JP2005503337A - 特にカップリング剤として使用できるポリスルフィドオルガノキシシラン、それらを含有するエラストマー組成物及びそのような組成物から製造されたエラストマー製物品 - Google Patents

特にカップリング剤として使用できるポリスルフィドオルガノキシシラン、それらを含有するエラストマー組成物及びそのような組成物から製造されたエラストマー製物品 Download PDF

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Abstract

本発明は、式(I)
【化1】
Figure 2005503337

(ここで、R1、R2及びR3は1価の炭化水素基であり、xは3±0.1〜5±0.1の範囲の数である。)
のプロピレン結合ポリスルフィドモノオルガノキシシランに関する。該化合物は、補強用充填剤として珪質材料のような白色充填剤を含有するジエンゴム組成物における白色充填剤−エラストマーのカップリング剤として使用することができる。また、本発明は、少なくとも1種の式(I)のポリスルフィドシランを含有するジエンエラストマー組成物並びに該組成物から製造されたジエンエラストマー製物品に関する。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なポリスルフィドオルガノキシシラン、これらを製造する方法並びにこれらを、白色充填剤、特に珪質材料を補強用充填剤として含むゴム組成物における白色充填剤−エラストマーのカップリング剤として使用することに関する。また、本発明は、このようなカップリング剤を含むゴム組成物並びにこれらの組成物の一つに基材とする物品も目標とする。
【0002】
本発明のカップリング剤は、種々の応力、例えば、温度の変化、動的条件下での高周波負荷の変化、高い静応力又は動的条件下での高い屈曲疲れを受けるエラストマー製物品の製造に特に有用である。このタイプの物品の例としては、コンベヤベルト、動力伝動ベルト、フレキシブルパイプ、伸縮継手、家庭電気製品用のシール、エンジンの振動を除くように作用する支持体(金属骨格又はエラストマー内の作働液のいずれかと共に)、ケーブル、ケーブルの外装材、靴底及び索道用のローラーがある。
【背景技術】
【0003】
このような物品の製造に適切なエラストマー組成物は、次の性質を示すべきである。
・特に押出及びカレンダー加工の操作における製造された原料ブレンドの大きな加工容易性のために可能な限り低い粘度により特徴づけられる流動学的性質、
・加硫プラントの優秀な生産性を達成するために可能な限り短い加硫時間、
・充填剤により与えられる優秀な補強性、特に最適値の引張弾性率及び引張強さ。
【0004】
このような目的を達成するために、多数の解決策が提案されたが、これらは本質的には補強用充填剤によって変性されたエラストマーの使用に集中していた。一般的に、充填剤により与えられる最適な補強性を得るためには、このものがエラストマーマトリックス内に可能な限り微細状で且つ可能な限り均一に分布した最終形態で存在することが推められることが知られている。実際には、このような条件は、充填剤が第一にエラストマーとの配合中にマトリックス内に組み入れられ、解凝集し、且つ、第二にエラストマーマトリックス内に均一に分散する非常に良好な能力を示す限りにおいて、生じ得るに過ぎない。
【0005】
カーボンブラックがこのような能力を示す充填剤であるが、これは一般的に白色充填剤についてはそうではないことが知られている。白色補強用充填剤単独、特に補強用シリカ単独の使用は、このような組成物のある種の性質、従ってこれらの組成物を使用した物品のある種の性質のレベルが低いために不適切であることが証明された。白色充填剤、特にシリカの粒子は、相互親和性のために、エラストマーマトリックス内で互いに凝集するという不適切な傾向を有する。これらの充填剤/充填剤の相互作用は、充填剤の分散を制約し、従って補強性を、配合操作中に創生され得る(白色充填剤−エラストマー)結合の全てが実際に得られるならば理論的に達成可能であろう補強性よりも相当に低いレベルに、制約するという有害な結果を有する。更に、これらの相互作用は、エラストマー組成物の原料状態における粘度を上昇させ、従ってそれらの使用をカーボンブラックの存在下におけるよりも一層困難にさせる傾向もある。
【0006】
当業者には、カップリング剤(結合材として知られる。)であって、その役割が白色充填剤粒子の表面とエラストマーとの間に結合を提供すると共にエラストマーマトリックス内へのこの白色充填剤の分散を容易にさせることであるものを使用することが必要であることが知られている。
【0007】
用語“白色充填剤−エラストマーのカップリング剤”とは、知られたように、白色充填剤とエラストマーとの間に性質上化学的及び(又は)物理的な満足できる結合を確立できる薬剤を意味するものと解されたい。このようなカップリング剤は、少なくとも二官能性であって、例えば、簡略化された一般式として、“Y−B−X”を有する。ここに、
・Yは、白色充填剤に物理的に及び(又は)化学的に結合できる官能基を表わす。このような結合は、例えば、カップリング剤のケイ素原子と白色充填剤の表面水酸基(OH)(例えば、シリカの場合の表面シラノール)との間で確率可能である。
