JP2005526922A - 広がった不織ウェブの形成方法 - Google Patents

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Abstract

新しい繊維形成方法および関連の装置、ならびにこの新しい方法および装置によって調製されるウェブが教示される。この新しい方法では、a)既知の幅および厚さのダイからフィラメントのストリームが押出され、b)互いに平行であり、ダイの前記幅に平行であり、および押出されたフィラメントのストリームの長手方向軸に平行である2つのわずかに隔てられた壁によって画定される処理チャンバを介して、押出されたフィラメントのストリームが方向付けられ、c)処理チャンバを通過したフィラメントのストリームがコレクタ上で遮断され、フィラメントはそこで不織繊維ウェブとして捕集され、そしてd)処理チャンバの壁の間隔が選択されて、押出されたフィラメントのストリームがコレクタに到達する前に広がり、ダイよりもかなり広い幅のウェブとして捕集されるようにする。一般に、幅の増大は経済的に有意であるのに十分であり、例えばウェブの製造コストを低減する。このような経済的利益は、ダイの幅よりも50、100または200ミリメートル大きい幅、もしくはそれより大きい幅において生じ得る。好ましくは、捕集されたウェブは、ダイの前記幅よりも少なくとも50%大きい幅を有する。処理チャンバは、好ましくは、その長手方向側が周囲環境に開放されており、処理チャンバ内の圧力がフィラメントのストリームを、チャンバの長手方向側に向かって外側に押圧できるようにする。

Description

繊維不織ウェブは、従来は、液体の繊維形成材料をダイから押出してフィラメントのストリームを形成し、押出ダイからの移動中にフィラメントを処理(例えば、フィラメントの急冷および延伸)し、次にフィラメントのストリームを多孔質コレクタ上で遮断することによって調製される。フィラメントは繊維の塊としてコレクタ上に堆積し、これは、取扱い可能なウェブの形態をとるか、あるいはこのようなウェブを形成するために処理され得るかのいずれかである。
通常、捕集された塊またはウェブは、フィラメントを押出すダイの幅とほぼ同一の幅である。メートル幅のウェブを調製すべき場合には、大体は、ダイもほぼメートル幅である。幅広のウェブは最も経済的な製造のために通常望ましいので、幅広のダイも通常使用される。
しかしながら、幅広のダイはいくつかの不都合を有する。例えば、ダイは、通常、繊維形成材料のダイによる処理を促進するために加熱され、ダイの幅が広いほどより多くの熱が必要とされる。また、幅広のダイは、狭いダイよりも作製するのにより多くのコストがかかり、保守することもより困難であり得る。また、捕集されるべきウェブの幅は、ウェブの意図される用途に応じて変化し得るが、ダイの幅またはダイの利用される割合を変化させてこのような変化を達成することは不便であり得る。
本発明は制御または選択された幅を有する繊維不織ウェブの調製方法を提供し、この幅は、ウェブの意図される用途に適合され、ウェブを形成するフィラメントが押出されたダイの幅とは著しく異なる。簡単に要約すると、本発明の方法は、a)既知の幅および厚さを有するダイからフィラメントのストリームを押出すことと、b)互いに平行であり、ダイの幅に平行であり、および押出されたフィラメントのストリームの長手方向軸に平行である2つのわずかに隔てられた壁によって画定される処理チャンバを介して、押出されたフィラメントのストリームを方向付けることと、c)処理されたフィラメントを不織繊維ウェブとして捕集することと、d)壁の間の間隔を、適合された幅を生じる選択された量に調整することによって、ダイの幅とは異なる幅にフィラメントのストリームの幅を適合させることとを含む。ほとんどの場合、フィラメントストリームの適合された所望の幅は、実質的に、ダイの幅よりも大きく、フィラメントストリームは、ダイからコレクタへ移動しながら広がり、機能性ウェブとして捕集される。一般に、捕集される際のウェブの幅は少なくとも50または100ミリメートルまたはそれ以上、ダイの幅よりも大きく、好ましくは、ウェブの幅は、少なくとも200ミリメートルまたはそれ以上、ダイの幅よりも大きい。より狭い幅も得ることができ、したがって、更なる柔軟性が追加される。
好ましくは、処理チャンバは、壁の長さの少なくとも一部にわたってその長手方向側で周囲環境に開放されている。また壁は、好ましくは、押出されたフィラメントのストリームが広がるのを促進するために、フィラメントの移動方向に、互いに対して近接する。
図1は、本発明を実行するための説明的な装置を示す。この説明的な装置では、繊維形成材料をホッパ11に導入し、押出機12内で材料を溶融し、溶融した材料をポンプ13により押出ヘッド10へポンピングすることによって、繊維形成材料が押出ヘッドまたはダイ10にもたらされる。ペレット状または他の粒子形態の固体高分子材料が使用されて、液体のポンピング可能な状態に溶融されるのが最も一般的であるが、ポリマー溶液などの他の繊維形成液体も使用され得る。
押出ヘッド10は従来のスピナレットまたはスピンパックでよく、一般に、規則的なパターン、例えば一直線の列に配置された多数のオリフィスを含む。繊維形成液体のフィラメント15は押出ヘッドから押出され、処理チャンバまたはアッテネータ16へ搬送される。押出されたフィラメント15がアッテネータ16に到達する前に移動する距離17は、フィラメントがさらされる条件と同様に変化し得る。通常、押出されたフィラメント15の温度を低下させるために、押出されたフィラメントには、従来の方法および装置によって空気または他の気体の急冷ストリーム18が提供される。あるいは、空気または他の気体のストリームは、繊維の延伸を容易にするために加熱されてもよい。空気(または他の流体)の1つまたは複数のストリームが存在してもよく、例えば、フィラメントストリームを横切って吹く第1の空気ストリーム18aは、押出の間に放出される望ましくない気体材料または煙霧を除去することができ、第2の急冷空気ストリーム18bは、所望される主要な温度低下を達成する。使用中のプロセスまたは所望される最終製品の形態によっては、急冷空気は、押出されたフィラメント15を、アッテネータ16に到達する前に凝固させるのに十分であり得る。他の場合には、押出されたフィラメントは、アッテネータに入る際、まだ軟化または溶融条件下にある。あるいは、押出ヘッド10とアッテネータ16の間の周囲空気または他の流体が、アッテネータに入る前の押出フィラメントの変化のための媒体であり得るような場合には、急冷ストリームは使用されない。
フィラメントストリーム15は、以下により詳細に議論されるように、アッテネータ16を通過し、その後出て行く。図1および図2に説明されるように、ストリームはコレクタ19上に出て行き、そこでフィラメントまたは完成した繊維は、繊維塊20として捕集される。繊維塊20は密着していてもいなくてもよく、取扱い可能なウェブの形態をとる。以下により詳細に議論され、図2に示されるように、繊維またはフィラメントストリーム15は、アッテネータから出て、コレクタ19までの距離21を移動するときに、好ましくは広がっている。コレクタ19は一般に多孔質であり、気体回収装置14は、コレクタの下方に位置決めされて、繊維がコレクタ上に堆積するのを促進することができる。捕集された塊20は、カレンダ、エンボス加工ステーション、ラミネータ、カッターなどの他の装置へ搬送されてもよいし、あるいは、駆動ロール22(図1)を通過して貯蔵ロール23に巻き取られてもよい。処理チャンバを通過した後であるが、捕集される前に、押出フィラメントまたは繊維は、例えば更なる延伸や噴霧など、図1には説明されない多数の更なる処理工程を受けることができる。
