JP3964788B2 - 繊維形成プロセス - Google Patents

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Description

【0001】
多くの繊維形成プロセスにおいて、ダイから押出されたフィラメント材料は加工チャンバーを通して配向される。加工チャンバーでは、例えば、フィラメント材料が引き出され、配向され、そして/または直径が減少される。かかる加工または細化チャンバーはスパンボンドプロセスで一般的に使用される(米国特許第3,502,763号、同第3,692,618号、同第4,064,605号、同第4,217,387号、同第4,812,112号、同第4,820,459号、同第5,270,107号、同第5,292,239号、同第5,571,537号、同第5,648,041号および同第5,688,468号を参照のこと)。しかし、融解吹込みプロセス(米国特許第4,622,259号および同第4,988,560号を参照のこと)、フィラメントおよびフィラメント糸の融解紡糸(米国特許第4,202,855号を参照のこと)、ならびにプレキシフィラメントフィルム源繊維材料のフラッシュ紡糸のような他の方法でも使用することができる。
【0002】
加工チャンバーの使用は、繊維形成プロセス全体に規制を設ける。すなわち、例えば、チャンバーが目詰まりせずに、繊維がチャンバーを通して移動することを確実にするように意図される規制である。かかる規制としては、繊維がチャンバーを通して移動する時の繊維の速度に及ぼす制限、チャンバーを通して繊維のねじ切り加工をさせるチャンバーの形状に及ぼす制限、および繊維破壊に及ぼす規制、ならびに押出繊維がチャンバーに入る時に、それらが融解状態であるか、または液体である程度に及ぼす制限が挙げられる。
【0003】
加工チャンバーを改良するために、および繊維形成プロセスに課される規制を減少させるために、様々な努力が行われてきた。一つの提案として、チャンバーに幅広スロートの入口を使用すること、およびポリマー流が始まった後に場所中に移動し、かつ目詰まりが生じた場合には場所外に移動する移動可能な壁を有するチャンバーを形成することである。米国特許第4,405,297号および同第4,340,563号、ならびに同第4,627,811号を参照のこと。あるいは、米国特許第6,136,245号は、意図された操作距離よりも加工チャンバーが押出ダイからさらに空間が離れている、繊維形成プロセスの遅い開始を提案しており、次いで、このプロセスは徐々に加速されて、加速チャンバーは最終的に操作位置に至るまでダイに近づいて移動する。
【0004】
細化チャンバー(attenuation chamber)の幅を横切る均一の繊維速度を達成するために意図された様々な努力において、チャンバーの壁は軟質材料で製造されており、壁のジオメトリーの局所的変化を達成してチャンバー幅を通して圧力を等しくすることを試みるために圧力センサーのグリッドを使用する。米国特許第5,599,488号を参照のこと。米国特許第4,300,876号は、コアンダ空気流を提供するための湾曲した壁を1つのみ有し、その内部では押出されたフィラメントが同調する送風機構造を記載している。
【0005】
これらのアプローチの全ては、加工チャンバーの使用により繊維形成プロセスに課せられる重大な規制を取り除くために継続される。
【0006】
本発明は、加工チャンバーの使用により課せられる多くの規制を緩和するだけではなく、それ以上に、繊維形成および繊維状ウェブ形成の機会を大いに発展させる新規繊維形成法を提供する。この新規繊維形成法において、繊維形成材料の押出されたフィラメントは、2つの平行な壁により画定された加工チャンバーを通して配向される。壁の少なくとも1つはもう一方の壁に向かって、およびもう一方の壁から離れて瞬間的に移動可能であり、好ましくは両壁がもう一方の壁に向かって、およびもう一方の壁から離れて瞬間的に移動可能である。「瞬間的に移動可能」とは、繊維形成プロセスが本質的に連続するのに十分迅速に移動が起こり、すなわちプロセスを停止および再開始する必要がないことを意味する。例えば、不織ウェブが収集される場合、収集器を停止することなくウェブの収集を続けることができ、実質的に均一のウェブが収集される。
【0007】
様々な移動手段によって壁を移動することができる。一実施形態において、少なくとも1つの移動可能な壁はもう一つに向かって弾力的に偏っており、チャンバー内の流体圧力とバイアス力との間で動的平衡を確立するバイアス力が選択される。従って、壁はチャンバー内の圧力増加に応じてもう一方の壁から離れることができるがチャンバー内の初期圧力の回復時にバイアス力によって迅速に平衡位置に戻る。押出されたフィラメント材料が壁上に貼り付くか、または蓄積し、チャンバー内の圧力増加が生じる場合、少なくとも1つの壁はもう1つの壁から迅速に移動して蓄積した押出物を放出し、この時、圧力は初期圧力に迅速に戻り、移動可能な壁は初期位置に戻る。壁の移動の間にプロセス操作パラメーターの幾つかの簡単な変化が生じるが、プロセスの停止は生じず、代わりに繊維が形成および収集され続ける。
【0008】
本発明の異なる実施形態において、移動手段は、チャンバー空間を画定する初期位置ともう1つの壁から遠い第二の位置との間で壁を迅速に振動させる振動器である。振動は迅速に生じ、本質的に繊維形成プロセスの中断を引き起こさず、加工チャンバー中に蓄積してチャンバーを目詰まりさせ得るいずれの押出物も、壁が離れて広がることによって規則正しく放出される。
【0009】
一般的に、本発明の新規繊維形成法は、a)繊維形成材料のフィラメントを押出する工程と、b)2つの平行な壁によって画定されており、壁の少なくとも一つがもう一方の壁に向かって、およびもう一方の壁から離れて瞬間的に移動可能であり、かつ壁の少なくとも一つがフィラメントを通過する間に瞬間的移動を提供するための移動手段を受ける加工チャンバーを通して、フィラメントを配向する工程と、c)加工フィラメントを収集する工程と、を含む。
【0010】
記載されるような瞬間的に移動可能な壁を有する加工チャンバーは、繊維形成プロセスにおける大きな変化を可能にする。加工チャンバーの目詰まりの危険性のため従来は有用ではなかった手順およびパラメーターは、今や可能となる。繊維速度、ポリマー流速度、および加工チャンバーに入る時に、ポリマーが融解状態であるか、または液体である程度を変化させて、改善された実質的に新規のプロセスを創造することができる。本発明は、直接ウェブ形成のプロセス、すなわち、次いで異なるプロセスにおいてウェブ中に集合する繊維の別の形成がなく繊維形成材料が直接的に不織ウェブ形態へと転換されるプロセスを向上させるために特に有用である。
【0011】
また、本発明は新規装置の使用を提供および製作し、これは簡単に要約すると、a)ダイオリフィスを通して繊維形成材料のフィラメントを押出する押出ヘッドと、b)チャンバー通過のために押出フィラメントを受け取るように整列され、2つの平行な壁によって画定されており、壁の少なくとも一つがもう一方の壁に向かって、およびもう一方の壁から離れて瞬間的に移動可能であるチャンバーと、c)少なくとも1つの壁の瞬間的移動を提供し、例えば少なくとも1つの移動可能な壁をもう一方の壁に向かって弾力的に偏らせるか、または壁をもう一方の壁に向かって、およびもう一方の壁から離れて振動させる移動手段と、を含む。もう一方の壁に向かい、かつもう一方の壁から離れる移動は前記迅速または瞬間的移動を可能にするように十分に容易であり、例えば、壁はチャンバー内の圧力増加に応じてもう一方の壁から離れるがチャンバー内の初期圧力の回復時にバイアス手段によって迅速に初期位置に戻るか、または振動手段が、接近した間隔と遠い間隔との間の壁を迅速に振動させる。
【0012】