・Xは、例えば、硫黄原子を介してエラストマーに物理的に及び(又は)化学的に結合できる官能基を表わす。
・Bは、YとXを結合可能ならしめる炭化水素基を表わす。
【0008】
カップリング剤は、知られたように、白色充填剤に関して活性であるY官能基を含むことができるが、エラストマーに関して活性であるX官能基を欠いている単純な白色充填剤の被覆剤と特に混同してはいけない。
【0009】
カップリング剤、特に、シリカ−エラストマーのカップリング剤が非常に多くの文書に記載されたが、最も知られたものは、Y官能基として少なくとも1個のオルガノキシシリル官能基を、X官能基としてエラストマーと反応できる少なくとも1個の官能基、例えば特にポリスルフィド官能基を有する二官能性オルガノキシシランである。
【0010】
しかして、ポリスルフィドオルガノキシシランとして、ポリスルフィドアルコキシシラン、特に、多くの特許又は特許出願に開示されたビス(トリス(C1〜C4)アルコキシシリルプロピル)ポリスルフィドを使用することが提案された。(例えば、FR−A−2149339、FR−A−2206330、US−A−3842111、US−A−3873489、US−A−3997581を参照。)これらのポリスルフィドのうちでは、特に、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(TESPTと省略する。)が挙げられる。このものは、今日、一般的に、充填剤としてシリカを含有する加硫物のために、スコーチの防御、加工の容易性及び補強力の点で最良の妥協をもたらすが、非常に高価であるし、一般的に比較的多量で使用しなければならないという既知の欠点を有する物質であると見なされている。(例えば、特許US−A−5652310、US−A−5684171及びUS−A−5684172を参照。)
【0011】
補強用白色充填剤の粒子とポリスルフィドオルガノキシシラン型のカップリング剤を含有するゴム組成物の製造中においては、当業者に周知のその製造工程の全て又は一部の間に、例えば、慣用の密閉式ミキサーでの混合工程中に、シランのオルガノキシ部分と白色充填剤の表面OH基、例えば、シリカの場合の表面シラノールが係わる化学反応が起こる。文献(A.ハンシュ他の、Kautschuk Gummi、Kunststoffe、80、881(1997)、及びKautschuk Gummi、Kunststoffe、7−8、525(1998)を参照。)に記載のように、シリカとTESPTの場合には、この化学反応は、縮合反応であって、相当なエタノールの発生を伴う。更に詳しくいえば、この化学反応は、珪素に結合した3個のエトキシ官能基を有するオルガノキシシラン、例えばTESPTが使用されたときには、シラン1モル当たり3モルまでのエタノールを放出させる。この放出されたアルコールは、例えば組成物の押出中の望ましくない多孔率の出現及び(又は)ゴム自体の中での気泡の望ましくない形成によって示される、ゴム組成物のその後の転化工程中の技術的な問題点の原因となる。更に、アルコール発生の削減は、環境及び健康の理由からも望ましい。
【0012】
EP−A−1043357において、ポリスルフィドオルガノキシシランカップリング剤であって、珪素により保持されたそのオルガノキシ官能基、例えばエトキシ官能基の数をTESPT(3個のエトキシ官能基のキャリア)のような慣用のカップリング剤と比べて低下させたもので、しかも好ましくは1個のオルガノキシ官能基に等しいように選ばれたものを使用することによってアルコールの発生を削減することが提案された。
【0013】
この従来技術に示された例は、ジスルフィドオルガノキシシランであって、そのオルガノキシシリル及びジスルフィド基が2価のプロピレン結合単位によって互いに結合されたものを例示しており、これはビス(モノエトキシジメチルシリルプロピル)ジスルフィド(MESPDと省略する。本発明による例2(対照例)。)の挙動をビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド(TESPDと省略する。例1、対照例)の挙動と対比することを可能にさせる。得られた結果は、MESPDを使用するゴム組成物が66%まで削減された量のエタノールを放出し、対照例のTESPDにより生じるものと比べて弱められなかった機械的性質を持った加硫物をもたらすことを示す。
【0014】
しかし、EP−A−1043357において例1の組成物と例2の組成物との間でなされた比較は、加硫条件が非常に異なっているといえる。165℃での加硫時間は、TESPDを使用する対照例の例1については16分間であるが、MESPDを使用する本発明に従う例2では30分間である。事実、当業者は、自分に利用できる情報に従って、加硫時間が加硫物の機械的性質に影響を及ぼし得ることを知っている。しかして、EP−A−1043357の実施例1及び2の実験を同じ温度及び加硫時間条件(即ち、165℃及び30分間)で反復して、本出願人は、対照例の例1で使用したトリエトキシカップリング剤(TESPD)を例2で使用したモノエトキシ化合物(MESPD)で置き換えることが、事実放出されるアルコールの量を削減させるが、他方では、EP−A−1043357の実施例から生じるものとは反対に、加硫物の機械的性質のいくつかを、特に高い伸び率でのモジュラス、引張強さ及び補強指数(300%の高い伸び率でのモジュラス対100%の高い伸び率でのモジュラスの比)の相当な弱体化をもたらすことを見出した。この補強指数は、エラストマーに対する白色充填剤のカップリングの有効性と関連している。
