JP2008247746A - ハロヨードアニリン類の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】抗癌剤などの医薬品、電子写真の正孔輸送材料の原料、種々の機能化学品原料等として有用なハロヨードアニリン類の、製品収率およびヨウ素利用効率が高く、精製負荷の低い、工業的に優れた製造法を提供する。
【解決手段】原料のハロアニリンと分子状ヨウ素を含む溶液に、過酸化水素水を添加し該ハロアニリンをヨウ素化した後、反応液に還元物質を加え還元処理する。これにより目的とするハロヨードアニリン類を、高収率、高ヨウ素利用率で合成することができ、反応終了後の粗生成物の回収、精製も容易に行うことができるようになる。
【選択図】なし

Description

本発明は、化学式(1)で表されるハロアニリンを、分子状ヨウ素と過酸化水素水を用いてヨウ素化することを特徴とする、ハロヨードアニリン類の製造方法に関する。ハロヨードアニリン類は、抗癌剤などの医薬品や電子写真の正孔輸送材料の原料等、種々の機能化学品原料として有用な化合物である。
Figure 2008247746
(式中、Rは炭素数1〜6の鎖状若しくは環状のアルキル基または水素原子、Xはフッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子を示す。)
フルオロヨードアニリン、クロロヨードアニリン、またはブロモヨードアニリンや、種々のアルキル基で置換されたフルオロヨードアニリン、クロロヨードアニリン、またはブロモヨードアニリンなどのハロヨードアニリン類は、それぞれ対応するハロアニリンを原料にして種々の合成方法により製造することができる。
例えば、炭酸水素ナトリウムや炭酸カルシウム等のアルカリ性水溶液中で、分子状ヨウ素を用いて種々のハロヨードアニリン類を合成する方法が開示されている(例えば、非特許文献1、2参照)。一般に、分子状ヨウ素をヨウ素源とする有機化合物のヨウ素化において、その反応を円滑に進めるためには、逆反応を促進するとされる副生ヨウ化水素を効率的に不活性化する必要がある。上記非特許文献に記載されているアルカリ水溶液系の反応では中和によりヨウ化水素を不活性化しているが、そのため反応に仕込んだヨウ素の半分がヨウ化ナトリウムなどのアルカリ金属化合物になり消費される。このように、これらの方法はヨウ素と廉価なアルカリ水溶液のみで反応可能な汎用性のある手段ではあるが、ヨウ素の利用効率が非常に悪い方法である。すなわち、ヨウ素は高価で且つ限られた資源であるため、本プロセスを工業的に成り立たせるには、ヨウ素含有廃液からヨウ素を回収する工程が必要であり、プロセスは複雑化する。
一方、ヨウ素を効率的に利用できるヨウ素化方法として、分子状ヨウ素を用いた酸化剤存在下でのハロヨードアニリンの合成法が開示されている(例えば、非特許文献3,4,5参照)。この方法は、種々の酸化剤の存在下、分子状ヨウ素を用いてヨウ素化する方法であるが、理論的なヨウ素必要量はヨウ素原子換算で基質量と同等の等モルでよく、そのヨウ素が全量ハロヨードアニリンのヨウ素源となる。しかしながら、非特許文献3で用いられている酸化剤の過ヨウ素酸は高価なうえ、工業的入手が困難であり、しかも収率が50%以下と低く、工業的実施にはさらなる改善の余地がある。一方、非特許文献4,5には、過酸化水素尿素付加物を酸化剤として利用する製造法が開示されている。しかし、この方法でも得られるハロヨードアニリンの反応収率は50〜80%程度と十分でないうえ、反応生成物である尿素を分離回収する必要がありプロセスが複雑化する。
また、これらのハロヨードアニリンの製造方法について発明者らが検討したところ、反応終了後、生成物を含む有機層に未反応のヨウ素が残存するため、晶析や再結晶などの精製時、目的物が結晶化せずにタール状となり、仮に結晶化してもタール状物が混在するなど、高純度の結晶を安定的に得ることができない方法であることが判明した。
以上のように、従来の分子状ヨウ素を用いたハロヨードアニリン合成方法は、製品収率が不充分であるうえ、分子状ヨウ素の利用効率が悪かったり、過ヨウ素酸のような高価な酸化剤を必要としたり、精製に支障を来す不純物の副生を見たりするという問題点を抱えている。
