JP2005524092A - タンパク質の非アフィニティ精製 - Google Patents

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Abstract

本発明は、HPTFFと非アフィニティクロマトグラフィーとの組み合わせを含むタンパク質精製法に関する。本発明は、HPTFFを併用した非アフィニティクロマトグラフィー精製プロセスによってタンパク質(例えば、抗体または抗体様分子)を、宿主細胞タンパク質を含む混合物から精製し得、その結果、宿主細胞タンパク質不純物が、最終的に精製した標的タンパク質中に100ppm未満の量で存在するという驚くべき研究成果に関する。

Description

本発明は、一般的に、タンパク質の精製に関する。特に、本発明は、アフィニティクロマトグラフィーを使用することなしに少なくとも1つの不純物、およびポリペプチドを含む組成物から、タンパク質(例えば、抗体および免疫付着因子といった抗体様の分子)を精製するための方法に関する。
大規模での、実利的なタンパク質の精製は、バイオテクノロジー産業にとって、益々重要な問題になっている。一般的に、タンパク質は、哺乳動物の細胞株また細菌細胞株どちらか一方の、目的タンパク質の遺伝子を含む組換えプラスミドの導入により、目的タンパク質を産生するように操作された細胞株を使用した細胞培養によって産生される。使用される細胞株は、生物体であることから、複合増殖培地(糖、アミノ酸、および成長因子を含み、それらは、通常動物血清の調製物から補給される)を与えなくてはいけない。その細胞に供給された化合物の混合物およびその細胞の副産物から所望するタンパク質を人間の治療用途にとって十分な純度まで精製することは、大変な難題である。
細胞デブリからのタンパク質を分離するための過程はまず、そのタンパク質の発現の部位に依存する。いくつかのタンパク質は、細胞から周囲の増殖培地へと直接分泌される;他のタンパク質は、細胞内で生成される。後者のタンパク質において、精製プロセスの最初の過程は、多様な方法(機械的な剪断、浸透圧衝撃、または酵素処理を含む)によってなされる細胞の溶解を含む。このような破壊は、細胞の全ての内容物をホモジネートへと放出し、さらに、細胞成分フラグメントを生じ、この細胞成分フラグメントはそのサイズゆえに除去することが墾田である。これらフラグメントは、一般的に、遠心分離によって、または濾過によって除去される。さらに小規模であるが、タンパク質生産工程における細胞の自然死および間での宿主細胞の細胞内タンパク質の放出により、直接分泌されたタンパク質でも、同じ問題が発生する。
所望のタンパク質を含む溶液が、入手されると、その細胞により産生された他のタンパク質から目的タンパク質を分離することは、通常、様々なクロマトグラフィー技術の組み合わせを使用して試みられる。これら技術は、タンパク質の電荷、疎水性の程度、またはサイズに基づいてタンパク質の混合物を分離する。いくつかの様々なクロマトグラフィーの樹脂が、これらの技術の各々についても利用可能であって、これにより、関与するタンパク質に対する精製スキームの正確な目的に即した調整をすることが可能となる。これら分離方法のそれぞれの本質は、それらタンパク質が、長いカラムに沿って速度で移動し、分離(この分離は、タンパク質がそのカラムにそってさらに進むにつれて大きくなる)を達成する、またはそれらタンパク質が選分離媒体に択的に接着し、次いで様々な溶媒により、別々に溶出されることにより、物理的な分離が達成されるという、いずれかである。いくつかの場合、不純物が特異的にカラムに接着し、所望のタンパク質はカラムに接着しない場合に(つまり、所望のタンパク質はフロースルー(flow−through)中に存在する)所望のタンパク質が不純物から分離される。イオン交換クロマトグラフィー(交換可能な対イオンから命名される)は、イオン性分子の精製に適用可能な方法である。
イオン化分子は、それら荷電した基と、固相支持マトリックスに結合した反対の電荷に荷電した分子との非特異的な静電的な相互作用に基づいて分離され、この相互作用によって、固層とより強く相互作用するイオン化分子の移動は遅延される。イオン性分子それぞれのタイプの正味電荷、およびマトリックスへの親和性は、荷電した基の数、それぞれの基の荷電、および荷電した固相マトリックスとの相互作用について競合している分子の性質に従って変化する。これら差異がイオン交換クロマトグラフィーによる多くの分子タイプの分離度を生じる。イオン交換クロマトグラフィーを使用した典型的なタンパク質の精製において、宿主細胞に由来する多くのタンパク質の混合物(例えば、哺乳動物細胞の培養)は、イオン交換カラムに適用される。非結合性分子が洗い流された後、条件が調製され、(例えば、pH、対イオンの濃度などを段階的な様式または勾配のある様式変化させることによって)そして非特異的に保持されていなかまたは遅延された所望のイオン化した固相から解離し、そしてその所望のタンパク質を様々な電荷を有するタンパク質から分離する。アニオン交換クロマトグラフィーは、特異的な分離工程におけるpHおよび条件下における、固相マトリックスに結合した正に荷電した分子との相互作用について、所望のアニオン分子と負の対イオンとの競合を含む。対照的に、カチオン交換クロマトグラフィーは、特異的な分離工程におけるpHおよび条件下における、固相マトリックスに結合した負に荷電した分子との相互作用について、所望のカチオン分子と正対イオンとの競合を含む。混合モードイオン交換クロマトグラフィーは、同じ段階におけるカチオンおよびアニオン交換クロマトグラフィー媒体の組み合わせの使用を含む。特に「混合モード」は、カチオン交換部分、アニオン交換部分、および疎水性相互作用部分の混合物と共有結合的に結合する固相支持体マトリックスを言及する。市販されている、代表的な混合モードイオン交換クロマトグラフィーのカラムは、ABxTMである(その使用は実施例で記述されている)。
タンパク質のヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーは、タンパク質の荷電アミノ基または荷電カルボン酸塩基とヒドロキシアパタイト上で反対に荷電した基との非特異的な相互作用を含み、ここで、そのヒドロキシアパタイト、およびタンパク質の正味の電荷は、緩衝液のpHにより制御される。Ca2+またはMg2+といったイオンで非特異的タンパク質−ヒドロキシアパタイト対を置換することにより、溶出は成し遂げられる。陰に荷電したタンパク質の基は、負に荷電した化合物(例えば、リン酸塩)により置換され、その結果、実質的に負に電荷したタンパク質を溶出する。
疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)は表面の疎水性の差に基づいての分子(例えば、タンパク質)の精製および分離において有用である。タンパク質の疎水性基はクロマトグラフィー基質に結合している疎水性基と非特異的に相互作用する。タンパク質表面の疎水性基の数および性質の違いが、HICカラムにおけるタンパク質の移動の遅延の差となり、結果として、タンパク質の混合物内のタンパク質が精製される。
疎水性荷電誘導(HCI)クロマトグラフィーは、イオン性、デュアル・モードリガンド(Boschetti,E,ら、Genetic Engineering News 20(13)(2000))のpH依存的な挙動に基づいた生物学的分子(例えば、タンパク質)の分離において有用である。中性的なpHでは、リガンドは荷電しておらず、所望のタンパク質に穏やかな、非特異的な疎水性相互作用を介して結合する。緩衝液勾配の間にpHが低下するのに伴って、リガンドは正に荷電して行き、疎水性結合は、帯電反発によって破壊される。(Boschetti,E,ら(2000),前出)。HCIにおいて使用される穏やかな条件は、タンパク質の変性および抗体の凝集の危険度を軽減する。
精製されるタンパク質と捕捉因子との特異的な構造依存的な相互作用(例えば、空間的に相補性)を利用するアフィニティクロマトグラフィーは、いくつかのタンパク質(例えば、抗体)にとっては標準的な精製の選択肢である。例えば、タンパク質Aは、Fc領域を含むタンパク質(例えば、Fc領域を含む抗体)のアフィニティクロマトグラフィーにおいて有益な吸着剤である。タンパク質Aは、Staphylococcus aureas由来の41kDの細胞壁タンパク質であり、抗体のFc領域に高い親和性(ヒトIgGに対して約10−8M)で結合する。その一般的使用にもかかわらず、アフィニティクロマトグラフィーは(特に、治療用タンパク質を精製するのに必要な産業的規模において)値段が高い。
高速接線流濾過(High―performance tangential−flow filtration)(HPTFF)は、相対的なサイズへの限界のないタンパク質の混合物の分離に有益な膜技術である(Zydney,A.L.およびvan Reis,R.,High−performance Tangential−Flow Filtration,ch.10,Membrane Separations in biotechnology,第2版,William K.Wang,ed.,Marcel Dekker,Inc.,NY,NY(2001),pp277〜298;van Reis,R.ら Biotechnol.Bioeng.56:71〜82(1997);およびvan Reis,R.ら 米国特許第5,256,694号,米国特許5,490,937号,および米国特許6,054,051号,これら全体の内容は、本明細書中で参考として援用される)。特定の不純物(例えば、タンパク質、DNA、または内毒素)、透明なウイルス、および/またはタンパク質オリゴマーまたは分解産物を除去するための精製過程の下流を通して、HPTFFは、使用され得る。HPTFFは、数個の様々な分離工程が単一の大規模に実懸可能なユニット操作に結合されることを可能とし得る。同時の精製、濃度、および緩衝液交換を達成し得るという点で、HPTFFは利用できる分離技術の中で独特である。
これら進歩的なクロマトグラフィーおよび濾過方法にかかわらず、薬学的抗体精製についての純度、収量、およびスループットにおける必要条件を満たす捕捉段階としてアフィニティクロマトグラフィーが、よく使用される。しかし、高い経費および親和性媒体の不安的性が、抗体治療剤の根本的な経費を上昇させる(特に、高用量および/または長期にわたる投与を必要とする治療剤)。加えて、いくつかの精製段階が組み合わされない限り、十分な純度はたいてい、達成されず、それによってコストはかさみ、生成物収量は低下する。抗体は、米国での例えば、癌、自己免疫疾患、感染病、心疾患および移植拒否反応の治療の開発(Stratan,F.ら、Monoclonal Antibodies−Coming of Age,1(2001),およびBooth,M.ら,Monoclonal Antibodies:Targetting the Issues,1(2001)))および市場においてますます治療的産物の大きな割合を占める。従って、少ない手順および高い親和性の手順の必要なく、治療的なタンパク質または、他のポリペプチド化合物を精製するプロセスに対する必要性がある。
(発明の要旨)
本発明は、HPTFFを併用した非アフィニティクロマトグラフィー精製プロセスによってタンパク質(例えば、抗体または抗体様分子)を、宿主細胞タンパク質を含む混合物から精製し得、その結果、宿主細胞タンパク質不純物が、最終的に精製した標的タンパク質中に100ppm未満の量で存在するという驚くべき研究成果に関する。
1つの局面において、本発明は、宿主細胞タンパク質を含む混合物または必要に応じてさらなる不純物からの目的タンパク質の精製のための方法に関しこの方法は、アフィニティクロマトグラフィーの工程の存在無く、2つの非アフィニティ精製手順、その後の高速接線流濾過(High―performance tangential−flow filtration)(HPTFF)を含む。このような方法は、100ppm未満の宿主細胞タンパク質、あるいは、90ppm未満、80ppm未満、70ppm未満、60ppm未満、50ppm未満、40ppm未満、30ppm未満、20ppm未満、10ppm未満、5ppm未満または3ppm未満の宿主細胞タンパク質を含む精製された目的タンパク質精提供する。
特定の実施形態において、第1および第2の非アフィニティクロマトグラフィー精製手順は異なっており、イオン交換クロマトグラフィーおよび疎水性相互作用クロマトグラフィーからなる群より選択される。例えば、イオン交換クロマトグラフィーの工程はカチオン交換クロマトグラフィー、アニオン交換クロマトグラフィー、および/または混合モードのイオン交換クロマトグラフィーであり得る。好ましい実施形態において、第1の非アフィニティ精製手順はイオンクロマトグラフィーおよびアニオンクロマトグラフィーである。そして第2の非アフィニティ精製手順は、カチオンクロマトグラフィーおよびアニオンクロマトグラフィーである。さらに別の1つの好ましい実施形態において、本発明の方法は、他の精製手順は排除して、2つの非アフィニティクロマトグラフィーの精製工程、その後のHPTFFおよび単離工程から成る。
精製される標的タンパク質は、任意のタンパク質でもあり得、特にチャイニーズハムスターの卵巣(CHO)細胞に限定されないが、これを含む宿主細胞中で産生される組換えタンパク質である。最適の目的タンパク質は、抗体、免疫付着因子、および他の抗体様分子(例えば、C2/C3を含む融合タンパク質)である。
別の局面において、本発明は、宿主細胞タンパク質を含む混合物および場合によっては、更なる不純物からの標的タンパク質の精製のために、アフィニティクロマトグラフィー工程なしで、1つの非アフィニティ精製工程、続く高速接線流濾過(High―performance tangential−flow filtration)(HPTFF)を含む方法に関し、ここでこの方法は、100ppm未満の宿主細胞タンパク質、あるいは、90ppm未満、80ppm未満、70ppm未満、60ppm未満、50ppm未満、40ppm未満、30ppm未満、20ppm未満、10ppm未満、5ppm未満または3ppm未満の宿主細胞タンパク質を含む精製された目的タンパク質を提供する。
ここで提供された開示および請求項を読むことで、本発明のこれら実施形態および、他の非限定の実施形態は、当業者によって容易に理解される。化合物および方法はもちろん変化することから、本発明は、特定の化合物および記述されたプロセスに限定されないと理解している。ここで使用された用語は、特定の実施形態を記述するためだけのもので、限定されるためのものではないと理解されるべきである。
(実施形態の詳細な説明)
A.定義
「抗体(antibody)」という用語は、最も広範な意味で使用され、具体的にはモノクローナル抗体(全長モノクローナル抗体を含む)、ポリクローナル抗体、多特異的抗体(例えば、二重特異性抗体)かまたは、リガンド特異的な結合領域を含むように改変される限り抗体フラグメントリガンド特異的な結合領域を保持する限りを網羅する。ここでの抗体は、目的の「抗原」に対して方向づけられている。抗原は、好ましくは、生物学的に重要なポリペプチドであり、疾患または傷害に羅患した哺乳動物への抗体の投与が、その哺乳動物において治療的利益をもたらし得る。しかし、非ポリペプチド抗原(例えば、腫瘍関連の糖脂質抗原;米国特許第5,091,178号参照)に対する抗体もまた熟慮される。抗原がポリペプチドである場合、抗原は膜貫通分子(例えば、レセプター)または、リガンド(例えば、成長因子)であり得る。模範的な抗原は上で議論したポリペプチドを含む。本発明により含まれる抗体への好ましい分子標的としては、CDポリペプチド(例えば、CD3、CD4、CD8、CD19、CD20、CD34、およびCD40);HERレセプターファミリー(例えば、EGFレセプター、HER2,HER3またはHER4レセプター);細胞接着分子(例えば、LFA−1,Mac1,p150,95,VLA−4,ICAM−1,VCAMおよびaまたはbのサブユニットを含むav/b3インテグリン(例えば、抗−CD11a,抗CD18,または、抗CD11b抗体)のメンバー;成長因子(例えば、VEGF);IgE,血液型抗原;flk2/flt3レセプター;肥満(OB)レセプター;mplレセプター;CTLA−4;ポリペプチドCなどが挙げられる。可溶性抗原またはフラグメントは、必要に応じて他の分子に結合されて、抗体産生のための免疫原として使用され得る。膜貫通分子(例えばレセプター)のために、これらのフラグメント(例えば、レセプターの細胞外領域)は免疫原として使用されえる。あるいは、膜貫通分子を発現する細胞が免疫原として使用され得る。このような細胞は、天然の供給源に由来し得る(例えば、癌細胞株)。またはこのような細胞は、組換え技術によって膜貫通分子を発現するように形質転換された細胞であり得る。
「抗体フラグメント(antibody fragment)」は全長抗体の1部分(一般的には、それらの抗原結合領域または可変領域)を含む。抗体フラグメントの例えは、Fab,Fab‘,F(ab’),Fvフラグメント;単鎖抗体分子、ダイアボディー(diabody);線状抗体、および抗体フラグメントから形成された多特異的抗体を含む。
本願書中で使用された「モノクローナル抗体(monoclonal antibody)」という用語は、実質的には同質な抗体の集団から入手された抗体をいう。(すなわち、集団を構成する個々の抗体は、わずかに存在し得る天然に存在し得る変異を除いて同じである。モノクローナル抗体は、非常に特異的であり、単一の抗原部位に対して指向される。さらに、典型的には、異なる抗体(異なる決定基(抗原決定基(エピトープ)に対する)を含む従来の(ポリクローナル)抗体の調製とは対象的に、それぞれのモノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定基に対する。修飾語「モノクローナル」は、実質的に同質の抗体集団から入手したという抗体の特徴を示し、ある特定の方法による抗体産生を必要とするとは解釈されない。例えば、本発明に従って使用されるモノクローナル抗体は、Kohlerら,Nature 256:495(1975)に最初に記述されたハイブリドーマ方法によって、または組換えDNA方法(米国特許第4,816,567を例として参照)によって作製され得る。「モノクローナル抗体」はファージの抗体ライブラリーから、例えば、Clacksonら,Nature352:624〜628(1991)および、Marksら,J.Mol.Biol.222:581〜597(1991)に記載の技術を使用して、単離され得る。
本明細書中のモノクローナル抗体は、具体的「キメラ」抗体(免疫グロブリン)を含む。キメラ抗体において、重鎖および/または軽鎖の一部は、特定の種に由来する、もしくは特定の抗体のクラスもしくはサブクラスに属する抗体において対応する配列と同一または相同である。一方、鎖の残りの部分は、他の種に由来する、または他の抗体のクラスまたはサブクラスに属する抗体ならびにそのような抗体のフラグメント(所望の生物学的活性を表している限り)において対応する配列と同一または相同である。米国特許第4,816,567号;およびMorrisonら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA81:6851〜6855(1984))。
超可変性領域という用語は、本明細書中で使用される場合、抗原結合を担う抗体のアミノ酸残基をいう。超可変性領域は、「相補性決定領域」または「CDR」からのアミノ酸残基(すなわち、軽鎖可変ドメインにおける残基24〜34(L1)、残基50〜65(L2)、ならびに残基89〜97(L3)、および重鎖可変ドメインにおける残基31〜35(H1)、残基50〜65(H2)、残基95〜102(H3);Kabatら,Sequences of Proteins of Immunological Interst,第5版.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD.(1991))および/または「超可変ループ(hypervariable loop)」からの残基(すなわち軽鎖可変ドメインにおける26〜32(L1)、残基50〜52(L2)、および残基91〜96(L3)、および重鎖可変ドメインにおける残基26〜32(H1)、残基53〜55(H2)、残基96〜101(H3);ChothiaおよびLesk J.Mol.Biol.196:901〜917(1987)を含む。「フレームワーク」または「FR」残基は、本出願で定義された超可変領域残基以外の可変ドメイン残基である。
