JP4641839B2 - 4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸の製造方法 - Google Patents

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本発明は、医農薬中間体及び機能性材料中間体として有用な4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸の製造方法に関する。
4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸誘導体は、チロシンキナーゼ阻害剤、急性及び慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病などの抗癌剤として期待される化合物として知られている(特許文献1)。また、精神分裂病、心配、うつ病等、精神病の治療において有用な化合物を製造する上での重要な骨格となり得る(特許文献2)。
従来、芳香環上にメチル基とトリフルオロメチル基を併せ持つメチルトリフルオロメチル安息香酸誘導体を製造する手段として、2−ヨード−4−トリフルオロメチルトルエンとマグネシウムを用いて、グリニャール試薬へ変換し、二酸化炭素と反応させる方法が知られている(特許文献3)。また、4−トリフルオロメチルブチン酸と2−メチル−1,3−ブタジエンとをディールス・アルダー反応により1−カルボキシ−2−トリフルオロメチル−4−メチル−1,4−シクロヘキサジエン及び1−カルボキシ−2−トリフルオロメチル−5−メチル−1,4−シクロヘキサジエンの混合物に変換し、次いで臭素化、芳香族化して2−トロフルオロメチル−4−メチル安息香酸と2−トリフルオロメチル−5−メチル安息香酸との混合物を得る方法が開示されている(非特許文献1)。また特許文献4においては、本出願人がビス(トリフルオロメチル)安息香酸誘導体に対して、片方のトリフルオロメチル基を選択的に水素化してメチルトリフルオロメチル安息香酸誘導体を製造する方法を開示している。
一方、4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸の製造の際、原料として想定される、3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドを製造する方法(特許文献5、非特許文献2)が知られている。
国際公開04/002963号公報 国際公開03/048137号公報 仏国特許1522956明細書 特開2004−002337号公報 特開2001−226358号公報 Journal of Fluorine Chemistry、42巻、105頁、1989年(オランダ国) Ukrainskii Khimicheskii Zhurnal、64巻、58頁〜65頁、1998年(ロシア国)
4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸は、芳香環に3つの異なる官能基を有するが、このような3つの異なる官能基を有する芳香環の製造には一般に多段階の工程を要するために、合成方法は煩雑である。さらに目的物の収率が悪化したり、また分離の難しい副生物が生成したりするなどの問題が生じやすい。
特許文献3では、出発原料にヨウ素化合物を使用しているが、工業的規模では通常、グリニャール反応後のヨウ素廃液の処理が困難であり、工業的に採用するのは難しい。非特許文献1に記載の方法では、トリフルオロメチル安息香酸を製造するために多段階の工程を経なくてはならず、生成物の位置選択性が制御できずに、特定の化合物の収率、純度が十分に確保できないという問題がある。
一方、本発明である、4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸の製造における中間体として、3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドを想定することができるが、この製造工程で、3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドの原料である4−メチル−3−ベンゾトリフルオリドを臭素化する工程がある。特許文献5では、4−メチル−3−ベンゾトリフルオリドの臭素化に関し、いったんアニリン誘導体に変換し、48%臭化水素酸を用いて臭素化をおこなう方法が開示されているが、この場合は工程数が長くなることと、用いる臭化水素酸が高価であることから、工業的に好ましい手法とはいえない。非特許文献2では安価な2−メチル安息香酸を出発原料に用い、一般的な臭素化剤で臭素化しているものの、高価で危険なSF4−HFを使用し、さらに、この臭素化反応は位置選択性に乏しく、3−トリフルオロメチル−4−メチルブロモベンゼンと共に、異なった部位に臭素が導入された異性体が生じ、分離精製が非常に困難である。
上述の様に、本発明の目的物である4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸の製造に関しては、かなり困難であり、該目的物を工業的規模で実施容易である製造方法の確立が望まれていた。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた。その結果、工業的に容易に入手しうる2−メチルベンゾトリフルオリドを出発原料として、短工程かつ容易に目的物である、4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸の製造方法を見出し、本発明を完成した。本発明の製造方法は、以下の工程からなる、4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸の製造方法である。
第1工程:式[1]で表される2−メチルベンゾトリフルオリド
を臭素化し、式[2]で表される3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリド
を得る工程。
第2工程:第1工程で得られた、式[2]で表される3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドをカルボニル化し、式[3]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸
を得る工程。
第3工程:第2工程で得られた、式[3]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸を、水または有機溶媒で洗浄するか、もしくは再結晶させることによって精製する工程。
式[3]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸を製造する工程において、出発原料を安価に入手できる上、各工程とも反応が円滑に進行する。
第1工程は、式[1]で表される2−メチルベンゾトリフルオリドを臭素化する工程であるが、式[1]で表される2−メチルベンゾトリフルオリドの臭素化に関し、例えば従来技術(特許文献5)では、多段階の工程を経て臭素化を行う方法が開示されている。それに比べて本発明では、臭素化剤として臭素(Br2)を用い、100℃以下といった、比較的低温で反応を行うことにより、特許文献5での方法と比べ、一段階で式[2]で表される3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドを得る条件を見出した。
さらに、この第1工程の式[1]で表される2−メチルベンゾトリフルオリドの臭素化に関し、非特許文献2でも開示されているように、臭素化剤として臭素(Br2)を用いた、一般的な臭素化工程は位置特異性に乏しく、目的物である式[2]で表される3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドの他に、別の部位に臭素原子が置換した位置異性体を含む混合物となり、精製操作が非常に困難である。そこで本発明者らは、一般的に分離が非常に困難であるこの混合物を、この第1工程の時点で精製操作をせずに、第1工程で得られた混合物のまま、後述する次の第2工程における出発原料として使用することにより、第2工程が収率を損なわずに良好に進行することを見出した。
また、本発明の第2工程は、第1工程で得られた式[2]で表される3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドをカルボニル化し、式[3]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸を得る工程であるが、本発明者らは以下の4つの工程、
(1)アルキルマグネシウムハライドと反応させ、続いてカルボニル化する工程
(2)マグネシウム金属と反応させ、続いてカルボニル化する工程
(3)アルキルリチウムと反応させ、続いてカルボニル化する工程
(4)パラジウム触媒と塩基性物質の存在下で反応させ、続いてカルボニル化する工程
の何れかを経由することで、容易に目的である式[3]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸を得ることを見出した。また、この第2工程での生成物である、式[3]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸が主生成物として得られるのと同時に、第2工程での出発原料に含まれていた、別の部位に臭素原子が置換した位置異性体自身がカルボニル化を受けた化合物も同時に副生する。そこで本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、本発明での第3工程において、カルボニル化後に得られたこの2つの化合物を含む混合物から、反応終了後の、例えば酸処理工程、洗浄工程、再結晶工程等の精製操作を用いて、容易に目的物である式[3]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸を高い収率で得ることを見出した。
