JP2005509613A - 2−イルクロマン誘導体の立体特異的合成法 - Google Patents

2−イルクロマン誘導体の立体特異的合成法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005509613A
JP2005509613A JP2003534411A JP2003534411A JP2005509613A JP 2005509613 A JP2005509613 A JP 2005509613A JP 2003534411 A JP2003534411 A JP 2003534411A JP 2003534411 A JP2003534411 A JP 2003534411A JP 2005509613 A JP2005509613 A JP 2005509613A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
formula
ring
represented
carbon atoms
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003534411A
Other languages
English (en)
Inventor
ジョナサン・レアード・グロス
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Wyeth LLC
Original Assignee
Wyeth LLC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Wyeth LLC filed Critical Wyeth LLC
Publication of JP2005509613A publication Critical patent/JP2005509613A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D311/00Heterocyclic compounds containing six-membered rings having one oxygen atom as the only hetero atom, condensed with other rings
    • C07D311/02Heterocyclic compounds containing six-membered rings having one oxygen atom as the only hetero atom, condensed with other rings ortho- or peri-condensed with carbocyclic rings or ring systems
    • C07D311/04Benzo[b]pyrans, not hydrogenated in the carbocyclic ring
    • C07D311/58Benzo[b]pyrans, not hydrogenated in the carbocyclic ring other than with oxygen or sulphur atoms in position 2 or 4
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D311/00Heterocyclic compounds containing six-membered rings having one oxygen atom as the only hetero atom, condensed with other rings
    • C07D311/02Heterocyclic compounds containing six-membered rings having one oxygen atom as the only hetero atom, condensed with other rings ortho- or peri-condensed with carbocyclic rings or ring systems
    • C07D311/04Benzo[b]pyrans, not hydrogenated in the carbocyclic ring
    • C07D311/58Benzo[b]pyrans, not hydrogenated in the carbocyclic ring other than with oxygen or sulphur atoms in position 2 or 4
    • C07D311/64Benzo[b]pyrans, not hydrogenated in the carbocyclic ring other than with oxygen or sulphur atoms in position 2 or 4 with oxygen atoms directly attached in position 8
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D405/00Heterocyclic compounds containing both one or more hetero rings having oxygen atoms as the only ring hetero atoms, and one or more rings having nitrogen as the only ring hetero atom
    • C07D405/02Heterocyclic compounds containing both one or more hetero rings having oxygen atoms as the only ring hetero atoms, and one or more rings having nitrogen as the only ring hetero atom containing two hetero rings
    • C07D405/04Heterocyclic compounds containing both one or more hetero rings having oxygen atoms as the only ring hetero atoms, and one or more rings having nitrogen as the only ring hetero atom containing two hetero rings directly linked by a ring-member-to-ring-member bond

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Pyrane Compounds (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

本発明は、式(I)で示される2−イル−クロマンおよび−クロメン誘導体の立体特異的製造方法を提供する。これらの化合物は、光学活性2−アミノメチル−および2−アザヘテロサイクリルメチル−クロマンの製造に有用である。
【化1】