「ヒト化」形態の非ヒト(例えば、マウス)抗体は、非ヒト免疫グロブリン由来の最小配列を含むキメラ抗体である。主として、ヒト化抗体は、ヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)であり、ここで、このレシピエントの超可変領域残基は、所望の特異性、親和性および能力を有する非ヒト種(例えば、マウス、ラット、ウサギまたは非ヒト霊長類)由来の超可変領域残基(ドナー抗体)で置換される。いくつかの例において、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク領域(FR)残基は、対応する非ヒト残基によって置換される。さらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体でもドナー抗体でも見出されない残基を含み得る。これらの改変は、抗体の性能をさらに洗練するように行われ得る。一般に、ヒト化抗体は、少なくとも1つの、そして代表的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含み、ここで、超可変ループの全てまたは実質的に全てが、非ヒト免疫グロブリンの超可変ループに対応し、そしてFR領域の全てまたは実質的に全てが、ヒト免疫グロブリン配列のFR領域である。ヒト化抗体はまた、必要に応じて、免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部、代表的には、ヒト免疫グロブリンの一部を含む。さらなる詳細については、Jonesら,Nature 321:522−525(1986);Riechmannら,Nature 332:323−329(1988);およびPresta,Curr.Op.Struct.Biol.2:593−596(1992)を参照のこと。
本明細書中で使用される場合、用語「免疫付着因子」とは、異種「付着」タンパク質の「結合ドメイン」(例えば、レセプター、リガンドまたは酵素)を免疫グロブリン定常ドメインのエフェクター機能と結合する抗体様分子を示す。構造的に、免疫付着因子は、所望の結合特異性を有する付着因子アミノ酸配列の融合物を含み、この結合特異性は、抗体および免疫付着因子定常ドメイン配列の抗原認識部位および抗原結合部位(抗原結合部位(antigen combining site))以外(すなわち、「異種」)である。免疫グロブリン中の免疫グロブリン定常ドメイン配列は、好ましくは、γ1、γ2またはγ4重鎖由来である。なぜなら、これらの領域を含む免疫付着因子は、プロテインAクロマトグラフィーによって精製され得るからである(Lindmarkら、J.Immunol.Meth.62:1−13(1983))。
用語「リガンド結合ドメイン」とは、本明細書中で使用される場合、任意のネイティブの細胞表面レセプター、または対応するネイティブのレセプターの少なくとも定性的なリガンド結合を保持するそれらの任意の領域もしくは誘導体をいう。特定の実施形態において、レセプターは、免疫グロブリンスーパー遺伝子ファミリーのメンバーに相同な細胞外ドメインを有する細胞表面ポリペプチド由来である。免疫グロブリンスーパー遺伝子ファミリーのメンバーではないが、それにもかかわらずこの定義によって特別に網羅される他のレセプターは、サイトカインに対するレセプター、チロシンキナーゼ活性を有する特異的レセプター(レセプターチロシンキナーゼ)、造血素(hematopoietin)および神経成長因子レセプタースーパーファミリーのメンバー、ならびに細胞接着分子(例えば、E−、L−およびP−)セレクチン)である。
用語「レセプター結合ドメイン」は、レセプターに対する任意のネイティブのリガンドを示すために使用され、これには、細胞接着分子、または対応するネイティブのリガンドの少なくとも定性的なレセプター結合能を保持するこのようなネイティブのリガンドの任意の領域もしくは誘導体が挙げられる。この定義は、特に、とりわけ、上記のレセプターに対するリガンド由来の結合配列を含む。
「抗体−免疫付着因子キメラ」は、抗体の少なくとも1つの結合ドメイン(本明細書中で定義されるような)を少なくとも1つの免疫付着因子(本明細書で定義されるような)と結合する分子を含む。例示的な抗体−免疫付着因子キメラは、Bergら、PNAS(USA)88:4723−4727(1991)およびChamowら、J.Immunol.153:4268(1994)に記載される二重特異的CD4−IgGキメラである。
他に記載されない限り、「HER2」とは、本明細書中で使用される場合、ヒトHER2タンパク質をいい、そして「HER2」とは、ヒトHER2遺伝子をいう。ヒトHER2遺伝子およびHER2タンパク質は、例えば、Sembaら、PNAS(USA)82:6497−6501(1985)およびYamamotoら、Nature 319:230−234(1986)(Genebank登録番号 X03363)に記載される。
「トラツズマブ(tratuzumab)」、「TERCEPTIN(登録商標)」、「抗HER2 rhuMAb」および「HER2」は、配列番号1の軽鎖アミノ酸配列および配列番号2の重鎖アミノ酸配列を含むヒト化抗HER2抗体、またはHER2に結合し、そしてHER2を過剰発現する腫瘍細胞の増殖を阻害する能力を保持するそれらのアミノ酸配列改変体をいうために、本明細書中で交換可能に使用される(図3Aおよび3B;米国特許第5,677,171号(これは本明細書中で参考として明確に援用される)もまた参照のこと)。
「抗CD11a rhuMAb」または「CD11a」は、配列番号3の軽鎖アミノ酸配列および配列番号4の重鎖アミノ酸配列を含むヒト化抗CD11a抗体、またはLFA−1に結合し、そして特定のT細胞依存性免疫機能を阻害する能力を保持するそれらのアミノ酸配列改変体をいうために、本明細書中で交換可能に使用される(図4Aおよび4B;米国特許第5,622,700号;WO 98/23761;Steppeら,Transplant Intl.4:3−7(1991);およびHourmantら、Transplantation 58:377−380(1994)もまた参照のこと(これの参考文献は本明細書中で参考として明確に援用される)。抗CD11a抗体は、例えば、MHM24[Hildrethら、Eur.J.Immunol.,13:202−208(1983)]、R3.1(IgG1)[R.Rothlein,Boehringer Ingelheim Pharmaceuticals,Inc.,Ridgefield,CT]、25−3(または25.3)、Immunotech,Franceから入手可能なIgG1[Oliveら、Feldmannら、Human T cell Clones.A new Approach to Immune Regulation,Clifton,NJ,Humana,1986 p.173]、KBA(IgG2a)[Nishimuraら、Cell.Immunol.,107:32(1987);Nishimuraら、同書、94:122(1985)]、M7/15(IgG2b)[Springerら、Immunol.Rev.,68:171(1982)]、IOT16[Vermot Desrochesら、Scand.J.Immunol.,33:277−286(1991)]、SPVL7[Vermot Desrochesら、前出]、およびM17(IgG2a)(ATCCから入手可能、これはラット抗マウスCD11a抗体である)をさらに含む。好ましい抗CD11a抗体は、米国特許第6,037,454号に記載されるヒト化抗体である。一般に、抗CD11a抗体がT細胞欠失抗体であること、すなわち、抗CD11a抗体の投与が循環T細胞のレベルを減少させないことが好ましい。
本明細書中で精製されるべき「組成物」は、目的のポリペプチドおよび1種以上の不純物を含む。この組成物は、「部分的に精製」され得る(すなわち、1回以上の精製工程(例えば、本明細書中に記載される非アフィニティクロマトグラフィー)に供されたか、またはこのポリペプチドを産生する宿主細胞または生物から直接得られ得る(例えば、この組成物は、収集された細胞培養液を含み得る))。
本明細書中で使用される場合、「ポリペプチド」とは、一般に、約10より多くのアミノ酸を有するペプチドおよびタンパク質をいう。好ましくは、このポリペプチドは、哺乳動物タンパク質であり、その一例として、以下が挙げられる:レニン;成長ホルモン(ヒト成長ホルモンおよびウシ成長ホルモンを含む);成長ホルモン放出因子;副甲状腺ホルモン;甲状腺刺激ホルモン;リポタンパク質;α−1−抗トリプシン;インスリンA鎖;インスリンB鎖;プロインスリン;卵胞刺激ホルモン;カルシトニン;黄体化ホルモン;グルカゴン;凝固因子(例えば、第VIIIC因子、第IX因子、組織因子およびフォン・ビルブラント因子);抗凝固因子(例えば、プロテインC);心房性ナトリウム利尿因子;肺界面活性物質;プラスミノーゲン活性化因子(例えば、ウロキナーゼまたはヒト尿または組織型プラスミノーゲン活性化因子(t−PA);ボンベシン;トロンビン;造血増殖因子;腫瘍壊死因子−αおよび腫瘍壊死因子−β;エンケファリナーゼ;RANTES(通常発現および分泌されるT細胞の活性化を調節する);ヒトマクロファージ炎症タンパク質(MIP−1−α);血清アルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン);Muellerian阻害物質;リラキシンA鎖;リラキシンB鎖;プロリラキシン;マウスゴナドトロピン関連ペプチド;微生物タンパク質(例えば、β−ラクタマーゼ);DNase;IgE;細胞傷害性Tリンパ球関連抗原(CTLA)(例えば、CTLA−4);インヒビン;アクチビン;血管内皮増殖因子(VEGF);ホルモンまたは増殖因子に対するレセプター;プロテインAまたはプロテインD;リウマチ因子;神経栄養因子(例えば、骨由来神経栄養因子(BDNF)、ニューロトロフィン−3、ニューロトロフィン−4、ニューロトロフィン−5またはニューロトロフィン−6(NT−3、NT−4、NT−5またはNT−6)、またはNGF−βのような神経成長因子);血小板由来増殖因子(PDGF);線維芽細胞増殖因子(例えば、aFGFおよびbFGF);上皮増殖因子(EGF);トランスホーミング増殖因子(TGF)(例えば、TGF−αおよびTGF−β(TGF−β1、TGF−β2、TGF−β3、TGF−β4またはTGF−β5を含む));インスリン様増殖因子−Iおよびインスリン様増殖因子−II(IGF−IおよびIGF−II);des(1−3)−IGF−I(脳IGF−I)、インスリン様増殖因子結合タンパク質(IGFBP);CDタンパク質(例えば、CD3、CD4、CD8、CD19、CD20、CD34およびCD40);エリスロポイエチン;骨誘導因子;免疫毒素;骨形態形成タンパク質(BMP);インターフェロン(例えば、インターフェロン−α、インターフェロン−β、およびインターフェロン−γ);コロニー刺激因子(CSF)(例えば、M−CSF、GM−CSFおよびG−CSF);インターロイキン(IL)(例えば、IL−1〜IL−10);スーパーオキシドジスムターゼ;T細胞レセプター;表面膜タンパク質;崩壊促進因子;ウイルス抗原(例えば、AIDSエンベロープの一部);輸送タンパク質;ホーミングレセプター;アドレシン(addressin);調節タンパク質:インテグリン(例えば、CD11a、CD11b、CD11c、CD18、ICAM、VLA−4およびVCAM);腫瘍関連抗原(例えば、HER2レセプター、HER3レセプターまたはHER4レセプター);ならびに上記のポリペプチドのいずれかのフラグメントおよび/または改変体。さらに、本発明のタンパク質またはポリペプチドは、抗体、そのフラグメントもしくは改変体であり、これらは上記のポリペプチドのいずれかに特異的に結合する。
「不純物」は、目的の所望のポリペプチド産物またはタンパク質とは異なる物質である。不純物としては、宿主細胞タンパク質(CHOPのようなHCP)、標的ポリペプチド以外のポリペプチド、核酸、内毒素などが挙げられるが、これらに限定されない。
「酸性改変体」は、目的のポリペプチドよりも酸性である(例えば、カチオン交換クロマトグラフィーによって決定)目的のポリペプチドの改変体である。酸性改変体の一例は、脱アミド化改変体である。
用語「目的のタンパク質」および「標的タンパク質」は、交換可能に使用され、そして本発明の方法によって、タンパク質および必要に応じて他の物質(例えば、細胞細片など)の混合物から精製されるべき抗体(本明細書中で定義されるような)のようなタンパク質またはポリペプチドをいう。
用語「チャイニーズハムスター卵巣細胞タンパク質」および「CHOP」は、チャイニーズハムスター卵巣(「CHO」)細胞培養物由来の宿主細胞タンパク質(「HCP」)の混合物をいうために交換可能に使用される。HCPまたはCHOPは、一般に、目的のタンパク質(例えば、CHO細胞で発現される抗体または免疫グロブリン)を含む細胞培養培地または溶解物(例えば、収集された細胞培養液(「HCCF」))中に不純物として存在する。目的のタンパク質を含む混合物中に存在するCHOPの量は、目的のタンパク質の純度の尺度を提供する。HCPまたはCHOPとしては、宿主細胞(例えば、CHO宿主細胞)により発現される目的のタンパク質が挙げられるが、これに限定されない。代表的に、タンパク質混合物中のCHOPの量は、この混合物中の目的のタンパク質の量に対するppmで表される。宿主細胞が別の哺乳動物細胞型(E coli、酵母、昆虫細胞または植物細胞)である場合、HCPとは、宿主細胞の溶解物で見出される、標的タンパク質以外のタンパク質をいうことが理解される。
用語「parts per million」または「ppm」は、本発明の方法によって精製された目的のタンパク質の純度の尺度をいうために、本明細書中で交換可能に使用される。この単位ppmとは、目的のタンパク質1ミリグラム/ミリリットルあたりのHCPまたはCHOPの量(ナノグラム/ミリリットル)をいう(すなわち、CHOP ppm=(CHOP ng/ml)/(目的のタンパク質mg/ml)、ここでタンパク質は溶液中に存在する)。タンパク質が乾燥される場合(例えば、凍結乾燥によって)、ppmは、(CHOPng)/(目的のタンパク質mg)をいう。
ポリペプチドおよび1種以上の不純物を含む組成物からポリペプチドを「精製する」とは、少なくとも1種の不純物をこの組成物から除去(完全にまたは部分的に)することによって、この組成物中のポリペプチドの純度を上げることを意味する。本発明によると、精製は、アフィニティクロマトグラフィー工程を使用することなく実施される。「精製工程」は、「同種」組成物を生じる全体的な精製プロセスの一部であり得、これは本明細書中で、目的のタンパク質を含む組成物中100ppm未満のHCP、あるいは90ppm未満、80ppm未満、70ppm未満、60ppm未満、50ppm未満、40ppm未満、30ppm未満、20ppm未満、10ppm未満、5ppm未満または3ppm未満のHCPを含む組成物を言及するために使用される。
用語「プロテインA」および「ProA」は、本明細書中で交換可能に試用され、そしてその天然の供給源から回収されたプロテインA、合成的に生成されたプロテインA(例えば、ペプチド合成によって、または組換え技術によって)、およびC2/C3領域(例えば、Fc領域)を有するタンパク質に結合する能力を保持するそれらの改変体を包含する。プロテインAは、Repligen、PharmaciaおよびFermatechから商業的に購入できる。プロテインAは、一般に、固相支持体材料に固定される。用語「ProA」はまた、プロテインAが共有結合するクロマトグラフ固体支持体マトリクスを含むアフィニティクロマトグラフィー樹脂またはカラムをいう。
用語「クロマトグラフィー」とは、混合物中の目的の溶質が、この混合物の個々の溶質が移動相の影響下で、または結合および溶離プロセスにおいて、固定媒体を通して移動する速度の違いの結果として混合物中の他の溶液から分離するプロセスをいう。
用語「アフィニティクロマトグラフィー」および「タンパク質アフィニティクロマトグラフィー」は、本明細書中で交換可能に使用され、そして目的のタンパク質または目的の抗体が生体特異的リガンドに可逆的かつ特異的に結合されるタンパク質分離技術をいう。好ましくは、生体特異的リガンドは、クロマトグラフィー固相材料に共有結合され、そして溶液がクロマトグラフィー固相材料と接触した場合、この溶液中の目的のタンパク質に接近可能である。目的のタンパク質(例えば、抗体、酵素またはレセプタータンパク質)は、クロマトグラフィー工程の間、生体特異的リガンド(例えば、抗原、基質、補因子、またはホルモン)に対するその特異的結合親和性を保持し、一方、この混合物中の他の溶質および/またはタンパク質は、このリガンドに感知できるほども特異的にも結合しない。固定化リガンドへの目的のタンパク質の結合によって、夾雑タンパク質またはタンパク質不純物は、クロマトグラフィー媒体を通過し得、その一方で、目的のタンパク質は、固相材料上のこの固定リガンドに特異的に結合したままである。次いで、この特異的に結合した目的のタンパク質は、低いpH、高いpH、高い塩、競合リガンドなどを用いて、この固定リガンドから活性形態で除去され、そして溶出緩衝液(先にカラムを通過した夾雑タンパク質もタンパク質不純物も含まない)を用いてクロマトグラフィーカラムに通される。任意の成分が、そのそれぞれの特異的結合タンパク質(例えば、抗体)を精製するためのリガンドとして使用され得る。
用語「非アフィニティクロマトグラフィー」および「非アフィニティ精製」とは、アフィニティクロマトグラフィーが使用されない精製プロセスをいう。非アフィニティクロマトグラフィーとしては、目的の分子(例えば、タンパク質、例えば、抗体)と固相マトリクスとの間の非特異的相互作用に頼るクロマトグラフィー技術が挙げられる。
用語「特異的結合」とは、本明細書中で使用される場合、目的の分子と固相マトリクスに結合したリガンドとの間の相互作用を記載する場合と同様に、結合部位におけるタンパク質構造およびリガンド構造の空間的相補性と、この結合部位における静電力、水素結合、疎水性力およびファンデルワールス力との組合せ効果による目的のタンパク質とリガンドとの一般的に可逆的な結合をいう。結合部位において、空間的相補性がより大きくなり他の力がより強くなるほど、そのそれぞれのリガンドに対するタンパク質の結合特異性が大きくなる。特異的結合の非限定的な例としては、抗体−抗原結合、酵素−基質結合、酵素−補因子結合、金属イオンのキレート化、DNA結合タンパク質−DNA結合、調節タンパク質−タンパク質相互作用などが挙げられる。理想的には、アフィニティクロマトグラフィー特異的結合は、遊離溶液中約10−4〜10−8Mの親和性で生じる。
用語「非特異的結合」とは、本明細書中で使用される場合、目的の分子と固相マトリクスに結合したリガンドまたは他の化合物との間の相互作用を記載する場合と同様に、相互作用部位における静電力、水素結合、疎水性力および/またはファンデルワールス力による、固相マトリクス上のリガンドまたは化合物への目的のタンパク質の結合(しかし、非構造力の効果を増大しない構造的相補性を欠く)をいう。非特異的相互作用の例としては、静電力、疎水性力およびファンデルワールス力、ならびに水素結合が挙げられるが、これらに限定されない。
「塩」は、酸と塩基の相互作用によって形成される化合物である。本発明で有用な塩としては、酢酸塩(例えば、酢酸ナトリウム)、クエン酸塩(例えば、クエン酸ナトリウム)、塩酸塩(例えば、塩化ナトリウム)、硫酸塩(例えば、硫酸ナトリウム)またはカリウム塩が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書中で使用される場合、「溶媒」とは、1種以上の他の物質を溶解または分散して溶液を提供し得る液体物質をいう。溶媒としては、水性溶媒および有機溶媒が挙げられ、ここで有用な有機溶媒としては、非極性溶媒、エタノール、メタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、ヘキシレングリコール、プロピレングリコールおよび2,2−チオジグリコールが挙げられる。