第1工程の目的物である式[2]で表される3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドと、第1工程後に副生した、別の部位に臭素原子が置換した位置異性体、この2つの化合物を含む混合物に対し、反応終了時での精製操作をせずにそのまま第2工程のカルボニル化工程の原料として用い、第2工程終了後、第3工程において第1工程由来の副生成物を容易に取り除くことできることから、生産性にも負荷がかからず、非常に優れた方法である。
また、式[1]で表される2−メチルベンゾトリフルオリドを臭素化し、式[2]で表される3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドを得る(第1工程)工程において、式[1]で表される2−メチルベンゾトリフルオリドが、以下の3工程、
A工程:式[6]で表されるキシレンを塩素化し、式[7]で表される2−トリクロロメチルベンザルクロリドを得る工程
B工程:式[7]で表される2−トリクロロメチルベンザルクロリドをフッ素化し、式[8]で表される2−ジクロロメチルベンゾトリフルオリドを得る工程
C工程:式[8]で表される2−ジクロロメチルベンゾトリフルオリドを還元し、式[1]で表される2−メチルベンゾトリフルオリドを得る工程
で製造することができるが、従来、式[1]で表される2−メチルベンゾトリフルオリドの製造においては、安価に入手できるトルエンを出発原料とし、かなりの多段階を経て合成していた。そのときと比べ、キシレンを出発原料としたこの3工程は各工程とも反応が円滑に進行し、工程及び製造時間の大幅な簡略化ができる。各工程における操作に手間をかけずに容易に式[1]で表される2−メチルベンゾトリフルオリドを供給することも可能であり、該目的物を工業的規模で製造する上で非常に優れた方法である。
なお、式[1]で表される2−メチルベンゾトリフルオリドに対し、臭素化して得られる、式[2]で表される3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリド、及びこれの位置異性体を含む混合物を、第1工程時に精製等の分離操作を行わずに、混合物のまま、次の第2工程の出発原料に用いる例や、さらに第3工程において通常の精製操作だけで、容易に該目的物である、式[3]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸を効率良く製造する例はこれまで知られていなかった。
すなわち本発明は、式[1]で表される2−メチルベンゾトリフルオリドを臭素化し、式[2]で表される3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドを得、ここで得られた式[2]で表される3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドをカルボニル化し、式[3]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸を得、さらに式[3]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸を精製する方法を提供する。
また、本発明で得られた式[3]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸をアルコールと酸の存在下、反応させ、式[5]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸エステルを製造する方法も提供する。
本発明の式[3]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸の製造方法は、工業用原料として入手の容易な2−メチルベンゾトリフルオリドから、良好な収率で医農薬中間体として有用な4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸を工業的規模で製造できるという効果を奏する。
以下、本発明につき、さらに詳細に説明する。本発明では式[1]で表される2−メチルベンゾトリフルオリドを臭素化し、式[2]で表される3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドを得(第1工程)、第1工程で得られた式[2]で表される3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドをカルボニル化し、式[3]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸を得(第2工程)、第2工程で得られた式[3]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸を精製する(第3工程)工程によってなる。
また、本発明で得られた式[3]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸を、式[4]で表されるアルコールと酸の存在下、反応させ、式[5]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸エステルを製造する(第4工程)工程も含め、スキーム1として以下にまとめる。
ここで、本発明での第2工程について、式[2]で表される3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドをカルボニル化し、式[3]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸を得る工程をスキーム2として以下にまとめる。
上記スキーム2に示すように、本工程では、詳細は後に述べるが、4つのカルボニル化工程(これらの反応工程をそれぞれ、「第2工程(a)及び(e)」、「第2工程(b)及び(f)」、「第2工程(c)及び(g)」、「第2工程(d)」と呼ぶ)の何れかを経由することで、目的である式[3]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸が得られる。
次に、第3工程では、詳細は後に述べるが、有機溶媒で洗浄するかもしくは再結晶させることによって、式[3]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸がさらに高純度で得られる。
さらに、第4工程では、本発明で得られた式[3]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸に対し、式[4]で表されるアルコールと酸の存在下で反応させることにより、式[5]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸エステルが得られる。
なお、本発明の出発原料である式[1]で表される2−メチルベンゾトリフルオリドが、以下の3工程、
A工程:式[6]で表されるキシレンを塩素化し、式[7]で表される2−トリクロロメチルベンザルクロリドを得る工程
B工程:式[7]で表される2−トリクロロメチルベンザルクロリドをフッ素化し、式[8]で表される2−ジクロロメチルベンゾトリフルオリドを得る工程
C工程:式[8]で表される2−ジクロロメチルベンゾトリフルオリドを還元し、式[1]で表される2−メチルベンゾトリフルオリドを得る工程
で製造できる。
この3つの工程について、スキーム3として以下にまとめる。
なお、上記スキーム3のC工程に関しては、日本国特許1888095明細書に開示された公知の方法により、式[1]で表される2−メチルベンゾトリフルオリドを製造する方法として、ハロゲン化メチル基を有したメチルベンゾトリフルオリドを水素化することにより製造することができる。
まず、本発明での第1工程について説明する。この工程は式[1]で表される2−メチルベンゾトリフルオリドを臭素化し、式[2]で表される3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドを得る工程である。
本工程で用いられる臭素化剤としては、例えば臭素(Br2)、ベンジルトリメチルアンモニウムトリブロミド、N−ブロモスクシンイミド(NBS)、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチル−ヒダントイン(DBH)、臭素酸ナトリウムなど公知のものが使用できる。これらのうち、臭素(Br2)、ベンジルトリメチルアンモニウムトリブロミド、臭素酸ナトリウムが好ましく、経済性と入手の容易さの点から臭素(Br2)が特に好ましい。
臭素(Br2)の使用量は式[1]で表される2−メチルベンゾトリフルオリド1モルに対し、通常0.5〜3モルであり、好ましくは0.5〜2モル、さらに好ましくは0.75〜1.5モルである。
本工程は触媒が存在しなくても進行するが、触媒が存在しない場合には反応が長期化することから、それらを回避するために触媒を使用することができる。使用される触媒としては、ルイス酸として知られる、鉄(Fe)を含む触媒、アンチモンを含む触媒、アルミニウムを含む触媒等、公知のものが使用できるが、経済性や廃棄の問題から鉄を含む触媒を用いるのが好ましい。鉄を含む触媒としては鉄のハロゲン化物が好適に使用できる。触媒は反応状態でハロゲン化物となっていればよく、仕込みに際しては金属鉄または鉄を含む合金、化合物であってもよいが、通常入手の容易な塩化第二鉄、臭化第二鉄等を使用するのが特に好ましい。触媒の添加量は、式[1]で表される2−メチルベンゾトリフルオリド1モルに対し、鉄として0.001〜1モル、好ましくは0.01〜0.5モル、さらに好ましくは0.05〜0.3モルである。触媒量が0.001モルよりも少ないと反応速度が遅くなり、1モルよりも多いと反応の進行について問題はないが、反応速度、収率の点でメリットはなく、操作が煩雑になるので好ましくない。
本工程は不活性な溶剤を溶媒として行ってもよいが、使用すると容積あたりの収量が減るので好ましくない。敢えて溶媒を用いる場合には塩素化溶剤などが挙げられ、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、テトラクロロエタン、ペンタクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンなどが例示できるがこれらに限られない。また、これらの溶媒は1種または2種以上を組み合わせて用いることもできる。