図3は、本発明を実施する際に有用な、代表的な好ましい処理装置またはアッテネータ16の拡大側面図である。この代表的な好ましい装置は、処理チャンバ24を間に確定するように分離された2つの移動可能な半分部分または側部16aおよび16bを含み、側部16aおよび16bの対向する表面60および61はチャンバの壁を形成する。説明的な装置16は、処理チャンバの平行壁の間の距離の便利な調整を可能にして、本発明に従って、押出フィラメントストリームの幅の所望の制御を達成する。押出フィラメントストリームまたは繊維の広がりの範囲は、アッテネータまたは処理装置16の壁60と壁61の間の距離を調整することによって、この装置で制御することができる。またこの装置は、狭い間隙の処理チャンバと、処理チャンバに入るときに軟化状態にある繊維形成材料とを用いて高速で実行されるときでさえ、動作の所望の連続性を提供するので好ましい。このような条件は、先行技術の処理装置の目詰まりおよび中断を引起こしやすい。本発明によるフィラメントストリームの広がりは、処理チャンバの壁の間隔を狭い間隔に減少させる能力によって促進され、この間隔は、少なくともいくつかの場合には、直接ウェブ形成プロセスの処理チャンバで従来使用されるよりも狭い。使用される間隔はチャンバ内に圧力を生じることができ、これにより、空気流が、処理チャンバの構造により許容される幅に広がり、押出フィラメントをその幅全体にわたって運搬するようになる。
好ましいアッテネータ16のための壁60と壁61の間の距離を調整するための手段が図4に示される。図4は、アッテネータならびに取付けおよび支持構造のいくつかを異なるスケールで示すいくらか概略的な平面図である。図4の平面図から分かるように、アッテネータ16の処理または減衰チャンバ24は、通常、長尺または矩形スロットであり、横断方向長さ25を有する(長手方向軸、またはアッテネータを通るフィラメントの移動通路に対して横断方向であり、押出ヘッドまたはダイ10の幅に平行)。
2つの半分部分または側部として存在するが、アッテネータ16は1つの単一装置としての役割を果たし、まずその結合した形で議論され得る。(図3および図4に示される構造は単なる代表例であって、様々な異なる構成を使用することができる。)傾斜した入口壁62および63は、減衰チャンバ24への入口空間または喉部24aを画定する。入口壁セクション62および63は、好ましくは、入口エッジまたは表面62aおよび63aで湾曲され、押出フィラメント15を運ぶ空気ストリームが円滑に入るようにする。壁セクション62および63は本体部分28に取り付けられ、本体部分28と壁セクション62および63との間に間隙30を構築するために、凹んだ領域29が設けられ得る。空気または他の気体は導管31を通って間隙30内に導入され、エアナイフ(すなわち、矢印32で示される加圧気体ストリーム)を作り出すことができる。エアナイフは、フィラメントの移動方向において引張り力をフィラメントに付与してフィラメントの速度を増大させると共に、フィラメントに対する更なる急冷効果も有する。アッテネータ本体28は、好ましくは、28aで湾曲され、エアナイフ32から通路24への空気の通過を円滑にする。アッテネータ本体の表面28bの角度(α)は、アッテネータを通過するフィラメントストリームにエアナイフが衝突する所望の角度を決定するように選択することができる。チャンバの入口付近ではなく、エアナイフは、チャンバ内のより遠くに配設されてもよい。
減衰チャンバ24は、アッテネータを通るその長手方向の長さ(減衰チャンバを通る長手方向軸26に沿った寸法は軸方向長さと呼ばれる)にわたって均一な間隙幅(2つのアッテネータ側部または壁60および61の間の図2の頁の水平距離33は、本明細書では間隙厚と呼ばれる)を有することができる。あるいは、図3に示されるように、間隙厚は、アッテネータチャンバの長さに沿って変化してもよい。好ましくは、減衰チャンバは、出口開口34に向かって、例えば角度βで、その長さに沿って厚さが狭くなる。エアナイフから下流の地点における壁60および61のこのような狭化または近接は、本発明の少なくともいくつかの実施形態において、押出フィラメントストリームが、アッテネータの出口に向かって移動し、そこを通ってコレクタ19へ移動するにつれて広がるようにすることの助けとなることが分かった。本発明のいくつかの実施形態では、壁は、エアナイフから下流の地点で減衰チャンバの軸方向長さにわたってわずかに遠離してもよい(この場合、コレクタ上に堆積される押出フィラメントストリームは、押出ヘッドまたはダイ10の幅よりも狭く、これは、本発明のいくつかの製品では望ましいこともある)。また、いくつかの実施形態では、減衰チャンバは、壁の間の間隔または間隙幅が壁の長さの一部または全体にわたって一定であるように、一直線または平坦な壁によって画定される。これらの全ての場合において、減衰または処理チャンバを画定する壁60および61は、その長さの少なくとも一部にわたって厳密な平行からの偏差が比較的わずかなので、本明細書では互いに平行であるとみなされ、好ましくは、チャンバの長手方向の長さを横断する方向(すなわち、図3の頁に垂直)において平行からの偏差は実質的に存在しない。図3に示されるように、通路24の長手方向の長さの主要部分を画定する(それぞれ、壁60および61の)壁セクション64および65は、本体部分28から分離、および本体部分28に付着するプレート36の形をとることができる。
処理チャンバを画定する壁がその長さの少なくとも一部にわたって近接するとしても、例えば吸引またはベンチュリ効果を生じるために、その長さのその後の部分にわたって広がることもできる。減衰チャンバ24の長さは、異なる効果を達成するために変化させることができ、本明細書ではシュート長さ35と呼ばれることもあるエアナイフ32と出口開口34の間の部分では、変化は特に有用である。壁の間の間隔および壁の近接または遠離と共に選択される、より長いシュート長さは、フィラメントストリームの広がりを増大することができる。デフレクタ表面、コアンダ曲面、および一様でない壁長などの構造を出口で用いて、所望される繊維の更なる広がりまたは他の分配を達成することができる。一般に、間隙幅、シュート長さ、減衰チャンバの形状などは、処理中の材料と、他の所望の効果を達成することが所望される処理モードと共に選択される。例えば、より長いシュート長さは、調製される繊維の結晶化度を増大させるのに有用であり得る。押出フィラメントを所望の繊維の形に処理するために、条件を選択することができ、広範囲にわたって変化させることができる。
図4に説明されるように、代表的なアッテネータ16の2つの側部16aおよび16bは、それぞれ、ロッド39上をスライドする直線ベアリング38に取り付けられた取付けブロック37によって支持される。ベアリング38は、ロッドのまわりに放射状に配設された軸方向に延在するボールベアリング列などの手段によってロッド上を低摩擦で移動し、それによって、側部16aおよび16bは互いに近づいたり離れたり、容易に移動することができる。取付けブロック37は、アッテネータ本体28およびハウジング40へ取り付けられ、ハウジング40を通って、供給パイプ41からの空気が、導管31およびエアナイフ32へ分配される。
この説明的な実施形態では、エアシリンダ43aおよび43bは、接続ロッド44によって、それぞれアッテネータ側部16aおよび16bに接続され、アッテネータ側部16aおよび16bを互いに向かって押圧するクランピング力を付与する。クランピング力は、減衰チャンバ24内に存在する圧力の平衡を保つために、および以下に議論されるように、処理チャンバの壁の間の所望の間隔を設定するためにも、他の動作パラメータと共に選択される。すなわち、クランピング力と、アッテネータ内の気体の圧力の結果、減衰チャンバの内側で作用してアッテネータ側部が離れるように押圧する力とは、好ましい動作条件下で平衡または均衡を保つ。アッテネータの部品がその設定された均衡または定常状態位置に保持され、減衰チャンバまたは通路24がその設定された均衡または定常状態の間隙幅に保持される間に、フィラメント材料を押出し、アッテネータを通過させ、完成した繊維として捕集することができる。
