JP2005506918A - ポリエステルの固有粘度の増大方法および装置 - Google Patents

ポリエステルの固有粘度の増大方法および装置 Download PDF

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Abstract

ポリエステルプラスチックのメルトを粒状化し、粒状化後に熱処理容器(13)に搬送してその中で熱処理を行うことからんる、固相重合によりポリエステルの固有粘度を増大させる方法であって、粒状物をその溶融温度よりわずかに低い温度で製造し、粒状物の残留熱を利用するように、それを粒状化後に直ちに熱処理容器(13)に送給する方法、ならびに粒状化ユニットと熱処理ユニットとを備えた固相重合によりポリエステルの固有粘度を増大させるための設備であって、熱処理ユニットとして、非加熱の断熱容器(13)または壁面加熱手段(15)を有する容器(13)が設けられ、これが搬送手段(11, 36, 37)を介して粒状化ユニットに直結されている設備。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエステルプラスチックスのメルトを粒状化し、粒状化後に熱処理のために熱処理容器内に搬送する固相重合によるポリエステルの固有粘度(極限粘度数)の増大法、ならびに粒状化ユニットと熱処理ユニットとを備えた、固相重合によりポリエステルの固有粘度を増大させるための設備 (装置) に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、PETおよびPENといった高分子量ポリエステルは、低分子量ポリエステルの出発材料から、通常は溶融重合もしくは固相重合により、または両方の手法の組合わせによって製造される。これらの方法の助けを借りて、ポリエステルの比較的低い固有粘度 (IV) が高められる。溶融重合では、ポリエステルのメルトを約1mbarの高真空下において、ほぼ270 ℃〜280 ℃前後の温度で約30分から5時間処理する。この場合に問題となるのは、高い処理温度のためにポリエステルの分解過程が起こることと、溶融温度より降温での処理時間が極めて長い場合にはポリエステルが黄色くなることである。さらに、この手法により達成可能な固有粘度の値は制限される。
【0003】
固相重合の場合、通常はポリエステルのメルトをいくつかのノズルから押し出し、それにより生ずるプラスチックのストランドをその後、水浴中で冷却する。プラスチックのストランドが固化した後、それを粒状化、即ち、粒状物に切断する。こうして粒状のポリエステル材料が非晶質状態で得られ、これをいわゆる結晶化装置 (クリスタライザ) に送り、そこで粒状物は、この固相重合容器内での粒状物どうしの粘着を防止するために激しく攪拌されながら、結晶化温度 (約100 ℃〜130 ℃) を超える温度にされる。その後、粒状物は固相重合容器内で、まず不活性気流または 0.5〜2 mbarの真空下に加熱要素によって約220 ℃か250 ℃の温度に加熱され、次いで所望の固有粘度が達成されるまでこれらの条件下に約1〜40時間保持される。
【0004】
US 5,391,694 Aから、粒状物の固有粘度を増大させるための反応時間の改善が、末端側が開いた凹部を有する粒状物によって固相重合容器内で達成されうる固相重合方法が公知である。
【0005】
一方、US 4,755,587 Aによると、高分子量ポリエステルを生成させるために、粒状物を多孔質の球状体 (ピル) に賦形する。
EP 0 856 537 Aには、高度に分散した固有粘度を有する異なるPET材料を出発材料として使用し、これを2段の固相重合法により処理する、増大した不均質な固有粘度を有するポリエチレンテレフタレート (PET) の製造方法が記載されている。第1段では、PETおよびPVC材料を小板状 (粒子) に切断またはチョップし、次いでそれを130 ℃に約3.5 時間加熱する。この熱処理で、PET粒子は単に乾燥されるだけであるが、PVC粒子は褐色になるので、その後に色感知カメラの助けを借りて分離することができる。次いで、分離したPET粒子を窒素雰囲気の容器内で約220 ℃に加熱する。その後、それを第2段の固相重合用の容器に移し、その容器内で該粒子を220 ℃にさらに4時間加熱しなければならない。従って、この方法は多量のエネルギーを使う熱供給を反復して必要とする。