【特許文献1】
FR−A−2149339
【特許文献2】
US−A−3842111
【特許文献3】
US−A−5652310
【特許文献4】
EP−A−1043357
【非特許文献1】
A.ハンシュ他、Kautschuk Gummi、Kunststoffe、80、881(1997)
【非特許文献2】
A.ハンシュ他、Kautschuk Gummi、Kunststoffe、7−8、525(1998)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本出願人は、この技術分野における研究を継続し、ここに、プロピレン結合単位を持つモノオルガノキシテトラスルフィドシラン(これは、EP−A−1043357に例示されたプロピレン結合単位を持つモノオルガノキシジスルフィドシランの、ポリスルフィド基に関しての高級同族体、特にビス(モノエトキシジメチルシリルプロピル)テトラスルフィド(MESPTと省略する。)(これらは本発明の主題の一つを構成する。)が、
・同じ加硫条件で相当するトリオルガノキシカップリング剤、特にTESPTと比較したときに、前記したような機械的性質の弱体化により示される欠点を示さないのみならず、
・同じ加硫条件で相当するモノオルガノキシジスルフィド低級同族体シラン、特にMESPDと比較して、原料状態での組成物については、低い最低トルク、高い最高トルク及び高いδ−トルク並びに早い加硫速度を、また加硫物については、何れも高いレベルの、高い伸び率でのモジュラス、引張強さ、補強指数(随意に)及び硬度(ショア硬度など)を達成することも可能にさせ、このことが、全体として、プロピレン結合単位を持つテトラスルフィドモノオルガノキシシランについて、プロピレン結合単位を持つジスルフィドモノオルガノキシシランについて得られるものよりも更に有益な流動学的機械的性質上の妥協を構成する
ことを見出した。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の第一の主題
従って、本発明の第一の主題は、新規物質としての、次式(I):
【化1】
Figure 2005503337
(ここで、
記号R1は、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ、1〜4個の炭素原子を有する線状又は分岐状のアルキル基及び2〜8個の炭素原子を有する線状又は分岐状のアルコキシアルキル基から選ばれる1価の炭化水素基を表わし、
記号R2及びR3は、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ、1〜6個の炭素原子を有する線状又は分岐状のアルキル基及びフェニル基から選ばれる1価の炭化水素基を表わし、
xは3±0.1〜5±0.1の範囲の整数又は分数である。)
のプロピレン結合単位を持つポリスルフィドモノオルガノキシシランに関する。
【0017】
上記の式(I)において、好ましいR1基は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、CH3OCH2−、CH3OCH2CH2−及びCH3OCH(CH3)CH2−から選ばれる。更に好ましくは、R1基は、メチル、エチル、n−プロピル及びイソプロピルから選ばれる。
好ましいR2及びR3基はメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、n−ヘキシル及びフェニルから選ばれる。更に好ましくは、R2及びR3基はメチルである。
整数又は分数であるxは、好ましくは3.5±0.1〜4.5±0.1、更に好ましくは3.8±0.1〜4.2±0.1の範囲にある。
【0018】
本発明が特に目的とする式(I)に相当するポリスルフィドモノオルガノキシシランは、次式(II)、(III)及び(IV):
【化2】
Figure 2005503337
(ここで、記号xは3±0.1〜5±0.1の範囲、好ましくは3.5±0.1〜4.5±0.1、更に好ましくは3.8±0.1〜4.2±0.1の範囲の整数又は分数である。)
の化合物である。
【0019】
本明細書において、式(I)、(II)、(III)及び(IV)における記号xは、式(I)、(II)、(III)及び(IV)に存在する硫黄原子の数を表わす整数又は分数である。
この数は、考慮中の化合物の合成経路が1種類のポリスルフィド生成物のみをもたらし得る場合には、正確な硫黄原子の数である。
【0020】