Margaret E.Glendenning,John W.Goodby,Michael Hird and Kenneth J.Toyne,J.Chem.Soc.,Perkin Trans.2,1999,481 F.B.Dains,T.H.Vaughan and W.M.Janney,J.Am.Chem.Soc.,40,1918,932 Miciej Sosnowski,Lech,Skulski,Wolowik Katarzyna,Molecules.,9,7,2004,617 Sosnowski Miciej and Skulski Lech,Molecules.,7,12,2002,867 Lulinski Piotr,Kryska Anna Sosnowski Miciej and SkulskiLech,Synthesis.,3,2004,441
本発明は、抗癌剤などの医薬品、電子写真の正孔輸送材料の原料、種々の機能化学品原料等として有用なハロヨードアニリン類の、製品収率およびヨウ素利用効率が高く、精製負荷の低い、工業的に優れた製造法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、原料の化学式(1)で表されるハロアニリンと分子状ヨウ素を含む溶液に過酸化水素水を添加し反応させた後、反応液に還元物質を加え還元処理することにより、目的とするハロヨードアニリン類を、高収率および高ヨウ素利用率で合成することができ、反応終了後の粗生成物の回収、精製も容易に行えることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ハロアニリンをヨウ素化してハロヨードアニリン類を製造するための(1)〜(3)に示す効率的に優れた製造方法に関する。
(1)化学式(1)で表されるハロアニリンと分子状ヨウ素を含む溶液に過酸化水素水を添加し、該ハロアニリンをヨウ素化した後、反応溶液に還元物質を加えて還元処理することを特徴とする、ハロヨードアニリン類の製造方法。
Figure 2008247746
(式中、Rは炭素数1〜6の鎖状若しくは環状のアルキル基または水素原子、Xはフッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子を示す。)
(2)過酸化水素水を添加するときの反応温度が10℃〜80℃である、(1)に記載のハロヨードアニリン類の製造方法。
(3)過酸化水素水を添加するときの添加速度が、分子状ヨウ素の仕込み量1モルに対し、過酸化水素として0.001倍モル/分〜0.1倍モル/分である、(1)に記載のハロヨードアニリン類の製造方法。
本発明により、抗癌剤などの医薬品、電子写真の正孔輸送材料の原料、種々機能化学品原料等として有用な種々のハロヨードアニリン類を効率的に製造することが可能となる。
以下、本発明のハロヨードアニリン類の製造法について詳細に説明する。本反応で使用する基質は化学式(1)で表される化合物である。
Figure 2008247746
(式中、Rは炭素数1〜6の鎖状若しくは環状のアルキル基または水素原子、Xはフッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子を示す。)
具体的には、化学式(1)中のRが水素原子からなるo,m,p−フルオロアニリン、o,m,p−クロロアニリン、若しくはo,m,p−ブロモアニリン、或いは化学式(1)中のRが炭素数1〜6の鎖状のアルキル基であるメチル基、エチル基、若しくはプロピル基、または環状アルキル基であるシクロプロピル基、シクロペンチル基、若しくはシクロヘキシル基で置換された前記ハロアニリンであり、例えば、2−ハロ−3−アルキルアニリン、2−ハロ−4−アルキルアニリン、2−ハロ−5−アルキルアニリン、2−ハロ−6−アルキルアニリン、3−ハロ−2−アルキルアニリン、3−ハロ−4−アルキルアニリン、3−ハロ−5−アルキルアニリン、3−ハロ−6−アルキルアニリン、4−ハロ−2−アルキルアニリン、または4−ハロ−3−アルキルアニリンを挙げることができる。
分子状ヨウ素は一般に市販されているものでよく、それをそのまま用いることができる。その使用量は基質とヨウ素分子のモル比で0.4倍モル〜0.7倍モルが好ましく、0.5倍モル〜0.6倍モルがより好ましい。0.4倍モル未満でも反応を行うことはできるが、反応が十分に進まず未反応基質と目的物の分離精製負荷が大きくなり好ましくない。一方、0.7倍モルを超えると目的物がさらにヨウ素化されたポリヨウ素化物が生成する危険性が増すうえ、過剰のヨウ素を用いているためヨウ素利用効率が低くなり不経済である。