【0006】
DE 40 32 510 Aには、高分子量のポリエステル樹脂を連続的に製造する方法が記載されているが、ピロメリト酸二無水物の混合物を結晶化PET粉末中にどのように供給するかを詳しく開示しているだけである。
【0007】
DE 43 09 227 Aから、重縮合物を粒状化し、粒状物をまず固化ならびに結晶化させた後に初めて、固相で重縮合させる、ポリエステルの連続的な製造方法が公知である。容器内で、ポリエステルの第一軟化温度が元の温度に対して約4℃〜約8℃だけ高くなるまで、露点が処理温度より低い空気、CO2 、N2 または他の混合ガス中で粒状物を固化のために30℃前後の温度で処理する。従って、この場合もやはり、粒状物の固化のための冷却とその後の加熱により多量のエネルギー消費がまさっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
公知の固相重合法には、エネルギー消費量が非常に高いという点を別にしても、粒状物を固相重合容器内で通常は200 ℃から250 ℃の温度に加熱するために複雑な加熱および混合手段を必要とするという難点がある。
【0009】
従って、本発明の目的は、エネルギー消費量を可及的に低く抑えることができ、しかも固相重合容器内での複雑な加熱手段を必要としない、最初に述べたような方法および設備を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
最初に述べたような方法では、この目的は、粒状物をその融点よりわずかに低い温度で製造し、粒状化後に直ちに熱処理容器に供給して、粒状物中に優勢な残留熱を利用するようにすることにより達成される。
【0011】
プラスチック材料を粒状化中に可及的に温かく保持し、こうして次の熱処理容器内での加熱に必要なエネルギー消費を可及的に低く抑えるために、本発明の方法では、粒状物をその溶融温度よりほんのわずかだけ低い温度で製造し、結晶化した外層または外殻を生成させるが、内部のプラスチック材料はまだ粘稠なままとする。生成した粒状物は直ちに隣接する熱処理容器にそのまま運ばれることによって、粒状物中に貯蔵されている残留熱を利用することができ、それにより固相重合に必要なエネルギー消費を低減することができる。さらに、複雑な加熱技術も必要ない。
【0012】
溶融温度よりわずかに低いだけの温度での粒状化は、粒状物を液体中で回転するカッター・ローターによって製造する場合には単純なやり方で調整することができる。
粒状物をその製造直後に該液体から分離すると、粒状物はその外層が単純なやり方でその固化温度より低温に冷却され、それによりかなりの残留熱が粒状物に貯蔵される。
【0013】
粒状物が溶融する時に、一軸、二軸または多軸スクリュー押出機により調製されたポリエステルのメルトは、いわゆる加水分解的な分解を受ける傾向があり、それによりメルト中に存在する水分子がポリエステルの粘度低下を生ずることがある。この粘度低下を防止するため、ポリエステルの出発材料を粒状化の前に乾燥しておくのが好適である。
【0014】
同様に、ポリエステル出発材料の温和な処理のために、ポリエステルプラスチックのメルトを粒状化の前に、負圧、好ましくは1〜40 mbar の負圧で排気することが有利であるが、それは、こうしてポリエステル出発材料の押出中の固有粘度の低下を可及的に少なく抑えることができるからである。
【0015】
押出機内で、または熱処理容器からの出口で、メルトの粘度を測定すれば、それぞれ粒状化前、または熱処理後ののポリエステルの固有粘度に応じて、熱処理容器内での滞留時間、従って、IV値、を制御することが有利なやり方で可能となる。
【0016】
好ましくは実質的に1〜3mbarの負圧を熱処理容器内に生ずると、比較的短い熱処理容器内の滞留時間で特に高い固有粘度が得られることが試験で示された。
