本発明は縮合ヘテロビシクロ部分で置換されたフェニル化合物に関する。特に、本発明は6員炭素環、6員アリール又は6員ヘテロアリールに縮合した5員複素環から形成される縮合ビシクロ部分で1位を置換され、更に場合により3,4位も置換され、例えば、精神分裂症、不安症、鬱病及びパニック等の精神及び気分障害の治療や、疼痛、パーキンソン病、認知障害、癲癇、薬物常用、薬物乱用、薬物離脱及び他の疾患の治療に有用なメタボトロピックグルタミン酸受容体サブタイプ5(「mGluR5」)のモジュレーターであるフェニル化合物に関する。
哺乳動物神経系における主要な興奮性神経伝達物質はグルタミン酸分子であり、ニューロンに結合することにより細胞表面受容体を活性化する。このような表面受容体はイオノトロピック又はメタボトロピックグルタミン酸受容体として特徴付けられる。メタボトロピックグルタミン酸受容体(「mGluR」)はグルタミン酸に結合すると細胞内二次メッセンジャー系を活性化するG蛋白質結合受容体である。mGluRの活性化の結果として種々の細胞応答が生じる。特に、mgluRlとmgluR5はホスホリパーゼCを活性化し、細胞内カルシウムの移動を伴う。
メタボトロピックグルタミン酸受容体サブタイブ5(mGluR5)の調節は神経系に影響する疾患の治療に有用である(例えば W.P.J.M Spoorenら,Trends Pharmacol.Sci.,22:331−337(2001)とその引用文献参照)。例えば、最近の報告によると、mGluR5は侵害受容プロセスに関与しており、mGluR5選択的化合物を使用してmGluR5を調節すると、急性、持続性及び慢性疼痛[K Walkerら,Neuropharmacology,40:1−9(2001); F.Bordi,A.Ugolini Brain Res.,871:223−233(2001)]、炎症性疼痛[K Walkerら、Neuropharmacology,40:10−19(2001); Bhaveら,Nature Neurosci.4:417−423(2001)]並びに神経障害性疼痛[Dogrulら,Neurosci.Lett.292:115−118(2000)]等の種々の疼痛状態の治療に有用であることが立証されている。
mGluR5のモジュレーターの使用は精神神経障害の治療でも立証されている。例えば、2−メチル−6−(フェニルエチニル)−ピリジン(「MPEP」)等のmGluR5選択的化合物は不安症や鬱病等の気分障害の動物モデルで有効である[W.P.J.M Spoorenら,J.Pharmacol.Exp.Ther.,295:1267−1275(2000); E.Tatarczynskaら,Brit.J.Pharmacol.,132:1423−1430(2001); A.Klodzynskaら,Pol.J.Pharmacol.,132:1423−1430(2001)]。ヒトからの遺伝子発現データによると、mGluR5の調節は精神分裂症の治療に有用であると思われる[T.Ohnumaら,Mol.Brain.Res.,56:207−217(1998);同,Mol.Brain.Res.,85:24−31(2000)]。機能形態mGluR5と、mGluR5調節化合物がパーキンソン病等の運動障害の治療に潜在的に有用であることも報告されている[W.P.J.M Spoorenら,Europ.J.Pharmacol.406:403−410(2000); H.Awadら,J.Neurosci.20:7871−7879(2000); K.Ossawaら,Neuropharmacol.41:413−420(2001)]。更に、認知障害[G.Riedelら,Neuropharmacol.39:1943−1951(2000)]、癲癇[A.Chapmanら,Neuropharmacol.39:1567−1574(2000)]及び神経保護[V.Brunoら,Neuropharmacol.39:2223−2230(2000)]の治療における機能形態GluR5調節も報告されている。mGluR5ノックアウトマウスとMPEPを用いた研究によると、これらの受容体の調節が薬物常用、薬物乱用及び薬物離脱の治療に有用であるらしいことも示唆されている[C.Chiamuleraら,Nature Neurosci.4:873−874(2001)]。
国際特許公開WO01/12627及びWO99/26927は複素多環式化合物とメタボトロピックグルタミン酸受容体アンタゴニストとしてのその使用について記載している。国際特許公開WO96/05818、WO00/73283、WO00/20001、及び米国特許第6,031,003号はメタボトロピックグルタミン酸受容体に活性な多環式化合物を記載している。
ロシア特許SU1824402、SU1830388、及びSU1806138は2−フェニルベンゾオキサゾールの製造方法を記載している。日本特許JP07013369はオキサゾール又はチアゾール誘導体電荷輸送剤を含有する電子写真感光体を記載している。EP479161は複素環式化合物の合成を記載している。日本特許JP55038302はベンゾオキサゾール誘導体を記載している。ドイツ特許DE2619547及び米国特許第4,107,169号は2−アリールベンゾオキサゾールと2−アリールベンゾチアゾールを記載している。米国特許第3,772,309号及び3,630,972号は2−アリールベンザゾールとポリベンゾイミダゾールを記載している。ドイツ特許DE2037998及びDE2037999はベンザゾール、ベンザゾリノン、キノリン、インドール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、及びベンゾオキサゾールを記載している。米国特許第3,452,036号と日本特許JP42015938は2置換ベンゾオキサゾールを記載している。オランダ特許NL6607039は除草剤ベンザアゾールを記載している。
国際特許公開WO9427601はスクワレンシンターゼ阻害剤としての[(ベンゾキサゾリルフェニル)アルコキシ]アルキルアミンの製造を記載している。米国特許第3,458,506号はシアノビニレン基を含む蛍光ベンザゾール化合物を記載している。
米国特許第3,647,809号はピリジル−1,2,4−オキサジアゾール誘導体を記載している。米国特許第4,022,901号は3−ピリジル−5−イソチオシアノフェニルオキサジアゾールを記載している。国際特許公開WO98/17652はオキサジアゾール、WO97/03967は種々の置換芳香族化合物、WO94/22846は種々の複素環式化合物を記載している。
環系を含む化合物は多様な治療と用途に有効であることが様々の研究者により記載されている。例えば、国際特許公開WO98/25883はカルパイン阻害剤としてのケトベンズアミドを記載しており、ヨーロッパ特許公開EP811610と米国特許第5,679,712号、5,693,672号及び5,747,541号は置換ベンゾイルグアニジンナトリウムチャンネル遮断剤を記載しており、米国特許第5,736,297号は感光組成物として有用な環系を記載している。
Maybridge plc,Cornwall,英国から以下の化合物:
しかし、治療薬として最少の副作用でmGluR5を阻害する新規化合物及び組成物が依然として必要とされている。
本発明は6員炭素環、6員アリール又は6員ヘテロアリールに縮合した5員複素環から形成される縮合ビシクロ部分で1位を置換され、更に場合により3,4位も置換され、例えば、精神分裂症、不安症、鬱病及びパニック等の精神及び気分障害の治療や、疼痛、パーキンソン病、認知障害、癲癇、薬物常用、薬物乱用、薬物離脱及び他の疾患の治療に有用なメタボトロピックグルタミン酸受容体5のモジュレーターである新規フェニル化合物に関する。本発明は6員炭素環、6員アリール又は6員ヘテロアリールに縮合した5員複素環から形成される縮合ビシクロ部分で置換された有効量の新規フェニル化合物と医薬的に許容可能なキャリヤーを含有する医薬組成物も提供する。
本発明は更に、6員炭素環、6員アリール又は6員ヘテロアリールに縮合した5員複素環から形成される縮合ビシクロ部分で置換された有効量の新規フェニル化合物の投与による精神及び気分障害(例えば、精神分裂症、不安症、鬱病及びパニック)の治療方法と、疼痛、パーキンソン病、認知障害、癲癇、薬物常用、薬物乱用及び薬物離脱の治療方法も提供する。
本発明の化合物は式(I):
[式中、XはN、CH、又はNHであり、
YはO、又はN−R
4であり、
Z
1、Z
2、Z
3又はZ
4の1個は場合によりN又はNHであり、
R
1は−OH、ハロゲン又は−CNであるか、あるいはC
1−6アルキル、−C
1−4アルコキシル、−シクロC
3−6アルキル、−C
0−4アルキル−フェニル、−C
0−4アルキル−ピリジル、−C
0−4アルキル−イミダゾリル、−C
0−4アルキル−ピラゾリル、−C
0−4アルキル−トリアゾリル、−C
0−4アルキル−テトラゾリル、−C
0−4アルキル−ジオキソラニル、−C
0−4アルキル−チアゾリル、−C
0−4アルキル−ピペリジニル、−C
0−4アルキル−ピロリジニル、−C
0−4アルキル−モルホリニル、−C
0−4アルキル−ピリミジニル、−C
2−6アルキニル−チアゾリル又は−N(C
0−4アルキル)(−C
0−4アルキル)基であり、前記基はいずれも場合により1〜5個の置換基で置換されており、各置換基は独立してハロゲン、−OH、−CN、−C
1−6アルキル、−C
1−4アルコキシル、−N(C
0−4アルキル)(C
0−4アルキル)、−C
0−4アルキル−C(O)−O−C
0−4アルキル、−C
0−4アルキル−モルホリニル、又は−C
0−4アルキル−ベンゾキサゾリルであり、
R
2は水素、ハロゲン、−OH、−CN、−N(C
0−4アルキル)(C
0−4アルキル)、−NO
2、又は−C
1−6アルキル、−C
1−4アルコキシル、−C
0−4アルキル−フェニルもしくは−C
1−4アルコキシ−フェニル基であり、前記基はいずれも場合により独立して1〜3個のハロゲン、−OH、−CN、又は−C
1−4アルコキシル置換基で置換されており、
R
3は水素又は−C
1−4アルコキシルであり、
R
4は−C
0−4アルキルであり、
R
5はH、ハロゲン、又は−C
1−4アルキルである]により表される化合物又は医薬的に許容可能なその塩である。
1側面において、本発明の化合物は式(I)により表される化合物又は医薬的に許容可能なその塩であり、式中、
Z1、Z2、Z3及びZ4は各々CHであり、
XはNであり、
YはOであり、
R1は−OH、ハロゲン又は−CNであるか、あるいはC1−6アルキル、−C1−4アルコキシル、−シクロC3−6アルキル、−C0−4アルキル−フェニル、−C0−4アルキル−ピリジル、−C0−4アルキル−イミダゾリル、−C0−4アルキル−ピラゾリル、−C0−4アルキル−トリアゾリル、−C0−4アルキル−テトラゾリル、−C0−4アルキル−ジオキソラニル、−C0−4アルキル−チアゾリル、−C0−4アルキル−ピペリジニル、−C0−4アルキル−ピロリジニル、−C0−4アルキル−モルホリニル、−C0−4アルキル−ピリミジニル、−C2−6アルキニル−チアゾリル又は−N(C0−4アルキル)(−C0−4アルキル)基であり、前記基はいずれも場合により1〜5個の置換基で置換されており、各置換基は独立してハロゲン、−OH、−CN、−C1−6アルキル、−C1−4アルコキシル、−N(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)、−C0−4アルキル−C(O)−O−C0−4アルキル、−C0−4アルキル−モルホリニル、又は−C0−4アルキル−ベンゾキサゾリルであり、
R2は水素、ハロゲン、−OH、−CN、−N(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)、−NO2、又は−C1−6アルキル、−C1−4アルコキシル、−C0−4アルキル−フェニルもしくは−C1−4アルコキシ−フェニル基であり、前記基はいずれも場合により独立して1〜3個のハロゲン、−OH、−CN、又は−C1−4アルコキシル置換基で置換されており、
R3は水素又は−C1−4アルコキシルであり、
R4は−C0−4アルキルであり、
R5はH、ハロゲン、又は−C1−4アルキルである。
この1側面の1態様において、本発明の化合物は式(I)により表される化合物又は医薬的に許容可能なその塩であり、式中、
Z1、Z2、Z3及びZ4は各々CHであり、
XはNであり、
YはOであり、
R1は場合により1〜5個の置換基で置換された−C1−6アルキルであり、各置換基は独立してハロゲン、−OH、−CN、−C1−6アルキル、−C1−4アルコキシル、−N(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)、−C0−4アルキル−C(O)−O−C0−4アルキル、−C0−4アルキル−モルホリニル、又は−C0−4アルキル−ベンゾキサゾリルであり、
R2は水素、ハロゲン、−OH、−CN、−N(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)、−NO2、又は−C1−6アルキル、−C1−4アルコキシル、−C0−4アルキル−フェニルもしくは−C1−4アルコキシ−フェニル基であり、前記基はいずれも場合により独立して1〜3個のハロゲン、−OH、−CN、又は−C1−4アルコキシル置換基で置換されており、
R3は水素又は−C1−4アルコキシルであり、
R4は−C0−4アルキルであり、
R5はH、ハロゲン、又は−C1−4アルキルである。
この1側面の別の態様において、本発明の化合物は式(I)により表される化合物又は医薬的に許容可能なその塩であり、式中、
Z1、Z2、Z3及びZ4は各々CHであり、
XはNであり、
YはOであり、
R1は場合により1〜5個の置換基で置換された−C1−6アルキルであり、各置換基は独立してハロゲン、−OH、−CN、−C1−6アルキル、−C1−4アルコキシル、−N(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)、−C0−4アルキル−C(O)−O−C0−4アルキル、−C0−4アルキル−モルホリニル、又は−C0−4アルキル−ベンゾキサゾリルであり、
R2は場合により独立して1〜3個のハロゲン、−OH、−CN、又は−C1−4アルコキシル置換基で置換された−C0−4アルキル−フェニルであり、
R3は水素又は−C1−4アルコキシルであり、
R4は−C0−4アルキルであり、
R5はH、ハロゲン、又は−C1−4アルキルである。
この1側面の更に別の態様において、本発明の化合物は式(I)により表される化合物又は医薬的に許容可能なその塩であり、式中、
Z1、Z2、Z3及びZ4は各々CHであり、
XはNであり、
YはOであり、
R1は場合により1〜5個の置換基で置換された−C1−6アルキルであり、各置換基は独立してハロゲン、−OH、−CN、−C1−6アルキル、−C1−4アルコキシル、−N(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)、−C0−4アルキル−C(O)−O−C0−4アルキル、−C0−4アルキル−モルホリニル、又は−C0−4アルキル−ベンゾキサゾリルであり、
R2は水素、又は場合により独立して1〜3個のハロゲン、−OH、−CNもしくは−C1−4アルコキシル置換基で置換された−C1−6アルキルであり、
R3は水素又は−C1−4アルコキシルであり、
R4は−C0−4アルキルであり、
R5はH、ハロゲン、又は−C1−4アルキルである。
この1側面の更に別の態様において、本発明の化合物は式(I)により表される化合物又は医薬的に許容可能なその塩であり、式中、
Z1、Z2、Z3及びZ4は各々CHであり、
XはNであり、
YはOであり、
R1は場合により1〜5個の置換基で置換された−C1−6アルキルであり、各置換基は独立してハロゲン、−OH、−CN、−C1−6アルキル、−C1−4アルコキシル、−N(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)、−C0−4アルキル−C(O)−O−C0−4アルキル、−C0−4アルキル−モルホリニル、又は−C0−4アルキル−ベンゾキサゾリルであり、
R2はNO2又は場合により独立して1〜3個のハロゲン、−OH、−CNもしくは−C1−4アルコキシル置換基で置換された−N(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)であり、
R3は水素又は−C1−4アルコキシルであり、
R4は−C0−4アルキルであり、
R5はH、ハロゲン、又は−C1−4アルキルである。
この1側面の更に別の態様において、本発明の化合物は式(I)により表される化合物又は医薬的に許容可能なその塩であり、式中、
Z1、Z2、Z3及びZ4は各々CHであり、
XはNであり、
YはOであり、
R1は場合により1〜5個の置換基で置換された−C1−6アルキルであり、各置換基は独立してハロゲン、−OH、−CN、−C1−6アルキル、−C1−4アルコキシル、−N(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)、−C0−4アルキル−C(O)−O−C0−4アルキル、−C0−4アルキル−モルホリニル、又は−C0−4アルキル−ベンゾキサゾリルであり、
R2は場合により独立して1〜3個のハロゲン、−OH、−CN、又は−C1−4アルコキシル置換基で置換された−C1−4アルコキシ−フェニルであり、
R3は水素又は−C1−4アルコキシルであり、
R4は−C0−4アルキルであり、
R5はH、ハロゲン、又は−C1−4アルキルである。
この1側面の更に別の態様において、本発明の化合物は式(I)により表される化合物又は医薬的に許容可能なその塩であり、式中、
Z1、Z2、Z3及びZ4は各々CHであり、
XはNであり、
YはOであり、
R1は場合により1〜5個の置換基で置換された−C1−6アルキルであり、各置換基は独立してハロゲン、−OH、−CN、−C1−6アルキル、−C1−4アルコキシル、−N(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)、−C0−4アルキル−C(O)−O−C0−4アルキル、−C0−4アルキル−モルホリニル、又は−C0−4アルキル−ベンゾキサゾリルであり、
R2は場合により独立して1〜3個のハロゲン、−OH、−CN、又は−C1−4アルコキシル置換基で置換された−C1−6アルコキシルであり、
R3は水素又は−C1−4アルコキシルであり、
R4は−C0−4アルキルであり、
R5はH、ハロゲン、又は−C1−4アルキルである。
この1側面の更に別の態様において、本発明の化合物は式(I)により表される化合物又は医薬的に許容可能なその塩であり、式中、
Z1、Z2、Z3及びZ4は各々CHであり、
XはNであり、
YはOであり、
R1は場合により1〜5個の置換基で置換された−シクロC3−6アルキルであり、各置換基は独立してハロゲン、−OH、−CN、−C1−6アルキル、−C1−4アルコキシル、−N(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)、−C0−4アルキル−C(O)−O−C0−4アルキル、−C0−4アルキル−モルホリニル、又は−C0−4アルキル−ベンゾキサゾリルであり、
R2はハロゲン、−OH、−CN、−N(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)、−NO2、又は−C1−6アルキル、−C1−4アルコキシル、−C0−4アルキル−フェニルもしくは−C1−4アルコキシ−フェニル基であり、前記基はいずれも場合により独立して1〜3個のハロゲン、−OH、−CN、又は−C1−4アルコキシル置換基で置換されており、
R3は水素又は−C1−4アルコキシルであり、
R4は−C0−4アルキルであり、
R5はH、ハロゲン、又は−C1−4アルキルである。
この1側面の別の態様において、本発明の化合物は式(I)により表される化合物又は医薬的に許容可能なその塩であり、式中、
Z1、Z2、Z3及びZ4は各々CHであり、
XはNであり、
YはOであり、
R1は場合により1〜5個の置換基で置換された−C0−4アルキル−トリアゾリルであり、各置換基は独立してハロゲン、−OH、−CN、−C1−6アルキル、−C1−4アルコキシル、−N(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)、−C0−4アルキル−C(O)−O−C0−4アルキル、−C0−4アルキル−モルホリニル、又は−C0−4アルキル−ベンゾキサゾリルであり、
R2はハロゲン、−OH、−CN、−N(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)、−NO2、又は−C1−6アルキル、−C1−4アルコキシル、−C0−4アルキル−フェニルもしくは−C1−4アルコキシ−フェニル基であり、前記基はいずれも場合により独立して1〜3個のハロゲン、−OH、−CN、又は−C1−4アルコキシル置換基で置換されており、
R3は水素又は−C1−4アルコキシルであり、
R4は−C0−4アルキルであり、
R5はH、ハロゲン、又は−C1−4アルキルである。
この1側面の別の態様において、本発明の化合物は式(I)により表される化合物又は医薬的に許容可能なその塩であり、式中、
Z1、Z2、Z3及びZ4は各々CHであり、
XはNであり、
YはOであり、
R1は場合により1〜5個の置換基で置換された−C0−4アルキル−イミダゾリル又は−C0−4アルキル−ピラゾリルであり、各置換基は独立してハロゲン、−OH、−CN、−C1−6アルキル、−C1−4アルコキシル、−N(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)、−C0−4アルキル−C(O)−O−C0−4アルキル、−C0−4アルキル−モルホリニル、又は−C0−4アルキル−ベンゾキサゾリルであり、
R2はハロゲン、−OH、−CN、−N(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)、−NO2、又は−C1−6アルキル、−C1−4アルコキシル、−C0−4アルキル−フェニルもしくは−C1−4アルコキシ−フェニル基であり、前記基はいずれも場合により独立して1〜3個のハロゲン、−OH、−CN、又は−C1−4アルコキシル置換基で置換されており、
R3は水素又は−C1−4アルコキシルであり、
R4は−C0−4アルキルであり、
R5はH、ハロゲン、又は−C1−4アルキルである。
この1側面の別の態様において、本発明の化合物は式(I)により表される化合物又は医薬的に許容可能なその塩であり、式中、
Z1、Z2、Z3及びZ4は各々CHであり、
XはNであり、
YはOであり、
R1は場合により1〜5個の置換基で置換された−C0−4アルキル−テトラゾリルであり、各置換基は独立してハロゲン、−OH、−CN、−C1−6アルキル、−C1−4アルコキシル、−N(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)、−C0−4アルキル−C(O)−O−C0−4アルキル、−C0−4アルキル−モルホリニル、又は−C0−4アルキル−ベンゾキサゾリルであり、
R2はハロゲン、−OH、−CN、−N(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)、−NO2、又は−C1−6アルキル、−C1−4アルコキシル、−C0−4アルキル−フェニルもしくは−C1−4アルコキシ−フェニル基であり、前記基はいずれも場合により独立して1〜3個のハロゲン、−OH、−CN、又は−C1−4アルコキシル置換基で置換されており、
R3は水素又は−C1−4アルコキシルであり、
R4は−C0−4アルキルであり、
R5はH、ハロゲン、又は−C1−4アルキルである。
この1側面の別の態様において、本発明の化合物は式(I)により表される化合物又は医薬的に許容可能なその塩であり、式中、
Z1、Z2、Z3及びZ4は各々CHであり、
XはNであり、
YはOであり、
R1は場合により1〜5個の置換基で置換された−C0−4アルキル−ピロリジニル又は−C0−4アルキル−ピペリジニルであり、各置換基は独立してハロゲン、−OH、−CN、−C1−6アルキル、−C1−4アルコキシル、−N(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)、−C0−4アルキル−C(O)−O−C0−4アルキル、−C0−4アルキル−モルホリニル、又は−C0−4アルキル−ベンゾキサゾリルであり、
R2はハロゲン、−OH、−CN、−N(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)、−NO2、又は−C1−6アルキル、−C1−4アルコキシル、−C0−4アルキル−フェニルもしくは−C1−4アルコキシ−フェニル基であり、前記基はいずれも場合により独立して1〜3個のハロゲン、−OH、−CN、又は−C1−4アルコキシル置換基で置換されており、
R3は水素又は−C1−4アルコキシルであり、
R4は−C0−4アルキルであり、
R5はH、ハロゲン、又は−C1−4アルキルである。
この1側面の別の態様において、本発明の化合物は式(I)により表される化合物又は医薬的に許容可能なその塩であり、式中、
Z1、Z2、Z3及びZ4は各々CHであり、
XはNであり、
YはOであり、
R1は場合により1〜5個の置換基で置換された−C0−4アルキル−ピリジル又は−C0−4アルキル−ピリミジニルであり、各置換基は独立してハロゲン、−OH、−CN、−C1−6アルキル、−C1−4アルコキシル、−N(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)、−C0−4アルキル−C(O)−O−C0−4アルキル、−C0−4アルキル−モルホリニル、又は−C0−4アルキル−ベンゾキサゾリルであり、
R2はハロゲン、−OH、−CN、−N(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)、−NO2、又は−C1−6アルキル、−C1−4アルコキシル、−C0−4アルキル−フェニルもしくは−C1−4アルコキシ−フェニル基であり、前記基はいずれも場合により独立して1〜3個のハロゲン、−OH、−CN、又は−C1−4アルコキシル置換基で置換されており、
R3は水素又は−C1−4アルコキシルであり、
R4は−C0−4アルキルであり、
R5はH、ハロゲン、又は−C1−4アルキルである。
この1側面の別の態様において、本発明の化合物は式(I)により表される化合物又は医薬的に許容可能なその塩であり、式中、
Z1、Z2、Z3及びZ4は各々CHであり、
XはNであり、
YはOであり、
R1は場合により1〜5個の置換基で置換された−C0−4アルキル−モルホリニルであり、各置換基は独立してハロゲン、−OH、−CN、−C1−6アルキル、−C1−4アルコキシル、−N(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)、−C0−4アルキル−C(O)−O−C0−4アルキル、−C0−4アルキル−モルホリニル、又は−C0−4アルキル−ベンゾキサゾリルであり、
R2はハロゲン、−OH、−CN、−N(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)、−NO2、又は−C1−6アルキル、−C1−4アルコキシル、−C0−4アルキル−フェニルもしくは−C1−4アルコキシ−フェニル基であり、前記基はいずれも場合により独立して1〜3個のハロゲン、−OH、−CN、又は−C1−4アルコキシル置換基で置換されており、
R3は水素又は−C1−4アルコキシルであり、
R4は−C0−4アルキルであり、
R5はH、ハロゲン、又は−C1−4アルキルである。
本発明の第2の側面において、本発明の化合物は式(I)により表される化合物又は医薬的に許容可能なその塩であり、式中、
Z1はNであり、
XはNであり、
YはOであり、
R1は−OH、ハロゲン又は−CNであるか、あるいはC1−6アルキル、−C1−4アルコキシル、−シクロC3−6アルキル、−C0−4アルキル−フェニル、−C0−4アルキル−ピリジル、−C0−4アルキル−イミダゾリル、−C0−4アルキル−ピラゾリル、−C0−4アルキル−トリアゾリル、−C0−4アルキル−テトラゾリル、−C0−4アルキル−ジオキソラニル、−C0−4アルキル−チアゾリル、−C0−4アルキル−ピペリジニル、−C0−4アルキル−ピロリジニル、−C0−4アルキル−モルホリニル、−C0−4アルキル−ピリミジニル、−C2−6アルキニル−チアゾリル又は−N(C0−4アルキル)(−C0−4アルキル)基であり、前記基はいずれも場合により1〜5個の置換基で置換されており、各置換基は独立してハロゲン、−OH、−CN、−C1−6アルキル、−C1−4アルコキシル、−N(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)、−C0−4アルキル−C(O)−O−C0−4アルキル、−C0−4アルキル−モルホリニル、又は−C0−4アルキル−ベンゾキサゾリルであり、
R2はハロゲン、−OH、−CN、−N(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)、−NO2、又は−C1−6アルキル、−C1−4アルコキシル、−C0−4アルキル−フェニルもしくは−C1−4アルコキシ−フェニル基であり、前記基はいずれも場合により独立して1〜3個のハロゲン、−OH、−CN、又は−C1−4アルコキシル置換基で置換されており、
R3は水素又は−C1−4アルコキシルであり、
R4は−C0−4アルキルであり、
R5はH、ハロゲン、又は−C1−4アルキルである。
この第2の側面の1態様において、本発明の化合物は式(I)により表される化合物又は医薬的に許容可能なその塩であり、式中、
Z1はNであり、
XはNであり、
YはOであり、
R1は場合により1〜5個の置換基で置換された−C1−6アルキルであり、各置換基は独立してハロゲン、−OH、−CN、−C1−6アルキル、−C1−4アルコキシル、−N(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)、−C0−4アルキル−C(O)−O−C0−4アルキル、−C0−4アルキル−モルホリニル、又は−C0−4アルキル−ベンゾキサゾリルであり、
