JPH0827054A - 芳香族化合物の臭素化方法 - Google Patents

芳香族化合物の臭素化方法

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JPH0827054A
JPH0827054A JP16937594A JP16937594A JPH0827054A JP H0827054 A JPH0827054 A JP H0827054A JP 16937594 A JP16937594 A JP 16937594A JP 16937594 A JP16937594 A JP 16937594A JP H0827054 A JPH0827054 A JP H0827054A
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JP
Japan
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reaction
bromine
aromatic compound
hydrogen peroxide
hydrogen bromide
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JP16937594A
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Shinichi Soga
真一 曽我
Hisao Eguchi
久雄 江口
Takaaki Kakinami
孝明 柿並
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Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 不活性な芳香族化合物の簡便な臭素化方法を
提供する。 【構成】 一般式(1)で表される芳香族化合物を有機
溶媒中、過酸化水素存在下、臭素又は臭化水素により臭
素化する方法。 【化1】 (式中、XはOH、又はNH2を表し、R1及びR2は
それぞれ独立してH、F、Cl、Br、NO2、CH
O、COOH、COOR(Rはアルキル基)、CN、又
はSO3Hを表す。但し、R1とR2は同時にHではな
い。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、反応性に乏しい不活性
な芳香族化合物の臭素化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般式(1)で表される芳香族化合物の
臭素化は、通常の芳香族化合物と同様、臭素化剤として
臭素を用いて行われる。
【0003】
【化2】
【0004】(式中、XはOH、又はNH2を表し、R
1及びR2はそれぞれ独立してH、F、Cl、Br、N
2、CHO、COOH、COOR(Rはアルキル
基)、CN、又はSO3Hを表す。但し、R1とR2は
同時にHではない。) しかしながらこの方法は、以下に示すような問題点を有
することから満足すべきものではなかった。
【0005】一般式(1)で表される化合物は反応性
に乏しい不活性な芳香族化合物であるため、反応に長時
間を要する。
【0006】用いられる臭素と等モル量の臭化水素が
副生するため、貴重な臭素源を失うとともに、廃液中に
含まれる臭化水素の処理に多大な労力とコストを要す
る。
【0007】このため、問題点を解決する手段とし
て、塩化アルミニウムや塩化鉄、鉄粉等のルイス酸を触
媒として用いる方法が知られている。しかしながらこの
方法では、反応終了後、添加したルイス酸触媒及びその
分解物を除去するため繁雑な操作を必要とし、かつ臭化
水素が副生するため、臭素化方法として満足できるもの
ではない。
【0008】また、問題点を解決する方法として、特
開昭52−62201号公報では、フェノール類を塩素
の存在下、臭素を用いて臭素化する方法が開示されてい
る。この方法では、系内で副生する臭化水素を塩素によ
り酸化し臭素とすることにより、臭化水素の副生を抑制
している。しかしながらこの方法では、原料の塩素化反
応を併発するため生成物の選択性が低下すること、取扱
いの困難な塩素を用いること、反応速度が著しく低下
し、反応に長時間を要することから、臭素化方法として
満足できるものではない。また廃液中には多量の塩酸が
含まれるためその処理には多大な労力とコストを必要と
する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の課題に
鑑みてなされたものであり、その目的は、反応性の乏し
い不活性な芳香族化合物を臭化水素の副生を抑制して簡