Description

発明の分野
本発明は2−イル−クロマンおよび−クロメン誘導体の立体特異的製造方法に関する。
発明の背景
種々の2−イル−クロマンおよび−クロメン誘導体は医薬剤のような種々の薬剤の合成における中間体として使用されてきた。例えば、米国特許第5,371,094号には、中枢神経系の疾患を抑制するのに有用な一連のアザヘテロサイクリルメチル−クロマン類の製造における2−イルメチルクロマン誘導体の使用が開示されている。また、例えば、米国特許第5,318,988号には、式:
Figure 2005509613
で示される化合物の製造のための式:
Figure 2005509613
または
Figure 2005509613
で示される2−イルメチルクロマン誘導体の使用が開示されている[式中、Mは、クロリド、ブロミド、ヨージド、トシラート、メシラートまたはトリフラートのような典型的な離脱基を表し、Eは、直接結合、または、フェニルによって置換されていてもよい、炭素原子10個までを有するアルキレンもしくはアルケニレンを表し、Gは、1個またはそれ以上の環を含む置換されていてもよい環状または複素環状の基を表す]。これらの化合物は、中枢神経系の疾患と戦うのに有用であることが開示されている。
これらの特許に開示されているクロマン誘導体の製造方法は非立体選択的であり、慣用方法によるジアステレオマーの単一立体異性体成分への分離を必要とする。立体選択的、より好ましくは、立体特異的である、2−イルクロマンおよびクロメン誘導体の効率的な生成方法を提供することが望ましい。
非立体選択的手段における2−イルクロマンおよびクロメン誘導体の製造方法は公知である。S. Chang and R. H. Grubbs, J. Org. Chem., Vol. 63, pp. 864-866 (1998) には、触媒性閉環オレフィン複分解を用いるスチレニルアリルエーテルジエンからのある種のクロメン誘導体の合成が記載されている。
2−イルクロマンおよびクロメン誘導体の立体特異的製造方法を提供することが望ましい。
発明の概要
本発明は、(a)式(I):
Figure 2005509613
で示される2−ヒドロキシ置換スチレンおよび式(II):
Figure 2005509613
で示される光学活性3−ヒドロキシ−1−ブテンを反応させて式(III):
Figure 2005509613
で示される光学活性ジエンを形成すること[式中、
Rは、離脱基または保護された酸素基であり;
1、R2およびR3は、独立して、水素、ハロゲン原子、シアノ、アジド、ニトロ、ヒドロキシル、カルボキシル、アシルもしくはカルボキサミド基、C1〜C6アルキル基、O、NもしくはSから独立して選択されるヘテロ原子2個までを環構成員として有していてもよい5員〜7員芳香族基、C5〜C7員アリールオキシ基、C1〜C6アルコキシ基、アルキル鎖中に炭素原子1〜6個を有するアルカンアミド基、アルキル鎖中に炭素原子1〜6個を有するアルカンスルホンアミド基、アルキル鎖中に炭素原子1〜6個を有するアルカノイルオキシ基、過ハロゲン化C1〜C6アルキルもしくはアルコキシ基、アミノ基、またはアルキル鎖1つにつき炭素原子1〜6個を有するモノ−もしくはジ−アルキルアミノから選択されるか、または、R1、R2またはR3のうちの2つが一緒になって5員〜7員の飽和または芳香族炭素環式または架橋炭素環式環を形成し(ここで、該環は、i)S、NまたはOから選択される環原子2個までを有していてもよいか、ii)カルボニル基2個までを環構成員として有していてもよいか、または、iii)ハロゲン原子、シアノ、ニトロもしくはヒドロキシル基、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、C3〜C6シクロアルキル基、N、OもしくはSから選択される環原子1〜2個を有していてもよい5員〜7員芳香族基、または炭素原子5〜7個を有するスピロ形態の炭素環から各々独立して選択されるR5置換基1〜2個により置換されていてもよいか、またはi)、ii)またはiii)のいずれかの組み合わせであってよい);
4は、HまたはC1〜C6アルキル基であり;
6は、ヒドロキシル基、保護された酸素基、または離脱基である];および
(b)触媒の存在下にて、式(III)で示されるジエンを閉環複分解重合反応させて式(IV):
Figure 2005509613
[式中、R1、R2、R3およびR6は、式(III)における定義と同じである]
で示される光学活性2−イルクロメン誘導体を立体特異的に製造すること
を含む、2−イルクロメン誘導体の立体特異的製造方法を提供する。
本発明は、さらに、2−イルクロメンを水素添加することによる2−イルクロマンの製造方法、および式(I)で示されるヒドロキシ置換スチレンの製造方法を包含する。
本発明は、式:
Figure 2005509613
[式中、
1、R2およびR3は、独立して、水素、ハロゲン原子、またはシアノ、アジド、ニトロ、ヒドロキシル、カルボキシル、アシルもしくはカルボキサミド基、C1〜C6アルキル基、O、NもしくはSから独立して選択されるヘテロ原子2個までを環構成員として有していてもよい5員〜7員芳香族基、C5〜C7員アリールオキシ基、C1〜C6アルコキシ基、C2〜C7アルケニル基、アルキル鎖中に炭素原子1〜6個を有するカルボアルコキシ基、アルキル鎖中に炭素原子1〜6個を有するアルカンアミド基、アルキル鎖中に炭素原子1〜6個を有するアルカンスルホンアミド基、アルキル鎖中に炭素原子1〜6個を有するアルカノイルオキシ基、トリフルオロメチルもしくはトリフルオロメトキシ基のような過ハロゲン化C1〜C6アルキルもしくはアルコキシ基、アミノ基、またはアルキル鎖1つにつき炭素原子1〜6個を有するモノ−もしくはジ−アルキルアミノから選択されるか、または、R1、R2またはR3のうちの2つが一緒になって5員〜7員の飽和、部分飽和、不飽和、または芳香族炭素環式または架橋炭素環式環を形成し(ここで、該環は、i)S、NまたはOから選択される環原子2個までを有していてもよいか、ii)カルボニル基2個までを環構成員として有していてもよいか、または、iii)ハロゲン原子、シアノ、ニトロもしくはヒドロキシル基、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、C3〜C6シクロアルキル基、N、OもしくはSから選択される環原子1〜2個を有していてもよい5員〜7員芳香族基、または炭素原子5〜7個を有するスピロ形態の炭素環から各々独立して選択されるR5置換基1〜2個により置換されていてもよいか、またはi)、ii)またはiii)のいずれかの組み合わせであってよい);
6は、ヒドロキシル基、保護された酸素基、または離脱基である]
で示される2−イルクロマンおよびクロメン誘導体の立体特異的製造方法に関する。
本明細書で使用する「立体特異的」とは、立体配置のみが異なる出発物質を立体異性体的に別個の生成物に変換する反応を意味する。例えば、立体特異的反応において、出発物質がエナンチオ的に純粋(エナンチオマー過剰率「ee」100%)である場合、最終生成物もまたエナンチオ的に純粋となるであろう。同様に、出発物質が約50%のエナンチオマー過剰率を有する場合、最終生成物もまた、約50%エナンチオマー過剰率を有するであろう。本明細書で使用する「エナンチオマー過剰率」は、ラセミ化合物に対する単一エナンチオマーの過剰率モル%を表す。
本明細書で使用する「光学活性」とは、キラル分子の非ラセミ混合物を意味する。式中の「*」は、光学活性をもたらすキラル炭素を示す。