用語「界面活性剤」とは、例えば以下のようなイオン性界面活性剤および非イオン性界面活性剤をいう:ポリソルベート(例えば、ポリソルベート20または80);ポロキサマー(例えば、ポロキサマー188);Triton;ドデシル硫酸ナトリウム(SDS);ラウリル硫酸ナトリウム;ナトリウムオクチルグリコシド;ラウリル−スルホベタイン、ミリスチル−スルホベタイン、リノレイル−スルホベタインまたはステアリル−スルホベタイン;リノレイル−サルコシン、ミリスチル−サルコシン、リノレイル−サルコシンまたはステアリル−サルコシン;ラウリル−ベタイン、ミリスチル−ベタイン、またはセチル−ベタイン;ラウロアミドプロピル−ベタイン、コカミドプロピル−ベタイン、リノレアミドプロピル−ベタイン、ミリスタミドプロピル−ベタイン、パルミドプロピル−ベタインまたはイソステアラミドプロピル−ベタイン(例えば、ラウロアミドプロピル);ミリスタミドプロピル−ジメチルアミン、パルミドプロピル−ジメチルアミンまたはイソステアラミドプロピル−ジメチルアミン;ナトリウムメチルココイル−タウレートまたは二ナトリウムメチルオレイル−タウレート;ならびにMONAQUATTMシリーズ(Mona Industries,Inc.,Paterson,New Jersey)。有用な界面活性剤は、ポリソルベート(例えば、ポリソルベート20(TWEEN 20(登録商標)またはポリソルベート80(TWEEN 80(登録商標))である。
本明細書中の「ポリマー」は、2種以上のモノマーの共有結合によって形成される分子であり、ここでこれらのモノマーはアミノ酸残基ではない。ポリマーの例としては、ポリエチルグリコール、ポリプロピルグリコールおよびコポリマー(例えば、Pluronics,PF68など)が挙げられる。有用なポリマーは、ポリエチレングリコール(PEG)(例えば、PEG400およびPEG8000)である。
用語「イオン交換」および「イオン交換クロマトグラフィー」とは、混合物中の目的の溶質(例えば、タンパク質)が、固相イオン交換材料に(例えば、共有結合によって)結合した荷電化合物と相互作用し、その結果、この目的の溶質が、この混合物中のこの荷電化合物、より少ない溶質不純物または夾雑物と非特異的に相互作用する、クロマトグラフィープロセスをいう。この混合物中の夾雑溶質は、イオン交換材料のカラムから、目的の溶質よりも速くまたは遅く溶出するか、あるいは目的の溶質と比較して、この樹脂に結合するかまたはこの樹脂から除去される。「イオン交換クロマトグラフィー」としては、特に、カチオン交換クロマトグラフィー、アニオン交換クロマトグラフィーおよび混合様式クロマトグラフィーが挙げられる。
成句「イオン交換材料」とは、負に荷電した(すなわち、カチオン交換樹脂)または正に荷電した(すなわち、アニオン交換樹脂)固相をいう。電荷は、1種以上の荷電したリガンドを、例えば、共有結合によって固相に結合することによって提供され得る。あるいは、またはさらに、この電荷は、固相の固有の特性であり得る(すなわち、シリカの場合、これは全体として負電荷を有する)。
「固相」とは、1種以上の荷電したリガンドが接着され得る非水性マトリクスを意味する。固相は、精製カラム、異なる粒子の不連続相、膜またはフィルターなどであり得る。固相を形成するための材料の例としては、ポリサッカリド(例えば、アガロースおよびセルロース);および他の機械的に安定な材料(例えば、シリカ(例えば、制御細孔ガラス)、ポリ(スチレンジビニル)ベンゼン、ポリアクリルアミド、セラミック粒子および上記のもののいずれかの誘導体)が挙げられる。
「カチオン交換樹脂」とは、負に荷電し、従って、固相を超えるかまたは通った水溶液中のカチオンと交換されるための遊離カチオンを有する固相をいう。カチオン交換樹脂を形成するための固相に結合された負に荷電したリガンドは、例えば、カルボキシレートまたはスルホネートであり得る。市販のカチオン交換樹脂としては、カルボキシ−メチル−セルロース、アガロースゲルに固定化されたスルホプロピル(SP)(例えば、Pharmaciaから入手されるSP−SEPHAROSE FAST FLOWTMまたはSP−SEPHAROSE HIGH PERFORMANCETM)およびアガロースに固定化されたスルホニル(例えば、Pharmaciaから入手されるS−SEPHAROSE FAST FLOWTM)が挙げられる。「混合モードのイオン交換樹脂」とは、カチオン、アニオンおよび疎水性部分と共有結合的に改変される固相をいう。市販の混合モードのイオン交換樹脂は、BAKERBOND ABXTM(J.T.Baker,Phillipsburg,NJ)であり、これとしては、シリカゲル固相支持マトリクスに結合した、弱イオン交換基、低濃度のアニオン交換基および疎水性リガンドを含む。
本明細書中で使用される場合、用語「アニオン交換樹脂」とは、正に荷電された(例えば、1つ以上の正に荷電したリガンド、例えば、固相に結合した四級化アミノ基を有する)固相をいう。市販のアニオン交換樹脂としては、DEAEセファロース、QAE SEPHADEXTMおよびFAST Q SEPHAROSETM(Pharmacia)が挙げられる。
「緩衝液」は、その酸塩基共役成分の作用によるpHの変化に耐える溶液である。例えば、緩衝液の所望のpHに依存して利用され得る種々の緩衝液は、Buffers.A Guide for the Preparation and Use of Buffers in Biological Systems,Gueffroy,D.,ed.Calbiochem Corporation(1975)に記載される。1つの実施形態において、緩衝液は、約2〜約9、あるいは約3〜約8、あるいは約4〜約7、あるいは約5〜約7の範囲のpHを有する。この範囲でpHを制御する緩衝液の非限定的な例としては、MES、MOPS、MOPSO、Tris、HEPES、リン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、およびアンモニウム緩衝液ならびにそれらの組み合せが挙げられる。
「ローディング緩衝液」は、目的のポリペプチド分子および1つ以上の不純物を含む組成物を、イオン交換樹脂にロードするのに使用される緩衝液である。ローディング緩衝液は、目的のポリペプチド分子(および一般的に1つ以上の不純物)が、イオン交換樹脂に結合されるか、または不純物が樹脂に結合する間に、目的のタンパク質がカラムを通って流れるような、伝導性および/またはpHを有する。
「中間緩衝液(intermediate buffer)」は、目的のポリペプチド分子を溶出する前に、イオン交換樹脂から1つ以上の不純物を溶出するのに使用される。中間緩衝液の伝導性および/またはpHは、1つ以上の不純物がイオン交換樹脂から溶出されるが、有意な量の目的のポリペプチドを溶出しない伝導性および/またはpHである。
本明細書中に使用される場合、用語「洗浄緩衝液」とは、目的のポリペプチド分子を溶出する前に、イオン交換樹脂を洗浄し、再平衡化するために使用される緩衝液である。好都合なことに、洗浄緩衝液およびローディング緩衝液は、同じであり得るが、かならずしもそうであるわけではない。
「溶出緩衝液」は、固相から目的のポリペプチドを溶出するために使用される。溶出緩衝液の伝導性および/またはpHは、目的のポリペプチドがイオン交換樹脂から溶出されるような伝導性および/またはpHである。
「再生緩衝液」は、イオン交換樹脂が再利用されるように、イオン交換樹脂を再生するために使用される。再生緩衝液は、実質的に全ての不純物および目的のポリペプチドをイオン交換樹脂から除去するのに必要とされるような伝導性および/またはpHを有する。
用語「伝導性」とは、2つの電極間の電流を伝導する水溶液の能力をいう。溶液において、電流は、イオン輸送によって流れる。従って、水溶液中に存在するイオンの量が増加すると、溶液はより高い伝導性を有する。伝導性測定の単位は、1センチメートルあたりのミリセイメン(milliSeimen)(mS/cm)であり、そして例えば、Orionによって販売される伝導性メーターを使用して測定され得る。溶液の伝導性は、溶液中のイオン濃度を変更することによって改変され得る。例えば、溶液中の緩衝剤濃度および/または塩濃度(例えばNaClまたはKCl)は、所望の伝導性を達成するために改変され得る。好ましくは、種々の緩衝液の塩濃度は、以下の実施例のように所望の伝導性を達成するように改変される。
ポリペプチドの「pI」または「等電点」とは、ポリペプチドの正荷電が、その負荷電の平衡を保つpHをいう。pIは、ポリペプチドの結合した炭水化物のアミノ酸残基またはシアル酸残基の正味の荷電から計算され得るか、または等電点電気泳動によって決定され得る。
イオン交換材料に分子を「結合すること」は、分子が、分子とイオン交換材料の電荷基との間のイオン相互作用の効力によってイオン交換材料中またはイオン交換材料上に可逆的に固定化されるように、適切な条件(pH/伝導性)下でイオン交換材料に分子を曝露することが意味される。
イオン交換材料を「洗浄する」とは、適切な緩衝液をイオン交換材料に通るかまたは超すことが意味される。
イオン交換材料から分子(例えば、ポリペプチドまたは不純物)を「溶出する」ために、緩衝液が、イオン交換材料上の荷電部位の分子と競合するように、イオン交換材料を取り囲む緩衝液のイオン強度を改変することによってイオン交換材料から分子を除去することが意味される。
本明細書中で使用される場合、「濾液」とは、濾過膜を通るサンプル部分をいう。
本明細書中で使用される場合、「保持物(retentate)」とは、濾過膜によって実質的に保持されるサンプル部分をいう。
接線流濾過、すなわち「TFF」、または直交流型濾過とは、サンプル混合物が、適用された圧力が、特定の溶質および低分子を膜に通す間に、膜の上部を横切って循環する濾過プロセスをいう。代表的に、溶液は、濾過膜に平行に流れる。膜を横切る圧力差は、流体および濾過可能溶質を、フィルターに通させる。フィルターを通る流体が、分離循環に連続的に落とされる間、溶液が膜を繰り返し通るので、これは、連続流プロセスとして行われる。
「高速接線流濾過」すなわち「HPTFF」とは、フラックス対膜貫通圧曲線で、膜貫通圧の5%〜100%のフラックスで行われるTFFをいう(例えば、van Reis,R.米国特許第5,256,694号;米国特許第4,490,937号;および米国特許第6,054,051号を参照のこと)。
本明細書中に使用される場合、「溶解性不純物」とは、所望のプラスミドDNAが含まれる混合物の全ての所望でない成分をいい、これらとしては以下が挙げられる:染色体DNA、宿主タンパク質、細胞片、分泌された宿主細胞タンパク質(細胞膜片を含む)、炭水化物、小さく分解されたヌクレオチド、宿主RNA、リポ多糖など。
「セルロース膜」とは、セルロースがDグルコースの単位を繰り返すセルロースポリマーをいう。グルコースモノマーの第一級アルコール基は、荷電した化合物が共有結合される膜上に反応性種を提供する。
「CRC膜」とは、微小孔基板上にセルロースを編み込み(cast)、平均孔サイズを制御し、そしてセルロースシート中の欠損の数を制限することによって調製された複合再生セルロース膜を言う。
「荷電化合物」とは、濾過膜に連結された化合物をいい、ここで、化合物は、タンパク質の混合物からタンパク質を分離するのに使用される条件下で、正の電荷または負の電荷を有する部分を含む。本発明に従って、荷電化合物は、荷電化合物が膜の表面から突き出るように膜と荷電部分との間にリンカーアームをさらに含み得る。荷電化合物が孔の管腔中に孔の表面から突き出る場合、荷電化合物は、孔の有効サイズを改変し、そして膜の孔サイズ分布を改変する。
「反応性荷電化合物」とは、反応性荷電化合物が、膜反応性荷電化合物反応を促進する反応性部分をなお維持するような、膜に連結する前の荷電化合物をいう。例えば、荷電化合物が、セルロース膜に共有結合したプロピルトリメチルアンモニウムイオンである場合、反応性荷電化合物は、臭化ブロモプロピルトリメチルアンモニウムであり得る。共有結合は、セルロースマトリクスの第一級アルコールによってアルキルブロミンの求核置換に関する。
「リンカーアーム」とは、濾過膜の表面上の反応基と反応するか、反応された一部と、荷電部分との間の荷電化合物分子の一部をいう。好ましくは、リンカーアームは、原子または膜サブユニットの鎖であり、この鎖は、膜に荷電化合物を共有結合するのに使用される反応条件に対して不活性であり、タンパク質を分離する間に使用される水性条件に対してさらに不活性である。リンカーアームとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:1〜12の炭素原子のアルキル鎖、1〜15の糖部分の炭水化物鎖(例えば、リボースおよびデオキシリボースを含む)、1〜15糖部分のデキストラン鎖、1〜25アミノ酸のアミノ酸鎖、および1〜25繰り返し単位の他のポリマー(例えば、膜自体を製造するのに使用されるポリマー)。荷電化合物がリンカーアームとしてアミノ酸鎖を含み、そして荷電部分が鎖の末端アミノ酸である場合、末端アミノ酸の側鎖は、好ましくは、荷電側鎖である。
「シービング(sieving)」とは、供給された溶液(膜の上流(upstream)にある)中の特定の溶質の濃度に対する濾液(膜の下流(downstream)にある)中の同じ溶質の濃度の比をいう(ZemanおよびZydney,前出,p.308を参照のこと)。一般的に高いシービング値は、溶質が膜を容易に通ることを示唆するが、低いシービング値は、溶質が膜によって大部分が維持されることを示唆する。膜の上部で溶質を維持することが所望される場合、減少したシービング係数が好ましい。
「透過性」とは、膜を通って落ちる正味の圧力で割った濾過率をいう。従って透過性は、膜耐性の逆数である。膜透過性は、孔サイズ分布、空隙率(孔密度)、膜厚および溶媒粘性によって主に決定される。一般的に、透過性が増大すると、シービングが増大する。シービングが、膜への荷電化合物の添加に起因して改善される場合、シービングの改善は、荷電膜と実質的に同じ透過性を有するが、荷電化合物を欠損する膜に関連する改善である。従って、荷電溶質(例えば、タンパク質)が類似の荷電膜(like−charged membrane)によって保持されるので、改善がシービングの減少である場合、シービングは、匹敵したまたは実質的に同じ透過性での減少である。従って、濾過率が維持されるが、膜の選択性が改善される。
「孔サイズ分布」とは、基本的に、実際の半径(R)、確率密度関数として表されるほとんどの理論的半径(r)を有する、孔の数をいう。(Zeman,L.J.およびZydney,A.L.,前出,p.299−301を参照のこと)。実際の孔半径の標準偏差が増大するにつれて、孔サイズ分布が増大する。狭い孔サイズ分布は、理論値からの孔の標準偏差の減少を生じる。このことは、例えば、大きな孔のいくつかのサイズが、荷電膜の大きな孔への荷電化合物の添加によって減少される場合に、達成される。液体−液体の孔侵入の原理は、孔サイズ分布の測定に有用である(R.van ReisおよびA.L.Zydney,前記,p.2201を参照のこと)。この原理に従って、2つの非常に混合できない液体(例えば、硫酸塩の溶液とポリ(エチレングリコール))は、平衡分配を達成するために混合を介して接触される。試験される膜は、1つの液体で刺激され、その結果、全ての孔を満たす。供給チャネルから液を流した後に、第2の液体が、システム中に導入される。次いで、第1の流体が、第2の流体によって孔の外側に置きかえられ、そして流速は、膜貫通圧の関数として測定される。得られたデータは、孔サイズ分布に対する情報を提供し、そして通常の分子量カットオフと相関し得る(R.van ReisおよびA.L.Zydney,前出,p.2201を参照のこと)。
膜電荷またはタンパク質電荷をいう場合、「正味の電荷」は、優位な正または優位な負である電荷を意味するが、他に記載されない限り、膜またはタンパク質に対する正電荷の数対負電荷の数の特定をいわない。同様に、「類似の電荷(like charge)」または「同じ電荷」とは、所定の電荷(正電荷または負電荷)を有するタンパク質が所定の電荷(正電荷または負電荷のいずれか)を有する他の膜またはタンパク質と比較される状態をいう。
「処置」とは、治療的処置および予防的(prophylactic)手段または予防的(preventative)手段の両方をいう。処置を必要とする人々は、障害をすでに有する人々、ならびに障害が予防されるべき人々を含む。
「障害」は、本明細書に記載されるように精製されたポリペプチドを用いての処置から利益を得る任意の状態である。これは、慢性および急性の障害または疾患(問題の障害に対して哺乳動物を前もって処置する病理学的状態を含む)が挙げられる。
本明細書中で使用される場合、語「標識」とは、ポリペプチドに直接的または間接的に結合体化する検出可能な化合物または組成物をいう。標識は、それ自体で検出可能であり得るか(例えば、放射標識または蛍光標識)、または酵素標識の場合、検出可能な基質化合物または組成物の化学変化を触媒し得る。
(B.本発明を実行するための様式)
(1、タンパク質精製)
タンパク質ベースの薬学的産物の製造者は、厳密な監督標準(regulatory standard)(非常にストリンジェントな純度の要求を含む)と適合しなければならない。安全を保証するために、監督官庁(例えば、Food and Drug Administration:FDA)は、タンパク質ベースの医薬(組換えDNA技術よって生成される医薬を含む)が、不純物(宿主細胞タンパク質、ウイルス、DNA、外毒素、凝集体、フラグメントおよび組換えタンパク質の改変体など)を実質的に含まないことを必要とする。種々のタンパク質精製プロトコルが利用可能であり、医薬産業に広範に使用されるが、精製の必要とされる程度に達するために、代表的に、アフィニティ精製(例えば、抗体の場合、プロテインA精製)を含む。本明細書中の上記に示されるように、プロテインAアフィニティは、99.5%以上の不純物を除去するが、この利点は費用がかかる。プロテインAは、非アフィニティ媒体の価格よりも有意に高く、そしてプロテインAベースの精製方法は、しばしば、樹脂の安定性、洗浄可能性(cleanability)および寿命、リガンド漏出ならびに精製された産物に混入するプロテインA残渣の潜在的な免疫原性に関連する問題が生じる。
本発明は、アフィニティクロマトグラフィー工程を含まないプロトコルによる、タンパク質、特に組換えタンパク質の精製に関する。詳細には、本発明は、アフィニティクロマトグラフィーを含まない工程による(組換え)タンパク質(抗体が挙げられるが、これに限定されない)の、ヒト治療において精製タンパク質の直接的な使用を可能にする程度までの精製方法を提供し、それによって、アフィニティクロマトグラフィー工程ならびに、治療タンパク質を濃縮し、そして処方するのに必要な最終限外濾過、ダイアフィルトレーションの頻度を、費用的に削減する。
本発明は、実験的な知見を基礎とし、この実験的な知見は、組換えタンパク質がアフィニティクロマトグラフィーを利用しない精製スキームによって、アフィニティクロマトグラフィー工程を組み込んだプロセスと同じ適度まで、宿主細胞タンパク質を含む混合物から精製され得ることを証明する。特に、3工程の非アフィニティ精製プロセス(2回の非アフィニティクロマトグラフィー工程、次いで最後の工程で高速接線流濾過(HPTFF)を包含する)は、100万あたり100部(ppm)未満の量で宿主細胞不純物を含む高純度産物を得ることができることが見出された。
本明細書中に記載される方法を使用して精製されるタンパク質は、一般的に、組換え技術を使用して生産される。組換えタンパク質を生産する方法は、以下に記載される:例えば、米国特許第5,534,615号および同第4,816,567号(特に本明細書中に参考として援用される)。好ましい実施形態において、目的にタンパク質は、CHO細胞中で生産される(例えば、WO 94/11026を参照のこと)。本明細書中に記載されるプロセスを使用して精製され得るタンパク質の例としては、上記される。
組換え技術を使用する場合、タンパク質は、細胞内(細胞膜周辺腔)中で生産され得るか、または培地中に直接分泌され得る。第1の工程で、タンパク質が細胞内に生産される場合、粒子片(宿主細胞または溶解したフラグメントのいずれか)は、例えば、遠心分離または濾過によって除去される。タンパク質が培地中に分泌される場合、組換え宿主細胞は、例えば、平行流濾過によって細胞培養培地から分離され得る。
