JP4731062B2 - アルキル芳香族炭化水素の塩素化方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、ルイス酸触媒の存在下にアルキル芳香族炭化水素を塩素化し、特に限定するものではないが、2,6-ジクロロアルキル芳香族炭化水素を工業的に有利に製造する上で好適なジ核塩素化異性体混合物を製造することができるアルキル芳香族炭化水素の塩素化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルキル芳香族炭化水素、例えばトルエンを塩素化して得られるジクロロトルエン(DCT)は、従来よりその多くのものが医薬、農薬、ポリマ原料等、各種有機合成化学物質の原料として用いられている。なかでも、2,6-ジクロロトルエン(2,6-DCT)は特に重要な化合物であり、この2,6-DCTを製造するための多くの方法が提案されている。
【0003】
例えば、2-アミノ-6-クロロトルエンのアミノ基をサンドマイヤー法で塩素原子に置換する方法、p-トルエンスルホン酸の核塩素化による方法(特公昭40-12,615号、特公昭40-17,372号等の各公報)、トルエンとイソブテンとを反応させて得られた3,5-ジ-t-ブチルトルエンの核塩素化による方法(特公昭47-26,495号、特開昭60-152,429号、特開昭62-5,930号、特開平4-91,045号、特開平4-352,735号等の各公報)等の方法が古くから提案されている。
【0004】
しかしながら、これらの方法はそのいずれも、原料それ自体の製造工程も含めて、目的の2,6-DCTを得るのに反応工程が長くてトータル収率が低下するほか、高価な塩化銅(CuCl)触媒を多量に必要とする、工業的に実施するには不利な脱スルホン化反応や接触脱アルキル化反応を行う必要がある等の問題もあり、工業的には採用し難い方法である。
【0005】
このため、工業的には、トルエンをルイス酸触媒の存在下に核塩素化し、2,6-DCTを多く含むDCT異性体混合物を得て、吸着分離等で2,6-DCTを製造する方法が重要である。
【0006】
しかしながら、ルイス酸触媒の存在下にトルエンを核塩素化してDCT異性体混合物を製造する方法については、具体的には特開昭51-143,627号公報の実施例1(比較実施例)に記載されているが、この方法においては、ルイス酸触媒として塩化アンチモン(SbCl3)を使用し、DCT異性体混合物(2,4-DCT:25.2wt%、2,5-DCT:22.5wt%、2,6-DCT:15.4wt%、2,3-DCT:7.7wt%、及び3,4-DCT:4.5wt%)を得たことが記載されており、2,6-DCT生成割合(2,6-DCT/全DCT)は得られたDCT異性体混合物中の高々20.5%にすぎない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者らは、アルキル芳香族炭化水素の塩素化反応において、得られるジ核塩素化異性体混合物中の2,6-置換体の生成割合を増加させることについて鋭意検討した結果、この塩素化反応の際に、塩化第二錫(SnCl4)及び四塩化チタン(TiCl4)から選ばれた1種又は2種のルイス酸触媒を用いて第一段塩素化反応を行い、引き続いて塩化アルミニウム(AlCl3)、塩化ガリウム(GaCl3)、塩化第二鉄(FeCl3)、塩化アンチモン(SbCl5)、及び塩化ジルコニウム(ZrCl4)から選ばれた1種又は2種以上のルイス酸触媒を用いて第二段塩素化反応を行うことにより、従前に比べて格段に向上し、2,6-置換体を工業的に有利に製造することができることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
