JPH07196573A - アセトフェノンの製造法 - Google Patents
アセトフェノンの製造法Info
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- JPH07196573A JPH07196573A JP30943193A JP30943193A JPH07196573A JP H07196573 A JPH07196573 A JP H07196573A JP 30943193 A JP30943193 A JP 30943193A JP 30943193 A JP30943193 A JP 30943193A JP H07196573 A JPH07196573 A JP H07196573A
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-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C45/00—Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds
- C07C45/27—Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by oxidation
- C07C45/32—Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by oxidation with molecular oxygen
- C07C45/33—Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by oxidation with molecular oxygen of CHx-moieties
- C07C45/34—Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by oxidation with molecular oxygen of CHx-moieties in unsaturated compounds
- C07C45/36—Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by oxidation with molecular oxygen of CHx-moieties in unsaturated compounds in compounds containing six-membered aromatic rings
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 有利な条件で大量に入手可能なエチルベンゼ
ンを出発物質として、有機酸媒体中で液相空気酸化し
て、工業的に高い収率でアセトフェノンを製造する。 【構成】 エチルベンゼンを、重金属触媒と少なくとも
1種類のハロゲン化オニウム助触媒の存在下、分子状酸
素含有ガスにより、有機酸媒体中で液相酸化することを
特徴とするアセトフェノンの製造法。
ンを出発物質として、有機酸媒体中で液相空気酸化し
て、工業的に高い収率でアセトフェノンを製造する。 【構成】 エチルベンゼンを、重金属触媒と少なくとも
1種類のハロゲン化オニウム助触媒の存在下、分子状酸
素含有ガスにより、有機酸媒体中で液相酸化することを
特徴とするアセトフェノンの製造法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬品、カチオン染料
用の中間体、及び香料、樹脂溶剤として有用な、アセト
フェノンの製造法に関する。アセトフェノン即ちメチル
フェニルケトンは、オレンジ花様の芳香を持つ無色液体
で、低温では無色板状晶となる。
用の中間体、及び香料、樹脂溶剤として有用な、アセト
フェノンの製造法に関する。アセトフェノン即ちメチル
フェニルケトンは、オレンジ花様の芳香を持つ無色液体
で、低温では無色板状晶となる。
【0002】
【従来技術】アセトフェノンの古典的製法は、ベンゼン
と無水酢酸とのフリーデル−クラフツ反応による。この
反応では、化学量論量のルイス酸、特に塩化アルミニウ
ムが消費され、反応終了後に多量の酸性廃水を生じると
いう環境上の大きな欠点があり、この方法による大量生
産を困難なものとしている。