なお、本工程における臭素化工程は、式[2]で表される3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドが生成するのと同時に、これとは別の部位に臭素原子が置換した位置異性体である、式[9]で表される3−ブロモ−2−メチルベンゾトリフルオリド
が副生する。この式[9]で表される3−ブロモ−2−メチルベンゾトリフルオリドは、目的物である式[2]で表される3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドとの混合物として得られる。このように、別の部位に臭素原子が置換した異性体を含む混合物は一般的に化学的性質が類似しているために、この混合物から酸処理操作や有機溶媒による洗浄、再結晶、カラム精製等の精製手段を用いても、目的物である式[2]で表される3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドのみを選択的に得るのが非常に困難である。そこで後述の実施例2−7に示すように、この第1工程で得られた、式[2]で表される3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリド及び、式[9]で表される3−ブロモ−2−メチルベンゾトリフルオリドを含む混合物を、この第1工程の時点で精製等の分離操作を行わずに、第1工程で得られた混合物のまま、後に述べる次の第2工程における出発原料として使用することにより、第2工程が収率を損なわずに良好に進行することができる。このように、第1工程で得られた位置異性体を含む混合物を、第2工程の出発原料として使用することは、分離操作への工程が削減でき、従来よりも格段に生産性が向上することから、本発明において特に好ましい態様の一つである。
本工程は通常、25〜100℃程度で行い、30〜90℃が好ましく、40〜80℃がより好ましい。反応温度が室温より低いと反応が遅く、100℃よりも高い温度では式[2]で表される3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドの他に、別の部位に臭素原子が置換した異性体の副生が多くなり、選択率が低下することがあるので好ましくない。反応器の圧力は0.1〜10MPaであり、0.3〜2MPaとするのが好ましい。
本工程は、ステンレス鋼、ハステロイ、モネルなどの金属製容器を用いて行うことができる。
次に、本工程の第2工程について説明する。第2工程では、式[2]で表される3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドをカルボニル化し、式[3]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸を得る工程である。
本工程では、カルボニル化剤として一酸化炭素又は二酸化炭素を用い、上記スキーム2で示すように、4つの工程の何れかを経由することで、目的である式[3]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸が得られる。
すなわち、
(1)アルキルマグネシウムハライドと反応させて、4−メチル−3−トリフルオロメチルフェニルマグネシウムブロミドへ変換(この反応工程を「第2工程(a)」と呼ぶ)し、カルボニル化剤として二酸化炭素(CO2)を用いてカルボニル化(この反応工程を「第2工程(e)」と呼ぶ)する工程
(2)マグネシウム金属と反応させて、4−メチル−3−トリフルオロメチルフェニルマグネシウムブロミドへ変換(この反応工程を「第2工程(b)」と呼ぶ)し、カルボニル化剤として二酸化炭素(CO2)を用いてカルボニル化(この反応工程を「第2工程(f)」と呼ぶ)する工程
(3)アルキルリチウムと反応させて、4−メチル−3−トリフルオロメチルフェニルリチウムに変換(この反応工程を「第2工程(c)」と呼ぶ)し、カルボニル化剤として二酸化炭素(CO2)を用いてカルボニル化(この反応工程を「第2工程(g)」と呼ぶ)する工程
(4)パラジウム触媒と塩基性物質の存在下で反応させ、カルボニル化剤として一酸化炭素(CO)を用いてカルボニル化(この反応工程を「第2工程(d)」と呼ぶ)する工程
である。いずれの工程でも式[3]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸が得られ、反応が良好に進行する。以下、これら4つの工程について詳細に説明する。
まず、第2工程(a)及び(e)である、アルキルマグネシウムハライドと反応させて、4−メチル−3−トリフルオロメチルフェニルマグネシウムブロミドへ変換し、カルボニル化剤として二酸化炭素(CO2)を用いてカルボニル化する工程について説明する。本方法で用いられるアルキルマグネシウムハライドは、式[10]
R'MgZ [10]
(式中、R'はアルキル基を表し、Zはハロゲン(塩素、臭素、またはヨウ素)を表す)で表される。R'で示されるアルキル基としては、直鎖状でも分岐状でもよく、たとえば炭素数1〜8のアルキル基が挙げられ、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。Zで示されるハロゲン原子としては、好ましくは塩素原子、臭素原子である。)
本方法においては、まず、式[2]で表される3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドとアルキルマグネシウムハライドとを適当な溶媒中、好ましくは不活性ガス雰囲気下で反応させて式[3]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸を得る。
式[2]で表される3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドおよびアルキルマグネシウムハライドの使用量は、アルキルマグネシウムハライドを式[2]で表される3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドに対して通常0.3〜1.5倍モル、好ましくは1〜2倍モルである。
溶媒としては、エーテル系溶媒が好ましく、たとえばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブトキシメタン、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類等が挙げられる。溶媒の使用量は、式[2]で表される3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドに対して通常0.5〜10倍容量、好ましくは1〜5倍容量の範囲から適宜選択される。不活性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガス等が好ましい。
式[2]で表される3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドとアルキルマグネシウムハライドとを反応させる際の反応温度は、0℃の温度範囲から使用する溶媒の還流温度程度がよく、好ましくは0℃〜65℃、より好ましくは10〜40℃の範囲から適宜選択される。また、反応時間は1〜48時間が好ましい。なお、上記アルキルマグネシウムハライドは、市販品を用いてもよく、適宜製造したものを用いてもよい。
次に、第2工程(e)のカルボニル化工程の実施方法について説明する。本工程で用いられるカルボニル化剤は、二酸化炭素が用いられ、二酸化炭素の常温、常圧での状態に関しては、それぞれ気体状態又は固体状態、特に制限はない。これらに関しては、当業者が適宜選択することができる。
系内を、気体状態の二酸化炭素で置換する場合、加圧下で反応を行うことができる。まず、反応器に、原料である式[2]で表される3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリド及び式[9]で表される3−ブロモ−2−メチルベンゾトリフルオリドとの混合物、アルキルマグネシウムハライド、溶媒を仕込んだ後、反応器を密閉する。
固体状態の二酸化炭素(ドライアイス)を用いる場合、取り扱いが容易なことから、常圧下で反応を行うことができる。
カルボニル化反応は攪拌または無攪拌下で加熱して行う。加圧下で反応を行う場合、圧力は、通常、0.1〜1.2kPa、好ましくは0.5〜1.0kPa、さらに好ましくは0.5〜0.8kPaとするのがよい。この範囲より低い場合には、反応が充分に進行せず、収率低下の原因となり、あるいは、反応速度が低下して反応終了までに長時間を要するなどの問題を生ずる場合があり好ましくない。また、1.0kPaより高くしても、反応速度や本工程で目的物の収量にほとんど変化はないため、好ましくない。
加圧下で反応を行う際の使用する反応器については、ステンレス鋼、ハステロイ、モネルなどの金属製容器を用いて行うことができる。常圧下で反応を行う場合、反応器に関しても、当業者が適宜選択することができる。
気体状態又はドライアイスを反応系内に加える際の反応温度については、−150℃から200℃がよく、好ましくは−110℃から使用する溶媒の還流温度程度である。
例えば、実施例2において、反応器として四つ口フラスコを用い、常圧下で固体状態の二酸化炭素(ドライアイス)を−46℃で加えて反応を行うことは、本発明における特に好ましい態様の一つである。
次に、第2工程(b)及び(f)である、マグネシウム金属と反応させて、4−メチル−3−トリフルオロメチルフェニルマグネシウムブロミドへ変換し、カルボニル化剤として二酸化炭素(CO2)を用いてカルボニル化する工程について説明する。本方法においては、まず、式[2]で表される3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドとマグネシウム金属とを適当な溶媒中、好ましくは不活性ガス雰囲気下で反応させて、4−メチル−3−トリフルオロメチルフェニルマグネシウムブロミドを得る。
本方法で用いられるマグネシウム金属は、塊状、テープ状、ホイル状、フレーク状、削り状、粉末状などいかなる形状をしていても良いが、反応性の点から、フレーク状、削り状、粉末状が好ましく、粉末状が特に好ましい。マグネシウム金属の使用量は式[2]で表される3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドに対して通常0.8〜5倍モル、好ましくは1〜2倍モルである。