粒状化装置から出た後の粒状物の温度を可及的に高く保持するために、粒状物を熱処理容器に導入している間にそれを加熱することが有利である。
【0017】
最初に述べたような本発明に係る設備は、熱処理ユニットとして、非加熱の断熱容器または壁面加熱手段を有する容器を備え、この容器が搬送手段を介して粒状化ユニットに直結している。粒状化ユニットを搬送手段を介して熱処理ユニットに直結することにより、その融点よりずっと低い温度まではまだ冷却されていない粒状物を、その製造直後に熱処理容器に搬送することができ、粒状物に貯蔵されている残留熱の利用が可能となる。まだ温かい粒状物の実質的な加熱が必要ないので、熱処理容器は従来技術に比べて比較的単純な構造のものとすることができ、断熱容器または単純な壁面加熱手段を備えた容器で十分である。その結果、ポリエステルの固有粘度を増大させるために、構造が単純で、しかもエネルギーも節約できる設備が構築される。
【0018】
可及的に均一に混合された材料を得るために、特に粒状物を容器に不連続に供給する場合には、容器に少なくとも1つの混合要素を設けることが有利である。その場合、混合要素は可能なら容器全体の粒状物を混合する。もちろん、例えば、攪拌要素といった任意の所望の混合要素も、さらにはいわゆるタンブルドライヤーも使用できる。特に容器が連続供給される場合には、導入された粒状物を容器の内部でも加熱するように、混合要素が加熱可能であると有利である。
【0019】
熱処理容器に不活性ガス、例えば、窒素を充満させる場合、本発明の方法は実質的に完璧に進行し、さらに不活性ガスは同時に熱保有媒体としても使用でき有利である。
粒状物を切断チャンバーに導入された冷媒から粒状物の製造後に可及的に直ちに分離し、こうして粒状物に可及的に多くの残留熱を貯蔵するために、粒状化ユニットが切断チャンバーと直接隣接する分離(スクリーニング)手段を備えると有利である。
【0020】
粒状化のために供給されたポリエステル材料の溶融温度よりわずかに低温に確実に温度を調節するために、粒状化ユニットは液体で満たされた切断チャンバーを備えることが適当である。
【0021】
粒状物を溶融温度よりわずかに低い、可及的に高温で製造するため、切断チャンバーに供給する液体は大気圧で水より沸点が高いと有利である。これは、例えば、液体が水/グリコールの混合物であると簡単に可能となる。
【0022】
切断チャンバーに導入される冷媒の沸点温度を高くし、こうして比較的高温の粒状物の製造を可能にするために、切断チャンバーが加圧チャンバーであると好適である。
粒状物を粒状化ユニットから熱処理ユニットに搬送する間のその冷却を防止するために、可能なら、搬送手段を断熱すると有利である。また、粒状物を可及的に高い温度で熱処理ユニットに導入するように搬送手段を加熱可能にすることもできる。
【0023】
予備乾燥ユニット、好ましくは真空乾燥機、熱風乾燥機等、を搬送方向で見て、粒状化ユニットの上流に、場合によっては先行する押出機の上流に、配置すると、いわゆる加水分解的劣化のためにポリエステルの粘度低下を生ずるメルト中に存在する水分子の数を減少させることができる。
【0024】
ポリエステル出発材料を可及的に穏やかに処理して、ポリエステル出発材料の押出中の固有粘度の低下を可及的に低く抑えるために、粒状化ユニットの上流に配置される押出機が少なくとも1つの脱ガス帯域を備え、それにそれぞれ好ましくは1〜40 mbar の真空または負圧を印加すると好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
次に、添付図面に示した好ましい例示の態様により本発明をさらに説明するが、本発明はそれに制限されるものではない。
図1にはポリエステルの固有粘度を高めるための設備および方法が示されている。図中、ポリエステル出発材料は、予備乾燥容器2からプラグスクリュー2'を経て押出機4に導入される。モーター3'により駆動される真空システム3が、この予備乾燥容器2ならびに押出機4の脱ガスシステム4'に連結されていて、ポリエステル出発材料の含水量を低減させると同時に、メルトから水蒸気およびモノマーを抜き取るようになっている。
【0026】