本発明の方法は、好ましくは、少なくとも約30%、より好ましくは、少なくとも約50%、最も好ましくは、少なくとも約95%のエナンチオマー過剰率を有する2−イルクロメンおよびクロマン誘導体を生成する。本発明の最も好ましい実施態様において、エナンチオ的に純粋な2−イルクロメンおよびクロマン誘導体が生成される。
本明細書で使用する場合、他に指摘しない限り、例えば、アルキル、アルカン、アルケニル、アルコキシ、カルボアルコキシまたはアルカンアミド基のようなアルキルまたはアルケニル基を含有する基は、分枝鎖状であっても、または直鎖状であってもよく、アルキル/アルケニル鎖中に炭素原子7個までを含有する。アルケニル基は、他に指摘しない限り、一不飽和であっても、多価不飽和であっても、または完全不飽和であってもよい。シクロアルキルは、炭素原子3〜8個を有する炭素環を意味する。芳香族およびアリールは、フェニルのような5員〜7員芳香族炭素環を意味する。芳香族複素環およびヘテロアリールは、独立して、N、OまたはSであってもよいヘテロ原子1または2個を有する5員〜7員芳香環を意味する。アシルは、炭素原子2〜7個を有するアルカノイル基を意味する。アルキル、アルケニル、シクロアルキル芳香族、芳香族複素環、アリールまたはヘテロアリール基を含有する基は、以下に定義するように置換されていてもよい。例えば、アルキル基は、モノ−もしくはジフルオロメチルまたはモノ−もしくはジフルオロメトキシのようにハロゲン化されていてもよい。ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。
本明細書で使用する「置換されている」なる用語は、ハロゲン原子、シアノ、ニトロもしくはヒドロキシル基、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、C3〜C6シクロアルキル基、N、OもしくはSから選択される環原子1〜2個を有していてもよい5員〜7員芳香族基、または炭素原子5〜7個を有するスピロ形態の炭素環から独立して選択される置換基1〜約5個、より好ましくは、1〜約3個を有するアリールまたはアルキル基のような基を表す。好ましい置換基は、ハロゲン原子、シアノ、ニトロもしくはヒドロキシル基、C1〜C6アルキル基、またはC1〜C6アルコキシ基である。
本明細書で使用する「離脱基」なる用語は、求核置換または脱離しやすい基または原子を表す。典型的には、これらは、求核置換または脱離により除去された場合に陰イオン形態で安定である原子または基である。本発明において有用な離脱基の例としては、トシラート、ブロシラート、メシラートまたはノシラートのようなアルキルまたはアリールスルホネート基、またはクロリド、ブロミドまたはヨージドのようなハライドが挙げられる。トシラート、または4−メチルベンゼンスルホネートは本発明の実施において特に好ましい離脱基である。
本明細書で使用する「保護された酸素基」なる用語は、−OR7基を表す(ここで、R7は、ミツノブ反応条件のような、アルコールが通常反応する反応条件に対して比較的不活性な酸素保護基である)。本発明において有用な好ましいR7基の例としてはアルキル基;ベンジルまたは2−ニトロベンジルのようなアリール基;またはt−ブチルジメチルシリルまたはトリエチルシリルのようなシリル基が挙げられ、保護された酸素基として対応するエーテルとなる。また、R7は、例えば、アリールまたはアルキルカルボニル基であってよく、保護された酸素基としてアセテートまたはピバロエートのようなアリールまたはアルキルエステルとなる。当業者は、T.W. Green and P.G.M. Wuts: Protective Groups in Organic Synthesis, Second Edition (Wiley, NY, 1991)(出典明示により全記載内容を本明細書の記載とする)に記載されているような他の適当な酸素保護基を同定することができるであろう。
本発明は、2−イルクロマンおよびクロメン誘導体の合成に対して効率的な経路を提供する。例えば、本発明の方法は、好ましくは、エナンチオマー過剰の2−イルクロマンおよびクロメン誘導体を提供する。かくして、単一のエナンチオマーを単離するのに次なる分割および/または精製工程を必要としない。
本発明の一の実施態様において、2−イルクロマンおよびクロメン誘導体は、反応スキーム(I)に従って生成され得る。
Figure 2005509613
スキームIについて、工程1では、示されるようなサリチルアルデヒドをオレフィン化して、R4が水素またはC1〜C6アルキル基(例えば、メチル)である式(I)で示される2−ヒドロキシ置換スチレン化合物を生成する。この反応スキームにおいて、好ましくは、R4は水素である。このオレフィン化は、ウィッティッヒ反応条件下のような当業者に公知の適当な方法によって行われ得る。好ましい実施態様において、工程1のオレフィン化は、該サリチルアルデヒドを、メチルトリフェニルホスホニウムブロミドおよびブチルリチウムの反応から誘導されたイリドで処理することにより行われ得る。
工程2では、得られた2−ヒドロキシスチレン化合物を、式(II)で示される光学活性3−ヒドロキシ−1−ブテン化合物と反応させて式(III)で示されるジエンを形成する。本発明の好ましい実施態様において、3−ヒドロキシ−1−ブテン化合物のRは、保護された酸素基「OR7」であり、下記式:
Figure 2005509613
[式中、R7は上記定義と同じである]
で示される3−ブテン−1,2−ジオールとなる。式(II)で示される光学活性3−ヒドロキシ−1−ブテン化合物は、商業的に入手可能であり、例えば、ニュージャージー州フェアローンにあるアクロス・オーガニクス・ナムローゼ・フェンノートシャップ(Acros Organics N.V.)によって供給されるAcros Organics Catalogから入手することができる。別法としては、例えば、EP 0 561 321 A2 に開示されている方法(出典明示により全記載内容を本明細書の記載とする)に従って合成することができる。好ましくは、使用される式(II)で示される光学活性3−ヒドロキシ−1−ブテン化合物は、少なくとも約30%、より好ましくは、少なくとも約50%、最も好ましくは、少なくとも約95%のエナンチオマー過剰率を有する。最も好ましい実施態様において、式(II)で示されるエナンチオ的に純粋な3−ヒドロキシ−1−ブテン化合物を使用する。
工程2における反応は、スチレン化合物の2−ヒドロキシ基の、ブテン化合物の第二アルコールとの立体特異的脱水反応を含む。好ましい実施態様において、工程2の反応は、ミツノブ反応条件下にて、例えば、トリフェニルホスフィンおよびアゾジカルボン酸ジエチルの存在下にて行われる。該ミツノブ反応は、第二アルコールを含有する不斉中心での正味の立体配置反転を伴って立体特異的に進行する。したがって、式(II)で示される光学活性3−ヒドロキシ−1−ブテン化合物の使用は、立体化学情報の予想可能なかつ信頼性のある取り込みを可能にし、その結果、3−ヒドロキシ−1−ブテン化合物のエナンチオマー過剰率と一致するエナンチオマー過剰率を有する光学活性2−イルクロメンまたはクロマン誘導体を生成することができる。当業者は、この立体特異的脱水反応を行うための他の適当な反応条件を認識するであろう。例えば、Mitsunobu, The Use of Diethyl Azodicarboxylate and Triphenylphosphine in Synthesis and Transformation of Natural Products, Synthesis, pages 1 to 28, (1981);および J. Dodge, et al., Advances In The Mitsunobu Reaction For The Stereochemical Inversion Of Hindered Secondary Alcohols, Recent Research Developments in Organic Chemistry (1) p.273-283 (1997) の論文は、多くの他の適当な反応条件を提供している。出典明示によりこれら2つの論文の全記載内容を本明細書の記載とする。