溶媒としては、エーテル系溶媒が好ましく、たとえばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブトキシメタン、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類等が挙げられる。溶媒の使用量は、式[2]で表される3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドに対して通常0.5〜10倍容量、好ましくは1〜5倍容量の範囲から適宜選択される。不活性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガス等が好ましい。
式[2]で表される3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドとマグネシウム金属とを反応させる際の反応温度は、0℃から使用する溶媒の還流温度程度がよく、好ましくは0℃〜100℃、より好ましくは10〜80℃の範囲から適宜選択される。また、反応時間は1〜48時間が好ましい。
次に、第2工程(f)のカルボニル化工程の実施方法については、前述した第2工程(e)と同様に行うことができる。
加圧下で反応を行う際の使用する反応器についても第2工程(e)と同様に、ステンレス鋼、ハステロイ、モネルなどの金属製容器を用いて行うことができる。常圧下で反応を行う場合、反応器に関しても、当業者が適宜選択することができる。例えば、実施例3において、反応器として三つ口フラスコを用い、−55℃にて常圧下で固体状態の二酸化炭素(ドライアイス)を用いることは、本発明における特に好ましい態様の一つである。
次に、第2工程(c)及び(g)である、アルキルリチウムと反応させて、4−メチル−3−トリフルオロメチルフェニルリチウムに変換し、カルボニル化剤として二酸化炭素(CO2)を用いてカルボニル化する工程について説明する。本方法で用いられるアルキルリチウムは、式[11]
TLi [11]
(式中、Tはアルキル基を表す)
で表される。Tで示されるアルキル基としては、直鎖状でも分岐状でもよく、たとえば炭素数1〜6のアルキル基が挙げられ、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。
本方法においては、まず、式[2]で表される3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドとアルキルリチウムとを適当な溶媒中、好ましくは不活性ガス雰囲気下で反応させて、4−メチル−3−トリフルオロメチルフェニルリチウムを得る。
式[2]で表される3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドおよびアルキルリチウムの使用量は、アルキルリチウムを式[2]で表される3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドに対して通常0.8〜1.5倍当量、好ましくは1〜1.2倍当量である。
溶媒としては、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等のアルカン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族類などが例示できるがこれらに限られない。
また、これらの溶媒は1種または2種以上を組み合わせて用いることもできる。溶媒の使用量は、式[2]で表される3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドに対して通常0.5〜10倍容量、好ましくは1〜5倍容量の範囲から適宜選択される。不活性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガス等が好ましい。
式[2]で表される3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドとアルキルリチウムとを反応させる際の反応温度は、−150℃から200℃であり、好ましくは−110℃から使用する溶媒の還流温度程度である。また、反応時間は1〜48時間が好ましい。なお、上記アルキルリチウムは、溶媒で希釈された市販品を用いてもよく、適宜製造したものを用いてもよい。
次に、第2工程(g)のカルボニル化工程の実施方法については、前述した第2工程(e)と同様の方法で行うことができる。
加圧下で反応を行う際の使用する反応器についても、ステンレス鋼、ハステロイ、モネルなどの金属製容器を用いて行うことができる。常圧下で反応を行う場合、反応器に関しても、当業者が適宜選択することができる。例えば、実施例4において、反応器として四つ口フラスコを用い、−76℃にて常圧下で固体状態の二酸化炭素(ドライアイス)を用いることは、本発明における特に好ましい態様の一つである。
次に、第2工程(d)である、パラジウム触媒と塩基性物質の存在下で反応させ、カルボニル化剤として一酸化炭素(CO)を用いてカルボニル化する工程について説明する。用いるパラジウム触媒としては、具体的には、パラジウム担持活性炭、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ビス(ジベンジリデンアセトナト)パラジウム、PdCl2[P(o−Me−Ph)32、PdCl2[P(m−Me−Ph)32、PdCl2[P(p−Me−Ph)32、PdCl2(PMe32、PdBr2(PPh32、PdCl2〔P(Ph)2CH2CH2P(Ph)2〕、PdCl2〔P(Ph)2CH2CH2CH2CH2P(Ph)2〕、PdCl2(PhCN)2、Pd(CO)(PPh33、PhPdI(PPh32、PhPdBr(PPh32、PhPdBr(PMePh22、PdCl2(PMePh22、PdCl2(PEt2Ph)2、PdCl2(PMe2Ph)2、Pd2Br4(PPh32、PdCl2[P(Ph)32等が好ましい。ここでPhはフェニル基、Meはメチル基、Etはエチル基、o−はオルト置換、m−はメタ置換、p−はパラ置換を表す。
これらは何れも満足すべき触媒活性を示すが、安価で取り扱いやすい塩化パラジウム、酢酸パラジウム、PdCl2[P(Ph)32、PdCl2〔P(Ph)2CH2CH2CH2CH2P(Ph)2〕など、2価のPd錯体が経済的に特に好ましい。
パラジウム触媒の添加量は、式[2]で表される3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリド1モル当たり、通常、0.0001〜0.2モルの範囲を適宜選択することができるが、好ましくは0.001〜0.1モルであり、更に好ましくは0.001〜0.05モルである。
第2工程(d)はパラジウム触媒のみでも進行するが、助触媒として3価のリン化合物を用いるとパラジウム錯体の活性が維持されやすいため、特に好ましい。ここで助触媒とは、触媒の活性または選択性を増大させるために少量添加される物質をいう。それらとしては、式[12]
4 −(R5 −)P−R6 [12]
(式[12]中、R4 、R5 およびR6 は、同一または相異なるアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基またはハロゲン原子を示す。)で示される化合物が好ましく、具体的にはトリ−n−ブチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ−o−トリルホスフィン、トリ−m−トリルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、トリ−o−トリルホスファイト、三塩化リンなどが例示される。またこの他に、式[13]
(R42P−Q−P(R52 [13]
(式[13]中、R4およびR5は前記と同じ、Qは−(CH2m−(mは1〜8の整数。より好ましくは1〜4の整数。)で表されるアルキレン基を表す)
で表されるホスフィンも好ましい。具体的には1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタンなどが例示できる。これらのリン化合物使用量は、通常上記の金属触媒1モル当たり、0.5〜50モルの範囲を適宜選択することができる。
ここで言う3価のリン化合物は、それ自身の遊離の化合物でも良く、PdCl2[P(Ph)32などのように、パラジウム触媒にあらかじめ配位子として取り込まれたものでも良く、両者を併用してもよい。
第2工程(d)に用いられる塩基性物質に特別な制限はないが、pHが8以上となる強度を有する塩基性物質が好ましい。塩基としてはアンモニア、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化カリウム等の無機塩基、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン等の第3級アミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン等の第2級アミン、プロピルアミン、ブチルアミン等の第1級アミン等の有機塩基が挙げられるが、中程度の強度を有する塩基である、有機アミン類が好ましい。具体例としては、メチルアミン、エチルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジ−イソプロピルエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、ルチジン、2−メチルピリジン、N−メチルモルホリン、ピペリジン、ピロリジン、モルホリン、ジブチルアミン、ジイソプロピルアミン等が挙げられるが、トリエチルアミンが特に好ましい。
塩基の使用量は、式[2]で表される3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリド1モル当たり、通常1〜50モルの範囲を適宜選択することができるが、好ましくは1〜20モルであり、更に好ましくは1〜10モルである。