R2はハロゲン、−OH、−CN、−N(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)、−NO2、又は−C1−6アルキル、−C1−4アルコキシル、−C0−4アルキル−フェニルもしくは−C1−4アルコキシ−フェニル基であり、前記基はいずれも場合により独立して1〜3個のハロゲン、−OH、−CN、又は−C1−4アルコキシル置換基で置換されており、
R3は水素又は−C1−4アルコキシルであり、
R4は−C0−4アルキルであり、
R5はH、ハロゲン、又は−C1−4アルキルである。
この第2の側面の別の態様において、本発明の化合物は式(I)により表される化合物又は医薬的に許容可能なその塩であり、式中、
Z1はNであり、
XはNであり、
YはOであり、
R1は場合により1〜5個の置換基で置換された−C0−4アルキル−ピリジルであり、各置換基は独立してハロゲン、−OH、−CN、−C1−6アルキル、−C1−4アルコキシル、−N(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)、−C0−4アルキル−C(O)−O−C0−4アルキル、−C0−4アルキル−モルホリニル、又は−C0−4アルキル−ベンゾキサゾリルであり、
R2はハロゲン、−OH、−CN、−N(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)、−NO2、又は−C1−6アルキル、−C1−4アルコキシル、−C0−4アルキル−フェニルもしくは−C1−4アルコキシ−フェニル基であり、前記基はいずれも場合により独立して1〜3個のハロゲン、−OH、−CN、又は−C1−4アルコキシル置換基で置換されており、
R3は水素又は−C1−4アルコキシルであり、
R4は−C0−4アルキルであり、
R5はH、ハロゲン、又は−C1−4アルキルである。
第3の側面において、本発明の化合物は式(I)により表される化合物又は医薬的に許容可能なその塩であり、式中、
Z2又はZ3はNであり、
XはNであり、
YはOであり、
R1は−OH、ハロゲン又は−CNであるか、あるいはC1−6アルキル、−C1−4アルコキシル、−シクロC3−6アルキル、−C0−4アルキル−フェニル、−C0−4アルキル−ピリジル、−C0−4アルキル−イミダゾリル、−C0−4アルキル−ピラゾリル、−C0−4アルキル−トリアゾリル、−C0−4アルキル−テトラゾリル、−C0−4アルキル−ジオキソラニル、−C0−4アルキル−チアゾリル、−C0−4アルキル−ピペリジニル、−C0−4アルキル−ピロリジニル、−C0−4アルキル−モルホリニル、−C0−4アルキル−ピリミジニル、−C2−6アルキニル−チアゾリル又は−N(C0−4アルキル)(−C0−4アルキル)基であり、前記基はいずれも場合により1〜5個の置換基で置換されており、各置換基は独立してハロゲン、−OH、−CN、−C1−6アルキル、−C1−4アルコキシル、−N(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)、−C0−4アルキル−C(O)−O−C0−4アルキル、−C0−4アルキル−モルホリニル、又は−C0−4アルキル−ベンゾキサゾリルであり、
R2はハロゲン、−OH、−CN、−N(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)、−NO2、又は−C1−6アルキル、−C1−4アルコキシル、−C0−4アルキル−フェニルもしくは−C1−4アルコキシ−フェニル基であり、前記基はいずれも場合により独立して1〜3個のハロゲン、−OH、−CN、又は−C1−4アルコキシル置換基で置換されており、
R3は水素又は−C1−4アルコキシルであり、
R4は−C0−4アルキルであり、
R5はH、ハロゲン、又は−C1−4アルキルである。
この第3の側面の1態様において、本発明の化合物は式(I)により表される化合物又は医薬的に許容可能なその塩であり、式中、
Z2又はZ3はNであり、
XはNであり、
YはOであり、
R1は場合により1〜5個の置換基で置換された−C0−4アルキル−ピリジルであり、各置換基は独立してハロゲン、−OH、−CN、−C1−6アルキル、−C1−4アルコキシル、−N(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)、−C0−4アルキル−C(O)−O−C0−4アルキル、−C0−4アルキル−モルホリニル、又は−C0−4アルキル−ベンゾキサゾリルであり、
R2はハロゲン、−OH、−CN、−N(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)、−NO2、又は−C1−6アルキル、−C1−4アルコキシル、−C0−4アルキル−フェニルもしくは−C1−4アルコキシ−フェニル基であり、前記基はいずれも場合により独立して1〜3個のハロゲン、−OH、−CN、又は−C1−4アルコキシル置換基で置換されており、
R3は水素又は−C1−4アルコキシルであり、
R4は−C0−4アルキルであり、
R5はH、ハロゲン、又は−C1−4アルキルである。
第4の側面において、本発明の化合物は式(I)により表される化合物又は医薬的に許容可能なその塩であり、式中、
Z1、Z2、Z3及びZ4はCH2であり、
XはNであり、
YはOであり、
R1は−OH、ハロゲン又は−CNであるか、あるいはC1−6アルキル、−C1−4アルコキシル、−シクロC3−6アルキル、−C0−4アルキル−フェニル、−C0−4アルキル−ピリジル、−C0−4アルキル−イミダゾリル、−C0−4アルキル−ピラゾリル、−C0−4アルキル−トリアゾリル、−C0−4アルキル−テトラゾリル、−C0−4アルキル−ジオキソラニル、−C0−4アルキル−チアゾリル、−C0−4アルキル−ピペリジニル、−C0−4アルキル−ピロリジニル、−C0−4アルキル−モルホリニル、−C0−4アルキル−ピリミジニル、−C2−6アルキニル−チアゾリル又は−N(C0−4アルキル)(−C0−4アルキル)基であり、前記基はいずれも場合により1〜5個の置換基で置換されており、各置換基は独立してハロゲン、−OH、−CN、−C1−6アルキル、−C1−4アルコキシル、−N(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)、−C0−4アルキル−C(O)−O−C0−4アルキル、−C0−4アルキル−モルホリニル、又は−C0−4アルキル−ベンゾキサゾリルであり、
R2はハロゲン、−OH、−CN、−N(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)、−NO2、又は−C1−6アルキル、−C1−4アルコキシル、−C0−4アルキル−フェニルもしくは−C1−4アルコキシ−フェニル基であり、前記基はいずれも場合により独立して1〜3個のハロゲン、−OH、−CN、又は−C1−4アルコキシル置換基で置換されており、
R3は水素又は−C1−4アルコキシルであり、
R4は−C0−4アルキルであり、
R5はH、ハロゲン、又は−C1−4アルキルである。
この第4の側面の1態様において、本発明の化合物は式(I)により表される化合物又は医薬的に許容可能なその塩であり、式中、
Z1、Z2、Z3及びZ4はCH2であり、
XはNであり、
YはOであり、
R1は場合により1〜5個の置換基で置換された−C1−6アルキルであり、各置換基は独立してハロゲン、−OH、−CN、−C1−6アルキル、−C1−4アルコキシル、−N(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)、−C0−4アルキル−C(O)−O−C0−4アルキル、−C0−4アルキル−モルホリニル、又は−C0−4アルキル−ベンゾキサゾリルであり、
R2はハロゲン、−OH、−CN、−N(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)、−NO2、又は−C1−6アルキル、−C1−4アルコキシル、−C0−4アルキル−フェニルもしくは−C1−4アルコキシ−フェニル基であり、前記基はいずれも場合により独立して1〜3個のハロゲン、−OH、−CN、又は−C1−4アルコキシル置換基で置換されており、
R3は水素又は−C1−4アルコキシルであり、
R4は−C0−4アルキルであり、
R5はH、ハロゲン、又は−C1−4アルキルである。
本明細書で使用する「アルキル」及び「アル」で始まる他の基(例えばアルコキシ、アルカノイル、アルケニル、アルキニル等)は直鎖でも分枝鎖でもその組合せでもよい炭素鎖を意味する。アルキル基の例としてはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−及びtert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル等が挙げられる。「アルケニル」、「アルキニル」等の用語は少なくとも1個の不飽和C−C結合を含む炭素鎖を意味する。
「シクロアルキル」なる用語はヘテロ原子を含まない炭素環を意味し、一、二及び三環式飽和炭素環や縮合環系が挙げられる。このような縮合環系は1個の部分的又は完全に不飽和の環を含むことができる(例えばベンゼン環を含み、ベンゾ縮合炭素環等の縮合環系を形成する)。シクロアルキルとしてはスピロ縮合環系等の縮合環系が挙げられる。シクロアルキルの例としてはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、デカヒドロナフタレン、アダマンタン、インダニル、インデニル、フルオレニル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン等が挙げられる。同様に、「シクロアルケニル」はヘテロ原子を含まず且つ少なくとも1個の非芳香族C−C二重結合を含む炭素環を意味し、一、二及び三環式部分飽和炭素環やベンゾ縮合シクロアルケン類が挙げられる。シクロアルケニルの例としてはシクロヘキセニル、インデニル等が挙げられる。
「アリール」なる用語は単環又は相互に縮合した多環である芳香族置換基を意味する。多環から形成される場合には、構成環の少なくとも1個は芳香族である。好適アリール置換基はフェニル及びナフチル基である。
「シクロアルキルオキシ」なる用語は特に指定しない限り短いC1−2アルキル部分によりオキシ結合原子に結合したシクロアルキル基を意味する。
「C0−6アルキル」なる用語は6、5、4、3、2、1個の炭素原子を含むか、又は炭素原子を含まないアルキルを意味する。炭素原子を含まないアルキルはアルキルが末端基である場合には水素原子置換基であり、アルキルが架橋基である場合には直接結合である。
「ヘテロ」なる用語は特に指定しない限り1個以上のO、S、又はN原子を意味する。例えば、ヘテロシクロアルキルとヘテロアリールは環内に1個以上のO、S、又はN原子(このような原子の混合物も含む)を含む環系を意味する。ヘテロ原子は環炭素原子に置換する。従って、例えばヘテロシクロC5アルキルは4〜0個の炭素原子を含む5員環である。ヘテロアリールの例としてはピリジニル、キノリニル、イソキノリニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、キノキサリニル、フリル、ベンゾフリル、ジベンゾフリル、チエニル、ベンズチエニル、ピロリル、インドリル、ピラゾリル、インダゾリル、オキサゾリル、ベンゾキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、オキサジアゾリル、チアジチアゾリル、トリアゾリル、及びテトラゾリルが挙げられる。ヘテロシクロアルキルの例としてはアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、イミダゾリニル、ピロリジン−2−オン、ピペリジン−2−オン、及びチオモルホリニルが挙げられる。
「ヘテロC0−4アルキル」なる用語は3、2、1個の炭素原子を含むか又は炭素原子を含まないヘテロアルキルを意味する。但し、少なくとも1個のヘテロ原子が存在していなければならない。従って、例えば炭素原子をもたず且つ1個のN原子をもつヘテロC0−4アルキルは、架橋基の場合には、−NH−であり、末端基の場合には、−NH2である。O又はSヘテロ原子についても同様の架橋基又は末端基が明らかである。
「アミン」なる用語は特に指定しない限りC0−6アルキルで置換された第1級、第2級及び第3級アミンを意味する。
「カルボニル」なる用語は特に指定しない限りカルボニルが末端基である場合にはC0−6アルキル置換基を意味する。
「ハロゲン」なる用語はフッ素、塩素、臭素及びヨウ素原子を意味する。
「場合により置換された」なる用語は置換と未置換の両方を含むことを意味する。従って、例えば場合により置換されたアリールとはペンタフルオロフェニル又はフェニル環を意味することができる。更に、場合により置換された多重部分、例えばアルキルアリールはアルキル基とアリール基が場合により置換されていることを意味する。多重部分の1個のみが場合により置換されている場合には特に「アリールが場合によりハロゲン又はヒドロキシルで置換されたアルキルアリール」等と言う。
本明細書に記載する化合物は1個以上の二重結合を含み、従ってシス/トランス異性体及び他の構造異性体でもよい。本発明はこれらの可能な全異性体とこれらの異性体の混合物を含む。
本明細書に記載する化合物は1個以上の不斉中心を含むことができ、従ってジアステレオマー及び光学異性体でもよい。本発明はこれらの可能な全ジアステレオマーとそのラセミ混合物、実質的に純粋なその分解エナンチオマー、可能な全幾何異性体及び医薬的に許容可能なその塩を含む。上記式Iは所定位置に明確な空間配置を示していない。本発明は式Iの全立体異性体と医薬的に許容可能なその塩を含む。更に、立体異性体の混合物と単離された特定立体異性体も含む。このような化合物を製造するために使用される合成操作中又は当業者に公知のラセミ化もしくはエピマー化操作を使用する際には、このような操作の生成物が立体異性体の混合物である可能性がある。
「医薬的に許容可能な塩」なる用語は医薬的に許容可能な非毒性塩基又は酸から製造された塩を意味する。本発明の化合物が酸性である場合には無機塩基や有機塩基等の医薬的に許容可能な非毒性塩基からその対応する塩を簡便に製造することができる。このような無機塩基から誘導される塩としてはアルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅(第1及び第2)、第2鉄、第1鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン(第1及び第2)、カリウム、ナトリウム、亜鉛等の塩が挙げられる。アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム及びナトリウム塩が特に好ましい。医薬的に許容可能な有機非毒性塩基から誘導される塩としては第1級、第2級及び第3級アミン、並びに環式アミン及び置換アミン(例えば天然及び合成置換アミン)の塩が挙げられる。塩を形成することが可能な他の医薬的に許容可能な有機非毒性塩基としてイオン交換樹脂(例えばアルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂)、プロカイン、プリン類、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミン等が挙げられる。
本発明の化合物が塩基性である場合には、無機酸や有機酸等の医薬的に許容可能な非毒性からその対応する塩を簡便に製造することができる。このような酸としては例えば酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、樟脳スルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、琥珀酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸等が挙げられる。クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸及び酒石酸が特に好ましい。
本発明の医薬組成物は活性成分として式Iにより表される化合物(又は医薬的に許容可能なその塩)と、医薬的に許容可能なキャリヤー及び場合により他の治療成分又はアジュバントを含む。このような付加治療成分としては例えばi)オピエートアゴニスト又はアンタゴニスト、ii)カルシウムチャンネルアンタゴニスト、iii)5HT受容体アゴニスト又はアンタゴニスト、iv)ナトリウムチャンネルアンタゴニスト、v)NMDA受容体アゴニスト又はアンタゴニスト、vi)COX−2選択的阻害剤、vii)NK1アンタゴニスト、viii)非ステロイド抗炎症薬(「NSAID」)、ix)GABA−A受容体モジュレーター、x)ドーパミンアゴニスト又はアンタゴニスト、xi)選択的セロトニン再取込み阻害剤(「SSRI」)及び/又は選択的セロトニン及びノルエピネフリン再取込み阻害剤(「SSNRI」)、xii)三環系抗鬱薬、xiv)ノルエピネフリンモジュレーター、xv)L−DOPA、xvi)ブスピロン、xvii)リチウム、xviii)バルプロン酸、xix)ニューロンチン(ガバペンチン)、xx)オランザピン、xxi)ニコチンアゴニスト又はアンタゴニスト(ニコチンを含む)、xxii)ムスカリニックアゴニスト又はアンタゴニスト、xxiii)ヘロイン代用薬(例えばメタドン、レボ−α−アセチルメタドール、ブプレノルフィン又はナルトレキソン)、並びにxxiv)ジスルフィラム及びアカンプロセートが挙げられる。組成物は経口、直腸、局所及び非経口(皮下、筋肉内及び静脈内等)投与に適した組成物を含むが、任意所定症例に最適な経路は特定宿主と、活性成分を投与する疾患の種類及び重篤度によって異なる。医薬組成物は簡便に単位剤形に製造することができ、製薬分野で周知の任意方法により製造することができる。
式Iの化合物を含有するクリーム、軟膏、ゼリー、溶液剤、又は懸濁液剤は局所用に利用することができる。本発明の趣旨ではマウスウォッシュやうがい薬も局所用途の範囲に含まれる。
例えば精神分裂症、不安症、鬱病及びパニック等の精神及び気分障害の治療や、mgluR5阻害に応答性の疼痛の治療には約0.01mg/kg〜約140mg/kg体重/日又は患者一人1日当たり約0.5mg〜約7gの用量レベルが有用である。例えば、精神分裂症、不安症、鬱病、及びパニックは化合物約0.01mg〜75mg/kg体重/日又は約0.5mg〜約 3.5g/患者/日を投与することにより有効に治療することができる。疼痛は化合物約0.01mg〜125mg/kg体重/日又は約0.5mg〜約5.5g/患者/日を投与することにより有効に治療することができる。更に、当然のことながら上記疾患を予防するためには予防上有効な用量レベルの本発明のmgluR5阻害化合物を投与することができる。
単一剤形を製造するためにキャリヤー材料と配合することができる活性成分の量は治療する宿主と特定投与方式により異なる。例えば、ヒト経口投与用製剤は活性剤約0.5mg〜約5gを組成物全体の約5〜約95%の範囲の適量のキャリヤー材料と簡便に配合することができる。単位剤形は一般に活性成分約1mg〜約1000mg、典型的には25mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、800mg又は1000mgを含有する。
しかし、当然のことながら、任意特定患者の特定用量レベルは年齢、体重、一般健康状態、性別、食事、投与時間、投与経路、排泄率、薬剤併用及び治療する特定疾患の重篤度等の種々の因子により異なる。
実際に、本発明の式Iにより表される化合物又は医薬的に許容可能なその塩を活性成分として慣用医薬配合技術により医薬キャリヤーと混和することができる。キャリヤーは例えば経口又は非経口(静脈内等)等の投与に所望される製剤形態に応じて多種多様の形態とすることができる。従って、本発明の医薬組成物は所定量の活性成分を各々含有するカプセル剤、カシェ剤又は錠剤等の経口投与に適した分離単位の形態とすることができる。更に、組成物は散剤、顆粒剤、溶液剤、水性液体懸濁液剤、非水性液剤、水中油エマルション又は油中水液エマルションの形態でもよい。上記一般剤形に加え、式Iにより表される化合物又は医薬的に許容可能なその塩は制御放出手段及び/又は送達装置により投与することもできる。組成物は任意製薬法により製造することができる。一般に、このような方法は1種以上の必要成分を構成するキャリヤーと活性成分を配合する段階を含む。一般に、組成物は活性成分を液体キャリヤー又は微粉固体キャリヤー又はその両者と均一混和することにより製造される。その後、生成物を所望形態に簡便に成形することができる。
従って、本発明の医薬組成物は医薬的に許容可能なキャリヤーと式Iの化合物又は医薬的に許容可能なその塩を含有することができる。式Iの化合物又は医薬的に許容可能なその塩と1種以上の他の治療薬として活性な化合物を医薬組成物で併用してもよい。
医薬キャリヤーは例えば固体、液体、又は気体とすることができる。固体キャリヤーの例としては乳糖、石膏、蔗糖、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アラビアガム、ステアリン酸マグネシウム、及びステアリン酸が挙げられる。液体キャリヤーの例としては糖蜜、落花生油、オリーブ油状、及び水が挙げられる。気体キャリヤーの例としては二酸化炭素と窒素が挙げられる。
経口剤形用組成物を製造するには、任意慣用医薬媒体を使用することができる。例えば、水、グリコール、油類、アルコール類、芳香剤、防腐剤、着色剤等を使用して懸濁液剤、エリキシル剤及び溶液剤等の経口液体製剤を形成することができ、澱粉、糖類、微結晶セルロース、希釈剤、顆粒化剤、滑剤、結合剤、崩壊剤等のキャリヤーを使用して散剤、カプセル剤及び錠剤等の固体製剤を形成することができる。投与し易いという理由から錠剤とカプセル剤が好適経口投与単位であり、従って、固体医薬キャリヤーを利用する。場合により、標準水性又は非水性技術により錠剤にコーティングしてもよい。
本発明の組成物を含有する錠剤は場合により1種以上の補助成分又はアジュバントを加えて圧縮又は成形により製造することができる。圧縮錠は適当な機械で活性成分を場合により結合剤、滑剤、不活性希釈剤、界面活性剤又は分散剤と混合して散剤や顆粒剤等のさらさらした形態に圧縮することにより製造することができる。成形錠は不活性液体希釈剤で湿潤させた粉末化合物の混合物を適当な機械で成形することにより製造することができる。各錠剤は活性成分約0.1mg〜約500mgを含むことが好ましく、各カシェ剤又はカプセル剤は活性成分約0.1mg〜約500mgを含むことが好ましい。従って、錠剤、カシェ剤又はカプセル剤は活性成分0.1mg、lmg、5mg、25mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、又は500mgを含み、錠剤、カシェ剤又はカプセル剤1錠以上を1日1回、2回、又は3回投与すると好都合である。
非経口投与に適した本発明の医薬組成物は活性化合物の水溶液又は水性懸濁液として製造することができる。例えば、ヒドロキシプロピルセルロース等の適当な界面活性剤を加えることができる。グリセロール、液体ポリエチレングリコール及びその油中混合物中で分散液を製造することもできる。更に、微生物の有害な増殖を防止するために防腐剤を加えることができる。
注射用に適した本発明の医薬組成物としては滅菌水溶液又は分散液が挙げられる。更に、組成物は前記滅菌水溶液又は分散液の即席調製用滅菌粉末の形態でもよい。いずれの場合も、最終注射剤形態は無菌でなければならず、注射針を通過し易いように有効に流動性でなければならない。医薬組成物は製造及び貯蔵条件下で安定でなければならないので、細菌や真菌等の微生物の汚染作用から保護することが好ましい。キャリヤーは例えば、水、エタノール、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコール)、植物油、及び適当なその混合物を含む溶媒又は分散媒とすることができる。
本発明の医薬組成物は例えばエアゾール、クリーム、軟膏、ローション、散布剤等の局所用に適した形態とすることができる。更に、組成物は経皮装置で使用するのに適した形態とすることができる。これらの製剤は本発明の式Iにより表される化合物又は医薬的に許容可能なその塩を使用して慣用加工法により製造することができる。1例として、クリーム又は軟膏は親水性材料と水を化合物約5重量%〜約10重量%と混合して所望コンシステンシーをもつクリーム又は軟膏とすることにより製造される。
本発明の医薬組成物はキャリヤーを固体とした直腸投与に適した形態でもよい。混合物は単位用量座剤を形成することが好ましい。適切なキャリヤーとしてはカカオバターや他の当分野で一般に使用されている材料が挙げられる。座剤はまず組成物を軟化又は溶融キャリヤーと混合した後に冷却し、型で成形することにより簡便に形成することができる。
上記キャリヤー成分に加え、上記医薬製剤は希釈剤、緩衝液、芳香剤、結合剤、界面活性剤、増粘剤、滑剤、防腐剤(酸化防止剤を含む)等の1種以上の付加キャリヤー成分を適宜加えてもよい。更に、製剤を所期レシピエントの血液と等張にするように他のアジュバントを加えてもよい。式Iにより表される化合物又は医薬的に許容可能なその塩を含有する組成物は粉末又は濃厚液形態で製造してもよい。
本発明の化合物及び医薬組成物はmgluR5阻害剤としての生体活性を示すことが判明した。従って、本発明の別の側面は有効量の本発明の化合物の投与による哺乳動物の例えば精神分裂症、不安症、鬱病、及びパニック、疼痛、パーキンソン病、認知障害、癲癇、薬物常用、薬物乱用及び薬物離脱即ちmGluR5の阻害により改善可能な疾病の治療である。「哺乳動物」なる用語はヒトと他の動物(例えばイヌ、ネコ、ウマ、ブタ及びウシ)を意味する。従って、当然のことながらヒト以外の哺乳動物の治療はヒト疾患である上記例に相関する臨床疾患の治療である。
更に、上述のように、本発明の化合物は他の治療化合物と併用することができる。特に、本発明のmgluR5阻害化合物はi)オピエートアゴニスト又はアンタゴニスト、ii)カルシウムチャンネルアンタゴニスト、iii)5HT受容体アゴニスト又はアンタゴニスト、iv)ナトリウムチャンネルアンタゴニスト、v)NMDA受容体アゴニスト又はアンタゴニスト、vi)COX−2選択的阻害剤、vii)NK1アンタゴニスト、viii)非ステロイド抗炎症薬(「NSAID」)、ix)GABA−A受容体モジュレーター、x)ドーパミンアゴニスト又はアンタゴニスト、xi)選択的セロトニン再取込み阻害剤(「SSRI」)及び/又は選択的セロトニン及びノルエピネフリン再取込み阻害剤(「SSNRI」)、xii)三環系抗鬱薬、xiii)ノルエピネフリンモジュレーター、xiv)L−DOPA、xv)ブスピロン、xvi)リチウム、xvii)バルプロン酸、xviii)ニューロンチン(ガバペンチン)、xix)オランザピン、xx)ニコチンアゴニスト又はアンタゴニスト(ニコチンを含む)、xxi)ムスカリニックアゴニスト又はアンタゴニスト、xxii)ヘロイン代用薬(例えばメタドン、レボ−α−アセチルメタドール、ブプレノルフィン又はナルトレキソン)、並びにxxiii)ジスルフィラム及びアカンプロセートと併用すると有利である。
本明細書で使用する略語は下表に示す意味をもつ。下表に示さない略語は特に指定しない限りそれらが通常使用されている意味をもつ。
生体活性を立証するアッセイ
マウス繊維芽細胞Ltk−細胞(hmGluR5a/L38−20細胞系)で安定に発現されるhmGluR5a受容体に対して本発明の化合物を試験し、蛍光Ca++感受性色素fura−2を使用して測定した[Ca++]iの変化により活性を検出した。hmGluR5aを安定に発現するマウス繊維芽細胞Ltk−細胞(LM5a細胞系)でInsPアッセイを実施した。国際特許公開WO0116121に記載されているアッセイを使用することができる。
カルシウム流量アッセイ
マウス繊維芽細胞Ltk−細胞(hmGluR5a/L38−20細胞系)で安定に発現されるhmGluR5a受容体に対して化合物の活性を試験した。一般にDaggettら,Neuropharmacology 34:871−886(1995)参照。蛍光カルシウム感受性色素fura−2を使用して測定した細胞内カルシウム([Ca2+]i)の変化をより受容体活性を検出した。hmGluR5a/L38−20細胞を96ウェルプレートに撒き、3μM fura−2を1時間ロードした。取込まれなかった色素を細胞から洗い流し、細胞プレートを96チャンネルフルオリメーター(SIBIA−SAIC,La Jolla,CA)に移し、完全自動プレート操作液体送達システムに搭載した。光学フィルターと組合せたキセノン光源で細胞を350及び385nmで励起した。ダイクロイックミラーと510nmインターフェースフィルターを通して試料から発光を集光し、冷却CCDカメラ(Princeton Instruments)に導いた。画像対を約1秒毎に捕捉し、バックグラウンドサブトラクション後に比率画像を生成した。20秒間の基線読取り後に、EC80濃度のグルタミン酸(10μM)をウェルに加え、応答を更に60秒間測定した。スクリーニング化合物の存在下でグルタミン酸により誘発される[Ca+]iの増加をグルタミン酸単独(陽性対照)の応答に比較した。
ホスファチジルイノシトール加水分解(PI)アッセイ