一旦、目的のタンパク質を含む混合物が得られると、細胞によって生産された他のタンパク質からのその分離は、たいてい、異なるクロマトグラフィー技術の組み合せを使用して行われる。これらの技術は、これらの電荷、疎水性の程度またはサイズに基づいてタンパク質の混合物を分離する。種々の異なるクロマトグラフィー樹脂は、これらの技術の各々に利用可能であり、関連する特定のタンパク質に対する精製スキームの正確な仕立てを可能にする。これらの分離方法の各々の本質は、タンパク質が長いカラムに下へ異なる速度で移動し、カラムの下へとさらに通るにつれて増加した物理的分離を達成するか、または、分離媒体に選択的に接着し、異なる緩衝液で別々に溶出されるかのいずれかを引き起こし得ることである。いくつかの場合において、不純物がカラムに特異的に吸着し、そして目的のタンパク質が特異的に吸着しない(すなわち、目的にタンパク質不純物が「フロー−スルー」に存在しない)場合、所望のタンパク質は、不純物から分離される。
上記されるように、本発明に従って、タンパク質は、1回または2回の非アフィニティ精製工程、次いでHPTFFによって100ppm未満の宿主細胞タンパク質の存在によって特徴づけられる程度まで精製され得る。非アフィニティ精製工程は、非アフィニティクロマトグラフィーに基づき得るか、または非クロマトグラフィー精製技術を含み得る。
例示的な非アフィニティクロマトグラフィー精製工程としては、以下が挙げられる:ハイドロキシアパタイトクロマトグラフィー;疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC);逆相HPLC;シリカゲルクロマトグラフィー;ロマトフォーカシング;ならびにゲル濾過;カチオン交換(例えば、SP−Sepharose)クロマトグラフィー;アニオン交換(例えば、Q−Sepharose)クロマトグラフィー、混合様式クロマトグラフィー(例えば、ABx)および疎水性電荷誘導クロマトグラフィー。
例示的な非アフィニティ、非クロマトグラフィー精製工程としては、以下が挙げられる:透析;硫酸アンモニウム沈殿;およびエタノール沈殿。
好ましい実施形態において、本発明のプロセスは、2回のクロマトグラフィー非アフィニティ分離工程、次いでHPTFF、必要に応じて荷電膜HPTFFを包含する。別の好ましい実施形態において、クロマトグラフィー非アフィニティ分離工程は、カチオン交換クロマトグラフィー、アニオン交換クロマトグラフィー、混合様式イオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)および疎水性荷電誘導クロマトグラフィー(HCI)から選択される。別の好ましい実施形態において、順に、精製プロトコルは、(1)カチオン交換クロマトグラフィー、(2)アニオン交換クロマトグラフィーおよび(3)HPTFFの工程を包含し、いずれのアフィニティ精製工程も存在せず、そして好ましくはいずれの種類のさらなる精製工程をも含まない。
イオン交換クロマトグラフィーは、タンパク質の精製のために一般に使用されるクロマトグラフィー技術である。イオン交換クロマトグラフィーでは、周囲の緩衝液のイオン強度が低い場合に、溶質表面上の帯電パッチが、クロマトグラフィーマトリクスに取り付けられた反対の電荷によって引きつけられる。溶出は、一般的に、緩衝液のイオン強度(すなわち導電性)を増大させて、イオン交換マトリクスの荷電部位について溶質を競合することによって、達成される。pHを変化させること、およびそれによって溶質の電荷を変化させることが、溶質の溶出を達成する別の方法である。導電性またはpHの変化は、勾配的(勾配溶出)であり得るし、または段階的(段階溶出)であり得る。過去において、これらの変化は、進行性であった;すなわち、pHまたは導電性は、一方向的に増大または減少させられる。
組換え宿主細胞に由来する不純な調製物を、ローディング緩衝液(平衡化緩衝液と同じ)を使用して、平衡化されたクロマトグラフィー固相マトリクス上にロードする。この不純な調製物が、固相を通って流れる際に、タンパク質および他の不純物(例えば、タンパク質が、CHO細胞で生産される場合には、チャイニーズハムスター卵巣タンパク質である(CHOP))が、固相に差次的に結合し、それによって、タンパク質がクロマトグラフィーカラムを通過する際に、分離がもたらされる。
緩衝液、塩、および/または緩衝液組成物中の他の化合物の量および種類は、組合せた量が、タンパク質不純物(単数または複数)を目的のタンパク質から差次的に溶出する(この場合、目的のタンパク質が、不純物より保持され得るか、または、不純物が、目的のタンパク質より保持され得る)ようにされる。本発明を実施するために有用な緩衝塩および他の添加物としては、緩衝塩(例えば、酢酸塩、クエン酸塩、ヒスチジン、リン酸塩、酢酸アンモニウム、MES、CHAPS、MOPSO、トリスなど);緩衝液のイオン強度を調節するための塩(例えば、塩化ナトリウムおよび塩化カリウム);および他の添加物(例えば、アミノ酸(例えば、グリシンおよびヒスチジン)、カオトロープ(chaotrope)(例えば、尿素)、アルコール(例えば、エタノール、マンニトール、グリセロール、およびベンジルアルコール)、界面活性剤(例えば、TweenTMおよびC12E8)、ならびに糖(例えば、スクロース、マンニトール、マルトース、トレハロース、グルコース、およびフルクトース))が挙げられるが、これらに限定されない。任意のこれらの緩衝剤および添加物、ならびに使用されるその濃度のいずれも、実施するクロマトグラフィーの種類に従って変動し得、これらの緩衝剤および添加物の組成ならびに濃度は、標準的な方法によって容易に決定される。
溶出のためのpHまたはpH範囲は、目的のタンパク質ならびに実施するクロマトグラフィーおよびHPTFFの種類に従って決定されるが、溶出緩衝液のpHは、約2〜約9、あるいは約3〜約8、約4〜約8、または約5〜約8であり得る。ローディング緩衝液、洗浄緩衝液、または溶出緩衝液に適切なpHは、目的のタンパク質が、活性形態に回復するように、標準的な方法によって容易に決定される。この目的のための溶出緩衝液の例としては、クエン酸緩衝液または酢酸塩緩衝液が挙げられる。
ローディング緩衝液、洗浄緩衝液、または溶出緩衝液のイオン強度またはイオン強度範囲は、目的のタンパク質ならびに実施するクロマトグラフィーおよび実施するHPTFF方法のための透析濾過緩衝液の種類に従って決定されるが、緩衝液のイオン強度(例えば、導電性として測定される)は、約0.2〜20mS/cm、あるいは約0.2〜8mS/cm、約0.2〜6mS/cm、約0.2〜4mS/cm、約0.2〜2mS/cm、または約1〜2mS/cmであり得る。緩衝液のための適切なイオン強度範囲は、目的のタンパク質が、活性形態に回復するように、標準的な方法によって容易に決定される。
カチオン交換クロマトグラフィー工程は、代表的には、宿主細胞のタンパク質(例えば、CHOP(タンパク質が、CHO細胞で生産された場合))および改変体、分解生成物、および精製されるべきタンパク質の凝集物)の少なくとも一部を除去する。カチオン交換クロマトグラフィー工程はさらに、残りの宿主細胞のタンパク質(例えば、CHOP、バリアント、分解産物、および精製されるべきタンパク質の凝集物)からタンパク質を精製するし、また内毒素およびDNA不純物からもタンパク質を精製する。
非アフィニティクロマトグラフィーまたは他の非−アフィニティ精製に続いて、溶出した目的のタンパク質をHPTFFにかける。HPTFFは、大きさおよび電荷の両方に基づいて選択的に溶質を分離する2次元単位の操作である。HPTFFは、最近の開発のいくつかを用いることにより、効果的なタンパク質精製に必要とされる高い選択性を提供することができる。最初に、従来の膜過程と異なって、HPTFFは、付着物を最小化するための条件のもと、圧力依存性の体制で操作され、濃度分極を利用し、均一な流れおよび分離モジュールを通しての膜貫通の圧力を保つことにより、分離を最適化する(van Reis,R.,米国特許第5,256,694号;米国特許第5,490,937号;および米国特許第6,054,051号,前出)。混合液における異なる種類の有効体積の差異を最大化するために、濾過緩衝液pHおよびイオン強度を制御することで、分離選択性は改善され得る(van Reisら(2001)前出;van Reisら(1997),前出;およびSaksena,S.およびZydney,A.L.,Biotechnol.Bioeng.43:960−968(1994))。加えて、膜電荷は、同様の電荷を持つ全ての種の静電気排除を高めるために、改変され得る。従って、陽電荷膜は陽電化タンパク質を、同じような細孔の大きさの陰電化の膜よりも激しく拒絶する(van Reisら(2001),前出;Nakao,S.ら,Desalination 70:191〜205(1998);およびvan Reisら,J.Membr.Sci.159:133〜142(1999))。さらに、HPTFFにおけるタンパク質分離は、膜を通して濾液が除かれるのに伴って、供給レザバに新しい緩衝液を同時に添加することにより、不純物(または生成物)が保持溶液から洗い出されるダイアフィルトレーションモードの使用によって達成される。この緩衝液添加は、分離を通して、保持溶液中の適切なタンパク質濃度を保つ。ダイアフィルトレーションはまた、濾液中の不純物の継続した除去により、膜の選択性よりも高い保持溶液中に収集される生成物についての、精製因子を獲得することを可能にする(van Reisら(2001),前出;およびvan Reis,R.およびSaksena,S.,J.Membr.Sci.129:19〜29(1997))。
タンパク質の分離に有用なHPTFF濾過膜は、産業規模および研究室規模での限界濾過(UF)のための人工の選択性障壁(おおくの場合、重合体)である(Leos J.ZemanおよびAndrew L.Zydney,「Microfiltration and Ultrafiltration:Principles and Applications」,1996,Marcel Dekker,Inc.,p.3を参照)。これらプロセスにおいて、特定の供給の流れの構成成分(例えば、タンパク質)は、膜の孔を、濾液へと通過する。一方、一般的にはさらに大きい他のタンパク質、または構成成分は、膜によって保持溶液中に、保持される(ZemanおよびZydney,前出,p3)。
タンパク質限界濾過は、タンパク質溶液の濃縮または精製に使用される圧力駆動膜工程である(Robert van ReisおよびAndrew L. Zydney,.「Protein Ultrafiltration」in Encyclopedia of Bioprocess Technology:Fermentation,Biocatalysis,and Bioseparation,M.C.FlickingerおよびS.W.Drew,編,John Wiley&Sons,Inc.(1999),p.2197)。UF膜は代表的に、平均10〜500オングストローム(これは逆浸透膜の平均孔サイズとマイクロ濾過膜の平均孔サイズの間である)の平均孔サイズを持つ。限界濾過は所定の圧力駆動力に応答して、異なる構成要素が膜を通過する濾過の速度における差異に基づいて溶質を分離する(R. ¥van ReisおよびA.L.Zydney,前出、p2197)。溶質の濾過割合、およびこのような膜の選択性は熱力学的相互作用および水力学的相互作用の両者により決定される(R.van ReisおよびA.L.Zydney,前出、p2197)。限界濾過は、タンパク質濃縮、緩衝液の交換および脱塩、タンパク質精製、ウイルス排除、および浄化のための下流のプロセスにおいて、よく使用される(R.van ReisおよびA.L.Zydney,前出、p2197)。
HPTFFの使用によって、所望のタンパク質が相対的な濾過の速度に依存して、保持液または濾液のどちらかに収集される(R.van ReisおよびA.L.Zydney,前出、p.2197)。HPTFFは、上で記述した半透膜を使用して、同じような大きさのタンパク質の分離に利用される(例えとして、R.van Reisら.,Biotech.Bioeng.56:71〜82(1997)およびR.van Reisら,J.Memb.Sci.159:133〜142(1999))。付着物を最小化するため、および濃度分極の効果を利用するために、HPTFFは、ろ液の流れおよび流体力学デバイスの制御により高い選択性を達成している(R.van Reisら.,J.Memb.Sci.159:133〜142(1999))。
HPTFFの性能は、プロセスの収率および精製因子を最適化するのに使用される、2つのパラメータ(選択性および処理能力)により評価され得る(van ReisおよびSaksena,前出,1997;van Reisら,前出 1999)。選択性は、観察される透過性溶液および保持溶液のふるい係数の比として定義される。本発明のHPTFFの適用は、標的タンパク質の保持および、HCPのふるい、または不純物を基本としているので、選択性は以下のように記述される:
Figure 2005524092
ここでは、ふるい係数は微小な比であると、定義されている。
Figure 2005524092
filtrateおよびCfeedは濾液(filtrate)および供給ライン(feed line)における溶質濃度である。
処理能力は、濾液の流れ、および透過する溶質と保持される溶質との間でのふるいの差の積として定義される。
Figure 2005524092
他の計算工程のパラメータは一定の体積のダイアフィルトレーションの間の、保持収率である。この収率は、以下のように表される:
Figure 2005524092
ここでは、Nは完全容量の数に相当し、Sは考えられている溶質のふるいに相当する。
HPTFF精製工程のさらなる詳細は下の実施例において提供される。
本発明の工程によるタンパク質精製の好ましい測定は、宿主細胞タンパク質の不純物(例えば、精製される組換えタンパク質がCHO細胞で産生されている場合、CHOP不純物)の測定である。精製されたタンパク質は、好ましくは100未満の、さらに好ましくは90未満の、80未満の、70未満の、60未満の、50未満の、40未満の、30未満の、20未満の、10未満の、5ppm未満の,または3ppm未満の宿主細胞タンパク質(例えば、CHOP)を含むべきであり、ここでppm値が上記のように算出される。
こうして、回収されたタンパク質は薬学的に受容可能なキャリア中で処方され得る。また回収されたタンパク質は種々の診断、治療または、このような分子に対して知られている他の用途に使用される。
2.抗体
本発明に従って精製されるのに、好ましいタンパク質は、抗体である。特に、以下の実施例において記述されているように、組換えヒト化モノクローナル抗体(RhuMAb)精製のために、RhuMAbを発現するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞からの、調整されたHarvested Cell Culture Fluid(HCCF)が、最初のカチオン交換カラム(SP−Sepharose Fast Flow Resin,Amersham Biiosciences;(S))上に装填された。Sカラムから収集された物質(S プール(pool))は、SP−セファロースカラムから回収され、調製され、それから、アニオン交換カラム上に装填された(Q−Sepharose Fast Flow樹脂,Amersham Biosciences;(Q))。アニオン交換カラム(例えばQカラム、それぞれのQプール(pool))から収集された物質は、HPTFFによりさらに精製された。
本発明の範囲における抗体としては、以下抗体が挙げられるがこれらに限定されない:
Trastuzumabを含む抗HER2抗体(HERCEPTIN(登録商標))(Carterら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89:4285〜4289(1992)、米国特許第5,725,856号);抗CD20抗体(例えば、米国特許第5,736,137号中のキメラ抗CD20「C2B8」(RITUXAN(登録商標))、米国特許第5,721,108、B1号中の2H7抗体のキメラまたはヒト化改変体、すなわちTositumomab(BEXXAR(登録商標)));抗IL−8(St Johnら, Chest,103:932(1993),および国際公報第WO95/23865号);抗VEGF抗体(例えば、ヒト化抗VEGF抗体であるhuA4.6.1 AVASTIN(登録商標)のようなヒト化および/または親和性成熟化抗VEGF抗体)(Kimら,Growth Factors,7:53〜64(1992),国際公報第WO 96/30046号および1998年10月15日に公開された同第WO 98/45331号、);抗PSCA抗体(WO01/40309);抗CD40抗体(抗CD40抗体のS2C6およびヒト化改変体(WO00/75348)を含む;抗CD11a(米国特許第5,622,700号,WO98/23761、Steppeら,Transplant Intl.4:3〜7(1991)、およびHourmantら,Transplantation 58:377〜380(1994));抗IgE(Prestaら、J.Immunol.151:2623〜2632(1993)および国際公報第WO95/19181号);抗CD18(米国特許第5,622,700号(1997年、4月22日発行)、またはWO97/26912(1997年7月31日公開)中、);抗IgE(E25,E26およびE27を含む;米国特許第5,714,338号(1998年2月3日発行)、または米国特許第5,091,313号(1992年2月25日発行)、WO93/04173(1993年3月4日発行)または、国際出願番号PCT/US98/13410,(1998年6月30日に出願)、米国特許第5,714,338号);抗Apo−2レセプター抗体(WO98/51793(1998年11月19日公開));抗TNF−α抗体(cA2,REMICADE(登録商標)CDP571およびMAK−195を含む(米国特許第5,672,347号(1997年9月30日発行)Lorenzら,J.Immunol.156(4):1646〜1653(1996)、およびDhainautら、Crit.Care Med.23(9):1461〜1469(1995)を参照);抗組織因子(TF)(欧州特許第0 420 937 B1号、(1994年11月9日認可));抗ヒトαβインテグリン(WO98/06348(1998年2月19日公開));抗EGFR(WO96/40210(1996年12月19日公開)中のようなキメラ化225抗体またはヒト化225抗体);抗CD3抗体(例えば、OKT3(米国特許第4,514,893号(1985年5月7日発行));抗CD25または、抗tac抗体(例えば、CHI−621(SIMULECT(登録商標))および(ZENAPAX(登録商標))(米国特許第5,693,762号(1997年12月2日発行));抗CD4抗体(例えば、cM−7412抗体(Choyら、Arthritis Rheum 39(1):52〜56(1996));抗CD52抗体(例えば、CAPATH−1H(Riechmanら,Nature 332:323〜337(1988));抗Fcレセプター抗体(例えば、Grazianoら、J.Immunol.155(10):4996〜5002(1995)中のようなFcγRIに対するM22抗体);抗癌胎児性抗原(CEA)抗体(例えば、hMN−14(Sharkeyら,Cancer Res.55(23Suppl):5935s〜5945s(1995));胸部上皮細胞に対する抗体(huBrE−3,hu−Mc3およびCHL6を含む(Cerianiら,Canacer Res.55(23):5852s〜5856s(1995);ならびにRichmanら,Cancer Res.55(23 Supp):5916s〜5920s(1995));大腸癌細胞に結合する抗体(例えば、C242(Littonら Eur J.Immunol. 26(1):1〜9(1996));抗CD38抗体(例えば、AT13/5(Eliisら,J.Immunol.155(2):925〜937(1995));抗CD33抗体(例えば、HuM195(Jurcicら、Cancer Res 55(23 Suppl):5908s〜5910s(1995)およびCMA−676またはCDP771);抗CD22抗体(例えば、LL2またはLymphoCide(Juweidら,Cancer Res 55(23 Suppl):5899s〜5907s(1995));抗EpCAM抗体(例えば、17−1A(PANOREX(登録商標));抗GpIIb/IIIa抗体(例えば、アブシキシマブ(abciximab)またはc7E3Fab(REOPRO(登録商標));抗RSV抗体(例えば、MEDI−493(SYNAGIS(登録商標));抗CMV抗体(例えばPROTOVIR(登録商標));抗HIV抗体(例えば、PRO542);抗肝炎抗体(例えば、抗Hep B抗体(OSTAVIR(登録商標));抗CA125抗体(OvaRex);抗イディオタイプGD3抗原決定基抗体(BEC2);抗αvβ3抗体(VITAXIN(登録商標));抗ヒト腎臓細胞癌抗体(例えば、ch−G250);ING−1;抗ヒト17−1A抗体(3622W94);抗ヒト結腸直腸腫瘍抗体(A33);GD3ガングリオシドに対して方向付けられた抗ヒト黒色腫抗体(R24);抗ヒト扁平上皮細胞癌(SF−25);ならびに抗ヒト白血球抗原(HLA)抗体(例えば、SmartID10および抗HLA DR抗体(Oncolym(Lym−1))。本明細書中での抗体に対する好ましい標的抗原は:HER2レセプター、VEGF、IgE、CD20、CD11a,およびCD40である。