過酸化水素水の濃度は特に限定されないが、工業用原料としての入手の容易さや取り扱いやすさから20%〜70%程度が好ましい。過酸化水素水の使用量は、反応を十分進めるためには、過酸化水素として、分子状ヨウ素とのモル比で0.9倍モル〜1.2倍モルの範囲が好ましく、1.0倍モル〜1.1倍モルの範囲がより好ましい。0.9倍モル未満でも反応を行うことはできるが、反応が十分に進まず未反応基質が残るため目的物との分離精製負荷が大きくなり好ましくない。一方、1.2倍モルを超えると、過酸化水素による副反応が起こりやすくなり、しかも後処理が大掛かりになるだけで不経済である。
過酸化水素水の添加方法は、ヨウ素をより効率的に反応させ、反応の制御を容易にするために逐次的に添加するのが好ましい。過酸化水素水に含まれる過酸化水素を基準とした添加速度は、仕込んだ分子状ヨウ素1モルに対して、0.001倍モル/分〜0.1倍モル/分が好ましく、0.004倍モル/分〜0.075倍モル/分がより好ましく、0.02倍モル/分〜0.04倍モル/分がさらに好ましい。0.001倍モル/分より添加速度が低い場合は、反応時間が長くなるだけで良好な収率が得られず、逆に添加速度が0.1倍モル/分を上回る場合は、反応時間は短くなるものの副生物の発生量が増すので収率の低下を招く。
なお、反応初期に全量添加することも理論的には可能であるが、本反応は発熱反応であるため反応制御が難しくなり危険性が増す。また、反応釜も大きくなるので工業的実施にはそぐわない。
また、酸化剤として過酸化水素以外の、過塩素酸や過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウムなどの過塩素酸塩類、過ヨウ素酸や過ヨウ素酸ナトリウム、過ヨウ素酸カリウムなどの過ヨウ素酸塩類、過硫酸ナトリウムなどの過硫酸塩類等の酸化剤と、本発明の目的を妨げない範囲で適宜組み合わせて使用してもよい。
反応温度は10℃〜80℃の範囲が好ましく、25℃〜60℃の範囲がより好ましい。10℃未満での反応も可能であるが反応速度が遅くなり非効率である。80℃を上回る反応温度では不必要な過酸化水素の分解が無視できなくなり無駄である。
反応後の溶液に残存する分子状のヨウ素を除き粗生成物の精製を容易するために、本反応系では反応液を還元剤で処理する。処理に用いる還元剤は、一般に入手できるものでよく、処理後の粗生成物との分離を考慮すると、水溶性の亜硫酸塩やチオ硫酸塩などが好ましい。還元剤の量は反応終了後に残存する分子状ヨウ素を全量還元できる量であれば良い。還元剤は反応系にそのまま添加しても、水溶液にして添加しても良い。
本反応系では、溶媒として、水や、ヨウ素化および過酸化水素による酸化に不活性な有機溶剤、例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロベンゼン、クロロベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、メチルアルコール、エチルアルコール、プロリルアルコール、またはブチルアルコール等を、単独または組み合わせて使用する。
これらの水や有機溶剤を用いた溶媒は、反応操作や装置の簡略さ、反応基質や反応生成物の溶解性、および還元処理を行う場合の簡便性より、水単独溶媒、水および水と二層分離する有機溶剤とからなる混合溶媒、または水および水と相溶する有機溶剤とからなる混合溶媒を用いることが好ましい。
なお、本反応によって得られる粗生成物は通常水不溶であるため、特に溶媒に水のみを使用した場合、反応液を還元処理した後、粗生成物の状態に応じ、固液分離、分液、または水と二層分離する有機溶媒を加え粗生成物を含む有機層を回収する方法をとることができる。
一方、有機溶媒剤を溶媒に用いた場合は、還元剤を用いて還元処理を行った後、抽出や濃縮等の通常の分離操作を行って粗生成物を回収することができる。
還元処理した粗生成物は一般的な精製操作で容易に精製することができる。特に溶媒を用いた再結晶や晶析などの精製操作により容易に高純度の目的物を得ることが出来る。
本発明の方法のように、反応に分子状ヨウ素と過酸化水素水を用い、反応終了後、反応液を還元剤で処理することにより、高ヨウ素利用効率で目的のハロヨードアニリンが合成でき、しかも、粗成生物の回収が容易に行え、再結晶や晶析などの精製操作で高純度の結晶が容易に得られるようになる。