しかし、実際には、この数は、選ばれた合成経路が代わりにポリスルフィド生成物の混合物であってそれぞれ異なった数の硫黄原子を有するものをもたらす限りでは、考慮中の化合物の1分子当たりの硫黄原子数の平均である。この場合に、合成されたポリスルフィドモノオルガノキシシランは、事実、モル数での平均値(記号xの値)を中心にして、ジスルフィドS2からこれよりも重いポリスルフィドS 5までの範囲のポリスルフィドの分布からなり、該範囲は前記した一般的範囲(xが3±0.1〜5±0.1の範囲にある。)、好ましい範囲(xが3.5±0.1〜4.5±0.1の範囲にある。)、更に好ましい範囲(xが3.8±0.1〜4.2±0.1の範囲にある。)にあるものである。有利には、合成されたポリスルフィドモノオルガノキシシランは、40%以上、好ましくは50%以上の(S3+S4)及び60%以下、好ましくは50%以下の(S2+S 5)のモル量であるポリスルフィドの分布からなる。更に、S2のモル量は、有利には30%以下、好ましくは20%以下である。限界値の全ては、測定(NMRによる)の精度内で、約±1.5の絶対誤差でもって示される(例えば、最後に示した量については20±1.5%)。
【0021】
本発明の第二の主題
本発明の第二の主題を構成する式(I)、(II)、(III)又は(IV)のポリスルフィドモノオルガノキシシランは、下記の方法又は関連する方法のいずれかを使用することによって得ることができる。
【0022】
方法A
式(I)、(II)、(III)又は(IV)の化合物は、次の合成反応式1:
【化3】
Figure 2005503337
(ここで、
記号R1、R2、R3及びxは本発明の第一の主題において定義した通りであり、
記号Halは塩素、臭素及び沃素原子から選ばれるハロゲン原子、好ましくは塩素原子を表わし、
記号Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属、好ましくはリチウム、ナトリウム及びカリウムを表わす。)
を適用することによって、式(V)のハロゲン化モノオルガノキシシランを式(VI)の無水多硫化金属と、−20℃〜90℃の範囲の温度で、要すれば、不活性の極性(又は非極性)有機溶媒の存在下に、直接反応させることによって得ることができる。
【0023】
上記合成の実際の実施方法に関して、更なる詳細については、その他の反応体から出発して、考慮する合成の実施に適用できる操作手順を例示するEP−A−0848006の内容を参照されたい。このEP出願の内容は、参照することによってその全てをここに含めるものとする。
【0024】
式(V)のハロゲン化シランは、商用の物質又は商用の物質から容易に製造できる物質である。式(VI)の多硫化金属は、例えば、結晶水を含む硫化アルカリM2Sと元素状硫黄との反応により製造でき、この反応は60℃〜300℃の温度で真空下に、有機溶媒の不存在下に実施される。
【0025】
方法B
また、式(I)、(II)、(III)又は(IV)の化合物は、次の合成反応式2:
【化4】
Figure 2005503337
(ここで、
記号R1、R2及びR3は方法Aにおいて定義した通りであり、
x’は、2±0.1〜4±0.1、好ましくは2.5±0.1〜3.5±0.1、更に好ましくは3.8±1〜4.2±1の範囲の整数又は分数である。)
を適用することによって、元素状硫黄を式(VII)のモノオルガノキシシランチオールと、10℃〜250℃の範囲の温度で、要すれば、不活性の極性(又は非極性)有機溶媒の存在下に、直接反応させることに得ることができる。
【0026】
上記合成の実際の実施方法に関して、更なる詳細については、その他の反応体から出発して、考慮する合成の実施に適用できる操作手順を例示するFR−A−2260585の内容を参照されたい。このEP出願の内容は、参照することによってその全てをここに含めるものとする。
式(VII)のシランチオールは、商用の物質又は商用の物質から容易に製造できる物質である。
【0027】
方法C
また、式(I)、(II)、(III)又は(IV)の化合物は、次の合成反応式3:
【化5】
Figure 2005503337
(ここで、
記号R1、R2、R3、x及びHalは方法Aにおいて定義した通りであり、
記号M’はアルカリ金属、好ましくはリチウム、ナトリウム又はカリウムを表わす。)
を適用することによって、元素状硫黄及びアルカリ金属M’を式(V)のハロゲン化シランと、60℃〜100℃の範囲の温度で、要すれば、非プロトン性有機溶媒の存在下に、直接反応させることによって得ることができる。
【0028】
上記合成の実際の実施方法に関して、更なる詳細については、その他の反応体から出発して、考慮する合成の実施に適用できる操作手順を例示するUS−A−6066752の内容を参照されたい。このUS特許の内容は、参照することによってその全てをここに含めるものとする。
【0029】
方法D
また、式(I)、(II)、(III)又は(IV)の化合物は、次の工程(a)及び(b):
(a)次の合成反応式4:
【化6】
Figure 2005503337
(ここで、
M’は方法Cにおいて定義した通りであり、
Rは1〜4個の炭素原子を有する線状又は分岐状のアルキル基、好ましくはエチル基を表わす。)
を適用することによって、H2Sを溶液状で使用される式(VIII)の金属アルコキシドと、25℃〜60℃の範囲の温度で、要すれば、不活性の極性(又は非極性)有機溶媒の存在下に、接触させること、次いで、
