの多孔性フィルムを作製した。
また厚み精度(厚み振れ)は上記測定方法で測定した30箇所の測定値のうち最も大きい値(最大厚み)、最も小さい値(最小厚み)および算出された平均値から次式に基づき厚み振れを算出した。なお、次式で算出される値のうち大きい方を記載した。
(最大厚み−平均厚み)/平均厚み×100(%)
(最小厚み−平均厚み)/平均厚み×100(%)
透気度はJIS P 8117に準拠して、通気度(秒/100cc)を測定した。
長さ50cm、幅59mm正極板と負極板を用い、上記実施例および比較例の多孔性フィルムからなるセパレータを2枚用い、該セパレータ2枚と上記正極板と負極板とを交互に重ね、正極板に3.92N/cm、負極板に3.92N/cm、セパレータに0.29N/cmの力をかけ、直径4mmでセパレータを2枚分挟めるようなスリットを入れてある金属製の巻芯を用いて、この巻芯に巻き付けるように捲回した。終了後金属製巻芯を引きぬいた。
上記巻き込み電極群を100個作り、セパレータが裂けているものの数を確認した。セパレータが裂けているものの数をxとし、捲回不良率をx%とした。
上記巻き込み電極群100個を速度10℃/minで昇温させ、60℃のオーブンに1時間入れ、正負電極間の絶縁抵抗を測定し、1MΩ以下となった数を数え、%で表示した。この比率が大きいと、電池としての初期不良率が増大する。
多孔性フィルムを100mmφの穴をあけたアルミ板に挟み、オーブン中に2分間放置後、透気度を測定した。3000秒/100cc以上となるオーブン温度をシャットダウン温度とした。この温度が140℃より高いと、電池に組み込んだ場合、充放電時に異常に温度が上がっても多孔性フィルムの透過性が落ちないため、発煙、発火の恐れがある。
多孔性フィルムを80mm角で切り出す。中央に40mmφの穴が空いている80mm角のアルミ板2枚で、切り出した上記80mm角のフィルムを挟み、アルミ板をクリップにより固定する。200℃に設定したオーブンを開き、100℃まで温度を下げた後、アルミ板似挟まれたフィルムをオーブンに入れて扉を閉じる。フィルムを観察し、ピンホールが発生した時の表示温度を破膜温度とした。
1a 空孔
1’セパレータ
10 フィルム
11 樹脂
12 充填剤
20 電池
21 正極板
22 負極板
Claims (10)
- 少なくともポリエチレン樹脂(A)と、溶融張力が3.0gf以上であるポリプロピレン樹脂(B)と、充填剤(C)の3成分を含む樹脂組成物からなるフィルムで、延伸により上記充填剤(C)を起点とする空孔が設けられていることを特徴とする多孔性フィルム。
- 上記ポリエチレン樹脂(A)の密度が0.94g/cm3以上である請求項1記載の多孔性フィルム。
- 上記ポリエチレン樹脂(A)100質量部に対して、ポリプロピレン樹脂(B)が1〜50質量部である請求項1または請求項2に記載の多孔性フィルム。
- 上記充填剤(C)が無機フィラーである請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の多孔性フィルム。
- 上記充填剤(C)が平均粒径0.1〜50μmの炭酸カルシウムあるいは/および硫酸バリウムであり、上記樹脂(A)と樹脂(B)の合計100質量部に対して充填剤(C)を50〜400質量部配合している請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の多孔性フィルム。
- 可塑剤(D)が添加されている請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の多孔性フィルム。
- 上記可塑剤(D)は0℃で液体もしくは固体で、かつ、上記ポリエチレン樹脂(A)と上記ポリプロピレン樹脂(B)の合計100質量部に対して上記可塑剤(D)を1質量部以上30質量部以下で添加している請求項6に記載の多孔性フィルム。
- 前記延伸は1軸延伸あるいは2軸延伸とし、少なくとも1方向に1.5倍以上延伸されている請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の多孔性フィルム。
- 請求項1乃至請求項8のいずれかに1項に記載の多孔性フィルムからなり、かつ、平均厚みが5〜40μmで、厚みの最大値と最小値の厚みが平均厚みの25%以下である多孔性フィルムを構成要素とする電池用セパレータ。
- 請求項9に記載の電池用セパレータを用いている電池。
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