JP2009203544A - 硬質合金材料、製造方法、工具および耐摩耗部材 - Google Patents

硬質合金材料、製造方法、工具および耐摩耗部材 Download PDF

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豊 篠田
Fumihiro Wakai
史博 若井
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隆 赤津
Yuki Yanagisawa
祐輝 柳沢
Hidetoshi Fujii
英俊 藤井
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Abstract

【課題】 タングステン炭化物系硬質合金材料、該硬質合金材料の製造方法、該硬質合金材料を含む工具および耐摩耗部材を提供すること。
【解決手段】 本発明の硬質合金材料は、主としてタングステン炭化物からなる硬質相と、該硬質相に接して偏在し主として銅からなる結合相とを含む。硬質合金材料は、ビッカース硬さが1000〜2000Hv5の硬さを有することができる。本発明の硬質合金材料は、タングステン炭化物粒子の粉体と銅粒子の粉体とを混合(S103)し、加圧下で焼結(S105)することにより得られる。このとき、平均粒径100nm〜300nmを有するタングステン炭化物粒子を用いることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、硬質合金材料に関し、より詳細には、タングステン炭化物系硬質合金材料、該硬質合金材料の製造方法、該硬質合金材料を含む工具および耐摩耗部材に関する。
炭化タングステン(タングステンカーバイト:WC)は、単体では非常に脆いが、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)などの遷移金属を結合剤として10質量%程度添加することにより、靱性が飛躍的に向上し、高強度となる(特許文献1、特許文献2)。特に、コバルトを結合剤とした炭化タングステン超硬合金は、高強度かつ高靱性を有するために、切削工具や鉱山土木に用いる掘削工具または成型用金型などとして広く利用されている。
上述した鉄、ニッケル、コバルトなどの結合剤は、焼結中に液相を形成し、焼結を著しく促進させる。上記結合剤の中でも、コバルトは、炭化タングステンの固溶度が大きく、焼結性が優れ、1400℃付近、無加圧での緻密化が可能であるばかりでなく、得られる焼結体の力学的性質も優れている。このように、WC−Co系超硬合金は、高強度かつ高靱性であるため最も広く適用されている系のひとつである。
しかしながら上記WC−Co系超硬合金は、焼結性が優れる反面、このことに起因して高温での強度低下が引き起こされ、700℃付近からクリープ変形の影響が無視できなくなるため、高温環境下での使用が制限されてきた。上記WC−Co系超硬合金は、一般に、800℃以上では使用することができない。さらに、WC−Co系超硬合金は、磁性を有するため、磁場を好まない部位への使用も制限されてきた。加えて、WC−Co系超硬合金は、コバルトが中性子を吸収して放射性同位体であるCo60を生成しγ線を発生するなどの性質を持つため、原子炉内などの中性子に曝露される可能性のある高放射能環境での使用も制限されていた。
また、WC−Ni系超硬合金は、非磁性であり、高い耐食性を有するものの、WC−Co系超硬合金と同様に高温での強度低下の問題を避けることができない。
特開平5−320702号公報 特開2006−257467号公報
以上のような背景から、高温であっても高い強度を維持することができるタングステン炭化物系硬質合金材料の開発が望まれていた。さらに、磁性を有さず、放射性同位体を容易に生成させず、磁場を好まない部位および高放射能環境で充分に使用することができるタングステン炭化物系硬質合金材料の開発が望まれていた。また、コバルトが希少金属であり、また有害元素であるため、省資源・省コストの観点および環境への配慮から、製造物のコバルトの使用量の低減が望まれていた。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、高温においても高い強度を維持し、磁場を好まない部位および高放射能環境での使用に充分に対応することができるタングステン炭化物系の硬質合金材料、該硬質合金材料の製造方法、該硬質合金材料を含む工具および耐摩耗部材を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、鉄、ニッケル、コバルトなどの結合剤による焼結性の向上が、得られる焼結体を緻密なものとしている一方で、高温での耐クリープ性の低下をもたらしている点に着目し、逆転の発想により、焼結性を充分に向上させない結合剤を用いて、原料粉体の粒径を微細化することにより、高温強度が優れかつ充分緻密化された焼結体を得ることが可能であることを見出し、本発明に至ったのである。