図1〜図4に示される代表的な装置の起動および設定された動作(すなわち、フィラメントストリームの選択された幅を得るため)の後では、アッテネータ側部またはチャンバ壁の移動は、一般に、もしもシステムの摂動が存在する場合にのみ生じる(壁は、異なる幅のストリームを得るために、プロセスの動作中に故意に移動される場合もある)。このような摂動は、処理中のフィラメントが破断したり、あるいは別のフィラメントまたは繊維と絡まったりする場合に生じ得る。例えば、押出ヘッドから来るフィラメントの前端または絡まりは拡大されて、チャンバ24の局部的な閉塞を生じるので、このような破断または絡まりは、減衰チャンバ24内の圧力の増大を伴うことが多い。増大した圧力は、アッテネータ側部またはチャンバ壁16aおよび16bが互いに離れるよう強制するのに十分であり得る。チャンバ壁のこの移動により、入ってくるフィラメントの端部または絡まりはアッテネータを通過することができ、その結果、減衰チャンバ24内の圧力は、摂動前のその定常状態値に戻り、エアシリンダ43により付与されるクランピング圧力は、アッテネータ側部をその定常状態の位置へ戻す。減衰チャンバ内の圧力増大を引き起こすその他の摂動には、「ドリップ」、すなわち押出フィラメントの中断時に押出ヘッドの出口から落下する繊維形成材料の球形の液滴、あるいは減衰チャンバの壁またはすでに付着した繊維形成材料と係合して付着し得る押出フィラメント材料の蓄積が含まれる。
事実上、説明的なアッテネータ16の側部16aおよび16bのうちの一方または両方は「浮動する」、すなわち、構造体により定位置に保持されないが、代わりに、図1の矢印50の方向に自由および容易に横方向に移動するように取り付けられる。好ましい構造では、アッテネータ側部に作用する摩擦および重力以外の唯一の力は、エアシリンダにより加えられるバイアス力、および減衰チャンバ24内で発生される内部圧力である。ばね、弾性材料の変形、またはカムなどのエアシリンダ以外のクランピング手段が使用されてもよいが、エアシリンダは、所望される制御および可変性を提供する。
処理チャンバ壁の所望の動きを引き起こすまたは可能にするために、多くの代替案が利用可能である。例えば、処理チャンバの壁を離れるように強制するために流体圧力に依存するのではなく、チャンバ内のセンサ(例えば、壁上の蓄積またはチャンバの目詰まりを検出するレーザまたは熱センサ)を使用して、壁を引き離し、次にその定常状態の位置に戻すサーボ機構のメカニズムを起動してもよい。本発明のもう1つの有用な装置では、アッテネータ側部またはチャンバ壁の一方または両方は、例えば、サーボ機構の振動または超音波駆動装置によって、揺動パターンで駆動される。揺動の速度は、例えば、少なくとも5,000サイクル/分〜60,000サイクル/秒の速度を含む広い範囲で変動可能である。
更にもう1つの変形では、壁を離すためおよびその定常状態の位置に戻すための移動手段は、単に、処理チャンバ内の流体圧力と、チャンバ壁の外側に作用する周囲圧力との間の差異という形をとる。更に具体的には、定常状態の動作中、処理チャンバ内の圧力(例えば、処理チャンバの内部形状、エアナイフの存在、位置および設計、チャンバに入る流体ストリームの速度などによって確定される、処理チャンバ内で作用する種々の力の総和)は、チャンバ壁の外側に作用する周囲圧力と平衡を保つ。繊維形成プロセスの摂動のためにチャンバ内の圧力が増大すると、摂動が終わって、処理チャンバ内の圧力が定常状態の圧力より低いレベルに低下する(チャンバ壁の間の間隙厚さまたは間隙は定常状態の動作時よりも大きいので)まで、チャンバ壁の一方または両方は他方の壁から離れるように移動する。そこで直ちに、チャンバ内の圧力が周囲圧力と平衡になって、定常状態の動作が生じるまで、チャンバ壁の外側に作用する周囲圧力がチャンバ壁を押し戻す。装置および処理パラメータに対する制御が欠けることにより、圧力差のみに依存することはあまり望ましくない選択とされ得る。
要約すると、瞬時に移動可能であり、場合によっては「浮動する」ことに加えて、説明的な処理チャンバの壁は、一般に、壁を所望の方法で移動させるための手段にも支配される。この実例となる種類の壁は、一般に、例えば物理的または作用的に、所望される壁の瞬間的な移動を引き起こすための手段に接続されると考えることができる。この移動手段は、処理チャンバまたは関連装置、もしくは動作条件、あるいはこれらの組み合わせのうちのどの特徴でもよく、移動可能なチャンバ壁の意図される移動(例えば繊維形成プロセスの摂動を防止または緩和するために離れる動作、例えばチャンバを定常状態の動作に設定または戻すために近づく動作)を引き起こす。
図1〜図3に示される実施形態では、減衰チャンバ24の間隙厚さ33は、チャンバ内に存在する圧力、あるいはチャンバを通る流体の流速および流体温度と相互関係がある。クランピング力は、減衰チャンバ内の圧力と一致し、減衰チャンバの間隙厚さに依存して変動する。与えられた流体の流速に対して、間隙幅がより狭く、減衰チャンバ内の圧力がより高いと、クランピング力はより高くなるはずである。より低いクランピング力は、より広い間隙幅を可能にする。メカニカルストップ、例えばアッテネータ側部16aおよび16bの一方または両方における隣接構造を使用して、最小または最大の間隙厚さが保持されるのを保証することができる。
1つの有用な構造では、例えば、シリンダ43bで使用されるよりも大きい直径のピストンをシリンダ43aで使用することによって、エアシリンダ43aは、シリンダ43bよりも大きいクランピング力を付与する。この力の差異は、動作中に摂動が生じたときに最も容易に移動する傾向がある側部として、アッテネータ16bを構築する。力の差異は、ロッド39上のベアリング38の移動に抵抗する摩擦力とほぼ等しく、これを補償する。アッテネータ側部16bに向かうアッテネータ側部16aの移動を制限するために、大きい方のエアシリンダ43aに制限手段を取り付けることができる。1つの説明的な制限手段は、図4に示されるように、エアシリンダ43aとしてダブルロッドエアシリンダを使用し、第2のロッド46はネジ切りされ、取付けプレート47を通って延出し、エアシリンダの位置を調整するために調整可能なナット48を有する。例えばナット48を回転させることによる制限手段の調整は、押出ヘッド10と位置合わせして減衰チャンバ24を位置決めする。
アッテネータ側部16aおよび16bの所望される瞬時の分離および再閉鎖のために、繊維形成動作のための動作パラメータは拡張される。これまではプロセスを動作不能にし得る(例えば、リスレッディングために停止することを必要とするフィラメントの破断をもたらし得るので)いくつかの条件は、この好ましい実施形態の方法および装置では容認できるようになり、フィラメントの破断時、入ってくるフィラメント端部のリスレッディングは、一般に、自動的に生じる。例えば、フィラメントの頻繁な破断をもたらす、より高速を使用することができる。同様に、エアナイフを、アッテネータを通過するフィラメントに対してより集中させ、より大きな力およびより大きい速度を付与させる狭い間隙厚も使用することができる。あるいは、減衰チャンバの目詰まりの危険性が減少されるので、フィラメントは、より溶融条件下で減衰チャンバ内に導入されてもよく、これにより、繊維特性をより大きく制御することが可能になる。アッテネータは押出ヘッドに近づいたりまたは遠ざかったりするように移動して、とりわけ、減衰チャンバに入るときのフィラメントの温度を制御することができる。
アッテネータ16のチャンバ壁は概略的にモノリシック構造で示されるが、記載される瞬時のまたは浮動する移動のためにそれぞれ取り付けられた個々の部品の組立体の形をとることもできる。1つの壁を構成する個々の部品は、処理チャンバ24内の内部圧力を保持するように、密閉手段によって互いに係合する。異なる構造では、ゴムまたはプラスチックなどの材料のフレキシブルシートが処理チャンバ24の壁を形成し、それによって、局部的な圧力の増大(例えば、単一のフィラメントまたはフィラメント群の破断によって生じる目詰まりによる)の際に、チャンバは局部的に変形することができる。連続または格子状のバイアス手段はセグメント化されたまたはフレキシブルな壁と係合することができ、局部的な変形に応答して、壁の変形部分にバイアスをかけてその未変形の位置に戻すのに十分なバイアス手段が使用される。あるいは、連続または格子状の揺動手段がフレキシブルな壁と係合して、壁の局部領域を揺動させてもよい。あるいは、上記で議論した方法で、処理チャンバ内の流体圧力と、壁または壁の局部的な部分に作用する周囲圧力との間の差を用いて、例えばプロセスの摂動中に壁の一部を開放させ、例えば摂動が終わったら壁を未変形または定常状態の位置に戻すことができる。また、フレキシブルまたはセグメント化された壁の連続する揺動状態を引き起こすように、流体圧力を制御することもできる。