(b)元素状硫黄と式(V)のハロゲン化モノオルガノキシシランよりなる混合物を、工程(a)からの反応生成物と、25℃から反応媒体の還流温度までの範囲の温度で、反応させること
を実施することによって得ることができる。これは、本発明の第二の主題と関連して好ましくは使用される方法である。
【0030】
上記工程(a)及び(b)の実際の実施方法に関して、更なる詳細については、その他の反応体から出発して、考慮する合成の実施に適用できる操作手順を例示するUS−A−5489701の内容を参照されたい。このUS特許の内容は、参照することによってその全てをここに含めるものとする。
【0031】
方法E
また、式(I)、(II)、(III)又は(IV)の化合物は、次の合成反応式5:
【化7】
Figure 2005503337
(ここで、記号R1、R2、R3、Hal及びx’は方法A及びB(記号x’について)において定義した通りである。)
を適用することによって、
次の工程(c)及び(d):
(c)アンモニアNH3又はアミンをH2S及び元素状硫黄と25℃程度の周囲温度で接触させること、次いで、
(d)方法Aにおいて定義した式(V)のハロゲン化シランを工程(c)からの反応生成物と、自動圧力下に0℃〜175℃の範囲の温度で、要すれば、不活性の極性(又は非極性)有機溶媒の存在下に、反応させること
を実施することによって得ることができる。これは、本発明の第二の主題と関連して好ましくは使用される別の方法である。
【0032】
上記工程(c)及び(d)の実際の実施方法に関して、更なる詳細については、その他の反応体から出発して、考慮する合成の実施に適用できる操作手順を例示するUS−A−4125552の内容を参照されたい。このUS特許の内容自体も参照することによってその全てをここに含めるものとする。
【0033】
上記の工程(c)の実施の間に、式(IX):(NH42(x'+1)又は式(X):(アミン)2(x'+1)の化合物が現場で形成されるが、この化合物は、事実、式(V)のハロゲン化シランとの反応によって、特に式(I)のポリスルフィドモノオルガノキシシランをもたらす活性成分であることを認識されたい。
【0034】
方法F
また、式(I)、(II)、(III)又は(IV)の化合物は、次の合成反応式6:
【化8】
Figure 2005503337
(ここで、記号R1、R2、R3、Hal、x’、M’及びRは方法A及びB(記号x’について)並びに方法D(M’及びRについて)において定義した通りである。)
を適用することによって、次の工程(e)及び(f):
(e)方法Dにおいて定義した、溶液状で使用される式(VIII)の金属アルコキシドを、25℃〜80℃の範囲の温度で、要すれば、不活性の極性(又は非極性)有機溶媒の存在下に、第一段階で元素状硫黄と、第二段階でH2Sと接触させること、次いで
(f)方法Aにおいて定義した式(V)のハロゲン化シランを工程(e)からの反応生成物と、40℃〜100℃の範囲の温度で、要すれば、自動圧力下で、要すれば、不活性の極性(又は非極性)有機溶媒の存在下に、反応させること
を実施することによって得ることができる。これは、本発明の第二の主題と関連して好ましくは使用される別の方法である。
【0035】
上記工程(e)及び(f)の実際の実施方法に関して、更なる詳細については、その他の反応体から出発して、金属アルコキシド塩基の代わりにアミノ塩基を使用することによって、考慮する合成の実施に適用できる操作手順を例示するUS−A−4125552の内容を参照されたい。
【0036】
上記の工程(c)の実施中に、式(XI):M’2(x'+1)の化合物が現場で形成されるが、この化合物は、事実、式(V)のハロゲン化シランとの反応によって、特に式(I)のポリスルフィドモノオルガノキシシランをもたらす活性成分であることを認識されたい。
【0037】
好ましくは、上記の工程(e)は、金属アルコキシドと硫黄とH2Sとの混合物を20℃〜25℃の範囲の温度で製造し、次いでこの混合物を50℃〜80℃の範囲の温度に30分間〜2時間の範囲の時間にわたり加熱して式(XI)の化合物の生成を完結させ、続いて反応媒体を15℃〜25℃範囲の温度に冷却することによって実施され、次いで工程(f)の操作が開始される。
【0038】
反応体の量に関しては、H2Sの1モル当たり少なくとも2モルの式(V)のハロゲン化シラン及びH2Sの1モル当たり少なくとも2モルのSが存在しなければならない。ポリスルフィド基における元素状の硫黄原子の数S(x'+1)は、H2Sに関するSのモル比に依存する。例えば、H2Sの1モル当たり3モルのS(x’=3)を使用するとテトラスルフィド(x’+1=4)が与えられる。
【0039】
上記した方法Fは、それに自体新規であり、第二の主題となる本発明の他の観点を構成する。この方法は、特に、本発明に従う式(I)のプロピレン結合単位を持つポリスルフィドモノオルガノキシシラン以外のポリスルフィドシランを製造するために有利に使用することができる。
【0040】
しかして、該方法Fは、以下では、方法F’と呼ぶが、これは、次式(XII)
【化9】
Figure 2005503337
(ここで、
記号R1、R2及びR3は本発明の第一の主題で示した式(I)に関して定義した通りであり、
