JPH08238095A - 光学活性クロマン化合物の製造法 - Google Patents

光学活性クロマン化合物の製造法

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JPH08238095A
JPH08238095A JP7053695A JP7053695A JPH08238095A JP H08238095 A JPH08238095 A JP H08238095A JP 7053695 A JP7053695 A JP 7053695A JP 7053695 A JP7053695 A JP 7053695A JP H08238095 A JPH08238095 A JP H08238095A
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JP
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optically active
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amano
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JP7053695A
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Kazuo Achinami
一雄 阿知波
Manzo Shiono
万蔵 塩野
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記式(I) 【化1】 で示されるエステル化合物を、不活性溶媒中、水および
加水分解酵素の存在下、加水分解と同時に閉環させるこ
とを特徴とする下記式(II) 【化2】 で示される光学活性クロマン化合物の製造法。 【効果】 酵素により加水分解されて生成する水酸基が
不斉な環境にあることを利用することにより、光学活性
なクロマン化合物を製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学活性なクロマン化
合物の製造法に関する。本発明により製造される光学活
性なクロマン化合物は、医薬品、食品、化粧品などに用
いられるクロマン誘導体の光学活性中間体として有用で
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、酵素を用いた光学活性なクロマン
化合物の合成法としては、6位の水酸基をベンジル基で
保護したクロマン誘導体を不斉アシル化または不斉加水
分解する方法(特開平4−190795号公報参照)、
クロマンエタノールを不斉アシル化する方法[第35回
天然有機化合物討論会講演要旨集、465頁(1994
年)参照]が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の方法は、酵素を
用いた不斉エステル化または不斉加水分解による光学分
割であり、光学活性体の反応収率が50%を越えること
はない。また、不要な他方の光学異性体は廃棄するか、
または煩雑な工程を経てラセミ化もしくは立体反転を行
ったのち回収せざるを得ないという難点があった。しか
して、本発明の目的は、酵素を用いながら、理論的には
100%の収率が期待できる不斉合成法によって光学活
性なクロマン化合物を製造する方法を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的は、下記式(I)
【0005】
【化3】
【0006】(式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は水
素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、
アルケニル基、アラルキル基、アリール基、シアノ基ま
たは保護されていてもよい水酸基を表し、R5 は水素原
子またはアルキル基を表し、Yは電子吸引性基を表し、
Xはアシル基またはアルコキシオキザリル基を表す。)
で示されるエステル化合物(以下、これをエステル化合
物(I)と略記することがある。)を、不活性溶媒中、
水および加水分解酵素の存在下、加水分解と同時に閉環
させることを特徴とする下記式(II)
【0007】
【化4】
【0008】(式中、R5 およびYは前記定義のとおり
であり、R11、R21、R31およびR41は水素原子、ハロ
ゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、アルケニル
基、アラルキル基、アリール基、シアノ基または保護さ
れていてもよい水酸基を表す。)で示される光学活性ク
ロマン化合物(以下、これをクロマン化合物(II)と略
記することがある。)の製造法を提供することによって
達成される。本発明は、酵素の不斉加水分解能を利用す
るのではなく、酵素により加水分解されて生成する水酸
基が不斉な環境にあることを利用した全く新規な方法で
ある。
【0009】R1 、R2 、R3 、R4 、R11、R21、R
31およびR41が表すハロゲン原子としては、例えば、フ
ッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げ
られる。アルキル基としては、炭素数1〜8の直鎖状ま
たは分岐鎖状のアルキル基が好ましく、例えば、メチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、t−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基などが挙げ
られる。アルコキシル基としては、炭素数1〜8の直鎖
