JP2841110B2 - α―クロロケトン類の製造法 - Google Patents

α―クロロケトン類の製造法

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JP2841110B2 JP20180290A JP20180290A JP2841110B2 JP 2841110 B2 JP2841110 B2 JP 2841110B2 JP 20180290 A JP20180290 A JP 20180290A JP 20180290 A JP20180290 A JP 20180290A JP 2841110 B2 JP2841110 B2 JP 2841110B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、α−クロロケトン類の製造法に関する。
本発明のα−クロロケトン類は、特に高純度を必要と
する医薬品・農薬および染料の中間体として有用であ
る。
[従来の技術とその問題点] 脂肪族ケトンのクロル化の方法としては、溶媒として
メタノールあるいは四塩化炭素の存在下に、塩素を吹込
み直接クロル化する方法があるが、反応に選択性を欠き
収率が53%と低い(J.Org.Chem.1981,46,2532)。ま
た、溶媒として濃塩酸の存在下で、塩素により直接クロ
ル化する方法があるが、後述の比較例1が示すごとく、
これも同様の結果であった。
他方、塩化銅及び水の存在下で塩化水素、酸素もしく
は酸素含有ガスで塩素化することにより選択的に3位に
1個又は2個の塩素置換分を有するブタノンの製造方法
(特開昭50−34,531)がある。しかし、モノクロル化の
場合には、収率は76%でかならずしも満足な数値でな
く、さらに、塩素化剤として塩化銅を用いることは環境
衛生上の問題がある。
また、塩化鉄を用いたものとしては、酢酸溶媒中で1
−インダノンのクロル化を行っている報告があるが(Te
trahedron Lett.,1967,4085)、収率が43%と低い。
[発明が解決しようとする課題] 本発明者等は、上述のα−クロロケトン類の製造法に
係る問題点(選択率又は収率が低い点、環境衛生上の問
題)を解決すべく鋭意研究を行った。その結果、原料の
ケトンを塩化第二鉄の水溶液と反応させ、反応後目的物
のα−クロロケトンを水と共沸させることにより分離す
ると高い選択率及び高い収率で該目的物が収得できるこ
と及び副生した塩化第一鉄は、所定の方法により塩素化
すると容易に塩化第二鉄を再生できることを知り、この
知見に基づいて本発明を完成した。
以上の記述から明らかなように、本発明の目的は、新
規なα−クロロケトン類の製造法ならびに該製造法に係
る製品を提供することである。また、他の目的は、塩素
化剤として使用した塩化第二鉄の簡易な再生法を提供す
ることである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、下記(1)〜(7)の構成を有する。
(1)一般式[1]または[2]: (式中のR1,R2,R3及びR4は炭素数1〜20のアルキル基を
表わす。) で示される化合物から 一般式[3]または[4]: で示される化合物を製造する方法において、一般式
[1]または[2]の化合物を塩化第二鉄水溶液と反応
させ、反応終了後水との共沸により一般式[3]または
[4]の化合物を単離することを特徴とする高純度α−
クロロケトン類の製造法。
(2)一般式[1]または[2]: (式中のR1,R2,R3及びR4は炭素数1〜20のアルキル基を
表わす。) の化合物を化合物を塩化第二鉄と反応させ、反応終了後
水との共沸により、下記一般式[3]または[4]: の化合物を単離後の反応混合物中の塩化水素を留去し、
つづいて塩素を吹込むことを特徴とする塩化第二鉄の再
生方法。
(3)反応前の塩化第二鉄水溶液中の塩化第二鉄の濃度
が、10〜60%である前記第(1)項記載の方法。
(4)塩化第二鉄水溶液中の塩化第二鉄の使用量は、一
般式[1]の化合物の使用量が1モルの場合は2.0〜4.0
モルで、一般式[2]の化合物の使用量が1モルの場合
は4.0〜8.0モル用いる前記第(1)項記載の方法。