本発明は新規製品も提供する。本明細書により詳細に記載されているように、本発明の繊維形成プロセスからの収集された繊維塊は、例えば、繊維破壊または絡み合いによって、それらの長さに沿って中断された繊維を含んでもよい。中断が生じる繊維セグメントは、重要な特性、例えば融点、冷結晶化温度、ガラス転移温度、結晶化度指数(結晶である繊維の比率を示す)、または結晶のタイプの差異として明示されるモルフォロジー特性に関して繊維の主部とは異なってよい。示差走査熱量測定またはX線散乱によって、これらの差異を検出することができる。記載された収集された繊維塊は、本発明の有益な新規繊維形成プロセスの結果であり、さらに新規ウェブはそれ自体有益な特性を提供する。本発明のかかる有用な製品の1つはウェブ形態の凝集性の繊維塊を含み、繊維塊は、繊維様であり、かつその直径が300マイクロメートル未満であるが繊維の主部より直径が長いセグメントによりそれらの長さに沿って無作為に中断された繊維を含む。
【0013】
図1は本発明を実施する例示の装置を示す。繊維形成材料をホッパー11中に導入し、材料を押出器12で融解させ、ポンプ13を通して押出ヘッド10中へ融解材料をポンプ輸送することにより、この例示の装置の押出ヘッド10に繊維形成材料を導く。ペレットまたは他の粒子形態の固体ポリマー材料は最も一般的に使用されて液体に融解されるが、ポリマー溶液のようなポンプ輸送可能な状態の他の繊維形成液体を使用することもできる。
【0014】
押出ヘッド10は従来の紡糸口金またはスピンパックであってよく、一般的に規則的な様式、例えば直線列で配列された多数のオリフィスを含む。繊維形成液体のフィラメント15を押出ヘッドから押出し、加工チャンバーまたは細化器(attenuator)16へと運搬する。それらが暴露される条件が可能な限り、細化器16に達する前に押出フィラメント15が移動する距離17を変化させることができる。典型的に、従来の方法および装置で押出フィラメントに空気または他の気体の急冷流18を提供し、押出フィラメント15の温度を低下させる。あるいは、空気または他の気体の流れを加熱して、繊維の引き出しを促進してもよい。空気(または他の流体)の1以上の流れがあってよく、例えば、第1の空気流18aはフィラメント流の横断方向に吹き込まれ、押出の間に放出された望ましくない気体状材料または煙霧を除去し、かつ第2の急冷空気流18bは主要な所望の温度低下を達成する。使用されるプロセスまたは所望の最終製品の形状次第で、急冷空気は、押出フィラメント15が細化器16に達する前に押出フィラメントを凝固するのに十分であってよい。他の場合、押出フィラメントは細化器に入る前に依然として軟質であるか、または融解状態である。あるいは、急冷空気が使用されない場合、押出ヘッド10と細化器16との間の周囲空気または他の流体は、押出フィラメントが細化器に入る前に、押出フィラメントのいずれもの変化に対する媒体であってよい。
【0015】
以下に詳細に記載されるようにフィラメント15は細化器16を通り、次いで排出される。最も頻繁には、図1に示されるように、それらは収集器19上に排出され、ここでそれらは、粘着性であってもなくてもよく、取り扱い可能なウェブ形態を取る繊維塊20として収集される。スパンボンドまたは融解吹込みプロセスで行われるような、繊維形成ポリマー材料が1つの本質的に直接的な操作でウェブへと変換される直接ウェブ形成プロセスとして、本発明は特に有用である。あるいは、細化器から排出された繊維はモノフィラメント、トウまたはヤーンの形態を取ってもよく、貯蔵スプール上に巻かれるか、またはさらに加工されてよい。
【0016】
収集器19は一般的に多孔性であり、気体引出しデバイス14を収集器の下に配置して収集器上への繊維堆積を補助することができる。細化器出口と収集器との間の距離21を変更して様々な効果を得ることができる。収集された集団20を、カレンダー、エンボスステーション、ラミネーター、カッター等のような他の装置に運搬してよく、またはドライブロール22に通して貯蔵ロール23中に巻いてもよい。本発明の加工チャンバーを通した後であるが、収集の前に、図1には示されないが、押出フィラメントまたは繊維に多数の追加的加工工程、例えば、さらなる引出し、噴霧等を受けさせてもよい。
【0017】
図2は、代表的な加工デバイス、すなわち細化器16の拡大側面図であり、これは、それらの間で加工チャンバー24を画定するために分離された2つの移動可能なハーフまたは側面16aおよび16bを含み、側面16aおよび16bの接面はチャンバーの壁を形成する。図3は、異なる倍率で代表的細化器16、ならびにその取付けおよび支持構造の幾つかを示す幾らか図式的な上面図である。図3の上面図から見られるように、加工および細化チャンバー24は一般的に伸長スロットであり、横断長さ25(細化器を通るフィラメントの移動路を横断する)を有し、これは加工されるフィラメントの数次第で変更することができる。
【0018】
2つのハーフまたは側面として存在するが、細化器は1単位デバイスとして機能し、最初に組み合わせられた形態で論じられる(図2および3に示される構造は単なる代表例であって、様々な異なる構造が使用されてよい)。代表的な細化器16は傾斜入口壁27を含み、これは細化チャンバー24の入口空間またはスロート24aを画定する。好ましくは、入口壁27は入口端または表面27aで湾曲し、押出フィラメント15を運搬する空気流の流入を円滑にする。壁27は本体部分28に取付けられ、陥凹領域29を伴って提供されて本体部分28と壁27との間にギャップ30を確立する。導管31を通してギャップ30中に空気を導入し、エアナイフ(矢印32で表される)を生じ、これは細化器中を移動するフィラメントの速度を増加し、またフィラメント上にさらなる急冷効果をもたらす。細化器本体28は好ましくは、28aで湾曲し、エアナイフ32から通路24への空気の通過を円滑にする。細化器本体の表面28bの角度(α)を選択して、エアナイフが、細化器を通過するフィラメント流を押し込む所望の角度を決定する。チャンバーの入口近くにある代わりに、エアナイフはさらにチャンバー内に配置されてよい。
【0019】
細化チャンバー24は、細化器を通る長手方向長さ上に均一なギャップ幅(図2のページ上で2つの細化器側面の間の水平距離33を本明細書ではギャップ幅と称する)を有してよい(細化チャンバーを通る長軸26に沿う寸法を軸幅と称する)。あるいは、図2に示されるように、ギャップ幅は細化チャンバーの長さに沿って変化してもよい。好ましくは、例えば図2に示されるように、細化チャンバーは細化器内で内部的に狭く、エアナイフの位置でギャップ幅33は最も狭い幅であり、かつ細化チャンバーは、出口34に向かう長さに沿う幅で、例えば角度βで拡大する。細化チャンバー24内のかかる内部的な狭小化は、広幅化に続いて、チャンバー中に導入される空気容積を増加させるベンチュリ効果を生じ、チャンバー中を移動するフィラメントの速度を加える。異なる実施形態において、細化チャンバーは直線状または平坦な壁により画定され、かかる実施形態において、壁の間の空間はそれらの長さ上で一定であってよく、あるいは壁は、細化チャンバーの軸長さ上で(好ましくは)わずかに反れているか、または集中していてよい。これら全ての場合において、正確な平行からの逸脱は相対的にわずかであるため、細化チャンバーを画定する壁は本明細書において平行であると見なされる。図2に示されるように、通路24の長手方向長さの主部を画定する壁は、本体部分28から離れて、および本体部分に取付けられるプレート36の形態を取ってよい。
【0020】