従って、本発明の目的は、トルエン等のアルキル芳香族炭化水素をルイス酸触媒の存在下に塩素化してジ核塩素化アルキル芳香族炭化水素を製造する際に、得られるジ核塩素化異性体混合物中の2,6-置換体の生成割合を増加させることができ、2,6-置換体を工業的に有利に製造することができるアルキル芳香族炭化水素の塩素化方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、アルキル芳香族炭化水素をルイス酸触媒の存在下に塩素化してジ核塩素化アルキル芳香族炭化水素を製造する方法であり、塩化第二錫(SnCl4)及び四塩化チタン(TiCl4)から選ばれた1種又は2種のルイス酸触媒を用いて第一段塩素化反応を行い、引き続いて塩化アルミニウム(AlCl3)、塩化ガリウム(GaCl3)、塩化第二鉄(FeCl3)、塩化アンチモン(SbCl5)、及び塩化ジルコニウム(ZrCl4)から選ばれた1種又は2種以上のルイス酸触媒を用いて第二段塩素化反応を行うことを特徴とするアルキル芳香族炭化水素の塩素化方法である。
【0010】
本発明方法において、塩素化反応の対象となるアルキル芳香族炭化水素としては、トルエン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、ブチルベンゼン等を例示することができ、特に好ましくは、トルエンである。
本発明の塩素化反応において、使用される塩素化剤は、単体の塩素、スルフリルクロライド、t-ブチルハイポクロライド等種々用いることができるが、通常は単体の塩素を使用する。その際、塩素はそのまま加えても窒素ガスのような不活性ガスに希釈して加えてもよい。
【0011】
そして、本発明方法においては、これらのアルキル芳香族炭化水素をルイス酸触媒の存在下に塩素化する際に、互いに異なる特定のルイス酸触媒を2段階に分けて反応系に添加し、塩素化反応を行う。
すなわち、第一段塩素化反応においては、塩化第二錫(SnCl4)及び四塩化チタン(TiCl4)から選ばれた1種又は2種のルイス酸触媒、好ましくは塩化第二錫(SnCl4)を反応系に添加して塩素化反応を行い、引き続いて第二段塩素化反応においては、第一段塩素化反応で用いたルイス酸触媒を分離除去することなく、塩化アルミニウム(AlCl3)、塩化ガリウム(GaCl3)、塩化第二鉄(FeCl3)、及び塩化アンチモン(SbCl5)から選ばれた1種又は2種以上のルイス酸触媒、好ましくは塩化アルミニウム(AlCl3)を反応系に添加して塩素化反応を行う。
【0012】
また、上記の第二段塩素化反応において用いる塩化アルミニウムは、固体状態ではなく、塩化アルミニウムとアルキル芳香族炭化水素と塩化水素とを混合して得られる液状触媒として用いてもよい。この液状触媒を調製するために使用するアルキル芳香族炭化水素としては、それが液体であって塩化アルミニウムと塩化水素との錯体に対して溶解性を有するものであればよく、特に制限されるものではないが、好ましくは塩素化反応の反応原料である一般式(I)に示したアルキル芳香族炭化水素であるのがよい。このように、塩素化反応の反応原料であるアルキル芳香族炭化水素と液状触媒調製用のアルキル芳香族炭化水素とが同じものであれば、液状触媒由来のアルキル芳香族炭化水素あるいはそのジ核塩素化物が塩素化反応の生成物であるジ核塩素化アルキル芳香族炭化水素の不純物となることがなく、塩素化反応終了後の分離精製が容易になる。
また、液状触媒を調製するために用いる塩化水素については、塩素化反応で発生する副生塩化水素の一部を利用することもできる。
【0013】
上記液状触媒は、塩化アルミニウムとアルキル芳香族炭化水素と塩化水素とを混合することで生成するため、特に調製する方法に制限はないが、通常は、アルキル芳香族炭化水素に塩化アルミニウムを加えて得られた懸濁液に塩化水素を吹き込むことによって調製する。
この液状触媒を調製する際における塩化アルミニウム、アルキル芳香族炭化水素及び塩化水素の使用量は、それぞれを混合して全体が液状となる量であれば特に制限はないが、アルキル芳香族炭化水素1モルに対して、塩化アルミニウムが0.014〜0.5モル、好ましくは0.1〜0.4モルであり、また、塩化水素が0.1〜10モル、好ましくは0.15〜1モルであるのがよい。