代表的なアッテネータ16の上記の説明は、壁60および61が、壁の間の距離を調整するため、または間隔を選択するために移動可能であることを示す。また、壁は、動作を停止することなく、捕集されるウェブの幅を変えるために、説明的な装置の動作中にも移動可能である。例えば、エアシリンダ43aおよび/または43bによりアッテネータの半分部分に付与される圧力の増大は、壁60および61を、互いに近づくように移動させることができる。また、処理チャンバの出口34付近でフィラメントの移動の長さにわたって、壁60および61を近接または遠離させるためにアッテネータの半分部分に対してメカニカルストップが適用されてもよい。その他の利便性のより低い本発明の実施形態では、チャンバの壁は移動可能ではなく、その代わりに、フィラメントストリームの所望の幅を達成する位置に固定され得る(例えば、壁は、いったん所望の間隔が選択されたら容易には移動されない装置によって支持され得るので、装置の動作中、意図的にも瞬時にも間隔は変えられない)。
図5および図6は、装置の出口に近づくにつれて壁が近接または遠離する角度βを変化させるために、処理チャンバを画定する壁の移動、特に壁の枢動を容易にする説明的な処理装置を示す。図5および図6に示される装置70は、取付けブラケット71aおよび71bを含み、これらはそれぞれ、装置またはアッテネータの半分部分72aおよび72bをピン73上に枢動可能に支持する。ピン73は、装置の半分部分72aおよび72aのそれぞれの本体部分75aおよび75bへそれぞれ固定された支持ブロック74aおよび74b内に回転可能に延在する。取付けブラケット71aおよび71bは、それぞれ、支持ブラケット86内でスライドするロッド85によって、それぞれエアシリンダ76aおよび76bに接続される。エアシリンダは、取付けブラケット71aおよび71bを介して、装置の半分部分72aおよび72b上にクランピング圧力を付加し、これにより、アッテネータの半分部分の間に画定される処理チャンバ77上に付加する。取付けブラケット71aおよび71bは、ロッド79上を低摩擦でスライドする取付けブロック78へ取り付けられる。
装置またはアッテネータの半分部分の枢動は、図5の線6−6で取られた図6(壁セクション62’および63’が追加されている)に最もよく描写される調整メカニズムで達成される。図示される装置の各調整メカニズムには、ブラケット71aまたは71bと、図2のプレート36に相当するプレート81aまたは81bとの間にそれぞれ接続されたアクチュエータ80aまたは80bが含まれる。1つの有用なアクチュエータは、シャフトを前進または後退させるために電気モータにより駆動されるネジ切りされた駆動シャフト82aまたは82bをアクチュエータ内に含む。シャフトの動きはプレート81aおよび81bにより伝達され、装置の半分部分をピン73のまわりに枢動させる。
図3〜6に示される処理チャンバ24および77の好ましい実施形態において分かるように、チャンバの横断方向の長さの端部には側壁がない。このことは、処理チャンバが装置のまわりの周囲環境に開放されていることを意味する。その結果、フィラメントのストリームを載せた空気または気体の流れは、チャンバ内に存在する圧力下でチャンバの側面から広がることができる。また、空気または他の気体はチャンバ内へ引き込まれる。同様に、チャンバを通過する繊維は、チャンバの出口へ近づくにつれて、チャンバの外側に向かって広がることができる。このような広がりは、上記で議論されたように、コレクタ上に捕集される繊維塊を幅広にするために望ましいことがある。
好ましい実施形態では、実質的にフィラメントのストリーム全体が、チャンバの全長にわたって処理チャンバ内を移動する(図2の線15aで示されるように)。何故なら、それによって、捕集ウェブ内で繊維間の特性のより大きな均一性が達成されるからである。例えば、繊維は同様の減衰程度および同様の繊維サイズを有する。処理装置またはアッテネータ(図2の16で示され、実線で描かれる)の幅は、処理チャンバ内のフィラメントの移動に対応するために、押出ヘッドまたはダイ10の有効幅よりも幅広でよい。その他の実施形態では、繊維ストリームは、幅がより狭い処理チャンバの外側に広がることができる(図2の処理装置16’を通って移動する破線で示されるストリーム15’で示されるように)。広がりが、繊維特性の望ましくない変化を引き起こすのに十分であれば、コレクタへのその移動中に処理チャンバ内に実質的に保持された繊維だけが完成した繊維不織ウェブ内に含まれるように、捕集される繊維塊は切り取られる。しかしながら、処理チャンバを通る移動は、一般に、押出ヘッドからコレクタへの押出フィラメントの移動のほんのわずかな部分なので(フィラメントの主要な延伸およびフィラメント直径の減少は、フィラメントが処理チャンバに入る前、および処理チャンバを出た後に生じることが多い)、処理チャンバの側面の外側への移動は繊維の特性にあまり大きな影響を与えないかもしれない。
捕集されるウェブの幅は、処理チャンバの壁の間隔を含む繊維処理動作の様々なパラメータを制御することによって、所望の幅に適合され得る。完成ウェブは機能性ウェブ(上記で議論したように、意図される用途のために、接着や噴霧などの種々の他の工程が必要とされるかもしれないが)である。すなわち、繊維の捕集物は、一般にその幅を横切ってある程度の特性の均一性を有し、ウェブがその意図される用途のために適切に機能するのに十分である。通常、ウェブ坪量は、完成ウェブの幅を横切って30パーセント以下だけ変化し、好ましくは10パーセント以下だけ変化する。しかしながら、より広範な特性変化を含み、捕集されたウェブを特性が異なるセグメントに切断する目的を含む、特別な特性を有するようにウェブを適合させることができる。
経済的な理由で、完成ウェブは、一般に、フィラメントを押出したダイよりも著しく広い幅を有するように適合される。幅の増大は、処理チャンバの壁の間隔などの上記のパラメータ、ならびに捕集されているウェブの幅、アッテネータの長さ、およびアッテネータ出口とコレクタの間の距離などの他のパラメータによって影響され得る。50ミリメートルの増大はいくつかのウェブ幅では有意であり得るが、ほとんどの場合、少なくとも100ミリメートルの増大が求められ、好ましくは200ミリメートルまたはそれ以上の増大が得られる。後者の増大は、幅広化プロセスに著しい商業的利益を提供する。
広がったウェブ15によって包囲または占有される夾角(図2の角度γ)は、捕集されるウェブの目標とされる幅と、アッテネータからコレクタまでの距離などのパラメータとに依存する。アッテネータとコレクタの間の一般的な距離では、ストリーム15の夾角γは少なくとも10°であり、さらに一般的には、少なくとも15または20°である。本発明の多くの実施形態では、完成ウェブ(すなわち、捕集されたウェブまたは捕集されたウェブの切り取られた部分)は、押出ヘッドまたはダイの幅(ダイの有効幅、すなわち繊維形成液体が押出される部分を意味する)よりも少なくとも50パーセント幅広である。
図7は、図2と同じ視点から、本発明で有用な代替装置89を示し、該装置は、フィラメントの広がるストリームを処理する際に有利な扇形のアッテネータ90を有する。処理チャンバおよび処理チャンバを画定する壁は、処理チャンバの長さにわたって広がるまたは幅広になる。処理チャンバ内では、フィラメントに作用する力は、ストリームの全幅にわたってかなり均一である。壁の間隔は、フィラメントのストリームを所望の量だけ広くするように選択される。