Berridgeら[Berridgeら,Biochem.J.206:587−5950(1982); 及びNakajimaら,J.Biol.Chem.267:2437−2442(1992)]により記載されている方法を若干変更してイノシトールリン酸アッセイを実施した。hmGluR5を発現するマウス繊維芽細胞Ltk細胞(hmGluR5/L38−20細胞)を24ウェルプレートに8x105細胞/ウェルの密度で撒いた。[3H]−イノシトール(Amersham PT6−271; Arlington Heights、Ill.; 比活性=17.7Ci/mmol)1μCiを各ウェルに加え、16時間37℃で培養した。細胞を2回洗浄し、標準Hepes緩衝塩類緩衝液(HBS;125mM NaCl、5mM KCI、0.62mM MgSO4、1.8mM CaCl2、20mM HEPES、6mMグルコース、pH7.4まで)0.5mL中で45分間培養した。10mM LiClを加えたHBSで細胞を洗浄し、緩衝液400μLを各ウェルに加えた。細胞を37℃で20分間培養した。試験のために、本発明の実施で使用した10X化合物(HBS/LiCl(100mM)中で調製)50μLを加え、10分間培養した。10μMグルタミン酸を加えることにより細胞を活性化し、プレートを1時間37℃で放置した。氷冷メタノール1mLを各ウェルに加えることにより培養を終了した。イノシトールリン酸(IP)を分離するために、細胞をウェルから掻き取り、番号を付けたガラス試験管に入れた。クロロホルム1mLを各試験管に加え、試験管を混合し、遠心により相分離した。IPをDowexアニオン交換カラム(AG 1−X8 100−200メッシュギ酸形)で分離した。上部水層(750μL)をDowexカラムに加え、カラムを蒸留水3mLで溶離した。溶離液を捨て、カラムを60mMギ酸アンモニウム/5mM Borax10mLで洗浄し、同じく廃液として捨てた。最後に、カラムを800mMギ酸アンモニウム/0.1Mギ酸4mLで溶離し、試料をシンチレーションバイアルに集めた。シンチレーターを各バイアルに加えてバイアルを振盪し、2時間後にシンチレーションカウンターでカウントした。所定の典型的化合物で処理した細胞におけるホスファチジルイノシトール加水分解を化合物の不在下にアゴニスト単独で処理した細胞中のホスファチジルイノシトール加水分解と比較した。
本願の化合物はカルシウム流量アッセイの値が5μM未満であり、PIアッセイの値が100μM未満であることから明らかなようにmgluR5阻害剤活性をもつ。化合物はカルシウム流量アッセイの値が500nM未満であり、PIアッセイの値が10μM未満であることが好ましい。化合物はカルシウム流量アッセイの値が50nM未満であり、PIアッセイの値が1μM未満であることがより好ましい。
実施例1〜80はカルシウム流量アッセイの値が5μM未満であり、PIアッセイの値が100μM未満であることから明らかなようにmGluR5阻害剤活性をもつ。
以下の実施例は本発明の所定の好適態様の例証を目的とし、発明を限定するものではない。
特に指定しない限り、実験手順は以下の条件下で実施した。全操作は室温即ち18〜25℃の範囲の温度で実施した。溶媒の蒸発はロータリーエバポレーターを使用して減圧下(600〜4000パスカル:4.5〜30mmHg)に60℃までの浴温度で実施した。反応の進行は薄層クロマトグラフィー(TLC)により追跡し、例証のみの目的で反応時間を示す。融点は未補正値であり、「d」は分解を示す。記載する融点は記載通りに製造した材料で得られた値である。調製物によっては多形の結果として異なる融点で材料が分離する場合もある。全最終産物の構造と純度はTLC、質量分析、核磁気共鳴(NMR)スペクトロメトリー又は微量分析データの少なくとも1種により確かめた。収率を記載する場合には例証に過ぎない。NMRデータを記載する場合には、主要診断プロトンのデルタ(δ)値として示し、指定溶媒を使用して300MHz、400MHz又は500MHzで測定し、内部標準としてのテトラメチルシラン(TMS)に対する100万分率(ppm)として表す。シグナル形は慣用略語を使用し、s.一重項;d.二重項;t.三重項;m.多重項;br.広幅等である。更に、「Ar」は芳香族シグナルを意味する。化学記号はその通常の意味をもち、以下の略語を使用する。v(容量)、w(重量)、b.p.(沸点)、m.p.(融点)、L(リットル)、mL(ミリリットル)、g(グラム)、mg(ミリグラム)、mol(モル)、mmol(ミリモル)、eq(当量)。
合成方法
本発明の化合物は以下の方法に従って製造することができる。置換基は特に指定しない限り、式Iと同じである。
[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−ブロモフェニル]アセトニトリル
3−ブロモ−4−メチル安息香酸(1.0g、4.7mmol)と塩化チオニル(18mL)の混合物を1時間還流した後に室温まで冷却した。過剰の塩化チオニルを減圧除去し、残渣をTHF(10mL)に溶かし、THF(18mL)中2−アミノフェノール(510mg、4.7mmol)とジイソプロピルエチルアミン(0.90mL、5.1mmol)の冷却(0℃)混合物に加えた。得られた混合物を室温で4時間撹拌した。次に溶媒を除去し、EtOAc:ヘキサン(1:5→1:4)を溶離液として残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、3−ブロモ−N−(2−ヒドロキシフェニル)−4−メチルベンズアミドが得られた。
トルエン(50mL)中3−ブロモ−N−(2−ヒドロキシフェニル)−4−メチルベンズアミド(550mg、1.8mmol)とp−トルエンスルホン酸(2.4g、12.7mmol)の混合物を4時間還流し、室温まで冷却し、セライトパッドで濾過した。濾液を蒸発乾涸し、EtOAc:ヘキサン勾配(0→30分:0→15%EtOAc)を使用して残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、2−(3−ブロモ−4−メチルフェニル)−1,3−ベンゾオキサゾールが無色固体として得られた。MS(ESI)288(M+H)+。
四塩化炭素(15mL)中2−(3−ブロモ−4−メチルフェニル)−1,3−ベンゾオキサゾール(240mg、0.83mmol)、n−ブロモスクシンイミド(180mg、0.99mmol)、及び過酸化ベンゾイル(10mg、0.041mmol)の混合物を3時間還流した。白色沈殿を濾過し、濾液を蒸発乾涸した。得られた固体をEtOAc:ヘキサン(1:5)を溶離液としてシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、2−[3−ブロモ−4−(ブロモメチル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾールが黄色固体として得られた。
DMF:H2O(3:1、16mL)中2−[3−ブロモ−4−(ブロモメチル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール(156mg、0.42mmol)とシアン化ナトリウム(41mg、0.84mmol)の混合物を室温で18時間撹拌した。反応混合物に水(50mL)を加え、EtOAc(3x)で抽出した。有機層を合わせてブライン(2x)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、蒸発乾涸すると、オレンジ色油状物が得られた。EtOAc:ヘキサン勾配(0→30分:0→20%EtOAc)を溶離液として粗油状物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、所望[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−ブロモフェニル]アセトニトリルが黄色固体として得られた(M.p.190−191℃)。1H NMR(CDCl3,300MHz)δ8.50(s、1H)、8.22(dd、1H)、7.78(m、1H)、7.70(d、1H)、7.60(m、1H)、7.39(m、2H)、3.91(s、2H)。MS(ESI)313(M)+。
[5−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2’,4’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニル2−イル]アセトニトリル
脱気DME/H2O(5:1、12mL)中2,4−ジメトキシフェニルボロン酸(175mg、0.96mmol)、[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−ブロモフェニル]アセトニトリル(実施例1)(200mg、0.64mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(22mg、0.032mmol)、トリフェニルホスフィン(17mg、0.064mmol)、及び炭酸カリウム(177mg、1.3mmol)の混合物を83℃に18時間加熱した。混合物を室温まで冷却し、2層を分離し、水層をEtOAc(3x)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、蒸発乾涸すると、オレンジ色固体が得られた。EtOAc:ヘキサン勾配(0→40分:0→20%EtOAc、40→50分:50%EtOAc)を溶離液として粗固体をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、[5−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2’,4’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニル−2−イル]アセトニトリルが黄色固体として得られた。1H NMR(CDCl3,300MHz)δ8.26(dd、1H)、8.15(s、1H)、7.77(m、1H)、7.70(d、1H)、7.57(m、1H)、7.36(m、2H)、7.16(d、1H)、6.62(dd、1H)、6.57(s、1H)、3.88(s、3H)、3.78(s、3H)、3.64(q、2H)。MS(ESI)371(M+H)+。
[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メチルフェニル]アセトニトリル
脱気DME/H2O(5:1、12mL)中メタンボロン酸(57.6mg、0.96mmol)、[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−ブロモフェニル]アセトニトリル(実施例1)(200mg、0.64mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(22.4mg、0.032mmol)、トリフェニルホスフィン(17mg、0.064mmol)、及び炭酸カリウム(177mg、1.3mmol)の混合物を80℃に18時間加熱した。混合物を室温まで冷却し、2層を分離し、水層をEtOAc(3x)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、蒸発乾涸すると、茶色固体が得られた。EtOAc:ヘキサン勾配(0→40分:0→25%EtOAc)を溶離液として粗固体をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、所望[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メチルフェニル]アセトニトリルが黄色固体として得られた。1H NMR(CDCl3,300MHz)δ8.14(s、1H)、8.11(d、1H)、7.78(m、1H)、7.60(m、1H)、7.54(d、1H)、7.38(m、2H)、3.76(s、2H)、2.45(s、3H)。MS(ESI)249(M+H)+。
5’−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2’−(シアノメチル)−1,1’−ビフェニル−3−カルボニトリル
3−ブロモ−4−メチル安息香酸(1.0g、4.7mmol)と塩化チオニル(18mL)の混合物を1時間還流した後に室温まで冷却した。過剰の塩化チオニルを減圧除去し、残渣をTHF(10mL)に溶かし、THF(18mL)中2−アミノフェノール(507mg、4.7mmol)とジイソプロピルエチルアミン(0.90mL、5.1mmol)の冷却(0℃)混合物に加えた。得られた混合物を室温で4時間撹拌した。次に溶媒を除去し、EtOAc:ヘキサン(1:5→1:4)を溶離液として残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、3−ブロモ−N−(2−ヒドロキシフェニル)−4−メチルベンズアミドが得られた。
3−ブロモ−N−(2−ヒドロキシフェニル)−4−メチルベンズアミド(554mg、1.8mmol)、p−トルエンスルホン酸(2.41g、12.7mmol)及びトルエン(50mL)の混合物を4時間還流し、室温まで冷却し、セライトパッドで濾過した。濾液を蒸発乾涸し、EtOAc:ヘキサン勾配(0→30分間:0→15%EtOAc)を使用して残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、2−(3−ブロモ−4−メチルフェニル)−1,3−ベンゾオキサゾールが無色固体として得られた。MS(ESI)288(M+)。
脱気DME/H2O(5:1、18mL)中3−シアノ−フェニルボロン酸(183mg、1.3mmol)、2−(3−ブロモ−4−メチルフェニル)−1,3−ベンゾオキサゾール(300mg、1.04mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(36.5mg、0.052mmol)、トリフェニルホスフィン(27mg、0.104mmol)、及び炭酸カリウム(287mg、2.08mmol)の混合物を80℃まで18時間加熱した。混合物を室温まで冷却し、2層を分離し、水層をEtOAc(3x)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、蒸発乾涸すると、透明固体が得られた。EtOAc:ヘキサン勾配(0→30分:0→20%EtOAc)を溶離液として粗固体をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、5’−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2’−メチル−1,1’−ビフェニル−3−カルボニトリルが無色固体として得られた。
四塩化炭素(15mL)中5’−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2’−メチル−1,1’−ビフェニル3−カルボニトリル(229mg、0.74mmol)、n−ブロモスクシンイミド(145mg、0.81mmol)、及び過酸化ベンゾイル(9mg、0.037mmol)の混合物を5時間還流した。溶媒を蒸発乾涸し、EtOAc:ヘキサン勾配(0→30分間:0→20%EtOAc、30→40分:50%EtOAc)を溶離液として粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、5’−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2’−(ブロモメチル)−1,1’−ビフェニル−3−カルボニトリルが無色固体として得られた。
DMF:H2O(5:1、18mL)及びDMF(20mL)中5’−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2’−(ブロモメチル)−1,1’−ビフェニル−3−カルボニトリル(183mg、0.47mmol)とシアン化ナトリウム(46mg、0.94mmol)の混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物にH2Oを加え、EtOAc(3x)で抽出した。有機層を合わせてブライン(2x)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、蒸発乾涸すると、オレンジ色油状物が得られた。EtOAc:ヘキサン勾配(0→30分:0→20%EtOAc)を溶離液として粗油状物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、所望5’−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2’−(シアノメチル)−1,1’−ビフェニル−3−カルボニトリルが無色固体として得られた(M.p.175−176℃)。1H NMR(CDCl3,300MHz)δ8.34(dd、1H)、8.18(s、1H)、7.77(m、3H)、7.67(m、3H)、7.60(m、1H)、7.40(m、2H)、3.69(s、2H)。MS(ESI)336(M+H)+。
[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトニトリル
4−メチル−3−(トリフルオロメチル)安息香酸(1.0g、4.9mmol)と塩化チオニル(15mL)の混合物を3時間還流した後に室温で一晩撹拌した。過剰の塩化チオニルを減圧除去し、残渣をTHF(20mL)に溶かし、無水THF(15mL)中2−アミノフェノール(0.53g、4.9mmol)とジイソプロピルエチルアミン(1.0mL,5.9mmol)の冷却(0℃)溶液に加えた。得られた茶色がかった混合物を室温で3時間撹拌した。次に溶媒を除去し、p−トルエンスルホン酸(3.7g、19.6mmol)とトルエン(20mL)を暗色油状物に加えた。次に混合物を3時間還流し、混合物を室温まで冷却した。過剰のp−トルエンスルホン酸をセライトで濾過し、濾液を蒸発乾涸した。EtOAc:ヘキサン(1:9)を溶離液として粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、2−[4−メチル−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾールが無色固体として得られた。
四塩化炭素(15mL)中2−[4−メチル−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール(600mg、2.2mmol)、n−ブロモスクシンイミド(579mg、3.25mmol)、過酸化ベンゾイル(26mg、0.11mmol)の混合物を3時間還流した後に室温まで冷却した。白色沈殿を濾過し、濾液を濃縮乾涸した。EtOAc:ヘキサン(1:1)を溶離液として粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、2−[4−(ブロモメチル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾールが得られた。
2−[4−(ブロモメチル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール(528mg、1.5mmol)とシアノトリメチルシラン(0.30mL,2.2mmol)のアセトニトリル(19mL)懸濁液にTBAF(THF中1.0M、2.2mL,2.2mmol)を加え、混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、EtOAc:ヘキサン(1:9)を溶離液として粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、所望[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトニトリルが無色固体として得られた。1H NMR(CDCl3,300MHz)δ8.60(s、1H)、8.48(d、1H)、7.88(d、1H)、7.82(m、1H)、7.63(m、1H)、7.43(m、2H)、4.05(s、2H)。MS(ESI)303(M+H)+。
[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−ニトロフェニル]アセトニトリル
4−フルオロ−3−ニトロ安息香酸(2.1g、11.3mmol)と塩化チオニル(20mL)の混合物を3時間還流した後に室温まで冷却した。過剰の塩化チオニルを除去し、残渣をTHF10mLに溶かし、無水THF(20mL)中2−アミノフェノール(1.24g、11.3mmol)とジイソプロピルエチルアミン(2.4mL,13.6mmol)の冷却(0℃)溶液に加えた。得られた混合物を4時間還流した後に室温まで冷却した。溶媒を除去し、p−トルエンスルホン酸(8.63g、45.4mmol)とトルエン(50mL)を加え、得られた暗色混合物を一晩還流した。溶媒を除去し、ヘキサン:CH2Cl2(1:5)を溶離液として粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、2−(4−フルオロ−3−ニトロフェニル)−1,3−ベンゾオキサゾールが無色固体として得られた。
2−(4−フルオロ−3−ニトロフェニル)−1,3−ベンゾオキサゾール(200mg、0.77mmol)をDMSO(5mL)に溶かし、K2CO3(267mg、1.94mmol)を加えた。得られた黄色混合物を65℃まで加温し、シアノ酢酸tert−ブチル(137mg、0.97mmol)を滴下した。暗赤色混合物を65℃まで30分間加熱し、室温まで冷却し、H2Oに注入した。水層を(10%HCl水溶液で)pH3まで酸性化し、EtOAc(3x)で抽出した。有機層を合わせてブライン(2x)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、蒸発乾涸した。黄色残渣とp−トルエンスルホン酸(29.5mg、0.15mmol)をトルエン(15mL)に溶かし、混合物を20時間還流した。室温まで冷却後、混合物をH2Oに注入し、2層を分離した。水層をEtOAc(3x)で抽出し、有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、蒸発乾涸した。EtOAc:ヘキサン(3:7→2:3→1:1)を溶離液として残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、所望[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−ニトロフェニル]アセトニトリルがオレンジ色固体として得られた(M.p.203℃)。1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.79(s、1H)、8.57(dd、1H)、7.97(d、1H)、7.86(m、2H)、7.54−7.44(m、2H)、4.50(s、2H)。MS(ESI)280(M+H)+。
[2−アミノ−4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニル]アセトニトリル
[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−ニトロフェニル]アセトニトリル(100mg、0.36mmol)とPd/C(20mg)のEtOH/EtOAc(5:1、60mL)懸濁液を2日間かけて水素化した(35psi)。 得られた反応混合物をセライトで濾過し、濾液を蒸発乾涸した。得られた黄色固体をMeOH:CH2Cl2(1:19)を溶離液としてシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、[2−アミノ−4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニル]アセトニトリルがオレンジ色固体として得られた(M.p.198−199℃)。1H NMR(CDCl3,300MHz)δ7.77(m、1H)、7.71−7.66(m、2H)、7.58(m、1H)、7.40−7.34(m、3H)、3.88(s、2H)、3.66(s、2H)。MS(ESI)250(M+H)+。
[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−フルオロフェニル]アセトニトリル
4−ブロモ−2−フルオロベンジルブロミド(1.5g、5.6mmol)のDMF(50mL)溶液に撹拌下にシアン化ナトリウム(0.8g、17mmol)を加えた。反応混合物を90℃で1時間撹拌し、室温まで冷却し、ブライン(50mL)を加えて反応を停止した。EtOAc(3x100mL)で抽出後、有機層を合わせてブライン(50mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc5:1)により精製すると、4−ブロモ−2−フルオロベンジルシアニドが黄色固体として得られた。MS(ESI)307(M+H)+。
ベンゾオキサゾール(153mg、1.3mmol)のTHF(5mL)溶液に−78℃で撹拌下にn−ブチルリチウム(640μL,ヘキサン中2.5M、1.6mmol)を加えた。反応混合物を15分間−78℃で撹拌し、ZnCl2(3.9mL,Et2O中1.0M溶液、3.9mmol)を注射器で加えた。次に反応混合物を0℃まで1時間加温し、4−ブロモ−2−フルオロベンジルシアニド(214mg、1.0mmol)のTHE(2mL)溶液をPd(THF5mL中PdCl2(PPh3)2144mgにヘキサン中2.5M n−ブチルリチウム200μLを加えることにより調製した微細懸濁液)と共に加えた。次に反応混合物を一晩還流下に撹拌し、飽和NaHCO3(50mL)を加えて反応を停止し、EtOAc(300mL)で希釈した。得られた有機層をH2O(1x50mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、減圧濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc5:1)により精製すると、所望[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−フルオロフェニル]アセトニトリルが黄色固体として得られた。1H NMR(CD3OD,300MHz)δ8.14(q、1H)、8.2(q、1H)、7.82(m、1H)、7.63(m、2H)、7.42(m、2H)、3.85(s、2H)。MS(ESI)253(M+H)+。
[2−フルオロ−4−(6−メチル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニル]アセトニトリル
4−ブロモ−2−フルオロベンジルブロミド(1.5g、5.6mmol)のDMF(50mL)溶液に撹拌下にシアン化ナトリウム(0.8g、16.8mmol)を加えた。得られた反応混合物を90℃で1時間撹拌し、室温まで冷却し、ブライン(50mL)を加えて反応を停止し、EtOAc(3x100mL)で抽出した。有機層を合わせてブライン(50mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、減圧濃縮した。残渣をフラッシュカラム(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc5:1)により精製すると、4−ブロモ−2−フルオロベンジルシアニドが黄色固体として得られた。MS(ESI)307(M+H)+。
6−メチルベンゾオキサゾール(173mg、1.3mmol)のTHF(5mL)溶液に−78℃で撹拌下にn−ブチルリチウム(640μL、ヘキサン中2.5M、1.6mmol)を加えた。得られた反応混合物を15分間−78℃で撹拌し、ZnCl2(3.9mL、Et2O中1M、3.9mmol)を注射器で加えた。反応混合物を0℃に1時間加温した後、4−ブロモ−2−フルオロベンジルシアニド(214mg、1.0mmol)のTHF(2mL)溶液をPd0(THF5mL中PdCl2(PPh3)2144mgにヘキサン中2.5M n−ブチルリチウム200μLを加えることにより調製した新鮮懸濁液)と共に加えた。次に混合物を一晩還流加熱した。混合物を飽和NaHCO3(50mL)で加水分解し、EtOAc(3x150mL)で抽出した。有機層を合わせてH2O(50mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、減圧濃縮した。ヘキサン:EtOAc(5:1)混合物を溶離液として使用して残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製すると、[2−フルオロ−4−(6−メチル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニル]アセトニトリルが黄色固体として得られた。1H NMR(CD3OD,300MHz)、δ8.07(d、1H)、7.95(d、1H)、7.64(m、2H)、7.40(s、1H)、7.20(d、1H)、3.90(s、1H)。MS(ESI)267(M+H)+。
[2−フルオロ−4−(5−メチル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニル]アセトニトリル
4−ブロモ−2−フルオロベンジルブロミド(1.5g、5.6mmol)のDMF(50mL)溶液に撹拌下にシアン化ナトリウム(0.8g、16.8mmol)を加えた。得られた混合物を90℃で1時間撹拌し、室温に冷却し、ブライン(50mL)を加えて反応を停止した。EtOAc(3x50mL)で抽出後、有機層を合わせてブライン(50mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、減圧濃縮した。ヘキサン:EtOAc(5:1)混合物を使用して残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製すると、4−ブロモ−2−フルオロベンジルシアニドが黄色固体として得られた。MS(ESI)307(M+H)+。
5−メチルベンゾオキサゾール(173mg、1.3mmol)のTHF(5mL)溶液に−78℃で撹拌下にn−ブチルリチウム(640μL、ヘキサン中2.5M、1.6mmol)を加えた。反応混合物を15分間−78℃で撹拌した後、ZnCl2(3.9mL、Et2O中1M、3.9mmol)を注射器で加えた。反応混合物を0℃に1時間加温し、4−ブロモ−2−フルオロベンジルシアニド(214mg、1.0mmol)のTHF(2mL)溶液をPd0(THF5mL中PdCl2(PPh3)2144mgにヘキサン中2.5M n−ブチルリチウム200μLを加えることにより調製した新鮮懸濁液)と共に加えた。混合物を一晩還流し、飽和NaHCO3(50mL)を加えて反応を停止した。EtOAc(3x75mL)で抽出後、有機層を合わせてブライン(50mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、減圧濃縮した。ヘキサン:EtOAc(5:1)混合物を使用して残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製すると、所望[2−フルオロ−4−(5−メチル−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニル]アセトニトリルが黄色固体として得られた。1H NMR(CD3OD,300MHz)、δ8.07(d、1H)、7.95(d、1H)、7.64(m、2H)、7.40(s、1H)、7.20(d、1H)、3.90(s、1H)。MS(ESI)267(M+H)+。