上で具体的に同定した抗体のほかに、当業者は、(例えば、以下に記述する技術を使用して)目的の抗原に対する抗体を作成し得る。
(a)抗原の選択および調製
本明細書中の抗体は、目的の抗原に対するものである。好ましくは、抗原は、生物学的に重要なポリペプチドであり、疾患または傷害を羅患する哺乳動物への抗体投与が、その哺乳動物に治療的利益をもたらし得る。しかし、非ポリペプチド抗原(例えば、腫瘍関連の糖脂質抗原;米国特許第5,091,178号を参照)に対する抗体もまた、意図される。抗原がポリペプチドの場合、そのポリペプチドは、膜貫通分子(例えば、レセプター)または成長因子のようなリガンドであり得る。例示的な抗体は以下の(3)区分で記述されているタンパク質が挙げられる。本発明により包含され抗体の例示的な分子標的としては、CDタンパク質(例えば、CD3、CD4、CD8、CD19、CD20、CD22、CD34、CD40);ErBレセプターファミリーのメンバー(例えば、EGFレセプター、HER2レセプター、HER3レセプターまたはHER4レセプター);細胞接着分子(例えば、LFA−1、Mac1、p150、95、VLA−4、ICAM−1、VCAMおよびそのαサブユニットまたはβサブユニットいずれかを含む、αv/β3インテグリン(たとえば、抗CD11a抗体、抗CD18抗体または抗CD11b抗体);成長因子(例えば、VEGF);IgE;血液型抗原;flk2/flt3レセプター;肥満性(OB)レセプター;mplレセプター;CTLA−4;プロテインCまたは本明細書中で述べられた任意の他の抗原が上げられる。上で列挙した抗体への結合が特異的である抗原は本発明の範囲中に含まれる。
必要に応じて他の分子へと結合される、可溶性抗原またはそのフラグメントは、抗体産生のための免疫原として使用され得る。膜貫通分子(例えばレセプター)のために、これらフラグメント(例えば、レセプターの細胞外ドメイン)が、免疫原として使用され得る。あるいは、膜貫通分子を発現する細胞が、免疫原として使用され得る。このような細胞は、天然の供給源(例えば、癌細胞株)に由来し得るかまたは、このような細胞は、組換え技術によって膜貫通分子を発現するように形質転換された細胞であり得る。
抗体を調製するのに有用な他の抗原形態は、当業者に明らかである。
(b)ポリクローナル抗体
ポリクローナル抗体は、好ましくは、当該関連する抗原およびアジュバントを複数回、皮下(sc)または腹腔内(ip)へ注射することによって、動物において産生される。二官能性または誘導化剤(例えば、マレイミドベンゾイル スルホスクシミドエステル(システイン残基を介して結合)、N−ヒドロキシスクシニミド(リシン残基を介して)、グルタルアルデヒド、無水コハク酸、SOClまたはRN=C=NR(RおよびRは異なるアルキル基))を使用して、免疫化される種において免疫原性であるタンパク質(例えば、鍵穴吸着ヘモシアニン、血清アルブミン、ウシチログロブリン、または大豆トリプシンインヒビター)に、抗原を結合させることは、有益であり得る。
動物は、例えば、100μg(ウサギに対して)または5μg(マウスに対して)のタンパク質または結合体を3倍体積のFreundの完全アジュバントと組み合わせて、そして複数の部位において、皮内にその溶液を注射することによって抗原、抗原性結合体、または合成による誘導体に対して、免疫化される。抗原、抗原性結合体、または合成による誘導体に対して、免疫化され1ヶ月後、動物は、最初の量の1/5〜1/10の抗原またはFreundの完全アジュバント中の結合体が、複数の部位での皮下注射によりブーストされる。7日〜14日後、その動物は血を抜かれ、そしてその血清は抗体力価について分析される。動物は滴定がプラトーになるまでブーストされる。好ましくは、その動物は、同じ抗原の結合体(しかし、異なるタンパク質に対して結合し、そして/または異なる架橋試薬を介して結合する)でブーストされる。結合体はまた、タンパク質融合物として組換え細胞培養物において産生され得る。また、ミョウバンのような凝集剤は、免疫応答を増強させるために、適切に使用される。
(c)モノクローナル抗体
モノクローナル抗体は、Kohlerら、Nature,256:495(1975)によって最初に記述されたハイブリドーマ方法を使用して作製され得るか、または、モノクローナル抗体は、組換えDNA方法によって作製され得る(米国特許第4,816,567号)。
免疫化に使用したタンパク質に特異的に結合する抗体を産生する、またはその抗体の産生が可能なリンパ球を誘発するために、ハイブリドーマ方法において、マウス、または他の適した宿主動物(例えば、ハムスターまたはマカクザル)は、本明細書中上述されたように免疫化される。あるいは、リンパ球は、インビトロで免疫化され得る。次いで、リンパ球は、それから適切な融合剤物質(例えば、ポリエチレングリコール)を用いて骨髄種細胞に融合されて、ハイブリドーマ細胞を形成する(Goding,Monoclonal Antibodies:Principles and Practice,pp.59〜103(Academic Press,1986))。
このように調製されたハイブリドーマ細胞は、好ましくは、融合していない親の骨髄腫細胞の増殖または生存を阻害する1つ以上の物質を含む、適切な培養培地中に蒔かれ、増殖する。例えば、親の骨髄腫細胞が酵素ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRTまたはHPRT)を欠く場合、ハイブリドーマのための培養培地は、代表的にヒポキサンチン、アミノプテリンおよびチミジンを含み(HAT培地)、これらの物質は、HGPRT−欠損細胞の増殖を妨げる。
好ましい骨髄腫細胞は、効率的に融合し、選択された抗体産生細胞による抗体の安定した高水準の産生を支持し、かつ、HAT培地のような培地に対して感受性である細胞である。これらの中でとりわけ、好ましい骨髄腫細胞株は、マウスの骨髄腫株(例えば、Salk Institute Cell Distribution Center、San Diego、Carifornia USAから入手可能なMOPC−21マウス腫瘍およびMPC−11マウス腫瘍、ならびにAmerican Type Culture Collection、Rockville、Maryland USAから入手可能なSP−2細胞またはX63−Ag8−653細胞由来の細胞)である。ヒト骨髄腫株、およびマウス−ヒトヘテロ骨髄腫細胞株がまた、ヒトモノクローナル抗体の産生について記載されている(Kozbor、J.Immunol.、133:3001(1984);Brodeurら、Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications、51−63頁(Marcel Dekker,Inc.,New York,1987))。
ハイブリドーマ細胞が増殖している培養培地は、抗原に対するモノクローナル抗体の産生についてアッセイされる。好ましくは、ハイブリドーマ細胞によって産生されるモノクローナル抗体の結合特異性は、免疫沈降によって、または、インビトロ結合アッセイ(例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)または酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA))によって決定される。
所望の特異性、親和性および/または活性の抗体を産生するハイブリドーマ細胞を同定した後、これらのクローンは、限界希釈手順によってサブクローニングされ、そして、標準の方法(Goding、Monoclonal Antibodies:Principles and Practice,59−103頁(Academic Press,1986))によって増殖させ得る。この目的のための適当な培養培地としては、例えば、D−MEMまたはRPMI−1640培地が挙げられる。さらに、ハイブリドーマ細胞は、インビボで動物の腹水腫瘍として増殖し得る。
サブクローンによって分泌されるモノクローナル抗体は、培養培地、腹水または血清から、従来の免疫グロブリン精製手順(例えば、プロテインA−セファロース、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析またはアフィニティクロマトグラフィー)によって適宜分離される。好ましくは、本明細書中に示されるプロテインAクロマトグラフィー手順が使用される。
モノクローナル抗体をコードするDNAは、従来の手順(例えば、モノクローナル抗体の重鎖、軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合し得るオリゴヌクレオチドプローブを使用することによって)を用いて容易に分離されて、配列決定される。ハイブリドーマ細胞は、このようなDNAの好ましい供給源として役立つ。一旦単離されると、DNAは、発現ベクターに配置され得、次いで、宿主細胞(例えば、E.coli細胞、類人猿のCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、または、他の場合は免疫グロブリンタンパク質を生産しない骨髄腫細胞)にトランスフェクトされて、組換え宿主細胞においてモノクローナル抗体の合成を得る。
DNAはまた、例えば、ヒトの重鎖および軽鎖定常ドメインについてのコード配列を相同なマウスの配列と置き換えることによってか(例えば、米国特許第4,816,567号;Morrisonら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、81:6851(1984))、または、免疫グロブリンのコード配列に非免疫グロブリンポリペプチドについてのコード配列の全てもしくは一部を共有結合することによって、改変され得る。
代表的には、このような非免疫グロブリンポリペプチドは、抗体の定常ドメインで置換されるか、または、抗原に特異性を有する1つの抗原結合部位と別の抗原に特異性を有する別の抗原結合部位とを含むキメラの二価抗体を作成するために、抗体の1つの抗原結合部位の可変ドメインで置換される。
さらなる実施形態において、モノクローナル抗体は、McCaffertyら、Nature、348:552−554(1990)に記載された技術を用いて作製された抗体ファージライブラリから単離され得る。Clacksonら、Nature,352:624−628(1991)およびMarksら、J.Mol.Biol.,222:581−597(1991)は、それぞれ、ファージライブラリを使用する、マウス抗体およびヒト抗体の単離を記載する。引き続く刊行物は、非常に大きなファージライブラリを構築するための戦略として、鎖シャッフリング(Marksら、Bio/Technology,10:779−783(1992))、ならびに、コンビナトリアルインフェクションおよびインビボ組換え(Waterhouseら、Nuc.Acids.Res.,21:2265−2266(1993))によって、高親和性(nM範囲)ヒト抗体の産生を記載する。従って、これらの技術は、モノクローナル抗体の単離のための伝統的なハイブリドーマ技術への実行可能な別の方法である。
(d)ヒト化抗体およびヒト抗体
ヒト化抗体は、非ヒトの供給源由来の抗体に導入された1つ以上のアミノ酸残基を有する。これらの非ヒトのアミノ酸残基は、しばしば「インポート(import)」残基と言われ、代表的には「インポート」可変ドメインからとられる。ヒト化は、本質的にはWinterおよび共同研究者(Jonesら、Nature,321:522−525(1986);Riechmannら、Nature,332:323−327(1988);Verhoeyenら、Science,239:1534−1536(1988))の方法に従って、げっ歯類のCDRまたはCDR配列をヒト抗体の対応する配列と置換することによって行われ得る。従って、そのような「ヒト化」抗体は、キメラ抗体(米国特許第4,816,567号)であり、実質的に、少ないインタクトなヒトの可変ドメインが、非ヒト種由来の対応する配列によって置換されている。実際上、ヒト化抗体は、代表的に、いくらかのCDR残基および恐らくはいくらかのFR残基が、げっ歯類抗体における類似の部位由来の残基によって置換されたヒト抗体である。
ヒト化抗体を作製する際に使用される軽鎖および重鎖の両方のヒト可変ドメインの選択は、抗原性を減少させるために、非常に重要である。いわゆる「ベストフィット」法に従って、げっ歯類の抗体の可変ドメインの配列は、既知のヒトの可変ドメイン配列の全体のライブラリーに対してスクリーニングされる。げっ歯類の配列に最も近いヒトの配列は、次いで、ヒト化抗体のためのヒトのFRとして認められる(Simsら、J.Immunol.、151:2296(1993))。別の方法は、重鎖または重鎖の特定の下位集団の全てのヒト抗体のコンセンサス配列由来の特定のフレームワークを用いる。同じフレームワークは、いくつかの異なるヒト化抗体について使用され得る(Carterら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89:4285(1992);Prestaら、J.Immnol.151:2623(1993))。
抗体が、抗原に対する高親和性および他の好ましい生物学的特性を保持しつつヒト化されることが、更に重要である。この目的を達成するために、好ましい方法に従って、ヒト化抗体は、親配列およびヒト化配列の三次元モデルを使用する、親配列および種々の概念のヒト化産物の分析手順によって調製される。三次元の免疫グロブリンモデルは、一般に利用可能で、かつ、当業者によく知られている。コンピュータプログラムが、利用可能であり、これは、選択された候補者免疫グロブリン配列のほぼ確実な三次元立体構造を例証して、表示する。これらの表示の検査が、候補免疫グロブリン配列の機能における残基の有り得る役割の分析、すなわち、その抗原に結合する候補免疫グロブリンの能力に影響を与える残基の分析を可能にする。このように、FR残基がレシピエント配列およびインポート配列から選択されて組み合わされ得、その結果、所望の抗体特性(例えば、増加した標的抗原への親和性)が達成される。一般に、CDR残基は、直接かつたいてい実質的に抗原結合に影響を与えることに関与している。
あるいは、免疫化の際に、内因性の免疫グロブリン産生の非存在下でヒト抗体の十分なレパートリーを産生し得るトランスジェニック動物(例えば、マウス)を産出することが、現在可能である。例えば、キメラマウスおよび生殖系変異体マウスにおける抗体重鎖連結領域(J)遺伝子のホモ接合性の欠失が内因性の抗体産生の完全な阻害を生じることが記載されている。このような生殖系変異体マウスにおけるヒトの生殖系免疫グロブリン遺伝子アレイの乗り換えは、抗原チャレンジの際に、ヒト抗体の産生を生じる。例えば、Jakobovitsら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:2551(1993);Jakobovitsら、Nature 362:255−258(1993);Bruggermannら、Year in Immuno.,7:33(1993);ならびに、Duchosalら、Nature,355:258(1992)を参照のこと。ヒト抗体はまた、ファージディスプレイライブラリ由来であり得る(Hoogenboomら、J.Mol.Biol.,227:381(1991);Marksら、J.Mol.Biol.,222:581−597(1991);Vaughanら、Nature Biotech 14:309(1996))。
(e)抗体フラグメント
種々の技術が、抗体フラグメントの産生のために開発されている。伝統的には、これらのフラグメントは、インタクトな抗体のタンパク分解性の消化によって得られた(例えばMorimotoら、Journal of Biochemical and Biophysical Methods 24:107−117(1992)およびBrennanら、Science,229:81(1985))を参照のこと)。しかし、これらのフラグメントは現在、組換え宿主細胞によって直接産出され得る。例えば、抗体フラグメントは、上記の抗体ファージライブラリから単離され得る。あるいは、Fab’−SHフラグメントは、E.coliから直接回収され、そして、化学的に結合されてF(ab’)フラグメントを形成し得る(Carterら、Bio/Technology 10:163−167(1992))。別のアプローチによれば、F(ab’)フラグメントは、組換え宿主細胞の培養物から直接単離され得る。抗体フラグメントの産生のための他の技術は、当業者に明らかである。他の実施形態において、選択の抗体は、単鎖Fvフラグメント(scFv)である。WO 93/16185を参照のこと。
(e)多重特異性(multispecific)抗体
多重特異性抗体は、少なくとも2つの異なる抗原に対する結合特異性を有する。そのような分子は、通常2つの抗原に結合するのみである(すなわち、二重特異性抗体(BsAbs))が、追加の特異性を有する抗体(例えば、三重特異性抗体)は、本明細書中で使用される場合、この表現によって包含される。
二重特異性抗体を作製する方法は、当該分野で公知である。全長の二重特異性抗体の伝統的な産生は、2つの免疫グロブリン重鎖−軽鎖対の同時発現に基づいている。ここで、2つの鎖は、異なる特異性を有する(Millsteinら,Nature,305:537−539(1983))。免疫グロブリンの重鎖および軽鎖のランダムな組合せに起因して、これらのハイブリドーマ(クアドローマ)は、10の異なる抗体分子の潜在的な混合物(この中のわずか1つが正しい二重特異性の構造を有する)を産出する。正しい分子の精製(通常、アフィニティクロマトグラフィー工程によってなされる)は、いくぶん重荷となり、そして、生成物収量は低い。同様の手順は、WO 93/08829およびTrauneckerら、EMBO J.,10:3655−3659(1991)に開示される。
WO 96/27011に記載された別のアプローチによれば、一対の抗体分子の間のインタフェースは、組換え細胞培養物から回収されるヘテロ二量体のパーセンテージを最大限にするように操作され得る。好ましいインタフェースは、抗体定常ドメインのC3ドメインの少なくとも一部を含む。この方法において、第1の抗体分子のインタフェースからの1つ以上の小さなアミノ酸側鎖は、更に大きな側鎖(例えば、チロシンまたはトリプトファン)で置換される。大きな側鎖と同一または類似のサイズの代償性の「空洞」は、大きなアミノ酸側鎖をより小さなアミノ酸側鎖(例えば、アラニンまたはトレオニン)で置換することによって、第2の抗体分子のインタフェース上で作成される。これは、ホモ二量体のような他の不必要な最終生成物よりもヘテロ二量体の収量を増加するためのメカニズムを提供する。