好ましくは、処理チャンバ89は、既に説明したチャンバ16の場合と同様に、処理チャンバを画定する平行壁の長さのほとんどまたは全てにわたって側壁を持たない(フィラメントを運ぶ気体ストリームが広がり、したがってフィラメントのストリームを広げることができるようにするため)。しかしながら、図7の装置89の処理チャンバは、他の実施形態の処理チャンバと同様に側壁を含むことができ、押出フィラメントまたは繊維のストリームの広がりまたは狭化は、やはり処理チャンバを画定する壁の間の間隔を制御することによって得られる。側壁は、フィラメントの流れに影響を与え得る側面からの空気の取り込みを制限するという利点を有することができる。これらの実施形態では、チャンバの横断方向の一方の端部における単一の側壁は、一般に、チャンバの半分部分または側部の両方には取り付けられない。何故なら、両方のチャンバ側部への取付けは、上記で議論したような側部の瞬時の分離を含め、装置の半分部分が近づいたりまたは離れたりする動きを妨げ得るからである。その代わりに、側壁は一方のチャンバ側部へ取り付けられ、上記で議論したように、もし調整メカニズムの調整中に、あるいは瞬間移動手段に応答して移動する場合には、その側部と共に移動する。他の実施形態では、側壁は分割され、一方の部分は一方のチャンバ側部に取り付けられ、他方の部分は他方のチャンバ側部に取り付けられ、処理チャンバ内に処理される繊維のストリームを閉じ込めることが所望される場合には、側壁部分は好ましくは重なり合う。
捕集されたフィラメントストリームは広がることが一般に好ましいが、ダイよりも狭い(例えば、ダイの幅の75%または50%、もしくはそれより狭い)ウェブの形成も有用であり得る。このような狭化は、処理チャンバの壁の間の間隔を制御することによって得ることができ、フィラメントの移動方向における壁の遠離は、このような狭化を達成する際に潜在的に役立つことが分かっている。
広範な種類の繊維形成材料を使用して、本発明の方法および装置で繊維を製造することができる。有機高分子材料、もしくはガラスまたはセラミック材料などの無機材料のどちらが使用されてもよい。本発明は、溶融した形の繊維形成材料の場合に特に有用であるが、溶液または懸濁液などの他の繊維形成液体も使用することができる。ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、およびウレタンなどの繊維の形成で一般に使用されるポリマーを含む、任意の繊維形成有機高分子材料を使用することができる。環状オレフィンなどの非晶質ポリマー(従来の直接押出技法におけるその有用性を制限する高溶融粘度を有する)、ブロックコポリマー、スチレン系ポリマー、および接着剤(感圧型およびホットメルト型の種類を含む)を含む、スパンボンドまたはメルトブロー技法により繊維に形成することがより困難ないくつかのポリマーまたは材料を使用することができる。本明細書中に記載される特定のポリマーは単なる例であって、広範な種類の他の高分子または繊維形成材料が有用である。興味深いことには、溶融ポリマーを用いる本発明の繊維形成プロセスは、多くの場合、典型的な直接押出技法よりも低温で実行することができ、これは、多数の利点を提供する。
また繊維は、顔料または染料などの特定の添加剤がブレンドされた材料を含む、材料のブレンドから形成されてもよい。芯−鞘型またはサイドバイサイド型の二成分繊維などの二成分繊維を調製することができる(本明細書中の「二成分」は、2つまたは2つより多い成分を有する繊維を含む)。更に、繊維の混合物を含むウェブを調製するように、異なる繊維形成材料が、押出ヘッドの異なるオリフィスから押出されてもよい。本発明の他の実施形態では、繊維が捕集される前、または捕集されるときに、ブレンドされたウェブを調製するように、本発明に従って調製される繊維のストリーム内に他の材料が導入される。例えば、米国特許第4,118,531号明細書に教示される方法で他の短繊維がブレンドされてもよい。または、米国特許第3,971,373号明細書に教示される方法で粒子状材料が導入され、ウェブ内に捕獲されてもよい。もしくは、米国特許第4,813,948号明細書で教示されるようなマイクロウェブがウェブ内にブレンドされてもよい。あるいは、本発明に従って調製された繊維は、繊維のブレンドを調製するために他の繊維のストリーム内へ導入されてもよい。
本発明の繊維形成プロセスは、異なる効果および異なる形態のウェブを達成するように制御することができる。本発明は、スパンボンドまたはメルトブロープロセスで行われるのと同様に、繊維形成高分子材料が1つの本質的に直接的な動作でウェブに転換される直接ウェブ形成プロセスとして特に有用である。多くの場合、本発明を用いて、少なくとも最小の厚さ(例えば、5mmまたはそれ以上)および嵩高性(例えば、10cc/グラムまたはそれ以上)を有する繊維マットが得られ、より薄いウェブを調製することもできるが、多少の厚さのあるウェブは、絶縁、ろ過、緩衝材、または吸着材などの用途に対していくつかの利点を提供する。捕集された繊維が自己接着可能(バインダ材料の添加またはエンボス加工圧力の補助なしで接着可能)なウェブは、特に有用である。
プロセス制御の更なる例として、本発明のプロセスを制御して、処理チャンバに入るフィラメントの温度および堅さ(すなわち、溶融性)を制御することができる(例えば、処理チャンバを押出ヘッドに近づくまたは離れるように移動させることによって、あるいは急冷流体の容積または温度を増大または減少させることによって)。いくつかの場合には、繊維形成材料の押出フィラメントの少なくとも大半が、処理チャンバに入る前に凝固する。このような凝固は、処理チャンバ内でフィラメントに衝突する空気の作用の性質およびフィラメント内での効果を変化させ、捕集されたウェブの性質を変化させる。本発明のその他のプロセスでは、プロセスは、フィラメントの少なくとも大半が処理チャンバに入った後で凝固し、そしてチャンバ内で凝固するか、あるいはチャンバを出た後に凝固するように制御される。プロセスは、フィラメントまたは繊維の少なくとも大半が捕集された後に凝固し、したがって、繊維が、捕集されるときに繊維の交差点で接着され得るのに十分に溶融しているように制御されることもある。
プロセスを変化させることによって、広範な種類のウェブ特性を得ることができる。例えば、繊維形成材料が、アッテネータに到達する前に、本質的に凝固している場合、ウェブはより嵩高性であり、繊維間接着をあまりまたは全く示さないであろう。対照的に、繊維形成材料がアッテネータに入る時点でまだ溶融されている場合、繊維は捕集される際にまだ軟化状態にあることができ、繊維間接着が達成される。
図1〜図7に説明されるような処理装置の使用は、フィラメントが非常に高速で処理され得るという利点を有することができる。本発明の処理チャンバの通常の役割と同じ役割で、すなわち押出されたフィラメント材料の主要な減衰を提供するために、処理チャンバを使用する直接ウェブ形成プロセスにおいてこれまで得られることが知られていない速度を達成することができる。例えば、このような処理チャンバを使用するプロセスにおいて1分あたり8000メートルの見かけのフィラメント速度でポリプロピレンを処理したことは知られていないが、このような見かけのフィラメント速度は、本発明では可能である(速度は、例えば、ポリマーの流速、ポリマーの密度、および平均繊維直径から計算されるので、見かけのフィラメント速度という用語が使用される)。更に高速、例えば1分あたり10,000メートル、あるいは更に、1分あたり14,000または18,000メートルの見かけのフィラメント速度が達成されており、これらの速度は広範囲のポリマーで達成することができる。更に、押出ヘッドのオリフィスごとに大量のポリマーを処理することができ、これらの大量を処理すると同時に、押出されたフィラメントを高速で移動させることができる。この組み合わせは、高生産性指数(ポリマーの処理速度(例えば、1分間のオリフィスあたりのグラム数)に、押出フィラメントの見かけの速度(例えば、1分あたりのメートル数)をかけた値)の達成を提供する。本発明のプロセスは、平均で20マイクロメートル以下の直径のフィラメントを製造しながらでも、9000またはそれより高い生産性指数で、容易に実行することができる。