工程3では、式(III)で示されるジエンを閉環複分解(RCM)重合反応させて、式(IV)で示される2−イルクロメン誘導体を立体特異的に形成する。所望により、式(III)で示されるジエン上のR6置換基によって示されるように、3−ヒドロキシ−1−ブテン化合物上の保護された酸素基または離脱基「R」を、工程2の脱水反応後のいずれの時点でも、慣用技術を使用してヒドロキシル基に変換することができる。
閉環複分解反応は、ビス(トリシクロペンチルホスフィン)ベンジリジンルテニウム(IV)ジクロリドのような触媒の存在下にて行われる。他の適当な触媒としては、例えば、チタン、タングステン、モリブデンまたはルテニウムをベースとするもののような金属カルベン錯体が挙げられる。例えば、Grubbs et al., Recent Advances in Olefin Metathesis and its Application in Organic Synthesis, Tetrahedron (54) p. 4413-4450 (1998) に開示されているアルコキシイミドモリブデン錯体のようなMo錯体および他のルテニウムカルベン錯体がより好ましい。当業者は閉環複分解反応が種々の反応条件下にて行われ得ることを認識するであろう。例えば、種々の異なる触媒、反応溶媒、反応温度および反応時間を使用することができる。本発明において有用な閉環複分解反応を行うのに適当な反応条件のより完全な記載については、例えば、Grubbs et al., Recent Advances in Olefin Metathesis and its Application in Organic Synthesis, Tetrahedron (54) p. 4413-4450 (1998) および Ivin et al., Olefin Metathesis and metathesis Polymerization, Academic Press, Sandiego (1997) を参照。出典明示によりこれらの文献の全記載内容を本明細書の記載とする。
工程4では、2−イルクロメン誘導体の二重結合を還元して、式(V)で示される対応する2−イルクロマン誘導体を生成する。二重結合の還元は、当業者に公知のいずれもの適当な方法によって行うことができる。例えば、エタノール中、パラジウム触媒の存在下にて、該二重結合の水素添加により還元を行うことができる。
本発明の別の実施態様において、2−イルクロマンおよびクロメン誘導体を反応スキーム(II)に従って生成することができる。
Figure 2005509613
スキームIIに例示する実施態様において、水素化ナトリウムまたは炭酸カリウムなどのアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水素化物またはアルカリ金属の炭酸塩のような適当な塩基の存在下にて、式(a2)で示されるフェノールを臭化アリルのようなハロゲン化アリルと反応させて、式(b2)で示されるアリルエーテルを形成する。好ましい実施態様において、該塩基は炭酸カリウムである。当業者は、該アリル化が種々の反応条件下にて行われ得ることを認識するであろう。好ましい実施態様において、アリル化は、炭酸カリウムの存在下にて臭化アリルを用いて行われる。
スキーム2の工程2において、式(b2)で示されるアリルエーテルをクライゼン転位反応条件下にて転位させて、式(c2)で示されるフェノール化合物を得る。好ましくは、該クライゼン転位は、ジフェニルエーテルまたはメシチレンのような、好ましくは約170℃〜約250℃の範囲の沸点を有する適当な有機溶媒を用いて還流下にて式(b2)で示されるアリルエーテルを加熱することにより行われる。好ましい実施態様において、該還流はメシチレンを使用して行われる。
工程3において、次いで、慣用技術を使用して式(c2)で示されるフェノール化合物の末端二重結合を異性化して、R4がメチルである式(I)で示される2−ヒドロキシスチレン化合物(すなわち、2−[2−プロペニル]フェノール)を形成する。好ましくは、該二重結合の異性化は、ビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム(II)のようなパラジウム触媒の存在下にて行われる。
スキームIIの工程4、5および6は、各々、スキームIの工程2、3および4について記載された手順に従って行われる。これに関して、式(I)で示される2−ヒドロキシスチレン化合物を式(II)で示される光学活性3−ヒドロキシ−1−ブテンと反応させて、式(III)で示されるジエンを形成する。次いで、該ジエンに対して閉環複分解反応を行って、式(IV)で示される2−イルクロメンを得る。次いで、該2−イルクロメン誘導体の二重結合を水素添加して、式(V)で示される対応する2−イルクロマン誘導体を形成する。
当業者は、上記から判断して、触媒または溶媒が本発明の方法の反応工程に含まれる場合、本明細書に記載されていないが当該技術分野で公知の他の触媒または溶媒を使用することができると考えられることを容易に認識するであろう。さらにまた、当業者は、式(I)で示される2−ヒドロキシスチレン化合物の式(II)で示される3−ヒドロキシ−1−ブテン化合物での脱水、式(III)で示されるジエンの閉環複分解反応、および式(IV)で示される2−イルクロメンの水素添加のような本明細書に記載される反応が、本明細書における教示を当業者に利用可能な知識と合わせて使用して種々の反応条件下にて行うことができることを認識するであろう。例えば、本発明の方法に従って、種々の反応温度、圧力、溶媒、触媒および装置を使用することができる。また、例えば、実施例に記載した方法はバッチであるが、それらを半連続または連続操作に適用することができることが意図される。
かくして、本発明の個々の工程を行う特定の方法のバリエーションは当業者に明らかである。これらの可能なバリエーションの全てを本明細書に記載することができるわけではないが、かかるバリエーションは本発明の範囲内であることが意図される。
本発明の方法は、好ましくは、2−イル−クロマンの立体特異的合成を可能にする。この方法は、反応シーケンスの簡潔さ、合成の容易さおよび可能な出発物質の多さにより、光学活性な2−イルクロマンおよびクロメン誘導体の実用的な製造方法となる。
上記のとおり、2−イルクロマンおよびクロメン誘導体をさらに反応させて種々の有用な医薬剤を製造することができる。例えば、2−イルクロマンおよびクロメン誘導体をさらに反応させて、中枢神経系の疾患の治療に有用な2−アミノメチル−または2−アザヘテロサイクリルメチル−クロマン化合物を形成することができる。これらのクロマンの合成方法は、例えば、米国特許第5,371,094号および第5,318,988号に開示されている(出典明示により全記載内容を本明細書の記載とする)。
以下の実施例は、本発明の方法の特定の実施態様を例示するものであり、本発明の範囲を限定するものと解すべきではない。
実施例1
a) (2R)−2−{2−[1−プロペニル]フェノキシ}−3−ブテニル4−メチルベンゼンスルホネート