二重特異性抗体は、架橋された抗体または「ヘテロ結合体」抗体を含む。例えば、ヘテロ結合体における抗体のうちの1つはアビジンに連結され、もう一方はビオチンに連結され得る。そのような抗体は、例えば、不必要な細胞に標的免疫系細胞を提案し(米国特許第4,676,980号)、そして、HIV感染の処置を提案している(WO 91/00360、WO 92/200373およびEP 03089)。ヘテロ結合体抗体は、任意の簡便な架橋方法を用いて作製され得る。適切な架橋剤は、当該分野で周知であり、そして、多くの架橋技術と共に米国特許第4,676,980号に開示される。
抗体フラグメントから二重特異性抗体を作製するための技術はまた、文献に記載されている。例えば、二重特異性抗体は、化学結合を用いて調製され得る。Brennanら、Science,229:81(1985)は、インタクトな抗体をタンパク質分解性に切断してF(ab’)フラグメントを作製する手順を記載する。これらのフラグメントは、ジチオール錯化剤亜ヒ酸ナトリウムの存在下で還元され、付近のジチオールを安定させ、そして、分子間のジスルフィド形成を妨げる。作製されたFab’フラグメントは、次いで、チオニトロ安息香酸(TNB)誘導体に変換される。次いで、Fab’−TNB誘導体のうちの1つは、メルカプトエチルアミンによる還元によってFab’−チオールに再変換され、そして、等モル量のもう一方のFab’−TNB誘導体と混合されて二重特異性抗体を形成する。産生された二重特異性抗体は、酵素の選択的な固定化のための薬剤として使われ得る。
最近の進歩は、二重特異性抗体と化学的に連結されて二重特異性抗体を形成し得るE.coliからのFab’−SHフラグメントの直接的な回収を促進した。Shalabyら、J.Exp.Med.、175:217−225(1992)は、十分にヒト化された二重特異性抗体F(ab’)分子の生産を記載する。各Fab’フラグメントは、E.coliから別々に分泌され、そして、インビトロで化学的に結合するように方向付けられ、二重特異性抗体を形成する。このように形成された二重特異性抗体は、ErbB2レセプターを過剰発現している細胞と正常なヒトT細胞とを結合させ得、ならびに、ヒトの胸部腫瘍標的に対するヒトの細胞傷害性リンパ球の溶解活性をトリガし得る。
組換え細胞培養物から直接二重特異性抗体フラグメントを作製および単離するための種々の技術がまた、記載されている。例えば、二重特異性抗体は、ロイシンジッパーを用いて産生される。Kostelnyら、J.Immunol.、148(5):1547−1553(1992)。Fosタンパク質およびJunタンパク質由来のロイシンジッパーペプチドは、遺伝子融合によって2つの異なる抗体のFab’部分と連結された。抗体ホモ二量体は、ヒンジ領域で還元されて単量体を形成し、その後、再び酸化されて、抗体ヘテロ二量体を形成した。この方法はまた、抗体ホモ二量体の産生のためにも利用され得る。Hollingerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444−6448(1993)により記載される「二重抗体」技術は、二重特異性抗体フラグメントを作製するための代替的な機構を提供した。これらのフラグメントは、同じ鎖上の2つのドメインの間で対になることを可能にするには短すぎるリンカーによって、軽鎖可変ドメイン(V)と連結されている重鎖可変ドメイン(V)を含む。従って、1つのフラグメントのVドメインおよびVドメインは、別のフラグメントの相補的なVドメインおよびVドメインと対をなし、それによって2つの抗原結合部位を形成する。単鎖Fv(sFv)二量体を用いることによって二重特異性抗体フラグメントを作製するための別の戦略がまた、報告されている。Gruberら,J.Immunol.,152:5368(1994)を参照のこと。あるいは、Zapataら、Protein Eng.8(10):1057−1062(1995)に記載されるように、それらの抗体は、「直鎖状の抗体」であり得る。簡潔に言えば、これらの抗体は、一対の抗原結合領域を形成する一対のタンデムのFdセグメント(V−C1−V−C1)を含む。直鎖状の抗体は、二重特異性または単一特異性であり得る。
2を超える結合価を有する抗体が、意図される。例えば、三重特異性抗体が調製され得る。Tuttら、J.Immunol.147:60(1991)。
3.免疫付着因子
最も単純で、最も簡単な免疫付着因子設計は、付着因子の結合ドメイン(例えば、レセプターの細胞外ドメイン(ECD))と、免疫グロブリン重鎖のヒンジ領域とFc領域を組み合わせる。通常、本発明の免疫付着因子を調製する場合、付着因子の結合ドメインをコードする核酸を免疫グロブリン定常ドメイン配列のN末端をコードする核酸にC末端で融合するが、N末端融合もまた可能である。
代表的に、そのような融合において、コード化されたキメラポリペプチドは、免疫グロブリン重鎖の定常領域の活性なヒンジドメイン、C2ドメインおよびC3ドメインを少なくとも機能的に保持する。融合はまた、定常ドメインのFc部分のC末端でなされるか、または、即座に重鎖もしくは軽鎖の対応する領域のC1へのN末端になされる。その融合がなされる正確な部位は、重要ではない;特定の部位は周知であり、そして、免疫付着因子の生物活性、分泌または結合特性を最適化するために、選択され得る。
好ましい実施形態において、付着因子配列は、免疫グロブリンG(IgG)のFcドメインのN末端に融合される。全体の重鎖定常領域を付着因子配列に融合することが可能である。しかしながら、より好ましくは、化学的にIgG Fcを定義するパパイン切断部位のすぐ上流にあるヒンジ領域で始まる配列(すなわち、重鎖定常領域を114と取ると、残基216)または他の免疫グロブリンの類似の部位が、融解に使用される。特に好ましい実施形態において、付着因子アミノ酸配列は、IgG重鎖の(a)ヒンジ領域およびC2およびC3または(b)C1、ヒンジ、C2およびC3ドメインに融合される。
二重特異性の免疫付着因子について、免疫付着因子は、多量体として、そして特にヘテロ二量体またはヘテロ四量体として組み立てられる。一般に、これらの組み立てられた免疫グロブリンは、既知の単位構造を有する。基礎的な4鎖構造単位は、IgG、IgDおよびIgEが存在する形態である。4鎖単位は、より高分子量の免疫グロブリンにおいて繰り返される;IgMは、一般にジスルフィド結合によってまとめられる4つの基本単位の五量体として存在する。IgAグロブリンおよび時折IgGグロブリンはまた、血清において多量体の形態で存在し得る。多量体の場合は、4つの単位の各々は、同じであっても異なってもよい。
本発明の範囲内の種々の例示的な組み立てられた免疫付着因子を、以下に概略的に示す:
(a) AC−AC
(b) AC−(AC、AC−AC、AC−VまたはV−AC);
(c) AC−AC−(AC−AC、AC−V、V−ACまたはV−V
(d) AC−V−(ACまたはAC−VまたはV−AC);
(e) V−AC−(AC−VまたはV−AC);および
(f) (A−Y)−(V−V
ここで、各Aは同一または異なる付着因子アミノ酸配列を表し;
は免疫グロブリン軽鎖可変ドメインである;
は免疫グロブリン重鎖可変ドメインである;
は免疫グロブリン軽鎖定常ドメインである;
は免疫グロブリン重鎖定常ドメインである;
nは1を超える整数である;
Yは、共有結合架橋剤の残基を示す。
簡潔さのために、前述の構造のみが、重要な特色を示す;それらは、連結部(joining)(J)も免疫グロブリンの他のドメインも示されないばかりか、示されたジスルフィド結合でもない。しかしながら、そのようなドメインが結合活性のために必要とされる場合、免疫グロブリン分子に占める普通の位置に存在するようにそれらが組み立てられる。
あるいは、付着因子配列は、免疫グロブリンの重鎖配列と軽鎖配列との間に挿入され得、その結果、キメラ重鎖を含む免疫グロブリンが得られる。この実施形態において、付着因子配列は、免疫グロブリンの各腕において、ヒンジドメインとC2ドメインとの間、またはC2ドメインとC3ドメインとの間のいずれかで、免疫グロブリン重鎖の3’末端で融合される。同様の構築物は、Hoogenboomら、Mol.Immunol.,28:1027−1037(1991)によって報告されている。
免疫グロブリン軽鎖の存在は、本発明の免疫付着因子には必要ではないが、免疫グロブリン軽鎖は、付着因子−免疫グロブリン重鎖融合ポリペプチドに共有結合してか、または、付着因子に直接融合して存在し得る。前者の場合において、免疫グロブリン軽鎖をコードするDNAは、代表的に、付着因子−免疫グロブリン重鎖融合タンパク質をコードするDNAと同時発現される。分泌の際、ハイブリッド重鎖および軽鎖は共有結合して、2つのジスルフィド結合した免疫グロブリン重鎖−軽鎖対を含む免疫グロブリン様構造を提供する。このような構造を調製するのに適した方法は、例えば、1989年3月28日に発行された米国特許第4,816,567号に開示される。
免疫付着因子は、付着因子部分をコードするcDNA配列をインフレームで免疫グロブリンcDNA配列に融合することによって最も簡便に構築される。しかし、ゲノム免疫グロブリンフラグメントへの融合もまた、使用され得る(例えば、Aruffoら,Cell 61:1303−1313(1990);およびStamenkovicら,Cell 66:1133−1144(1991)を参照のこと)。後者の型の融合は、発現のためのIg調節配列の存在を必要とする。IgG重鎖定常領域をコードするcDNAは、脾臓または末梢血リンパ球由来のcDNA由来の公開された配列に基づいて、ハイブリダイゼーションによってか、または、ポリメラーゼ連鎖(PCR)技術によって単離され得る。免疫付着因子の「付着因子」および免疫グロブリン部分をコードするcDNAは、選択された宿主細胞において効率的な発現を指示するプラスミドベクターへタンデムで挿入される。
(4.他のC2/C3領域含有タンパク質)
他の実施形態において、精製されるべきタンパク質は、C2/C3領域に融合しているか、または、C2/C3領域と結合体化しているタンパク質である。このような融合タンパク質は、タンパク質の血清半減期を増加させるように生成され得る。このように結合体化され得る生物学的に重要なタンパク質の例としては、以下が挙げられる:レニン;成長ホルモン(ヒト成長ホルモンおよびウシ成長ホルモンを含む);成長ホルモン放出因子;副甲状腺ホルモン;甲状腺刺激ホルモン;リポタンパク質;α−1−抗トリプシン;インスリンA鎖;インスリンB鎖;プロインスリン;卵胞刺激ホルモン;カルシトニン;黄体形成ホルモン;グルカゴン;凝固因子(例えば、第VIIIC因子、第IX因子、組織因子、およびvon Willebrands因子);抗凝固因子(例えば、プロテインC);心房ナトリウム利尿因子;肺表面活性剤;プラスミノーゲンアクチベーター(例えば、ウロキナーゼまたはヒト尿素または組織型プラスミノーゲンアクチベーター(t−PA));ボンベシン;トロンビン;造血増殖因子、腫瘍壊死因子−αおよび腫瘍壊死因子−β;エンケファリナーゼ;RANTES(正常に発現および分泌された活性化時にT細胞に対して調節された);ヒトマクロファージ炎症性タンパク質(MIP−1−α);血清アルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン);Muellerian阻害物質;リラキシンA鎖;リラキシンB鎖;プロリラキシン;マウス性腺刺激ホルモン関連ペプチド;微生物タンパク質(例えば、β−ラクタマーゼ);DNase;IgE;細胞傷害性Tリンパ球関連抗原(CTLA)(例えば、CTLA−4);インヒビン;アクチビン;血管内皮細胞増殖因子(VEGF);ホルモンまたは成長因子に対するレセプター;プロテインAまたはプロテインD;リウマチ因子;神経栄養因子(例えば、ウシ由来神経栄養因子(BDNF)、ニューロトロフィン−3、ニューロトロフィン−4、ニューロトロフィン−5、またはニューロトロフィン−6(NT−3、NT−4、NT−5、またはNT−6)、または神経成長因子(例えば、NGF−β));血小板由来増殖因子(PDGF);線維芽細胞増殖因子(例えば、aFGFおよびbFGF);上皮増殖因子(EGF);形質転換増殖因子(TGF)(例えば、TGF−αおよびTGF−β(TGF−β1、TGF−β2、TGF−β3、TGF−β4、またはTGF−β5を含む));インスリン様増殖因子IおよびII(IGF−IおよびIGF−II);des(1−3)−IGF−I(脳IGF−I)(インスリン様増殖因子結合タンパク質);CDタンパク質(例えば、CD3、CD4、CD8、CD19、CD20、CD34、およびCD40);エリスロポエチン;骨誘導性因子;免疫毒素;骨形態生成タンパク質(BMP);インターフェロン(例えば、インターフェロン−α、インターフェロン−β、およびインターフェロン−γ);コロニー刺激因子(CSF)(例えば、M−CSF、GM−CSFおよびG−CSF);インターロイキン(IL)(例えば、IL−1〜IL−10);スーパーオキシドジスムターゼ;T細胞レセプター;表面膜タンパク質;崩壊促進因子;ウイルス抗原(例えば、AIDSエンベロープの一部);輸送タンパク質;ホーミングレセプター;アドレシン(addressin);調節タンパク質;インテグリン(例えば、CD11a、CD11b、CD11c、CD18、ICAM、VLA−4およびVCAM);腫瘍関連抗原(例えば、HER2、HER3またはHER4レセプター);ならびに任意の上に列挙したポリペプチドのフラグメント。
以下の実施例は例示であって、限定のために提供されない。本明細書における全ての引用の開示は、本明細書に参考として明示的に援用される。
(実施例)
本実施例は、本発明の化合物、組成物の製造方法および使用方法、ならびに本発明の方法の完全な開示および説明を当業者に提供するために提供され、そして、本発明者らが発明であるとみなすものの範囲を限定することを意図しない。使用される数字(例えば、量、温度など)に対する正確性を保証するための努力ははらったが、いくらかの実験的誤差を有しており、偏差が考慮されるべきである。本明細書における全ての引用の開示は、本明細書で参考として明示的に援用される。
解釈を容易にするために、実施例全体を通じて頻繁に使用される略号の一覧を以下に提供する:
濾液中の濃度(g/l)
バルク濃度(または供給物濃度)(g/l)
CHO チャイニーズハムスター卵巣
CHOP チャイニーズハムスター卵巣細胞タンパク質
CV カラム容量
DF ダイアフィルトレーション
HCCF 回収された細胞培養物流体
HCI 疎水性電荷誘導クロマトグラフィー
HCP 宿主細胞タンパク質
HIC 疎水性相互作用クロマトグラフィー
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
HPTFF 高速接線流濾過
J 濾液流動(lm−2−1
Lp 膜透過性
N 完全容量(diavolume)の数
HCP HCP除去に基づく精製ファクター
CHOP CHOP除去に基づく精製ファクター
pI 等電点
rhuMAb 組換えヒト化モノクローナル抗体
溶質「i」のふるい分け
Y 収率
Ψ 選択性
(実施例1)
(2工程の非アフィニティ精製)
本実施例において、非アフィニティ精製マトリクスの異なる組み合わせを使用する、2工程の非アフィニティ精製または3工程の非アフィニティ精製のいずれかからなるプロセスを用い、抗CD11a rhuMAb HCCFの精製を実施した。
カチオン交換樹脂(例えば、Sカラムを使用することによって)、アニオン交換樹脂(例えば、Qカラムを使用することによって)、混合様式イオン交換樹脂(例えば、ABxを使用することによって)、ヒドロキシアパタイト樹脂(HA)、疎水性相互作用樹脂(HIC)および疎水性電荷誘導(HCI)樹脂の精製性能を、抗CD11a rhuMAbタンパク質に対するクロマトグラフィー精製プロセスの各工程において試験した。全宿主細胞タンパク質(CHOP)不純物除去およびタンパク質収率を、実施例2に詳細に記載されるように決定し、そして2または3工程からなり、そしてプロテインAクロマトグラフィーを組み込む従来のプロセスと比較した(すなわち、2工程プロセスについて、ProAに続いてアニオン交換(例えば、ProA−Q)、そして3工程プロセスについて、ProAに続いてカチオン交換、次いで、アニオン交換(例えば、ProA−S−Qによる))。
SP−SEPHAROSE FAST FLOWTM樹脂(S、カチオン交換樹脂、Amersham Biosciences,Piscataway,NJ)、Q−Sepharose Fast FlowTM樹脂(Q、アニオン交換樹脂、Amersham Biosciences、前出)、Bakerbond ABxTM樹脂(ABx、混合様式イオン交換樹脂、J.T.Baker,Inc.,Phillipsburg,NJ)、PHENYL−SEPHAROSE FAST FLOWTM樹脂(HIC、疎水性相互作用樹脂、Amersham Biosciences、前出)、Macroprep Ceramic Hydroxyapatite樹脂(HA、ヒドロキシアパタイト樹脂、BioRad Laboratories,Hercules,CA)、およびMEP HYPERCELTM樹脂(HCI、疎水性電荷誘導樹脂、INVITROGEN LIFE TECHNOLOGIESTM,LifeTechnologies,Inc.,Rockville,MD)を、0.66cm外径×20cm Omniガラスカラムに各々充填した。クロマトグラフィーについての操作条件を表1に示す。
Figure 2005524092
Figure 2005524092
全てのカラムに1ml樹脂あたり10mgの抗体を100cm/hの流速でロードした(1時間あたり5カラム容量)。
使用の間、S樹脂、HIC樹脂およびHCI樹脂を、0.5N NaOHの3カラム容量以上で浄化した。ABx、QおよびHAを含むカラムを、各々使用前に新たな樹脂で充填した。
抗CD11a rhuMAbを発現するCHO細胞を培養し、上記抗体を含む回収した細胞培養処方物を回収した。粗細胞培養混合物は、約220,000ppmのCHOP(220,000ngのCHOP/1mgの抗CD11a rhuMAbに等価)を含んだ。粗混合物のアリコートを表2における工程1についての各々の樹脂に適用した。次いで、工程1からの溶出物のアリコートを、表2の工程2における各々の代替の樹脂に適用し、そして抗体および不純物をさらに分離した。各工程についての緩衝液条件を表1にまとめる。第1の工程からの粗混合物および各溶出物プールを、粗混合物または溶出物プールが引き続く精製工程に適用される樹脂の緩衝液条件のpHおよびイオン強度に調節した。非アフィニティ精製の各々2工程後のCHOP濃度によって測定された、精製結果のまとめを表2に示す。
Figure 2005524092
試験した非アフィニティ工程のうち、ABxカラムは、HCCFからほとんどのCHOP不純物を除去し、6600ppmのCHOP濃度が得られた。非アフィニティ精製の2工程から生じるプールの純度は、80ppm〜14,000ppmのCHOPの範囲であった。第1の工程としてのS精製および第2の工程としてQ精製を伴う精製により、80ppmという低濃度のCHOPを生じた。しかし、Q精製を第1の工程とし、S精製を第2の工程とするように、工程を逆にした場合、精製収率は、900ppmのCHOP濃度であった。非アフィニティプロセスの工程順序は、純度の結果に影響を及ぼした。
3工程の非アフィニティ精製を使用するさらなる精製を評価し、表3および4に示されるように、プロテインAクロマトグラフィーの1つのアフィニティ工程を含む3工程精製プロセス(すなわち、ProA−S−Q)と比較した。2工程プロセスについて上で記載される研究のように、220,000ppmのCHOPを含む粗細胞培養混合物のアリコートを、それらを表3の工程1に適用し、同様に、表3の工程2および3に適用する樹脂について、表1に従うpHおよびイオン強度に調節した。3工程の非アフィニティ精製を含むプロセスを使用するCHOP除去の結果を表3に示す。幾つかの3工程非アフィニティ精製プロセスからの抗CD11a rhuMAbの収率を表4に示す。
Figure 2005524092
Figure 2005524092