[4−(5−クロロ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−フルオロフェニル]アセトニトリル
4−ブロモ−2−フルオロベンジルブロミド(1.5g、5.6mmol)のDMF(50mL)溶液に撹拌下にシアン化ナトリウム(0.8g、16.8mmol)を加えた。反応混合物を90℃で1時間撹拌し、室温に冷却した。ブライン(50mL)を加えて反応を停止し、EtOAc(100mL)で希釈した後、EtOAc層をブライン(50mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc5:1)により精製すると、4−ブロモ−2−フルオロベンジルシアニドが黄色固体として得られた。MS(ESI)307(M+H)+。
5−クロロベンゾオキサゾール(200mg、1.3mmol)のTHF(5mL)溶液に−78℃で撹拌下にn−ブチルリチウム(640μL、ヘキサン中2.5M、1.6mmol)を加えた。反応混合物を15分間−78℃で撹拌した後、ZnCl2(3.9mL、Et2O中1M、3.9mmol)を注射器で加えた。次に反応混合物を0℃に1時間加温した。4−ブロモ−2−フルオロベンジルシアニド(214mg、1.0mmol)のTHF(2mL)溶液をPd0(THF5mL中PdCl2(PPh3)2144mgにヘキサン中2.5M n−ブチルリチウム200μLを加えることにより調製した新鮮懸濁液)と共に加えた。次に反応混合物を一晩還流下に撹拌し、飽和NaHCO3(50mL)を加えて反応を停止した。混合物をEtOAc(300mL)で希釈後、有機層抽出層をH2O(50mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc5:1)により精製すると、所望[4−(5−クロロ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−フルオロフェニル]アセトニトリルが黄色固体として得られた。1H NMR(CD3OD,300Hz)、δ8.10(d、1H)、7.99(d、1H)、7.79(d、1H)、7.68(t、1H)、7.52(d、IH)、7.39(q、1H)、3.90(s、1H)。MS(ESI)287(M+H)+。
[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−ヒドロキシフェニル]アセトニトリル
3−ヒドロキシ−4−メチル安息香酸(2.5g、16.4mmol)を入れた100mL丸底フラスコにSOCl2(15mL)を滴下した。反応混合物を30分間還流し、室温まで冷却した。過剰のSOCl2を減圧除去し、油状酸塩化物をTHF(15mL)に溶かした。こうして得られた溶液を2−アミノフェノール(1.8g、16.4mmol)、トリエチルアミン(1.7g、16.4mmol)及びTHF(30mL)の混合物に0℃で滴下した。得られた反応混合物を次に室温まで30分間加温し、生じた沈殿を濾別した。濾液を減圧下に濃縮乾燥した。得られた暗褐色固体残渣をトルエン(20mL)に溶かし、p−トルエンスルホン酸(15.6g、82mmol)を加えた。反応混合物を一晩還流し、室温に冷却し、EtOAc(500mL)を加えた。EtOAc溶液をブライン(3x50mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧濃縮した。残渣をEtOAcから再結晶させると、5−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メチルフェノールが淡黄色固体として得られた。MS(ESI)226(M+H)+。
5−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メチルフェノール(0.8g、3.5mmol)とトリエチルアミン(0.6mL、4.3mmol)のCH2Cl2(20mL)溶液を0℃に冷却し、tert−ブチル(900mL、3.9mmol)を加えた。次に反応混合物を室温まで30分間加温した。混合物をEtOAc(200mL)で希釈し、H2O(3X50mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧濃縮すると、2−(3−{[tert−ブチル−(ジメチル)シリル]オキシ}−4−メチルフェニル)−1,3−ベンゾオキサゾールが淡黄色油状物として得られた。
2−(3−{[tert−ブチル−(ジメチル)シリル]オキシ}−4−メチルフェニル)−1,3−ベンゾオキサゾール(1.46g、4.3mmol)をCCl4(50mL)に溶かし、これにNBS(770mg、4.3mmol)と過酸化ベンゾイル(50mg)を加えた。反応混合物を6時間還流した後に室温まで冷却した。溶媒を減圧除去し、残渣をEtOAc(50mL)で希釈し、ブライン(50mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧濃縮すると、2−(3−{[tert−ブチル−(ジメチル)シリル]オキシ}−4−ブロモメチルフェニル)−1,3−ベンゾオキサゾールが淡黄色固体として得られた。
DMF(10mL)中2−(3−{[tert−ブチル−(ジメチル)シリル]オキシ}−4−ブロモメチルフェニル)−1,3−ベンゾオキサゾール(1.6g、3.8mmol)とシアン化ナトリウム(560mg、11.4mmol)の混合物を90℃で一晩撹拌した。室温まで冷却後、混合物をEtOAc(100mL)で希釈し、H2O(2X50mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧濃縮すると、所望[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−ヒドロキシフェニル]アセトニトリルが黄色固体として得られた。1H NMR(CD3OD,300MHz)、δ10.6(s、1H)、7.8(m、2H)、7.7(m、2H)、7.5(d、1H)、7.4(m、2H)。MS(ESI)251(M+H)+。
{4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−[2−(4−フルオロフェニル)エトキシ]フェニル}アセトニトリル
3−ヒドロキシ−4−メチル安息香酸(2.5g、16.4mmol)を入れた100mL丸底フラスコにSOCl2(15mL)を滴下した。反応混合物を30分間還流し、室温まで冷却し、過剰のSOCl2を減圧除去した。油状酸塩化物をTHF(15mL)に溶かし、溶液を2−アミノフェノール(1.8g、16.4mmol)、トリエチルアミン(1.7g、16.4mmol)及びTHF(30mL)の混合物に0℃で滴下した。次に反応混合物を室温まで1時間加温し、沈殿を濾別した。濾液を減圧下の濃縮乾燥し、暗褐色固体残渣をトルエン(20mL)に溶かし、p−トルエンスルホン酸(15.6g、82mmol)を加えた。反応混合物を一晩還流し、室温まで冷却し、EtOAc(500mL)に溶かした。有機層をブライン(3x50mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧濃縮した。残渣をEtOAcから再結晶させると、5−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メチルフェノールが淡黄色固体として得られた。MS(ESI)226(M+H)+。
5−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メチルフェノール(0.8g、3.5mmol)とトリエチルアミン(0.6mL、4.3mmol)のCH2Cl2(20mL)溶液を0℃まで冷却し、TBDMS−OTf(900mL、3.9mmol)を加えた。反応混合物を室温までゆっくりと加温し、EtOAc(200mL)を加えた。混合物をH2O(3x50mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧濃縮すると、2−(3−{[tert−ブチル−(ジメチル)シリル]オキシ}−4−メチルフェニル)−1,3−ベンゾオキサゾールが淡黄色油状物として得られた。
CCl4(50mL)中2−(3−{[tert−ブチル−(ジメチル)シリル]オキシ}−4−メチルフェニル)−1,3−ベンゾオキサゾール(1.46g、4.3mmol)にNBS(770mg、4.3mmol)と過酸化ベンゾイル(50mg)を加えた。反応混合物を6時間還流し、室温まで冷却し、CCl4を減圧除去した。残渣をEtOAc(50mL)に溶かし、H2O(50mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧濃縮すると、2−(3−{[tert−ブチル−(ジメチル)シリル]オキシ}−4−ブロモメチルフェニル)−1,3−ベンゾオキサゾールが淡黄色固体として得られた。
DMF(10mL)中2−(3−{[tert−ブチル−(ジメチル)シリル]オキシ}−4−ブロモメチルフェニル)−1,3−ベンゾオキサゾール(1.6g、3.8mmol)とシアン化ナトリウム(560mg、11.4mmol)の混合物を90℃で一晩撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、EtOAc(200mL)に溶かし、H2O(2X50mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧濃縮すると、[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−ヒドロキシフェニル]アセトニトリルが黄色固体として得られた。MS(ESI)251(M+H)+。
トリフェニルホスフィン(126mg、0.48mmol)、DEAD(84mg、0.48mmol)及びTHF(2mL)の溶液を2時間撹拌し、[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−ヒドロキシフェニル]、アセトニトリル(100mg、0.4mmol)及び4−フルオロフェネチルアルコール(56mg、0.4mmol)のTHF(2mL)溶液を加えた。得られた反応混合物一晩撹拌し、THFを減圧除去した。得られた残渣を分取TLC(1000μm)で精製すると、{4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−[2−(4−フルオロフェニル)エトキシ]フェニル}アセトニトリルが得られた。1H NMR(CD3OD,300MHz)、δ7.88(d 1H)、7.78(m、2H)、7.60(m、1H)、7.52(d、1H)、7.40(d、2H)、7.30(m、2H)、7.05(m、1H)、4.40(m、2H)、3.70(s、2H)、3.20(m、2H)。MS(ESI)373(M+H)+。
[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−エトキシフェニル]アセトニトリル
[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−(メトキシメトキシ)フェニル]アセトニトリル
3−ヒドロキシ−4−メチル安息香酸(2.5g、16.4mmol)を入れた100mL丸底フラスコにSOCl2(15mL)を滴下した。反応混合物を30分間還流し、室温まで冷却した。過剰のSOCl2を減圧除去し、油状酸塩化物をTHF(15mL)に溶かした。得られた溶液を2−アミノフェノール(1.8g、16.4mmol)、トリエチルアミン(1.7g、16.4mmol)及びTHF(30mL)の混合物に0℃で滴下した。反応混合物を室温まで30分間加温した後、沈殿を濾過した。濾液を減圧下に濃縮乾燥した。暗褐色固体残渣をトルエン(20mL)に溶かし、p−トルエンスルホン酸(15.6g、82mmol)を加えた。混合物を一晩還流し、室温まで冷却し、EtOAc(500mL)を加えた。EtOAc溶液をブライン(3x50mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧濃縮した。残渣をEtOAcから再結晶させると、5−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メチルフェノールが淡黄色固体として得られた。MS(ESI)226(M+H)+。
5−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メチルフェノール(200mg、0.89mmol)のTHE(6mL)溶液をアルゴン下に−78℃まで冷却し、水素化ナトリウム(24mg、1.0mmol)を加えた。この温度に30分間維持した後にブロモメチルエーテル(225mg、1.8mmol)を注射器で加えた。反応混合物を室温まで1時間加温した。反応混合物を濃縮し、残渣をフラッシュカラム(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc4:1)により精製すると、2−[3−(メトキシメトキシ)−4−メチルフェニル]−1,3−ベンゾオキサゾールが得られた。MS(ESI)270(M+H)+。
2−[3−(メトキシメトキシ)−4−メチルフェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール(200mg、0.74mmol、84%)、NBS(179mg、0.81mmol)、及び過酸化ベンゾイル(50mg)のCCl4(10mL)溶液を12時間還流した。室温まで冷却後、CCl4を減圧除去し、残渣をフラッシュカラム(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc5:1)により精製すると、2−[4−(ブロモメチル)−3−(メトキシメトキシ)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾールが得られた。MS(ESI)349(M+H)+。
2−[4−(ブロモメチル)−3−(メトキシメトキシ)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール(250mg、0.72mmol)を90℃でDMF/H2O(15mL/1.5mL)中シアン化ナトリウム(150mg、2.2mmol)で3時間処理し、EtOAc(150mL)を加えた。EtOAc溶液をH2O(2x20mL)、ブライン(2x20mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧濃縮した。残渣をフラッシュカラム(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc4:1)で溶離すると、所望[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−(メトキシメトキシ)フェニル]アセトニトリルが黄色固体として得られた。1H NMR(CD3OD,300MHz)、δ8.02(d、2H)、7.95(m、1H)、7.80(m、1H)、7.63(m、1H)、7.57(d、2H)、7.40(m、2H)。MS(ESI)295(M+H)+。
[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−(ヒドロキシエトキシ)フェニル]アセトニトリル
3−ヒドロキシ−4−メチル安息香酸(2.5g、16.4mmol)を入れた100mL丸底フラスコにSOCl2(15mL)を滴下した。この反応混合物を30分間還流し、室温まで冷却し、過剰のSOCl2を減圧除去した。油状酸塩化物をTHE(15mL)に溶かし、溶液をTHF(30mL)中2−アミノフェノール(1.8g、16.4mmol)とトリエチルアミン(1.7g、16.4mmol)の混合物に0℃で滴下した。次に反応混合物を室温まで0.5時間加温し、沈殿を濾別した。濾液を減圧下に濃縮乾燥した。暗褐色固体残渣にトルエン(20mL)とp−トルエンスルホン酸(15.6g、82mmol)を加えた。反応混合物を一晩還流し、室温まで冷却し、EtOAc(500mL)に溶かした。EtOAc溶液をH2O(3x50mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧濃縮した。残渣をEtOAcから再結晶させると、5−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メチルフェノールが淡黄色固体として得られた。MS(ESI)226(M+H)+。
5−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メチルフェノール(355mg、1.6mmol)のDMF(10mL)溶液を0℃まで冷却し、NaH(70mg、1.7mmol)をゆっくりと加えた。15分後に(2−ブロモエトキシ)(tert−ブチル)ジメチルシラン(370μL、1.7mmol)を加えた。次に、反応混合物を90℃まで1時間加熱し、EtOAc(100mL)を加えた。EtOAc溶液をブライン(3x20mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧濃縮した。残渣をフラッシュカラム(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc1:5)により精製すると、2−[3−(2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−エトキシ)−4−メチルフェニル]−1、3−ベンゾオキサゾールが得られた。
2−[3−(2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エトキシ)−4−メチルフェニル)]−1,3−ベンゾオキサゾール(550mg、1.4mmol)にNBS(255mg、1.4mmol)、過酸化ベンゾイル(50mg、触媒)及びCCl4(30mL)を加えた。混合物を一晩還流し、室温まで冷却し、EtOAc(200mL)を加えた。EtOAc溶液をブライン(3x20mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧濃縮した。残渣をフラッシュカラム(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc5:1)により精製すると、2−[4−ブロモメチルフェニル−3−(2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−エトキシ)]−1,3−ベンゾオキサゾールが得られた。
DMF/H2O(10mL、10/1)中2−[4−ブロモメチルフェニル−3−(2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−エトキシ)]−1,3−ベンゾオキサゾール(515mg、1.1mmol)とシアン化ナトリウム(164mg、3.3mmol)の混合物を90℃で4時間撹拌し、室温まで冷却し、EtOAc(200mL)を加えた。EtOAc溶液をブライン(3x20mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧濃縮した。残渣をフラッシュカラム(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc1:1)により精製すると、所望[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−(ヒドロキシエトキシ)フェニル]アセトニトリルが得られた。1H NMR(CD3OD,300MHz)δ7.90(m 1H)、7.80(m、2H)、7.62(m、1H)、7.49(d、1H)、7.40(m、2H)、4.3 6(m、2H)、4.10(m、2H)、3.78(s、2H)。MS(ESI)295(M+H)+。
[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−クロロフェニル]アセトニトリル
2−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−1,3−ベンゾオキサゾール(780mg、3.2mmol)、N−ブロモスクシンイミド(590mg、3.3mmol)及びCCl4(30mL)の溶液を触媒量の過酸化ベンゾイルと混合した。混合物を12時間還流加熱した。反応混合物を濃縮し、飽和Na2CO3水溶液(20mL)とCH2Cl2(20mL)に分配した。水層をCH2Cl2(2x20mL)で抽出した。有機抽出層を合わせて乾燥し(MgSO4)、減圧濃縮すると、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン1:9)後に2−[4−(ブロモメチル)−3−クロロフェニル]−1,3−ベンゾオキサゾールが無色固体として得られた。
NaCN(435mg、8.9mmol)、2−[4−(ブロモメチル)−3−クロロフェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール(940mg、2.9mmol)、DMF(30mL)及びH2O(30mL)のスラリーを室温で12時間撹拌した。反応混合物をブライン(250mL)に注入し、濾過した。得られた無色固体をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン1:9)により精製すると、所望[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−クロロフェニル]アセトニトリルが無色固体として得られた。1H NMR(CDCl3,300MHz)δ8.32(s、1H)、8.19(dd、1H)、7.77−7.80(m、1H)、7.70(d、1H)、7.59−7.61(m、1H)、7.38−7.41(m、2H)、3.92(s、2H)。MS(ESI)269(M+H)+。
2,3−ビス[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−クロロフェニル]プロパンニトリル
2−[4−(ブロモメチル)−3−クロロフェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール(150mg、0.46mmol)、KCN(36mg、0.55mmol)、及び18−クラウン−6(145mg、0.55mmol)の溶液をMeCN(5mL)中で10分間還流した。反応混合物をH2O(100mL)に注入し、CH2Cl2(2x30mL)で抽出した。有機抽出層を乾燥し(MgSO4)、減圧濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン1:10)により精製すると、所望2,3−ビス[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−クロロフェニル]プロパンニトリルが無色固体として得られた。1H NMR(CDCl3,300MHz)δ8.32(dd、2H)、8.20(d、1H)、8.11(d、1H)、7.80−7.83(m、2H)、7.71(d、1H)、7.61−7.63(m、2H)、7.39−7.45(m、5)、4.85(t、1H)、3.40−3.50(m、2H)。MS(ESI)511(M+H)+。
1−[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−クロロフェニル]シクロペンタンカルボニトリル
[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−クロロフェニル]アセトニトリル(270mg、1.0mmol)とTHF(20mL)の溶液を−78℃まで冷却した。NaHMDSの溶液(3.7mL、2.2mmol、PhMe中0.6M溶液)を注射器で反応混合物に滴下した。−78℃に15分間維持した後に1,4−ジブロモブタン(143μL、1.2mmol)を注射器で滴下した。冷却浴を除去し、反応混合物を室温まで加温した。シリカゲル(600mg)を加えて反応を停止し、濃縮乾涸した。残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン1:5)により精製すると、所望1−[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−クロロフェニル]シクロペンタンカルボニトリルが無色固体として得られた。1H NMR(CDCl3,300MHz)δ8.34(s、1H)、8.12(dd、1H)、7.77−7.80(m、1H)、7.56−7.62(m、2H)、7.35−7.42(m、2H)、2.71−2.78(m、2H)、2.14−2.26(m、2H)、1.89−2.01(m、4H)。MS(ESI)323(M+H)+。
1−[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−クロロフェニル]シクロヘキサンカルボニトリル
1−[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−クロロフェニル]シクロペンタンカルボニトリルについて要約した一般手順を使用して[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−クロロフェニル]アセトニトリル(400mg、1.5mmol)と1,5−ジブロモペンタン(250μL、1.8mmol)を反応させると、所望1−[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−クロロフェニル]シクロヘキサンカルボニトリルが無色固体として得られた。1H NMR(CDCl3,300MHz)δ8.22(d、1H)、8.06(d、1H)、7.68−7.73(m、1H)、7.51−7.55(m、2H)、7.28−7.35(m、2H)、2.49(d、2H)、1.73−2.00(m、8H)。MS(ESI)337(M+H)+。
[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−クロロフェニル](フルオロ)アセトニトリル
[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−クロロフェニル]アセトニトリル(98mg、0.36mmol)と無水THF(5mL)の溶液を−78℃まで冷却した。tert−ブチルリチウム溶液(500μL、0.80mmol、ペンタン中1.7M溶液)を−78℃で注射器で滴下した。1時間後にN−フルオロベンゼンスルホンイミド(113mg、0.36mmol)と無水THF(1.5mL)の溶液を−78℃で注射器で滴下した。冷却浴を除去し、反応混合物を室温まで徐々に加温し、室温に8時間維持した。シリカゲル(300mg)を加えて反応を停止した後、濃縮乾涸した。残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン1:3)により精製すると、所望[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−クロロフェニル](フルオロ)アセトニトリルが無色固体として得られた。1H NMR(CDCl3,300MHz)δ8.32(s、1H)、8.24(2、1H)、7.74−7.84(m、2H)、7.56−7.60(m、1H)、7.35−7.43(m、2H)、6.45(d、1H)。MS(ESI)287(M+H)+。
2−[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシフェニル]アセトニトリル
出発材料がTLCにより観測されなくなるまで3−メトキシ−4−メチル安息香酸(1.2g、7.2mmol)と塩化チオニル(10mL)をアルゴン下に還流条件まで加熱した。混合物を室温まで冷却して減圧濃縮後、得られた褐色油状物をTHF(15mL)に溶かし、2−アミノフェノール(780mg、7.1mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(1.5mL、8.6mmol)及びTHF(20mL)の冷却(0℃)混合物にゆっくりと加えた。反応混合物を室温まで加温した。1時間後にTLCにより出発材料の酸が観測されなくなった。反応混合物を減圧濃縮後に得られた褐色油状物を1:4EtOAc:ヘキサンを使用してシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。こうして所望中間体N−(2−ヒドロキシフェニル)−3−メトキシ−4−メチルベンズアミドが黄色固体として得られた。N−(2−ヒドロキシフェニル)−3−メトキシ−4−メチルベンズアミド(1.5g、5.8mmol)、トルエン(30mL)、p−トルエンスルホン酸・1水和物(7.6g、40mmol)及びモレキュラーシーブの混合物を一晩還流した。反応混合物を室温まで冷却後、濾過し、温クロロホルムで洗浄し、濾液を減圧濃縮した。得られた褐色油状物を1:4EtOAc:ヘキサンを使用してシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、所望中間体2−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)−1,3−ベンゾオキサゾールが無色固体として得られた。