記号a、b及びcはそれぞれ0〜3の範囲の整数を表わし、a+b+cの和は3に等しいものとし、
記号R4は、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ、1〜18個の炭素原子を有する線状又は分岐状の2価のアルキレン基、−アルキレン−シクロアルキレン−基(ここに、アルキレン部分は直前において定義した通りであり、環状部分は5〜10個の炭素原子を含み、要すれば、1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個の線状又は分岐状のアルキル基によって置換されていてもよい。)、2価の−アルキレン−フェニレン−(アルキレン)z−基(ここに、z=0又は1であり、アルキレン部分は直前において定義した通りであり、フェニレン部分は1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個の線状又は分岐状のアルキル基によって置換されていてもよい。)から選ばれる2価の基を表わし、
記号Yは2±0.1〜10±0.1の範囲の整数又は分数を表わす。)
のポリスルフィドシラン(ここに、式(I)に相当するポリスルフィドモノオルガノキシシラン、即ち、まとめてa=b=c=1であり、R4=−(CH23−であり且つyが3±0.1〜5±0.1の範囲の数である式(XII)のポリスルフィドシランは該式(XII)から除外されることが理解される。)を製造するのに有利に使用することができる。
【0041】
好ましくは、記号R4は、下記の式に相当するアルキレン基を表わすことができる。
【化10】
Figure 2005503337
【0042】
同様にして、方法F’は、例えば、
・次式:
【化11】
Figure 2005503337
のシランMESPD、
・次式
【化12】
Figure 2005503337
のビス(モノエトキシジメチルシリルメチル)ジスルフィド
の製造に明らかに適用される。
【0043】
従って、式(XII)の化合物は、次の合成反応式7:
【化13】
Figure 2005503337
(ここで、
記号R1、R2、R3、R4、a、b及びcは式(XII)において定義した通りであり、
記号Halは方法Aにおいて定義した通りであり、式(VIII)は方法Dにおいて定義した通りであり、
記号y’は1〜9の範囲の整数又は分数である。)
を適用することによって、下記の工程(e’)及び(f’):
(e’)方法Dにおいて定義した、溶液状で使用される式(VIII)の金属アルコキシドを、25℃〜80℃の範囲の温度で、要すれば、不活性の極性(又は非極性)有機溶媒の存在下に、第一段階で元素状硫黄と、第二段階でH2Sと接触させること、次いで
(f’)式(XIII)のハロゲン化シランを工程(e’)からの反応生成物と、40℃〜100℃の範囲の温度で、要すれば、自動圧力下で、要すれば、不活性の極性(又は非極性)有機溶媒の存在下に、反応させること
を得ることができる。
【0044】
式(XII)の記号y、反応式2、5及び6のポリスルフィドモノオルガノキシシランの式の和(x’+1)並びに反応式7のポリスルフィドシランの式の(y’+1)は、考慮中の分子内に存在する硫黄原子数を表わす整数又は分数である。この数は、考慮中の化合物への合成経路が1種類のポリスルフィド生成物のみをもたらし得る場合に、正確な硫黄原子数であり得る。しかし、実際には、この数は、選ばれた合成経路が代わりにポリスルフィド生成物であってそれぞれ異なった硫黄原子数を有するものの混合物をもたらす限りにおいて、考慮中の化合物の1分子当たりの硫黄原子数の平均である。
【0045】
本発明の第三の主題
他の主題によれば、本発明は、ジエンエラストマー製物品の製造用の、少なくとも1種のジエンエラストマーと少なくとも1種の補強用充填剤としての白色充填剤とを含有する組成物における白色充填剤−エラストマーのカップリング剤として、有効量の、式(I)、(II)、(III)又は(IV)のプロピレン結合単位を持つポリスルフィドモノオルガノキシシランの少なくとも1種を使用することに関する。
【0046】
好んで使用されるカップリング剤は、種々の記号R1、R2、R3及びxが本発明の第一の主題と関連して示した好ましい定義を有する式(I)のポリスルフィドモノオルガノキシシランからなる。更に好んで使用されるカップリング剤は、種々の記号R1、R2、R3及びxが本発明の第一の主題と関連して示した更に好ましい定義を有する式(I)のポリスルフィドモノオルガノキシシランからなる。特に好適であるカップリング剤は、(II)、(III)又は(IV)のポリスルフィドモノオルガノキシシランからなる。
【0047】
本発明の第四の主題
このカップリング剤の適用との関連で、本発明は、第四の主題として、式(I)、(II)、(III)又は(IV)のプロピレン結合単位を持つポリスルフィドモノオルガノキシシランの少なくとも1種の有効量を使用して得られた補強用白色充填剤含有ジエンエラストマー組成物に関する。
【0048】
更に詳しくは、これらの組成物(部は重量で示す。)は、100部のジエンエラストマーにつき、