と無水酢酸とのフリーデル−クラフツ反応による。この
反応では、化学量論量のルイス酸、特に塩化アルミニウ
ムが消費され、反応終了後に多量の酸性廃水を生じると
いう環境上の大きな欠点があり、この方法による大量生
産を困難なものとしている。
【0003】現在、アセトフェノンの多くは、クメン法
フェノール製造プロセスからの副成物として得られてい
る。クメン法の主たる生成物はフェノールとアセトンで
あるところ、不純物程度のα−メチルスチレンやアセト
フェノンも混入し、これを蒸留精製して製品としてい
る。しかしながら、クメン法に依存している限り、アセ
トフェノンの製造可能量がクメン法フェノール製造プロ
セスの製造条件や需給動向に大きく影響されるという欠
点がある。例えば、フェノール製法が他法に置き換われ
ば、アセトフェノンの供給に困難を来すことは自明であ
る。
フェノール製造プロセスからの副成物として得られてい
る。クメン法の主たる生成物はフェノールとアセトンで
あるところ、不純物程度のα−メチルスチレンやアセト
フェノンも混入し、これを蒸留精製して製品としてい
る。しかしながら、クメン法に依存している限り、アセ
トフェノンの製造可能量がクメン法フェノール製造プロ
セスの製造条件や需給動向に大きく影響されるという欠
点がある。例えば、フェノール製法が他法に置き換われ
ば、アセトフェノンの供給に困難を来すことは自明であ
る。
【0004】一方、ナフサ分解等により得られるC8 芳
香族留分は、エチルベンゼン、o-、m-及びp-キシレンの
4主成分から成り、石油化学分野で極めて大量に利用さ
れている。このうちo-及びp-キシレンはそれぞれ可塑剤
やポリエステル原料という用途があるが、m-キシレン及
びエチルベンゼンにはさしたる用途がなく、異性化工程
へ再循環されているのが実状である。してみればエチル
ベンゼンは常に過剰供給状態にあり、その用途開発が要
望されている。
香族留分は、エチルベンゼン、o-、m-及びp-キシレンの
4主成分から成り、石油化学分野で極めて大量に利用さ
れている。このうちo-及びp-キシレンはそれぞれ可塑剤
やポリエステル原料という用途があるが、m-キシレン及
びエチルベンゼンにはさしたる用途がなく、異性化工程
へ再循環されているのが実状である。してみればエチル
ベンゼンは常に過剰供給状態にあり、その用途開発が要
望されている。
【0005】エチルベンゼンを酢酸マンガン触媒の存在
で液相空気酸化すると、α−フェニルエチルアルコール
とアセトフェノンを生ずることは知られている[浅岡忠
知、応用触媒化学、p.107 (1967.2.10) 三共出版株式会
社]。アセトフェノンは、ここでは二次的産物として記
載されている。コバルト触媒と無機臭化物の組み合せに
よるエチルベンゼンの液相空気酸化もまた、知られてい
る[A.S.Hay and H.S.Blanchard, Can.J.Chem., 43,130
6 (1964); Y.Kamiya, Tetrahedron, 22,2029 (1969)
]。しかしながら、後者の方法でも目的とするアセト
フェノンの他、酸化不足のメチルフェニルカルビノー
ル、過剰酸化によるカルボン酸類、その他の複雑な化合
物が副成するのが通例である。エチルベンゼンを原料と
しての工業的に採用可能なアセトフェノンの製造法は、
未だに見いだされていないのが現状である。
で液相空気酸化すると、α−フェニルエチルアルコール
とアセトフェノンを生ずることは知られている[浅岡忠
知、応用触媒化学、p.107 (1967.2.10) 三共出版株式会
社]。アセトフェノンは、ここでは二次的産物として記
載されている。コバルト触媒と無機臭化物の組み合せに
よるエチルベンゼンの液相空気酸化もまた、知られてい
る[A.S.Hay and H.S.Blanchard, Can.J.Chem., 43,130
6 (1964); Y.Kamiya, Tetrahedron, 22,2029 (1969)
]。しかしながら、後者の方法でも目的とするアセト
フェノンの他、酸化不足のメチルフェニルカルビノー
ル、過剰酸化によるカルボン酸類、その他の複雑な化合
物が副成するのが通例である。エチルベンゼンを原料と
しての工業的に採用可能なアセトフェノンの製造法は、
未だに見いだされていないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の如き