上記反応は通常窒素、アルゴン等の不活性ガス中で行われる。通常、反応温度は−50℃〜160℃、好ましくは−10℃〜100℃で、さらに好ましくは−5℃〜50℃の範囲である。
第2工程(d)は、溶媒の存在下で実施することが好ましい。溶媒としては反応に関与しないものであれば特に制限はなく、例えばn−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等のアルカン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、アセトン等のアルキルケトン類、メタノール、エタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等のアルコール類、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)等の非プロトン性極性溶媒、あるいは水が例示できる。これらのうち、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アルコール類であるメタノール、エタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等が好ましく使用されるが、後の実施例に述べるように、溶媒として水を用い、他に有機溶媒を使用しないことにより、目的とする式[3]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸を高い選択率で得られることから、特に好ましく使用される。また、これらの溶媒は1種または2種以上を組み合わせて用いることもできる。溶媒の使用量は、式[2]で表される3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドに対して通常0.5〜10倍容量、好ましくは1〜7倍容量の範囲から適宜選択される。
第2工程(d)の反応温度は特に限定されないが、通常、−50℃〜200℃、好ましくは−10℃〜180℃で、さらに好ましくは−5℃〜150℃の範囲である。
次に、第2工程(d)のカルボニル化工程の実施方法を説明する。本工程で用いられるカルボニル化剤は、一酸化炭素が用いられ、系内を一酸化炭素で置換する場合、加圧下で反応を行うことができる。まず、反応器に、原料である式[2]で表される3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリド及び式[9]で表される3−ブロモ−2−メチルベンゾトリフルオリドとの混合物、パラジウム触媒、塩基性物質、溶媒を仕込んだ後、反応器を密閉する。
第2工程(d)のカルボニル化工程は攪拌または無攪拌下で加熱して行う。加圧下で反応を行う場合、圧力は、通常、0.1〜1.2kPa、好ましくは0.5〜1.0kPa、さらに好ましくは0.5〜0.8kPaとするのがよい。この範囲より低い場合には、反応が充分に進行せず、収率低下の原因となり、あるいは、反応速度が低下して反応終了までに長時間を要するなどの問題を生ずる場合があり好ましくない。また、1.0kPaより高くしても、反応速度や本工程で目的物の収量にほとんど変化はないため、好ましくない。
加圧下で反応を行う際の使用する反応器については、ステンレス鋼、ハステロイ、モネルなどの金属製容器を用いて行うことができる。
例えば、本実施例5−7において、反応器としてステンレス製耐圧容器を用い、加圧下で一酸化炭素を用いることは、本発明における特に好ましい態様の一つである。
上述した第2工程(e)、第2工程(f)、第2工程(g)、及び第2工程(d)のいずれかの反応終了後の反応物の処理は、通常の有機合成の処理法に基づいて行えばよい。例えば、反応液に塩酸水溶液を添加し、酢酸エチル、トルエン、塩化メチレンなどの有機溶媒にて抽出した後、乾燥剤等で水分を除去、溶媒留去することもできる。更に、得られた式[3]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸の粗体に、水酸化ナトリウム等の無機塩基の水溶液を添加し、安息香酸塩として水溶液中に溶解させた後、ヘキサンやヘプタンなどの有機溶媒にて有機不純物を抽出し、残った水溶液を塩酸などの酸を用いて酸性にし、再度酢酸エチル、トルエン、塩化メチレンなどの有機溶媒にて抽出した後、乾燥剤等で水分を除去、溶媒留去する方法は特に好ましい態様の一つである。
しかしながら、前述したように、第2工程(a)、第2工程(b)、第2工程(c)、及び第2工程(d)の各工程では、原料である式[2]で表される3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリド及び式[9]で表される3−ブロモ−2−メチルベンゾトリフルオリドとの混合物を使用するため、式[9]で表される3−ブロモ−2−メチルベンゾトリフルオリド自身がカルボニル化された、式[14]で表される2−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸
も副生する。この化合物は式[3]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸の位置異性体であり、化学的性質が類似しているので、上述した処理法では除去できないため、純度の高い4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸を得るために、さらなる精製工程(第3工程)を要する。
次に、第3工程について説明する。本工程は、第2工程で得られた式[3]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸を精製する工程である。第2工程では、前述した通り、式[3]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸が主生成物として得られるのと同時に、式[14]で表される2−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸も副生する。そこで、本工程ではカルボニル化の後に生成したこの2つの化合物を含む混合物に対し、精製操作を施すことにより、副生物である式[14]で表される2−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸を、容易に分離でき、式[3]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸を高選択率及び高純度で単離できることができる。
精製操作は、具体的には水、有機溶媒による洗浄操作を行うことにより、該目的物である式[3]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸の純度を高純度で得ることができる。
さらに、後述の再結晶操作により、副生成物である式[14]で表される2−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸を取り除くことにより、式[3]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸を選択的に得ることができる。
洗浄操作の実施形態に関しては特に制限はなく、例えば、4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸の粗体をロートに載せ、ロート上で水または有機溶媒をかけて洗浄するだけでも良い。
洗浄操作は、水、有機溶媒が用いられ、用いる有機溶媒としては、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等のアルカン類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のアルキルケトン類、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族類などが例示でき、これらの有機溶媒はそれぞれ単独で用いてもよく、複数の有機溶媒を組み合わせてもよい。これらの有機溶媒に限られないが、洗浄操作時において、目的物が溶解してしまうことから、目的物である、式[3]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸に対し溶解性が小さいものを用いることが好ましく、当業者により適宜選択することができる。例えば、本実施例3及び実施例5−7において、洗浄操作における有機溶媒としてn−ヘプタンを用いることは、目的物に対し溶解性が小さく、本工程において好ましい態様の一つである。
使用する溶媒の量は、式[3]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸に対して通常0.5〜10倍容量、好ましくは1〜7倍容量の範囲から適宜選択される。
このような洗浄操作のみでも式[3]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸の純度を向上させることができるが、目的によって更に高純度の4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸が必要な場合には再結晶法を用いることができる。
再結晶に用いる有機溶媒としては、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等のアルカン類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のアルキルケトン類、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族類などが例示できる。これらの有機溶媒はそれぞれ単独で用いてもよく、複数の有機溶媒を組み合わせてもよい。
例えば、実施例5−7においては、再結晶に用いる有機溶媒として、アセトンを用いると、反応混合物が着色しにくいため、アセトンを溶媒として使用することは、好ましい態様の一つである。アセトンに対しては、目的物である、式[3]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸に対して高い溶解性を示し、反応後に冷却すると目的物が析出して、取扱いやすいスラリーを形成するため、再結晶操作が行いやすいという利点もある。