仕上げ剤または他の材料のフィラメントへの噴霧、フィラメントへの静電荷の付与、ウォーターミストの付与など、繊維形成プロセスの付属として従来使用される種々のプロセスを、アッテネータに入るときまたは出るときにフィラメントと関連して使用してもよい。更に、結合剤、接着剤、仕上げ剤、および他のウェブまたはフィルムを含む種々の材料を、捕集ウェブに添加してもよい。
通常、そのようにする理由はないが、フィラメントは、従来のメルトブロー動作で使用されるように一次ガスストリームによって、押出ヘッドから噴出されてもよい。このような一次ガスストリームは、フィラメントの最初の減衰および延伸を引き起こす。
本発明の方法で調製した繊維は、広範囲にわたる直径を有することができる。マイクロファイバサイズ(直径約10マイクロメートル以下)を得ることができ、いくつかの利益が提供されるが、より大きい直径の繊維も調製することができ、特定の用途に有用である。多くの場合、繊維は直径が20マイクロメートル以下である。ほとんどの場合、円形断面を有する繊維が調製されるが、その他の断面形状が使用されてもよい。例えばアッテネータに入る前の溶融状態からの凝固の程度のような、選択される動作パラメータによっては、捕集された繊維はかなり連続的でもよいし、あるいは本質的に不連続でもよい。繊維中のポリマー鎖の配向性は、アッテネータに入るフィラメントの凝固程度、エアナイフによりアッテネータ内に導入される空気ストリームの速度および温度、ならびにアッテネータ通路の軸方向長さ、間隙幅および形状(例えば、形状はベンチュリ効果に影響し得るので)などの動作パラメータの選択により影響され得る。
図1〜図7に描かれるような処理装置で、独特の繊維および繊維特性、ならびに独特の繊維ウェブが達成された。例えば、捕集されたいくつかのウェブでは、繊維は中断されている、すなわち、破断されているか、あるいはそれ自体または他の繊維と絡み合うか、そうでなければ処理チャンバ壁との係合などにより変形されているのが分かる。中断位置の繊維セグメント、すなわち、繊維の破断点の繊維セグメント、および絡み合いまたは変形が生じた繊維セグメントは、全て、本明細書中では中断繊維セグメントと称される。あるいは、絡み合いまたは変形の場合には、繊維の実際の破断または切断は存在しないことが多いにもかかわらず、より一般には、簡潔にするために単に「繊維端部」と呼ばれることも多く、これらの中断繊維セグメントは、影響を受けない繊維の長さの末端または端部を形成する。繊維端部は繊維の形(メルトブローまたは他のこれまでの方法で得られることがあるような球形の形状とは対照的に)を有するが、通常、繊維の中間部分よりも直径が拡大され、通常は、直径が300マイクロメートル未満である。多くの場合、繊維端部、特に破断した端部はカールまたはスパイラル形状を有し、端部は、それ自体または他の繊維と絡み合うようにされる。そして、例えば繊維端部の材料と隣接する繊維の材料との自己癒着によって、繊維端部は他の繊維とサイドバイサイドで接着することができる。
記載したような繊維端部は、図1〜図7に示される繊維形成プロセスの独特な特徴のために生じ、個々の繊維形成において破断および中断があってもプロセスは継続することができる。このような繊維端部は、本発明の全ての捕集ウェブにおいて生じないかもしれない(例えば、繊維形成材料の押出フィラメントが、処理チャンバに入る前に高度に凝固された場合には生じないかもしれない)。個々の繊維は中断を受ける可能性があり、例えば、処理チャンバ内で延伸される間に破断するかもしれないし、あるいは処理チャンバの壁からそれた結果、または処理チャンバ内の乱流の結果、おそらくまだ溶融状態で、それ自体または別の繊維と絡み合うかもしれないが、このような中断にもかかわらず、繊維形成プロセスは継続する。その結果、捕集されたウェブは、顕著な検出可能な数の繊維端部、すなわち繊維に不連続性が存在する中断繊維セグメントを含む。中断は、通常、繊維が延伸力を通常受ける処理チャンバ内、またはその後で発生するので、繊維は、破断、絡み合いまたは変形するときに張力を受けている。破断、または絡み合いは、通常、張力の中断または解放をもたらし、繊維端部が縮んで直径が増すことが可能になる。また、破断した端部は処理チャンバ内の流場の中で自由に移動し、少なくともいくつかの場合には、端部のスパイラル形状への屈曲、および他の繊維との絡み合いをもたらす。
繊維端部および中央部分の分析的研究および比較は、通常、端部と中央部分の間の異なるモルホロジーを明らかにする。繊維端部のポリマー鎖は、通常、配向されているが、繊維の中央部分で配向されるほどではない。この配向性の違いは、結晶化度の割合の違い、および結晶性または他のモルホロジー構造の種類の違いをもたらし得る。そして、これらの違いは異なる特性に反映される。
一般に、本発明により調製された繊維の中央部分および端部を、適切に校正された示差走査熱量計(DSC)を用いて評価すると、繊維中央部分および繊維端部内部で作用するメカニズムの違いのために、繊維中央部分および端部は、少なくとも試験機器の分解能(0.1℃)だけ、1つまたは複数の共通の熱転移に関して互いに異なるであろう。例えば、実験的に観察可能な場合、熱転移は次のように異なり得る。1)中央部分のガラス転移温度Tgは、端部よりもわずかに高い温度であり、繊維中央部分の結晶含量または配向性が増大するにつれて特徴の高さが減少し得る。2)観察される場合、冷結晶化の開始温度Tc、および冷結晶化の間に測定されるピーク面積は、繊維端部に対して繊維中央部分で低くなり得る。そして最後に、3)繊維中央部分の溶融ピーク温度Tmは、端部で観察されるTmよりも高くなるか、あるいは本質的に複雑になり、多数の吸熱最小値(すなわち、例えばその結晶構造の秩序が異なる違う分子部分に対する異なる融点を示す多数の溶融ピーク)を示し、繊維の中央部分の1つの分子部分は、繊維端部の分子部分よりも高温で溶融する。ほとんどの場合、繊維端部と繊維中央部分は、ガラス転移温度、冷結晶化温度、および融点のパラメータのうちの1つまたは複数が、少なくとも0.5または1℃異なる。
拡大した繊維端部を有する繊維を含むウェブは、繊維端部が、ウェブの接着を増大させるように適合されたより容易に軟化される材料を含むことができ、スパイラル形状がウェブの密着性を増大することができるという利点を有する。
図1に示されるような装置を用いて、表1に要約される多数の異なるポリマーから繊維ウェブを調製した。装置の特定部分および動作条件は、以下に記載され、表1にも要約されるように変更した。全ての実施例で使用した押出ダイは、4インチ(約10センチメートル)の有効幅を有した。また表1は、捕集された不織ウェブの幅を含む、調製した繊維の特性の記載も含む。
実施例1〜22および42〜43は、ポリプロピレンから調製した。メルトフローインデックス(MFI)が400のポリプロピレン(エクソン(Exxon)3505G)から実施例1〜13を調製し、MFIが30のポリプロピレン(フィナ(Fina)3868)から実施例14を調製し、MFIが70のポリプロピレン(フィナ3860)から実施例15〜22を調製し、MFIが400のポリプロピレン(フィナ3960)から実施例42〜43を調製した。ポリプロピレンは密度0.91g/ccを有する。
実施例23〜32および44〜46は、ポリエチレンテレフタレートから調製した。固有粘度(IV)が0.61のPET(3M651000)から実施例23〜26、29〜32および44を調製し、IVが0.36のPETから実施例27を調製し、IVが0.9のPET(デュポン・ポリマーズ(Dupont Polymers)により供給されるクリスター(Crystar)0400として供給される高靭性紡糸繊維として有用な高分子量PET)から実施例28を調製し、PETG(ルイジアナ州バトンルージュのパクソン・ポリマー・カンパニー(Paxon Polymer Company,Baton Rouge,LA)により製造されるAA45−004)から実施例45および46を調製した。PETは密度1.35を有し、PETGは密度約1.30を有する。