【0014】
ただし、第一段塩素化反応後、第一段塩素化反応で用いたルイス酸触媒は、分離除去する必要はなく、工程数削減のためには、第一段塩素化反応で用いたルイス酸触媒の分離除去は行わないことが望ましいが、分離除去を行っても何ら不都合が生じることはない。
【0015】
本発明方法において、上記第一段塩素化反応と第二段塩素化反応における反応条件については、使用するルイス酸触媒の種類が異なる以外に、基本的には差異がなく、これら第一段塩素化反応と第二段塩素化反応とを同じ反応条件で行ってもよく、必要により触媒濃度、反応温度等について異なる条件を採用してもよい。
【0016】
本発明の上記第一段及び/又は第二段の塩素化反応において、使用するルイス酸触媒の使用量は、使用するルイス酸触媒の種類や、塩素化反応が第一段であるか第二段であるか等により異なるが、反応系でのルイス酸触媒の触媒濃度が通常0.01重量%以上5重量%以下、好ましくは0.1重量%以上3重量%以下であるのがよく、この使用量が0.01重量%より少ないと原料中水分の影響を受けやすくなり、これを避けるための原料脱水設備費用がかかるばかりでなく、反応工程に続く触媒処理工程への負荷がかかるという問題が生じる。
【0017】
また、第二段塩素化反応と第一段塩素化反応で使用する触媒の比率も重要であり、重量比で0.02以上、好ましくは0.1以上がよい。この比率が0.02よりも小さいと、第二段塩素化反応においても第一段塩素化反応で使用した触媒の影響が現れ、目的の2,6-置換体の収率が低下する。
【0018】
反応圧力は、常圧、加圧、減圧のいずれの条件でもかまわないが、通常は常圧で行う。また、反応は、溶媒を用いずに行っても、また、塩素化反応に不活性な溶媒を用いて行ってもよい。塩素化反応に不活性な溶媒としては、具体的には、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、テトラクロロエタン等が挙げられる。
【0019】
更に、第一段及び/又は第二段の塩素化反応における反応温度については、通常0℃以上150℃以下、好ましくは0℃以上50℃以下であり、この反応温度が0℃より低くなると反応器冷却のための冷凍設備費用がかかるというという問題が生じ、また、150℃より高くなると2,6-置換体の著しい収率低下及び反応器の複雑化のために設備費用がかかるという問題が生じる。
【0020】
そして、反応方式についても、特に制限はなく、例えば回分式、アルキル芳香族炭化水素を回分で仕込み、塩素ガスを連続で吹き込む半回分式、あるいは連続式が挙げられる。反応器については、回分式、半回分式では1槽でよい。連続式では2槽以上の反応器を直列に接続し、2槽目以降の適当な組成の反応器へ第二段塩素化反応用のルイス酸触媒を加えればよい。
【0021】
更に、反応系へのルイス酸触媒の添加タイミングについては、第一段塩素化反応の場合には当該反応の開始当初であり、また、第二段塩素化反応の場合には、第一段塩素化反応における反応系の塩素化度DClが0<DCl≦1.15の時点、好ましくは0.6≦DCl≦1.0の時点であるのがよい。塩素化度DCl=0の時点は第一段塩素化反応のルイス酸触媒と第二段塩素化反応のルイス酸触媒とを同時に添加することになり、ルイス酸触媒を2段階で添加する意義が失われ、また、塩素化度DCl>1.15の時点になると、第二段塩素化反応における主たる反応物であるモノ塩素化アルキル芳香族化合物が減少し、第二段塩素化反応用のルイス酸触媒の効果が希薄となって目的とする2,6-置換体の生成割合が低下する。
【0022】
そして、第一段塩素化反応から第二段塩素化反応への切り替えは、具体的には、第一段塩素化反応の塩素化度DClをガスクロマトグラフィーによる分析や、原料使用量の把握等の手段で監視し、この第一段塩素化反応の塩素化度DClが所定の値に到達した時点で第二段塩素化反応用のルイス酸触媒を添加し、引き続いてこの第二段塩素化反応の塩素化度が1.2〜2.0程度、好ましくは1.3〜1.8程度になるまで、第二段核塩素化反応を継続することにより行われる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明方法の好適な実施の形態を具体的に説明する。
