JP2006002188A - 銅系材料およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
Fe、Cの汚染のないCu基系材料および鋼製密閉容器を使用してもFe、Cの汚染を防ぐことができる製造方法を提供する。
【解決手段】
Cuを必須成分とし、Wおよびセラミックスから選ばれた少なくとも1つの成分を含む銅系材料であって、該銅系材料は、上記成分の粉末を所定割合で混合した混合粉を、非鉄製の焼成用容器に収納し、または、プレス加工して圧粉体とし、この圧粉体を非鉄製の冶具で把持し 1083 ℃以上、1400 ℃未満で焼成する予備処理工程と、該予備処理工程で得た焼成体を 950 ℃以上、 1083 ℃未満で熱間等方圧加圧処理する工程とにより得られる。
【選択図】 無

Description

接点材料としての銅−タングステンカーバイド系材料(以下、Cu−WCと略称)、銅−タングステン−タングステンカーバイド系材料(以下、Cu−W−WCと略称)、放電加工用電極材としての銅−タングステン−硼化ランタン系材料(以下、Cu−W−LaB6 と略称する)のHIP処理を経てなす製造において、鉄(以下、Feと略称)と炭素(以下、Cと略称する)の汚染防止をなし、かつ、安価にHIP処理する条件を特定した製造法。および、その方法によって製造されるFeとCの汚染の影響を排除した効果がある、優れた特性を有する銅系材料に関する。
銅−タングステン系材料(以下、Cu−Wと略称する)系材料、Cu−WC、Cu−W−WCなどは圧粉体−焼成−銅溶侵法で製造されることが知られている。Cu−W−LaB6も銅溶侵法で製造することが知られている(特許文献1)。また、熱間等方圧加圧処理(以下、HIP処理と略称する)をなして製造する方法も多数知られている(特許文献2、3、4、5)。
しかし、HIP処理をするに当り、安価に処理するための必須要件である、鋼製密閉容器を使用し、かつ、十分な圧密化を目指した処理をすると被処理物が使用原料には含有されないFeやCが、HIP処理後の完成品中には含有される場合がある。すなわち、処理温度を上げれば焼結が進みやすくなり、十分に圧密化したものが容易に得られるが、 1083 ℃(Cu融点温度)以上の温度で処理をすると、被処理物がFeおよびCで汚染される問題(特にFe)が発生する。
ここで、該Cu基系材料に対するFeとCの汚染防止の必要性に言及すると、Cu−W中のFeの存在は材料の熱伝導度を低下させることが広く知られている。LaB6 の熱電子放射性に対してはCが悪影響をおよぼすことが知られている。接点材料としてのCu−WCやCu−W−WCの低熱伝導度は接点材料の低寿命の原因となることが知られている。放電加工用電極材としてのCu−Wは、熱伝導度が低下すると放電加工特性の悪化を招く。放電加工特性は、放電加工時の被加工量と電極減耗量の対比である電極消耗比で表わされ、電極消耗比が小さいほど放電加工特性がよい。熱電子放射性が高いLaB6 はCu−Wの放電加工特性を向上させるために添加されることが知られている(特許文献1)。
また、HIP処理そのものも以下の点で改良の必要性が大きい。すなわち、Cu−セラミックス系材料(代表例、WC)やCu−W−セラミックス系材料(代表例、WC、LaB6 )などは、セラミックスが含有される影響でCu−Wの金属2元系材料に比較し銅の溶侵性が悪く、残留空孔量が多くなる傾向があって、金属組織の圧密化が十分ではなく所期の性能、特性が得られにくい(特許文献6)。セラミックス粒子が材料組織から脱落しやすい、添加効果が十分に発揮されないなどの問題が推測され、空孔欠陥のない圧密化した金属組織でセラミックス粒子を強固に把持することが望ましい。
また、電子放射性の高いセラミックス系の物質を利用する例として、Ti、Zr、Ni系硼化物(特許文献7)、Ti、Zr系硼化物(特許文献8)、Ce酸化物(特許文献9)、アルカリ土類金属酸化物(特許文献10)、Ti、Zr、Cr、Mo、W、La系硼化物(特許文献1、複合酸化物BaWO4 (特許文献11)などが知られている。