実施例33および41は、MFI130および密度1.15を有するナイロン6ポリマー(BASFからのウルトラミッド(Ultramid)PA6B−3)から調製した。実施例34は、MFI15.5および密度1.04を有するポリスチレン(ノバ・ケミカルズ(Nova Chemicals)により供給されるクリスタル(Crystal)PS3510)から調製した。実施例35は、MFI37および密度1.2を有するポリウレタン(モートン(Morton)PS−440−200)から調製した。実施例36は、MFI30および密度0.95を有するポリエチレン(ダウ(Dow)6806)から調製した。実施例37は、13%スチレンおよび87%エチレンブチレンコポリマーを含み、MFI8および密度0.9を有するブロックコポリマー(シェル・クラトン(Shell Kraton)G1657)から調製した。
実施例38は、実施例34で使用したポリスチレンの芯(89重量パーセント)と、実施例37で使用したコポリマーの鞘(11重量パーセント)とを有する二成分の芯−鞘型繊維であった。実施例39は、ポリエチレン(エクソン・ケミカルズ(Exxon Chemicals)により供給され、MFI30を有するイグザクト(Exxact)4023)(36重量パーセント)、および感圧型接着剤(64重量パーセント)から調製された二成分のサイドバイサイド型繊維であった。接着剤は、92重量パーセントのイソオクチルアクリレート、4重量パーセントのスチレン、および4重量パーセントのアクリル酸のターポリマーを含み、固有粘度が0.63であり、ボンノット(Bonnot)接着剤押出機により供給された。
実施例40では、各繊維は単一成分であったが、実施例36で使用したポリエチレンおよび実施例1〜13で使用したポリプロピレンの2つの異なるポリマー組成物の繊維を使用した。押出ヘッドは4列のオリフィスを有し、各列には42個のオリフィスがあり、A−B−A・・・パターンを達成するために一列の隣接するオリフィスに2つのポリマーのうち異なる1つを供給するように、押出ヘッドへの供給物を配置した。
実施例47では、実施例39で二成分繊維の1つの成分として使用した感圧型接着剤だけから繊維ウェブを調製し、ボンノット接着剤押出機を使用した。
実施例42および43では、アッテネータの移動可能な側部または壁にバイアスをかけるために使用されるエアシリンダを、コイルバネで置換した。実施例42では、実施例の動作中、それぞれの側部で、バネを9.4ミリメートル偏向させた。バネのバネ定数は、4.38ニュートン/ミリメートルであり、したがって各バネにより付加されるクランピング力は41.1ニュートンであった。実施例43では、各側部においてバネを2.95ミリメートル偏向させ、バネ定数は4.9ニュートン/ミリメートルであり、クランピング力は14.4ニュートンであった。
実施例44では、押出ヘッドは、中心間の間隔が1.02ミリメートルの直径0.38ミリメートルのオリフィスを有するメルトブローイングダイであった。オリフィス列は101.6ミリメートルの長さであった。370℃の温度の主要なメルトブロー用空気は、オリフィス列のそれぞれの側で、203ミリメートル幅のエアナイフを介して、2つのエアナイフを合わせて0.45立方メートル/分(CMM)の速度で導入した。
実施例47では、約200サイクル/秒で振動する空気圧回転ボールバイブレータを、移動可能なアッテネータ側部または壁のそれぞれに接続させた。エアシリンダは定位置に保持され、押出ヘッドの下のアッテネータチャンバと位置合わせされ、圧力の増加により側部が離された場合に、アッテネータ側部をその元の位置に戻すために役立った。実施例の動作中、バイブレータが動作中でない場合よりも動作中の場合のほうが、より少ない量の感圧型接着剤がアッテネータ壁に付着した。実施例7および37では、クランピング力はゼロであるが、処理チャンバ内の空気圧と周囲圧力との平衡によって、チャンバ壁間の間隙が構築され、摂動の後、移動可能な側壁はその元の位置に戻された。
各実施例において、繊維状に形成されたポリマーを表1に記載される温度(押出機12内のポンプ13への出口付近で測定した温度)に加熱し、その温度でポリマーは溶融し、溶融したポリマーを表に記載した速度で押出オリフィスへ供給した。押出ヘッドは、一般に、4列のオリフィスを有するが、一列のオリフィスの数、オリフィスの直径、およびオリフィスの長さ対直径比は、表に記載されるように変更した。実施例1〜2、5〜7、14〜24、27、29〜32、34、および36〜40において、それぞれの列は42個のオリフィスを有し、全部で168個のオリフィスが形成された。実施例44を除いたその他の実施例では、各列は21個のオリフィスを有し、全部で84個のオリフィスが形成された。
エアナイフ間隙(図3の寸法30)、アッテネータ本体角度(図3のα)、アッテネータを通過する空気の温度、急冷空気速度、エアシリンダによりアッテネータに付加されるクランピング圧および力、アッテネータを通過する空気の全容積(実際の立方メートル/分、すなわちACMMで与えられ、記載した容積の約半分が各エアナイフ32を通過した)、アッテネータ上部および底部の間隙(それぞれ、図3の寸法33および34)、アッテネータシュートの長さ(図3の寸法35)、ダイの出口エッジからアッテネータまでの距離(図1の寸法17)、ならびにアッテネータ出口からコレクタまでの距離(図1の寸法21)を含むアッテネータのパラメータも表に記載されるように変更した。エアナイフは、約120ミリメートルの横断方向長さ(図4のスロットの長さ25の方向)を有し、エアナイフのための凹所が形成されるアッテネータ本体28は、約152ミリメートルの横断方向長さを有した。アッテネータ本体へ取付けられた壁36の横断方向長さを変更し、壁の横断方向長さは、実施例1〜5、8〜25、27〜28、33〜35および37〜47では254ミリメートルであり、実施例6、26、29〜32および36では約406ミリメートルであり、実施例7では約127ミリメートルであった。
サンアントニオのテキサス大学健康科学センター(University of Texas Health Science Center(San Antonio))からのウィンドウズ、バージョン1.28用の画像分析プログラムUTHSCSA IMAGE Tool(著作権1995〜97)を用いて、走査型電子顕微鏡から得られるデジタル画像から測定される平均繊維直径を含む、捕集された繊維の特性が報告される。繊維のサイズによって、500〜1000倍の倍率の画像を使用した。
捕集された繊維の見かけのフィラメント速度を、式、Vapparent=4M/ρπdf 2
(式中、
Mは、グラム/立方メートル単位の、オリフィスあたりのポリマー流速であり、
ρはポリマー密度であり、
fは、メートル単位の、測定された平均繊維直径である)
から計算した。
単一の繊維を拡大して分離させ、繊維をペーパーフレームに取り付けることによって、繊維の靭性および破断伸びを測定した。ASTM D3822−90に概説される方法により、繊維の破断強度試験を試験した。8本の異なる繊維を用いて、平均破断強度および平均破断伸びを決定した。平均破断強度と、繊維直径およびポリマー密度から計算される繊維の平均デニールとから、靭性を計算した。
繊維端部、すなわち破断または絡まりのいずれかの形をとる中断が生じた繊維セグメントを含む部分と、繊維中央部分、すなわち影響されない主な繊維部分を含む部分とを含有するサンプルを調製ウェブから切り取った。示差走査熱量測定、具体的には、デラウェア州ニューカッスルのTAインストルメンツ社(TA Instruments Inc,New Castle,DE)により供給されるモデル2920装置を使用するModulated DSCTMによる分析を、4℃/分の加熱速度、プラスマイナス0.636℃の摂動振幅、および60秒の時間を用いて、サンプルに受けさせた。繊維端部および中央部分の両方の融点を決定した。繊維中央部分および端部のDSCプロットにおける最大の融点ピークが表1に報告される。