2−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)−1,3−ベンゾオキサゾール(1.0g、4.1mmol)、四塩化炭素(18mL)、過酸化ベンゾイル(66mg、0.3mmol)及びN−ブロモスクシンイミド(970mg、5.4mmol)をアルゴン下に還流条件まで加熱し、紫外線を照射した。1時間後に出発材料はTLCにより観測されなくなった。混合物を室温まで冷却後、濾過し、ジクロロメタンで洗浄した。濾液を減圧濃縮後に得られた無色固体を1:4EtOAc:ヘキサン→EtOAcの勾配溶離を使用してフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。こうして所望中間体2−[4−(ブロモメチル)−3−メトキシフェニル]−1,3−ベンゾオキサゾールが無色固体として得られた。
2−[4−(ブロモメチル)−3−メトキシフェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール(318mg、1mmol)、ジメチルホルムアミド(7.5mL)及び脱イオン水(2.5mL)の混合物を室温で撹拌した。反応混合物にシアン化ナトリウム(150mg、3.0mmol)を加えた。3時間後に、ジメチルホルムアミド(10mL)を加えて固形分を反応混合物に溶け易くした。反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物をブライン(3x30mL)で洗浄し、EtOAcで抽出し、有機抽出層を合わせて乾燥し(Na2SO4)、濾過し、溶媒を減圧除去することにより後処理した。得られたオレンジ色固体を1:9EtOAc:ヘキサン→1:3EtOAc:ヘキサンの勾配溶離を使用してシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにかけると、所望中間体[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシフェニル]アセトニトリルが黄色固体として得られた。1H NMR(CDCl3,300MHz)δ7.86−7.36(m、7H)、3.99(s、3H)、3.74(s、2H)、2.59−1.91(m、8H)。MS(ESI)265(M+H)+。
2−[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシフェニル]プロパンニトリル
アルゴンフラッシュ下のオーブン乾燥フラスコで4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシベンゾニトリル(22mg、0.82mmol)をTHF(8mL)に溶かし、−78℃まで冷却した。NaHMDS(1.5mL、0.90mmol)を加え、混合物を−78℃で30分間撹拌した。ヨードメタン(84μL、0.90mmol)を加え、混合物を室温まで加温し、更に45分間撹拌した。粗混合物をシリカゲルに吸着させ、EtOAc/ヘキサン勾配を使用して自動フラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、所望2−[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシフェニル]プロパンニトリルが黄白色油状物として得られた。1H NMR(CDCl3,300MHz)δ7.89−7.86(d、1H)、7.79−7.76(m、2H)、7.61−7.56(m、2H)、7.40−7.36(m、2H)、4.32−4.30(q、1H)、4.00(s、3H)、1.63−1.61(d、1H)MS(ESI)279(M+H)+。
2−[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシフェニル]ブタンニトリル
2−[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシフェニル]プロパンニトリルの合成で要約した一般手順を使用し、4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシベンゾニトリル(300mg、1.1mmol)をヨードエタン(90μL、1.1mmol)と反応させると、所望2−[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2メトキシフェニル]ブタンニトリルが黄色固体として得られた。1H NS(CDCl3、300MHz)δ7.87−7.84(d、1H)、7.79−7.74(m、2H)、7.59−7.53(m、2H)、7.37−7.34(m、2H)、4.22−4.17(t、1H)、3.97(s、3H)、1.95−1.89(m、2H)、1.13−1.08(t、3H)。MS(ESI)293(M+H)+。
2−[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシフェニル]ペンタンニトリル
2−[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシフェニル]プロパンニトリルの合成で要約した一般手順を使用し、4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシベンゾニトリル(200mg、0.75mmol)を1−ヨードプロパン(73μL、0.75mmol)と反応させると、所望2−[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシフェニル]ペンタンニトリルが黄色固体として得られた。1H NMR(CDCl3,300MHz)δ7.87−7.84(d、1H)、7.79−7.75(m、2H)、7.60−7.54(m、2H)、7.38−7.35(m、2H)、4.27−4.23(t、1H)、3.98(s、3H)、1.89−1.82(M、2H)、1.57−1.53(m、2H)、1.00−0.95(t、3H)。MS(ESI)307(M+H)+。
1−[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシフェニル]シクロブタンカルボニトリル
2−[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシフェニル]プロパンニトリルの合成で要約した一般手順を使用し、4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシベンゾニトリル(250mg、0.95mmol)を1,3−ジブロモプロパン(120μL、1.1mmol)と反応させると、所望1−[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシフェニル]シクロブタンカルボニトリルが無色固体として得られた。1H NMR(CDCl3,300MHz)δ7.89−7.87(m、3H)、7.62−7.55(m、1H)7.39−7.36(m、2H)、7.32−7.26(m、1H)、4.05(s、3H)、2.90−2.83(m、2H)、2.67−2.47(m、4H)。MS(ESI)305(M+H)+。
1−[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシフェニル]シクロヘキサンカルボニトリル
1−[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシフェニル]シクロブタンカルボニトリルの合成で要約した一般手順を使用し、4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシベンゾニトリル(250mg、0.95mmol)を1,5−ジブロモペンタン(160μL、1.1mmol)と反応させると、所望1−[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシフェニル]シクロヘキサンカルボニトリルが無色固体として得られた。1H NMR(CDCl3,300MHz)δ7.83−7.75(m、3H)、7.59−7.56(m、1H)7.45−7.43(d、1H)、7.38−7.34(m、2H)、4.04(s、3H)、2.41−2.38(d、2H)、1.92−1.15(m、8H)。MS(ESI)333(M+H)+。
1−[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシフェニル]シクロプロパンカルボニトリル
4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシベンゾニトリル(250mg、0.95mmol)をCH2Cl2(5mL)に溶かした。50%NaOH水溶液(5mL)中の水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム(200μL、0.095mmol)を加え、混合物を一晩室温で撹拌した後、H2Oで希釈した。水性混合物をCH2Cl2(2x25mL)で抽出した。有機層を合わせてMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルに吸着させ、EtOAc/ヘキサン勾配を使用して自動フラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、所望1−[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシフェニル]シクロプロパンカルボニトリルが黄色固体として得られた。1H NMR(CDCl3,300MHz)δ7.80−7.78(m、3H)、7.60−7.57(m、1H)、7.39−7.33(m、3H)、4.07(s、3H)、1.70−1.66(t、2H)、1.34−1.30(t、2H)。MS(ESI)291(M+H)+。
1−[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシフェニル]シクロペンタンカルボニトリル
出発材料がTLCにより観測されなくなるまで3−メトキシ−4−メチル安息香酸(1.2g、7.2mmol)と塩化チオニル(10mL)をアルゴン下に還流条件まで加熱した。混合物を室温まで冷却して減圧濃縮後に、得られた褐色油状物をTHF(15mL)に溶かし、0℃で2−アミノフェノール(780mg、7.1mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(1.5mL、8.6mmol)及びTHF(20mL)の混合物に加えた。反応混合物を室温まで加温した。1時間後に出発材料酸はTLCにより観測されなくなった。反応混合物を減圧濃縮後に得られた褐色油状物を1:4EtOAc:ヘキサンを使用してシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。こうして所望中間体N−(2−ヒドロキシフェニル)−3−メトキシ−4−メチルベンズアミドが黄色固体として得られた。
N−(2−ヒドロキシフェニル)−3−メトキシ−4−メチルベンズアミド(1.5g、5.8mmol)、トルエン(30mL)、p−トルエンスルホン酸・1水和物(7.6g、40mmol)及びモレキュラーシーブの混合物を一晩還流した。反応混合物を室温まで冷却後に、濾過し、温クロロホルムで洗浄し、濾液を減圧濃縮した。得られた褐色油状物を1:4EtOAc:ヘキサンを使用してシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、所望中間体2−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)−1,3−ベンゾオキサゾールが無色固体として得られた。
2−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)−1,3−ベンゾオキサゾール(1.0g、4.1mmol)、四塩化炭素(18mL)、過酸化ベンゾイル(66mg、0.3mmol)及びN−ブロモスクシンイミド(970mg、5.4mmol)をアルゴン下に還流条件まで加熱し、紫外線を照射した。1時間後に出発材料はTLCにより観測されなくなった。混合物を室温まで冷却後に、濾過し、ジクロロメタンで洗浄した。濾液を減圧濃縮後に得られた無色固体を1:4EtOAc:ヘキサン→EtOAcの勾配溶離を使用してフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。こうして所望中間体2−[4−(ブロモメチル)−3−メトキシフェニル]−1,3−ベンゾオキサゾールが無色固体として得られた。
2−[4−(ブロモメチル)−3−メトキシフェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール(318mg、1mmol)、ジメチルホルムアミド(7.5mL)及び脱イオン水(2.5mL)の混合物を室温で撹拌した。反応混合物にシアン化ナトリウム(150mg、3.0mmol)を加えた。3時間後に、ジメチルホルムアミド(10mL)を加えて固形分を反応混合物に溶け易くした。反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物をブライン(3x30mL)で洗浄し、EtOAcで抽出し、有機抽出層を合わせて乾燥し(Na2SO4)、濾過し、溶媒を減圧除去することにより後処理した。得られたオレンジ色固体を1:9EtOAc:ヘキサン→1:3EtOAc:ヘキサンの勾配溶離を使用してシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにかけると、所望中間体[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシフェニル]アセトニトリルが淡黄色固体として得られた。
THF(5.0mL)中[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシフェニル]アセトニトリル(130mg、0.49mmol)をアルゴン雰囲気下に−78℃まで冷却した。ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(1.8mL、1.08mmol)をゆっくりと加え、15分後に1,4−ジブロモブタン(0.07mL、0.59mmol)を暗褐色反応混合物に加えた。混合物を室温まで一晩加温した。反応混合物を減圧濃縮後に得られたピンク色油状物を1:9EtOAc:ヘキサン→1:4EtOAc:ヘキサンの勾配溶離を使用してフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。こうして所望化合物1−[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシフェニル]シクロペンタンカルボニトリルが黄色固体として得られた。1H NMR(CDCl3,300MHz)7.86−7.26(m、7H)、4.07(s、3H)、2.59−1.91(m、8H)。MS(ESI)319.1(M+H)+。
[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2,6−ジメトキシフェニル]アセトニトリル
出発材料がTLCにより観測されなくなるまで塩化チオニル(10mL)と3,5−ジメトキシ−4−メチル安息香酸(1.0g、5.lmmol)をアルゴン下に還流した。反応混合物を室温まで冷却後に混合物を減圧濃縮した。得られた褐色油状物を0℃で2−アミノフェノール(580mg、5.3mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(1.1mL、6.3mmol)及びTHF(40mL)の混合物に加えた後、室温まで一晩加温した。混合物を減圧濃縮後に得られた褐色油状物を1:9EtOAc:ヘキサン→1:1EtOAc:ヘキサンの勾配溶離を使用してシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。こうして所望中間体3,5−ジメトキシ−N−(2−メトキシフェニル)−4−メチルベンズアミドが無色固体として得られた。
出発材料がTLCにより観測されなくなるまで3,5−ジメトキシ−N−(2−メトキシフェニル)−4−メチルベンズアミド(1.29g、4.49mmol)、トルエン(22mL)、p−トルエンスルホン酸・1水和物(5.9g、31mmol)及びモレキュラーシーブの混合物を還流した。混合物を室温まで冷却し、濾過し、温クロロホルムで洗浄した。濾液から溶媒を除去すると、黄色固体が得られた。1:3EtOAc:ヘキサンを使用して粗固体をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、所望中間体2−(3,5−ジメトキシ−4−メチルフェニル)−1,3−ベンゾオキサゾールが無色固体として得られた。
2−(3,5−ジメトキシ−4−メチルフェニル)−1,3−ベンゾオキサゾール(260mg、1mmol)、四塩化炭素(4.2mL)、過酸化ベンゾイル(15mg、0.06mmol)及びN−ブロモスクシンイミド(270mg、1.5mmol)の混合物を一晩アルゴン下に還流条件まで加熱した。冷却した反応混合物を減圧濃縮すると、黄色固体が得られた。1:4EtOAc:ヘキサンを使用して粗材料をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにかけると、所望中間体2−[4−(ブロモメチル)−3,5−ジメトキシフェニル]−1,3−ベンゾオキサゾールが無色固体として得られた。
2−[4−(ブロモメチル)−3,5−ジメトキシフェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール(160mg、0.46mmol)、ジメチルホルムアミド(5.0mL)、脱イオン水(1.2mL)及びシアン化ナトリウム(77mg、1.6mmol)を室温で撹拌した。出発材料がTLCにより観測されなくなってから反応混合物をブライン(3xl5mL)で洗浄し、EtOAc(3x20mL)で抽出した。有機抽出層を合わせて乾燥し(Na2SO4)、濾過し、減圧濃縮した。1:4EtOAc:ヘキサンを溶離液として粗残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにかけると、所望化合物[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2、6−ジメトキシフェニル]アセトニトリルが無色固体として得られた。1H NMR(CDCl3,300MHz)δ7.62(m、1H)、7.49(m、1H)、7.42(s、2H)、7.41(m、1H)、7.40(m、1H)、4.03(s、6H)、3.77(s、2H)。MS(ESI)295(M+H)+。
(2−クロロ−4−[1,3]オキサゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イルフェニル)アセトニトリル
3−クロロ−4−メチル安息香酸(5.0g、29mmol)、N−ブロモスクシンイミド(5.7g、32mmol)、過酸化ベンゾイル(710mg、2.9mmol)のCCl4(300mL)溶液を2.5時間還流加熱した。混合物を減圧濃縮し、MTBEに溶かした。有機混合物を1N NaOH(3x25mL)で洗浄した。水性混合物を1N HClでpH2まで酸性化し、CH2Cl2(3x25mL)で抽出した。有機層を合わせてMgSO4で乾燥し、濾過し、濃縮すると、4−(ブロモメチル)−3−クロロ安息香酸が得られた。
4−(ブロモメチル)−3−クロロ安息香酸(4.0g、16mmol)のDMF(120mL)及びH2O(40mL)懸濁液をNaCN(2.4g、49mmol)で処理し、80℃まで2時間加熱した。混合物を室温まで冷却し、1N HClで酸性化した。水性混合物をCH2Cl2(3x25mL)で抽出した。有機層を合わせて減圧濃縮し、MTBEに溶かした。有機混合物をH2Oとブライン(3x25mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、濃縮すると、3−クロロ−4−(シアノメチル)ベンゾイルクロリドが得られた。
3−クロロ−4−(シアノメチル)ベンゾイルクロリド(2.5g、13mmol)のCH2Cl2(120mL)懸濁液に塩化オキサリル(1.7mL、19mmol)を加えた。懸濁液にDMF(1滴)を加え、混合物を室温で2時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を減圧濃縮すると、3−クロロ−4−(シアノメチル)ベンゾイルクロリドが得られた。
酸塩化物をCH2Cl2(20mL)に溶かし、2−アミノ−3−ヒドロキシピリジン(1.4g、13mmol)とトリエチルアミン(5.4mL、38mmol)のCH2Cl2(100mL)懸濁液に撹拌下に溶解させながら添加した。混合物を一晩撹拌した。反応混合物をCH2Cl2とH2Oに分配した。水性混合物をCH2Cl2(2x25mL)で抽出した。有機層を合わせて飽和NaHCO3とブライン(2x25mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルに吸着させ、EtOAc/ヘキサン勾配を使用して自動フラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、3−クロロ−4−(シアノメチル)−N−(3−ヒドロキシピリジン−2−イル)ベンズアミドが黄色固体として得られた。MS(ESI)288(M+H)。
3−クロロ−4−(シアノメチル)−N−(3−ヒドロキシピリジン−2−イル)ベンズアミド(550mg、1.9mmol)をPOCl3(15mL)中で2.5時間還流した。過剰のPOCl3を留去し、混合物を室温まで冷却した。粗混合物をH2Oで希釈した。水層を1N NaOHで塩基性化(pH14)し、CH2Cl2(3x20mL)で抽出した。残渣をシリカゲルに吸着させ、EtOAc/ヘキサン勾配を使用して自動フラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、(2−クロロ−4−[1,3]オキサゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イルフェニル)アセトニトリルが無色固体として得られた。1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.65−8.63(d,1H),8.41(s,1H),8.30−8.27(d,1H),7.93−7.90(d,2H),7.77−7.74(d,2H),7.38−7.34(m,2H),3.95(s,2H)。MS(ESI)270(M+H)+。
[4−(5−クロロ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニル]アセトニトリル
5−クロロベンゾオキサゾール(100mg、0.65mmol)の無水THF溶液に−78℃でアルゴン下にn−ブチルリチウム(0.45mL、ヘキサン中1.6M)を加えた。30分後に塩化亜鉛(1.95mL、エーテル中1.0M)を加えた。反応混合物を0℃まで1時間加温した後、22℃まで加温した。次に4−ブロモフェニルフェニルアセトニトリル(128mg、0.65mmol)とPd(Ph3P)4(38mg、0.033mmol)を加えた。混合物を一晩還流条件まで加熱した後、室温まで冷却し、EtOAc(50mL)を入れた分液漏斗に注入し、飽和ブライン(3x20mL)で洗浄した。EtOAc溶液を乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧濃縮した。3:1ヘキサン:EtOAcを溶離液として粗残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにかけると、ほぼ無色の固体が得られた。1H NMR(CDCl3,300MHz)δ8.26(d、2H)、7.76(d、1H)、7.51(m、3H)、7.35(m、1H)、3.87(s、3H)。MS(ESI)269(M+H)+。
2−[3−メトキシ−4−(IH−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール
2−[3−メトキシ−4−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イルメチル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール
2−[4−(ブロモメチル)−3−メトキシフェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール(300mg、1.0mmol)、1H−1,2,3−トリアゾール(70mg、1.0mmol)、Cs2CO3(325mg、1.0mmol)及びMeCN(10mL)のスラリーを室温で8時間激しく撹拌した。シリカゲル(600mg)を加え、反応混合物を濃縮乾涸した。残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(25分間かけてヘキサン中EtOAc0→100%の直線勾配)により精製すると、2−[3−メトキシ−4−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾールと2−[3−メトキシ−4−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イルメチル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾールが無色固体として得られた。2−[3−メトキシ−4−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール:1H NMR(CDCl3,300MHz)δ7.72−7.78(m、3H)、7.69(s、1H)、7.59(s、1H)、7.53−7.56(m、1H)、7.31−7.34(m、2H)、7.20(d、1H)、5.59(s、2H)、3.96(s、3H)。MS(ESI)307(M+H)。2−[3−メトキシ−4−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イルメチル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール:1H NMR(CDCl3、300MHz)δ7.76−7.80(m、3H)、7.68(s、1H)、7.56−7.59(m、2H)、7.34−7.38(m、2H)、7.04(d、1H)、5.74(s、2H)、3.99(s、3H)。MS(ESI)307(M+H)+。
2−[3−メトキシ−4−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)フェニル−1,3−ベンゾオキサゾール
2−[3−メトキシ−4−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)フェニル−1,3−ベンゾオキサゾールについて要約した一般手順を使用して2−[4−(ブロモメチル)−3−メトキシフェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール(300mg、1.0mmol)と1,2,4−トリアゾール(70mg、1.0mmol)を反応させると、所望2−[3−メトキシ−4−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾールが無色固体として得られた。1H NMR(CDCl3,300MHz)δ8.13(s、1H)、7.92(s、1H)、7.71−7.78(m、2H)、7.51−7.54(m、1H)、7.29−7.34(m、2H)、7.24(d、2H)、5.34(s、2H)、3.92(s、3H)。MS(ESI)307(M+H)+。
2−[4−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−3−メトキシフェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール
2−[3−メトキシ−4−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾールについて要約した一般手順を使用して2−[4−(ブロモメチル)−3−メトキシフェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール(300mg、1.0mmol)とイミダゾール(70mg、1.0mmol)を反応させると、所望2−[4−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−3−メトキシフェニル]−1,3−ベンゾオキサゾールが無色固体として得られた。1H NMR(CDCl3,300MHz)δ7.57−7.86(m、6H)、7.26−7.40(m、4H)、5.53(s、2H)、4.02(s、3H)。MS(ESI)306(M+H)+。
2−[3−メトキシ−4−(1H−ピラゾール−1−イルメチル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール
2−[3−メトキシ−4−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾールについて要約した一般手順を使用して2−[4−(ブロモメチル)−3−メトキシフェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール(300mg、1.0mmol)とピラゾール(70mg、1.0mmol)を反応させると、所望2−[3−メトキシ−4−(1H−ピラゾール−1−イルメチル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾールが無色固体として得られた。1H NMR(CDCl3,300MHz)δ7.60−7.91(m、7H)、7.38−7.41(m、2H)、6.54(m、1H)、5.81(s、2H)、4.11(s、3H)。MS(ESI)306(M+H)+。
2−{4−[(4−ブロモ−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−3−メトキシフェニル}−1,3−ベンゾオキサゾール