状況に鑑みなされたものであって、医薬品、カチオン染
料用の中間体、香料、樹脂溶剤として有用な、アセトフ
ェノンを工業的に収率よく製造する方法を提供すること
を目的とする。
状況に鑑みなされたものであって、医薬品、カチオン染
料用の中間体、香料、樹脂溶剤として有用な、アセトフ
ェノンを工業的に収率よく製造する方法を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点の存在に鑑み、本化合物の工業的に有利な製造法を鋭
意検討し、エチルベンゼンを、重金属触媒と少なくとも
1種類のハロゲン化オニウム助触媒の存在下、分子状酸
素含有ガスにより、有機酸媒体中で液相酸化することを
特徴とするアセトフェノンの製造法を見い出し、本発明
を完成するに至った。
点の存在に鑑み、本化合物の工業的に有利な製造法を鋭
意検討し、エチルベンゼンを、重金属触媒と少なくとも
1種類のハロゲン化オニウム助触媒の存在下、分子状酸
素含有ガスにより、有機酸媒体中で液相酸化することを
特徴とするアセトフェノンの製造法を見い出し、本発明
を完成するに至った。
【0008】本発明の最も好ましい態様、即ち重金属触
媒とハロゲン化四級ピリジニウム塩、ハロゲン化四級ア
ンモニウム塩又は、ハロゲン化四級ホスホニウム塩等の
助触媒から選ばれる少なくとも1種類以上のハロゲン化
オニウム助触媒の存在下に、エチルベンゼンを分子状酸
素含有ガスにより有機酸媒体中で液相酸化すると、メチ
ルフェニルカルビノール及び安息香酸及びその他の複雑
な副生成物の副成が抑制される。本発明の方法による
と、エチルベンゼンが高い転化率で反応するだけでな
く、80%以上の高い選択率でアセトフェノンが得られ
る。さらにハロゲン化四級ピリジニウム塩、ハロゲン化
四級アンモニウム塩又は、ハロゲン化四級ホスホニウム
塩等から選ばれる少なくとも1種類以上のハロゲン化オ
ニウム助触媒を、比較的高濃度、例えば重金属触媒と等
モル程度以上の量で用いることによって、触媒の活性が
高められることがわかった。
媒とハロゲン化四級ピリジニウム塩、ハロゲン化四級ア
ンモニウム塩又は、ハロゲン化四級ホスホニウム塩等の
助触媒から選ばれる少なくとも1種類以上のハロゲン化
オニウム助触媒の存在下に、エチルベンゼンを分子状酸
素含有ガスにより有機酸媒体中で液相酸化すると、メチ
ルフェニルカルビノール及び安息香酸及びその他の複雑
な副生成物の副成が抑制される。本発明の方法による
と、エチルベンゼンが高い転化率で反応するだけでな
く、80%以上の高い選択率でアセトフェノンが得られ
る。さらにハロゲン化四級ピリジニウム塩、ハロゲン化
四級アンモニウム塩又は、ハロゲン化四級ホスホニウム
塩等から選ばれる少なくとも1種類以上のハロゲン化オ
ニウム助触媒を、比較的高濃度、例えば重金属触媒と等
モル程度以上の量で用いることによって、触媒の活性が
高められることがわかった。
【0009】本発明において使用される重金属触媒は、
第4週期の特定の遷移金属の塩である。有効な遷移金属
の例はマンガン、コバルト、ニッケル、クロム、銅およ
び鉄であり、マンガンおよびコバルトが好ましく、特に
コバルトが最も好ましい。使用媒体に溶解するこれらの
金属の塩が使用できるが、硫酸塩、硝酸塩等の無機塩並
びに酢酸塩、プロピオン酸塩等の有機酸塩が適当であ
り、酢酸塩が特に好ましい。
第4週期の特定の遷移金属の塩である。有効な遷移金属
の例はマンガン、コバルト、ニッケル、クロム、銅およ
び鉄であり、マンガンおよびコバルトが好ましく、特に
コバルトが最も好ましい。使用媒体に溶解するこれらの
金属の塩が使用できるが、硫酸塩、硝酸塩等の無機塩並
びに酢酸塩、プロピオン酸塩等の有機酸塩が適当であ
り、酢酸塩が特に好ましい。
【0010】反応液中の触媒の濃度は、 0.1mmol/l以
上であることが必要であり、これ以下では、酸化反応速
度が遅くなり、目的とするアセトフェノンの選択性も低
下する。好ましい範囲は、1mmol/l以上であり、5mm
ol/lから50mmol/lの範囲が特に好ましい。
上であることが必要であり、これ以下では、酸化反応速
度が遅くなり、目的とするアセトフェノンの選択性も低
下する。好ましい範囲は、1mmol/l以上であり、5mm
ol/lから50mmol/lの範囲が特に好ましい。