(5)一般式[1]または[2]の化合物の塩素化の反
応温度は、70℃〜90℃である前記第(1)項記載の方
法。
(6)一般式[1]の化合物が、3−メチル−2−ブタ
ノン、3−メチル−2−ペンタノン、3−メチル−2−
ヘキサノンである前記第(1)項記載の方法。
(7)一般式[2]の化合物が、2,4−ジメチル−3−
ブタノンである前記第(1)項記載の方法。
本発明の構成と効果につき以下に詳述する。
上述の第(1)項で用いる塩化第二鉄水溶液中の塩化
第二鉄の濃度は、限定されないが、通常10〜60重量%
で、好ましくは35〜50重量%(以下%は重量%をあらわ
す)である。塩化第二鉄の濃度が35%より低い場合は、
反応の容積効率が落ち、不利である。また、50%より高
い場合は、室温で塩化第二鉄の結晶が析出して取り扱い
にくい。
塩化第二鉄の使用量は、一般式[1]の化合物の使用
量が1モルの場合は2.0〜4.0モル用い、好ましくは2.5
〜3.0モルである。一方、一般式[2]の化合物の使用
量が1モルの場合は4.0〜8.0モル用い、好ましくは5.0
〜6.0モルである。
一般式[1]または[2]の化合物の塩素化の反応温
度は70〜90℃で、好ましくは80〜90℃である。反応時間
としては、3〜6時間である。塩素化反応は、式[5]
または[6]に示すように、理論的に、α位のメチン炭
素1個に対し2モルの塩化第二鉄が必要で、塩素化反応
により同時に塩酸を副生する。
反応終了後、反応混合物からの目的物[3]または
[4]の単離は、反応液に多量の水を投入して層分離さ
せて取り出す事も可能ではあるが、油層に塩化鉄が溶解
しており、水洗などの後処理が必要である。そこで、上
記の問題を鋭意研究した結果、目的物[3]または
[4]が、塩化水素−水の共沸温度より低い温度で水と
共沸する事を利用することにより、容易に単離出来るよ
うになった。
次に、反応釜に減少分と同等の水を追加し、該釜を加
熱する。そして、釜液中に塩素を吹込み、塩素化剤であ
る塩化第二鉄を再生する。この再生した釜液を用いて、
塩素化を行うと[5]式あるいは[6]式の反応が十分
に進行せず、反応率及び収率の低下をまねいた。そこ
で、この問題を検討した結果、目的物[3]または
[4]の単離後あるいは塩素による塩化第二鉄の再生後
に、塩素化反応の副生成物である塩酸を蒸留で取り除く
ことにより、一般式[5]または[6]の反応が十分に
進行し、高収率をあげられることを見いだした。
塩化第二鉄が再生されているかどうかの確認は、Fe
(II)とFe(III)を定量することによって行われる。
[実施例] 以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明するが本
発明はこれによって限定されるものでない。
実施例1 1(1)の4つ口フラスコ(以下釜という)に、43%
FeCl3水溶液1019.0g(2.7mol)と3−メチル−2−ブ
タノン77.4g(0.9mol)を入れ、85℃で3hr加熱撹拌して
塩素化し、反応終了後単蒸留により油層101.3gと水層30
0.6gを得た。油層のガスクロ分析より(ガスクロ分析条
件は、充填剤:PEG−20M,3m,温度80℃(10min hold)→2
00℃,8℃/min,検出器:FID)したところ、3−クロロ−
3−メチル−2−ブタノンのガスクロ純度=98.3(%)
であった。
単蒸留後、釜に水279.8g追加し、釜を70℃に加熱し
た。次に、釜液中に塩素を0.9mol吹込み、塩素化剤であ
る塩化第二鉄を再生した。再生率は、電位差滴定により
Fe(II)及びFe(III)を定量することにより求めた。
その結果、塩化第二鉄の再生率は99.6%であった。
再生後、3−メチル−2−ブタノンを77.4g仕込み同
様に繰り返し実験を行った。結果を表−1に示した。
1回目に収得した油層を、さらに蒸留したところ、ガ
スクロ純度GC(%)=99.9の3−クロロ−3−メチル−
2−ブタノンを96.2g得た。
実施例2 実施例1と同様に、3−メチル−2−ペンタノン90.2
(0.9mol)を仕込み、繰り返し実験を行った結果を、表
−2に示した。
実施例3 実施例1と同様に、3−メチル−2−ヘキサノン102.
