JP3161723B2 - クロロスルホニルイソシアナートの製造方法 - Google Patents

クロロスルホニルイソシアナートの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、クロロスルホニルイソシアナートの製造方
法に関するものである。詳しく述べると、高純度のクロ
ロスルホニルイソシアナートを高収率で製造する方法に
関するものである。
〔技術の背景〕
クロロスルホニルイソシアナートは、N−カルボニル
スルファモイルクロライドとも称され、化学式O=C=
NSO2Clで示され、医薬、農薬、甘味剤等を製造するため
の中間原料や、合成繊維、合成樹脂等の改質剤として有
用な化合物である。
クロロスルホニルイソシアナートは、無水硫酸と塩化
シアンとの反応により得られることは知られている〔オ
ーガニック・シンセシス・コレクティブ(Org.Synth.Co
ll.)第5巻第226〜231頁、アンゲヴァンテ・ヘミー・
インターナショナル・エディション(Angew.Chem.Inter
nat.Edit.)第7巻第3号第172〜173頁(1968年)、ヘ
ミッシェ・ベリヒテ(Chem.Ber.)第89巻第1071〜1079
頁(1956年)、西独特許第928,896号(1955年)および
英国特許第774,276号(1957年)〕。
しかしながら、これらの文献のうち前二者に記載され
ている方法は、液体塩化シアン中へ−5℃以下の低温条
件下に無水硫酸を添加することによりクロロスルホニル
イソシアナートを製造する方法であり、無水硫酸に対し
て1.5〜3倍モルの多量の液体塩化シアンを使用しなけ
ればならないので、経済的にかつ安全上も工業的生産に
適さず、しかも単離収率も60〜62%程度と低く、また得
られる製品も品質が不充分である。
一方、後三者に記載されている方法は、無水硫酸と塩
化シアンとを100℃以上、例えば100〜200℃の温度条件
下に混合することにより行なわれているが、この方法で
は両者の流量の制御が困難でかつ反応条件によって副生
成物が多く、このため製品の品質が不充分であった。
また高純度のクロロスルホニルイソシアナートを得る
方法としては、無水硫酸と塩化シアンとの反応により得
られる粗製クロロスルホニルイソシアナートをベンゾニ
トリルまたはその誘導体で処理することにより精製する
方法が知られている(米国特許第3,375,088号)。しか
しながら、このような方法では、無水硫酸と塩化シアン
との反応による反応工程と、粗製クロロスルホニルイソ
シアナートを精製する工程とを別々に設ける必要があり
さらにベンゾニトリル等の処理剤の回収精製工程も必要
であるので、工程が複雑であり、設備費が高価となり、
さらに操作工程に時間がかかり、かつ煩雑であり、工業
的な製法としては満足できるものではなかった。
また、一方、本発明者等はこれらの問題を解決する方
法として塩化シアンと無水硫酸とを反応させてクロロス
ルホニルイソシアナートを製造する方法において、無水
硫酸中へ塩化シアンを添加し反応系の温度を20〜50℃に
保つ方法(特開昭63−77855号公報)、塩化シアンと無
水硫酸を連続的に反応系に供給し反応系の温度を10〜50
℃に保つ方法(特開平1−228955号公報)を提案してい
る。しかしながら、これらの方法では高純度のクロロス
ルホニルイソシアナートが高収率で得られるが、塩化シ
アンと無水硫酸との発熱反応を適切な温度範囲にコント
ロールして冷却する操作が必要であり、冷却設備費が高
価となるため、工業的な製法としては十分満足できるも
のではなかった。
〔発明が解決しようとする課題〕
したがって、本発明の目的は、クロロスルホニルイソ
シアナートの新規な製造方法により、無水硫酸と塩化シ
アンとの反応により高純度のクロロスルホニルイソシア
ナートを高収率で経済的に製造する方法を提供するもの
である。
〔課題を解決するための手段〕
これらの諸目的は、無水硫酸と塩化シアンとを反応さ
せてクロロスルホニルイソシアナートを製造する方法に
おいて、炭素数1〜3の塩素系飽和炭化水素を反応溶媒
として用い、かつ反応系の温度を10〜50℃に保つことを
特徴とするクロロスルホニルイソシアナートの製造方法
により達成される。
以下、本発明方法をさらに詳細に説明する。
本発明において使用される無水硫酸は、液状のもので
あればいずれも使用できるが、特にγ型が望ましい。ま
た無水硫酸の重合防止のために、少量、例えば0.0001〜
5重量%、好ましくは0.001〜1重量%の安定剤を添加
してあるものであってもさしつかえない。安定剤として
は、有機ケイ素、四塩化炭素、ジメチル硫酸、ホウ素化
合物、リン化合物、芳香族炭化水素、芳香族スルホン酸
等がある。
本発明方法において使用される塩化シアンは、気体お
よび液体のいずれでもよいが、気体状態で使用すること
がより望ましい。塩化シアンは、青酸と塩素とから工業
的に製造され得るもので、通常96〜99重量%の純度を有
しているが、95重量%以上の純度のものであってもさし
つかえない。
本発明において最も特徴とするところは、炭素数1〜
3の塩素系飽和炭化水素を溶媒として用い、かつ反応系
の温度を10〜50℃に保って無水硫酸と塩化シアンとを反
応させる点にある。
本発明において使用しうる溶媒は炭素数1〜3の塩素