非アフィニティ精製の2つ以上の工程の組み合わせは、CHOP不純物の排除によって決定されるように、第1の非アフィニティ工程後に、例えば、約14,000ppmのCHOP、第2の非アフィニティ工程後に約80ppmのCHOP、そしてプロセスの第3の工程後に約2ppmのCHOP(S−Q−ABxまたはHIC)の純度レベルを生じ(表2を参照のこと)、そして表4に示されるような抗CD11a抗体の産物純度を生じた。
(実施例2)
(非アフィニティクロマトグラフィーおよびHPTFF精製の組み合わせ)
本実施例は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞からの組換えヒトモノクローナル抗体である抗HER2 rhuMAb(160kDaの分子量および約9.0のpIを有する)の精製に関する。抗HER2 rhuMAbをGenentech(South San Francisco,CA,USA)における工業スケールのCHO細胞培養プロセスから入手した。CHO細胞培養後、抗HER2 rhuMAb分子を、遠心分離および通常の細胞濾過によって部分的に浄化し、細胞および細胞デブリを除去した。得られたプールは、0.52mg/mlの抗HER2 rhuMAb生成物および0.78mg/mlのCHOPからなっていた。
抗HER2 rhuMAbの精製のために、抗HER2 rhuMAb生成物を含む条件付けした回収細胞培養流体(HCCF)および抗HER2 rhuMAbを発現するCHO細胞由来のチャイニーズハムスター卵巣宿主細胞タンパク質(CHOP)を、初期カチオン交換クロマトグラフィーカラム(S)(SP−SEPHAROSE FAST FLOWTM樹脂、Amersham Biosciences)上にロードし、宿主細胞タンパク質またはCHOタンパク質(CHOP)、改変体および凝集物を除去した。Sカラムからの溶出物をプールし(Sプール)、そして第2のアニオン交換クロマトグラフィーカラム(Q)(Q−SEPHAROSE FAST FLOWTM樹脂、Amersham Biosciences,Piscataway,NJ)に供し、CHOPおよび標的タンパク質凝集物を除去した。Qカラムからの通過流体(Qプール)を細分化し、CHOP、改変体および低分子のさらなる除去のために、各プールをHPTFFの第3のプロセスにさらに供した。以下に詳細に記載されるように、2つのQプールをHPTFF実験1およびHPTFF実験2に供した。
(A.非アフィニティクロマトグラフィー)
クロマトグラフィーカラムに、合計約40gのrhuMAbに対して、約10gのrhuMAb/L樹脂を100cm/hの流速(1時間あたり5カラム容量(CV))でロードした。
(1.方法)
非アフィニティクロマトグラフィーカラムの調製のために、結合−溶出SPセファロースおよびフロースルーQ−セファロースの各々を、調製用スケールカラム中に充填した。各クロマトグラフィーカラムの操作条件を、表5に示す。
Figure 2005524092
水を用いて6mS/cm未満の伝導度にまでHCCFを希釈し、HClを用いてpH5.5にHCCFを調整し、そして0.22μmのフィルターに通して濾過することによって、HCCFを、調節した。66リットルの容量の調節したHCCFを、非アフィニティクロマトグラフィーに供した。
SP−セファロースカラムを、5カラム容量(CV)のカラム緩衝液(表5)で平衡化した。66 リットルの調節したHCCF(<10g/l)を、平衡化したSP−セファロースカラムに充填した。調節したHCCFを、SP−セファロースカラムに充填した後、カラムを、5CVのカラム緩衝液で洗浄した。溶出を、溶出緩衝液(25mM MES、500mM NaCl、pH5.5)を用いて行ない、溶出液を、280nmで、0.1〜0.2AUの吸光度で収集した。クロマトグラフィー樹脂を、0.5M NaOH溶液中で再生し、さらに、0.1M NaOH溶液中で保存した。
SP−セファロースカラムからの収集物をプールし(SPプール)、そしてSプールを水を用いて伝導度が約7.5〜8mS/cmまで希釈し、NaOHを用いてpH8に調整することによって、調節した。次に、調節したSプールを、0.22μmフィルターを通して濾過した。濾過したSPプール(約9リットル)を、5CVのカラム緩衝液(表5を参照のこと)で平衡化したQ−セファロースカラムに充填した。フロースルーを280nmで0.2〜0.2AUで収集し、フロースルーをプールした(Qプール)。総量で20.6リットルのQプールを収集した。
Q−セファロースクロマトグラフィー樹脂を0.5M NaOH溶液中で再生し、そしてさらに、0.1M NaOH中で保存した。Qカラムから収集した20.6リットルを、3つの同一のプールに分けた。3つのプールの各々は、6.9リットルの容量であり、そしてHPTFF精製前に、約1.4g/Lの抗−HER2 rhuMAbの濃度であった。
(2.分析)
プロセスの精製工程後の、各プール中の抗−HER2 rhuMAbの量(すなわち、HCCF中および、精製プロセスからのプール中)を、プロテインA免疫アフィニティに基づくHPLC分析によって決定した。HPLCカラムは、PorosのプロテインA、内径4.6mm×100mmベッド高(PerSeptive Biosystems)であった。サンプルおよび標準を、ローディング緩衝液中でカラムに添加し、rhuMAb分析物をカラムに結合させ、次に、酸性条件化で溶出した。溶出した物質のピーク面積を、標準曲線のピーク面積と比較し、rhuMAbの量を計算した。アッセイした範囲は、典型的には、0.05mg/mL〜1.0mg/mLであった。
SおよびQクロマトグラフィーの完了の際、プール由来のサンプルを、SDS−PAGE分析に供した(それぞれ図2のレーン4および5)。サンプルを、タンパク質をサイズ(相対的な流体力学半径)によって分離する、ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)によって分析した。サンプルおよび分子量標準(10〜200kDaの範囲)を、非還元条件下で調製し、そして約2.5pg/レーンで、ゲルに充填した。10%〜20%のアクリルアミド勾配ゲル(8cm×8cmのサイズ)を、本明細書において用い(Zaxis International,Inc.,Hudson,OH)、170mVの一定の電圧で電気泳動した。電気泳動の後、タンパク質を、染色して可視化した。次に電気泳動ゲルを、Morrisey(Morrisey,J.,Analytical Biochemistry,1981,117:307−310)に記載される方法に従って、銀染色処理をした。結果を図2に示す。
インタクトなモノマーとして各プール中に存在する抗−HER2 rhuMAbの量を決定するために、混合物を、以下の手順に従って、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)に供した。手短には、スーパーデックス200HR10/30カラム(Amersham Biosciences、Piscataway,NJ)をリン酸緩衝化生理食塩水で平衡化した。サンプル当たり約100μgのrhuMAbをカラムに添加した。サンプルを、サンプル中に含まれるタンパク質分子の分子サイズに基づいて、カラムから溶出した(最適分離範囲:10〜600kDa)。カラム溶出物の吸光度を、280nmで測定し、そしてタンパク質溶出ピークを、積算して、モノマーrhuMAbの面積の割合を決定した。HCCF、Sプール、Qプール、およびHPTFFプール中のインタクトなモノマー抗−HER2 rhuMAbの割合を、表8に示す。
CHOP濃度をヤギ抗(宿主細胞タンパク質)抗体を用いる酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)によって決定し、CHOPを定量した。アフィニティ精製したヤギ抗−CHOP抗体全体をマイクロタイタープレートのウェルに固定化した。CHOPを含むプールサンプルの希釈物を、ウェル中でインキュベートし、その後、ペルオキシダーゼと結合体化した抗−CHOP全体とインキュベートした。次に、西洋ワサビペルオキシダーゼを、o−フェニレンジアミンを用いて、492nmの吸光度を読むことによって、定量した。サンドイッチELISAの原理に基づいて、ペルオキシダーゼ濃度は、CHOP濃度に対応した。ELISAのアッセイ範囲は、典型的には、5ng/mL〜320ng/mLであった。サンプルの濃度に依存して、サンプル毎に2〜4倍希釈をアッセイして、希釈について校正した結果を平均化した。
(B.HPTFF)
高速接線流濾過(HPTFF)は、サイズおよび荷電の両方に基づく、10倍以内のサイズの差異を有する溶質の分離を含む、二次元濾過操作である。上記のように、Qプールを、3つの等価なQプールに分け、その各々は6.9Lの容量であり、そして濃度は、HPTFFによるさらなる精製の前に、約1.4g/Lの抗−HER2 rhuMAbであった。Qプールの2つを、HPTFF実験1に供し、各々のQプールは、異なる条件を含んだ。HPTFF実験1の研究から、HPTFFの最適条件を決定する際に、HPTFF実験1および2からのプールの組み合わせを、以下に詳細に記載するさらなるHPTFFに供した。
(1.膜)
これらの実験において、HPTFFのために使用した濾過膜は、名目上の分子量カットオフ300kD(PLCMK)を有する、複合再生セルロース(Composite Regenerated Cellulose)(CRC)−Millipore ULTRACELTM(Millipore)である。CRC300mini−PELLICON2(登録商標)膜(Millipore)を、本明細書に記載されるように荷電について改変し、本実施例のHPTFF研究において使用する荷電したセルロース膜CRC300+を得た。手短には、300kD PELLICON−2(登録商標)カセット(0.1mの膜面積)を、スケールダウン実験のために使用した(最少で1Lの溶液)。膜を、最初の使用の前に、カートリッジ調製プロトコルに従って洗浄して、残存する保存溶液および輸送溶液を取り除き、膜を適切な緩衝液条件に平衡化した。膜を、アルカリ条件下で、ブロモ−プロピル−トリメチル−アンモニウムブロミド(Sigma−Aldrich, St Louis,MO)を用いて、インサイチュで化学的に改変した(PCT/US00/19964、本明細書においてその全体が参考として援用される)。具体的には、並流濾液流を用いることなく、100lm−2−1の一定の濾液流で、保持液圧力を10psigに固定し、0.1N NaOH中に溶解して0.2μmで濾過した1Lのリガンドを用いて濾液オープンモードで総リサイクルして、膜を荷電した。荷電前のLpは、0.1N NaOH中で約53lm−2−1であり、荷電後のLpは、0.1N NaOH中で約37lm−2−1であった。荷電後、生じた陽性荷電の膜を、0.1N水酸化ナトリウムで清浄し、300ppmのMINNCARETM溶液で衛生化し、そして0.1N 水酸化ナトリウム中に保存した。各HPTFF実験の前に、膜を、実験の第1のダイアフィルトレーション緩衝液を用いてフラッシュして、保存溶液を除去し、そして完全性について試験した。膜透過性を、3つの濾液流を最少にして、並流濾液流を用いるHPTFFシステムを用いて、測定した。
(2.HPTFF濾過システム)
HPTFF実験を、図1に示される基本的な構成を有する完全に自動化された平行流濾過システムを用いて行なった。HPTFFシステムは、40リットルのステンレス鋼リサイクルタンク、供給および濾過フローメーター(Admag Model 102 and 105,Johnson Yokogawa Corp.,Newman,GA)、ならびに圧力トランスデューサ(Model MSP220−A2、0−100psig=0−7bar,Anderson Instruments,Fultonville,NY)を備えた。供給および並流濾液フローポンプは、正の容積型ポンプ(positive displacement pumps)(Universal 6,Waukesha−Cherry Burrell,Delavan,WI)であり、その一方で、ダイアフィルトレーションポンプおよび濾液ポンプは、ペリスタル型ポンプ(Model L−7518−62,Cole Parmer,Niles,IL)であった。リサイクルタンクは、温度プローブ(Model RIX,−29℃〜82℃,Moore Industries,Sepulveda,CA)を備えた。全てのパイピングを、316Lのステンレス鋼で構築した。保持液圧力制御バルブを、鋼ダイアフラム(Model 1/2 Mikroseal packless control valve,H.D.Baumann,Portsmouth,NH)を用いて作動させ、全ての他のバルブを、エチレンプロピレンジエンモノマーダイアフラム(Biotek Model 8836−18−BH,ITT Sherotec,Simi Valley,CA)を用いて空気によって作動させた。連続するタンク液体レベルを、磁気制御プローブ(magneto restrictive probe)(Model Tempsonics II,MTS,Research Triangle Park,NC)を用いて測定した。データの獲得および制御を、Mycro Advantageソフトウェアシェル(Moore Products,Springhouse,PA)を使用する、専用のソフトウェア(Genentech,Inc.,South San Francisco,CA)を用いて行なった。
HPTFFを、固定した供給流速323lm−2−1(膜面積で除した容積測定供給流速)で行ない、そして保持液圧力は、10psiであった。並流濾液流速を制御して、膜カセットの入口(供給)および出口(保持液)の膜貫通圧を等しくした。濾液流を、濾液ポンプ速度を調整することによって、50lm−2−1に設定した。HPTFF実験の始動は、カセットの入口および出口の間の膜貫通圧の差異を最小化するために、全ての流速のランプアップ(ramp−up)工程を包含した。保持液を、供給タンクにリサイクルし、濾液を収集容器に向けた。供給および濾液サンプルの両方を、産物およびHCPの分析のために収集した。
(a.HPTFF実験1)
上記のように、等量の6.9L QプールへのQプールの分割の後、Qプールの一つを、以下の条件下でCRC300+膜を用いるHPTFF実験1に供した。
この実験のために、荷電した膜を第1のダイアフィルトレーション緩衝液中で平衡化した(表7を参照のこと)。rhuMAbプールのイオン強度を低下させ、伝導度を2.7mS/cmにまで低下させるためにQプールを希釈し、pHを4.5に調整し、次に、供給タンクに添加した(図1)。供給タンク中の物質を、溶液の一部の除去による濃縮に供した。バルク容量が、10g/Lのバルク濃度(C)に達した場合、供給タンク中の溶液を、連続するダイアフィルトレーション工程に供した。1.5mS/cmの一定の伝導度を用いて、ダイアフィルトレーションを、pH4.5の10完全容量(diavolume)、ならびに各々pH5.0、pH5.5、pH6.0、およびpH6.5の5完全容量を用いて、行なった(表7)。収量を、以下の式:
Figure 2005524092
を用いて、ダイアフィルトレーションの間の定量化可能な積のシービング(sieving)に基づいて計算した。この式において、Sは、標的タンパク質のシービングであり、Nは、完全容量の数である。
Figure 2005524092
HPTFF実験1からの回収したプールの産物の質を、上記のように、SDS−PAGEゲル電気泳動(図2、レーン10)、rhuMAb%のインタクトなモノマーの分析、およびCHOP濃度分析(表8)を含む分析に供した。
抗HER2 rhuMAbを有意に損失することなく、CHOPの有意なシービングを、CRC300+を用いて観察した。CRC300+を用いて行なったHPTFFから回収したプール中のCHOPの最終濃度は、21ppmであった。
(b.HPTFF実験2)
上記のように、1.4mg/mlのrhuMAb、410ppmのCHOP、pH5.6であり、約8mS/cmの伝導度を有する別のQプールを、HPTFF実験2に供した。
上記のように、CRC300+膜を、このHPTFF実験2のために、第1のダイアフィルトレーション緩衝液中で平衡化した(表7を参照のこと)。Qプールを、水で希釈して、伝導度を2.4mS/cmにまで低下させた。HClを用いて、pHをpH4.5に調整した。生じた調節したプールを、供給タンクに充填した。単一の操作において、次に、調節したプールを10g/L pH4.5に濃縮し、次に、特定の順番のダイアフィルトレーション緩衝液を含む一定の保持液容量ダイアフィルトレーションを行なった(表7)。ダイアフィルトレーション緩衝液の3つの順番を、以下のように選択した:各々pH4.5、5.5、および6.5の、1.5mS/cmの一定の伝導度での10完全容量。全てのHPTFF実験を、36lm−2−1/psiの透過性を有する正に荷電したPellicon−2(登録商標)ミニカセットを使用して、50lm−2−1の濾液流にて、行なった。
CRC300+を用いて行なうHPTFFプロセスの完了時に、回収したプールのサンプルを、SDS−PAGE分析に供した(図2、レーン11)。HPTFF実験2から回収したプールの産物の質を、さらなる分析(サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)およびCHOP濃度分析を含む)に供した(表8)。
HPTFF工程の精製率(purification factors)は、24倍より大きく(すなわち、CHOPの24倍の除去)、CHOP除去は、濃縮およびダイアフィルトレーションの間の両方で生じた。CHOP濃度は、410ppm(Qクロマトグラフィーカラムから回収した物質の濃度)から17ppm(HPTFF実験2から回収した物質の濃度)に減少した(表8を参照のこと)。有意な濾液の損失は観察されなかった。
Figure 2005524092
(C.さらなるHPTFF)
HPTFF実験1および2の後に回収された物質を組み合わせ、以下のように、さらに、さらなるHPTFFに供した。
上記のように、CRC300+膜を、第1のダイアフィルトレーション緩衝液中で平衡化し、そして組み合わせた物質を、供給タンクに充填した。供給タンク内の物質を、以下のように、必要に応じた連続したダイアフィルトレーション工程に供した:pH6.5および1.5mS/cmでの40完全容量、その後pH6.0および0.3mS/cmでの5完全容量。
さらなるHPTFFプロセスは、最終保持液中のCHOP濃度を2.2ppmにまで減少した。さらなるプロセス後の回収した物質のサンプルを、SDS−PAGE分析に供した。SDS−PAGE分析によって決定した、さらなるHPTFF後に回収した物質の産物の質(図2、レーン6および12)を、ProA、SP、QおよびUFDFを含む通常の精製プロセスを通して得られた物質の産物の質と比較した(図2、レーン7)。
CHOP不純物の除去によって決定した場合、非アフィニティ精製および第3のHPTFF工程の2つの工程を含む精製プロセスは、S精製の後に約144,780ppmのCHOP、Q精製の後に約410ppmのCHOP、そして約17−21ppmの最終純度のCHOPの純度レベルを生じた。さらなる精製を、代替的に第3工程に取り込むことによって、費用のかかるアフィニティクロマトグラフィーを使用する伝統的な方法に匹敵する3工程の非アフィニティプロセスを提供し、約2.2ppmのCHOPのさらなる純度が、さらなるHPTFFによって達成された。
(実施例3:非アフィニティクロマトグラフィーとHPTFF精製の組み合わせ)
本実施例は、組換えヒトモノクローナル抗体である抗−CD40 rhuMAb(チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)細胞由来の分子量160kD、およびpI約9.3)の精製を含む。抗−CD40 rhuMAbを、Genentech(South San Francisco,CA,USA)での工業スケールのCHO細胞培養プロセスから得た。CHO細胞培養の後、抗−CD40 rhuMAb分子を、遠心および通常の細胞濾過によって部分的に清澄化し、細胞と細胞片を取り除いた。生じたプールは、1.7mg/mlの抗−CD40 rhuMAb産物および約0.4mg/mlのCHOPから構成された。