細化チャンバー24の長さを変更して、様々な効果を達成することができ、特にエアナイフ32と出口34との間の部分での変更が有用であり、これはしばしば本明細書でシュート長さ35と称される。チャンバー壁と軸26との間の角度は出口34の近くで広くなり、収集器上への繊維の分布を変化させるか、または検出器面、コアンダ曲面および不均等な壁の長さのような構造を出口で使用して繊維の所望の拡散または他の分布を達成してよい。一般的に、ギャップ幅、シュート長さ、細化チャンバー形状等は、加工される材料および所望の効果を達成するために望まれる処理モードに関連して選択される。例えば、より長いシュート長さは、調製された繊維の結晶化度を高めるために有用である。条件を選択し、押出フィラメントを所望の繊維形状へと加工するために広範囲に変更することができる。
【0021】
図3に示されるように、代表的な細化器16の2つの側面16aおよび16bは、ロッド39上でスライドする直線状ベアリング38に取付けられた取付けブロック37を通してそれぞれ支持される。ベアリング38は、ロッドの周りを放射状に配置されたボールベアリングの軸上延長列のような手段を通して、ロッド上に低摩擦移動を有し、それにより側面16aおよび16bはもう一方に向かって、およびもう一方から離れて容易に移動できる。取付けブロック37は細化器本体28およびハウジング40に取付けられており、それを通して供給パイプ41からの空気が導管31およびエアナイフ32に分配される。
【0022】
この例示の実施形態において、エアシリンダー43aおよび43bは、それぞれ、連結ロッド44を通して細化器側面16aおよび16bに連結され、もう一方に向かって細化器側面16aおよび16bをプレスする型締力を加える。他の操作パラメーターと関連して型締力を選択し、細化チャンバー24内に存在する圧力のバランスを保つ。換言すれば、型締力、および細化チャンバー内で内部的に作用して細化器内の気体圧力の結果として離れて細化器側面をプレスする力は、好ましい操作条件下でバランスを保つか平衡である。細化器部分を、それらの確立された平衡または定常状態位置に維持し、細化チャンバーまたは通路24を、その確立された平衡または定常状態ギャップ幅に維持しながら、フィラメント材料を押出し、細化器を通過させ、最終繊維として収集することができる。
【0023】
図1〜3に示された代表的装置の操作の間、細化器側面またはチャンバー壁の移動は一般的に、システムの攪乱がある時にのみ生じる。かかる攪乱は、加工されたフィラメントが破壊または別のフィラメントもしくは繊維と絡み合う時に生じる。かかる破壊または絡み合いはしばしば、例えば、押出ヘッドからのフィラメントの前方末端または絡み合いが大きくなってチャンバー24の局部的妨害が生じるため、細化チャンバー24内の圧力の増加を伴う。増加圧力は細化器側面またはチャンバー壁16aおよび16bをもう一方から離れるように移動させるために十分である。チャンバー壁のこの移動時に、流入フィラメントの末端または絡み合いは細化器を通過し、細化チャンバー24内の圧力は攪乱前の定常状態値に戻り、エアシリンダー43によって及ぼされる型締圧力は細化器側面をそれらの定常状態位置へと戻す。細化チャンバー内で圧力増加を引き起こす他の攪乱としては「ドリップ」、すなわち、押出フィラメントの中断時に、または係合して細化チャンバーの壁もしくは事前に沈着した繊維形成材料に粘着する押出フィラメント材料の蓄積時に押出ヘッド出口から落下する繊維形成材料の小球体液片が含まれる。
【0024】
実際に、細化器側面16aおよび16b、すなわち「フロート」の一方または両方はいずれの構造によっても適切に保持されないが、その代わり、図1の矢印50の方向における自由かつ容易な側面移動のために取付けられる。好ましい配列において、摩擦および重力以外の細化器側面において作用する力のみが、エアシリンダーにより加えられたバイアス力であり、細化チャンバー24内で発達した内部圧力である。スプリング、弾力性材料の変形またはカムのようなエアシリンダー以外の他の型締手段を使用してもよいが、エアシリンダーは所望の制御および多様性を提供する。本発明の別の有用な装置において、細化器側面の一方または両方は、例えば自動制御装置、振動または超音波駆動装置により振動パターンで運転される。振動の速度は、例えば、少なくとも5,000サイクル/分から60,000サイクル/秒の速度を含む広い範囲で変更可能である。さらに別の変形においては、移動手段は、ベンチュリ気流により加工チャンバー内に発達した(例えば、周囲空気圧に相対して)マイナスの空気圧の形態を採る。
【0025】
図1〜3に示された実施形態において、細化チャンバー24のギャップ幅33はチャンバー内に存在する圧力、またはチャンバーを通る流体流速度および流体温度と相互関係にある。型締力は細化チャンバー内の圧力と適合し、細化チャンバー内のギャップ幅次第で変化し、与えられた流体流速度に関して、ギャップ幅が狭いほど、細化チャンバー内圧力が高いほど、型締力は高い。型締力が低いほど、より広いギャップ幅を可能にする。機械的停止、例えば、細化器側面16aおよび16bの一方または両方における隣接構造を使用して、最小または最大ギャップ幅が維持されることを保証してもよい。
【0026】
一つの有用な配列において、シリンダー43bで使用されるものよりも大きい直径位置のシリンダー43aでの使用により、エアシリンダー43aはシリンダー43bよりも大きな型締力を加える。この力の差は、操作の間に攪乱が生じる場合、最も容易に移動する傾向がある側面として細化器側面16bを確立する。力の差は、ロッド39上のベアリング38の移動に抵抗する摩擦力にほぼ等しく、かつそれを補う。より大きいエアシリンダー43aに制限手段を取付けて、細化器側面16bに向かう細化器側面16aの移動を制限することができる。一つの例示となる制限手段は、図3に示されるように、エアシリンダー43aとして二重ロッドエアシリンダーを使用し、ここでは第2のロッド46は取付けプレート47にねじ込まれ、その中に延長され、エアシリンダーの位置を調節するように調節されてよいナット48を保有する。例えば、ナット48を回転させることによる制限手段の調節は、細化チャンバー24を押出ヘッド10で配列に配置する。
【0027】
繊維形成操作の攪乱の間の細化器側面16aおよび16bの記載された瞬間的分離および再閉路のため、繊維形成操作の操作パラメーターは拡大する。例えば再び糸を通すために停止を要求するフィラメント破壊を導くため、従来はプロセスを実施不可能にさせていた幾つかの条件は、本発明の方法および装置では容認可能となり、フィラメント破壊時に流入フィラメント末端を再び通すことは一般的に自動的に生じる。例えば、頻繁なフィラメント破壊を導く、より高い速度を使用してもよい。同様に、エアナイフの焦点がより合うようにさせ、かつ細化器を通過するフィラメントにより高い力およびより大きい速度を付与する、より狭いギャップ幅が使用されてよい。または、フィラメントはより融解条件で細化チャンバー中に導入されてよく、それにより、細化チャンバーの目詰まりの危険が減少するため、繊維特性により大きな制御を与える。それらが細化チャンバーに入る時に、中でもフィラメントの温度を制御させるために、押出ヘッドにより近づくように、または押出ヘッドから離れるように細化器を移動させてよい。
【0028】
細化器16のチャンバー壁は一般的に一体式構造として示されるが、それらはそれぞれが記載されたフロート移動に取付けられた個々の部分の集合の形態を取ることもできる。1つの壁を含む個々の部分は、シール手段を通してもう一方と係合し、加工チャンバー24内の内部圧力を維持する。異なる配列において、ゴムまたはプラスチックのような材料の可撓性シートが加工チャンバー24の壁を形成し、それによりチャンバーは局部的圧力増加時に局部的に変形できる(例えば、単一フィラメントまたはフィラメント群の破壊により引き起こされる目詰まりのため)。バイアス手段の一連またはグリッドが可撓性の壁に係合してもよく、十分なバイアス手段が使用されて局部的な変形に応じ、かつその未変形部分に対して壁の変形部分を偏らせる。あるいは、振動手段の一連またはグリッドが可撓性の壁に係合してもよく、壁の局所領域を振動してもよい。
【0029】