該Cu系材料の鋼製密閉容器を使用したHIP処理でのFe、Cの汚染の原因は、該材料の圧粉体が 1083 ℃(Cu融点温度)をこえて加熱されると、銅に対して非溶解物質であるセラミックス(WC)、W+セラミックス(W+WCまたはLaB6 )などの固相の骨格とCu液相の共存状態になる点にある。前者の非溶解物質は超高融点の物質であり、後者の銅とは、通常の工業的加熱方法による銅の融点の 1083 ℃近傍上温度で、相互に全く溶解しない。したがって、発生したCu融体が圧粉体表面で鋼製容器と接触して反応し、被処理物中にFe、Cが溶解、混入していくと考えられる。
この問題の解決策として、鋼製容器内面のセラミックス絶縁層施工(特許文献12、特許文献13)等はコスト上昇につながる。容器の鋼に代わる材質としてW、ニオブ(Nb)などが考えられるが同様にコスト面から採用されない。被処理物をガラスやセラッミックス粉粒体中に埋設し、鋼製密閉容器に非接触の状態で収納してHIP処理する方法もあるが、発生したCu融体がガラス中に漏出して成分制御ができず 1083 ℃をこえる処理はできないという問題がある。
単に、HIP処理温度を 1083 ℃以下にしても圧密化が進まず満足すべき十分な特性値が得られないという問題がある。
特開平7−331361号公報 特許255409号 特公昭58−53058号公報 特開平5−271702号公報 特開2000−63974号公報 特公昭63−11421号公報 特公昭56−32383号公報 特開昭49−121296号公報 特開昭55−24977号公報 特公昭35−8046号公報 特許2620055号 特開平2−43303号公報 特開平10−298609号公報
本発明は、このような問題に対処するためになされたもので、鋼製密閉容器を使用しても、銅系材料に対するFe、Cの汚染を防ぐことができるHIP処理方法を提供することにある。
本発明の銅系材料は、Cuを必須成分とし、Wおよびセラミックスから選ばれた少なくとも1つの成分を含む銅系材料であって、該銅系材料は、上記成分の粉末を所定割合で混合した混合粉を、非鉄製の焼成用容器に収納し、または、プレス加工して圧粉体とし、この圧粉体を非鉄製の冶具で把持し 1083 ℃以上、1400 ℃未満で焼成する予備処理工程と、該予備処理工程で得た焼成体を 950 ℃以上、 1083 ℃未満で熱間等方圧加圧処理する工程とにより得られることを特徴とする。
また、上記セラミックスがWCおよびLaB6から選ばれた少なくとも1つのセラミックスであることを特徴とする。
また、上記Cuと不純物元素との合計量が 10 〜 80 重量%、残部が前記セラミックスとWからなり、前記不純物元素はFe、CrおよびNiのそれぞれが 0.05 重量%以下であり、前記セラミックスはWCが 0.1 〜 90 重量%であることを特徴とする。
また、上記Cuと不純物元素との合計量が 10 〜 80 重量%、残部が前記セラミックスとWからなり、前記不純物元素は炭素、Fe、CrおよびNiのそれぞれが 0.05 重量%以下であり、前記セラミックスはLaB6が 0.01 〜 10 重量%であることを特徴とする。
本発明の銅系材料の製造方法は、Cu粉と、W粉およびセラミックス粉から選ばれた少なくとも1つの粉を所定割合で混合した混合粉を、非鉄製の焼成用容器に収納し、または、上記混合粉をプレス加工した圧粉体を非鉄製の冶具で把持し 1083 ℃以上、1400 ℃未満で焼成する予備処理工程と、該予備処理工程で得た焼成体を成形用容器に収納して 950 ℃以上、 1083 ℃未満で熱間等方圧加圧処理する工程とを備えてなることを特徴とする。
また、上記成形用容器は、鋼製容器であり、この鋼製容器は、予備処理工程で得た焼成体をガラス中に埋設した状態で収納することを特徴とする。
本発明の銅系材料は上記製造方法で得られるので、FeおよびCの汚染を防ぐことができる。このため、熱伝導性および放電加工特性に優れた電極材料および長寿命の接点材料に使用することができる。
本発明の銅系材料の製造方法は、予備処理工程と、HIP処理工程とを含むので、FeおよびCの汚染がなく、安価で、放電加工特性に優れた電極材料および長寿命の接点材料を製造できる。