状または分岐鎖状のアルコキシル基が好ましく、例え
ば、メトキシル基、エトキシル基、プロポキシル基、イ
ソプロポキシル基、ブトキシル基などが挙げられる。ア
ルケニル基としては、炭素数1〜8の直鎖状または分岐
鎖状のアルケニル基が好ましく、例えば、ビニル基、ア
リル基、プレニル基などが挙げられる。アラルキル基と
しては、炭素数6〜10のアラルキル基が好ましく、例
えば、ベンジル基、フェネチル基、ピリジルメチル基な
どが挙げられる。アリール基としては、炭素数6〜10
のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ナフチ
ル基などが挙げられる。これらのアリール基はアルコキ
シル基、ハロゲン原子などの置換基を有していてもよ
く、置換基を有するアリール基としては、メトキシフェ
ニル基、クロロフェニル基などが挙げられる。
【0010】R1 、R2 、R3 、R4 、R11、R21、R
31およびR41が表す保護されていてもよい水酸基の保護
基としては、水酸基の保護基として通常用いられる基で
あればよく、例えば、ホルミル基、アセチル基、クロロ
アセチル基、トリフルオロアセチル基、ベンゾイル基、
ニトロベンゾイル基などのアシル基;メトキシカルボニ
ル基、エトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル
基などのアルコキシカルボニル基;ベンジルオキシカル
ボニル基などのアラルキルオキシカルボニル基;メトキ
シオキザリル基、エトキシオキザリル基などのアルコキ
シオキザリル基;トリメチルシリル基、t−ブチルジメ
チルシリル基、トリエチルシリル基、フェニルジメチル
シリル基などの三置換シリル基;メトキシメチル基、1
−エトキシエチル基、2−メトキシイソプロピル基など
のアルコキシアルキル基;テトラヒドロフラニル基、テ
トラヒドロピラニル基などのオキサシクロアルキル基;
ベンジル基、ジフェニルメチル基、トリチル基などの置
換基を有していてもよいベンジル基などが挙げられる。
【0011】R5 が表すアルキル基としては、炭素数1
〜6の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、
例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピ
ル基、ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基などが挙げ
られる。
【0012】Yが表す電子吸引性基としては、例えば、
ホルミル基、アセチル基、クロロアセチル基、トリフル
オロアセチル基、ベンゾイル基、ニトロベンゾイル基な
どのアシル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボ
ニル基、アリルオキシカルボニル基などのアルコキシカ
ルボニル基;ベンジルオキシカルボニル基などのアラル
キルオキシカルボニル基;シアノ基;ニトロ基;メタン
スルホニル基、ベンゼンスルホニル基、p−トルエンス
ルホニル基などの有機スルホニル基などが挙げられる。
【0013】Xが表すアシル基としては、例えば、ホル
ミル基、アセチル基、クロロアセチル基、トリフルオロ
アセチル基、ベンゾイル基、ニトロベンゾイル基などが
挙げられ、Xが表すアルコキシオキザリル基としては、
例えば、メトキシオキザリル基、エトキシオキザリル基
などが挙げられる。
【0014】反応に使用される加水分解酵素としては、
エステラーゼ、リパーゼ、プロテアーゼなどが挙げられ
る。これらの酵素は動物由来、植物由来または微生物由
来であってもよい。本反応に用いられる酵素としては、
精製した酵素のほか、該酵素を産生する菌体または細
胞、酵素を含む菌体抽出物または細胞抽出物、酵素を産
生する菌体または細胞の培養上清などを用いることも可
能である。
【0015】このような酵素を生産する能力を有する微
生物としては、例えば、ムコール属(Mucor )、エシェ
リシア属(Escherichia )、スタフィロコッカス属(St
aphylococcus)、アグロバクテリウム属(Agrobacteriu
m )、アシネトバクター属(Acinetobacter )、リゾプ
ス属(Rhizopus)、アスペルギルス属(Aspergillu
s)、ノカルディア属(Nocardia)、ストレプトミセス
属(Streptomyces)、トリコデルマ属(Trichoderma
)、キャンディダ属(Candida )、ロドトルラ属(Rho
dotorula )、トルロプシス属(Torulopsis)、プロテ
ウス属(Proteus )、バチルス属(Bacillus)、アルカ
リゲネス属(Alcaligenes )、シュードモナス属(Pseu
domonas )、ロドコッカス属(Rhodococcus )、ブレビ
バクテリウム属(Brevibacterium)、ゲオトリクム属
(Geotrichum)、エンテロバクター属(Enterobacte
r)、クロモバクテリウム属(Chromobacterium )、ア
ルスロバクター属(Arthrobacter)、ミクロバクテリウ
ム属(Microbacterium)、マイコバクテリウム属(Myco
bacterium )、サッカロミセス属(Saccharomyces )、
ペニシリウム属(Penicillium )、メタノバクテリウム
属(Methanobacterium)、ボトリチス属(Botrytis)、
シャトミウム属(Chaetomium)、オフィオボラス属(Op
hiobolus)、クラドスポリウム属(Cladosporium)など
に属する微生物が挙げられる。
【0016】さらに、動物組織から誘導される酵素とし
ては、膵臓からのエステラーゼ、α−キモトリプシンお