図2および3に示される加工チャンバーの好ましい実施形態で見られるように、チャンバーの横断長さの末端には側面の壁がない。その結果、チャンバーを通る繊維は、チャンバーの出口に到達するとチャンバー外部へと表面上拡散することができる。かかる拡散は、収集器に収集される繊維の塊を広げるために望ましい。他の実施形態において、両チャンバー側面への取付けは上記されたような側面の分離を防止するため、チャンバーの1つの横断末端における単一の側面壁は両チャンバー側面16aおよび16bに取付けられないが、加工チャンバーは側面の壁を含む。代わりに、側面壁は1つのチャンバー側面に取付けられてよく、通路内の圧力の変化に応じて移動する場合、その側面で移動してもよい。他の実施形態において、側面壁は分割されており、一部分は1つのチャンバー側面に取付けられ、もう一部分は他のチャンバー側面に取付けられ、加工チャンバー内の加工繊維の流れを制限することを所望する場合、側面壁部分は好ましくは重なっている。
【0030】
広範囲の繊維形成材料を使用して、本発明の方法および装置で繊維を製造してよい。有機ポリマー材料、またはガラスもしくはセラミック材料のような無機材料のいずれも使用してよい。本発明は融解状態の繊維形成材料で特に有用であるが、溶液または懸濁液のような繊維形成液を使用してもよい。いずれの繊維形成有機ポリマー材料を使用してもよく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロンおよびウレタンのような一般的に繊維形成に使用されるポリマーが挙げられる。スパンボンドまたは融解吹付け技術により繊維に形成することが困難な幾つかのポリマーまたは材料を使用することができ、環式オレフィン(従来の直接押出技術での利用に制限する高い融解粘度を有する)、ブロックコポリマー、スチレンをベースとするポリマーおよび接着剤(感圧品種およびホットメルト品種)のような非晶質ポリマーが挙げられる。本明細書に記載された具体的なポリマーは単なる例であり、広範囲の他のポリマーまたは繊維形成材料が有用である。興味深いことに、融解ポリマーを使用する本発明の繊維形成プロセスをしばしば、従来の直接押出技術よりも低い温度で実行することができ、これは数多くの利点を提供する。
【0031】
顔料または染料のようなある種の添加剤がブレンドされた材料を含む、材料のブレンドから繊維を形成することもできる。コア−シースまたは並列バイコンポーネント・ファイバーのようなバイコンポーネント・ファイバーを調製してもよい(本明細書において「バイコンポーネント」とは、2以上の成分を有する繊維を含む)。さらに、繊維の混合物を含むウェブを調製するように、異なる繊維形成材料を、押出ヘッドの異なるオリフィスを通して押出してよい。本発明の他の実施形態において、繊維が収集されてブレンドウェブが調製される前またはそれと同時に、本発明に従って調製された繊維流中に他の材料が導入される。例えば、米国特許第4,118,531号に教示された様式で他の短繊維をブレンドしてもよく、または米国特許第3,971,373号に教示された様式でウェブ内に微粒子材料を導入および捕獲してもよく、あるいは米国特許第4,813,948号に教示される微小ウェブをウェブ中にブレンドしてもよい。あるいは、本発明により調製された繊維を他の繊維流中に導入して繊維のブレンドを調製してもよい。
【0032】
本発明の繊維形成プロセスを制御して、異なる効果および異なるウェブ形態を達成することができる。例えば、本発明のプロセスを制御して、加工チャンバー中に入るフィラメントの固体性を制御することができる(例えば、加工チャンバーを押出ヘッドに近づけて、または押出ヘッドから離れるように移動させることにより、あるいは急冷流体の容量または温度を増加もしくは低下させることにより)。幾つかの場合、加工チャンバーに入る前に繊維形成材料の少なくとも大部分の押出フィラメントを凝固させる。かかる凝固は加工チャンバーにおいてフィラメントを押し込む空気作用の性質やフィラメント内の効果を変え、収集されたウェブの性質を変える。本発明の他のプロセスにおいて、少なくとも大部分のフィラメントが加工チャンバーに入った後に凝固して、チャンバー内で凝固するか、またはチャンバーを出た後に凝固するようにプロセスを制御する。時には、少なくとも大部分のフィラメントまたは繊維が収集された後に凝固し、収集時に繊維が繊維交差点で粘着するのに十分融解されるようにプロセスを制御する。
【0033】
プロセスを変更することにより、広範囲のウェブ特性を得ることができる。例えば、繊維形成材料が細化器に達する前に本質的に凝固する場合、ウェブはより高度になり、内部繊維の結合が全く示されないか、または殆ど示されない。対照してみると、繊維形成材料が細化器に入る時にまだ融解状態である場合、収集される時に繊維はまだ可撓性であり、内部繊維の結合が達成される。
【0034】
本発明は、本発明の加工チャンバーの典型的な役割と同一の役割で加工チャンバーを使用する従来の直接ウェブ形成プロセスでは利用可能であることが知られていなかった非常に速い速度でフィラメントを加工することができるという利点を有し、すなわち、押出フィラメント材料の初期細化を提供する。例えば、ポリプロピレンは、かかる加工チャンバーを使用するプロセスにおいて8000メートル/分の見かけのフィラメント速度で加工されることは知られていないが、かかる見かけのフィラメント速度は本発明では可能である(例えば、ポリマー流速度、ポリマー密度および平均繊維直径から速度を計算するため、用語、見かけのフィラメント速度を使用する)。例えば10,000メートル/分、または14,000もしくは18,000メートル/分のようなさらに速い見かけのフィラメント速度も達成され、これらの速度を広範囲のポリマーで得ることができる。さらに、押出ヘッドのオリフィスあたり多量のポリマーを加工することができ、高速で押出フィラメントを移動させると同時にこれらの多量のポリマーを加工することができる。この組合わせは高い生産性指数、すなわち押出フィラメントの見かけの速度(例えば、メートル/分)を掛けたポリマー処理量速度(例えば、グラム/オリフィス/分)を引き起こす。平均直径20マイクロメートル以下のフィラメントを生産しながら、9000以上の生産性指数で本発明のプロセスを容易に実行することができる。
【0035】
フィラメントが細化器に入るか、または細化器から出る時、フィラメントに関連して繊維形成プロセスを補助するものとして従来使用されていた様々なプロセス、例えば、仕上げ剤または他の材料のフィラメントへの噴霧、フィラメントへの静電荷の適用、水分ミストの適用等を使用してよい。さらに、収集されたウェブに、結合剤、接着剤、仕上げ剤および他のウェブまたはフィルムを含む様々な材料を添加してよい。
【0036】
通常、そのようにする理由はないが、従来の融解吹付け操作で使用される様式で初期気体流により押出ヘッドからフィラメントが吹付けられてよい。かかる初期気体流はフィラメントの初期細化および引出しを生じる。
【0037】
本発明の方法で調製された繊維は、直径が広範囲に及んでよい。微小繊維サイズ(直径約10マイクロメートル以下)を得ることができ、幾つかの利点が提供されるが、より大きい直径の繊維を調製することが可能であり、これはある種の用途に有用であり、しばしば繊維は直径20マイクロメートル以下である。円形横断面の繊維が最も頻繁に調製されるが、他の横断面形状も使用されてよい。選択された操作パラメーター、例えば、細化器に入る前の融解状態からの固体化度次第で、収集された繊維はむしろ連続的であるか、または本質的に不連続であってよい。繊維におけるポリマー鎖の配向は、細化器に入るフィラメントの固体化度、エアナイフにより細化器中に導入される空気流の速度および温度、ならびに細化器通路の軸長さ、ギャップ幅および形状(例えば、形状はベンチュリ効果に影響を及ぼす)のような操作パラメーターの選択に影響され得る。
【0038】