本発明者は、Cu−Wを 1083 ℃以上で加熱し、Cu融体とW骨格の状態を一旦経由させた焼成体は、HIP処理温度が 1083 ℃以下であっても、圧密化が進みやすく特性値が発現しやすいとの現象を見出した。この現象はCu融体の発生によってCu相と空孔が各々分離されて統合され、骨格構造物質の焼結が限定的に進行し、 1083 ℃以下の固相でのHIP処理であっても非焼成の圧粉体よりも速い速度で圧密化現象が発現するためと考えられる。本発明は、このような知見に基づきなされたものである。
本発明の銅系材料の製造方法は、(A)Cu粉と、W粉およびセラミックス粉から選ばれた少なくとも1つの粉を混合した混合粉を非鉄製の焼成用容器に収納し、または、プレス加工して圧粉体とし、この圧粉体を非鉄製の冶具で把持し 1083 ℃以上、1400 ℃未満で予め焼成する予備処理工程と、(B)この予備処理工程で得た焼成体を 950 ℃以上、 1083 ℃未満で熱間等方圧加圧処理する工程とを備えている。各工程(A)、(B)の詳細を以下に説明する。
(A)予備処理工程
合金原料として、それぞれ数μm 〜数 10μm の粒子径としたCu粉とW粉およびセラミックス粉とを混合した混合粉を準備する。セラミックスは、WC、LaB6、またはこれらの混合物である。
予備処理工程後のHIP処理は、成形用容器を用いて行なうため、Cuの配合量は規制されず、Cu粉、W粉およびセラミックス粉の配合割合は、得られる材料の特性および合金を形成できる範囲で任意とすることができる。例えば以下の例が挙げられる。
Cu−W−WCの場合、Cuと不純物元素との合計量が 10 〜 80 重量%、残部がセラミックスとWからなる。不純物元素はFe、CrおよびNiのそれぞれが 0.05 重量%以下であり、セラミックスはWCが 0.1 〜 90 重量%である。FeとCrとNiの各々が 0.05 重量%をこえると熱伝導度の低下が著しい。Wは接点材料の耐弧成分であり、WCは耐弧、耐摩耗成分であるが、W+WCが 20 重量%以下(Cuとして 80 重量%をこえる)では焼成体が形成できない。WCが 0.1 重量%未満では耐摩耗性が不足し、90 重量%をこえると圧密化しない。
Cu−W−LaB6の場合、Cuと不純物元素との合計量が 10 〜 80 重量%、残部がセラミックスとWからなり、不純物元素は炭素、Fe、CrおよびNiのそれぞれが 0.05 重量%以下であり、セラミックスはLaB6が 0.01 〜 10 重量%である。FeとCrとNiの各々が 0.05 重量%をこえると熱伝導度の低下が著しい。Wは接点材料の耐弧成分である。W+LaB6が 20 重量%以下(Cuとして 80 重量%をこえる)では焼成体が形成できない。LaB6が 0.01 重量%未満では放電加工性向上に効果がなく、10 重量%をこえると熱伝導性、電気伝導性をさげる。
銅系材料中におけるFe、C含有量は 0.05 重量%以下に管理されるべきであり、また、潤滑材、粘結材等の作業助剤は必要に応じて、最低限であることが好ましい。
上記合金材料である混合粉を焼成用容器に収納し、1083 ℃以上、1400 ℃未満で焼成する。また、混合粉をプレス加工した圧粉体を用いる場合では、容器は必要なく、この圧粉体自体を冶具で把持し上記温度範囲で焼成する。焼成は、水素気流中で数時間行なう。焼成用容器および冶具は、Fe成分の混入が起こらないように非鉄製であればよく、セラミックス製、黒鉛製、またはW製などを好適に用いることができる。さらに、非炭化物系のセラミックス製を用いることができる。焼成用非鉄製冶具として、黒鉛、炭化物系セラミックスの採否は炭素を規制するか否かによって選択される。非鉄製冶具を使用すれば、1083℃以上の加熱処理であってもFe、Cの溶解、混入は全く発生しない。また、これらの冶具は安価簡易に製造できる。
なお、上記温度範囲上限を 1400 ℃としたのは、この温度以上となると、Cuの蒸発が激しくなり実用的には操業できなくなるためである。
(B)HIP処理工程