いくつかの場合には、中央部分と端部の間の差は、融点に関しては検出されなかったが、これらの実施例の場合でも、ガラス転移温度の差などのその他の差が見られることが多い。
繊維中央部分および端部のサンプルにX線回折分析も行った。ブルカー・マイクロディフラクトメータ(ウィスコンシン州マディソンのブルカーAXS社(Bruker AXS,Inc.Madison,WI)により供給)、銅Kα放射線、およびHI−STAR 2D位置感知型検出器の散乱線レジストリを使用することによって、データを収集した。ディフラクトメータに、300マイクロメートルのコリメータおよびグラファイト入射ビームのモノクロメータを取り付けた。X線発生器は、50kVおよび100mAの設定で動作され、銅ターゲットを用いる回転アノード表面で構成した。0度を中心とした(2θ)検出器で60分間のトランスミッションジオメトリを用いてデータを収集した。ブルカーGADDSデータ分析ソフトウェアを用いて、検出器の感度および空間の不規則性についてサンプルを補正した。補正したデータを方位で平均し、x−y対の散乱角(2θ)および強度値に換算し、結晶化度の評価のために、データ分析ソフトウェアORIGINTM(マサチューセッツ州ノースハンプトンのマイクロカル・ソフトウェア社(Microcal Software,Inc.Northhampton,MA)により供給)を用いてプロファイルフィッティングを受けさせた。
ガウスピーク形状モデルを用いて、個々の結晶ピークおよび非晶質ピークの寄与を説明した。いくつかのデータセットでは、単一の非晶質ピークは、非晶質の散乱強度全部を適切に説明しなかった。これらの場合では更なる幅広の最大値を用いて、観察された非晶質散乱強度を完全に説明した。6〜36度の散乱角(2θ)範囲内で、全散乱ピーク面積(結晶+非晶質)に対する結晶ピーク面積の比率として、結晶化度の指数を計算した。1の値は100パーセントの結晶を示し、ゼロの値は完全に非晶質材料であることに相当する。得られた値は表1に報告される。
ポリプロピレンから製造したウェブの5つの実施例、実施例1、3、13、20および22に関して、X線分析によって、5.5オングストロームで測定されるベータ結晶形を端部が含むという点で、中央部分と端部の差が明らかにされた。
ダイオリフィスの断面積を、平均繊維直径から計算した最終繊維の断面積で割ることにより、延伸面積比を決定した。生産性指数も計算した。
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不織繊維ウェブを形成するための本発明の方法で有用な装置の略全体図である。 図1の線2−2に沿って見た図1の装置の概略図である。 本発明で有用な処理チャンバの拡大側面図であり、チャンバの取付け手段は図示されない。 図3に示される処理チャンバの部分的に概略的な平面図であり、取付けおよび他の関連装置と共に示される。 本発明を実施するための代替装置の平面図である。 図5の線6−6に沿った断面図である。 本発明を実行する際に有用な代替装置の一部の略側面図である。

Claims (17)

  1. a)既知の幅および厚さを有するダイからフィラメントのストリームを押出すことと、b)互いに平行であり、ダイの前記幅に平行であり、および押出されたフィラメントのストリームの長手方向軸に平行である2つのわずかに隔てられた壁によって画定される処理チャンバを介して、押出されたフィラメントのストリームを方向付けることと、c)前記処理チャンバを通過したフィラメントのストリームをコレクタ上で遮断し、前記フィラメントがそこで不織繊維ウェブとして捕集されることと、d)前記処理チャンバの壁の間隔を選択して、押出されたフィラメントの前記ストリームが広がって、前記ダイの前記幅よりも少なくとも50ミリメートル幅広の機能性ウェブとして捕集されるようにすることとを含む不織繊維ウェブの調製方法。
  2. 前記2つの平行な壁によって画定される前記処理チャンバが、その長手方向側で周囲環境に開放されている請求項1に記載の方法。
  3. フィラメントの移動方向を横断する方向の前記壁の幅が、前記フィラメントの移動の上流地点よりも下流地点の方が大きい請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記処理チャンバが、その長手方向側の長さの少なくとも一部にわたって周囲環境に対して閉鎖されている請求項3に記載の方法。
  5. 前記平行な壁が、前記フィラメントの移動方向に互いに近接する請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 捕集された前記機能性ウェブが、前記ダイの前記幅よりも少なくとも100ミリメートル幅広である請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記捕集された機能性ウェブが、前記ダイの前記幅よりも少なくとも200ミリメートル幅広である請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記フィラメントが、前記コレクタに到達する前に前記ダイの前記幅よりも少なくとも50%大きい幅に広がる請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記フィラメントが、前記コレクタに到達する前にダイの前記幅の少なくとも2倍の幅に広がる請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記フィラメントのストリームが、少なくとも5mmの厚さおよび少なくとも10cc/グラムの嵩高性を有する嵩高性不織ウェブを形成する請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記フィラメントが前記コレクタ上で捕集されるときに自己接着可能であるように、前記処理チャンバに入る押出フィラメントの堅さが制御される請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記処理チャンバを画定する壁の少なくとも一方が、他方の壁に向かって、および他方の壁から離れるように瞬時に移動可能であり、前記フィラメントの通過中に瞬間的な移動を提供するための移動手段に支配される請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記処理チャンバが、前記処理チャンバを通る移動方向の引張り力を前記フィラメントに付加するエアナイフを含む請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. a)既知の幅を有するダイからフィラメントのストリームを押出すことと、b)互いに平行であり、前記ダイの前記幅に平行であり、および押出されたフィラメントの前記ストリームの長手方向軸に平行である2つのわずかに隔てられた壁によって画定される処理チャンバを介して、押出されたフィラメントのストリームを方向付けることと、c)前記フィラメントの前記ストリームをコレクタ上で遮断し、前記処理されたフィラメントがそこで不織繊維ウェブとして捕集されることと、d)前記処理チャンバの壁の間の間隔を選択し、エアナイフから下流の前記処理チャンバの主な長さにわたって、前記フィラメントの移動方向に互いに遠離するようにこれらの壁を配置し、それによって、前記押出フィラメントのストリームが、前記ストリームがコレクタに到達する前に前記ダイの前記幅よりも狭い選択された幅を有するようになることとを含む不織繊維ウェブの調製方法。
  15. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法によって調製された繊維の捕集塊を含む繊維不織ウェブ。
  16. 前記繊維の捕集塊が少なくとも5mmの厚さを有し、少なくとも10cc/gの嵩高性を有する請求項15に記載のウェブ。
  17. 前記捕集塊の繊維が、互いに自己接着される請求項15または16に記載のウェブ。
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