独特な繊維および繊維特性、ならびに独特な繊維ウェブが本発明により達成された。例えば、幾つかの収集されたウェブにおいて、繊維は中断されている、すなわち破壊されているか、またはそれ自体もしくは他の繊維と絡み合っているか、または加工チャンバーの壁を係合することによって変形されていることが見出される。中断位置の繊維セグメント、すなわち、繊維破壊点の繊維セグメントおよび絡み合いまたは変形が生じた繊維セグメントは全て、本明細書において中断繊維セグメントと称されるか、またはより一般的に簡略化する目的のために、しばしば単に「繊維末端」と称される。繊維の事実上の破壊または分割がない絡み合いまたは変形の場合でさえも、これらの中断繊維セグメントは、変化のない長さの繊維終端または末端を形成する。(融解吹付けまたは他の従来法で得られる場合のような小球状形状とは対比して)繊維末端は繊維形態を有するが、通常、繊維の中間部分以上に直径が大きくなり、通常、それらは直径300マイクロメートル未満である。しばしば、繊維末端、特に破壊末端は、カール状または渦巻き状を有し、これは末端がそれ自体もしくは他の繊維と絡み合う原因となる。例えば、繊維末端材料と隣接繊維材料との自原的合体により、繊維末端は他の繊維と並列して結合することもある。
【0039】
図4は、実施例5で調製されたポリプロピレン繊維ウェブの150倍拡大における走査電子顕微鏡写真である。ここで見られるように、ウェブは、繊維形態であるが中間または中央位置53よりも大きい直径を有する繊維末端52を含む。中断繊維セグメントまたは繊維末端は、一般的に少量で生じる。繊維の主部は変化がない(簡略化目的のため、変化のない繊維の主部を本明細書においては「中央」と称する)。中断はまた、孤立して無作為であり、すなわちそれらは規則的な繰り返し、または予め決められた様式では生じない。
【0040】
本発明の繊維形成プロセスの独特な特性のため前記繊維末端が生じ、個々の繊維形成の破壊および中断に関わらず連続する。本発明の収集されたウェブ全てにおいて、かかる繊維末端は生じないが、少なくとも幾つかの有用な操作プロセスパラメーターが生じる(例えば、繊維形成材料の押出フィラメントが加工チャンバーに入る前に高度な固体化を達成した場合、それらは生じない)。個々の繊維は中断を受けてよく、例えば、加工チャンバー内で引き出される間に破壊するか、または加工チャンバーの壁から撓む結果として、もしくは加工チャンバー内の乱れの結果として、おそらく融解状態でそれ自体または別の繊維と絡み合うが、かかる中断にもかかわらず、本発明の繊維形成プロセスは連続的である。この結果として、収集ウェブが著しい、および検出可能な数の繊維末端、または中断繊維セグメントを含み、ここでは繊維の不連続性がある。加工チャンバー内または後で中断が典型的に生じるため、繊維は典型的に引抜力を受け、繊維は破壊、絡み合いまたは変形時に張力下である。破壊または絡み合いは、一般的に繊維末端の縮小させ直径を増加させる中断または張力の開放を生じる。破壊末端はまた、加工チャンバーの流体流内で自由に移動し、少なくとも幾つかの場合においては、渦巻き状に末端を屈曲させ、他の繊維との絡み合いを導く。
【0041】
図4の部分52および53のような繊維末端および中央部分の分析研究および比較は典型的に、末端と中央との間の異なるモルフォロジーを明らかにする。繊維末端のポリマー鎖は通常、配向しているが、繊維の中央部分で配向する程度までではない。配向の差異は、結晶化度の割合の差異および結晶または他のモルフォロジー構造の種類の差異を生じ得る。これらの差異は、異なる特性に反映される。
【0042】
図5および6は、それぞれ実施例27および29で調製されたPETウェブの代表的繊維および繊維末端に関する示差走査熱量測定(DSC)により得られるグラフを表している。実線グラフは繊維の中間または中央部分に関し、そして点線グラフは繊維末端に関する。実線グラフは図5において点55および点56そして図6において点55’および点56’の2つの融解ピークを示す。より高い温度ピーク55および55’は鎖延長または歪誘起結晶部分に関する融点を示し、もう一方のピーク56および56’は非鎖延長またはより不規則な結晶部分に関する融点を示す(用語「ピーク」は本明細書において、単一プロセス、例えば、鎖延長部分のような繊維の特定分子部分の融解に帰属する加熱カーブの部分を意味し、時にはピークはもう一方に十分に近く、1つのピークはもう1つのピークを画定するカーブの肩の見かけを有するが、それらは依然として別のピークとして見なされ、それらは別の分子率の融点を表す)。鎖延長結晶部分の延長は一般的に、繊維が引張強さ、耐久性および寸法安定性のような優れた特性を有することを意味する。
【0043】
実線グラフと点線グラフとの比較から、試験試料において、点線グラフで表される繊維末端が繊維の中央部分より低い融点を有することが見られ、かかる融点の差異は結晶構造および配向における中央と末端との差異のため生じる。また試験試料において、繊維末端は高い冷結晶化ピーク(それぞれ図5および6において点57および57’、加熱時の非晶質または半結晶質材料の結晶化を冷結晶化と称する)も有し、これは繊維末端が中央部分より非晶質または半結晶質の材料および規則性の高くない結晶材料を含有することを意味する。中央部分はピーク58および58’により冷結晶化を示すが、繊維末端より広く異なる温度範囲である。
【0044】
繊維末端と繊維中央との間のガラス転移温度(Tg)の差異もしばしば熱分析の間に顕著である。この差異は、図7および7aにおいてより明瞭に示され、これは別の試料、すなわち実施例16に関する中央(実線)および末端(点線)に関するグラフであり、図7aはTgが生じるグラフ部分の拡大図である。中央に関するTg、点59は9.74℃であり、末端に関するTg、点60は−4.56℃である。
【0045】
一般に、適切に測定された示差走査熱量測定(DSC)を使用して、本発明により調製された繊維中央および末端を評価した場合、試験器具の少なくとも解像度(0.1℃)による1以上の共通の温度遷移に関して、繊維中央および繊維末端内で内部的に操作される機構の差異のため、繊維中央および末端は互いに異なる。例えば、実験的に観測可能である場合、温度遷移は次のように異なり得る。1)中央に対するガラス転移温度Tgは末端に対する温度よりもわずかに高く、繊維中央における結晶含有量または配向画像化するほど、その特徴は高さを減少させ得る。2)観測時に、冷結晶化開始温度Tcおよび冷結晶化の間に測定されたピーク領域は繊維末端に対して繊維中央部に関して低くなる。そして最後に、3)繊維中央に関する融解ピーク温度Tmは末端で観測されたTmよりも高くなるか、または本質的に複雑になり、複数の最小吸熱(すなわち、異なる分子部分に関して異なる融点を表す複数の融解ピークであって、例えばそれらの結晶構造の順に従って異なるもの)を示し、繊維末端の分子部分よりも高い温度で融解する繊維中央部分の分子部分を1つ有する。最もしばしば、繊維末端および繊維中央は、1以上のパラメーターのガラス転移温度、冷結晶化温度、および融点が少なくとも0.5または1℃ほど異なる。
【0046】
伸長された繊維末端を有する繊維を含むウェブは、繊維材料が、ウェブの結合を増加させるために改質された、より容易に軟化される材料を含み得るという利点と、渦巻き状がウェブの干渉性を増加し得るという利点を有する。
【0047】
実施例
図1に示される装置を使用して、表1にまとめられた多数の異なるポリマーから繊維を調製した。装置および操作条件の具体的部分を以下に記載の通り変更し、これも表1にまとめた。表1は、調製された繊維の特性の記載も含む。
【0048】