従来では、銅は、比較的低融点(1084.4℃)であるものの、炭素やタングステンを殆ど固溶しないため、焼結助剤および結合剤として充分に機能せず、緻密かつ高強度な炭化タングステンの合金材料を得ることができなかった。また、緻密化を促進するために焼成温度を高めると、銅が炭化タングステンより溶出・分離し、合金化が阻害されてしまうため、従来では、温度を高めることによっても、緻密かつ高強度な炭化タングステンの合金材料を得ることができなかった。
本発明では、上記課題を解決するために、主として炭化タングステンからなる硬質相と該硬質相に接して偏在する結合相とを含む硬質合金材料において、上記結合相が、コバルト、ニッケルまたは鉄ではなく、主として銅からなる構成を採用する。
主として銅からなる結合相を採用するため、高温においても高い強度を維持することが可能となり、高温環境下で使用可能な硬質合金材料を提供することが可能となる。また、コバルトを用いることなく充分な強度が得られるため、製品のコバルト使用量を低減することが可能となる。また銅は、非磁性であり、かつ、放射線の曝露により容易に放射性同位体を生成しないため、磁場を好まない部位への使用、および高放射能環境での使用に充分に対応することが可能となる。
本発明では、上記硬質合金材料は、タングステン炭化物粒子の粉体と、銅粒子の粉体とを混合し、加圧下で焼結することにより得ることができる。この際には、タングステン炭化物粒子を、その平均粒径が、100nm〜300nmといった微細結晶粒超塑性を発現する程度に微細なものを使用することにより、緻密な焼結体を得ることが可能となる。また本発明では、硬質合金材料中の銅の含有率を、3質量%〜35質量%とすることができる。さらに本発明では、焼結は、30MPa〜100MPaの圧力下、1400℃〜1600℃まで昇温させて行うことができる。さらに本発明では、真空または不活性雰囲気下にて放電プラズマ焼結を実施することができる。これにより、比較的低温かつ短時間に焼結を完了させることが可能となる。
さらに本発明では、硬質合金材料のビッカース硬さは、1000〜2000Hv5とすることができ、その高温での耐クリープ性に関しては、1000℃の高温環境下、1×10−5−1の初期ひずみ速度でクロスヘッド速度一定にて圧縮した場合に計測される真応力および真ひずみが、(1)真応力2.0GPaでの真ひずみが0.05以下、(2)真応力1.0GPaでの真ひずみが0.02以下、(3)真ひずみが0.01となる真応力が0.75GPa以上、および(4)真ひずみが0.04となる真応力が1.75GPa以上となる関係を満たすか、または上記関係(1)〜(4)の少なくとも1つを満たすことができる。
以下、本発明を具体的な実施形態をもって説明するが、本発明は、後述する実施形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の特定の実施形態における超硬合金10の組織を模式的に示す図である。図1に示す超硬合金10は、硬質相12と、該硬質相間にその隙間を埋めるように偏在する結合相14とを含んで構成される。結合相14は、硬質相間を結合するバインダとして働き、緻密で高強度かつ高靱性を有する焼結体を実現している。
上記硬質相12は、主としてタングステン炭化物から構成され、その平均粒径は、約100nm〜約300nmとすることができ、より低温にて良好な焼結体を得る観点からは、200nm以下とすることが好ましい。タングステン炭化物としては、炭化タングステン(WC)、炭化二タングステン(WC)およびこれらの混合物を含む。しかしながら、強度や靱性を向上させる観点からは、純度の高い炭化タングステン(WC)を用いることが好ましい。硬質相12の形状は、特に限定されるものでなく、概ね原料のタングステン炭化物の微粒子粉末の形状を反映する。超硬合金10は、タングステン炭化物の硬質相12の他、材料特性を向上させるために、炭化チタン(TiC)、炭化タンタル(TaC)、炭化ニオブ(NbC)、炭化クロム(Cr)、炭化バナジウム(VC)、炭化モリブテン(MoC)、炭化ジルコニウム(ZrC)など他の高融点金属の炭化物からなる硬質相を副成分として含んでいてもよい。
本発明では、硬質相を結合するための結合相14は、主として銅から構成され、これにより、高温における耐クリープ性および変形抵抗を向上させることができる。超硬合金10に対する銅の含有率は、約3質量%〜約35質量%とすることができる。超硬合金10の硬さ、耐摩耗性、耐クリープ性を向上させる観点からは、銅の含有率を小さくし、タングステン炭化物の含有率を大きくすることが好ましいが、銅の含有率が小さくタングステン炭化物の含有率が大きくなるにつれ、充分緻密な焼結体を得るためにより高温での処理を要することになる。超硬合金10の材料特性および焼結の容易性の観点から、銅の含有率は、好ましくは約3質量%〜約35質量%とすることができ、より好ましくは約7質量%〜約20質量%とすることができる。なお、上記結合相は、特定の用途に応じて、銅以外にも、高温での耐クリープ性および変形抵抗を著しく低下させない程度に少量(数質量%)のコバルト、ニッケル、鉄など他の金属を含むことができる。なお、結合相14において銅は、焼結過程においてタングステン炭化物と化学反応せずに、金属単体として存在することができる。