2−[1−プロペニル]フェノール(3.00g、22.4mmol)の0℃に冷却したトルエン(200mL)中溶液に(S)−2−ヒドロキシ−3−ブテン−1−イルp−トシラート(8.12g、33.5mmol)およびトリフェニルホスフィン(9.24g、35.2mmol)を添加し、次いで、アゾジカルボン酸ジエチル(6.13g、35.2mmol)を滴下し、該反応混合物を室温で12時間撹拌する。次いで、該反応混合物を水(200mL)の添加によりクエンチする。水性層を分取し、ジエチルエーテル(2×200mL)で抽出する。合わせた有機抽出物を水(200mL)および塩化ナトリウム水溶液(300mL)で洗浄し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、溶媒を真空除去して粗製固体を得る。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル:ヘキサン(3:7))により精製して、無色油状物として(2R)−2−{2−[1−プロペニル]フェノキシ}−3−ブテニル4−メチルベンゼンスルホネート5.17g(収率64%、ee>97%)を得る。[α]25 D=−15.0(メタノール中c6.6、ee>97%);Rf=0.47(シリカ、酢酸エチル:ヘキサン(3:7));C20224Sについての分析:理論値:C,67.02;H,6.19。測定値:C,67.56;H,6.25。
b)(2R)−2H−クロメン−2−イルメチル4−メチルベンゼンスルホネート
(2R)−2−{2−[1−プロペニル]フェノキシ}−3−ブテニル4−メチルベンゼンスルホネート(3.61g、10.1mmol)のジクロロメタン(100mL)中溶液にビス(トリシクロペンチルホスフィン)ベンジリデンルテニウム(IV)ジクロリド(1.49g、2.01mmol)を添加し、該反応混合物を室温で16時間撹拌する。溶媒を真空除去して粗製固体を得る。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル:ヘキサン(3:7))により精製して、薄緑色の結晶質固体として(2R)−2H−クロメン−2−イルメチル4−メチルベンゼンスルホネート2.48g(収率78%、ee>97%)を得る。[α]25 D=+175.12(メタノール中c9.99、ee>97%);Rf=0.40(シリカ、酢酸エチル:ヘキサン(3:7));C11164Sについての分析:理論値:C,64.54;H,5.10。測定値:C,64.85;H,5.05。
c)(2R)−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−2−イルメチル4−メチルベンゼンスルホネート
(2R)−2H−クロメン−2−イルメチル4−メチルベンゼンスルホネート(1.70g、55.00mmol)のエタノール(100mL)中溶液にパラジウム−炭(10wt%、0.17g)を添加し、該反応混合物をH2雰囲気(50psi)下にて6時間振盪する。該反応混合物を濾過し(セライト)、溶媒を真空除去して、無色の油状物として(2R)−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−2−イルメチル4−メチルベンゼンスルホネート(1.62g、95%)を得る。これは放置すると結晶化する。[α]25 D=−52.69(メタノール中c10.06,ee>97%);Rf=0.60(シリカ、酢酸エチル:ヘキサン(2:3));C17184Sについての分析:理論値:C,64.13;H,5.70。測定値:C,63.90;H,5.71。
実施例2
a)(2R)−2−(2−メトキシ−6−ビニルフェノキシ)−3−ブテニル−4−メチルベンゼンスルホネート
メチルトリフェニルホスホニウムブロミド(19.65g、55.00mmol)の0℃に冷却したテトラヒドロフラン(200mL)中懸濁液にn−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M、37.5mL、60.00mmol)を添加し、該反応混合物を0℃で30分間撹拌する。該イリドをカニューレを介して3−メトキシサリチルアルデヒド(3.80g、25.00mmol)のテトラヒドロフラン(100mL)中溶液に添加し、該反応混合物を室温で3時間撹拌する。該反応混合物を塩化アンモニウム水溶液(100mL)の添加によりクエンチし、水(300mL)で希釈する。水性層を分取し、ジエチルエーテル(3×200mL)で抽出する。合わせた有機抽出物を水(300mL)および塩化ナトリウム水溶液(300mL)で洗浄し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、シリカのプラグ(10cm×5cm)で濾過する。溶媒を真空除去して、粗製油状物として2−ビニルフェノールを得、これをテトラヒドロフラン(200mL)に溶解する。得られた溶液に(S)−2−ヒドロキシ−3−ブテン−1−イルp−トシラート(7.27g、30.00mmol)、トリフェニルホスフィン(7.87g、30.00mmol)、およびアゾジカルボン酸ジエチル(5.22g、30.00mL)を添加する。該反応混合物を室温で12時間撹拌する。該反応混合物を水(200mL)の添加によりクエンチする。水性層を分取し、酢酸エチル(2×250mL)で抽出する。合わせた有機抽出物を水(200mL)および塩化ナトリウム水溶液(300mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムを使用して乾燥させ、溶媒を真空除去して粗製固体を得る。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル:ヘキサン(4:1))により精製して無色の油状物として(2R)−2−(2−メトキシ−6−ビニルフェノキシ)−3−ブテニル4−メチルベンゼンスルホネート5.33g(収率57%、ee>97%)を得る[α]25 D=−8.06(クロロホルム中c9.93、ee>97%);Rf=0.57(シリカ、酢酸エチル:ヘキサン(3:7));C20225S・0.2H2Oについての分析:理論値:C,63.57;H,5.97。測定値:C,63.37;H,5.66。
b)[(2R)−8−メトキシ−2H−クロメン−2−イル]メチル−4−メチルベンゼンスルホネート
(2R)−2−(2−メトキシ−6−ビニルフェノキシ)−3−ブテニル−4−メチルベンゼンスルホネート(3.00g、8.01mmol)のジクロロメタン(100mL)中溶液にビス(トリシクロペンチルホスフィン)ベンジリデンルテニウム(IV)ジクロリド(0.59g、0.80mmol)を添加し、該反応混合物を室温で4時間撹拌する。溶媒を真空除去して粗製固体を得る。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル:ヘキサン(2:3))により精製して薄紫色の油状物として[(2R)−8−メトキシ−2H−クロメン−2−イル]メチル4−メチルベンゼンスルホネート2.47g(収率68%、ee>97%)を得る。[α]25 D=+150.31(クロロホルム中c10.18,ee>97%);Rf=0.53(シリカ、酢酸エチル:ヘキサン(2:3));C18185S・0.2H2Oについての分析:理論値:C,61.77;H,5.29。測定値:C,61.49;H,5.00。
実施例3
a)4−(アリルオキシ)−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−インドール