系飽和炭化水素であり、例えば塩化メチレン、1,2−ジ
クロルエタン、ジ塩化エチリデン、ジ塩化プロピレン、
1,1,2−トリクロルエタン、1,2,3−トリクロルプロパ
ン、1,1,2,2−テトラクロルエタン、1,1,2,2−テトラク
ロルエチレン等が好ましく用いられ、1,2−ジクロルエ
タンが特に好ましい。これらの溶媒は混合して使用する
ことができる。溶媒の使用量は、通常反応に用いる無水
硫酸1重量部に対して3〜20重量部、より好ましくは5
〜10重量部である。
無水硫酸と塩化シアンとの反応は、例えば無水硫酸を
あらかじめ反応溶媒に溶解させた後、これに塩化シアン
を気体状態または液体状態で添加して行わせるか、ある
いは反応溶媒を反応器に入れ、これに塩化シアンおよび
無水硫酸を気体状態または液体状態で添加しながら行わ
せることができる。この際、反応系の温度は10〜50℃、
好ましくは15〜35℃であり、この温度に保って反応を行
なわせる必要がある。すなわち、10℃未満または50℃を
越え上記温度範囲外となると、クロロピロスルホニルイ
ソシアナート、2,6−ジクロロ−1,4,3,5−オキサチアジ
アジン−4,4−ジオキシド等の副生成物の形成が多くな
り、収率および純度ともに低下し好ましくない。
本発明における塩化シアンの全使用量は、無水硫酸の
全使用量に対して0.8〜1.3モル倍、好ましくは0.9〜1.1
モル倍である。すなわち、0.8モル倍未満または1.3モル
倍を越えると副生成物の形成が多くなり、収率および純
度がともに低下する。
前記のごとき方法で製造されたクロロスルホニルイソ
シアナートは、蒸留により精製される。精製は反応系の
反応液を連続的に抜き出すか、回分式に全量をとり出し
て、常圧下または減圧下に通常の蒸留塔を用いて蒸留す
ることにより行なうことができる。
〔実施例〕 以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明す
る。
実施例1 容量1の四つ口フラスコに滴下ロート、攪拌器、温
度計、還流管およびフラスコの底部にほぼとどく長さの
ガラス管(内径6mm)のガス導入管をとりつけた。この
四つ口フラスコ内に塩化メチレン450gを入れた後、攪拌
下に、塩化シアンと無水硫酸の供給を同時に開始した。
塩化シアンガス(61.5g相当)および、γ型の液体無水
硫酸(商品名 日曹サルファン)81.1gを4時間かけて
導入した。その間、反応系内の温度が25〜35℃になるよ
うに、外部浴を用いて調整した。その後25〜30℃で1時
間攪拌した。反応終了後、四つ口フラスコの還流管およ
びガス導入管部をはずし、充てん物(Glass helices)
のはいった内径1.5cm、高さ17cmの蒸留塔をとりつけ、
常圧で蒸留し、沸点106〜107℃/760mmHgの留分として12
9gのクロロスルホニルイソシアナート(純度98%)を得
た。使用した塩化シアンからの収率は89%であった。
実施例2 実施例1で用いた装置に、γ型の液体無水硫酸80.1g
を入れ、さらに1,2−ジクロルエタン415gを加え、攪拌
下に、塩化シアン61.5gを2時間かけて添加した。その
間、反応系内の温度を20〜25℃に保った。反応後、実施
例1と同じ蒸留塔をとりつけ、反応混合物を常圧蒸留
し、沸点106〜107℃/760mmHgの留分として、120.2g(純
度97%)のクロロスルホニルイソシアナートを得た。使
用した塩化シアンからの収率は82%であった。
比較例 容量200mlの四つ口フラスコに、攪拌器、温度計、還
流管およびフラスコの底部にほぼとどく長さのガラス管
(内径6mm)のガス導入管をとりつけた。この四つ口フ
ラスコ内に、γ型の液体無水硫酸79.5gを入れ、攪拌下
に塩化シアンガス(62.9g相当)を2時間かけて導入し
た。その間、反応系内の温度が25〜35℃になるように、
外部浴を用いて調整した。その後25〜30℃で0.5時間攪
拌した。反応終了後、四つ口フラスコの還流管およびガ
ス導入管部をはずし、充てん物(Glass helices)のは
いった内径1.5cm、高さ10cmの蒸留塔をとりつけ、常圧
で蒸留し、沸点106〜107℃/760mmHgの留分として119.1g
(純度90%)のクロロスルホニルイソシアナートを得
た。使用した塩化シアンからの収率は76%であった。
〔発明の効果〕
以上述べてきたように、本発明は炭素数1〜3の塩素
系飽和炭化水素を反応溶媒として用いかつ反応系の温度
を10〜50℃に保って無水硫酸と塩化シアンとを反応させ
る方法であるから、温度コントロールが容易であり、高
純度のクロロスルホニルイソシアナートを高収率で経済
的に製造することができ有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 381/00 CA(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無水硫酸と塩化シアンとを反応させてクロ
    ロスルホニルイソシアナートを製造する方法において、
    炭素数1〜3の塩素系飽和炭化水素を反応溶媒として用
    い、かつ反応系の温度を10〜50℃に保つことを特徴とす
    るクロロスルホニルイソシアナートの製造方法。
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