予備処理工程で得た焼成体を成形用容器に収納して 950 ℃以上、1083 ℃未満でHIP処理する。成形用容器は、シリカガラス、Cu、アルミニウム、鋼製などの任意の容器を用いることが可能である。処理コストを削減できることから、鋼製容器を用いることが好ましい。HIP処理は、十分な密度を得ることができる圧力下で数時間行なう。なお、HIP処理温度の下限を 950℃としたのは、この温度以下となると、焼成体であっても圧密化が殆ど進まなくなり、HIP処理が実用的には進行しなくなるためである。
HIP処理で使用される鋼製密閉容器はHIP処理を安価になすための必須要件であり、安価簡易に製造できる。更に該被処理物をガラス中に埋設して鋼製密閉容器に収納してHIP処理することでコスト低減にさらに寄与する。
鋼製容器の一例として、市販されている鋼製シ−ムレス耐圧性パイプを溶接施工したものが挙げられる。この鋼製パイプは形状の制約なしに、複数個の金属体を一個の金属製容器にランダムに埋設収納できるので、HIP処理するための装入量を増加させることができる。また、HIP処理に用いる装置内に一個の容器を装入すればよいので全体の処理コストは低減する。
被処理物が埋設されるガラス粉粒体は、埋設された被処理物に等方向に圧縮力を印加できるガラス粉、ガラス粒子、ガラス塊であることが好ましい。接触媒体としてガラス粉、ガラス粒、ガラス塊を使用することにより、被処理物表面にそって圧力を全面にむらなく印加できる。ガラス粉粒体の最小粒子径は、被処理物の開放孔の最大孔径よりも大きな粒子径である。固体処理工程において、その開放孔にガラス粉粒体が浸入しないので好ましい。
ガラス粉粒体の材質としては、約 900 〜 980 ℃の加工点温度を有するソーダ石灰ガラスが好ましい。なお、加工点温度はガラス粉粒体を構成するガラスの粘度が 1×103 Pa・s になるときの温度をいう。
なお、接触媒体として、ガラス粉粒体と無機塩類との混合物、ガラス粉粒体と機能調整のためのセラミックスとの混合物の使用もできる。
上記(A)予備処理工程において温度範囲下限の 1083 ℃はCuの融点であり、該温度以上で混合粉(またはその圧粉体)を焼成することにより、混合粉中のCu粉が溶融しW粉等との密着性が増す。これにより、HIP処理前において塑性加工性を潜在的に改善させることができる。次に、予備処理工程で得られた焼成体を(B)HIP処理工程において、HIP処理を温度 1083 ℃未満で行なうことにより、Cu粉の溶解が起こらず、溶解したCu粉と鋼製容器との接触による鋼製容器Fe成分の合金材料への混入が防止でき、銅系材料の熱伝導度の低下を抑制することができる。以上より該製造方法によって得られた銅系材料は、塑性加工性に優れ、かつ高熱伝導性を有するため、放電加工用電極や接点材料、伝熱材料などに好適に用いることができる。
実際の製造現場では銅系材料の製造コストを抑えるために、HIP処理容器として鋼製容器を使用することは必須であるが、従来、上述のように鋼製容器の使用はFe汚染による合金の熱伝導度低下の問題があり、また、HIP処理時における鋼製容器とCu−W合金との接触自体を防止するには多大のコストが必要となる問題があった。これに対し本発明の製造方法では、合金に十分な塑性加工性が必要な場合でも、HIP処理前に予め焼成を行なうことにより、HIP処理をCuの融点より低い温度で行なうことを可能としたため、安価な鋼製容器を用いることができ製造コストを抑えられる。また、この鋼製容器を用いたカプセル法によりHIP処理を行なうので、カプセルフリー法の場合にネックとなる安定な中間焼結体を得るために必要なCuの配合量を考慮する必要がなく、任意の配合割合の銅系材料を製造することができる。
上記製造方法により、Cu−W−セラミックスの混合粉圧粉体を、Fe、Cの汚染なしに十分に圧密化することができる。また、セラミックス冶具を使用した1083℃以上の焼成も安価になしうる。鋼製密閉容器はそのままの使用であれば十分工業的に安価に利用でき、ガラス粉粒体中に埋設すればさらにコストが低減する。