【0024】
実施例1〜5及び比較例1〜10
攪拌機、温度計、ガス吹込管、還流冷却管を備えた300ml容積の4つ口フラスコに、トルエン184g(2.0モル)と表1に示す第一段塩素化反応用のルイス酸触媒を表1に示す触媒濃度で仕込み、反応温度50℃で1.58g/分(0.022モル/分)の速度で塩素を吹き込みながら第一段塩素化反応を行い、この第一段塩素化反応の塩素化度DClが表1に示す値になったときに第二段塩素化反応用のルイス酸触媒を表1に示す触媒濃度で添加し、引き続き反応温度50℃で1.58g/分(0.022モル/分)の速度で塩素を吹き込みながら第二段塩素化反応を行った。なお、1種類のルイス酸触媒を用いた比較例1〜9については、反応開始時にルイス酸触媒の全量を仕込んだ。
【0025】
反応終了後、得られた反応混合物をガスクロマトグラフィーで分析し、DCTの異性体比を求めた。結果を表1に示す。
この表1に示す結果から明らかなように、第一段塩素化反応のルイス酸触媒として塩化第二錫(SnCl4)又は四塩化チタン(TiCl4)を用い、また、第二段塩素化反応のルイス酸触媒として塩化アルミニウム(AlCl3)、塩化ガリウム(GaCl3)、塩化第二鉄(FeCl3)、又は塩化アンチモン(SbCl5)を用いた実施例1〜5の場合は、単独のルイス酸触媒を用いた比較例1〜9の場合や、第一段塩素化反応のルイス酸触媒として塩化第二錫(SnCl4)及び四塩化チタン(TiCl4)以外の塩化ニオブ(NbCl5)を用いた比較例10の場合に比べて、2,6-DCTの生成割合が顕著に高くなっている。
【0026】
【表1】
【0027】
実施例6〜9及び比較例11〜15
第一段塩素化反応用のルイス酸触媒として塩化第二錫(SnCl4)を用い、第二段塩素化反応用のルイス酸触媒として塩化アルミニウム(AlCl3)を用い、表2に示す触媒濃度及び第二段触媒添加時塩素化度DClで反応を行った以外は、上記実施例1〜5の場合と同様に塩素化反応を行い、得られた反応混合物をガスクロマトグラフィーで分析し、DCTの異性体比を求めた。結果を表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】
この表2に示す結果から、第二段触媒添加時塩素化度DClの値が0.00(即ち、第一段塩素化反応用ルイス酸触媒の塩化第二錫(SnCl4)と第二段塩素化反応用ルイス酸触媒の塩化アルミニウム(AlCl3)とを反応当初に同時に添加した場合)の比較例11では、比較例4に示した塩化アルミニウムのみでの結果と実質的に変わりはなく、第二段触媒添加時塩素化度DClの値が1.19以上の比較例12及び13の場合には、2,6-DCTの生成割合が低下することが判明した。
【0030】
また、比較例14では、第一段塩素化反応の後、塩化第二錫(SnCl4)を通常の方法で水洗除去後に第二段塩素化反応を行ったが、実施例8とほぼ同様の組成であった。このような結果が得られたのは、本発明で特定した第一段及び第二段の塩素化反応で用いるルイス酸触媒の組合せにおいて、第二段塩素化反応用のルイス酸触媒の触媒活性が第一段塩素化反応用のルイス酸触媒の触媒活性に比べて遥かに高いためである。従って、触媒の後処理は、2段階の反応であるにもかかわらず、第一段塩素化反応終了時には不要であり、第二段塩素化反応終了後に行うだけでよい。但し、実施例8、9と、第二段塩素化反応のルイス酸触媒濃度と第一段塩素化反応のルイス酸触媒濃度との重量比を0.01とした比較例15との比較から、このルイス酸触媒濃度の重量比を極端に減少させると、2種類のルイス酸触媒を用いる効果が十分に発揮されないことも判明した。
【0031】
実施例10