溶媒の使用量としては、式[3]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸に対して通常0.5〜10倍容量、好ましくは1〜7倍容量の範囲から適宜選択される。
再結晶操作の温度条件は、使用する溶媒の沸点および凝固点により適宜決めることができ、通常、室温(25℃)から再結晶溶媒の沸点付近の温度で、精製前の塩を溶解させ、−40〜80℃で結晶を析出させることができる。
精製操作の終わった固体を減圧乾燥することにより、溶媒または水が除去され、式[3]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸が高純度で得られる。
次に、第4工程について説明する。第4工程では、本発明における第3工程で得られた、式[3]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸を、式[4]で表されるアルコールと酸の存在下、反応させ、式[5]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸エステルを得る工程である。本工程で用いられる、式[4]で表されるアルコール
(式中、nは1〜4の整数を表す)
は、炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖を有するアルキル基を表し、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等を挙げることができる。本工程における式[4]で表されるアルコールとして、具体的には、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、iso−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等を挙げることができるが、好ましくは、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、さらに好ましくはメタノール、エタノールである。
本工程の反応は、無溶媒で行っても溶媒中で行ってもよい。溶媒を使用する場合、溶媒としては、反応基質そのものを使用できる他、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、エチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、アセトニトリルなどのニトリル類、ピリジンなどの第三アミン類、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)などの酸アミド類、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホランなどの含硫黄化合物等が使用することができる。本発明においては反応試剤としてアルコール類を使用しており、これらが溶媒としても機能できることから、通常は特に他の溶媒を使用する必要はない。溶媒の使用量としては、式[3]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸に対して通常0.5〜10倍容量、好ましくは1〜7倍容量の範囲から適宜選択される。
酸について特別な制限はないが、水に1mol・dm-3の濃度で溶解した際、反応系内のpHが4以下、より好ましくはpHが2以下になるまで添加することが好ましい。pHが4より大きい場合、反応が完全に終了せず、式[5]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸エステルの収率が低下することから、好ましくない。
使用する酸としては具体的には塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸等の無機酸が挙げられる。その中でも塩酸、硫酸およびリン酸が好ましく、特に塩酸および硫酸がより好ましい。酸処理する際の量や温度については特別の制限はなく、当業者が適宜最適化できる。
本工程の反応温度に特別に制限はないが、好ましくは0〜220℃で、さらに好ましくは50〜120℃である。0℃未満であると反応が遅い。一方、120℃を超えると、副生物が生じやすく、また過剰な加熱はエネルギー効率が悪く、経済性の面からも好ましくない。この範囲より低い温度の場合には、反応が充分に進行せず、収率低下の原因となり、経済的に不利となる、あるいは、反応速度が低下して反応終了までに長時間を要するなどの問題を生ずる場合があり、好ましくない。また、反応時間は1〜48時間が好ましい。
反応終了後、該目的物を減圧乾燥することにより、溶媒または水が除去され、式[5]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸エステルが高純度で得られる。
なお、第4工程における、式[5]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸エステルの製造方法としては、前述のスキーム1とは別ルートである、以下の工程(「D工程」と呼ぶ)
に関しても得ることも可能である。上記スキーム4におけるD工程は、本発明の第1工程の臭素化後に得られる、式[2]で表される3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドに対し、第2工程のカルボニル化、第3工程の精製工程、そして第4工程のエステル化工程を経ずに、直接、式[5]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸エステルを得る工程である。
しかしながら、第4工程終了後の反応混合物及び、精製操作後の式[5]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸エステルは取り扱いの困難な油状液体であり、結晶性が極めて低いために、上記スキーム4におけるD工程を経由しても、目的である式[5]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸エステルと、式[2]で表される3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドに含まれている位置異性体由来の副生成物を含む混合物から、再結晶を用いての分離及び精製操作が非常に困難である。このことから、式[5]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸エステルの製造方法において、前述のスキーム1を経由する製造工程が、式[5]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸エステルを高純度及び高収率で得ることができる極めて有用な方法である。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されない。
[錯化合物の調製]
PdCl2(dppb)の調製は公知の方法[J. Coord. Chem.(Engl. Edit), 22(1996), 563-567]によった。すなわち、攪拌子を入れた300ml三角フラスコにアセトニトリル100mlを入れ、そこへ塩化パラジウム0.574gを投入し、オイルバスで70℃に加温しながら攪拌した。塩化パラジウムが溶解してから1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン1.382gを投入すると淡黄色の結晶が沈殿した。約3時間攪拌を続けた後、結晶を濾過してアセトニトリルで洗浄しPdCl2(dppb)を得た。
3-ブロモ-6-メチル-ベンゾトリフルオリドの製造
5L四つ口フラスコに2−メチル−ベンゾトリフルオリド(3.5kg,21.9mol)を加え、続いて塩化鉄(III)3.55g(21.9mmol)を添加した。そこへ臭素(3.53kg,22.1mol)を導入し、攪拌しながら内温32℃から41℃になるまで加熱し、7時間攪拌した。反応中はガスクロマトグラフィー(GC)で追跡し、1時間後、反応を良好に進行させる為に更に塩化鉄(III)3.55g(21.9mmol)を添加し、さらに加熱し始めてから7時間の間に塩化鉄(III)3.55(21.9mmol)を2回加えた。7時間後、反応溶液を亜硫酸ナトリウム水溶液(1.7L)で洗浄し、二層に分離した水相を分離し、有機相を蒸留した。その結果、3-ブロモ-6-メチル-ベンゾトリフルオリドと、3-ブロモ-2-メチル-ベンゾトリフルオリドの組成比がそれぞれ4.5:1の混合物4740g(GC純度98.1%)を得た(沸点66℃/2.8kPa,収率91%(組成比が4.5:1の混合物のうち、3-ブロモ-6-メチル-ベンゾトリフルオリドのみの収率は74%))。
4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸の製造
200mlの四つ口フラスコに、テトラヒドロフラン30mlに溶かした3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドと3−ブロモ−2−メチルベンゾトリフルオリドとの組成比がそれぞれ4.5:1の混合物10.0g(41.8mmol)を室温で加え、続いて2Mイソプロピルマグネシウムクロリドのテトラヒドロフラン溶液25.2ml(50.2mmol)を加えた。5時間攪拌後、再び2Mイソプロピルマグネシウムクロリドのテトラヒドロフラン溶液10.5ml(20.9mmol)を加えた。さらに2時間攪拌した後、−46℃に冷却しドライアイス10.0g(227mmol)を加え、5分後室温に昇温した。1時間攪拌後、2M塩酸水溶液(50ml)を加えて、二層分離した有機相を分離し、酢酸エチル(20ml)で抽出操作を行い、飽和食塩水(10ml)で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、濾過、溶媒留去を行い、留去後、4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸と2−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸をそれぞれ混合物として得た(変換率76.2%、選択率85.8%、4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸のGC純度55.1%、2−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸のGC純度10.3%)(なお、目的化合物の単離精製は本実施例では行っていない)。