次いで、ポリエステル出発材料は、濾過手段5'で清浄化された後、水中粒状化手段5によって小片に切断される。その際に、粒状化ヘッド6から出たプラスチックのストランドは、カッター9により粒子状に切断される間に、冷却チャンバー7において冷媒8によりポリマーの溶融温度よりわずかに低いだけの温度に冷却される。冷媒8は、モーター10' により駆動されるポンプ10によって切断チャンバー7に送られる。冷媒8として、例えば、水または水−グリコール混合物、を供給することができる。表面だけが冷却されたプラスチックのストランドは直ちにカッター9により切断され、こうして得られた粒状物は、製造後に直ちにスクリューコンベヤ11の方に送られる。粒状物は冷却後、直ちにスクリーン12によって冷却用の水8から分離され、それにより粒状物はその溶融温度よりわずかに低いだけの温度に冷却される。
【0027】
スクリューコンベヤ11を経て粒状物は次に熱処理容器13に送られる。この容器はSSP (固相重合) 反応器とも呼ばれる。スクリューコンベヤ11は、粒状物をその溶融温度よりは低いが、可及的に高い温度で熱処理容器13に導入するように、断熱部材14と加熱要素15を有する。さらに、粒状物を混合して粒状物が互いに粘着するのを防止するように、スクリュー16を包囲するチューブ16' 上の一部の領域内に内向きに突き出た混合要素18が設置されている。
【0028】
こうしてかなりの残留熱をなお含んでいる粒状物は、次に熱処理容器13に送られる。熱処理容器13は、スクリューコンベヤ11に対してスライド部材20' を含んだ真空密スルース20により閉鎖してもよい。熱処理容器13は断熱外壁14' を有し、その中に加熱要素15' を設けただけである。粒状物になお存在する残留熱のために、固相重合のために必要なエネルギーの供給は、既知のSSP反応器に比べてかなり低くなる。さらに、モーター17' により駆動される真空ポンプ17が、約1〜3mbarの真空を生ずるように熱処理容器13に設置されている。
【0029】
熱処理容器13への装入とそれからの排出は連続と不連続のいずれでもよい。不連続装入の場合、熱処理容器13が、図1に示すように、熱処理容器13内で粒状物を混合するための混合要素19を備えていて、こうして排出時に均一に混合された材料が得られるようにするのが好適である。図1に示した例示態様では、混合要素19は軸方向に設けられた加熱要素19' をさらに備える。モーター22が混合要素19を駆動するために設けられる。
【0030】
可及的に均一な混合物を得るために、固有粘度の測定を、押出機4から出た後のいわゆるインライン (ライン内) 粘度計23により、または熱処理容器13からスルース21を経て出た後に粘度計23' により行うことができる。これらの粘度測定により、プロセスパラメータ (熱処理容器13内の温度および滞留時間ならびに予備乾燥容器2内での乾燥時間) を制御することができる。さらに、それぞれポリエステル出発材料を乾燥し、シリンダを脱ガスするための真空システム3を、測定された粘度に応じて制御することができる。
【0031】
図2には、類似の設備1が示されているが、装入が不連続である場合に交互に粒状物を装入することができるように、2つの熱処理容器13が設けられている。また、加熱手段25ならびに熱交換器26が冷媒貯蔵容器8'内に示されており、それらにより粒状化ヘッド6から出てくるプラスチックストランドを冷却するための冷媒の温度を制御することができる。他の点では、図2の設備は図1のものと同じであるので、その説明を繰り返す必要はない。
【0032】
図3には水中粒状化システム5'が示されており、そこでは冷媒8がポンプ10の助けを借りて約6bar で耐圧切断チャンバー7に搬送される。これにより、冷媒8の沸騰温度を高めることができ、従って、より高い温度で粒状物を製造することができる。スクリューコンベヤ11での確実な搬送のために、コンベヤが加圧、例えば、耐圧切断チャンバー7の場合で約5bar に加圧され、この目的のためにそれぞれモーター28' により駆動されるポンプまたはコンプレッサー28が設けられる。
【0033】