抗−CD40 rhuMAbの精製のために、抗−CD40 rhuMAbを発現するCHO細胞からの抗−CD40 rhuMAb産物およびチャイニーズハムスター卵巣宿主細胞タンパク質(CHOP)を含む、調節した、収集した細胞培養液(HCCF)を、最初のカチオン交換クロマトグラフィーカラム(S)(SP−SEPHAROSE FAST FLOWTM樹脂、Amersham Biosciences)に充填して、宿主細胞タンパク質、すなわち、CHOタンパク質(CHOP)、改変体、DNA不純物および凝集物を除去した。Sカラムからの溶出物を、プールして(Sプール)、そして第2のアニオン交換クロマトグラフィーカラム(Q)(Q−SEPHAROSE FAST FLOWTM樹脂、Amersham Biosciences、Piscataway、NJ)に供して、CHOP、DNA不純物、および標的タンパク質の凝集物を取り除いた。Qカラム(Qプール)からのフロースルーを、CHOP、改変体および低分子のさらなる除去のために、さらにHPTFFの第3のプロセスに供した。
(A.非アフィニティクロマトグラフィー)
(1.方法)
非アフィニティクロマトグラフィーカラムの調製のために、結合−溶出SPセファロースおよびフロースルーQ−セファロースの各々を、調製用スケールカラム中に充填した。各クロマトグラフィーカラムの操作条件を、表9に示す。
Figure 2005524092
水を用いて、伝導度が7mS/cm未満にまでHCCFを希釈し、酢酸を用いてHCCFをpH6.5に調整し、そして、0.22μmのフィルターを通して濾過することによって、HCCF調節した。4カラム容量(CV)のカラム緩衝液を用いて、SP−セファロースカラムを平衡化し(表9)、そして総量で13グラムのrhuMAbについて、1リットルの樹脂あたり約30グラムのrhuMAbを、150cm/hの流速で充填した。SP−セファロースカラム上に、調節したHCCFを充填した後、カラムを5CVの洗浄緩衝液(20mM HEPES、35mM 酢酸ナトリウム、pH8.0)、その次に、3CVのカラム緩衝液で洗浄した(表9)。溶出を、カラム緩衝液から溶出緩衝液(20mM MES、140mM 酢酸ナトリウム、pH6.5)までの、10CVの勾配溶出によって行い、溶出液を280nmでの0.1〜0.5AUの吸光度にて収集した。クロマトグラフィー樹脂を、0.5M NaOH溶液を用いて再生し、そして0.1M NaOH中でさらに保存した。
水を用いて、伝導度が7.5mS/cmにまでSプールを希釈し、そしてNaOHを用いてpHを8に調整することによって、SP−セファロースプール(SPプール)を調節した。次に、約9グラムの全量である、調節したSプールを0.22μmのフィルターを通して濾過した。濾過した、調節したSPプールを、5CVのカラム緩衝液で平衡化したQ−セファロースカラムに充填した(表9を参照のこと)。フロースルーを、280nmでの0.2〜0.2AUで収集し、そしてフロースルーをプールした(Qプール)。Q−セファロースクロマトグラフィー樹脂を、0.5M NaOH中で再生し、そして0.1M NaOH中にさらに保存した。
(2.分析)
プロセスの精製工程後の、各プール中(すなわち、精製プロセスからのプール中のHCCF中)の抗−CD40 rhuMAbの量を、本明細書の実施例2に記載されるように、プロテイン−A免疫アフィニティに基づくHPLC分析によって、決定した。CHOP濃度を、本明細書の実施例2に記載されるように、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)を用いて決定した。SクロマトグラフィーおよびQクロマトグラフィーの完了の際に、プールからのサンプルを、SDS−PAGE分析に供した(図5、それぞれ、レーン3および4)。rhuMAbプールのイオン強度を低下させ、伝導度を1.8mS/cmにまで低下させるために、Qプールを希釈し、pHを4.5に調整し、次に、リサイクルタンクに添加した(図1)。正に荷電したCRC300+膜を用いるHPTFF実験の精製工程(HPTFF実験)を、バルク容量が10g/Lのバルク濃度(Cb)に達するまで、Qプールからの物質を最初に濃縮することによって、開始した。次に、リサイクルタンク中に、結果として生じた溶液を、連続するダイアフィルトレーション工程に供した。1.5mS/cmの一定の伝導度を用いて、各々pH4.5およびpH5.5の5完全容量を用い、次に、pH6.5の20完全容量を用い、次に、pH7.0の10完全容量を用いて、ダイアフィルトレーションを行った(表10)。収量を、以下の式:
Figure 2005524092
を用いて、ダイアフィルトレーションの間の定量化可能な積のシービング(sieving)に基づいて計算した。この式において、Sは、標的タンパク質のシービングであり、Nは、完全容量の数である。
Figure 2005524092
このHPTFF実験から回収したプールの生成物の性質は、本明細書の実施例2に記載したような分析(SDS−PAGEゲル電気泳動(図5、レーン5)、rhuMAb %インタクトモノマー分析、およびCHOP濃度分析(表11)が挙げられる)に供した。DNA濃度を、THRESHOLD(登録商標)Total DNAアッセイ(Molecular Devices,Corp.,Sunnyvale, CA)に従って評価した(表11)。THRESHOLD(登録商標)Total DNAアッセイは一本鎖DNAに特異的であり、この一本鎖DNAは熱による変性によってサンプルから得られる。この一本鎖DNAを結合タンパク質で標識し、この結合タンパク質はウレアーゼおよびストレプトアビジンに共有結合し、DNA複合体を形成する。DNA複合体を、「スティック(stick)」として知られているビオチンコーティングされたニトロセルロース膜を通してろ過する。この膜上のビオチンは、DNA複合体中でストレプトアビジンと反応し、複合体を捕捉する。このスティックを、基質である尿素の入ったThreshold Readerに入れる。(DNA複合体中の)尿とウレアーゼとの間の酵素反応は、基質溶液の局所pHを変化させる。シリコンセンサは、表面電位の変化(pH変化に比例する)を記録する。表面電位の変化率は、DNA量に比例する。サンプルの定量を、DNA標準物と比較することによって決定する。DNA含量が標準曲線の報告範囲(10−400pg/mL)内に入るように、サンプルを希釈した。
CHOPの有意なシービングを、正に荷電した抗CD40rhuMAbのいかなる有意な損失もなく、正に荷電したCRC300+HPTFF膜で確認した。CHOPの除去は、濃縮およびダイアフィルトレーションの両方の間で生じた。CHOP濃縮物は、最初の20完全容量(diavolume)において、15ppm(Qクロマトグラフィーカラムから回収した物質における濃度)から0.6ppm未満(リサイクルタンク内のタンパク質プールにおける濃度)に減少した。CHOP不純物の除去を、HPTFF実験から回収した物質中の濃度を測定することによって確認した(表11を参照のこと)。ろ過による有意な損失は確認されなかった。
Figure 2005524092
2工程非アフィニティ精製およびHPTFFの第三の工程を包含する精製プロセスにより、以下によって決定されるような純度レベルを生じた:(1)CHOP不純物の除去(S精製後の約530ppmのCHOP、Q精製後の約15ppmのCHOP、および20完全容量内約0.6ppm未満の最終純度)、および(2)DNA不純物の除去(S精製後の約0.1ppmのCHOP、Q精製後の約0.01ppm未満のDNA、および約0.006ppm未満のDNA最終純度)。さらに、電気泳動分析によると、非アフィニティ最終プール(図5、レーン5)は、アフィニティ工程を用いて得られる慣用的なプール(図5、レーン10)に匹敵する純度を示した。
図5は、実施例3に従う抗CD40組換えヒトモノクローナル抗体(rhuMAb)(レーン2〜5)の精製の間の異なる時点でのサンプル、およびアフィニティ精製工程を含む慣用的な精製プロセス(レーン8〜10)と比較したサンプルを含む、銀染色したSDS−PAGEゲルを示す。160kD、50kD、および25kDを示す矢印は、それぞれ全長抗体、重鎖、および軽鎖を示す。他のバンドは、抗CD40 rhuMAbフラグメントである。レーン1は、タンパク質標準物の混合物である。レーン2〜6は、本明細書の実施例3に開示される非アフィニティプロセスの実施後に採集したサンプルであり、ここで、宿主細胞培養物流体(HCCF)(レーン2)は、カチオン交換クロマトグラフィー(Sプール、レーン3)、次いでアニオン交換クロマトグラフィー(Qプール、レーン4)、次いで荷電した膜を用いるHPTFF(HPTFFプール、レーン5)により精製し、そしてHPTFF膜およびHPTFF装置の供給側面のリンス後に回収した物質(HPTFF緩衝液フラッシュプール、レーン6)と比較した。レーン7はブランクである。レーン8〜10は、プロテインAアフィニティクロマトグラフィー工程(示さず)、次いでカチオン交換クロマトグラフィー工程(レーン8)、次いでアニオン交換クロマトグラフィー(レーン9)、そして限界ろ過工程(レーン10)を包含する、慣用的な回収プロセスによって精製したHCCF混合物における抗CD40と一致した。
この精製スキームは、高価なアフィニティクロマトグラフィーを用いる従来の方法に匹敵する3工程非アフィニティプロセスを提供した。
先に記載した明細書は、当業者が本発明を実施するのに十分であると考えられる。本発明は、本明細書に示される実施例による範囲に限定されない。なぜなら、これらの例示的な実施例は、本発明の特定の局面の例示として意図され、任意の機能的に等価な実施形態は本発明の範囲内である。本明細書中に示される実施例は、特定の例示に対して特許請求の範囲を制限することを意図していない。事実、本明細書に示される改変および記載される改変ならびに添付の特許請求の範囲内に入る改変に加えて、本発明の種々の改変は、上述の説明から当業者に明らかであり得る。
図1は、HPTFF実験のための濾過配置の模式図を示す。 図2は、抗HER2 rhuMAbの精製の間の異なる間隔で取られ、SDS−PAGE分析に供さらたたサンプルを含む銀染色(Zaxis 10〜20%)したポリアクリルアミドゲルを示す。矢印は、160kD,50kDおよび、25kDを示しており、これはそれぞれ、抗体全長、重鎖および軽鎖を示す。他のバンドは、抗HER2 rhuMAbのフラグメントである。分子量標準(レーン1)、アフィニティ精製プロセスを使用して取得したrhuMAb参照(レーン2およびレーン7)、精製前の収集した細胞培養液rhuMAbのサンプル(HCCF)(レーン3)、およびSクロマトグラフィーの後に回収した物質のサンプル(レーン4)、Qクロマトグラフィーの後に回収した物質のサンプル(レーン5)、さらなるHPTFFクロマトグラフィーの後に回収した物質のサンプル(レーン6およびレーン12)、CRC100+を使用した実験1のHPTFFクロマトグラフィー後に回収した物質のサンプル(レーン9)、CRC300+を使用した実験1のHPTFFクロマトグラフィー後に回収した物質のサンプル(レーン10)、および実験2のHPTFFクロマトグラフィー後に回収した物質のサンプル(レーン11)をサンプルは、含む。 図3Aは、抗HER2 rhuMAb軽鎖のアミノ酸配列である。図3Bは、抗HER2 rhuMAb重鎖のアミノ酸配列である。 図4Aは、抗CD11a rhuMAb軽鎖のアミノ酸配列である。図4Bは、、抗CD11a rhuMAb重鎖のアミノ酸配列である。 図5は、抗CD−40組換えヒトモノクローナル抗体(rhuMAb)の精製の間の異なる点で取られたサンプルを含む銀染色されたSDS−PAGEゲルを示す。
【配列表】
Figure 2005524092
Figure 2005524092
Figure 2005524092
Figure 2005524092
Figure 2005524092

Claims (28)

  1. 宿主細胞タンパク質を含む混合物から標的タンパク質を精製するための方法であって、該方法は、該混合物を、以下:
    (a)非アフィニティ精製工程、続いて
    (b)高速接線流濾過(HPTFF)、および
    (c)100ppm未満の該宿主細胞タンパク質を含む純度で該タンパク質を単離する工程、
    に供する工程を包含し、ここで、該方法はアフィニティ精製工程を含まない、方法。
  2. 宿主細胞タンパク質を含む混合物から標的タンパク質を精製するための方法であって、該混合物を以下に供する工程:
    (a)第一の非アフィニティ精製工程、および
    (b)第二の非アフィニティ精製工程、続いて
    (c)高速接線流濾過(HPTFF)、ならびに
    (d)100ppm未満の該宿主細胞タンパク質を含む純度で該タンパク質を単離する工程、
    を包含し、ここで、該方法はアフィニティ精製工程を含まない、方法。
  3. 前記第一および第二の非アフィニティ精製工程が異なり、かつイオン交換クロマトグラフィーおよび疎水性相互作用クロマトグラフィーからなる群より選択される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記イオン交換クロマトグラフィーが、カチオン交換クロマトグラフィー、アニオン交換クロマトグラフィーおよび混合様式イオン交換クロマトグラフィーからなる群より選択される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記第一および第二のアフィニティ精製工程が、いずれかの順序でカチオン交換クロマトグラフィーおよびアニオン交換クロマトグラフィーである、請求項4に記載の方法。
  6. 前記第一の非アフィニティ精製工程が、カチオン交換クロマトグラフィーであり、前記第二の非アフィニティ精製工程がアニオン交換クロマトグラフィーである、請求項4に記載の方法。
  7. 前記方法が、精製工程(a)〜(c)、続く単離工程(d)からなる、請求項6に記載の方法。
  8. 前記カチオン交換クロマトグラフィー工程が、カルボキシメチル、BAKERBOND ABXTM、スルホプロピル(sulphopropyl)(SP)、およびスルホニルからなる群より選択されるカチオン交換配位子上で実施される、請求項6に記載の方法。
  9. 前記カチオン交換クロマトグラフィー工程が、カルボキシメチル−セルロース、BAKERBOND ABXTM、アガロース上に固定されたスルホプロピル、アガロース上に固定されたスルホニルから選択されるカチオン交換樹脂上で実施される、請求項6に記載の方法。
  10. 前記アニオン交換配位子が、DEAEおよび第四級アンモニウムイオンからなる群より選択される、請求項6に記載の方法。
  11. 前記アニオン交換樹脂が、DEAEセルロース、QAE SEPHADEXTM、およびFAST SEPHAROSETMからなる群より選択される、請求項6に記載の方法。
  12. 前記HPTFFが、荷電した膜を用いて実施される、請求項1または2に記載の方法。
  13. 前記宿主細胞タンパク質が、チャイニーズハムスター卵巣タンパク質(CHOP)である、請求項1または2に記載の方法。
  14. 前記標的タンパク質が、抗体である、請求項1または2に記載の方法。
  15. 前記抗体が、モノクローナル抗体である、請求項14に記載の方法。
  16. 前記抗体が、ポリクローナル抗体である、請求項14に記載の方法。
  17. 前記抗体が、ヒト化抗体である、請求項14に記載の方法。
  18. 前記抗体が、ヒト抗体である、請求項14に記載の方法。
  19. 前記抗体が、抗体フラグメントである、請求項14に記載の方法。
  20. 前記抗体フラグメントが、抗体フラグメントから形成される、Fab、Fab’、F(ab’)およびFvフラグメント、単鎖抗体分子、ダイアボディー(diabody)、線状抗体、二重特異性抗体および多重特異性抗体からなる群より選択される、請求項14に記載の方法。
  21. 前記抗体が、CD3、CD4、CD8、CD19、CD20、CD34、CD40、EGFレセプター、HER2レセプター、HER3レセプター、HER4レセプター、LFA−1、Macl、pl50,95、VLA−4、ICAM−1、VCAM、av/b3インテグリン、CD11a、CD18、CD11b、VEGF、IgE、flk2/flt3レセプター、肥満(OB)レセプター、mplレセプター、CTLA−4、およびポリペプチドCからなる群より選択される抗原に特異的に結合する、請求項14に記載の方法。
  22. 前記抗体が、以下:
    抗HER2;抗CD20;抗IL−8;抗VEGF;抗PSCA;抗CD11a;抗IgE;抗Apo−2レセプター;抗TNF−α;抗組織因子(Tissue Factor)(TF);抗CD3;抗CD25;抗CD34;抗CD40;抗tac;抗CD4;抗CD52;抗Fcレセプター;抗癌胎児性抗原(CEA)抗体;胸部上皮細胞に特異的な抗体;結腸癌種細胞に結合する抗体;抗CD33;抗CD22;抗EpCAM;抗GpIIb/IIIa;抗RSV;抗CMV;抗HIV;抗肝炎;抗αvβ3;抗ヒト腎細胞癌腫;抗ヒト17−1A;抗ヒト結腸直腸腫瘍;抗ヒト黒色腫;抗ヒト扁平上皮癌腫;および抗ヒト白血病抗原(HLA)抗体
    からなる群より選択される、請求項14に記載の方法。
  23. 前記抗体が、抗HER2レセプター抗体、抗VEGF抗体、抗IgE抗体、抗CD20抗体、抗CD11a抗体、および抗CD40抗体からなる群より選択される、請求項14に記載の方法。
  24. 前記標的タンパク質が、免疫付着因子(immunoadhesin)である、請求項1または2に記載の方法。
  25. 前記標的タンパク質が、抗体様分子である、請求項1または2に記載の方法。
  26. 前記抗体様分子が、C2/C3領域に融合したタンパク質、またはC2/C3領域と結合体化したタンパク質である、請求項25に記載の方法。
  27. 前記タンパク質が、以下:
    レニン;成長ホルモン;成長ホルモン放出因子;副甲状腺ホルモン;甲状腺刺激ホルモン;リポタンパク質;α−1−抗トリプシン;インスリンA鎖;インスリンB鎖;プロインスリン;卵胞刺激ホルモン;カルシトニン;黄体形成ホルモン;グルカゴン;第VIIIC因子;第IX因子;組織因子;フォンヴィレブランド因子;プロテインC;心房性ナトリウム利尿因子;肺表面活性剤;ウロキナーゼ;ヒト尿および組織型プラスミノーゲンアクチベーター(t−PA);ボンベシン;トロンビン;造血増殖因子;腫瘍壊死因子−αおよび腫瘍壊死因子−β;エンケファリナーゼ;RANTES;ヒトマクロファージ炎症タンパク質(MIP−1−α);血清アルブミン;Muellerian−阻害物質;リラキシンA鎖;リラキシンB鎖;プロリラキシン;マウスゴナドトロピン関連ペプチド;β−ラクタマーゼ;DNase;IgE;細胞傷害性Tリンパ球関連抗原(CTLA);インヒビン;アクチビン;血管内皮増殖因子(VEGF);ホルモンまたは増殖因子に対するレセプター;プロテインAまたはプロテインD;リウマチ因子;骨由来神経栄養因子(BDNF);ニューロトロフィン−3、ニューロトロフィン−4、ニューロトロフィン−5、およびニューロトロフィン−6(NT−3、NT−4、NT−5、およびNT−6)、神経成長因子;血小板由来増殖因子(PDGF);線維芽細胞増殖因子;上皮増殖因子(EGF);トランスホーミング増殖因子(TGF);インスリン様増殖因子−Iおよびインスリン様増殖因子−II(IGF−IおよびIGF−II);des(1−3)−IGF−I(脳IGF−I)、インスリン様増殖因子結合タンパク質(IGFBP);CDタンパク質;エリスロポイエチン;骨誘導因子;免疫毒素;骨形態形成タンパク質(BMP);インターフェロン−α、インターフェロン−βおよびインターフェロン−γ;コロニー刺激因子(CSF);インターロイキンIL−1〜IL−10;スーパーオキシドジスムターゼ;T細胞レセプター;表面膜タンパク質;破壊促進因子;ウイルス抗原;輸送タンパク質;ホーミングレセプター;アドレシン(addressin);調節タンパク質;インテグリン;腫瘍関連抗原;ならびにそれらのフラグメント
    からなる群より選択される、請求項26に記載の方法。
  28. 薬学的処方物中に単離されたタンパク質を組み込む工程をさらに包含する、請求項1または2に記載の方法。
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