実施例1〜22および42〜43をポリプロピレンから調製した。実施例1〜13を400のメルトフローインデックス(MFI)を有するポリプロピレン(エクソン3503G(Exxon 3505G))から調製し、実施例14を30のMFIを有するポリプロピレン(フィナ3868(Fina 3868))から調製し、実施例15〜22を70のMFIを有するポリプロピレン(フィナ3860(Fina 3860))から調製し、実施例42〜43を400のMFIを有するポリプロピレン(フィナ3960(Fina 3960))から調製した。ポリプロピレンは0.91g/ccの密度を有する。
【0049】
実施例23〜32および44〜46をポリエチレンテレフタレートから調製した。実施例23〜26、29〜32および44を0.61の固有粘度(IV)を有するPET(スリーエム651000(3M 651000))から調製し、実施例27を0.36のIVを有するPETから調製し、実施例28を0.9のIVを有するPET(デュポン・ポリマーズ(Dupont Polymers)により供給されるクライスター0400(Crystar 0400)として供給される高強靭性紡績繊維として有用な高分子量PET)から調製し、実施例45および46をPETG(ルイジアナ州バトンルージュのパクソン・ポリマー・カンパニー(Paxon Polymer Company,Baton Rouge,LA)により製造されたAA45−004)から調製した。PETは1.35の密度を有し、PETGは約1.30の密度を有する。
【0050】
実施例33および41を、130のMFIおよび1.15の密度を有するナイロン6ポリマー(BASFからの(ウルトラミッドPA6 B−3)Ultramid PA6 B−3)から調製した。実施例34を、15.5のMFIおよび1.04の密度を有するポリスチレン(ノバケミカルズ(Nova Chemicals)により供給されるクリスタルPS 3510(Crystal PS 3510))から調製した。実施例35を、37のMFIおよび1.2の密度を有するポリウレタン(モートンPS−440−200(Morton PS−440−200))から調製した。実施例36を、30のMFIおよび0.95の密度を有するポリエチレン(ダウ6806(Dow 6806))から調製した。実施例37を、8のMFIおよび0.9の密度を有する、13%スチレンおよび87%エチレンブチレンコポリマーを含むブロックコポリマー(シェル・クラトンG1657(Shell Kraton G1657))から調製した。
【0051】
実施例38は、実施例34で使用されるポリスチレンのコア(89重量%)および実施例37で使用されるコポリマーのシース(11重量%)を有するコア−シース・バイコンポーネント・ファイバーであった。実施例39は、36重量%のポリエチレン(30のMFIを有する、エクソン・ケミカルズ(Exxon Chemicals)により供給されるエグザクト4023(Exxact 4023))および64重量%の感圧接着剤から調製された並列バイコンポーネント・ファイバーであった。この接着剤は、92重量%のイソオクチルアクリレート、4重量%のスチレンおよび4重量%のアクリル酸のターポリマーを含み、0.63の固有粘度を有し、ボノ(Bonnot)接着剤押出器から供給された。
【0052】
実施例40において、各繊維は単一成分であるが、2つの異なるポリマー組成の繊維を使用した。実施例36ではポリエチレンを使用し、実施例1〜13ではポリプロピレンを使用した。押出ヘッドは4列のオリフィスを有し、各列に42個のオリフィスがあり、A−B−A・・・のパターンを達成するために一列で隣接するオリフィスに異なる2種のポリマーの1つを供給するために押出ヘッドへの供給が配列された。
【0053】
実施例47において、実施例39のバイコンポーネント・ファイバーの一成分として使用された感圧接着剤から、単独で繊維ウェブを調製した。ボノ(Bonnot)接着剤押出器を使用した。
【0054】
実施例42および43において、細化器の移動可能な側面または壁を偏らせるために使用されたエアシリンダーをコイルばねに置き換えた。実施例42において、ばねは実施例の操作の間に各側面において9.4ミリメートル偏っていた。このばねのばね定数は4.38ニュートン/ミリメートルであり、各ばねによって適用される型締力は41.1ニュートンであった。実施例43において、ばねは各側面で2.95ミリメートル偏っており、ばね定数は4.9ニュートン/ミリメートルであり、型締力は14.4ニュートンであった。
【0055】
実施例44において、押出ヘッドは溶融吹込みダイであり、中心から中心へ1.02ミリメートルの間隔をあける直径0.38ミリメートルのオリフィスを有した。オリフィスの列は101.6ミリメートルの長さであった。2つのエアナイフの組合わせで0.45立方メートル/分(CMM)の速度でオリフィスの列の各側面で幅203ミリメートルのエアナイフを通して370℃の温度で初期の溶融吹込み空気を導入した。
【0056】
実施例47において、約200サイクル/秒で振動する空気圧式ロータリーボール振動器を移動可能な細化器側面または壁のそれぞれに連結させた。エアシリンダーは適切な場所に残り、押出ヘッド下で細化チャンバーを一列に整列させ、細化器側面をそれらの初期位置に戻すために利用可能であり、結果的には圧力増加が側面を別々にさせた。実施例の操作の間、振動器が作動している場合、作動していない場合よりも少ない量の感圧接着剤が細化器壁上に貼り付いた。実施例7および37において、型締力はゼロであるが、ベンチュリ気流により加工チャンバー中に発現した次大気圧は、いずれかの攪乱の後に移動可能な側面壁をそれらの初期位置に戻した。
【0057】
各実施例において、繊維に形成されたポリマーを表1に記載の温度まで加熱した(ポンプ13への出口付近の押出器12で温度を測定した)。この時点でポリマーは溶融状態であり、溶融ポリマーは表に記載された速度で押出オリフィスに供給された。押出ヘッドは一般的に4列のオリフィスを有するが、一列中のオリフィス数、オリフィスの直径、オリフィスの長さ−直径比を表に記載の通り変更した。実施例1〜2、5〜7、14〜24、27、29〜32、34および36〜40においては、各列は42個のオリフィスを有し、全部で168個のオリフィスが形成されていた。実施例44を除く他の実施例において、各列は21個のオリフィスを有し、全部で84個のオリフィスが形成されていた。
【0058】
エアナイフギャップ(図2の寸法30)、細化器本体角度(図2のα)、細化器を通過する空気の温度、急冷空気速度、エアシリンダーにより細化器に適用される型締圧力および型締力、細化器を通過する空気の全容量(実立方メートル/分またはACMMで表され、記載された容量の約半分が各エアナイフ32を通過する)、細化器上部と底部とのギャップ(それぞれ図2の寸法33および34)、細化器シュートの長さ(図2の寸法35)、ダイの出口端部から細化器への距離(図2の寸法17)、および細化器出口から収集器への距離(図2の寸法21)を含む細化器パラメーターも表に記載の通り変更された。エアナイフは120ミリメートルの横断長さ(図3のスロットの長さ25の方向)を有し、エアナイフの凹部が形成された細化器本体28は約152ミリメートルの横断長さを有した。細化器本体に取付けられた壁36の横断長さは変更された。実施例1〜5、8〜28、33〜35および37〜47において、壁の横断長さは254ミリメートルであり、実施例6、26、29〜32および36において、それは約406ミリメートルであり、実施例7において、それは約152ミリメートルであった。
【0059】
走査電子顕微鏡から取得されたデジタル画像から、サンアントニオ(San Antonio)のテキサス大学健康科学センター(University of Texas Health Science Center)からの画像分析プログラムUTHSCSA IMAGE Tool FOR Windows,version1.28(版権1995〜97)を使用して測定された平均繊維直径を含む、収集された繊維の特性を報告する。繊維の大きさ次第で、500から1000倍の倍率で画像を使用した。
【0060】