図4には、包囲された加圧冷媒を備えた圧力チャンバー29での粒状化が示されており、固化したプラスチックストランド30が圧力ロール32により粒状化ロール31からカッターヘッド33に送られる。この場合も、スクリューコンベヤ11を空気または不活性ガス、例えば、窒素で加圧するように、ポンプ28がスクリューコンベヤ11に接続される。
【0034】
図5は設備1の別の例示態様を示し、ここではプラスチックストランド30はその表面がごく簡単に冷却され、この目的のために水噴霧手段34が配置される。その後、プラスチックストランド30はコンベヤベルト35によりカッターヘッド33に送られる。粒状化後、粒子は漏斗型の管状ダクト36の助けを借りて熱処理容器13に重力によりさらに搬送される。
【0035】
図6からわかるように、粒状物を粒状化手段5から熱処理容器13に搬送するために、スクリューコンベヤの代わりに空気圧コンベヤ37を設けて、粒状物を管状ダクト38を経て熱処理容器13に搬送するようにしてもよい。搬送空気を加熱するために、加熱手段39が設けられる。
【0036】
もちろん、粒状化手段から熱処理容器13への搬送ならびに粒状化は他の可能な手段によって行うことも考えられ、不可欠であるのは. 粒状物をその溶融温度よりやや低い温度で調製し、その残留熱を利用するようにそれを直ちに熱処理容器に送ることだけである。
【0037】
ポリエステルの固有粘度を高めるために本発明に係る設備を使用した1つの試験例において、粒状物をスクリーン12によって冷却水8から分離し、混合要素18を備えた長さ2メートルのスクリューコンベヤ11を経て、真空密スルース20により閉鎖されている熱処理容器13に供給した。熱処理容器13は断熱部材14' を備えているだけであった。熱熱処理容器13には連続的に印加された1〜3mbarの真空下で粒状物約200 kgを充填した。その後、熱処理容器13内の粒状物の温度を測定し、容器13内の粒状物の温度を212 ℃に調整した。
【0038】
粒状物を1〜2mbarの真空下で熱処理容器13内に6時間放置した。約6時間後、熱処理容器13内の粒状物の温度は185 ℃であった。取り出した粒状物を次に周囲空気により冷却した。固有粘度の測定は、平均IV値が0.72〜0.75 dl/g であることを示した。
【0039】
比較のために、従来技術に従った固相重合設備を用いて、粒状物を水から分離した後、遠心機内で乾燥した。この場合、冷却水温度は約15 m3/g の流量で90℃であった。粒状物の捕集容器内で、40℃〜70℃の温度が測定された。粒状物のIV値は0.63〜0.65 dl/g であり、従って、本発明の設備で達成された値より約0.1 dl/gだけ低かった。
【0040】
どちらの試験でも、使用したのは、残留水分が0.5 %未満でPVC部分が10 ppm未満ののPETボトルからの粒状物であり、0.71〜0.74 dl/g のほぼ等しい固有粘度IVの値を有していた。真空度が高い方が押出機での分解値がさらに低減するので、押出機での脱ガス中に、負圧で約40 mbar の真空を水封真空ポンプにより印加した。押出機の処理量はスクリュー回転速度が125 rpm で約 220〜240 kg/hであった。ポリエステル出発材料は約270 ℃で処理した後、標準的な水中粒状化により3〜3.5 mmの粒径の粒状物に切断した。
【0041】
従って、結果を公知の設備および方法と比べると、それぞれ本発明に係る設備および本発明に係る方法により、固有粘度の平均値がより高いポリエステルを実質的により少ないエネルギー消費で製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】固相重合により固有粘度を増大させるための設備の説明図を示す。
【図2】2つの熱処理容器を備えた、図1に似た設備の説明図を示す。
【図3】加圧冷媒を備えた、図1および2に類似の設備の説明図を示す。
【図4】粒状化ロールを備えたポリマーの固有粘度を増大させるための設備の説明図を示す。
【図5】コンベヤベルトと水噴霧手段ならびに熱処理容器への比重搬送を備えたポリマーの固有粘度を増大させるための設備の説明図を示す。
【図6】空気圧コンベヤを備えたポリマーの固有粘度を増大させるための設備の説明図を示す。

Claims (21)