超硬合金10の材料特性としては、ビッカース硬さを約1000〜約2000 Hv(試験力=49.03N:硬さ記号Hv5)とすることができる。超硬合金10のビッカース硬さは、銅およびタングステン炭化物の含有率に依存し、銅の含有率を小さくし、タングステン炭化物の含有率を大きくするにつれ、より高いビッカース硬さを得ることができる。さらに耐クリープ特性に関連して、超硬合金10は、高温度(=1000℃)下で、初期ひずみ速度(=1×10−5−1)でクロスヘッド速度一定にて圧縮変形試験を実施した場合に計測される真応力−真ひずみ曲線において、(1)真応力約2.0GPaでの真ひずみが約0.05以下、(2)真応力約1.0GPaでの真ひずみが約0.02以下、(3)真ひずみが約0.01となる真応力が約0.75GPa以上、および(4)真ひずみが約0.04となる真応力が約1.75GPa以上となる関係、または上記関係(1)〜(4)の少なくとも1つを満たすことができる。
以下、超硬合金の製造方法について説明する。図2は、本実施形態の超硬合金の製造方法を示すフローチャートである。本発明において、図1に示した超硬合金10は、図2に示す方法により製造することができる。まず工程S101で、所定量のタングステン炭化物からなる微粒子粉体を準備し、工程S102で、所定量の銅微粒子粉体を準備する。タングステン炭化物微粒子としては、WC、WCまたはこれらの混合物からなる微粒子を用いることができるが、純度の高いWCを用いることが好ましい。タングステン炭化物および銅の混合量は、全体に対するタングステン炭化物の混合率が約65質量%〜約97質量%で、銅の混合率が約3質量%〜約35質量%となる量とすることができ、超硬合金の材料特性および焼結の容易性の観点から、好ましくは、タングステン炭化物の混合率が約80質量%〜約93質量%で、銅の混合率が約7質量%〜約20質量%となる量とすることができる。また、タングステン炭化物および銅の微粒子の他、材料特性を向上させるために、TiC、TaC、NbC、Cr、VC、MoCまたはZrCなど他の高融点金属の炭化物からなる微粒子を結合剤の副成分として準備してもよい。なお、特定の用途に応じて、銅微粒子粉体以外にも、高温での耐クリープ性および変形抵抗を著しく低下させない程度に少量(数質量%)のコバルト、ニッケル、鉄など遷移金属からなる粉体を混合するために準備してもよい。
続いて工程S103において、準備したタングステン炭化物微粒子の粉体および銅微粒子の粉体を充分に混合し、タングステン炭化物および銅の粉体が均一に分散した混合粉体を得る。なお、工程103では、ボールミル、遊星ボールミル、振動ボールミルやアトライタにより湿式にて粉砕混練することによって、より微細な所望の平均粒径に粉砕するとともに、均一に分散混合するよう構成することもできる。また粉砕混練の際の溶媒としては、メタノ−ル、エタノール、アセトン、ベンゼン、四塩化炭素などの有機溶剤を使用することができる。
焼結させる炭化物微粒子の平均粒径は、約100nm〜約300nmとすることができ、より低温にて良好な焼結体を得るという観点からは、概ね200nm以下とすることが好ましい。焼結させる銅微粒子の平均粒径は、約1μm〜約180μmとすることが好ましく、均質な焼結体を得る観点からは、約10μm以下とすることが好ましい。なお、微粒子の平均粒径は、フィッシャー法による平均粒径またはBET法による比表面積から求めた換算粒径をいう。また、予め所望の平均粒径の微粒子を混合しても、粉砕混合の結果として所望の平均粒径の微粒子が得られてもよい。
続いて工程S104では、均一に混合したタングステン炭化物微粒子および銅微粒子の混合粉体を、例えば、所望の形状を有する焼結ダイ内に詰め込み、焼結ダイを上下から挿通するパンチにより、所定圧力で加圧する。工程S105では、例えば焼結ダイ内でパンチにより加圧されている混合粉体を、パンチによる圧力を維持しながら、例えば放電用電極として構成された上下パンチに電圧を印加して大電流を流し、放電プラズマ焼結させる。なお、放電プラズマ焼結は、真空下または、アルゴンや窒素などの不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。焼結条件として圧力は、約30MPa〜約100MPaとすることができ、より好ましくは、約40MPa〜約60MPaとすることができる。焼結条件として温度条件は、銅およびタングステン炭化物の混合率および圧力にも依存するが、1400℃〜1600℃まで昇温させることにより、焼結を完了させることができる。またタングステン炭化物の粒成長を抑制する観点からは、焼結条件として温度条件は、1500℃以下とすることが好ましい。