2−[3−メトキシ−4−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾールについて要約した一般手順を使用して2−[4−(ブロモメチル)−3−メトキシフェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール(300mg、1.0mmol)と4−ブロモ−1H−イミダゾール(150mg、1.0mmol)を反応させると、所望2−{4−[(4−ブロモ−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−3−メトキシフェニル}−1,3−ベンゾオキサゾールが無色固体として得られた。1H NMR(CDCl3,300MHz)δ7.94−7.99(m、3H)、7.85−7.87(m、1H)、7.75−7.78(m、1H)、7.65−7.68(m、1H)、7.43−7.49(m、2H)、7.20(s、1H)、5.55(s、2H)、4.09(s、3H)。MS(ESI)384(M+H)+。
2−[3−メトキシ−4−(2H−テトラゾール−2−イルメチル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール
2−[3−メトキシ−4−(1H−テトラゾール−1−イルメチル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール
2−[3−メトキシ−4−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾールについて要約した一般手順を使用して2−[4−(ブロモメチル)−3−メトキシフェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール(300mg、1.0mmol)と1H−テトラゾール(70mg、1.0mmol)を反応させると、2−[3−メトキシ−4−(2H−テトラゾール−2−イルメチル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾールと2−[3−メトキシ−4−(1H−テトラゾール−1−イルメチル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾールが無色固体として得られた。2−[3−メトキシ−4−(2H−テトラゾール−2−イルメチル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール:1H NMR(CDCl3,300MHz)δ8.52(s、1H)、7.72−7.79(m、3H)、7.52−7.55(m、1H)、7.31−7.34(m、2H)、7.21(d、1H)、5.86(s、2H)、3.93(s、3H)。MS(ESI)308(M+H)。2−[3−メトキシ−4−(1H−テトラゾール−1−イルメチル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール:1H NMR(CDCl3,300MHz)δ8.66(s、1H)、7.85(d、1H)、7.74−7.83(m、2)、7.55−7.59(m、1H)、7.41(d、1H)、7.34−7.40(m、2H)、5.61(s、2H)、3.98(s、3H)。MS(ESI)308(M+H)+。
1−[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシベンジル]−1H−イミダゾール−5−カルボン酸メチル
1−[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシベンジル]−1H−イミダゾール−4−カルボン酸メチル
2−[3−メトキシ−4−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾールについて要約した一般手順を使用して2−[4−(ブロモメチル)−3−メトキシフェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール(300mg、1.0mmol)と4−イミダゾールカルボン酸メチル(126mg、1.0mmol)を反応させると、1−[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシベンジル]−1H−イミダゾール−5−カルボン酸メチルと1−[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシベンジル]−1H−イミダゾール−4−カルボン酸メチルが無色固体として得られた。1−[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシベンジル]−1H−イミダゾール−5−カルボン酸メチル:1H NMR(CDCl3、300MHz)δ7.73−7.80(m、4H)、7.57−7.60(m、1H)、7.34−7.38(m、2H)、7.15(d、1H)、5.58(s、2H)、4.00(s、3H)、3.83(s、3H)。MS(ESI)364(M+H)+。1−[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシベンジル]−1H−イミダゾール−4−カルボン酸メチル:1H NMR(CDCl3,300MHz)δ7.75−7.84(m、3H)、7.57−7.64(m、3H)、7.34−7.38(m、2H)、7.18(d、1H)、5.17(s、2H)、3.97(s、3H)、3.86(s、3H)。MS(ESI)364(M+H)+。
2−{3−メトキシ−4−[(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)メチル]フェニル}−1,3−ベンゾオキサゾール
4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシベンゾニトリル(250mg、0.949mmol)とジブチル錫オキサイド(24mg、0.09mmol)のトルエン(5mL)懸濁液に撹拌下にアジドトリメチルシラン(251μL、1.89mmol)を加えた。混合物を110℃に一晩加熱した。混合物を室温まで冷却し、トルエンを減圧除去した。残渣をEtOAcに溶かし、10%NaHCO3(3x25mL)で抽出した。水性抽出層を合わせて3N HClでpH2まで酸性化した。酸性水性混合物をEtOAc(3x25mL)で抽出した。有機層を合わせてMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮すると、2−[3−メトキシ−4−(1H−テトラゾール−5−イルメチル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾールが得られた。1H NMR(DMSO−d6,300MHz)δ7.82−7.78(m、3H)、7.75(s、1H)、7.46−7.42(m、3H)、4.30(s、2H)、3.90(s、3H)。MS(ESI)308(M+H)+。
2−[3−メトキシ−4−(1H−テトラゾール−5−イルメチル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール(130mg、0.42mmol)とトリエチルアミン(120μL、0.83mmol)のCH3CN(5mL)溶液に撹拌下にヨードメタン(38μL、0.42mmol)を加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。粗混合物をシリカゲルに吸着させ、EtOAc/ヘキサン勾配を使用して自動フラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、所望2−[3−メトキシ−4−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾールが無色固体として得られた。1H NMR(CDCl3,300MHz)δ7.84−7.77(m、3H)、7.58(m 1H)、7.39−7.36(m、2H)、7.30−7.27(d、1H)、4.32(s、2H)、3.96(s、6H)。MS(ESI)322(M+H)+。
2−[3−メトキシ−4−(ピロリジン−1−イルメチル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール
2−[4−(ブロモメチル)−3−メトキシフェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール(300mg、0.94mmol)とトリエチルアミン(390μL、2.8mmol)のCH2Cl2(5mL)溶液に撹拌下にピロリドン(226μL、2.83mmol)を加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。粗混合物をシリカゲルに吸着させ、EtOAc/ヘキサン勾配を使用して自動フラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、所望2−[3−メトキシ−4−(ピロリジン−1−イルメチル)フェニル−1,3−ベンゾオキサゾールが無色固体として得られた。1H NMR(CDCl3,300MHz)δ7.82−7.80(m、1H)、7.77−7.74(m、1H)、7.71(s、1H)、7.56−7.50(m、2H)、7.35−7.30(m、2H)、3.94(s、3H)、3.71(s、2H)、2.59(s、4H)、1.81−1.78(m、4H)。MS(ESI)309(M+H)+。
2−[3−メトキシ−4−(ピペリジン−1−イルメチル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール
2−[3−メトキシ−4−(ピロリジン−1−イルメチル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾールについて要約した一般手順を使用して2−[4−(ブロモメチル)−3−メトキシフェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール(300mg、0.942mmol)をCH2Cl2(5mL)中でピペリジン(279μL、2.83mmol)及びトリエチルアミン(394μL、2.83mmol)と反応させると、所望2−[3−メトキシ−4−(ピペリジン−1−イルメチル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾールが無色固体として得られた。1H NMR(CDCl3−d、300MHz)δ7.86−7.83(m、1H)、7.79−7.76(m、1H)、7.73(s、1H)、7.61−7.55(m、2H)、7.37−7.34(m、2H)、3.96(s、3H)、3.59(s、2H)、2.47(br、4H)、1.66−1.58(m、4H)、1.46−1.45(m、2H)。MS(ESI)323(M+H)+。
2−[3−メトキシ−4−(ピリジン−2−イルメチル)フェニル−1,3−ベンゾオキサゾール
2−[4−(ブロモメチル)−3−メトキシフェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール(320mg、1.0mmol)とTHF(10mL)の溶液を(乳鉢・乳棒ですりつぶして活性化した)Zn粉末とクロロトリメチルシラン1滴と1,2−ジブロモエタン1滴で処理した。混合物を1時間還流加熱した。得られた有機反応体をセライトプラグで濾過し、2−ブロモピリジン(360mg、2.0mmol)とPd(Ph3P)4(115mg、0.1mmol)を入れたフラスコに移した。混合物を15分間アルゴンバブリングにより脱気し、12時間還流加熱した。反応混合物をH2O(40mL)に注入し、CH2Cl2(2x30mL)で抽出した。有機抽出層を乾燥し(MgSO4)、濃縮すると、無色固体が得られた。固体をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン3:1)により精製すると、所望2−[3−メトキシ−4−(ピリジン−2−イルメチル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾールが黄色固体として得られた。1H NMR(CDCl3,300MHz)δ8.55(d、1H)、7.76−7.82(m、3H)、7.56−7.62(d、2H)、7.32−7.36(m、3H)、7.11−7.16(m、2H)、4.23(s、2H)、3.95(s、3H)。MS(ESI)317(M+H)+。
2−[3−メトキシ−4−(ピリジン−3−イルメチル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール
2−[4−(ブロモメチル)−3−メトキシフェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール(190mg、0.58mmol)、3−ピリジルボロン酸(70mg、0.58mmol)、Pd(Ph3P)4(70mg、0.06mmol)、K2CO3(200mg、1.5mmol)、DME(6mL)及びH2O(3mL)の混合物を15分間Arバブリングにより脱気した。混合物を80℃に1時間加熱した。反応混合物をH2O(40mL)に注入し、CH2Cl2(2x30mL)で抽出した。有機抽出層を乾燥し(MgSO4)、濃縮すると、無色固体が得られた。固体をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン3:1)により精製すると、所望2−[3−メトキシ−4−(ピリジン−3−イルメチル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾールが黄色固体として得られた。1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.56(br s、1H)、8.45(br d、1H)、7.74−7.80(m、3H)、7.50−7.58(m、2H)、7.32−7.37(m、2H)、7.17−7.24(m、2H)、4.00(s、2H)、3.93(s、3H)。MS(ESI)317(M+H)+。
2−[3−メトキシ−4−(ピリジン−4−イルメチル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール
2−[3−メトキシ−4−(ピリジン−3−イルメチル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾールについて要約した一般手順を使用して2−[4−(ブロモメチル)−3−メトキシフェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール(270mg、0.81mmol)と4−ピリジルボロン酸(100mg、0.81mmol)を反応させると、所望2−[3−メトキシ−4−(ピリジン−4−イルメチル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾールが無色固体として得られた。1H NMR(CDCl3,300MHz)δ8.46(br s、2H)、7.75−7.81(m、3H)、7.56−7.59(m、1H)、7.34−7.36(m、2H)、7.22(d、1H)、7.13(d、2H)、4.00(s、2H)、3.92(s、3H)。MS(ESI)317(M+H)+。
[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−クロロフェニル](ピリジン−2−イル)メタノール
ベンゾオキサゾール(5.4g、46mmol)とTHF(150mL)の溶液を−78℃まで冷却した。n−ブチルリチウム溶液(29mL、47mmol、ヘキサン中1.6M溶液)を15分間かけて注射器で滴下した。−78℃で1時間後にZnCl2溶液(95mL、47mmol、エーテル中0.5M溶液)を5分間かけて注射器で滴下した。反応混合物を室温まで加温し、1時間維持した。2−クロロ−4−ブロモベンゾニトリル(3.3g、15mmol)とPd(Ph3P)4(880mg、0.76mmol)を反応混合物に加えた。混合物を15分間アルゴンバブリングにより脱気した後、1時間還流加熱した。1N HCl(150mL)を加えて反応を停止し、CH2Cl2(3x150mL)で抽出した。有機抽出層を合わせて乾燥し(MgSO4)、濃縮すると、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(アセトン:ヘキサン1:5)後に4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−クロロベンゾニトリルが黄色固体として得られた。
4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−クロロベンゾニトリル(510mg、2.0mmol)とCH2Cl2の溶液を−78℃まで冷却した。反応混合物に水素化ジイソブチルアルミニウム(2mL、PhMe中1.0M溶液)を注射器で30分間かけて滴下した。冷却浴を除去し、反応混合物を室温まで加温した。飽和酒石酸ナトリウムカリウム溶液(50mL)を加えて反応を停止した。得られたスラリーを濾過し、有機層を分離し、乾燥し(MgSO4)、減圧濃縮すると、フラッシュクロマトグラフィー(アセトン:ヘキサン1:5)後に4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−クロロベンズアルデヒドが黄色固体として得られた。
2−ブロモピリジン(110mg、0.7mmol)とTHF(10mL)の溶液を−78℃まで冷却した。n−ブチルリチウム(0.44mL、0.7mmol、THF中1.6M溶液)を注射器で滴下した。15分後に4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−クロロベンズアルデヒド(150mg、0.6mmol)とTHF(2mL)の溶液を注射器で加え、反応混合物を室温まで加温した。H2O(20mL)を加えて反応を停止した。混合物をEtOAc(3x120mL)で抽出し、有機抽出層を合わせて乾燥し(MgSO4)、減圧濃縮すると、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン1:1)後に所望[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−クロロフェニル](ピリジン−2−イル)メタノールが無色固体として得られた。1H NMR(CDCl3,300MHz)δ8.58(d、1H)、8.28(d、1H)、8.10(dd、1H)、7.55−7.55(m、4H)、7.23−7.37(m、4H)。MS(ESI)337(M+H)+。
2−[3−クロロ−4−(2−モルホリン−4−イルエチル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール
[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−クロロフェニル]アセトニトリル(1.11g、3.88mmol)のCH2Cl2(40mL)溶液を−78℃まで冷却した。水素化ジイソブチルアルミニウム(4.7mL、4.7mmol、PhMe中1.0M溶液)をゆっくりと加えた。混合物をアルゴン下に−78℃で3時間撹拌し、室温まで一晩ゆっくりと加温した。反応混合物を0℃まで冷却し、アセトンと1N HClを加えて反応を停止した。混合物をEtOAcとH2Oに分配した。水層をEtOAc(3x100mL)で抽出した。有機層を合わせてMgSO4で乾燥し、濾過し、濃縮すると、[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−クロロフェニル]アセトアルデヒドが得られた。
粗アルデヒドをMeOH/CH2Cl2(2mL)中NaCNBH3とモルホリンで処理した。粗混合物をシリカゲルに吸着させ、EtOAc/ヘキサン勾配を使用して自動フラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、所望2−[3−クロロ−4−(2−モルホリン−4−イルエチル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾールが得られた。1H NMR(CDCl3,300MHz)δ8.26−8.25(d、1H)、8.09−8.06(m、1H)、7.79−7.74(m、1H)、7.43−7.34(m、3H)、3.78−3.75(m、4H)、3.05−3.00(m、2H)、2.68−2.59(m、6H)。MS(ESI)343(M+H)+。
2−(3−メチル−4−ピリジン−2−イルフェニル)−1,3−ベンゾオキサゾール
2−アミノフェノール(17.7g、162mmol)と4−ブロモ−3−メチル安息香酸(13.6g、64mmol)を入れたビーカーにポリリン酸(100mL)を加えた。混合物を200℃に1時間加熱した後、氷水(1L)に注入し、一晩放置した。混合物を濾過し、乾燥すると、2−(4−ブロモ−3−メチル(フェニル))−ベンゾオキサゾールが無色固体として得られた。2−(4−ブロモ−3−メチル(フェニル))−ベンゾオキサゾール(670mg、2.3mmol)、2−(トリブチルスタニル)ピリジン(850mg、2.3mmol)、Pd(Ph3P)4(270mg、0.23mmol)及びDMF(23mL)の溶液を15分間アルゴンバブリングにより脱気した。反応混合物を100℃に8時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、KF(500mg)とH2O(250mL)を加えた。混合物をMTBE(3x50mL)で抽出し、有機抽出層を合わせて水(2x20mL)とブライン(1x20mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濃縮すると、油状物が得られた。油状物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン1:2)により精製すると、所望2−(3−メチル−4−ピリジン−2−イルフェニル)−1,3−ベンゾオキサゾールが無色固体として得られた。1H NMR(CDCl3,300MHz)δ8.91(d、1H)、8.52(t、1H)、8.19(s、1H)、8.15(d、1H)、7.97(br t、1H)、7.89(d、1H)、7.70−7.72(m、1H)、7.61(d、1H)、7.51−7.54(m、1H)、7.30−7.33(m、2H)、2.45(s、3H)。MS(ESI)287(M+H)+。
2−(3−メチル−4−ピリミジン−2−イルフェニル)−1,3−ベンゾオキサゾール
2−(4−ブロモ−3−メチル(フェニル))−ベンゾオキサゾール(330mg、1.1mmol)、KOAc(330mg、3.4mmol)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(93mg、0.11mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(360mg、1.4mmol)、及びジオキサン(30mL)のスラリーをArで15分間脱気した。反応混合物を80℃に12時間加熱後、H2O(20mL)を加えて反応を停止した。混合物をMTBE(3x50mL)で抽出し、有機抽出層を合わせて乾燥し(MgSO4)、減圧濃縮すると、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン1:3)後に2−[3−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾールが無色固体として得られた。
2−[3−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール(190mg、0.5mmol)、Pd(Ph3P)4(60mg、0.05mmol)、CsF(300mg、2.0mmol)、及びDME(5mL)の混合物をArで15分間脱気した。反応混合物を80℃に12時間加熱した後、H2O(20mL)を加えて反応を停止した。混合物をMTBE(3x50mL)で抽出し、有機抽出層を合わせて乾燥し(MgSO4)、減圧濃縮すると、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン1:1)後に所望2−(3−メチル−4−ピリミジン−2−イルフェニル)−1,3−ベンゾオキサゾールが無色固体として得られた。1H NMR(CDCl3,300MHz)δ8.82(d、2H)、7.99−8.20(m、2H)、7.98(d、2H)、7.75−7.77(m、1H)、7.54−7.57(m、1H)、7.30−7.35(m、2H)、7.20(t、1H)、2.64(s、3H)。MS(ESI)288(M+H)+。
4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシフェノール
4−ヒドロキシ−3−メトキシ安息香酸(25g、149mmol)と2−アミノフェノール(16.2g、149mmol)を丸底フラスコに加えた。ポリリン酸トリメチルシリル(80mL)を希釈せずに加えた。混合物を180℃に30分間加熱した。混合物を氷に注入し、一晩撹拌した。懸濁液を濾過すると、4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシフェノールが薄緑色固体として得られた。MS(ESI)242(M+H)+。
2−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)−1,3−ベンゾオキサゾール塩酸塩
4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシフェノール(7.1g、29.4mmol)の無水DMF(100mL)溶液を22℃で30分間Cs2CO3(9.6g、29.4mmol)とN−フェニルトリフルオロメタンスルホンイミド(10.5g、29.4mmol)で処理した。その後、飽和NaHCO3(50mL)を加えて反応を停止し、EtOAc(500mL)で希釈した。EtOAc溶液を飽和ブライン(3x100mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧濃縮した。4:1ヘキサン:EtOAcを溶離液として残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにかけると、トリフルオロメタンスルホン酸4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシフェニルが無色油状物として得られた。MS(ESI)374(M+H)+。
トリフルオロメタンスルホン酸4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシフェニル(11.7g、31.3mmol)の無水DMF(150mL)溶液をアルゴンで10分間脱気した。次に2−トリ−n−ブチルスタニルピリジン(11.5g、31.3mmol)とPd(Ph3P)4(3.6g、3.lmmol)を22℃で加えた。次に、得られた混合物をアルゴン下に100℃に1時間加熱した。反応混合物を22℃まで冷却した後、セライトパッドで濾過した。濾液を減圧濃縮すると、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、3:1;ヘキサン:EtOAc)による精製後に所望化合物がほぼ無色固体として得られ、その後、ジエチルエーテル(200mL)に溶かし、ジエチルエーテル(20mL)中1M HClで処理すると、塩酸塩として沈殿した。得られた無色固体を次にEtOAc(1L)で処理し、還流加熱した後に22℃まで冷却し、固体を濾取すると、所望化合物が無色固体として得られた(M.p.215℃)。1H NMR(CD3OD,300MHz)δ8.88(m、1H)、8.69(m、1H)、8.41(d、1H)、8.09(m、3H)、7.91(d、1H)、7.82(m、1H)、7.45(m、1H)、7.48(m、2H)、4.10(s、3H)。MS(ESI)303(M+H)+。
5−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−ピリジン−2−イルベンゾニトリル
3−シアノ−4−メトキシ安息香酸メチル(1.5g、7.9mmol)のCH3OH/H2O(25mL;1:1)溶液にLiOH(2.5g、60.0mmol)を加えた。反応混合物を2時間還流し、室温に冷却し、pH2が得られるまで6M HClを滴下した。沈殿を集めてH2O(3x20mL)で洗浄し、減圧乾燥すると、3−シアノ−4−メトキシ安息香酸が得られた。MS(ESI)178(M+H)+。3−シアノ−4−メトキシ安息香酸(1.4g、7.8mmol)を入れた100mL丸底フラスコにSOCl2(15mL)を滴下した。反応混合物を1時間還流し、室温まで冷却した。過剰のSOCl2を減圧除去し、油状酸塩化物をTHF(15mL)に溶かした。得られた溶液を0℃で2−アミノフェノール(1.3g、11.7mmol)、トリエチルアミン(1.3g、11.7mmol)及びTHF(30mL)の混合物に滴下した。反応混合物を室温まで加温し、更に3時間撹拌しした。沈殿を濾別し、濾液を減圧濃縮乾燥した。暗褐色固体残渣をトルエン(20mL)に溶かし、p−トルエンスルホン酸(6.0g、46.8mmol)を加えた。反応混合物を一晩還流し、室温まで冷却し、EtOAc(300mL)を加えた。EtOAc溶液をブライン(3x20mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl3:CH3OH8:1)により精製すると、5−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシベンゾニトリルが得られた。MS(ESI)251(M+H)+。