1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−インドール−4−オールを炭酸カリウムおよびN,N−ジメチルホルムアミド中の臭化アリル(29.24g、0.242mol)で処理し、次いで、水性後処理し、ジエチルエーテルで抽出して4−(アリルオキシ)−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−インドールを得る。
b)5−アリル−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−インドール−4−オール
4−(アリルオキシ)−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−インドールのメシチレン中溶液を還流し、次いで、溶媒を除去し、次に、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、5−アリル−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−インドール−4−オールを得る。
c)1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−5−[(1E)−プロパ−1−エニル]−1H−インドール−4−オール
5−アリル−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−インドール−4−オールのジクロロメタン中還流溶液をビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム(II)で処理し、次いで、溶媒を除去し、次に、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−5−[(1E)−プロパ−1−エニル]−1H−インドール−4−オールを得る。
d)(2R)−2−({1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−5−[(1E)−プロパ−1−エニル]−1H−インドール−4−イル}オキシ)ブタ−3−エニル4−メチルベンゼンスルホネート
1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−5−[(1E)−プロパ−1−エニル]−1H−インドール−4−オールを、実施例1aに記載した手順に従ってトルエン中にて(S)−2−ヒドロキシ−3−ブテン−1−イルp−トシラート、トリフェニルホスフィンおよびアゾジカルボン酸ジエチルで処理して、(2R)−2−({1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−5−[(1E)−プロパ−1−エニル]−1H−インドール−4−イル}オキシ)ブタ−3−エニル4−メチルベンゼンスルホネートを得る。
e){(2R)−7−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−2,7−ジヒドロピラノ[2,3−e]インドール−2−イル}メチル4−メチルベンゼンスルホネート
(2R)−2−({1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−5−[(1E)−プロパ−1−エニル]−1H−インドール−4−イル}オキシ)ブタ−3−エニル4−メチルベンゼンスルホネートを、実施例1bに記載の条件下にてジクロロメタン中にてビス(トリシクロペンチル−ホスフィン)ベンジリデンルテニウム(IV)で処理して、{(2R)−7−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−2,7−ジヒドロピラノ[2,3−e]インドール−2−イル}メチル4−メチルベンゼンスルホネートを得る。
f){(2R)−7−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−2,3,4,7−テトラヒドロピラノ[2,3−e]インドール−2−イル}メチル4−メチルベンゼンスルホネート
{(2R)−7−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−2,7−ジヒドロピラノ[2,3−e]インドール−2−イル}メチル4−メチルベンゼンスルホネートを、実施例1cに記載の手順に従ってエタノール中にてパラジウム−炭(10重量%)で処理して、{(2R)−7−[(4−メチルフェニル)−スルホニル]−2,3,4,7−テトラヒドロピノ[2,3−e]インドール−2−イル}メチル4−メチルベンゼンスルホネートを得る。
実施例4
a)6−[(1E)−プロパ−1−エニル]キノリン−5−オール
ジクロロメタン中の6−アリルキノリン−5−オールを、実施例3cに記載の手順に従ってビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム(II)で処理して、6−[(1E)−プロパ−1−エニル]キノリン−5−オールを得る。
b)2−({6−[(1E)−プロパ−1−エニル]キノリン−5−イル}オキシ)ブタ−3−エニル4−メチルベンゼンスルホネート
6−[(1E)−プロパ−1−エニル]キノリン−5−オールを、実施例1aに記載の手順に従ってトルエン中にて(S)−2−ヒドロキシ−3−ブテン−1−イルp−トシラート、トリフェニルホスフィンおよびアゾジカルボン酸ジエチルで処理して、2−({6−[(1E)−プロパ−1−エニル]キノリン−5−イル}オキシ)ブタ−3−エニル4−メチルベンゼンスルホネートを得る。
c)2H−ピラノ[2,3−f]キノリン−2−イルメチル4−メチルベンゼンスルホネート
ジクロロメタン中の2−({6−[(1E)−プロパ−1−エニル]キノリン−5−イル}オキシ)ブタ−3−エニル4−メチルベンゼンスルホネートを、実施例1bに記載の条件下にてビス(トリシクロペンチルホスフィン)ベンジリデンルテニウム(IV)で処理して2H−ピラノ[2,3−f]キノリン−2−イルメチル4−メチルベンゼンスルホネートを得る。
d)3,4−ジヒドロ−2H−ピラノ[2,3−f]キノリン−2−イルメチル4−メチルベンゼンスルホネート
2H−ピラノ[2,3−f]キノリン−2−イル−メチル4−メチルベンゼンスルホネートを、実施例1cに記載の手順に従ってエタノール中にてパラジウム−炭(10重量%)で処理して3,4−ジヒドロ−2H−ピラノ[2,3−f]キノリン−2−イルメチル4−メチルベンゼンスルホネートを得る。
実施例5
a)2−[(2−ビニル−1−ナフチル)オキシ]ブタ−3−エニル4−メチルベンゼンスルホネート
1−ヒドロキシ−2−ナフトアルデヒドを、実施例2aに記載の条件に従ってTHF中にてメチルトリフェニルホスホニウムブロミドおよびn−ブチルリチウムから得られるイリドで処理して2−[(2−ビニル−1−ナフチル)オキシ]ブタ−3−エニル4−メチルベンゼンスルホネートを得る。
b)2H−ベンゾ[h]クロメン−2−イルメチル4−メチルベンゼンスルホネート
ジクロロメタン中の2−[(2−ビニル−1−ナフチル)オキシ]ブタ−3−エニル4−メチルベンゼンスルホネートを、実施例1bに記載の条件に従ってビス(トリシクロペンチルホスフィン)ベンジリデンルテニウム(IV)で処理して2H−ベンゾ[h]クロメン−2−イルメチル4−メチルベンゼンスルホネートを得る。
本明細書に例示されていない本発明の多くのバリエーションが当業者に考えられるであろう。本発明は、本明細書に例示および記載した実施態様に限定されるものではなく、特許請求の範囲の範囲内の対象を全て包含するものである。