以下、実施例および比較例をもって本発明をさらに詳しく説明するが、これらの例にのみ本発明が限定されるものではない。
実施例1
2−フルオロアニリン7.5g(67.5mmol)、分子状ヨウ素8.5g(33.5mmol)、水50gを100mLフラスコに仕込み、40℃で30%過酸化水素水3.83g(33.6mmol)を添加速度0.03mol/minで添加した後、さらに攪拌下3時間反応を行った。反応液に、亜硫酸ナトリウム7.4重量%水溶液を17g加え、反応液の還元処理を行った後、生成物を濾別し、粗生成物14.09gを得た。粗生成物および母液をガスクロマトグラフにより分析したところ、2−フルオロアニリン転化率97.8%、2−フルオロ−4−ヨードアニリン収率95.2%(基質およびヨウ素原子換算ベース)、2−フルオロ−4−ヨードアニリン選択率97.3%であった。次ぎに、粗生成物14gとシクロヘキサン17gを用い晶析精製を行ったところ、純度99%以上の精製品11.2gが得られた。目的物の単離収率は70%であった。
1H−NMR:270MHz、TMS基準、CDCl3中で測定、δ値(ppm):3.69(br s,2H),6.51(dd,1H),7.21(ddd,1H), 7.28(dd,1H)
MS(m/z):237(M+、100%)
比較例1
反応液を還元剤処理しなかったこと以外は実施例1と同じ方法で反応を行った。反応生成物は液状であったため分液して粗生成物を回収した。反応成績は実施例1と同様であったが、粗生成物をシクロヘキサンで晶析したが結晶化しないでオイル状になり精製できなかった。
比較例2
30%過酸化水素水の添加速度を0.12mol/minに変えた以外は実施例1と同じ方法で反応を行った。粗生成物および母液をガスクロマトグラフにより分析したところ、2−フルオロアニリン転化率97.5%、2−フルオロ−4−ヨードアニリン収率80.0(基質およびヨウ素原子換算ベース)、2−フルオロ−4−ヨードアニリン選択率82.1%であった。
実施例2
2−クロロアニリン8.6g(67.4mmol)、分子状ヨウ素8.49g(33.5mmol)、水50gを100mLフラスコに仕込み、50℃で、30%過酸化水素水3.81g(33.6mmol)を添加速度0.02mol/minで添加した後、さらに攪拌下2時間反応を行った。反応液に、亜硫酸ナトリウム7.4重量%水溶液を17g加え、反応液の還元処理を行った後に、生成物を濾別し、粗生成物16.6gを得た。粗生成物および母液をガスクロマトグラフにより分析したところ、2−クロロアニリン転化率99.6%、2−クロロ−4−ヨードアニリン収率95.7%(基質およびヨウ素原子換算ベース)、2−クロロ−4−ヨードアニリン選択率96.1%であった。次ぎに、粗生成物16gとシクロヘキサン20gを用い晶析による精製を行ったところ、純度99%以上の精製品13.5gが得られた。目的物の単離収率は78%であった。
1H−NMR:270MHz、TMS基準、CDCl3中で測定、δ値(ppm):4.06(brs,2H),6.51(d,1H),7.29(dd,1H),7.52(d,1H)
MS(m/z):253(M+、100%)
比較例3
反応温度を30℃、反応時間を3時間、還元剤処理をしない以外は実施例2と同じ方法で反応を行った。反応成績は2−クロロアニリン転化率99.3%、2−クロロ−4−ヨードアニリン収率95.0%(基質及びヨウ素原子換算ベース)、2−クロロ−4−ヨードアニリン選択率95.7%であった。しかし水−メタノール溶媒で晶析を行ったが、得られたものは黒いオイル状物の混ざった結晶であった。
実施例3
3−クロロアニリンを原料に用いた以外は実施例1と同じ方法で反応を行った。反応成績は3−クロロアニリン転化率99.0%、3−クロロ−4−ヨードアニリン収率93.5%(基質およびヨウ素原子換算ベース)、3−クロロ−4−ヨードアニリン選択率94.4%であった。シクロヘキサンを用い晶析による精製を行い、純度99%以上の精製品を単離収率70%で取得した。
1H−NMR:270MHz、TMS基準、CDCl3中で測定、δ値(ppm):3.75(brs,2H),6.30(dd,1H),6.80(d,1H),7.52(d,1H)
MS(m/z):253(M+、100%)
実施例4