5−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシベンゾニトリル(270mg、1.1mmol)のCH2Cl2(5mL)溶液に0℃でBBr3(CH2Cl2中1.0M溶液、430μL、4.4mmol)を滴下した。反応混合物を室温で4時間撹拌した。EtOAc(150mL)とH2O(30mL)を加えた。有機層をブライン(2x20mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濃縮し、粗生成物をEtOAcから再結晶させると、5−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−ヒドロキシベンゾニトリルが得られた。MS(ESI)237(M+H)+。
5−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−ヒドロキシベンゾニトリル(230mg、1.0mmol)とピリジン(154mg、2mmol)のCH2Cl2(5mL)溶液に0℃でトリフルオロメタンスルホン酸無水物(330mg、1.2mmol)を滴下した。反応混合物を室温まで加温し、2時間撹拌した。EtOAc(150mL)とH2O(50mL)を加えた。有機層をブライン(2x20mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、粗材料をフラッシュカラム(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc4:1)により精製すると、トリフルオロメタンスルホン酸4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−シアノフェニルが黄色油状物として得られた。
トリフルオロメタンスルホン酸4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−シアノフェニル(300mg、1.2mmol)のDMF(5mL)溶液を脱気し、2−トリ−n−ブチルスタニルピリジン(273mg、0.74mmol)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(150mg、0.1mmol)を加えた。反応混合物を90℃で一晩撹拌し、室温まで冷却した。EtOAc(100mL)とブライン(50mL)を加えた。有機層をブライン(2x20mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、粗材料をフラッシュカラム(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc3:1)で精製すると、所望5−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−ピリジン−2−イルベンゾニトリルがピンクがかった固体として得られた。1H NMR(CD3OD,300MHz)δ8.85(d 1H)、8.72(d、1H)、8.59(m、1H)、8.08(d、1H)、7.91(d、2H)、7.85(m、1H)、7.65(m、1H)、7.45(m、3H)。MS(ESI)298(M+H)+。
2−(3−メトキシ−4−ピリジン−3−イルフェニル)−1,3−ベンゾオキサゾール
トリフルオロメタンスルホン酸4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシフェニル(148mg、0.4mmol)の2:1DMF:H2O(6mL)溶液をアルゴンで10分間脱気した。次に、K2CO3(137mg、0.99mmol)、Pd(Ph3P)4(23mg、0.02mmol)、n−Bu4NBr(128mg、0.40mmol)及び3−ピリジルボロン酸(73mg、0.60mmol)を22℃で加えた。得られた混合物を次にアルゴン下に75℃に1時間加熱した。反応混合物を22℃まで冷却しした後、セライトパッドで濾過した。濾液を減圧濃縮すると、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、3:1;ヘキサン:EtOAc)による精製後に所望化合物が黄色固体として得られた。1H NMR(CDCl3,300MHz)δ8.83(d、1H)、8.60(dd、1H)、7.92(m、3H)、7.81(m、1H)、7.62(m、1H)、7.48(d、1H)、7.39(m、3H)、3.98(s、3H)。MS(ESI)303(M+H)+。
2−(3−クロロ−4−ピリジン−3−イルフェニル)−1,3−ベンゾオキサゾール
3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸(20.0g、11.6mmol)の無水ジクロロメタン(100mL)懸濁液をアルゴン下に22℃で塩化オキサリル(20mL、23.2mmol)、次いでDMF数滴で処理した。2時間撹拌後に溶液は透明になったので、濃縮乾涸し、ジクロロメタン(50mL)に溶かし、2−アミノフェノール(12.6g、11.6mmol)とTEA(9mL、11.6mmol)の無水DMC(50mL)溶液にゆっくりと加えた。20分間撹拌後に、塩を濾別し、混合物を濃縮すると、4−クロロ−3−ヒドロキシ−N−フェニルベンズアミドが褐色固体として得られた。MS(ESI)264(M+H)+。4−クロロ−3−ヒドロキシ−N−フェニルベンズアミド(4g、15.2 mmol)を1時間還流下にPOCl3(5mL)で処理した。反応混合物を濃縮してジクロロメタン(50mL)に溶かし、飽和NaHCO3(3x25mL)と飽和ブライン(3x25mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、減圧濃縮した。2:1ヘキサン:EtOAcを溶離液として粗残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにかけると、4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−クロロフェノールが無色固体として得られた。MS(ESI)246(M+H)+。4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシフェノール(800mg、3.3mmol)の無水DMF(10mL)溶液を22℃でCs2CO3(1.lg、3.2mmol)とN−フェニルトリフルオロメタンスルホンイミド(1.2g、3.2mmol)で30分間処理した。その後、飽和NaHCO3(20mL)を加えて反応を停止し、EtOAc(50mL)で希釈した。EtOAc溶液を飽和ブライン(3x10mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧濃縮した。6:1ヘキサン:EtOAcを溶離液として残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにかけると、トリフルオロメタンスルホン酸4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−クロロフェニルが無色油状物として得られた。MS(ESI)378(M+H)+。トリフルオロメタンスルホン酸4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−クロロフェニル(150mg、0.4mmol)の2:1DMF:H2O(6mL)溶液をアルゴンで10分間脱気した。次にK2CO3(137mg、0.99mmol)、Pd(Ph3P)4(23mg、0.02mmol)、n−Bu4NBr(128mg、0.40mmol)及び3−ピリジルボロン酸(73mg、0.60mmol)を22℃で加えた。得られた混合物を次にアルゴン下に75℃に1時間加熱した。反応混合物を22℃まで冷却した後にセライトパッドで濾過した。濾液を減圧濃縮すると、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、3:1;ヘキサン:EtOAc)による精製後に所望化合物が黄色固体として得られた。1H NMR(CDCl3,300MHz)δ8.75(d、1H)、6.68(dd、1H)、8.42(d、1H)、8.24(dd、1H)、7.89(dt、1H)、7.81(m、1H)、7.63(m、1H)、7.52(d、1H)、7.42(m、3H)。MS(ESI)307(M +H)+。
塩酸5−フルオロ−2−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)−1,3−ベンゾオキサゾール
脱気したCH3CN700mLにバニリン酸メチル(21.1g、116mmol)、N−フェニルトリフルオロメタンスルホンイミド(41.3g、116mmol)、及び炭酸セシウム(37.7g、116mmol)を加えた。混合物をアルゴン雰囲気下に48時間撹拌し、この時点でEtOAc(750mL)とH2O(750mL)に分配した。有機層を飽和Na2CO3、H2O、及びブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮した。粗材料をカラムクロマトグラフィー(1:9EtOAc/ヘキサン)により精製すると、3−メトキシ−4−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}安息香酸メチルが無色油状物として得られ、放置すると無色固体になった。1H NMR(DMSO−d6,300MHz)δ7.77(d、1H)、7.68(dd、1H)、7.59(d、1H)、4.00(s、3H)、3.91(s、3H)。
脱気したTHF300mLに3−メトキシ−4−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}安息香酸メチル(20.95g、66.7mmol)、2−ピリジル亜鉛ブロミド(THF中0.5M溶液200mL、100mmol)、及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(5.00g、4.3mmol)を加えた。混合物をアルゴンで更に30分間脱気し、一晩アルゴン雰囲気下に還流加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、減圧濃縮した。得られた褐色残渣をEtOAc(1500mL)と50%飽和NaHCO3(1000mL)に分配した。水層をEtOAc(500mL)で抽出し、有機層を合わせてブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(0→25%EtOAc/ヘキサン)により精製すると、3−メトキシ−4−ピリジン−2−イル安息香酸メチルが無色固体として得られた。1H NMR(DMSO−d6,300MHz)δ8.70(d、1H)、7.92−7.83(m、3H)、7.70−7.65(m、2H)、7.40−7.36(m、1H)、3.91(s、3H)、3.90(s、3H)。
MeOHとH2Oの50/50溶液154mLに水素化リチウム・1水和物(13.85g、330mmol)を加えた。塩が完全に溶けるまで溶液を撹拌し、その時点で3−メトキシ−4−ピリジン−2−イル安息香酸メチル(8.02g、32.9mmol)を加えた。混合物を還流加熱し、一晩撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、6N HClで中和し、1N HClでpH4まで酸性化した。無色固体が溶液から析出したので濾過すると、3−メトキシ−4−ピリジン−2−イル安息香酸が無色固体として得られた。1H NMR(DMSO−d6,300MHz)δ8.70(d、1H)、7.92−7.84(m、3H)、7.69−7.65(m、2H)、7.40−7.36(m、1H)、3.91(s、3H)。
4−フルオロ−2−ニトロフェノール(4.05g、25.8mmol)のMeOH(200mL)溶液に撹拌下に塩化錫(n)・2水和物(17.47g、77.4mmol)を加えた。反応混合物を還流加熱し、LC/MSにより監視した。有意な還元が完了したら反応混合物を室温まで冷却し、氷に注入し、50%飽和NaHCO3で塩基性化(pH9)した。水層をEtOAc(2x200mL)で抽出し、抽出層を合わせてブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮すると、2−アミノ−4−フルオロフェノールが灰緑色固体として得られた。1H NMR(CDCl3,300MHz)δ6.64(dd、1H)、6.47(dd、1H)、6.33(dt、1H)、4.48(br s、1H)、3.78(br s、2H)。
ポリリン酸トリメチルシリル20mLに2−アミノ−4−フルオロフェノール(523mg、4.11mmol)と3−メトキシ−4−ピリジン−2−イル安息香酸(857mg、3.74mmol)を加えた。混合物を200℃に2時間加熱し、氷で反応を停止し、1N NaOHで塩基性化(pH14)した。水層をMTBE(300mL)、EtOAc(300mL)、MTBE(300mL)、及びCH2Cl2(300mL)で抽出した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(0→50%EtOAc/ヘキサン)により精製した。遊離塩基をエーテルに溶かし、HCl(エーテル中1N)を加えた。溶液を濾過すると、塩酸5−フルオロ−2−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)−1,3−ベンゾオキサゾールが紫色固体として得られた。1H NMR(DMSO−d6,300MHz)δ8.87(d、1H)、8.34(t、1H)、8.18(d、1H)、7.97−7.93(m、3H)、7.90(dd、1H)、7.81−7.75(m、2H)、7.37(dt、1H)、4.02(s、3H); MS(ESI)321(M+H)+。
塩酸7−フルオロ−2−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)−1,3−ベンゾオキサゾール
炭素担持10%パラジウム(2.26g、2.12mmol)のMeOH(100mL)スラリーに撹拌下に4−ブロモ−2−フルオロ−6−ニトロフェノール(5.00g、21.2mmol)を加えた。TLCにより有意還元が観測されるまで反応混合物をH2雰囲気下に撹拌した。混合物をセライトで濾過し、減圧濃縮した。得られた固体をヘキサンと中和し、再濃縮して残留MeOHを除去すると、2−アミノ−6−フルオロフェノールが暗灰色固体として得られた。1H NMR(DMSO−d6,300MHz)δ10.86(br s、1H)、9.54(br s、2H)、7.25−7.19(m、1H)、7.13(d、1H)、6.94−6.86(m、1H)。
ポリリン酸トリメチルシリル7mLに2−アミノ−6−フルオロフェノール(166mg、1.31mmol)と3−メトキシ−4−ピリジン−2−イル安息香酸(300mg、1.31mmol)を加えた。混合物を200℃に2時間加熱し、氷で反応を停止し、1N NaOHで塩基性化(pH14)した。水層をEtOAc(3x150mL)で抽出した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。得られた油状物をエーテルに取って再濃縮すると、黄褐色固体が得られた。遊離塩基をエーテルに溶かし、HCl(エーテル中1N)を加えた。溶液を濾過すると、塩酸7−フルオロ−2−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)−1,3−ベンゾオキサゾールが黄色固体として得られた。1H NMR(DMSO−d6,300MHz)δ8.71(d、1H)、8.00(t、1H)、7.97−7.84(m、4H)、7.70(d、1H)、7.49−7.37(m、3H)、4.00(s、3H); MS(ESI)321(M+H)+。
5−ブロモ−2−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)−1,3−ベンゾオキサゾール
4−ブロモ−2−ニトロフェノール(5.00g、22.9mmol)のMeOH(120mL)溶液に撹拌下に塩化錫(II)・2水和物(15.53g、68.8mmol)を加えた。反応混合物を還流加熱し、LC/MSにより監視した。有意還元が完了したら反応混合物を室温まで冷却し、氷に注入し、50%飽和NaHCO3で塩基性化(pH9)した。水層をEtOAc(2x150mL)で抽出し、有機層を合わせてブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮すると、2−アミノ−4−ブロモフェノールが暗灰色固体として得られた。1H NMR(CDCl3,300MHz)δ9.29(br s、1H)、6.71(d、1H)、6.56(d、1H)、6.49(dd、1H)、4.83(br s、2H)。
ポリリン酸トリメチルシリル20mLに2−アミノ−4−ブロモフェノール(752mg、4.00mmol)と3−メトキシ−4−ピリジン−2−イル安息香酸(916mg、4.00mmol)を加えた。混合物を200℃に2時間加熱し、氷で反応を停止し、1N NaOHで塩基性化(pH14)した。水層をMTBE(3x300mL)で抽出した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(20→50%EtOAc/ヘキサン)により精製すると、5−ブロモ−2−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)−1,3−ベンゾオキサゾールがピンク色固体として得られた。1H NMR(DMSO−d6,300MHz)δ8.71(d、1H)、8.10(d、1H)、8.00(t、1H)、7.97−7.86(m、4H)、7.84(d、1H)、7.63(dd、1H)、7.39(dt、1H)、4.00(s、3H); MS(ESI)382(M+H)+。
5−シアノ−2−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)−1,3−ベンゾオキサゾール
脱気したDMF1mLに5−ブロモ−2−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)−1,3−ベンゾオキサゾール(622mg、1.63mmol)、シアン化亜鉛(115mg、0.98mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)−ジパラジウム(0)−クロロホルム錯体(30mg、0.029mmol)、及び1,1’−ビスジフェニルホスフィノフェロセン(41mg、0.073mmol)を加えた。反応混合物をアルゴンで更に10分間脱気し、アルゴン雰囲気下に20時間120℃に加熱した。混合物を80℃まで冷却し、4:1:4飽和NH4Cl:NH4OH:H2O溶液4mLを滴下し、混合物を室温まで冷却し、一晩撹拌した。混合物を−9℃まで冷却し、濾過し、固形分を4:1:5飽和NH4Cl:NH4OH:H2O溶液5mL、次いでH2O5mLで洗浄し、減圧乾燥すると、暗黄色固体が得られた。粗固体をカラムクロマトグラフィー(20→80%EtOAc/ヘキサン)により精製すると、5−シアノ−2−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)−1,3−ベンゾオキサゾールが黄褐色固体として得られた。H NMR(DMSO−300MHz)δ8.72(d、1H)、8.47(d、1H)、8.09−7.85(m、7H)、7.40(ddd、1H)、4.01(s、3H); MS(ESI)328(M+H)+。
塩酸5−クロロ−2−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)−1,3−ベンゾオキサゾール
4−アミノ−3−メトキシ安息香酸(21g、0.125mol)のH2SO4(2M、100mL)懸濁液に5℃で亜硝酸ナトリウム水溶液(9.54g、0.138mol)を滴下した。混合物を更に10分間この温度で撹拌した。ヨウ化カリウム水溶液(22.9g、0.138mol)を滴下した。ガス発生の終了まで溶液を40℃に加温した。反応混合物を室温に冷却し、EtOAc(150mL)を加えた。水層をEtOAcで2回(2x150mL)抽出した。有機層を合わせて5%チオ硫酸ナトリウム溶液(200mL)、ブライン(200mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、減圧濃縮すると、黄色固体が得られた。粗材料をMeOH(400mL)に溶かし、H2SO4(8mL)を加え、反応混合物を一晩還流加熱した。古典的後処理後にヘキサンと酢酸エチル(80/20)の混合物を溶離液として使用して粗材料をフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、純4−ヨード−3−メトキシ安息香酸メチル(0.076mol、60.8%)22.2gが得られた。THF(40mL)中の4−ヨード−3−メトキシ安息香酸メチル(7g、24mmol)、2−ピリジル亜鉛ブロミド(THF中0.5M、62mL、31.2mmol)、及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.4g、1.2mmol)の混合物を5時間還流した後に室温で一晩撹拌した。H2Oを加え、溶液をセライトで濾過し、パッドをEtOAcで洗浄し、2層を分離した。水層をEtOAc(2x50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、蒸発乾涸した。EtOAc:ヘキサン(1:5)を溶離液として暗色残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、所望中間体3−メトキシ−4−ピリジン−2−イル安息香酸メチルが黄色固体として得られた。
出発材料がTLCにより観測されなくなるまで1:1水:メタノール(14.8mL)中3−メトキシ−4−ピリジン−2−イル安息香酸メチル(4.70g、19.3mmol)と10%水酸化リチウムを還流条件まで加熱した。冷却した混合物にpH5まで6N HCl水溶液を加えた。沈殿した黄色固体を濾過すると、所望中間体3−メトキシ−4−ピリジン−2−イル安息香酸が灰色固体として得られた。
3−メトキシ−4−ピリジン−2−イル安息香酸(500mg、2.2mmol)、2−アミノ−4−クロロフェノール(620mg、4.3mmol)及びポリリン酸トリメチルシリル(2mL)をアルゴン下に180℃まで一晩加熱した。冷却した反応混合物に水(100mL)を加え、EtOAc(4x20mL)で抽出した。有機層を取分けた。水層をセライトパッドで濾過し、濾液をpH9まで塩基性化した(固体NaHO3)。EtOAc(2x30mL)で抽出し、有機層を全て合わせて減圧濃縮した。得られたオレンジ色油状物を15:85酢酸エチル:ヘキサン→1:1酢酸エチル:ヘキサンの勾配溶離を使用してフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、所望中間体5−クロロ−2−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)−1,3−ベンゾオキサゾールが無色固体として得られた。
5−クロロ−2−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)−1,3−ベンゾオキサゾール(26mg)をジクロロメタン中で撹拌した。ジエチルエーテル(0.95mL)中1.0M HClを加え、反応混合物を30分間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮すると、所望化合物塩酸5−クロロ−2−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)−1,3−ベンゾオキサゾールがピンク色固体として得られた。1H NMR(CD3OD,300MHz)δ8.88−7.46(m、10H)、4.11(s、3H)。MS(ESI)337(M+H)+。
2−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)−5−メチル−1,3−ベンゾオキサゾール
THF(40mL)中4−ヨード−3−メトキシ安息香酸メチル(実施例62参照)(7g、24mmol)、2−ピリジル亜鉛ブロミド(THF中0.5M、62mL、31.2mmol)、及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.4g、1.2mmol)の混合物を5時間還流した後に室温で一晩撹拌した。H2Oを加え、溶液をセライトで濾過し、パッドをEtOAcで洗浄し、2層を分離した。水層をEtOAc(2x50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、蒸発乾涸した。EtOAc:ヘキサン(1:5)を溶離液として暗色残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、所望中間体3−メトキシ−4−ピリジン−2−イル安息香酸メチルが黄色固体として得られた。
出発材料がTLCにより観測されなくなるまで1:1水:メタノール(14.8mL)中3−メトキシ−4−ピリジン−2−イル安息香酸メチル(4.70g、19.3mmol)と10%水酸化リチウムを還流条件まで加熱した。冷却した混合物にpH5まで6N HCl水溶液を加えた。黄色固体が溶液から沈殿し、濾過すると、所望中間体3−メトキシ−4−ピリジン−2−イル安息香酸が灰色固体として得られた。
3−メトキシ−4−ピリジン−2−イル安息香酸(490mg、2.1mmol)、2−アミノ−p−クレゾール(527mg、4.28mmol)及びポリリン酸トリメチルシリル(2mL)を一晩アルゴン下に還流した。冷却した反応混合物に水(100mL)を加え、pH8(固体NaHCO3)まで塩基性化した。EtOAc(3x60mL)で抽出し、乾燥し(Na2SO4)、減圧濃縮した。得られた黄色残渣を1:9EtOAc:ヘキサン→1:4EtOAc:ヘキサンの勾配溶離を使用してフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、所望化合物2−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)−5−メチル−1,3−ベンゾオキサゾールが黄色固体として得られた。1H NMR(CDCl3,300MHz)δ8.74(m、1H)、7.98−7.16(m、10H)、4.03(s、3H)、2.51(s、3H)。(ESI)317(M+H)+。
2−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)[1,3]オキサゾロ[4,5−b]ピリジン
ポリリン酸トリメチルシリル5mLに2−アミノピリジン−3−オール(175mg、1.59mmol)と3−メトキシ−4−ピリジン−2−イル安息香酸(344mg、1.50mmol)を加えた。混合物を200℃に2時間加熱し、氷で反応を停止し、1N NaOHでより塩基性化(pH14)した。水層をMTBE(3x200mL)で抽出した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮すると、2−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)[1,3]オキサゾロ[4,5−b]ピリジンが淡黄色固体として得られた。1H NMR(DMSO−d6,300MHz)δ8.72(d、1H)、8.58(d、1H)、8.30(d、1H)、8.05−7.91(m、4H)、7.88(t、1H)、7.51(dd、1H)、7.40(dd、1H)、4.02(s、3H); MS(ESI)304(M+H)+。
2−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)[1,3]オキサゾロ[4,5−c]ピリジン
3−アミノピリジン(9.41g、100mmol)とトリエチルアミン(16.7mL、120mmol)のCH2Cl2(300mL)溶液に0℃で撹拌下にトリメチルアセチルクロリド(14.8mL、120mmol)を15分間かけて滴下した。反応混合物を室温まで加温し、一晩撹拌した。混合物を減圧濃縮し、残渣をEtOAcとH2Oに分配し、層分離した。水層を飽和NaHCO3で塩基性化し、EtOAcで抽出した。有機層を合わせて飽和NaHCO3とブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮すると、N−(ピリジン−3−イル)−2,2−ジメチルプロパンアミドが黄褐色固体として得られた。1H NMR(CDCl3,300MHz)δ8.57(d、1H)、8.33(dd、1H)、8.17(ddd、1H)、7.69(br s、1H)、7.27(dd、1H)、1.33(s、9H)。
N−(ピリジン−3−イル)−2,2−ジメチルプロパンアミド(8.90g、50.0mmol)のTHF(200mL)溶液に−78℃で撹拌下にn−ブチルリチウム(50mL、125mmol)を30分間かけて滴下した。添加後、反応混合物を0℃まで加温し、更に3時間撹拌した。次に反応混合物を−78℃まで再冷却し、THF中硼酸トリメチル(14.2mL、125mmol)を15分間かけて滴下した。添加後、反応混合物を0℃まで加温し、更に2時間撹拌した。氷酢酸(10.8mL、188mmol)を反応混合物に加えた後、30%H2O2(14.3mL、138mmol)を滴下した。反応混合物を室温まで加温し、一晩撹拌した。混合物をでH2Oで希釈し、減圧濃縮した。残渣を10%iPrOH/CHCl3で3回抽出し、抽出層を合わせて活性炭で処理し、スラリーをセライトで濾過した。有機層をH2Oで3回、ブラインで1回洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(3→10%MeOH/CHCl3)により精製すると、N−(4−ヒドロキシピリジン−3−イル)−2,2−ジメチルプロパンアミドが淡黄色固体として得られた。1H NMR(DMSO−d6,300MHz)δ11.58(br s、1H)、8.76(br s、1H)、8.67(s、1H)、7.68(d、1H)、6.26(d、1H)、1.22(s、9H)。