【0011】本発明において使用される好適なハロゲン
化オニウム助触媒としては、ハロゲン化四級ピリジニウ
ム塩、ハロゲン化四級アンモニウム塩及びハロゲン化四
級ホスホニウム塩があげられる。ハロゲン化四級ピリジ
ニウム塩としては、臭化水素化ピリジニウム塩、臭化水
素化4−ジメチルアミノピリジニウム塩、ジ−臭化水素
化4−ジメチルアミノピリジニウム塩等の臭化水素化ピ
リジニウム塩並びに対応する塩化物及び沃化物である。
ハロゲン化四級アンモニウム塩としては、臭化水素化ア
ンモニウム塩、臭化テトラブチルアンモニウム塩、臭化
ドデシルトリメチルアンモニウム塩等の臭化水素化アル
キルアンモニウム塩及び臭化テトラアルキルアンモニウ
ム塩並びに対応する塩化物及び沃化物である。ハロゲン
化四級ホスホニウム塩は、臭化テトラメチルホスホニウ
ム塩、臭化テトラブチルホスホニウム塩等の臭化テトラ
アルキルホスホニウム塩並びに対応する塩化物及び沃化
物である。
化オニウム助触媒としては、ハロゲン化四級ピリジニウ
ム塩、ハロゲン化四級アンモニウム塩及びハロゲン化四
級ホスホニウム塩があげられる。ハロゲン化四級ピリジ
ニウム塩としては、臭化水素化ピリジニウム塩、臭化水
素化4−ジメチルアミノピリジニウム塩、ジ−臭化水素
化4−ジメチルアミノピリジニウム塩等の臭化水素化ピ
リジニウム塩並びに対応する塩化物及び沃化物である。
ハロゲン化四級アンモニウム塩としては、臭化水素化ア
ンモニウム塩、臭化テトラブチルアンモニウム塩、臭化
ドデシルトリメチルアンモニウム塩等の臭化水素化アル
キルアンモニウム塩及び臭化テトラアルキルアンモニウ
ム塩並びに対応する塩化物及び沃化物である。ハロゲン
化四級ホスホニウム塩は、臭化テトラメチルホスホニウ
ム塩、臭化テトラブチルホスホニウム塩等の臭化テトラ
アルキルホスホニウム塩並びに対応する塩化物及び沃化
物である。
【0012】本発明において使用されるハロゲン化四級
ピリジニウム塩及び、ハロゲン化四級アンモニウム塩及
びハロゲン化四級ホスホニウム塩等のハロゲン化オニウ
ム助触媒は、重金属触媒と併用して用いられるが、その
使用量は、重金属触媒に対し1モル倍以上が好ましい。
1モル倍未満では、反応速度が低下する傾向があるので
好ましくない。また、本液相酸化反応において、反応速
度は助触媒濃度の1次反応であることから上限には制限
がないが、経済性をも考慮すると20モル倍以下が好まし
い。
ピリジニウム塩及び、ハロゲン化四級アンモニウム塩及
びハロゲン化四級ホスホニウム塩等のハロゲン化オニウ
ム助触媒は、重金属触媒と併用して用いられるが、その
使用量は、重金属触媒に対し1モル倍以上が好ましい。
1モル倍未満では、反応速度が低下する傾向があるので
好ましくない。また、本液相酸化反応において、反応速
度は助触媒濃度の1次反応であることから上限には制限
がないが、経済性をも考慮すると20モル倍以下が好まし
い。
【0013】ハロゲン化オニウム助触媒が液相空気酸化
に用いられた例としては、米国特許第4,192,952 号、欧
州特許出願公開300,921 号、ドイツ国特許第1,263,003
号等がある。しかしながら、これらはいずれも酸化を終
点まで効率よく進めることを主眼として添加されたもの
である。ハロゲン化オニウム助触媒が酸化中間段階であ
るアルデヒド形成の選択率を著しく向上する旨の、本願
発明の知見を示唆する先行技術は知られていない。
に用いられた例としては、米国特許第4,192,952 号、欧
州特許出願公開300,921 号、ドイツ国特許第1,263,003
号等がある。しかしながら、これらはいずれも酸化を終
点まで効率よく進めることを主眼として添加されたもの
である。ハロゲン化オニウム助触媒が酸化中間段階であ
るアルデヒド形成の選択率を著しく向上する旨の、本願
発明の知見を示唆する先行技術は知られていない。
【0014】本発明で使用する酸化剤は、分子状酸素含
有気体であり、一般には、空気の使用が好ましい。酸素
ガス又はこれと種々の不活性ガスとの混合物も用いられ
る。圧力は、高圧ほど反応速度が速くなるものの、設備
の制約からすると低圧が望ましい。実用的には、圧力は
1〜50kg/cm2 であることが必要であり、1〜20kg/cm
2 の範囲が特に好ましい。
有気体であり、一般には、空気の使用が好ましい。酸素
ガス又はこれと種々の不活性ガスとの混合物も用いられ
る。圧力は、高圧ほど反応速度が速くなるものの、設備