また、圧力を高くすることにより、焼成を完了させられる温度を低下させることができる。なお、本願において焼結の完了とは、充分に緻密な焼結体を得ることをいい、加圧下で昇温していった場合に、焼結の進行および緻密化にともなって焼結体が圧縮されるが、焼結の完了は、圧縮による変位の飽和として観測することができる。工程S104における焼結に要する時間は、昇温速度などにもよるが、約10分〜約1時間の範囲とすることができる。工程S104における焼結は、焼結時間を短縮する観点からは、放電プラズマ焼結法を適用して行うことが好ましいが、ホットプレス焼結法、通電加圧焼結法、熱間等方圧加圧焼結法など種々の方法を適用して行うこともできる。焼結を完了させた後、工程S106では、得られた焼結体を冷却し、超硬合金10を得る。なお、工程S105の放電プラズマ焼結により得られた超硬合金10に対し、焼結体の孔や欠陥を除去するために、さらに熱間等方圧加圧を実施することもできる。
上記製造方法によれば、銅を主の結合剤として用いて、タングステン炭化物微粒子を焼結することにより、鉄、ニッケル、コバルトなどの結合剤を用いる場合に比べて、高温での耐クリープ性および変形抵抗が優れ、高温強度が優れた超硬合金を提供することが可能となる。銅は、比較的低融点であるものの、炭素やタングステンを殆ど固溶しないため、従来では焼結助剤あるいは結合剤として適切なものとは考えられていなかったが、本発明の製造方法では、微細なタングステン炭化物微粒子を用い、超塑性現象を利用することにより、銅を結合剤とした場合でも、低温での良好な焼結を実現し、もって銅を結合相とする緻密な超硬合金を提供することが可能となる。出発原料である粉末の粒径を微細なものとすることにより、粒子界面でのすべりおよび拡散が促進され、低温・短時間での緻密化が実現する。1400℃〜1600℃と比較的低温で焼結することができるため、銅が炭化タングステンより溶出し分離し、合金化が阻害されてしまうことが回避される。また、製造される超硬合金の材料特性は、ビッカース硬さを1000〜2000Hv5とすることができ、ビッカース硬さ1200〜1500Hvを有する標準的な超硬合金工具と比較しても遜色がないものである。
本発明の超硬合金は、高温での耐クリープ性および変形抵抗が優れるため、これまでコバルト系タングステン炭化物超硬合金が使用できなかったような高温環境下での使用も可能となる。また、コバルトを用いることなく充分な材料特性が得られるため、コバルト使用量を低減することが可能となる。また銅は、非磁性で、かつ、放射線の曝露により容易に放射性同位体を生成しないため、本発明の超硬合金は、磁場を好まない部位を有したり、高放射能環境で使用する工具、耐摩耗部材として好適に利用することができる。
本発明の超硬合金は、例えば、バイト、ドリル、カッタ、リーマなどの切削工具、サイドトリーマ、ギャングスリッター、リードワイヤーカッタ、ペーパスリッタ、ドラムシャーなどの剪断加工工具、絞り型、引抜ダイス、圧延ロールなどの塑性加工工具、打撃穿孔工具、回転穿孔工具、機械掘削工具などの土木建設鉱山用工具、粉末成型金型、ボーリングバー、スパイク、モールド、刻印などの工具に適用することができる。本発明の超硬合金を金型として用いる場合には、磁性を有する材料を成形するために好適に利用することができる。さらに本発明の超硬合金材料は、メカニカルシール、ドリルプッシュ、ノズル、ワークレストブレード、ゲージプレート、高圧シリンダー、プランジャーなどの耐摩耗部材に適用することができる。
以下、本発明の超硬合金について実施例を用いてより具体的に説明するが、本発明は、特定の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
粉体混合処理
平均粒径110nmのタングステンカーバイト(WC)粉末(アライドマテリアル社製:WC02NR)に、平均粒径1μmの銅(Cu)粉末(高純度化学社製:CUE08PB)を10質量%添加し、遊星ボールミル(FRITSCH社製:P−6)によりタングステンカーバイト製容器およびボールを用いて、エタノール溶媒中300rpmで1時間混合し、混合粉末試料を得た。なお、タングステンカーバイト粉末の平均粒径は、BET法による比表面積から求めた換算粒径である。
焼結装置
一軸の加圧機構を有する放電プラズマ焼結装置(SPSシンテックス社製:SPS−515S)を用いた。本実施例で採用した焼結法では、加工試料を高密度に圧縮後、DSパルス特殊電源によりON−OFFパルス制御通電を行い粒間結合する部分に積極的に高密度エネルギーを集中させるため、従来の焼結法に比べて、より低温・短時間で均質な焼結体が得られる。本装置は真空チャンバーを有し、真空下または不活性ガス雰囲気下での焼結が可能である。
焼結処理