・10〜200部、好ましくは20〜150部、更に好ましくは30〜100部の補強用白色充填剤、及び
・1〜20部、好ましくは2〜20部、更に好ましくは2〜12部のカップリング剤
を含有する。
【0049】
有利には、カップリング剤の量は上記の一般的及び好ましい範囲内で選ばれ、それが補強用白色充填剤の重量に関して、0.5%〜20%、好ましくは1%〜15%、更に好ましくは1%〜10%を占めるように決定される。
【0050】
当業者ならば、カップリング剤が補強用白色充填剤に予めグラフトし得る(そのアルコキシシリル官能基、特にエトキシシリル官能基により)こと、そしてこのように“予備カップリングされた”白色充填剤が次いでポリスルフィドの遊離の官能基によってジエンエラストマーに結合可能であることを理解するであろう。
【0051】
本明細書において、表現“補強用白色充填剤”とは、天然又は合成ゴム型のエラストマー組成物を、それ自体単独で、カップリング剤の手段以外の手段を使用しないで、補強することができる白色充填剤を定義するものと解される。
【0052】
補強用白色充填剤が存在する物理的状態は重要ではない。即ち、該充填剤は、粉末、マイクロパール、顆粒又はビーズの形態で存在することができる。
好ましくは、補強用白色充填剤は、シリカ、アルミナ又はこれらの2種の混合物からなる。
更に好ましくは、補強用白色充填剤は、単独で又はアルミナとの混合物として使用されるシリカからなる。
【0053】
当業者に知られた≦450m2/gのBET比表面積を示す任意の沈降シリカ又は熱分解法シリカが、本発明で使用できるシリカとして好適である。沈降シリカであって、典型的な又は高分散性であり得るものが好ましい。
【0054】
用語“高分散性のシリカ”とは、薄片について電子又は光学顕微鏡によって観察できる、重合体マトリックス中での解凝集又は分散に対する非常に高い安定性を有する任意のシリカを意味するものと解されたい。高分散性のシリカとしては、450m2/g以下、好ましくは30〜400m2/gのCTAB比表面積を有するもの、特に、特許US−A−5403570並びに特許出願WO−A−95/09127及びWO−A−95/09128に開示されたものが挙げられるが、これらに限定されない。これらの内容は、参照することによりここに含めるものとする。このような好ましい高分散性のシリカの例としては、アクゾ社製のパーカシルKS430シリカ、デグサ社製のBV3380シリカ、ロディア社製のゼオシル1165MP及び1115MPシリカ、PPG社製のハイシル2000シリカ、フーバー社製のゼオポール8741又は8745シリカが挙げられるが、これらに限定されない。処理された沈降シリカ、例えば、特許出願EP−A−0735088(参照することによりここに含めるものとする。)に開示されたアルミニウムを“ドープした”シリカも好適である。
【0055】
更に、下記の物性:
・100〜240m2/g、好ましくは100〜180m2/gのCTAB比表面積、
・100〜250m2/g、好ましくは100〜190m2/gのBET比表面積、
・300ml/100g以下、好ましくは200〜295ml/100gのDOP油吸収量、
・1.0〜1.6の間のBET比表面積/CTAB比表面積の比
を有する沈降シリカが非常に好適である。
【0056】
勿論、用語“シリカ”は、異なったシリカのブレンドも意味するものと解されたい。CTAB比表面積は、1987年11月のNFT45007方法に従って決定される。BET比表面積は、“The Journal of the American Chemical Society、Vol.60、p.309(1938)”に記載されたブルナウエル・エメット・テラー法(1987年11月のNFT45007標準に相当する。)に従って決定される。DOP油吸収量は、フタル酸ジオクチルを使用して、NFT30−022標準(1953年3月)に従って決定される。
【0057】
補強用アルミナとしては、特許EP−A−0810258に開示されたような、
・30〜400m2/g、好ましくは60〜250m2/gのBET比表面積、
・多くとも500nm、好ましくは多くとも200nmに等しい平均粒度、
・高レベルの反応性表面Al−OH官能基
を有する高分散性のアルミナが有利に使用される。
類似の補強用アルミナの例として、特に、バイコウスキー社製のA125、CR125及びD65CRアルミナが挙げられるが、これらに限定されない。
【0058】
本発明の第四の主題に従う組成物のために使用できるジエンエラストマーは、特に、
(1)4〜22個の炭素原子を有する共役ジエン単量体、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジエチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−3−エチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエン、2−メチル−3−イソプロピル−1,3−ブタジエン、1−フェニル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン又は2,4−ヘキサジエンの重合によって得られるホモ重合体、