4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸の製造
100mlの三つ口フラスコに、粉末状の金属マグネシウム1.5g(62.8mmol)、テトラヒドロフラン30mlを加え、内温を50℃にし加熱した。そこへ、テトラヒドロフラン10mlに溶かした3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドと3−ブロモ−2−メチルベンゾトリフルオリドの組成比がそれぞれ4.5:1の混合物10.0g(41.8mmol)を15分かけて滴下した後、内温を70℃に昇温した。1時間攪拌後、室温まで徐々に冷却し、さらに−55℃に冷却した。続いてドライアイス10g(227mmol)を加え、再び室温に昇温しさらに1時間攪拌した。反応終了後、2M塩酸水溶液(30ml)を加えて酸性下にした後、二層分離した有機相を分離し酢酸エチル(20ml)で抽出操作を行い、飽和食塩水(10ml)洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、濾過、溶媒留去を行い、得られた固体を2M水酸化ナトリウム水溶液(20ml)に溶解させ、ヘプタン(20ml)で洗浄した。ヘプタン洗浄後、2M塩酸塩酸水溶液(50ml)を加えて酸性下にし、得られた固体をろ過、乾燥したところ、4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸と2−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸、それぞれ混合物として得た(7.21g、変換率100%、選択率83.7%GC収率87.7%(4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸)、GC収率11.7%(2−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸))。次にヘプタン:イソプロピルエーテル=4:1の溶液(30ml)を加え、70℃に昇温した。30分攪拌後、室温、そして0℃まで冷却し、得られた固体をろ過、乾燥したところ、4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸を得た(5.36g(26.3mmol)、単離収率63%(3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドからの収率は77%)、GC純度100%)。
4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸の製造
200mlの四つ口フラスコに、ジエチルエーテル50mlに溶かした3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドと、3−ブロモ−2−メチルベンゾトリフルオリドとの組成比が各々4.5:1の混合物10.0g(41.8mmol)を室温で加え、−76℃に冷却した。この溶液に1.56Mブチルリチウムのヘキサン溶液29.5ml(46.0mmol)を10分間かけて滴下した。1時間攪拌した後、ドライアイス9.0g(204.5mmol)を加えて20分攪拌した後、40分かけて室温に昇温した。次に2M塩酸水溶液(30ml)を加えて酸性条件下にした後、二層分離し、有機相を濃縮したところ、4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸と2−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸、それぞれ混合物として得られた(変換率98.8%、選択率73.5%)。得られた混合物をヘキサン:イソプロピルエーテル=5:1の溶液(20ml)を加え、70℃に昇温して30分攪拌した。30分後、室温、そして0℃まで冷却し、得られた固体をろ過、乾燥したところ、4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸が得られた(4.59g(22.5mmol)、収率54%(3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドからの収率は66%)、GC純度99.7%)。
4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸の製造
3Lのステンレス製耐圧容器に3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドと3−ブロモ−2−メチルベンゾトリフルオリドとの組成比がそれぞれ4.5:1である混合物1110g(4.64mol)を加え、トリエチルアミン987g(9.75mol)、水550g、[1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン]パラジウムジクロリド11.2g(18.6mmol)、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン7.92g(18.6mmol)を加えた後、一酸化炭素を導入して密封し、攪拌しながら内温を109℃から137℃になるまで加熱した。反応中は圧力制御弁を用いて内圧を0.6から0.7MPaで維持した。6時間後(変換率99.9%、選択率96.2%)、反応液を室温に戻し、反応液を室温に戻し、2M塩酸水溶液(2600ml)を加え酸性条件下にした後、得られた固体をろ過し、水(1000ml)で2回、ヘプタン(1000ml)で1回洗浄した。次に固体を4M水酸化ナトリウム水溶液(1L)に溶解した後、二層分離した。水相に4M塩酸水溶液(1000ml)を加え、酸性条件下にした。得られた固体をろ過し、水(1000ml)で2回、ヘプタン(1000ml)で1回洗浄した。35℃にてアセトン(2000ml)に結晶を溶解させ、セライトろ過、アセトン洗浄を行った後、少量濃縮しヘプタン(600ml)を加え、50℃で攪拌し、室温で一晩放置した。氷冷下2時間攪拌した後、得られた結晶を濾過、アセトン:ヘプタン=1:1(200ml)で洗浄、乾燥した。さらに、再結晶濾液を濃縮し、アセトン:ヘプタン=1:1で再結晶を行い、二番晶を得た。一番晶、二番晶を合わせて、632gの4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸を得た(純度99.5%、収率67%(3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドからの収率は82%))。
4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸の製造
3Lのステンレス製耐圧容器に3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドと3−ブロモ−2−メチルベンゾトリフルオリドとの組成比がそれぞれ4.5:1である混合物1110g(4.64mol)を加え、トリエチルアミン987g(9.75mol)、水550g、[1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン]パラジウムジクロリド8.41g(13.9mmol)、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン5.94g(13.9mmol)を加えた後、一酸化炭素を導入して密封し、攪拌しながら内温を101℃から110℃になるまで加熱した。反応中は圧力制御弁を用いて内圧を0.6から0.7MPaで維持した。6時間後(変換率99.9%、選択率96.5%)、反応液を室温に戻し、2M塩酸水溶液(2600ml)を加え酸性条件下にした後、得られた固体をろ過し、水(1000ml)で2回、ヘプタン(1000ml)で1回洗浄した。次に固体を4M水酸化ナトリウム水溶液(1L)に溶解した後、二層分離した。水相に4M塩酸水溶液(1000ml)を加え、酸性条件下にした。得られた固体をろ過し、水(1000ml)で2回、ヘプタン(1000ml)で1回洗浄した。35℃にてアセトン(2000ml)に結晶を溶解させ、セライトろ過、アセトン洗浄を行った後、少量濃縮しヘプタン(600ml)を加え、50℃で攪拌し、室温で一晩放置した。氷冷下2時間攪拌した後、得られた結晶を濾過、アセトン:ヘプタン=1:1(200ml)で洗浄、乾燥した。さらに、再結晶濾液を濃縮し、アセトン:ヘプタン=1:1で再結晶を行い、二番晶を得た。一番晶、二番晶を合わせて、634gの4−メチル−3−トリフルオロ安息香酸を得た(純度99.8%、収率67%(3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドからの収率は82%))。
4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸の製造