混合して得た混合粉末試料を、放電プラズマ焼結装置に装着した内径15mm、高さ30mmのグラファイト製(東海カーボン社製:G540)焼結ダイス内に7g詰め込み、真空チャンバー内の雰囲気をアルゴン雰囲気とし、上部パンチおよび下部パンチにより押込み、加圧しながら電極間に電流を送通し焼結した。混合粉末試料の焼結は、上部パンチおよび下部パンチにより50MPaの圧力で加圧しながら、常温から1500℃まで昇温速度50℃/minにて昇温して行った。1500℃へ到達とともに、電流を停止して焼結を終了させ、自然放冷し、焼結体を焼結ダイスから取り出して、超硬合金の試験片を得た。焼結の緻密化は、圧縮による変位が概ね飽和したことを確認することによって、充分に完了したものと判断した。なお。電流を停止し、焼結を終了させた温度を焼結温度として定義する。
実施例1の焼結処理過程での緻密化挙動を図3に示す。図3は、圧縮による試験片の変位および温度の変化を時間に対してプロットしたグラフを示す。図3において、左軸は、上下パンチ間の距離の変位を示し、右軸は測定温度を示し、スケールが図示してある。なお、図3には、グラフ垂直方向の点線により、変位が飽和したと判断した時間が示され、グラフ水平方向の点線により変位が飽和した時の測定温度が示されている。図3に示すように、実施例1の試験片は、約1500℃で充分に緻密化されていることがわかる。
ビッカース硬さ試験
JIS(日本工業規格)Z2244に規定された試験方法に従って、得られた試験片のビッカース硬さを、49.03Nの試験力にて試験し、10回の平均値を算出したところ、1610Hv5であり、その標準偏差が70であった。なお、ビッカース硬さとは、対面角が136度のダイヤモンド四角すい圧子を用い、試験片の面にくぼみを付けたとき、永久くぼみの対角線長さから求めた永久くぼみの表面積で用いた試験力を除した値である。
高温圧縮試験
高温圧縮試験は島津サーボパルサー(島津製作所製:EHF−EG10kNNT−10L−type)を用いて行った。ヘリウムガス雰囲気中1000℃の高温下で、2mm×2mm×3mm形状の試験片に、初期ひずみ速度1×10−5−1でクロスヘッド速度一定にて圧縮することにより、試験片の標点距離と初期評点距離との差(縮み量)から真ひずみを、連続的に増加する荷重を圧縮中の試験片の断面積で除して真応力を求め、1000℃下の試験片の真応力−真ひずみ曲線を得た。実施例1の高温圧縮試験での圧縮変形挙動を図4に示す。図4は、連続的に増加する荷重を加えている間に計測された真応力および真ひずみの関係をプロットしたグラフを示す。図4において、縦軸は真応力を表し、横軸は真ひずみを表す。図4に示すように、実施例1の試験片は、真応力2.0GPaでの真ひずみが0.05以下、真応力1.0GPaでの真ひずみが0.02以下であり、真応力が2.0GPa以上に達しても、定常応力での塑性変形が殆どみとめられないことが示された。また図4は、真ひずみが0.01となる真応力が0.75GPa以上、および真ひずみが0.04となる真応力が1.75GPa以上となることが示されている。
X線回折分析
得られた試験片を、X線回折装置(リガク社製、RINT2000)を用いて分析した。図5は、X線回折の測定結果を示す。なお、図5においては、△印によりWCに帰属するピークを示し、●印により銅単体金属に帰属するピークを示す。図5に示すように、焼結体の結合相中、銅は、1500℃という高温においても、炭化タングステンとの化合物を形成せずに、単体金属として存在することが示された。
実施例1の試験片につき、ビッカース硬さHv5と、その標準偏差と、試験片の焼結温度とを表1に示す。表1は、実施例1および後述の各実験例(実施例および参考例)の試験片につき、混合条件と、試験片のビッカース硬さと、該硬さの標準偏差と、焼結温度とをまとめたものである。
Figure 2009203544
(比較例1)
試験片の作製
実施例1で用いたものと同じ平均粒径110nmのWC粉末を粉末試料として用意した。このWCのみからなる粉末試料を、実施例1と同様に、焼結ダイス内に7g詰め込み、アルゴン雰囲気とし、加圧しながら電極間に電流を送通し焼結した。粉末試料の焼結は、粉末試料を、50MPaで加圧し、常温から1800℃まで昇温速度50℃/minにて昇温して行った。1800℃への到達とともに、電流を停止して、自然放冷し、焼結体を焼結ダイスから取り出して、超硬合金の試験片を得た。比較例1の焼結処理過程での緻密化挙動を図3に示す。図3に示すように、比較例1の試験片は、約1700℃で緻密化が完了していることがわかる。
ビッカース硬さ試験
実施例1と同様に、JISZ2244に規定された試験方法に従って、得られた試験片のビッカース硬さの10回平均を算出したところ、2300Hv5であり、その標準偏差が110であった。
高温圧縮試験
実施例1と同様に、1000℃の高温下、初期ひずみ速度1×10−5−1でクロスヘッド速度一定にて試験片の真応力−真ひずみ曲線を得た。比較例1の高温圧縮試験での圧縮変形挙動を図4に示す。図4に示すように、WCのみの比較例1の試験片は、真応力2.0GPaでの真ひずみが約0.03、真応力1.0GPaでの真ひずみが約0.01であった。比較例1の試験片につき、ビッカース硬さHv5と、その標準偏差と、焼結温度とを表1に示す。