4−ブロモアニリン11.7g(68.4mmol)、分子状ヨウ素8.49g(33.5mmol)、シクロヘキサン40gを100mlフラスコに仕込み、内容物を50℃に加熱した。内容物が均一になったことを確認した後30%過酸化水素水3.81g(33.6mmol)を添加速度0.02mol/minで添加した後、その温度で攪拌下2時間の反応を行った。亜硫酸ナトリウム7.4重量%水溶液約50g加え反応液の還元処理を行った後、生成物を含む有機層を分液し、それをガスクログラフで分析した。反応成績は、4−ブロモアニリン転化率90.0%、4−ブロモ−2−ヨードアニリン収率85.5%(基質およびヨウ素原子換算ベース)、4−ブロモ−2−ヨードアニリン選択率95.0%であった。有機層を濃縮して晶析による精製を行い、純度99%以上の精製結晶を単離収率60%で取得した。
1H−NMR:270MHz、TMS基準、CDCl3中で測定、δ値(ppm):4.10(brs,2H),6.60(d,1H),7.23(dd,1H),7.73(d,1H)
MS(m/z):297(M+、100%)
実施例5
4−クロロアニリンを原料に用いた以外は実施例4と同じ方法で反応を行った。反応成績は4−クロロアニリン転化率89.0%、4−クロロ−2−ヨードアニリン収率86.0%(基質およびヨウ素原子換算ベース)、4−クロロ−2−ヨードアニリン選択率96.6%であった。有機層を濃縮し晶析による精製を行い、純度99%以上の精製品を単離収率50%で取得した。
1H−NMR:270MHz、TMS基準、CDCl3中で測定、δ値(ppm):5.42(brs,2H),6.79(d,1H),7.15(dd,1H),7.60(d,1H)
MS(m/z):253(M+、100%)
比較例4
炭酸水素ナトリウム5.6g(66.7mmol)、水80g、2−フルオロアニリン7.5g(67.5mmol)を100mlフラスコに仕込み内容物を60℃に加熱した。60℃で分子状ヨウ素10.6g(41.8mmol)、を加えた。その温度で攪拌下3時間の反応を行った後、反応液を300gの氷に投入し一晩放置した。黒色の粗生成物と水層をガスクロマトグラフにより分析したところ、2−フルオロアニリン転化率68.1%、2−フルオロ−4−ヨードアニリン収率58.6%(基質ベース)でヨウ素原子換算ベースの収率では47%、2−フルオロ−4−ヨードアニリン選択率86.0%であった。
実施例6
2−メチル−5−フルオロアニリン8.5g(67.5mmol)、分子状ヨウ素8.6g(33.9mmol)、5重量%メタノール水溶液50gを100mlフラスコに仕込み、内容物を40℃に加熱した。40℃で30%過酸化水素水3.84g(33.9mmol)を添加速度0.03mol/minで添加した。その温度で攪拌下4時間の反応を行った後、亜硫酸ナトリウム7.4重量%水溶液を約17g加え反応液の還元処理を行った。生成物を分離し粗生成物16.86gを取得した。粗生成物および母液をガスクロマトグラフにより分析したところ、2−メチル−5−フルオロアニリン転化率100%、2−メチル−4−ヨード−5−フルオロアニリン収率90.0%(基質およびヨウ素原子換算ベース)、2−メチル−4−ヨード−5−フルオロアニリン選択率90.0%であった。
1H−NMR:270MHz、TMS基準、CDCl3中で測定、δ値(ppm):2.07(s,3H),3.69(brs,2H),6.39(d,1H),7.31(d,1H)
MS(m/z):251(M+、100%)

Claims (3)

  1. 化学式(1)で表されるハロアニリンと分子状ヨウ素を含む溶液に過酸化水素水を添加し、該ハロアニリンをヨウ素化した後、反応溶液に還元物質を加えて還元処理することを特徴とする、ハロヨードアニリン類の製造方法。
    Figure 2008247746

    (式中、Rは炭素数1〜6の鎖状若しくは環状のアルキル基または水素原子、Xはフッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子を示す。)
  2. 過酸化水素水を添加するときの反応温度が10℃〜80℃である、請求項1に記載のハロヨードアニリン類の製造方法。
  3. 過酸化水素水を添加するときの添加速度が、分子状ヨウ素の仕込み量1モルに対し、過酸化水素として0.001倍モル/分〜0.1倍モル/分である、請求項1に記載のハロヨードアニリン類の製造方法。
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