収集された繊維の見かけのフィラメント速度を次式、V見かけ=4M/ρπdf 2から算出した。式中、
Mはグラム/立方メートルで表される、オリフィスあたりのポリマー流速度であり
ρはポリマー密度であり、
fはメートルで表される、測定された平均繊維直径である。
【0061】
倍率下で単一繊維を分離して紙フレームに繊維を置くことにより、強靭性および破壊までの伸長率を測定した。ASTM(米国材料試験協会規格) D3822−90に概説された方法により破壊強さに関して繊維を試験した。8つの異なる繊維を使用して、平均破壊強さおよび破壊までの平均伸長率を決定した。強靭性を平均破壊強さから算出し、繊維の平均デニールを繊維直径およびポリマー密度から算出した。
【0062】
調製されたウェブから、繊維末端を含む部分、すなわち破壊または絡み合いの形態を取る中断が生じた繊維セグメント、および繊維中央を含む部分、すなわち繊維の主要な未変化部分を含めて試料を切断し、示差走査熱量測定、つまりモジュレーテッドDSC(Modulated DSC)TMによる、デラウェア州ニューキャッスルのティー・エイ・インスツルメント・インク(TA Instruments Inc.,New Castle,DE)により供給されるモデル2920(Model2920)デバイスを使用し、4℃/分の加熱速度、±0.636℃の攪乱倍率および60秒の期間を使用する分析のために試料を提出した。両繊維末端および繊維中央に関する融点を決定し、繊維中央および繊維末端に関するDSCグラフ上の最大融点ピークを表1に報告する。
【0063】
融点に関して、いくつかの場合、中央と末端と間の差異は検出されなかったが、これらの実施例においてもガラス転移温度における差異のような他の差異はしばしば観測された。
【0064】
繊維中央および繊維末端の試料はX線散乱分析についても提供された。ブルカー(Bruker)微小拡散計(ウィスコンシン州マディソンのブルカー・エイエックスエス・インク(Bruker AXS,Inc.,Madison,WI)により供給されたもの)、銅Kα放射、および散乱放射のハイスター2D(HI−STAR 2D)位置有感型検出記録を使用してデータを収集した。回折計に300マイクロメートル照準器およびグラファイト入射光線モノクロメーターを装備させた。X線発生器は50kVおよび100mAの設定値で操作され、銅ターゲットを使用する回転アノード表面からなった。伝達ジオメトリーを使用して60分間で、0°(2θ)で中心に置かれた検出器を使用してデータを収集した。検出器感度および空間不規則性に関して、ブルカー(Bruker)GADDSデータ分析ソフトウェアを使用して試料を補正した。補正データを方位的に平均し、散乱角(2θ)のx−y対および強度値を減じ、結晶化度の評価のためにデータ分析ソフトウェアオリジン(ORIGIN)TM(マサチューセッツ州ノースハンプトンのマイクロカル・ソフトウェア・インク(Microcal Software,Inc.,Northhampton,MA)により供給された)を使用して適合されたプロファイルを受けさせた。
【0065】
ガウシアンピーク形状モデルを利用し、個々の結晶ピークと非晶質ピークの寄与を記載した。幾つかのデータの組に関して、単一非晶質ピークは全非晶質散乱強度に関して適切に説明されなかった。これらの場合、追加的に幅の広い最大値を利用し、観測された非晶質散乱強度について完全に説明した。結晶ピーク面積と全散乱ピーク面積(結晶および非晶質)との比率として6〜36°(2θ)散乱角範囲内で結晶化度指数を算出した。単一値は100%結晶化度を表し、ゼロ値は完全に非晶質材料に相当する。得られた値を表1に報告する。
【0066】
ポリプロピレンから製造されたウェブの5つの実施例、実施例1、3、13、20および22に関して、X線分析により中央と末端との間の差異が明らかであり、5.5オングストロームで測定した時に末端はβ結晶型を含んでいた。
【0067】
平均繊維直径から算出されたダイオリフィスの断面積を完全な繊維の断面積で分割することにより引出し面積比を決定した。生産性指数も算出した。
【0068】
【表1】
Figure 0003964788
【表2】
Figure 0003964788
【表3】
Figure 0003964788
【表4】
Figure 0003964788
【表5】
Figure 0003964788
【表6】
Figure 0003964788
【0069】
本発明の実施の形態について列挙する。
本発明の第1の態様は、a)繊維形成材料のフィラメントを押出する工程と、b)2つの平行な壁によって画定されており、前記壁の少なくとも一つがもう一方の壁に向かって、およびもう一方の壁から離れて瞬間的に移動可能であり、かつ前記壁の少なくとも一つが前記フィラメントを通過する間に瞬間的移動を提供するための移動手段を受ける加工チャンバーを通して、前記フィラメントを配向する工程と、c)前記加工フィラメントを収集する工程と、を含む、繊維の製造方法である。
本発明の第2の態様は、前記移動手段が、前記少なくとも1つの移動可能な壁を前記もう一方の壁に向かって弾力的に偏らせるためのバイアス手段を含み、前記壁が前記チャンバー内の圧力増加に応じて前記もう一方の壁から離れるが前記チャンバー内の初期圧力の回復時にバイアス力によって迅速に平衡位置に戻るように前記加工チャンバー内の圧力と前記バイアス力との間で動的平衡を確立するバイアス力を前記バイアス手段が提供することをさらに特徴とする、第1の態様の方法である。
本発明の第3の態様は、前記移動手段が、前記チャンバーの前記壁上に蓄積する押出物を放出するほど迅速な速度で前記少なくとも1つの移動可能な壁を振動させる振動手段を含むことをさらに特徴とする、第1の態様の方法である。
本発明の第4の態様は、両平行な壁が、もう一方に向かって、およびもう一方から離れて瞬間的に移動可能であり、かつ瞬間的移動を提供するための移動手段を受ける、上記第1〜第3の態様の方法である。
本発明の第5の態様は、前記加工チャンバーを通して前記フィラメントを配向させるた めに流体流が確立され、前記加工チャンバー内に配置された狭い溝を通して前記流体流の少なくとも一部が流れ、かつ前記流体流の少なくとも一部が前記加工チャンバーを通る縦軸に沿ってベクトル構成要素を有する、第1の態様の方法である。
本発明の第6の態様は、前記平行な壁が、実質的に壁の間の間隔よりも大きい、前記チャンバーを通るフィラメント移動方向を横断する長さを有する、第1の態様の方法である。
本発明の第7の態様は、前記加工チャンバーが、前記平行な壁の横断長さの末端に側面の壁を含まない、第6の態様の方法である。
本発明の第8の態様は、前記加工チャンバーに入る前に前記繊維の少なくとも大部分が凝固され、前記凝固された繊維が前記チャンバー内で縦配向応力を受けるように制御される、第1の態様の方法である。
本発明の第9の態様は、前記加工チャンバーに入った後であるが前記チャンバーから出る前に前記繊維の少なくとも大部分が凝固されるように制御される、第1の態様の方法である。
本発明の第10の態様は、前記加工チャンバーから出た後に前記繊維の少なくとも大部分が凝固されるように制御される、第1の態様の方法である。
本発明の第11の態様は、収集された時に前記繊維の少なくとも大部分が実質的に液体であり、繊維交差点で繊維が粘着性となるように制御される、第1の態様の方法である。
本発明の第12の態様は、少なくとも8000メートル/分の見かけのフィラメント速度で繊維が収集される、前記第1〜第4のいずれかの態様の方法である。
本発明の第13の態様は、前記繊維形成材料が、少なくとも1列に並んで配置された複数のダイオリフィスを通して押出され、約10マイクロメートル以下の平均繊維直径を有するマイクロ繊維へと個々のフィラメントが細化される第1の態様の方法である。