(比較例2)
試験片の作製
実施例1で用いたものと同じ平均粒径110nmのWC粉末に、平均粒径1μmのコバルト粉末(UMEX社製、ULTRAFINE COBALT POWDER W)を10質量%添加して混合した。なお、コバルト粉末の平均粒径は、フィッシャー法による平均粒径である。得られた混合粉末試料を、実施例1と同様に、焼結ダイス内に7g詰め込み、アルゴン雰囲気とし、加圧しながら電極間に電流を送通し焼結した。焼結は、混合粉末試料を、50MPaで加圧し、常温から1200℃まで昇温速度50℃/minにて昇温して行った。1200℃へ到達とともに、電流を停止し、自然放冷し、焼結焼結体を焼結ダイスから取り出して、超硬合金の試験片を得た。比較例2の焼結処理過程での緻密化挙動を図3に示す。図3に示すように、比較例2の試験片は、約1100℃で充分に緻密化されていることがわかる。
ビッカース硬さ試験
実施例1と同様に、JIS Z2244に規定された試験方法に従って、得られた試験片のビッカース硬さの10回平均を算出したところ、1610Hv5であり、この標準偏差が100であった。
高温圧縮試験
実施例1と同様に、1000℃の高温下、初期ひずみ速度1×10−5−1でクロスヘッド速度一定にて試験片の真応力−真ひずみ曲線を得た。比較例2の高温圧縮試験での緻密化挙動を図4に示す。図4に示すように、比較例2の試験片は、0.2GPa程度の一定応力でも大きく塑性変形していることが示された。比較例2の試験片につき、ビッカース硬さHv5と、その標準偏差と、焼結温度とを表1に示す。
(実施例1、比較例1および比較例2の考察)
図3に関して、実施例1および比較例1の結果を比較すると、実施例1の試験片は、WCのみの比較例1の試験片よりも、遙かに低温で焼結を完了させ、充分に緻密化できることが示された。一方、実施例1および比較例2の結果を比較すると、実施例1の試験片は、充分緻密な焼結体を得るためには、コバルトを結合剤とする比較例2の試験片よりも高温を要することが示された。つまり、銅は、コバルトほど焼結性を向上させないものの、結合剤として用いることにより、純粋なWCよりも焼結を良好に促進させることができることが示された。また、超硬合金中のWCからなる硬質相は、焼結温度が比較的低温であるため、概ねWC微粒子の粒径と同程度の粒径を有するものと考えられる。
ビッカース硬さに関して、実施例1、比較例1および比較例2の結果を比較すると、結合剤を添加する実施例1および比較例2の試験片は、WCのみの比較例1の試験片よりもビッカース硬さが小さくなることが示された。しかしながら、これは、他の一般的な結合剤を用いる炭化タングステン系超硬合金と同様の傾向である。実施例1および比較例に結果を比較すると、銅を添加する実施例1の試験片は、コバルトを添加する比較例2の試験片と同等の硬さを有することが示された。
図4に関して、実施例1および比較例1の結果を比較すると、銅を添加した実施例1は、WCのみの比較例1よりも、高温における変形抵抗がわずかに小さいが、極めて近い特性を有していることが示された。そして、実施例1および比較例1の試験片は、1000℃の高温環境下において、2.0GPa程度の定常応力が加わっても、殆ど塑性変形しないことが示された。一方、比較例2の結果を参照すると、コバルトを添加した比較例2の試験片は、1000℃といった高温下では、0.2GPa程度の定常応力にて大きく変形し、高温における変形抵抗が極めて小さいことが示された。このことから、結合剤を添加する場合でも、結合剤に銅を採用することにより、純粋なWCの変形抵抗の特性に近似させることができ、高温環境下の変形抵抗を大きくすることができることが示された。
以上の実験例を小括すると、平均粒径が110nmといった微細なWC粉末を用いることにより、従来では使用することが困難であった銅を結合剤として、緻密な焼結体を得ることができることが示された。また、銅を結合剤とする焼結体は、コバルトを結合剤とする焼結体と同程度の硬さを有することが示された。さらに、銅を結合剤とする焼結体は、WCのみの焼結体に迫る高温での変形抵抗を有し、1000℃といった高温下、2.0GPaと大きな定常応力が加わっても、殆ど塑性変形しないことが示された。
(実施例2)
試験片の作製
実施例1で用いたものと同じ平均粒径110nmのWC粉末に、平均粒径1μmの銅(Cu)粉末を15質量%添加して混合して混合粉末試料を得た。得られた混合粉末試料を、実施例1と同様に、焼結ダイス内に7g詰め込み、アルゴン雰囲気とし、加圧しながら電極間に電流を送通し焼結した。焼結は、混合粉末試料を、50MPaで加圧し、常温から1500℃まで昇温速度50℃/minにて昇温して行った。1500℃へ到達とともに、電流を停止し、冷却し、焼結体を焼結ダイスから取り出して試験片を得た。実施例2の焼結処理過程での緻密化挙動を図6に示す。図6は、図3と同様に、圧縮による試験片の変位および温度の変化を時間に対してプロットしたグラフを示す。図6に示すように、実施例2の試験片は、約1500℃で充分に緻密化されていることがわかる。