便に臭素化する方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、不活性な
芳香族化合物を臭素化する方法について鋭意検討を重ね
た結果、過酸化水素存在下で臭素化することにより、反
応速度が著しく向上すること、副生する臭化水素が過酸
化水素により臭素へ酸化されるため臭素源の損失が少な
いこと、更に反応終了後、水が副生するため廃液処理を
行う必要がほとんどないことを見出し、本発明を完成す
るに至った。
【0011】すなわち本発明は、一般式(1)で表され
る芳香族化合物を有機溶媒中、過酸化水素存在下、臭素
又は臭化水素により臭素化することを特徴とする芳香族
化合物の臭素化方法である。
【0012】
【化3】
【0013】(式中、XはOH、又はNH2を表し、R
1及びR2はそれぞれ独立してH、F、Cl、Br、N
2、CHO、COOH、COOR(Rはアルキル
基)、CN、又はSO3Hを表す。但し、R1とR2は
同時にHではない。) 以下、本発明について詳細に説明する。
【0014】本発明の方法において原料とは、一般式
(1)で表される芳香族化合物である。
【0015】
【化4】
【0016】(式中、XはOH、又はNH2を表し、R
1及びR2はそれぞれ独立してH、F、Cl、Br、N
2、CHO、COOH、COOR(Rはアルキル
基)、CN、又はSO3Hを表す。但し、R1とR2は
同時にHではない。) このうち、R1及びR2としてはそれぞれ独立してH、
Br、NO2、又はCOORが好ましく、Rとしては低
級アルキル基が好ましい。具体的には、o−ニトロフェ
ノール、p−ニトロアニリン、p−ブロモフェノール、
p−ヒドロキシ安息香酸メチル等が例示される。
【0017】本発明の方法において使用される有機溶媒
は、特に限定するものではないが、臭素又は臭化水素に
不活性な溶媒が好ましく、例えば、ジクロルメタン、ク
ロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系炭化水素溶媒が
挙げられる。
【0018】本発明の方法において、反応系中に水を加
えても良い。
【0019】本発明の方法は、臭素化剤として臭素又は
臭化水素が使用される。臭化水素は無水又は水溶液でよ
く、水溶液の濃度は特に限定するものではないが、入手
の容易さから45〜49%水溶液が好ましい。
【0020】臭素化剤の添加量は反応が十分進行する量
でよく、特に限定するものではないが、経済性のため、
臭素を用いた場合は反応原料のモル数より少量過剰、臭
化水素を用いた場合は、反応原料のモル数の2倍より少
量過剰添加するのが好ましい。
【0021】本発明の方法は、過酸化水素の存在下に行
われる。使用される過酸化水素は水溶液で用いるのが好
ましい。過酸化水素の濃度は特に限定するものではない
が、入手の容易さから28〜34%水溶液が好ましい。
【0022】過酸化水素の添加量は酸化反応が十分進行
する量でよく、特に限定するものではないが、経済性の
ため、臭素化剤と等量添加するのが好ましい。
【0023】本発明の反応温度は特に限定するものでは
ないが、高温で行う必要はなく、溶媒の沸点以下、0〜
30℃が好ましい。
【0024】上記の反応方法による臭素化によれば、酸
化剤として塩素を使用した場合よりも反応速度が著しく
向上し、副生する臭化水素が過酸化水素により臭素へ酸
化されるため臭素源の損失が少なく、更にこの反応系で
は反応終了後、水が副生するため廃液処理を行う必要は
ほとんどなく、非常に経済的に製品を得ることが可能に
なる。
【0025】
【実施例】以下に本発明の方法を実施例により具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるも
のではない。
【0026】実施例1 温度計、還流コンデンサー及び攪拌翼を有する3つ口フ
ラスコにo−ニトロフェノール(1.39g、10mm
ol)を仕込み、これにジクロロメタン10mlを加え
て溶解した。続いて47%臭化水素水(3.74g、2
2mmol)を加え、その後、液温を25℃に保持し、
30%過酸化水素水(2.49g、22mmol)を1
時間かけて滴下した。滴下終了後、25℃で1時間熟成
させた。反応終了後、反応液を分液し、有機相を水洗し
た。更に無水硫酸マグネシウムで乾燥した。処理した反
応液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、2,
4−ジブロモ−6−ニトロフェノールが93%の収率で
得られていることが判明した。反応条件及び反応結果を