本発明の第14の態様は、a)ダイオリフィスを通して繊維形成液体のフィラメントを押出する工程と、b)2つの平行な壁によって画定されており、前記壁の少なくとも一つがもう一方の壁に向かって、およびもう一方の壁から離れて瞬間的に移動可能であり、かつ前記壁の少なくとも一つがもう一方の壁に向かって弾力的に偏っている細化チャンバーを通して、前記フィラメントを配向する工程と、c)前記フィラメントを壁の間で輸送してそれらを繊維へと細化させる流体流を確立する工程と、d)前記壁が前記チャンバー内の圧力増加に応じて前記もう一方の壁から離れるが前記チャンバー内の初期圧力の回復時にバイアス力によって迅速に平衡位置に戻るように前記細化チャンバー内の圧力とバイアス力との間で動的平衡を確立するバイアス力を前記少なくとも1つの移動可能な壁において選択する工程と、e)前記形成繊維を収集する工程と、を含む、繊維の製造方法である。
本発明の第15の態様は、両平行な壁がもう一方に向かって、およびもう一方から離れて瞬間的に移動可能であり、かつ、かかる瞬間的移動を提供するためのバイアス手段に両平行な壁が連結している、第14の態様の方法である。
本発明の第16の態様は、a)ダイオリフィスを通して繊維形成材料のフィラメントを押出する押出ヘッドと、b)チャンバー通過のために前記押出フィラメントを受け取るように整列され、2つの平行な壁によって画定されており、前記壁の少なくとも一つがもう一方の壁に向かって、およびもう一方の壁から離れて瞬間的に移動可能である加工チャンバーと、c)少なくとも1つの壁の瞬間的移動を提供する移動手段と、を含む、繊維形成装置である。
本発明の第17の態様は、前記移動手段が、前記壁を前記もう一方の壁に向かって弾力的に偏らせるためのバイアス手段を含み、前記もう一方の壁に向かい、かつ前記もう一方の壁から離れる前記壁の移動が十分に容易かつ迅速であり、前記壁が前記チャンバー内の圧力増加に応じて前記もう一方の壁から離れて移動するが前記チャンバー内の初期圧力の回復時に前記バイアス手段によって迅速に初期位置に戻る、第16の態様の装置である。
本発明の第18の態様は、前記バイアス手段が、前記少なくとも一つの壁に連結したスライドピストンを有するエアシリンダーを含み、前記壁を前記もう一方の壁に向かって偏 らせる前記力を調節するために前記ピストンに加えられる圧力を調節することができる、第17の態様の装置である。
本発明の第19の態様は、前記移動手段が、迅速な速度で前記壁を振動させる振動手段を含む、第16の態様の装置である。
本発明の第20の態様は、両平行な壁がもう一方に向かって、およびもう一方から離れて瞬間的に移動可能であり、かつ瞬間的移動を提供するための移動手段に両平行な壁が連結している、第16の態様の装置である。
本発明の第21の態様は、前記加工チャンバー内に配置されたエアナイフをさらに含み、かつ前記チャンバーを通過するフィラメントの速度を増加させるために前記加工チャンバーの縦軸に沿ってベクトル構成要素を有する流体流を提供する、第16の態様の装置である。
本発明の第22の態様は、前記少なくとも1つの移動可能な壁が、前記もう一方の壁に向かって、および前記もう一方の壁から離れて個々に移動可能な部分に分割されている、第16の態様の装置である。
本発明の第23の態様は、前記チャンバーの幅が、前記チャンバーの出口に向かうより前記チャンバーへの入口近くでより狭い、第16の態様の装置である。
本発明の第24の態様は、配向ポリマー鎖を含むが繊維の主部とはモルフォロジーが異なる孤立した繊維セグメントにより無作為に中断された繊維を含む繊維の収集された集団を含む不織ウェブである。
本発明の第25の態様は、少なくとも、示差走査熱量測定によって測定される融点、冷結晶化温度もしくはガラス転移温度の差異、またはX線散乱によって測定される結晶化度指数もしくは結晶化度タイプの差異により前記モルフォロジーの差異が表される、第24の態様の不織ウェブである。
本発明の第26の態様は、前記中断セグメントが球体に対立するような繊維様であり、かつその直径が300マイクロメートル未満であるが、前記繊維の主部よりも大きい、第24の態様の不織ウェブである。
本発明の第27の態様は、前記中断繊維セグメントが前記中断繊維の破壊端を含む、第24の態様の不織ウェブである。
本発明の第28の態様は、前記中断繊維セグメントがそれ自体と、またはもう一つの繊維と前記中断繊維セグメントとの絡み合いを含む、第24の態様の不織ウェブである。
本発明の第29の態様は、前記中断繊維が約10マイクロメートル以下の平均直径を有する、第24の態様の不織ウェブである。
本発明の第30の態様は、示差走査熱量測定の間に前記中断繊維の主部が多数の融解ピークを示し、前記異なる融解ピークが、結晶度次数の異なる前記繊維内の分子率を表している、第24の態様の不織ウェブである。
本発明の第31の態様は、示差走査熱量測定の間に前記中断繊維の主部が2つの融解ピークを示し、1つの融解ピークが鎖延長結晶部を表す、第24の態様の不織ウェブである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 不織繊維ウェブを形成するための本発明の装置の全体概略図である。
【図2】 チャンバーへの取付け手段が示されていない、本発明で有用な加工チャンバーの拡大側面図である。
【図3】 取付けおよび他の関連装置とともに示される、図2に示される加工チャンバーの部分的な概略平面図である。
【図4】 実施例5で調製されたウェブの走査電子顕微鏡写真である。
【図5】 本発明の例示的なウェブにおける示差走査熱量測定により得られたグラフである。
【図6】 本発明の例示的なウェブにおける示差走査熱量測定により得られたグラフである。
【図7】 本発明の例示的なウェブにおける示差走査熱量測定により得られたグラフである。
【図7a】 本発明の例示的なウェブにおける示差走査熱量測定により得られたグラフである。

Claims (5)

  1. a)繊維形成材料のフィラメントを押出する工程と、b)2つの平行な壁によって画定されており、前記壁の少なくとも一つがもう一方の壁に向かって、およびもう一方の壁から離れて瞬間的に移動可能であり、かつ前記壁の少なくとも一つが前記フィラメントを通過する間に瞬間的移動を提供するための移動手段を受ける加工チャンバーを通して、前記フィラメントを配向する工程と、前記壁の瞬間的移動の間に、前記加工チャンバーを通過するフィラメントを中断しないように連続させて、前記移動の間に均一ウエブが収集できるように加工する工程 ;c)前記加工されたフィラメントを収集する工程と、を含む、繊維の製造方法。
  2. 前記移動手段が、前記少なくとも1つの移動可能な壁を前記もう一方の壁に向かって弾力的に偏らせるためのバイアス手段を含み、前記壁が前記チャンバー内の圧力増加に応じて前記もう一方の壁から離れるが前記チャンバー内の初期圧力の回復時にバイアス力によって迅速に平衡位置に戻るように前記加工チャンバー内の圧力と前記バイアス力との間で動的平衡を確立するバイアス力を前記バイアス手段が提供することをさらに特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記移動手段が、前記チャンバーの前記壁上に蓄積する押出物を放出するほど迅速な速度で前記少なくとも1つの移動可能な壁を振動させる振動手段を含むことをさらに特徴とする、請求項1に記載の方法。
  4. 両平行な壁が、もう一方に向かって、およびもう一方から離れて瞬間的に移動可能であり、かつ瞬間的移動を提供するための移動手段を受ける、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 少なくとも8000メートル/分の見かけのフィラメント速度で繊維が収集される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
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