ビッカース硬さ試験
実施例1と同様に、得られた試験片のビッカース硬さの10回平均を算出したところ、1560Hv5であり、その標準偏差が70であった。実施例2の試験片につき、ビッカース硬さHv5と、その標準偏差と、焼結温度とを表1に示す。
(比較例3)
試験片の作製
実施例2と相違し、平均粒径750〜800nmのWC粉末(三津和化学薬品社製)に、平均粒径1μmの銅(Cu)粉末を15質量%添加して混合して混合粉末試料を得た。得られた混合粉末試料を、実施例2と同様に、焼結ダイス内に7g詰め込み、アルゴン雰囲気下、加圧しながら電極間に電流を送通し焼結した。焼結は、混合粉末試料を、50MPaで加圧し、常温から1600℃まで昇温速度50℃/minにて昇温して行った。比較例3の焼結処理過程での緻密化挙動を図6に示す。図6に示すように、比較例3では、1600℃まで昇温しても、まだ圧縮変位が飽和しておらず、かつ、変位も小さいため、充分に緻密化が進行していないことがわかる。
(実施例2および比較例3の考察)
図6に関して、実施例2および比較例3の結果を比較すると、平均粒径が110nmのWC粉末を用いる実施例2では、1500℃程度の温度でも充分に緻密化されるが、平均粒径750〜800nmのWC粉末を用いる比較例3では、溶融CuとWCが分離し合金化が阻害される温度である1600℃に達しても、充分に緻密化しないことが示された。したがって、平均粒径が750〜800nm程度以上のWC粉末を用いても、硬質合金材料として機能する焼結体が得られないことが示された。
(実施例3)
試験片の作製
実施例1で用いたものと同じ平均粒径110nmのWC粉末に、平均粒径1μmの銅(Cu)粉末を5質量%添加して混合して混合粉末試料を得た。得られた混合粉末試料を、実施例1と同様に、焼結ダイス内に7g詰め込み、アルゴン雰囲気下、加圧しながら電極間に電流を送通し焼結した。焼結は、加圧力を50MPaとし、常温から1550℃まで昇温速度50℃/minにて昇温して行った。1550℃への到達とともに、電流を停止し、自然放冷し、焼結体を焼結ダイスから取り出して、超硬合金の試験片を得た。焼結の緻密化は、1550℃までの範囲で、圧縮による変位が概ね飽和したことを確認し、充分に完了したものと判断した。
ビッカース硬さ試験
実施例1と同様に、得られた試験片のビッカース硬さの10回平均を算出したところ、1940Hv5であり、この標準偏差が110であった。実施例3の試験片につき、ビッカース硬さHv5と、その標準偏差と、焼結温度とを表1に示す。
(実施例4)
試験片の作製
実施例1で用いたものと同じ平均粒径110nmのWC粉末に、平均粒径1μmの銅(Cu)粉末を20質量%添加して混合して混合粉末試料を得た。得られた混合粉末試料を、実施例1と同様に、焼結ダイス内に7g詰め込み、アルゴン雰囲気下、加圧しながら電極間に電流を送通し焼結した。焼結は、加圧力を50MPaとし、常温から1450℃まで昇温速度50℃/minにて昇温して行った。1450℃へ到達とともに、電流を停止し、冷却し、焼結体を焼結ダイスから取り出して、超硬合金の試験片を得た。焼結の緻密化は、1450℃までの範囲で、圧縮による変位が概ね飽和したことを確認し、充分に完了したものと判断した。
ビッカース硬さ試験
実施例1と同様に、得られた試験片のビッカース硬さの10回平均を算出したところ、1240Hv5であり、この標準偏差が50であった。実施例4の試験片につき、ビッカース硬さHv5と、その標準偏差と、焼結温度とを表1に示す。
(実施例5)
試験片の作製
実施例1で用いたものと同じ平均粒径110nmのWC粉末に、平均粒径1μmの銅(Cu)粉末を30質量%添加して混合して混合粉末試料を得た。得られた混合粉末試料を、実施例1と同様に、焼結ダイス内に7g詰め込み、アルゴン雰囲気下、加圧しながら電極間に電流を送通し焼結した。焼結は、加圧力を50MPaとし、常温から1450℃まで昇温速度50℃/minにて昇温して行った。1450℃へ到達とともに、電流を停止し、冷却し、焼結体を焼結ダイスから取り出して、超硬合金の試験片を得た。焼結の緻密化は、1450℃までの範囲で、圧縮による変位が概ね飽和したことを確認し、充分に完了したものと判断した。
ビッカース硬さ試験
実施例1と同様に、得られた試験片のビッカース硬さの10回平均を算出したところ、1030Hv5であり、この標準偏差が50であった。実施例5の試験片につき、ビッカース硬さHv5と、その標準偏差と、焼結温度とを表1に示す。
(実施例1〜実施例5の考察)
表1に示した各実験例の結果から、少なくとも銅の含有率が約5質量%〜約30質量%の範囲で、溶融CuとWCが分離し合金化が阻害される温度である1600℃以下の温度により、充分に緻密化した焼結体を得ることが可能である点が示された。また、銅の含有率が小さく、タングステン炭化物の含有率が大きくなるにつれ、焼結を完了させるのに必要な温度が、高くなる傾向が認められた。一方、硬さの観点からは、銅の含有率が小さく、タングステン炭化物の含有率が大きくなるにつれ、硬さが向上することが示された。