の制約からすると低圧が望ましい。実用的には、圧力は
1〜50kg/cm2 であることが必要であり、1〜20kg/cm
2 の範囲が特に好ましい。
【0015】反応温度を上げることによって一般に反応
速度は高くなるが、本発明においては重金属触媒とハロ
ゲン化オニウム助触媒との組合せが非常に高活性の触媒
系となるために、150℃以下の反応温度で充分高い生
産性が得られる。反応が100℃以上、130℃以下の
温度で実施されることが特に望ましい。この関係で、酢
酸媒体中で腐蝕性の臭素系助触媒を使用しながら、p-キ
シレンを高温でテレフタル酸に空気酸化する場合のよう
に金属チタン材質の使用を要せず、ステンレス鋼等のよ
り安価な材料の容器での反応が可能となる。
速度は高くなるが、本発明においては重金属触媒とハロ
ゲン化オニウム助触媒との組合せが非常に高活性の触媒
系となるために、150℃以下の反応温度で充分高い生
産性が得られる。反応が100℃以上、130℃以下の
温度で実施されることが特に望ましい。この関係で、酢
酸媒体中で腐蝕性の臭素系助触媒を使用しながら、p-キ
シレンを高温でテレフタル酸に空気酸化する場合のよう
に金属チタン材質の使用を要せず、ステンレス鋼等のよ
り安価な材料の容器での反応が可能となる。
【0016】本発明に用いる好ましい有機酸は、酢酸、
プロピオン酸又は安息香酸等の有機酸があげられる。特
に好ましいのは酢酸である。これらの有機酸は、1%未
満の水分を含んでいても弊害はない。但し1%以上の水
が含まれると反応系が不均一になり、反応速度が低下す
るので好ましくない。
プロピオン酸又は安息香酸等の有機酸があげられる。特
に好ましいのは酢酸である。これらの有機酸は、1%未
満の水分を含んでいても弊害はない。但し1%以上の水
が含まれると反応系が不均一になり、反応速度が低下す
るので好ましくない。
【0017】本反応の停止方法には、特に制限はない。
経時変化を反応液のガスクロマトグラフィーにより追跡
して適当な時点で反応を止め、反応液からアセトフェノ
ンを蒸留法又は抽出法、或いはそれらの組合せにより単
離できる。最も好ましくは、反応液中の大部分の有機酸
溶媒を除去し、濃縮された反応液に水を加える。この時
重金属触媒を水層に移行しやすくするために60℃以下の
熱を加えてもよい。その後、重金属触媒を含む水層を分
離する。この分離された重金属触媒は再利用できる。ま
た生成物であるアセトフェノンは水に溶解しにくいの
で、副生成物および未反応のエチルベンゼンとともに有
機層として分離できる。水層中に微量混入したアセトフ
ェノンは、トルエン等の有機溶媒を用いて抽出・回収す
ることもできる。抽出回収されたアセトフェノン、副生
物及び未反応のエチルベンゼンを含む有機層を精密蒸留
操作して、高純度のアセトフェノンが単離精製される。
経時変化を反応液のガスクロマトグラフィーにより追跡
して適当な時点で反応を止め、反応液からアセトフェノ
ンを蒸留法又は抽出法、或いはそれらの組合せにより単
離できる。最も好ましくは、反応液中の大部分の有機酸
溶媒を除去し、濃縮された反応液に水を加える。この時
重金属触媒を水層に移行しやすくするために60℃以下の
熱を加えてもよい。その後、重金属触媒を含む水層を分
離する。この分離された重金属触媒は再利用できる。ま
た生成物であるアセトフェノンは水に溶解しにくいの
で、副生成物および未反応のエチルベンゼンとともに有
機層として分離できる。水層中に微量混入したアセトフ
ェノンは、トルエン等の有機溶媒を用いて抽出・回収す
ることもできる。抽出回収されたアセトフェノン、副生
物及び未反応のエチルベンゼンを含む有機層を精密蒸留
操作して、高純度のアセトフェノンが単離精製される。
【0018】本発明は回分、連続のどちらの方法でも実
施できる。
施できる。
【0019】
【作用】本発明によれば、有利な条件で大量に入手可能
なエチルベンゼンを出発物質として、有機酸媒体中で液
相空気酸化して、工業的に高い収率でアセトフェノンを
製造することが可能となった。
なエチルベンゼンを出発物質として、有機酸媒体中で液
相空気酸化して、工業的に高い収率でアセトフェノンを
製造することが可能となった。
【0020】
【実施例】以下、実施例によって本発明を説明する。
【0021】実施例1 撹拌器、バッフル、ガス導入管、温度計、還流器及びそ