3N HCl(50mL、150mmol)溶液に撹拌下にN−(4−ヒドロキシピリジン−3−イル)−2,2−ジメチルプロパンアミド(1.94g、10.0mmol)を加えた。混合物を一晩還流加熱した。室温まで冷却後、混合物を5N NaOHで中和し、減圧濃縮した。残渣をMeOHにとり、塩を濾別し、有機層を再濃縮した。得られた残渣をEtOHにとり、塩を濾別し、有機層を再濃縮すると、3−アミノピリジン−4−オールが得られ、これを精製せずに次段階に使用した。1H NMR(DMSO−d6,300MHz)δ12.25(br s、1H)、7.35(dd、1H)、7.18(d、1H)、6.00(d、1H)、4.54(br s、2H)。
ポリリン酸トリメチルシリル7mLに3−アミノピリジン−4−オール(330mg、3.00mmol)と3−メトキシ−4−ピリジン−2−イル安息香酸(460mg、2.00mmol)を加えた。混合物を200℃に2時間加熱し、氷で反応を停止し、1N NaOHで塩基性化した(pH14)。水層をMTBE(3x200mL)で抽出した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(50→100%EtOAc/ヘキサン後に10%MeOH/CHCl3)により精製すると、2−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)[1,3]オキサゾロ[4,5−c]ピリジンが黄色固体として得られた。1H NMR(DMSO−d6,300MHz)δ9.16(s、1H)、8.71(d、1H)、8.62(d、1H)、8.03−7.84(m、6H)、7.39(t、1H)、4.00(s、3H); MS(ESI)304(M+H)+。
2−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)[1,3]オキサゾロ[5,4−b]ピリジン
MeOH(100mL)中の炭素担持10%パラジウム(1.08g、1.02mmol)のスラリーに撹拌下に3−ニトロピリジン−2−オール(1.42g、10.2mmol)を加えた。有意還元がTLCにより観測されるまで反応混合物をH2雰囲気下に撹拌した。混合物をセライトで濾過し、減圧濃縮した。得られた半固体をヘキサンと研和し、濃縮して残留MeOHを除去し、UV Prepにより精製すると、3−アミノピリジン−2−オールが暗褐色油状物として得られた。
ポリリン酸トリメチルシリル5mLに3−アミノピリジン−2−オール(150mg、1.59mmol)と3−メトキシ−4−ピリジン−2−イル安息香酸(229mg、1.0mmol)を加えた。混合物を200℃に2時間加熱し、氷で反応を停止し、1N NaOHで塩基性化した(pH14)。水層をEtOAc(3x200mL)で抽出した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。得られた油状物を最少量のEtOAcにとり、分取TLC(1:1EtOAc/ヘキサン)により精製すると、2−(3−メトキシ−4−ピリジン−2−イルフェニル)[1,3]オキサゾロ[5,4−b]ピリジンが淡黄色固体として得られた。1H NMR(DMSO−d6、300MHz)δ8.73(dq、1H)、8.43(dd、1H)、8.32(dd、1H)、8.02(d、1H)、7.99−7.93(m、2H)、7.92−7.85(m、2H)、7.55(dd、1H)、7.40(ddd、1H)、4.01(s、3H); MS(ESI)304(M+H)+。
2−[4−(6−ブロモピリジン−2−イル)−3−メトキシフェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール
4−ヒドロキシ−3−メトキシ安息香酸(25g、150mmol)と2−アミノフェノール(16g、150mmol)を丸底フラスコに加えた。ポリリン酸トリメチルシリル(80mL)を加えた。混合物を180℃に30分間加熱した。混合物を氷に注入し、一晩放置した。懸濁液を濾過すると、4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシフェノールが薄緑色固体として得られた。MS(ESI)242(M+H)。
4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシフェノール(7.1g、29mmol)の無水DMF(100mL)溶液を22℃でCs2CO3(9.6g、29mmol)とN−フェニルトリフルオロメタンスルホンイミド(10g、29mmol)で30分間処理した。得られた混合物に飽和NaHCO3水溶液(50mL)を加えて反応を停止し、EtOAc(500mL)で希釈した。EtOAc溶液をブライン(3x100mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧濃縮した。粗混合物をシリカゲルに吸着させ、EtOAc/ヘキサン勾配を使用して自動フラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、トリフルオロメタンスルホン酸4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシフェニルが無色油状物として得られた。MS(ESI)374(M+H)+。
トリフルオロメタンスルホン酸4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシフェニル(480mg、1.3mmol)、酢酸カリウム(380mg、3.8mmol)、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド(100mg、0.13mmol)、及びビス(ピナコラート)ジボロン(390mg、1.5mmol)を2頚フラスコに加えた。フラスコを排気してアルゴンを満たし、ジオキサン(10mL)を加えた。懸濁液をアルゴン流で10分間脱酸素した。反応混合物をアルゴン下に80℃で24時間撹拌した。粗混合物をシリカゲルに吸着させ、EtOAc/ヘキサン勾配を使用して自動フラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、2−[3−メトキシ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾールがオレンジ色固体として得られた。1H NMR(CDCl3、300MHz)δ7.83−7.83(m、3H)、7.74(s、1H)、7.62−7.55(m、1H)、7.39−7.36(m、2H)、3.98(s、3H)、1.39(s、12H)。
2−[3−メトキシ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール(200mg、0.57mmol)、CsF(350mg、2.3mmol)、Pd(Ph3P)4(65mg、0.057mmol)、及び2−ブロモピリジン(140mg、0.57mmol)を2頚フラスコに加えた。フラスコを排気してアルゴンを満たし、DME(5mL)を加えた。懸濁液をアルゴン流で10分間脱酸素した。反応混合物をアルゴン下に80℃で24時間撹拌した。粗混合物をシリカゲルに吸着させ、EtOAc/ヘキサン勾配を使用して自動フラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、所望2−[4−(6−ブロモピリジン−2−イル)−3−メトキシフェニル]−1,3−ベンゾオキサゾールが無色固体として得られた。1H NMR(CDCl3,300MHz)δ8.08−8.05(d、1H)、7.98−7.95(m、2H)、7.89(s、1H)、7.84−7.79(m、1H)、7.63−7.60(m、1H)、7.45−7.38(m、3H)、4.02(s、3H)。MS(ESI)382(M+H)+。
2−[3−メトキシ−4−(6−メチルピリジン−2−イル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール
2−[4−(6−ブロモピリジン−2−イル)−3−メトキシフェニル]−1,3−ベンゾオキサゾールの合成で要約した一般手順を使用して2−[3−メトキシ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール(200mg、0.57mmol)を2−ブロモ−6−メチルピリジン(65μL、0.57mmol)と反応させると、所望2−[3−メトキシ−4−(6−メチルピリジン−2−イル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾールが無色固体として得られた。1H NMR(CDCl3,300MHz)δ7.96−7.95(m、2H)、7.89(s、1H)、7.82−7.79(m、1H)、7.67−7.60(m、3H)、7.39−7.36(m、2H)、7.14−7.12(m、1H)、4.00(s、3H)、2.65(s、3H)。MS(ESI)317(M+H)+。
2−[3−メトキシ−4−(6−メトキシピリジン−2−イル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール
2−[4−(6−ブロモピリジン−2−イル)−3−メトキシフェニル]−1,3−ベンゾオキサゾールの合成で要約した一般手順を使用して2−[3−メトキシ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール(200mg、0.57mmol)を2−ブロモ−6−メトキシピリジン(65μL、0.57mmol)と反応させると、所望2−[3−メトキシ−4−(6−メトキシピリジン−2−イル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾールか無色固体として得られた。1H NMR(CDCl3,300MHz)δ7.96−7.95(m、2H)、7.89(s、1H)、7.82−7.79(m、1H)、7.67−7.60(m、3H)、7.39−7.36(m、2H)、7.14−7.12(m、1H)、4.00(s、3H)、2.65(s、3H)。MS(ESI)333(M+H)+。
2−[4−(5−クロロピリジン−2−イル)−3−メトキシフェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール
5−クロロ−2−ピリジノール(3.0g、23mmol)、N−フェニルトリフルオロメタンスルホンイミド(8.3g、23mmol)、及びCs2CO3(7.5g、23mmol)のCH3CN(100mL)溶液を室温で24時間撹拌した。粗混合物をシリカゲルに吸着させ、EtOAc/ヘキサン勾配を使用して自動フラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、2−トリフルオロメタンスルホン酸4−クロロフェニルがオレンジ色油状物として得られた。MS(ESI)262(M+H)+。
2−[4−(6−ブロモピリジン−2−イル)−3−メトキシフェニル]−1,3−ベンゾオキサゾールの合成で要約した一般手順を使用して2−[3−メトキシ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール(100mg、0.28mmol)をトリフルオロメタンスルホン酸4−クロロフェニル(74mg、0.28mmol)と反応させると、所望2−[4−(5−クロロピリジン−2−イル)−3−メトキシフェニル]−1,3−ベンゾオキサゾールが無色固体として得られた。1H NMR(CDCl3,300MHz)δ8.69−8.68(d、1H)、7.98(s、2H)、7.94−7.90(m、2H)、7.86−7.78(m、1H)、7.74−7.73(m、1H)、7.65−7.58(m、1H)、7.40−7.37(m、2H)、4.03(s、3H)。MS(ESI)337(M+H)+。
2−[3−メトキシ−4−(3−メチルピリジン−2−イル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール
2−[4−(6−ブロモピリジン−2−イル)−3−メトキシフェニル]−1,3−ベンゾオキサゾールの合成で要約した一般手順を使用して2−[3−メトキシ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール(150mg、0.43mmol)を2−ブロモ−5−メチルピリジン(73mg、0.43mmol)と反応させると、所望2−[3−メトキシ−4−(3−メチルピリジン−2−イル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾールが無色固体として得られた。1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.60−8.58(d、1H)、7.96−7.90(m、3H)、7.80−7.79(m、1H)、7.70(s、1H)、7.62−7.60(m、1H)、7.39−7.36(m、2H)、7.10−7.08(m、1H)、4.01(s、3H)、2.43(s、3H)。MS(ESI)317(M+H)+。
2−[3−メトキシ−4−(4−メチルピリジン−2−イル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール
2−[4−(6−ブロモピリジン−2−イル)−3−メトキシフェニル]−1,3−ベンゾオキサゾールの合成で要約した一般手順を使用して2−[3−メトキシ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール(150mg、0.43mmol)を2−ブロモ−4−メチルピリジン(47μL、0.43mmol)と反応させると、所望2−[3−メトキシ−4−(4−メチルピリジン−2−イル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾールが無色固体として得られた。1H NMR(CDCl3,300MHz)δ8.57(s、1H)、7.97−7.96(m、2H)、7.89(s、1H)、7.82−7.79(m、2H)、7.63−7.54(m、2H)、7.39−7.36(m、2H)、4.01(s、3H)、2.39(s、3H)。MS(ESI)317(M+H)+。
2−[3−メトキシ−4−(5−メチルピリジン−2−イル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール
2−[4−(6−ブロモピリジン−2−イル)−3−メトキシフェニル]−1,3−ベンゾオキサゾールの合成で要約した一般手順を使用して2−[3−メトキシ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール(200mg、0.57mmol)を2−ブロモ−3−メチルピリジン(63μL、0.57mmol)と反応させると、所望2−[3−メトキシ−4−(5−メチルピリジン−2−イル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾールが無色固体として得られた。1H NMR(CDCl3,300MHz)δ8.55−8.53(d、1H)、7.98−7.95(m、1H)、7.88(s、1H)、7.81−7.78(m、1H)、7.61−7.56(m、2H)、7.46−7.44(d、1H)、7.39−7.35(m、2H)、7.23−7.19(m、1H)、3.91(s、3H)、2.19(s、3H)。MS(ESI)317(M+H)+。
2−[4−(6−フルオロピリジン−3−イル)−3−メトキシフェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール
2−[4−(6−ブロモピリジン−2−イル)−3−メトキシフェニル]−1,3−ベンゾオキサゾールの合成で要約した一般手順を使用して2−[3−メトキシ−4−(4,4,5,5テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール(200mg、0.57mmol)を5−ブロモ−2−フルオロピリジン(59μL、0.57mmol)と反応させると、所望2−[4−(6−フルオロピリジン−3−イル)−3−メトキシフェニル]−1,3−ベンゾオキサゾールが無色固体として得られた。1H NMR(CDCl3,300MHz)δ8.42(s、1H)、8.07−8.00(m、1H)、7.97−7.94(m、1H)、7.89(s、1H)、7.82−7.79(m、1H)、7.64−7.59(m、1H)、7.48−7.45(d、1H)、7.41−7.38(m、1H)、7.03−6.99(m、1H)、3.98(s、3H)。MS(ESI)321(M+H)+。
2−[4−(6−クロロピリジン−3−イル)−3−メトキシフェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール
2−[4−(6−ブロモピリジン−2−イル)−3−メトキシフェニル]−1,3−ベンゾオキサゾールの合成で要約した一般手順を使用して2−[3−メトキシ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール(100mg、0.29mmol)をDME(2mL)及びH2O(2mL)中で5−ブロモ−2−クロロピリジン(55mg、0.29mmol)及びNa2CO3(90mg、0.86mmol)と反応させると、所望2−[4−(6−クロロピリジン−3−イル)−3−メトキシフェニル]−1,3−ベンゾオキサゾールが無色固体として得られた。1H NNM(CDCl3、300MHz)δ8.59(d、1H)、7.85−7.66(m、3H)、7.44−7.78(m、1H)、7.56−7.60(m、1H)、7.48−7.45(d、1H)、7.42−7.38(m、3H)、3.98(s、3H)。MS(ESI)337(M+H)+。
2−[3−メトキシ−4−(6−モルホリン−4−イルピリジン−2−イル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール
排気してアルゴンを充填した密閉可能な試験管に2−[4−(6−ブロモピリジン−2−イル)−3−メトキシフェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール(150mg、0.39mmol)、モルホリン(41μL、0.47mmol)、Pd2(dba)3(8.2mg、0.0078mmol)、BINAP(9.8mg、0.016mmol)、及びNaOtBu(53mg、0.55mmol)を加えた。トルエン(4mL)を加え、混合物をアルゴン流で5分間脱気した。試験管を密閉し、混合物を70℃まで18時間加熱した。粗混合物をシリカゲルに吸着させ、EtOAc/ヘキサン勾配を使用して自動フラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、所望2−[3−メトキシ−4−(6−モルホリン−4−イルピリジン−2−イル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾールがオレンジ色固体として得られた。1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.07−8.05(d、1H)、7.96−7.95(m、1H)、7.88(s、1H)、7.83−7.78(m、1H)、7.65−7.58(m、2H)、7.42−7.36(m、3H)、6.65−6.62(d、1H)、4.02(s、3H)、3.88−3.85(t、4H)、3.61−3.58(t、4H)。MS(ESI)388(M+H)+。
2−[3−メトキシ−4−(5−モルホリン−4−イルピリジン−2−イル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール
排気してアルゴンを充填した密閉可能な試験管に2−[4−(5−クロロピリジン−2−イル)−3−メトキシフェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール(58mg、0.17mmol)、モルホリン(18μL、0.21mmol)、Pd(OAc)2(0.38mg、0.0017mmol)、1,1’−ビフェニル−2−イル[ジ(tert−ブチル)]ホスフィン(1.0mg、0.0034mmol)、及びNaOtBu(23mg、0.24mmol)を加えた。トルエン(800μL)を加え、混合物をアルゴン流で5分間脱気した。試験管を密閉し、混合物を110℃まで18時間加熱した。粗混合物をシリカゲルに吸着させ、EtOAc/ヘキサン勾配を使用して自動フラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、2−[3−メトキシ−4−(5−モルホリン−4−イルピリジン−2−イル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾールが黄色固体として得られた。遊離塩基をEt2O/CH2Cl2に溶かし、Et2O中1N HClで処理した。得られた黄色固体を濾過し、高減圧乾燥すると、所望塩酸2−[3−メトキシ−4−(5−モルホリン−4−イルピリジン−2−イル)フェニル]−1,3−ベンゾオキサゾールが黄色固体として得られた。1H NMR(CD3OD,300MHz)δ8.33−8.30(d、1H)、8.20−8.09(m、2H)、8.08−8.02(m、2H)、7.87−7.77(m、2H)、7.75−7.71(m、1H)、7.53−7.42(m、2H)、4.10(s、3H)、3.89(t、4H)、3.49−3.47(t、4H)。MS(ESI)388(M+H)+。
6−[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシフェニル]ピリジン−3−アミン
排気してアルゴンを充填した密閉可能な試験管に2−[4−(5−クロロピリジン−2−イル)−3−メトキシフェニル]−1,3−ベンゾオキサゾール(100mg、0.30mmol)、ベンゾフェノンイミン(60μL、0.36mmol)、Pd2(dba)3(15mg、0.015mmol)、1,1’−ビフェニル2−イル(ジシクロヘキシル)ホスフィン(10mg、0.015mmol)、NaOtBu(40mg、0.42mmol)を加えた。トルエン(600μL)を加え、混合物をアルゴン流で5分間脱気した。試験管を密閉し、混合物を80℃まで24時間加熱した。粗混合物をシリカゲルに吸着させ、EtOAc/ヘキサン勾配を使用して自動フラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、6−[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシフェニル]−N−(ジフェニルメチレン)ピリジン−3−アミンが黄色固体として得られた。
6−[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシフェニル]−N−(ジフェニルメチレン)ピリジン−3−アミン(61mg、0.13mmol)をMeOH(2mL)に溶かし、NaOAc(25mg、0.31mmol)と塩酸ヒドロキシルアミン(16mg、0.23mmol)を加えた。得られた懸濁液を室温で1時間撹拌した。混合物をCH2Cl2と0.1N NaOH水溶液に分配した。水層をCH2Cl2(3x15mL)で抽出した。有機層を合わせてMgSO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗混合物をシリカゲルに吸着させ、EtOAc/ヘキサン勾配を使用して自動フラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、所望6−[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシフェニルピリジン−3−アミンが得られた。1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.25−8.24(d、1H)、7.95(s、2H)、7.86(s、1H)、7.80−7.76(m、2H)、7.62−7.59(m、1H)、7.38−7.35(m、2H)、7.07−7.04(m、1H)、4.01(s、3H)。MS(ESI)318(M+H)+。
6−[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシフェニル]−N,N−ジメチルピリジン−3−アミン
6−[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシフェニル]ピリジン−3−アミン(22mg、0.070mmol)をMeOH(2mL)とAcOH(2滴)に溶かした。NaCNBH3(44mg、0.70mmol)とホルムアルデヒド(50μL、0.70mmol)を加え、混合物を一晩撹拌した。混合物をCH2Cl2と希ブラインに分配した。水層をCH2Cl2(3x15mL)で抽出した。有機層を合わせてMgSO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗混合物をシリカゲルに吸着させ、EtOAc/ヘキサン勾配を使用して自動フラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、所望6−[4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−2−メトキシフェニル]−N,N−ジメチルピリジン−3−アミンが得られた。1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.24−8.23(d、1H)、7.94(s、2H)、7.87(s、1H)、7.84−7.79(m、2H)、7.59(m、1H)、7.38−7.35(m、2H)、7.07−7.06(m、1H)、4.01(s、3H)、3.04(s、6H)。MS(ESI)346(M+H)+。
[2−メトキシ−4−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニル]アセトニトリル
4−(ブロモエチル)−3−メトキシ安息香酸メチル(25g、96.5mmol)のアセトニトリル(200mL)溶液に22℃でTMSCN(19mL、144.7mmol)とTBAF(144mL、THF中1.0M)を加えた。20分後に、得られた反応混合物を減圧濃縮すると、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、4:1;ヘキサン:EtOAc)による精製後に4−(シアノメチル)−3−エトキシ安息香酸メチルが白色固体として得られた。MS(ESI)206(M+H)+。
4−(シアノメチル)−3−エトキシ安息香酸メチル(18g、88mmol)のMeOH:THF:H2O(3:3:1)(150mL)溶液を22℃で一晩水酸化リチウム・1水和物(11g、263mmol)で処理した。次に10%HCl水溶液(100mL)を加えて反応を停止し、混合物をEtOAc(3x200mL)で抽出し、有機抽出層を合わせてブライン(100mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、減圧濃縮すると、4−(シアノメチル)−3−メトキシ安息香酸が白色固体として得られた。MS(ESI)192(M+H)+。
4−(シアノメチル)−3−メトキシ安息香酸(0.33g、1.7mmol)を無水ジクロロメタン(5mL)に懸濁し、22℃でアルゴン下に塩化オキサリル(0.3mL、3.5mmol)、次いでDMF数滴で処理した。2時間撹拌後に、得られた溶液を濃縮乾涸し、ジクロロメタン(5mL)に溶かし、塩酸トランス−2−アミノシクロヘキサノール(0.26g、1.7mmol)とTEA(0.5mL、3.5mmol)の無水ジクロロメタン(10mL)溶液にゆっくりと加えた。20分間撹拌後に、塩を濾別し、濃縮すると、4−(シアノメチル)−N−[(2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル]−3−メトキシベンズアミドが黄色固体として得られた。MS(ESI)289(M+H)+。
塩化オキサリル(0.2mL、2.2mmol)の無水ジクロロメタン(2mL)溶液に−78℃でアルゴン下にをDMSO(0.32mL、4.5mmol)を加えた。溶液を10分間維持した後に4−(シアノメチル)−N[(2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル]−3−メトキシベンズアミド(430mg、1.5mmol)の無水ジクロロメタン(13mL)溶液を滴下した。反応混合物を−78℃で30分間撹拌した後、TEA(1mL、7.5mmol)を加えた。反応混合物を22℃まで2時間加温した。次に、ジクロロメタン50mLを混合物に加え、飽和NaHCO3(3x15mL)と飽和ブライン(3x15mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濃縮すると、4−(シアノメチル)−3−メトキシ−N−(2−オキソシクロヘキシル)ベンズアミドの黄色固体が得られた。MS(ESI)287(M+H)+。
4−(シアノメチル)−3−メトキシ−N−(2−オキソシクロヘキシル)ベンズアミド(0.8g、2.8mmol)を1時間還流下にPOCl3(5mL)で処理した。得られた混合物を濃縮し、ジクロロメタン(50mL)に溶かし、飽和NaHCO3(3x15mL)と飽和ブライン(3xl5mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、減圧濃縮した。2:1ヘキサン:EtOAcを溶離液として粗残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにかけると、所望化合物[2−メトキシ−4−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニル]アセトニトリルが白色固体として得られた。1H NMR(CDCl3,300MHz)δ7.58(dd、1H)、7.53(m、1H)、7.42(d、1H)、3.95(s、3H)、3.72(s、2H)、2.71(m、2H)、2.62(m、2H)、1.87(m、4H)。MS(ESI)269(M+H)+。