よびパンクレアチンなどが挙げられ、例えばブタ膵臓リ
パーゼなどが使用される。
【0017】本発明において使用される酵素は、商業上
入手し得るものであってもよく、このような酵素として
は、アマノPS−30(シュードモナス・セパシア由
来;天野製薬株式会社製)、アマノGC−20(ゲネト
リクム・カンジデュム由来;天野製薬株式会社製)、ア
マノAPF(アスペルギルス・ニガー由来;天野製薬株
式会社製)、アマノAK(シュードモナス属由来;天野
製薬株式会社製)、シュードモナス・フルオレセンズ・
リパーゼ(ビオキャタリスト社製)、アマノ・リパーゼ
P−30(シュードモナス属由来;天野製薬株式会社
製)、アマノP(シュードモナス・フルオレセンズ由
来;天野製薬株式会社製)、アマノAY−30(キャン
ディダ・シリンドラセア由来;天野製薬株式会社製)、
アマノN(リゾプス・ニベウス由来;天野製薬株式会社
製)、アマノR(ペニシリウム属由来;天野製薬株式会
社製)、アマノFAP(リゾプス・オリザ由来;天野製
薬株式会社製)、アマノAP−12(アスペルギルス・
ニガー由来;天野製薬株式会社製)、アマノMAP(ム
コール・メイヘイ由来;天野製薬株式会社製)、アマノ
GC−4(ゲオトリクム・カンジデュム由来;天野製薬
株式会社製)、シグマL−0382およびL−3126
(ブタ膵臓由来;シグマ社製)、シグマL−3001
(小麦芽由来;シグマ社製)、シグマL−0763(ク
ロモバクテリウム・ビスコサム由来;シグマ社製)、ア
マノK−30(アスペルギルス・ニガー由来;天野製薬
株式会社製)、リパーゼPL(アルカリゲネス属由来;
名糖産業株式会社製)、リパーゼOF(キャンディダ属
由来;名糖産業株式会社製)、リパーゼQL(アルカリ
ゲネス属由来;名糖産業株式会社製)、リパーゼAL
(アクロモバクター属由来;名糖産業株式会社製)など
のリパーゼが挙げられる。
【0018】酵素は、基質となるエステル化合物(I)
の重量に対して0.01〜100重量%の範囲で用いら
れることが好ましい。
【0019】不活性溶媒としては、アセトン、メチルエ
チルケトンなどのケトン系溶媒;イソプロピルエーテ
ル、t−ブチルジメチルエーテルなどのエーテル系溶
媒;ヘキサン、ヘプタン、トルエンなどの炭化水素系溶
媒などが好ましい。不活性溶媒は、エステル化合物
(I)1モルに対して0.1〜20リットルの範囲で用
いられることが好ましい。また、反応温度は、−10℃
〜60℃の範囲が好ましく、室温付近がより好ましい。
【0020】基質となるエステル化合物(I)は、反応
液に対して1〜20重量%の範囲で用いられることが好
ましい。また、水の使用量は、エステル化合物(I)に
対し、等モル以上溶媒量までの間、任意に用いることが
できる。
【0021】反応混合物からのクロマン化合物(II)の
単離は、必要に応じ、酵素を濾過したのち、有機溶媒で
抽出し、減圧下に濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー、再結晶などで分離・精製することにより行う
ことができる。
【0022】原料となるエステル化合物(I)は、下記
の反応工程にしたがって製造することができる。
【0023】
【化5】
【0024】(反応工程中、R1 、R2 、R3 、R4
5 、XおよびYは前記定義のとおりである。)すなわ
ち、式(III)で示されるケトンに対し、常法によりウィ
ッティッヒ・ホーナー(Wittig・Horner)
反応を行い、官能基変換を行うことにより容易に得るこ
とができる。
【0025】また別法として、下記の反応工程によって
も製造することができる。
【0026】
【化6】
【0027】(反応工程中、R1 、R2 、R3 、R4
5 、XおよびYは前記定義のとおりであり、Y’はY
またはカルボキシル基を表す。) すなわち、式(IV)で示されるクロマン化合物(ラセミ
体でもよい)を、必要に応じて水酸基を保護したのち、
酸化して式(V)で示される化合物とし、還元後、フェ
ノール性水酸基を保護、エステル化し、次いで脱水する
ことにより合成することができる。
【0028】エステル化合物(I)における二重結合の
立体は単一であることが好ましいが、シス体およびトラ
ンス体の反応性の差を利用して、一方だけが反応した段
階で反応を止めて行うこともできる。
【0029】
【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はこれらの実施例により何等限定さ
れるものではない。
【0030】参考例1 (6−ベンジルオキシ−3,4−ジヒドロ−2,5,
7,8−テトラメチル−2H−ベンゾ−1−ピラン−2
−イル)アセトアルデヒド700mg(2.1mmo
l)をメタノール5mlに溶かし、ギ酸トリメチル5m
lおよび濃硫酸3滴を加え、室温にて一晩反応を行っ
た。ジエチルエーテルを加えたのち、0.1N炭酸ナト
リウム水溶液で洗浄し、エーテル層を無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥した。濃縮したのちジエチルエーテル10m
lに溶かし、パラジウムカーボン20mgを加え、常圧
水素、室温で、5時間接触還元を行った。濾過したのち
濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製すること
により、下記の物性を有する(6−ヒドロキシ−3,4
−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベ
ンゾ−1−ピラン−2−イル)アセトアルデヒドジメチ
ルアセタール472mgを得た(収率78%)。
【0031】1H−NMR(CDCl3 )δ:1.28
(3H,s,CH3 )、1.78−2.05(4H,
m)、2.10(6H,s,2×Ar−CH3 )、2.