表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】実施例2 温度計、還流コンデンサー及び攪拌翼を有する3つ口フ
ラスコにo−ニトロフェノール(1.39g、10mm
ol)を仕込み、これにジクロロメタン10mlと水5
mlを加えて溶解した。続いて、液温を25℃に保持し
臭素(1.75g、11mmol)と30%過酸化水素
水(1.25g、11mmol)を1時間かけて滴下し
た。滴下終了後、25℃で1時間熟成させた。
【0029】反応終了後、反応液を分液し、有機相を水
洗した。更に無水硫酸マグネシウムで乾燥した。処理し
た反応液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、
2,4−ジブロモ−6−ニトロフェノールが97%の収
率で得られていることが判明した。反応条件及び反応結
果を表1にあわせて示す。
【0030】実施例3〜5 実施例2に準じ、表1に示す条件下で反応を行った。反
応条件及び反応結果を表1にあわせて示す。
【0031】比較例1 温度計、還流コンデンサー及び攪拌翼を有する3つ口フ
ラスコにo−ニトロフェノール(1.39g、10mm
ol)を仕込み、これにジクロロメタン10mlを加え
て溶解した。続いて、液温を25℃に保持し臭素(3.
50g、22mmol)を1時間かけて滴下した。滴下
終了後、25℃で60時間熟成させた。反応終了後、反
応液を分液し、有機相を水洗した。更に無水硫酸マグネ
シウムで乾燥した。処理した反応液をガスクロマトグラ
フィーで分析したところ、4−ブロモ−2−ニトロフェ
ノールが45%の収率で得られていることが判明した。
反応条件及び反応結果を表1にあわせて示す。
【0032】比較例2、比較例3 比較例1に準じ、表1に示す条件下で反応を行った。反
応条件及び反応結果を表1にあわせて示す。
【0033】比較例4 温度計、還流コンデンサー及び攪拌翼を有する3つ口フ
ラスコにo−ニトロフェノール(1.39g、10mm
ol)を仕込み、これにジクロロメタン10mlを加え
て溶解した。続いて、液温を25℃に保持し臭素(1.
75g、11mmol)を1時間かけて滴下した。更に
同温度で塩素(8.63g、12mmol)を1時間か
けて吹き込んだ。吹き込み終了後、25℃で10時間熟
成させた。
【0034】反応終了後、反応液を分液し、有機相を水
洗した。更に無水硫酸マグネシウムで乾燥した。処理し
た反応液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、
2,4−ジブロモ−6−ニトロフェノールが76%の収
率で得られていることが判明した。反応条件及び反応結
果を表1にあわせて示す。
【0035】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば、従来の問題点を解決して、簡便な操作で不活性
な芳香族化合物の臭素化を容易に行うことができる。
【0036】すなわちこの反応方法による臭素化は、反
応速度が著しく向上し、副生する臭化水素が過酸化水素
により臭素へ酸化されるため臭素源の損失が少なく、更
にこの反応系では反応終了後、水が副生するため廃液処
理を行う必要はほとんどないため非常に経済的に製品を
得ることが可能であることから、工業的に極めて有用で
ある。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 205/26 7537−4H 209/74 211/52 8517−4H

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)で表される芳香族化合物を
    有機溶媒中、過酸化水素存在下、臭素又は臭化水素によ
    り臭素化することを特徴とする芳香族化合物の臭素化方
    法。 【化1】 (式中、XはOH、又はNH2を表し、R1及びR2は
    それぞれ独立してH、F、Cl、Br、NO2、CH
    O、COOH、COOR(Rはアルキル基)、CN、又
    はSO3Hを表す。但し、R1とR2は同時にHではな
    い。)
JP16937594A 1994-07-21 1994-07-21 芳香族化合物の臭素化方法 Pending JPH0827054A (ja)

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JP2021066723A (ja) * 2019-10-25 2021-04-30 南通泰禾化工股▲フン▼有限公司 m−ジアミド化合物の調製方法

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