Claims (11)

  1. (a)式(I):
    Figure 2005509613
    で示される2−ヒドロキシ置換スチレンおよび式(II):
    Figure 2005509613
    で示される光学活性3−ヒドロキシ−1−ブテンを反応させて式(III):
    Figure 2005509613
    で示される光学活性ジエンを形成すること[式中、
    Rは、離脱基または保護された酸素基であり;
    1、R2およびR3は、独立して、水素、ハロゲン原子、シアノ、アジド、ニトロ、ヒドロキシル、カルボキシル、アシルもしくはカルボキサミド基、C1〜C6アルキル基、O、NもしくはSから独立して選択されるヘテロ原子2個までを環構成員として有していてもよい5員〜7員芳香族基、C5〜C7員アリールオキシ基、C1〜C6アルコキシ基、アルキル鎖中に炭素原子1〜6個を有するアルカンアミド基、アルキル鎖中に炭素原子1〜6個を有するアルカンスルホンアミド基、アルキル鎖中に炭素原子1〜6個を有するアルカノイルオキシ基、過ハロゲン化C1〜C6アルキルもしくはアルコキシ基、アミノ基、またはアルキル鎖1つにつき炭素原子1〜6個を有するモノ−もしくはジ−アルキルアミノから選択されるか、または、R1、R2またはR3のうちの2つが一緒になって5員〜7員の飽和または芳香族炭素環式または架橋炭素環式環を形成し(ここで、該環は、i)S、NまたはOから選択される環原子2個までを有していてもよいか、ii)カルボニル基2個までを環構成員として有していてもよいか、または、iii)ハロゲン原子、シアノ、ニトロもしくはヒドロキシル基、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、C3〜C6シクロアルキル基、N、OもしくはSから選択される環原子1〜2個を有していてもよい5員〜7員芳香族基、または炭素原子5〜7個を有するスピロ形態の炭素環から各々独立して選択されるR5置換基1〜2個により置換されていてもよいか、またはi)、ii)またはiii)のいずれかの組み合わせであってよい);
    4は、HまたはC1〜C6アルキル基であり;
    6は、ヒドロキシル基、保護された酸素基、または離脱基である];および
    (b)触媒の存在下にて、式(III)で示されるジエンを閉環複分解重合反応させて式(IV):
    Figure 2005509613
    [式中、R1、R2、R3およびR6は、式(III)における定義と同じである]
    で示される光学活性2−イルクロメン誘導体を立体特異的に製造すること
    を含む、2−イルクロメン誘導体の立体特異的製造方法。
  2. さらに、2−イルクロメン誘導体を水素添加して式(V):
    Figure 2005509613
    [式中、R1、R2、R3およびR6は請求項1における定義と同じである]
    で示される2−イルクロマン誘導体を形成することを含む、請求項1記載の方法。
  3. 4がHであり、式(I)で示される2−ヒドロキシ置換スチレンが、式(a1):
    Figure 2005509613
    [式中、R1、R2およびR3は請求項1における定義と同じである]
    で示されるサリチルアルデヒドのオレフィン化により形成される、請求項1または2記載の方法。
  4. 4がメチルであり、式(I)で示される2−ヒドロキシ置換スチレンが、
    i)塩基の存在下にて、式(a2):
    Figure 2005509613
    で示されるフェノールおよびハロゲン化アリルを反応させてアリルエーテルを形成し、該アリルエーテルをクライゼン転位させて式(c2):
    Figure 2005509613
    で示される2−[1−プロペニル]フェノールを形成すること;および
    ii)該2−[1−プロペニル]フェノールの末端二重結合を異性化すること
    により形成される[式中、R1、R2およびR3は請求項1における定義と同じである]、請求項1または2記載の方法。
  5. (a)式:
    Figure 2005509613
    で示されるサリチルアルデヒドをオレフィン化して式:
    Figure 2005509613
    で示される2−ヒドロキシスチレンを生成すること[式中、R1、R2およびR3は、独立して、水素、ハロゲン原子、シアノ、アジド、ニトロ、ヒドロキシル、カルボキシル、アシルもしくはカルボキサミド基、C1〜C6アルキル基、O、NもしくはSから独立して選択されるヘテロ原子2個までを環構成員として有していてもよい5員〜7員芳香族基、C5〜C7員アリールオキシ基、C1〜C6アルコキシ基、アルキル鎖中に炭素原子1〜6個を有するアルカンアミド基、アルキル鎖中に炭素原子1〜6個を有するアルカンスルホンアミド基、アルキル鎖中に炭素原子1〜6個を有するアルカノイルオキシ基、過ハロゲン化C1〜C6アルキルもしくはアルコキシ基、アミノ基、またはアルキル鎖1つにつき炭素原子1〜6個を有するモノ−もしくはジ−アルキルアミノから選択されるか、または、R1、R2またはR3のうちの2つが一緒になって5員〜7員の飽和または芳香族炭素環式または架橋炭素環式環を形成する(ここで、該環は、i)S、NまたはOから選択される環原子2個までを有していてもよいか、ii)カルボニル基2個までを環構成員として有していてもよいか、または、iii)ハロゲン原子、シアノ、ニトロもしくはヒドロキシル基、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、C3〜C6シクロアルキル基、N、OもしくはSから選択される環原子1〜2個を有していてもよい5員〜7員芳香族基、または炭素原子5〜7個を有するスピロ形態の炭素環から各々独立して選択されるR5置換基1〜2個により置換されていてもよいか、またはi)、ii)またはiii)のいずれかの組み合わせであってよい)];
    (b)ミツノブ反応条件下にて、該2−ヒドロキシスチレンおよび式(II):
    Figure 2005509613
    で示される光学活性3−ヒドロキシ−1−ブテンを反応させて式:
    Figure 2005509613
    [式中、Rは、保護された酸素基または離脱基であり、R6は、ヒドロキシル基、保護された酸素基または離脱基である]
    で示されるジエンを形成すること;
    (c)触媒の存在下にて該ジエンを閉環複分解重合させて、式(IV):
    Figure 2005509613
    で示される光学活性2−イルクロメン誘導体を立体特異的に生成すること;および
    (d)該クロメンを水素添加して式(V):
    Figure 2005509613
    [式中、R6、R1、R2およびR3は式(IV)における定義と同じである]
    で示される2−イルクロマン誘導体を形成すること
    を含む、2−イル−クロマン誘導体の立体特異的製造方法。
  6. (a)塩基の存在下にて式:
    Figure 2005509613
    で示されるフェノールおよびハロゲン化アリルを反応させてアリルエーテルを形成し、該アリルエーテルをクライゼン転位させて式:
    Figure 2005509613
    で示される2−[1−プロペニル]フェノールを形成すること[式中、R1、R2およびR3は、独立して、水素、ハロゲン原子、シアノ、アジド、ニトロ、ヒドロキシル、カルボキシル、アシルもしくはカルボキサミド基、C1〜C6アルキル基、O、NもしくはSから独立して選択されるヘテロ原子2個までを環構成員として有していてもよい5員〜7員芳香族基、C5〜C7員アリールオキシ基、C1〜C6アルコキシ基、アルキル鎖中に炭素原子1〜6個を有するアルカンアミド基、アルキル鎖中に炭素原子1〜6個を有するアルカンスルホンアミド基、アルキル鎖中に炭素原子1〜6個を有するアルカノイルオキシ基、過ハロゲン化C1〜C6アルキルもしくはアルコキシ基、アミノ基、またはアルキル鎖1つにつき炭素原子1〜6個を有するモノ−もしくはジ−アルキルアミノから選択されるか、または、R1、R2またはR3のうちの2つが一緒になって5員〜7員の飽和または芳香族炭素環式または架橋炭素環式環を形成する(ここで、該環は、i)S、NまたはOから選択される環原子2個までを有していてもよいか、ii)カルボニル基2個までを環原子として有していてもよいか、または、iii)ハロゲン原子、シアノ、ニトロもしくはヒドロキシル基、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、C3〜C6シクロアルキル基、N、OもしくはSから選択される環原子1〜2個を有していてもよい5員〜7員芳香族基、または炭素原子5〜7個を有するスピロ形態の炭素環から各々独立して選択されるR5置換基1〜2個により置換されていてもよいか、またはi)、ii)またはiii)のいずれかの組み合わせであってよい)];
    c)該2−[1−プロペニル]フェノールの末端プロペニル二重結合を異性化して式:
    Figure 2005509613
    で示される2−[2−プロペニル]フェノールを生成すること;
    (d)ミツノブ反応条件下にて、該2−[2−プロペニル]フェノールを式(II):
    Figure 2005509613
    で示される光学活性3−ヒドロキシ−1−ブテンと反応させて式:
    Figure 2005509613
    で示されるジエンを得ること[式中、Rは保護された酸素基または離脱基であり、R6はヒドロキシル基、保護された酸素基または離脱基を表す];
    (e)触媒の存在下にて、該ジエンを閉環複分解重合させて式(IV):
    Figure 2005509613
    で示される光学活性2−イルクロメン誘導体を立体特異的に生成すること;および
    (f)該クロメン誘導体を水素添加して式(V):
    Figure 2005509613
    で示される2−イルクロマン誘導体を形成すること
    を含む[式中、R1、R2、R3およびR6は式(IV)における定義と同じである]、2−イルクロマン誘導体の立体特異的製造方法。
  7. Rが保護された酸素基である、請求項1〜6いずれか1項記載の方法。
  8. 保護された酸素基または離脱基がスルホネート(例えば、トリフラート、トシラート、およびメシラート)、ベンジルエーテル(例えば、ベンジルおよび2−ニトロベンジル)、シリルエーテル(例えば、t−ブチルジメチルシリルおよびトリエチルシリル)、またはエステル(例えば、アセテートおよびピバロエート)から選択される、請求項1〜7いずれか1項記載の方法。
  9. 式(II)で示される3−ヒドロキシ−1−ブテンが少なくとも95%のエナンチオマー過剰率を有する、請求項1〜8いずれか1項記載の方法。
  10. 式(V)で示されるクロマンをさらに反応させて2−アミノメチル−クロマン化合物またはアザヘテロサイクリルメチルクロマン化合物を形成する、請求項1〜9いずれか1項記載の方法。
  11. 触媒がビス(トリシクロペンチルホスフィン)ベンジリジンルテニウム(IV)ジクロリドである、請求項1〜10いずれか1項記載の方法。