3Lのステンレス製耐圧容器に3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドと3−ブロモ−2−メチルベンゾトリフルオリドとの組成比がそれぞれ4.5:1である混合物1110g(4.64mol)を加え、トリエチルアミン987g(9.75mol)、水550g、[1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン]パラジウムジクロリド5.60g(9.29mmol)、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン3.96g(9.29mmol)を加えた後、一酸化炭素を導入して密封し、攪拌しながら内温を101℃から110℃になるまで加熱した。反応中は圧力制御弁を用いて内圧を0.6から0.7MPaで維持した。9時間後(変換率99.5%、選択率95.7%)、反応液を室温に戻し、2M塩酸水溶液(2600ml)を加え酸性条件下にした後、得られた固体をろ過し、水(1000ml)で2回、ヘプタン(1000ml)で1回洗浄した。次に固体を4M水酸化ナトリウム水溶液(1L)に溶解した後、二層分離した。水相に4M塩酸水溶液(1000ml)を加え、酸性条件下にした。得られた固体をろ過し、水(1000ml)で2回、ヘプタン(1000ml)で1回洗浄した。35℃にてアセトン(2000ml)に結晶を溶解させ、セライトろ過、アセトン洗浄を行った後、少量濃縮しヘプタン(600ml)を加え、50℃で攪拌し、室温で一晩放置した。氷冷下2時間攪拌した後、得られた結晶を濾過、アセトン:ヘプタン=1:1(200ml)で洗浄、乾燥した。さらに、再結晶濾液を濃縮し、アセトン:ヘプタン=1:1で再結晶を行い、二番晶を得た。一番晶、二番晶を合わせて、597gの4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸を得た(純度99.8%、収率63%(3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドからの収率は82%))。
4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸エチルエステルの製造
500mlの三つ口フラスコに、4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸60.0g(294mmol)、エタノール240mlを仕込み、濃硫酸0.5mlを滴下した。攪拌しながら内温を80℃に昇温した。反応はガスクロマトグラフィー(GC)にて追跡を行った。24時間攪拌後、反応液を室温にし、エタノールを減圧加熱下、留去した。続いて、氷冷下にて飽和重曹水(180ml)を添加した後、イソプロピルエーテル(180ml)にて抽出した。抽出液を1M水酸化ナトリウム水溶液(100ml)にて洗浄し、原料の4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸と、4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸エチルエステルを完全に分離した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した後、濾過、溶媒留去を行い、無色液体として4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸エチルエステルを52.0g(収率76%、純度99.9%)得た。また、1M水酸化ナトリウム水溶液相に濃塩酸を加え、酸性とした。析出した固体を濾過、水洗浄、乾燥し、白色固体として原料の4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸を11.8g(収率20%、純度99.9%)回収した。
[4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸エチルエステルの物性]
常温で無色透明液体。1H−NMR(基準物質:TMS、溶媒:CDCl3)δ(ppm):1.41(t,3H,J=7.1Hz),2.54(d,3H,J=1.7Hz),4.40(q,2H,J=7.1Hz),7.37(d,1H,J=7.9Hz),8.09(dd,1H,J=1.7,7.9Hz),8.28(s,1H)。19F−NMR(基準物質:CCl3F、溶媒:CDCl3)δ(ppm):−62.4(s,3F)。

実施例5〜実施例7の結果を、表1にまとめる。

Claims (13)

  1. 以下の工程からなる、4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸の製造方法。
    第1工程:式[1]で表される2−メチルベンゾトリフルオリド
    を臭素化し、式[2]で表される3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリド
    を得る工程。
    第2工程:第1工程で得られた、式[2]で表される3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドをカルボニル化し、式[3]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸
    を得る工程。
    第3工程:第2工程で得られた、式[3]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸を、水または有機溶媒で洗浄するか、もしくは再結晶させることによって精製する工程。
  2. 請求項1において、式[1]で表される2−メチルベンゾトリフルオリドを臭素化する(第1工程)際に、臭素化剤が臭素(Br2)であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 請求項2において、式[1]で表される2−メチルベンゾトリフルオリドを、臭素(Br2)を用いて臭素化する(第1工程)際に、鉄(Fe)を含む触媒を共存させることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  4. 請求項1乃至3の何れかにおいて、式[1]で表される2−メチルベンゾトリフルオリドを臭素化する(第1工程)際に、臭素化後に得られた化合物を精製せずにカルボニル化(第2工程)工程に用いることを特徴とする、請求項1乃至3の何れかに記載の方法。
  5. 請求項1において、式[2]で表される3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドをカルボニル化する(第2工程)際に、アルキルマグネシウムハライドと反応させ、4−メチル−3−トリフルオロメチルフェニルマグネシウムブロミドに変換した後に、カルボニル化し、式[3]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸を得ることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  6. 請求項1において、式[2]で表される3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドをカルボニル化する(第2工程)際に、マグネシウム金属と反応させ、4−メチル−3−トリフルオロメチルフェニルマグネシウムブロミドに変換した後に、カルボニル化し、式[3]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸を得ることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  7. 請求項1において、式[2]で表される3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドをカルボニル化する(第2工程)際に、アルキルリチウムと反応させ、4−メチル−3−トリフルオロメチルフェニルリチウムに変換した後に、カルボニル化し、式[3]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸を得ることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  8. 請求項1において、式[2]で表される3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドをカルボニル化する(第2工程)際に、パラジウム触媒と塩基性物質の存在下でカルボニル化し、式[3]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸を得ることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  9. 請求項5乃至7の何れかにおいて、式[2]で表される3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドをカルボニル化する(第2工程)際に、カルボニル化剤が二酸化炭素(CO2)であることを特徴とする、請求項5乃至7の何れかに記載の方法。
  10. 請求項8において、式[2]で表される3−ブロモ−6−メチルベンゾトリフルオリドをカルボニル化する(第2工程)際に、カルボニル化剤が一酸化炭素(CO)であることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  11. 請求項1において、第3工程で得られた、式[3]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸を、式[4]で表されるアルコール
    (式中、nは1〜4の整数を表す)
    と酸の存在下、反応させることを特徴とする、式[5]で表される4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸エステル
    (式中、nは式[4]に同じ)
    の製造方法。
  12. 請求項1において、式[1]で表される2−メチルベンゾトリフルオリドが、次の3工程により得られることを特徴とする、請求項1に記載の4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸の製造方法。
    A工程:式[6]で表されるキシレン
    を塩素化し、式[7]で表される2−トリクロロメチルベンザルクロリド
    を得る工程。
    B工程:式[7]で表される2−トリクロロメチルベンザルクロリドをフッ素化し、式[8]で表される2−ジクロロメチルベンゾトリフルオリド
    を得る工程。
    C工程:式[8]で表される2−ジクロロメチルベンゾトリフルオリドを還元し、式[1]で表される2−メチルベンゾトリフルオリドを得る工程。
  13. 4−メチル−3−トリフルオロメチル安息香酸エチルエステル。

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