  1. ポリエステルプラスチックのメルトを粒状化し、粒状化後に熱処理容器(13)に搬送してその中で熱処理を行う、固相重合によりポリエステルの固有粘度を増大させる方法であって、粒状物をその溶融温度よりわずかに低い温度で製造し、粒状物の残留熱を利用するように、それを粒状化後に直ちに熱処理容器(13)に送給することを特徴とする方法。
  2. 粒状物を液体中で回転する切断ローター(9) により製造することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 粒状物をその製造後に直ちに該液体から分離することを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  4. ポリエステル出発材料を粒状化前に乾燥することを特徴とする、請求項1〜3 のいずれか1項に記載の方法。
  5. ポリエステルプラスチックのメルトを粒状化前に、負圧、好ましくは1〜40 mbar の負圧で排気することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 熱処理容器(13)内の滞留時間を、それぞれ粒状化前または熱処理後のポリエステルの固有粘度に応じて制御することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 熱処理容器(13)内に好ましくは 0.1〜3 mbarの負圧を生じさせることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 粒状物を熱処理容器(13)に送給している間に加熱することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 粒状化ユニットと熱処理ユニットとを備えた、固相重合によりポリエステルの固有粘度を増大させるための装置であって、熱処理ユニットとして、非加熱の断熱容器(13)または壁面加熱手段(15)を有する容器(13)が設けられ、これが搬送手段(11, 36, 37)を介して粒状化ユニットに直接連結されていることを特徴とする装置。
  10. 容器(13)に少なくとも1つの混合要素(19)が設けられていることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
  11. 混合要素(19)が加熱可能である、請求項10に記載の装置。
  12. 熱処理容器が不活性ガスで満たされている請求項9〜11のいずれか1項に記載の装置。
  13. 粒状化ユニット(5) が、切断チャンバー(7) に直接隣接している分離手段(12)を備えることを特徴とする、請求項10〜12のいずれか1項に記載の装置。
  14. 粒状化ユニット(5) が液体(8) で満たされた切断チャンバー(7) を備えることを特徴とする、請求項11〜13のいずれか1項に記載の装置。
  15. 切断チャンバー(7) に供給された液体(8) が大気圧で水より高い沸点を有することを特徴とする、請求項14に記載の装置。
  16. 液体(8) が水/グリコールの混合物であることを特徴とする請求項15に記載の装置。
  17. 切断チャンバー(7) が圧力チャンバーであることを特徴とする、請求項13〜16のいずれか1項に記載の装置。
  18. 搬送手段(11)が断熱されていることを特徴とする、請求項9〜17のいずれか1項に記載の装置。
  19. 搬送手段(11)が加熱可能であることを特徴とする、請求項9〜18のいずれか1項に記載の装置。
  20. 予備乾燥ユニット、好ましくは真空乾燥機、熱風乾燥機等、が搬送方向で見て粒状化ユニット(5) の上流に配置されていることを特徴とする、請求項9〜19のいずれか1項に記載の装置。
  21. 粒状化ユニット(5) の上流に配置されている押出機(4) が少なくとも1つの脱ガス帯域を備え、これに好ましくは1〜40 mbar の真空が印加されていることを特徴とする、請求項9〜20のいずれか1項に記載の装置。
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