JP2003534411A 2001-10-05 2002-10-04 2−イルクロマン誘導体の立体特異的合成法 Pending JP2005509613A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US32741701P 2001-10-05 2001-10-05
PCT/US2002/031747 WO2003031428A1 (en) 2001-10-05 2002-10-04 Stereospecific process for the synthesis of 2-yl chroman derivatives

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005509613A true JP2005509613A (ja) 2005-04-14

Family

ID=23276466

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003534411A Pending JP2005509613A (ja) 2001-10-05 2002-10-04 2−イルクロマン誘導体の立体特異的合成法

Country Status (8)

Country Link
US (1) US6716998B2 (ja)
EP (1) EP1432694A1 (ja)
JP (1) JP2005509613A (ja)
CN (1) CN1561337A (ja)
BR (1) BR0213030A (ja)
CA (1) CA2462860A1 (ja)
MX (1) MXPA04003085A (ja)
WO (1) WO2003031428A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014101299A (ja) * 2012-11-19 2014-06-05 Meiwa Kasei Kk ジアリルレゾルシンの製造方法

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2007139541A (ru) * 2005-04-22 2009-05-27 Вайет (Us) Производные хромана и хромена и их применение
TW200811182A (en) * 2006-05-25 2008-03-01 Wyeth Corp Oxindoledioxans, synthesis thereof, and intermediates thereto
WO2008154484A1 (en) * 2007-06-08 2008-12-18 Mannkind Corporation Ire-1a inhibitors
CN110143935B (zh) * 2019-06-03 2022-09-30 华侨大学 一种2,5-二取代呋喃衍生物的制备方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE2820862A1 (de) * 1977-05-16 1978-11-23 Hoffmann La Roche Chromanderivate
JPS57183782A (en) * 1981-04-30 1982-11-12 Sumitomo Chem Co Ltd Preparation of coumarone compound
DE4135474A1 (de) 1991-10-28 1993-04-29 Bayer Ag 2-aminomethyl-chromane
DE4140540A1 (de) 1991-12-09 1993-06-17 Bayer Ag Neue azaheterocyclylmethyl-chromane
JPH08238095A (ja) 1995-03-02 1996-09-17 Kuraray Co Ltd 光学活性クロマン化合物の製造法
DE10044091A1 (de) 2000-09-07 2002-04-04 Merck Patent Gmbh Chromanonderivate

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014101299A (ja) * 2012-11-19 2014-06-05 Meiwa Kasei Kk ジアリルレゾルシンの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
US6716998B2 (en) 2004-04-06
CN1561337A (zh) 2005-01-05
BR0213030A (pt) 2004-10-05
MXPA04003085A (es) 2004-09-06
US20030100774A1 (en) 2003-05-29
EP1432694A1 (en) 2004-06-30
CA2462860A1 (en) 2003-04-17
WO2003031428A1 (en) 2003-04-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2006346311B2 (en) A process for preparation of racemic Nebivolol
JPS59144780A (ja) クロマン誘導体の製造方法
JP2010505779A (ja) ネビボロールの調製法
CA2099444C (en) Process for preparing tert-butyl (3r,5s)-6-hydroxy-3,5-o- isopropylidene-3,5-dihydroxyhexanoate
KR101154117B1 (ko) α-토코페릴 아세테이트의 제조방법
JP5744738B2 (ja) ネビボロールの調製方法
CN113979975B (zh) 一种手性磷酸催化的芳基烯丙基叔醇动力学拆分方法
EP0065368B1 (en) A process for preparing chromans
RU2470018C2 (ru) Новые производные пирокатехина
JP2005509613A (ja) 2−イルクロマン誘導体の立体特異的合成法
US6700001B2 (en) Process for stereoselective synthesis of 2-hydroxymethyl chromans
JPH0641105A (ja) グリシド誘導体の製造方法
JP4461048B2 (ja) エナンチオ選択的合成
EP0094769A1 (en) Preparing 7-alkoxybenzofurans and intermediates used therein
KR101519011B1 (ko) 비스무트 촉매를 이용한 피라노쿠마린 유도체의 제조방법
KR100341556B1 (ko) 알릴퀴논유도체의제조방법및그중간체
CN109575075B (zh) 一种制备喹啉酮生物碱的中间体
PL236522B1 (pl) Sposób otrzymywania izomeru (+)-asenapiny
EP0603404B1 (en) Process for producing glycide derivative
JP3826425B2 (ja) 光学活性2−ニトロ−1,3−ジオール誘導体の製造方法
JPH08507041A (ja) ベンゾピラン誘導体
JPH0449269A (ja) 光学活性なペンタン誘導体
CN113968802A (zh) 环烯烃的氯化三氟甲基化合物的合成方法
JP2893473B2 (ja) (+)―エキレニンの製造法および中間体
CS241459B2 (cs) Způsob výroby nových benzo[c]chinolinů