銅系材料の中で、Cu−W−WCは圧密化がなされ、Feの汚染がなければ良好な熱伝導度が得られる。Cu−W−LaB6は圧密化がなされFe、Cの汚染がなければ良好な熱伝導度と放電加工特性(低電極消耗比)が得られる。また、この製造方法は、例えば、特公昭56−32383号公報(Ti、Zr、Ni系硼化物)、特開昭49−121296号公報(Ti、Zr系硼化物)、特開昭55−24977号公報(Ce酸化物)、公告昭35−8046号公報(アルカリ土類金属酸化物)、特開平7−331361号公報(Ti、Zr、Cr、Mo、W、La系硼化物)、特許2620055(複合酸化物BaWO4)等に開示されている材料の製造に効果的適用できる。
実施例1〜実施例4および比較例1〜比較例6:
粒径 1 〜 30 μm のCu粉末(粉末中のFeとCrとNiの各々が 0.05 重量%以下)と、粒径 1 〜 3 μm のW粉末(粉末中のFeとCrとNiの各々が 0.05 重量%以下)と粒径 1 〜 3 μm のWC粉末(粉末中のFeとCrとNiの各々が 0.05 重量%以下)と粒径 1 〜 3 μm のLaB6 粉末(粉末中のFeとCrとNiの各々が 0.05 重量%以下)とを表1に示す重量比で配合して混合した。この混合粉で成形圧力 600 MPa で圧粉体を作った。この圧粉体を表1に示す条件で焼成用冶具を使用して水素気流中で 5 時間焼成した。得られた焼成体を表1に示す容器(内径 25 Φ× 100 mm )にいれて脱気後 180 MPa 、 5 時間HIP処理をした。熱伝導度は 10 Φ× 2 mm TPを放電切断加工と研磨加工で製作し、レーザーフラッシュ法で熱拡散率を測定して求めた。圧密化の成否は浸透探傷試験の反応の有無によって確認した。結果を表1に示す。
Figure 2006002188
表1から以下の(1)〜(6)が判明した。
(1)実施例1と比較例1との比較から 1083 ℃未満の焼成は非圧密化の原因となる。
(2)実施例2と比較例2との比較から 1083 ℃以上のHIP処理で鋼製容器の密着使用はFe汚染の原因となる。
(3)実施例3と比較例3との比較からHIP処理温度が 1083 ℃以上で、ガラス中埋設でCu漏出が発生する。
(4)実施例4と比較例4〜比較例6との比較から炭化物系セラミックス、黒鉛製冶具の使用はC汚染の原因になる。
(5)実施例4と比較例6との比較から950℃未満のHIP処理は非圧密化の原因となる。
(6)Fe汚染およびC汚染はそれぞれ 0.05 重量%を境として判断するのが妥当である。
実施例5〜実施例10および比較例7〜比較例8:
粒径 1 〜 30 μmのCu粉末(粉末中のFeとCrとNiの各々が 0.05 重量%以下)と、粒径 1 〜 3 μm のW粉末(粉末中のFeとCrとNiの各々が 0.05 重量%以下)と粒径 1 〜 3 μmのWC粉末(粉末中のFeとCrとNiの各々が 0.05 重量%以下)とを表2に示す重量比で配合して混合した。この混合粉で成形圧力 600 MPa で圧粉体を作った。この圧粉体を表2に示す条件で焼成用冶具を使用して水素気流中で 5 時間焼成した。得られた焼成体を表2に示す容器(内径 25 Φ× 100 mm )にいれて脱気後 180 MPa 、 5 時間HIP処理をした。熱伝導度は 10 Φ× 2 mmTPを放電切断加工と研磨加工で製作し、レーザーフラッシュ法で熱拡散率を測定してもとめた。圧密化の成否は浸透探傷試験の反応の有無によって確認した。結果を表2に示す。
Figure 2006002188
表2から以下の(7)〜(9)が判明した。
(7)実施例5〜実施例10から本製造方法で、W+WC 25 〜 75 重量%、WC 5.0 〜 75 重量%の範囲で良好な熱伝導度が得られた。
(8)実施例6、実施例10と比較例7〜比較例8との比較から、Feの汚染がなければ良好な熱伝導度が得られる。
(9)Fe汚染は 0.05 重量%を境として判断するのが妥当である。
実施例11〜実施例14および比較例9〜比較例13:
粒径 1 〜 30 μm のCu粉末(粉末中のFeとCrとNiの各々が 0.05 重量%以下)と、粒径 1 〜 3 μm のW粉末(粉末中のFeとCrとNiの各々が 0.05 重量%以下)と粒径 1 〜 3 μm のLaB6 粉末(粉末中のFeとCrとNiの各々が 0.05 重量%以下)とを表3に示す重量比で配合して混合した。この混合粉で成形圧力 600 MPa で圧粉体を作った。この圧粉体を表3に示す条件で焼成用冶具を使用して水素気流中で5時間焼成した。得られた焼成体を表3に示す容器(内径 25 Φ× 100 mm )にいれて脱気後 180 MPa 、 5 時間HIP処理をした。熱伝導度は 10 Φ× 2 mm TPを放電切断加工と研磨加工で製作し、レーザーフラッシュ法で熱拡散率を測定してもとめた。圧密化の成否は浸透探傷試験の反応の有無によって確認した。更に電極消耗率を測定した。電極消耗率は 10 Φ× 50 mm TPを放電切断と機械加工で製作し、 13 重量%コバルト超硬製: 50 角× 10 mm TPに盲貫穴加工を加え両者の重量減少を測定した。放電加工条件は:ピーク電流 10 A、放電時間 16 μ秒、負荷率 50 %である。結果を表3に示す。
Figure 2006002188
表3から以下の(10)〜(11)が判明した。
(10)実施例11〜実施例14と比較例9〜比較例10との比較から、LaB6 の配合率 10 重量%以下の範囲で電極消耗比に添加効果が確認された。
(11)比較例11〜比較例13からLaB6 添加に対してCの汚染は有害である。管理限界は 0.05 重量%が妥当である。また、放電加工特性の成否は、電極消耗比 10 % 以下であることが目安となる。
本発明は、鋼製密閉容器を使用しても、Cu基系材料に対するFe、Cの汚染を防ぐことができるHIP処理方法であるため、熱伝導度および放電加工特性に優れたCu基系材料を安価に製造できるので、特に接点材料および放電加工用電極材料に好適に利用できる。

Claims (7)

  1. 銅を必須成分とし、タングステンおよびセラミックスから選ばれた少なくとも1つの成分を含む銅系材料であって、該銅系材料は、前記成分の粉末を所定割合で混合した混合粉を、非鉄製の焼成用容器に収納し、または、プレス加工して圧粉体とし、この圧粉体を非鉄製の冶具で把持し 1083 ℃以上、1400 ℃未満で焼成する予備処理工程と、該予備処理工程で得た焼成体を 950 ℃以上、 1083 ℃未満で熱間等方圧加圧処理する工程とにより得られることを特徴とする銅系材料。
  2. 前記セラミックスがタングステンカーバイドおよび硼化ランタンから選ばれた少なくとも1つのセラミックスであることを特徴とする請求項1記載の銅系材料。
  3. 前記銅と不純物元素との合計量が 10 〜 80 重量%、残部が前記セラミックスとタングステンからなり、前記不純物元素は鉄、クロムおよびニッケルのそれぞれが 0.05 重量%以下であり、前記セラミックスはタングステンカーバイドが 0.1 〜 90 重量%であることを特徴とする請求項1記載の銅系材料。
  4. 前記銅と不純物元素との合計量が 10 〜 80 重量%、残部が前記セラミックスとタングステンからなり、前記不純物元素は炭素、鉄、クロムおよびニッケルのそれぞれが 0.05 重量%以下であり、前記セラミックスは硼化ランタンが 0.01 〜 10 重量%であることを特徴とする請求項1記載の銅系材料。
  5. 銅粉と、タングステン粉およびセラミックス粉から選ばれた少なくとも1つの粉を所定割合で混合した混合粉を、非鉄製の焼成用容器に収納し、または、前記混合粉をプレス加工した圧粉体を非鉄製の冶具で把持し 1083 ℃以上、1400 ℃未満で焼成する予備処理工程と、該予備処理工程で得た焼成体を成形用容器に収納して 950 ℃以上、 1083 ℃未満で熱間等方圧加圧処理する工程とを備えてなることを特徴とする銅系材料の製造方法。
  6. 前記成形用容器は、鋼製容器であることを特徴とする請求項5記載の銅系材料の製造方法。
  7. 前記鋼製容器は、前記予備処理工程で得た焼成体をガラス中に埋設した状態で収納することを特徴とする請求項6記載の銅系材料の製造方法。
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