〔液状触媒の調製〕
攪拌機、ガス吹込管、還流冷却管を備えた300ml容積の4つ口フラスコに、トルエン200.9g(2.18モル)を仕込み、室温下に攪拌しながら塩化水素ガスを30分間吹き込んだ後、塩化アルミニウム89.42g(0.671モル:和光純薬特級)を一度に投入した(この際、急激な温度変化は観測されなかった)。その後、更に室温下に攪拌しながら塩化水素ガスを90分間吹き込むことで、トルエン層が消失し、均一な液状触媒(液状AlCl3;重量:303.5g、密度:1.05g/cm3(22℃))を得た。尚、液状触媒を得るまでに導入された塩化水素の量は13.18g(0.361モル)であり、また、得られた液状触媒のトルエン/塩化アルミニウム/塩化水素のモル比は6:2:1であった。
【0032】
〔トルエンの塩素化反応〕
上記実施例4の塩素化反応で、第二段塩素化反応の際に用いた塩化アルミニウムに代えて、先に調製した液状触媒3.18g(塩化アルミニウム0.94g相当:原料トルエンに対して0.5重量%)を添加し、第二段塩素化反応を1.5時間行った以外は、実施例4の場合と同様に塩素化反応を行った。
得られた反応混合物の組成をガスクロマトグラフィー(本体:島津製作所GC-1700、カラム:J&W DB-210)により調べた結果、トルエンの転化率が100.0%、クロルトルエンの生成率が33.7%、ジクロルトルエンの生成率が56.2%であった。また、得られた反応混合物をガスクロマトグラフィーで分析し、DCTの異性体比を求めると、2,6−体が25.3%、2,4−体が31.1%、2,5−体が25.9%、2,3−体が11.6%、及び3,4−体が6.0%であった。尚、この際の塩素反応率は99.4%であった。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、トルエン等のアルキル芳香族炭化水素をルイス酸触媒の存在下に塩素化してジ核塩素化アルキル芳香族炭化水素を製造する際に、得られるジ核塩素化異性体混合物中の2,6-置換体の生成割合を顕著に増加せしめることができ、医薬、農薬、ポリマ原料等の各種有機化学物質の原料として特に重要な2,6-置換体を工業的に有利に製造することができる。
Claims (9)
- アルキル芳香族炭化水素がトルエンである請求項1に記載のアルキル芳香族炭化水素の塩素化方法。
- 第一段塩素化反応で用いるルイス酸触媒が塩化第二錫(SnCl4)であり、また、第二段塩素化反応で用いるルイス酸触媒が塩化アルミニウム(AlCl3)である請求項1又は2に記載のアルキル芳香族炭化水素の塩素化方法。
- 第二塩素化反応で用いるルイス酸触媒が塩化アルミニウム(AlCl3)とアルキル芳香族炭化水素と塩化水素とを混合して得られる液状触媒である請求項1〜3のいずれかに記載のアルキル芳香族炭化水素の塩素化方法。
- 液状触媒を得るためのアルキル芳香族炭化水素が一般式(I)で示されるアルキル芳香族炭化水素である請求項1〜4のいずれかに記載のアルキル芳香族炭化水素の塩素化方法。
- 第一段塩素化反応及び/又は第二段塩素化反応で用いるルイス酸触媒の触媒濃度がそれぞれ0.01〜5重量%の範囲内である請求項1〜5のいずれかに記載のアルキル芳香族炭化水素の塩素化方法。
- 第二段塩素化反応で用いるルイス酸触媒濃度と第一段塩素化反応で用いるルイス酸触媒濃度との重量比が0.02以上である請求項1〜6のいずれかに記載のアルキル芳香族炭化水素の塩素化方法。
- 第一段塩素化反応及び/又は第二段塩素化反応での反応温度が0〜150℃の範囲内である請求項1〜7のいずれかに記載のアルキル芳香族炭化水素の塩素化方法。
- 第二段塩素化反応に用いるルイス酸触媒は、第一段塩素化反応における反応系の塩素化度DClが0<DCl≦1.15の時点で添加される請求項1〜8のいずれかに記載のアルキル芳香族炭化水素の塩素化方法。
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