16(3H,s,Ar−CH3 )、2.62(2H,
t,J=7Hz)、3.27(3H,s,OCH3 )、
3.36(3H,s,OCH3 )、4.23(1H,
s,OH)、4.66(1H,t,J=5Hz,CH
(CH3 2
【0032】参考例2 (6−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2,5,7,8
−テトラメチル−2H−ベンゾ−1−ピラン−2−イ
ル)アセトアルデヒドジメチルアセタール472mg
(1.6mmol)をジエチルエーテル5mlに溶か
し、メタノール5mlを加えた。塩化鉄(III)1gを水
5mlに溶かした溶液を先の混合液に室温で加えた。2
時間攪拌したのち、ジエチルエーテルを加え抽出し、水
洗した。エーテル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、
濃縮したのちシリカゲルクロマトグラフィーで精製する
ことにより、1−(3,4,6−トリメチル−2,5−
ベンゾキノン−1−イル)−5,5−ジメトキシ−3−
メチル−3−ペンタノール420mgを得た(収率85
%)。
【0033】参考例3 1−(3,4,6−トリメチル−2,5−ベンゾキノン
−1−イル)−5,5−ジメトキシ−3−メチル−3−
ペンタノール420mg(1.4mmol)をジエチル
エーテル5mlに溶かし、パラジウムカーボン40mg
を加え、常圧水素、室温で2時間攪拌したのち、濾過
し、濃縮した。直ちに脱気したテトラヒドロフラン8m
lに溶かし、トリエチルアミン1mlを加え、氷冷した
のち、アセチルクロライド270mg(1.3当量)を
ゆっくり滴下した。1時間反応させ、ジエチルエーテル
で抽出し、エーテル層を水洗し、無水硫酸マグネシウム
で乾燥し、濃縮したのちシリカゲルクロマトグラフィー
で精製することにより、1−(2,5−ジアセトキシ−
3,4,6−トリメチルフェニル)−5,5−ジメトキ
シ−3−メチル−3−ペンタノール315mgを得た
(収率59%)。
【0034】参考例4 1−(2,5−ジアセトキシ−3,4,6−トリメチル
フェニル)−5,5−ジメトキシ−3−メチル−3−ペ
ンタノール315mg(0.8mmol)をアセトン5
mlに溶かし、0.1N塩酸2mlを加え、室温で2時
間攪拌したのち、ジエチルエーテルを加え、抽出した。
エーテル層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、
無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過後濃縮し、シリ
カゲルクロマトグラフィーで精製することにより、下記
の物性を有する5−(2,5−ジアセトキシ−3,4,
6−トリメチルフェニル)−3−メチル−2−ペンテン
−1−アール198mgを得た(収率75%)。
【0035】1H−NMR(CDCl3 )δ:1.80
−2.00(2H,m)、2.04(6H,s,2×C
3 )、2.06(3H,s,CH3 )、2.08(3
H,s,CH3 )、2.60(m,2H)、5.92
(1H,d,J=7Hz,=CH−CHO)、10.0
1(1H,d,J=8Hz,CHO) マススペクトル(m/z) 322(M+
【0036】参考例5 参考例3においてアセチルクロライドの代わりにエトキ
シオキザリルクロライドを用いた以外は参考例3と同様
に反応および分離精製を行うことにより、1−(2,5
−ビス(エトキシオキザリルオキシ)−3,4,6−ト
リメチルフェニル)−5,5−ジメトキシ−3−メチル
−3−ペンタノールを得た。
【0037】参考例6 参考例4において1−(2,5−ジアセトキシ−3,
4,6−トリメチルフェニル)−5,5−ジメトキシ−
3−メチル−3−ペンタノールの代わりに1−(2,5
−ビス(エトキシオキザリルオキシ)−3,4,6−ト
リメチルフェニル)−5,5−ジメトキシ−3−メチル
−3−ペンタノールを用いた以外は参考例4と同様に反
応および分離精製を行うことにより、下記の物性を有す
る5−(2,5−ビス(エトキシオキザリルオキシ)−
3,4,6−トリメチルフェニル)−3−メチル−2−
ペンテン−1−アールを得た(収率70%)。
【0038】1H−NMR(CDCl3 )δ:1.44
(3H,t,J=7Hz,CH2 CH3 )、1.46
(3H,t,J=7Hz,CH2 CH3 )、2.02−
2.36(14H,m,3×Ar−CH3 ,=C−C
3 ,CH2 )、2.69(2H,br,CH2 )、