の上部にパージ管を備えた1.1 lのガラス製反応器に、
2.24g(9.0mmol) のCo(CH3 CO2 )2 ・4H2 O
(酢酸コバルト4水和物)及び2.90g(9.0mmol) の臭化
テトラブチルアンモニウム塩及び900ml の酢酸を仕込
む。
の上部にパージ管を備えた1.1 lのガラス製反応器に、
2.24g(9.0mmol) のCo(CH3 CO2 )2 ・4H2 O
(酢酸コバルト4水和物)及び2.90g(9.0mmol) の臭化
テトラブチルアンモニウム塩及び900ml の酢酸を仕込
む。
【0022】1200rpm で撹拌しながら反応器の下部より
空気を72l/hで導入する。反応液を 125℃の油浴を用
いて昇温し、反応液温度が 102℃になった時点でエチル
ベンゼン 106g(1.0mol)を加え4時間反応させた。
空気を72l/hで導入する。反応液を 125℃の油浴を用
いて昇温し、反応液温度が 102℃になった時点でエチル
ベンゼン 106g(1.0mol)を加え4時間反応させた。
【0023】30分、60分、1時間、2時間、3時間、4
時間の時点で、反応液をガスクロマトグラフィーにより
分析し、反応速度定数及び生成物の選択率を求めた。結
果を表1にまとめる。
時間の時点で、反応液をガスクロマトグラフィーにより
分析し、反応速度定数及び生成物の選択率を求めた。結
果を表1にまとめる。
【0024】実施例2 臭化テトラブチルアンモニウム塩の代りに、臭化テトラ
ホスホニウム塩3.59g(9.0 mmol)を加え、15l/hの
酸素ガスを空気の代りに用いる以外は実施例1と同様の
操作を行った。結果を表1にまとめる。
ホスホニウム塩3.59g(9.0 mmol)を加え、15l/hの
酸素ガスを空気の代りに用いる以外は実施例1と同様の
操作を行った。結果を表1にまとめる。
【0025】実施例3 臭化テトラブチルアンモニウム塩の代りに、臭化水素ピ
リジニウム塩1.44g(9.0mmol )を加える以外は、実施
例1と同様の操作を行った。結果を表1にまとめる。
リジニウム塩1.44g(9.0mmol )を加える以外は、実施
例1と同様の操作を行った。結果を表1にまとめる。
【0026】実施例4 臭化テトラブチルアンモニウム塩の代りに、臭化水素化
ピリジニウム塩2.88g(18.0mmol)を加える以外は、実
施例1と同様の操作を行った。結果を表1にまとめる。
ピリジニウム塩2.88g(18.0mmol)を加える以外は、実
施例1と同様の操作を行った。結果を表1にまとめる。
【0027】実施例5 臭化テトラブチルアンモニウム塩の代りに、臭化水素化
ピリジニウム塩4.32g(27mmol)を加える以外は、実施
例1と同様の操作を行った。結果を表1にまとめる。
ピリジニウム塩4.32g(27mmol)を加える以外は、実施
例1と同様の操作を行った。結果を表1にまとめる。
【0028】実施例6 臭化テトラブチルアンモニウム塩の代りに、臭化水素化
4−ジメチルアミノピリジニウム塩1.83g(9mmol)を
加える以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を
表1にまとめる。
4−ジメチルアミノピリジニウム塩1.83g(9mmol)を
加える以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を
表1にまとめる。
【0029】比較例1 臭化テトラブチルアンモニウム塩の代りに、臭化ナトリ
ウム0.93g(9mmol)を加え、15l/hの酸素ガスを空
気の代りに用いる以外は、実施例1と同様の操作を行っ
た。結果を表1にまとめる。
ウム0.93g(9mmol)を加え、15l/hの酸素ガスを空
気の代りに用いる以外は、実施例1と同様の操作を行っ
た。結果を表1にまとめる。
【0030】
【表1】
フロントページの続き (72)発明者 ハー・ダルクワヘール オランダ国、1031・セー・エム・アムステ ルダム、バドハアイスウエヒ・3
Claims (11)
- 【請求項1】 エチルベンゼンを、重金属触媒と少なく
とも1種類のハロゲン化オニウム助触媒の存在下、分子
状酸素含有ガスにより、有機酸媒体中で液相酸化するこ
とを特徴とするアセトフェノンの製造法。 - 【請求項2】 重金属触媒が、酢酸コバルト及び酢酸マ