8g(0.9mol)を仕込み、繰り返し実験を行った結果を、
表−3に示した。
実施例4 実施例1と同様に、43% FeCl3水溶液2038.0g(5.4m
ol)と2,4−ジメチル−3−ブタノン102.6g(0.9mol)
を仕込み、繰り返し実験を行った結果を表−4に示し
た。
比較例1 200(ml)フラスコに3−メチル−2−ブタノン86g
(1mol)と濃塩酸11gを入れ、−10℃に冷却しながら塩
素ガスを0.33(mol/hr)の流速で3hr吹き込んだ。吹き
込み後、反応液をガスクロで分析した。結果は、表−5
に示した。
[発明の効果] 本発明の効果は、塩素化剤として安価な塩化第二鉄を
用いることにより、ケトンのα位のメチン炭素のみを選
択的にクロル化し、水との共沸により高収率で容易に単
離することが出来たことである。単離されたα−クロロ
ケトンは、ガスクロ純度=97〜98%でこのままでも有機
合成の反応に用いられ、また、特に高純度を必要とする
医薬及び電子材料では、それを蒸留することにより精製
して使用出来る。更に、使用した塩素化剤を塩素により
再生してリサイクルすることにより鉄分使用のClosed−
Systemが可能になり、α−クロロケトン類を経済的に、
かつ、環境衛生的に製造する方法を提供することが出来
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 49/16 C07C 45/63 C07C 45/84 WPI/L(QUESTEL) CA(STN)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式[1]または[2]: (式中のR1,R2,R3及びR4は炭素数1〜20のアルキル基を
    表わす。) で示される化合物から 一般式[3]または[4]: で示される化合物を製造する方法において、一般式
    [1]または[2]の化合物を塩化第二鉄水溶液と反応
    させ、反応終了後水との共沸により一般式[3]または
    [4]の化合物を単離することを特徴とする高純度α−
    クロロケトン類の製造法。
  2. 【請求項2】一般式[1]または[2]: (式中のR1,R2,R3及びR4は炭素数1〜20のアルキル基を
    表わす。) の化合物を化合物を塩化第二鉄と反応させ、反応終了後
    水との共沸により、下記一般式[3]または[4]: の化合物を単離後の反応混合物中の塩化水素を留去し、
    つづいて塩素を吹込むことを特徴とする塩化第二鉄の再
    生方法。
  3. 【請求項3】反応前の塩化第二鉄水溶液中の塩化第二鉄
    の濃度が、10〜60%である特許請求の範囲第(1)項記
    載の方法。
  4. 【請求項4】塩化第二鉄水溶液中の塩化第二鉄の使用量
    は、一般式[1]の化合物の使用量が1モルの場合は2.
    0〜4.0モルで、一般式[2]の化合物の使用量が1モル
    の場合は4.0〜8.0モル用いる特許請求の範囲第(1)項
    記載の方法。
  5. 【請求項5】一般式[1]または[2]の化合物の塩素
    化の反応温度は、70℃〜90℃である特許請求の範囲第
    (1)項記載の方法。
  6. 【請求項6】一般式[1]の化合物が、3−メチル−2
    −ブタノン、3−メチル−2−ペンタノン、3−メチル
    −2−ヘキサノンである特許請求の範囲第(1)項記載
    の方法。
  7. 【請求項7】一般式[2]の化合物が、2,4−ジメチル
    −3−ブタノンである特許請求の範囲第(1)項記載の
    方法。
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