4.47(4H,q,J=7Hz,CH2 CH3 )、
5.89(1H,d,J=8Hz,CHCHO)、1
0.01(1H,d,J=8Hz,CHO) マススペクトル(m/z) 448(10,M+ )、430(25,M−H2 O)、
357(100)、265(60)
【0039】実施例1〜3 5−(2,5−ビス(エトキシオキザリルオキシ)−
3,4,6−トリメチルフェニル)−3−メチル−2−
ペンテン−1−アール50mg(0.11mmol)を
水飽和のジイソプロピルエーテル0.5mlに溶かし、
リパーゼAY(キャンディダ属由来;天野製薬株式会社
製)、リパーゼPL(アルカリゲネス属由来;名糖産業
株式会社製)またはリパーゼOF(キャンディダ属由
来;名糖産業株式会社製)50mgを加え、室温で攪拌
した。濾過して酵素を除いたのち、濃縮し、シリカゲル
クロマトグラフィーで精製することにより、下記の物性
を有する(S)−2−(3,4−ジヒドロ−6−ヒドロ
キシ−2,5,7,8−トリメチル−2H−ベンゾ−1
−ピラン−2−イル)エタナールを得た。結果を表1に
示す。なお、得られたクロマンエタナールの分析は、還
元して対応するクロマンエタノールに変換したのち、光
学異性体分離カラムを用いたHPLC分析により行っ
た。
【0040】1H−NMR(CDCl3 )δ:1.40
(3H,s,CH3 )、1.90−1.93(2H,
m)、2.10(3H,s,Ar−CH3 )、2.12
(3H,s,Ar−CH3 )、2.17(3H,s,A
r−CH3 )、2.51−2.75(4H,m)、4.
28(2H,s,OH)、9.92(1H,t,J=2
Hz,CHO) マススペクトル(m/z) 248(M+ ) 旋光度 [α]D 22+10.38(c=0.42,CHCl3
【0041】HPLC条件 カラム:Daicel Chiralcel OJ 溶媒:ヘキサン/イソプロピルアルコール=30/1 流速:0.5ml/min 波長:254nm
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】酵素により加水分解されて生成する水酸
基が不斉な環境にあることを利用して、光学活性なクロ
マン化合物を製造する方法が提供される。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(I) 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は水素原子、ハロ
    ゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、アルケニル
    基、アラルキル基、アリール基、シアノ基または保護さ
    れていてもよい水酸基を表し、R5 は水素原子またはア
    ルキル基を表し、Yは電子吸引性基を表し、Xはアシル
    基またはアルコキシオキザリル基を表す。)で示される
    エステル化合物を、不活性溶媒中、水および加水分解酵
    素の存在下、加水分解と同時に閉環させることを特徴と
    する下記式(II) 【化2】 (式中、R5 およびYは前記定義のとおりであり、
    11、R21、R31およびR41は水素原子、ハロゲン原
    子、アルキル基、アルコキシル基、アルケニル基、アラ
    ルキル基、アリール基、シアノ基または保護されていて
    もよい水酸基を表す。)で示される光学活性クロマン化
    合物の製造法。
JP7053695A 1995-03-02 1995-03-02 光学活性クロマン化合物の製造法 Pending JPH08238095A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003031429A1 (en) * 2001-10-05 2003-04-17 Wyeth A process for the stereoselective synthesis of 2-hydroxymethyl-chromans
US6716998B2 (en) 2001-10-05 2004-04-06 Wyeth Process for synthesis of 2-yl chroman derivatives

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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