ンガンの少なくとも1種類である請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 重金属触媒が、酢酸コバルトである請求
項2記載の方法。 - 【請求項4】 ハロゲン化オニウム助触媒が、ハロゲン
化四級ピリジニウム塩、ハロゲン化四級アンモニウム塩
及びハロゲン化四級ホスホニウム塩から選ばれる少なく
とも1種類である請求項1記載の方法。 - 【請求項5】 ハロゲン化オニウム助触媒が、ハロゲン
化四級ピリジニウム塩、ハロゲン化四級アンモニウム塩
又はハロゲン化四級ホスホニウム塩の臭化物である請求
項4記載の方法。 - 【請求項6】 ハロゲン化四級ピリジニウム塩が、臭化
水素化ピリジニウム塩である請求項5記載の方法。 - 【請求項7】 ハロゲン化オニウム助触媒を、重金属触
媒とほぼ等モル以上の量で用いる請求項1記載の方法。 - 【請求項8】 有機酸が酢酸である請求項1記載の方
法。 - 【請求項9】 反応が150℃以下の温度で実施される
請求項1記載の方法。 - 【請求項10】 反応が100℃以上、130℃以下の
温度で実施される請求項9記載の方法。 - 【請求項11】 反応がステンレス鋼製の装置内で実施
される請求項1記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30943193A JPH07196573A (ja) | 1993-12-09 | 1993-12-09 | アセトフェノンの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30943193A JPH07196573A (ja) | 1993-12-09 | 1993-12-09 | アセトフェノンの製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07196573A true JPH07196573A (ja) | 1995-08-01 |
Family
ID=17992928
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30943193A Pending JPH07196573A (ja) | 1993-12-09 | 1993-12-09 | アセトフェノンの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07196573A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0796835A1 (de) * | 1996-03-20 | 1997-09-24 | Rütgers Kureha Solvents GmbH | Verfahren zur Oxidation isoalkyl-aromatischer Kohlenwasserstoffe und Katalysator zur Durchführung des Verfahrens |
EP1053990A3 (en) * | 1999-05-14 | 2000-12-20 | Toray Industries, Inc. | A method of producing an aromatic ketone and an aromatic ketone composition containing it |
KR101540050B1 (ko) * | 2013-04-25 | 2015-07-28 | 롯데케미칼 주식회사 | 아세토페논의 제조 방법 |
CN106631729A (zh) * | 2013-04-25 | 2017-05-10 | 乐天化学株式会社 | 苯乙酮的合成方法 |
CN115073275A (zh) * | 2022-08-22 | 2022-09-20 | 天津深蓝化工技术有限公司 | 一种光引发剂1-羟基环己基苯基甲酮的制备方法 |
-
1993
- 1993-12-09 JP JP30943193A patent/JPH07196573A/ja active Pending
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---|---|---|---|---|
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