(実施例6)
実施例1で用いたものと同じ平均粒径110nmのWC粉末に、粒径180μm passの銅粉末を10質量%添加し混合して混合粉末試料を得た。得られた混合粉末試料を、実施例1と同様に、焼結ダイス内に7g詰め込み、アルゴン雰囲気下、加圧しながら電極間に電流を送通し焼結した。焼結は、加圧力を50MPaとし、常温から1500℃まで昇温速度50℃/minにて昇温して行った。1500℃へ到達とともに、電流を停止し、冷却し、焼結体を焼結ダイスから取り出して、超硬合金の試験片を得た。粒径が180μm程度の大きさを有する銅微粒子を用いても、充分に緻密化が可能であることが示された。
本発明によれば、常温において優れた強度および靱性を有するとともに、高温においても、高い耐クリープ性および変形抵抗を有し、高温での強度向上された硬質合金材料が提供される。また本発明により製造された硬質合金材料は、高硬度が要求される種々の工具や耐摩耗部材として使用することができる。また、コバルトを用いることなく充分な材料特性が得られるため、製造物のコバルト使用量を低減し、省資源および省コスト化することが可能となる。
これまで本発明の実施形態について説明してきたが、本発明の実施形態は上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
本発明の特定の実施形態における超硬合金の組織を模式的に示す図。 本実施形態の超硬合金の製造方法を示すフローチャート。 圧縮による試験片の変位および温度の変化を時間に対してプロットしたグラフ。 連続的に増加する荷重を加えている間に計測された真応力および真ひずみの関係をプロットしたグラフ。 X線回折の測定結果を示す図。 圧縮による試験片の変位および温度の変化を時間に対してプロットしたグラフ。
符号の説明
10…超硬合金、12…硬質相、14…結合相

Claims (17)

  1. 主としてタングステン炭化物からなる硬質相と、該硬質相に接して偏在し、主として銅からなる結合相とを含む硬質合金材料。
  2. 前記硬質合金材料は、ビッカース硬さが1000〜2000Hv5である、請求項1に記載の硬質合金材料。
  3. 前記硬質合金材料は、1000℃下で、初期ひずみ速度1×10−5−1でクロスヘッド速度一定にて圧縮した場合に計測される真応力2.0GPaでの真ひずみが0.05以下であり、真応力1.0GPaでの真ひずみが0.02以下である、請求項1または2に記載の硬質合金材料。
  4. 硬質合金材料中の銅の含有率が、3質量%〜35質量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬質合金材料。
  5. 前記銅は、前記結合相に単体金属として存在する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬質合金材料。
  6. 前記硬質合金材料は、銅を結合剤としてタングステン炭化物粒子を焼結した焼結体である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の硬質合金材料。
  7. タングステン炭化物粒子の粉体と銅粒子の粉体とを混合し、加圧下で焼結することにより得られる硬質合金材料。
  8. 前記タングステン炭化物粒子の平均粒径は、100nm〜300nmである、請求項6または7に記載の硬質合金材料。
  9. 前記焼結は、30MPa〜100MPaの圧力下で、1400℃〜1600℃まで昇温させて行われる、請求項6〜8のいずれか1項に記載の硬質合金材料。
  10. 硬質合金材料の製造方法であって、
    タングステン炭化物粒子の粉体と銅粒子の粉体とを混合する工程と、
    混合された粉体を加圧下で焼結する工程と
    を含む、製造方法。
  11. 前記タングステン炭化物微粒子の平均粒径は、100nm〜300nmである、請求項10に記載の製造方法。
  12. 前記焼結する工程は、30MPa〜100MPaの圧力下で、1400℃〜1600℃まで昇温させて焼結する、請求項10または11に記載の製造方法。
  13. 前記混合する工程は、銅の含有率が3質量%〜35質量%となるように混合される、請求項10〜12のいずれか1項に記載の製造方法。
  14. 前記タングステン炭化物粒子は、微細結晶粒超塑性を発現する程度に微細である、請求項10〜13のいずれか1項に記載の製造方法。
  15. 前記焼結する工程は、真空または不活性雰囲気下、放電プラズマ焼結にて行われる、請求項10〜14のいずれか1項に記載の製造方法。
  16. 請求項1〜9に記載の硬質合金材料を含む工具。
  17. 請求項1〜9に記載の硬質合金材料を含む耐摩耗部材。
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