(2)前記の共役ジエンの少なくとも2種の互いの共重合により又は前記の共役ジエンの1種以上と下記の群:
・8〜20個の炭素原子を有するビニル芳香族単量体、例えば、スチレン、o−、m−若しくはp−メチルスチレン、“ビニルトルエン”商用混合物、p−t−ブチルスチレン、メトキシスチレン、クロルスチレン、ビニルメシチレン、ジビニルベンゼン又はビニルナフタリン、
・3〜12個の炭素原子を有するビニルニトリル単量体、例えば、アクリロニトリル又はメタクリロニトリル、
・アクリル酸又はメタクリル酸と1〜12個の炭素原子を有するアルカノールとから誘導されるアクリル酸エステル単量体、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル又はメタクリル酸イソブチル
から選ばれるエチレン性不飽和単量体の1種以上との共重合により得られた共重合体(この共重合体は、99〜20重量%のジエン単位及び1〜80重量%のビニル芳香族、ビニルニトリル及び(又は)アクリル酸エステル単位を含むことができる。)、
(3)エチレン及び3〜6個の炭素原子を有するα−オレフィンと6〜12個の炭素原子を有する非共役ジエン単量体との共重合によって得られた三元共重合体、例えば、エチレン及びプロピレンと上記のタイプの非共役ジエン単量体、特に1,4−ヘキサジエン、エチリデンノルボルナジエン又はジシクロペンタジエンから得られるエラストマー(EPDMエラストマー)、
(4)天然ゴム、
(5)イソブタンとイソプレンとの共重合によって得られた共重合体(ブチルゴム)、これらの共重合体のハロゲン化、特に塩素化又は臭素化誘導体、
(6)前記のエラストマー(1)〜(5)のいくつかの互いのブレンド
を意味するものと解されたい。
【0059】
好ましくは、(1)ポリブタジエン、ポリクロロプレン又はポリイソプレン(即ち、ポリ(2−メチル−1,3−ブタジエン))、(2)ポリ(イソプレン−ブタジエン)、ポリ(イソプレン−スチレン)、ポリ(イソプレン−ブタジエン−スチレン)、ポリ(ブタジエン−スチレン)又はポリ(ブタジエン−アクリロニトリル)、(4)天然ゴム、(5)ブチルゴム、(6)前記のエラストマー、特に(1)、(2)、(4)、(5)のエラストマーの互いのブレンド、(6’)多量(51〜99.5重量%、好ましくは70〜99重量%)のポリイソプレン(1)及び(又は)天然ゴム(4)と少量(49〜0.5重量%、好ましくは30〜1重量%)のポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリ(ブタジエン−スチレン)及び(又は)ポリ(ブタジエン−アクリロニトリル)を含むブレンドが使用される。
【0060】
本発明に従う組成物は、エラストマー組成物及びゴム組成物の分野で慣用されているその他の補助添加剤及び補助成分の全て又はいくつかを更に含む。
しかして、下記のその他の成分及び添加剤の全て又はいくつかを使用することができる。
・加硫系に関しては、例えば下記のものが挙げられる。
硫黄又は硫黄供与性化合物から選ばれる加硫剤、例えばチウラム誘導体。
加硫促進剤、例えばグアニジン誘導体又はチアゾール誘導体。
加硫活性剤、例えば酸化亜鉛、ステアリン酸及びステアリン酸亜鉛。
・その他の添加剤に関しては、例えば下記のものが挙げられる。
カーボンブラックからなる慣用の補強用充填剤。任意のカーボンブラック、特に、HAF、ISAF又はSAF型のブラックがカーボンブラックとして好適である。このようなブラックとしては、N115、N134、N234、N339、N347及びN375ブラックが挙げられるが、これらに限定されない。カーボンブラックの量は、第一に、使用される補強用白色充填剤が合計で白色充填剤とカーボンブラックの重量の50%以上を占め且つ第二に補強用充填剤(白色充填剤+カーボンブラック)の総量が組成物の重量構成について上で示した値の範囲内にあるように決定される。
補強効果が殆どないか又は全くない慣用の白色充填剤、例えばクレー、ベントナイト、タルク、石墨、カオリン、二酸化チタン又はこれらの2種以上の混合物。
酸化防止剤。
抗オゾン化剤、例えばN−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン。
可塑剤及び加工助剤。
【0061】
加工助剤に関しては、本発明に従う組成物は、知られたように、ゴムマトリックス中の充填剤の分散の向上及び組成物の粘度の低下によって、原料状態での組成物の加工容易性を向上させることができる、例えば単一のY官能基を含む、補強用充填剤を被覆するための薬剤を含むことができる。このような被覆剤は、例えば、アルキルアルコキシシラン(特に、アルキルトリエトキシシラン)、ポリオール、ポリエーテル(例えば、ポリエチレングリコール)、第一、第二又は第三アミン(例えば、トリアルカノールアミン)、α,ω−ジヒドロキシル化ポリジメチルシロキサンからなる。このような加工助剤は、その何れかが使用されるときは、補強用白色充填剤の100部当たり1〜10重量部、好ましくは2〜8重量部の割合で使用される。
【0062】
補強用白色充填剤と少なくとも1種のカップリング剤を含むジエンエラストマー組成物の製造方法は、慣用の一又は二段階操作に従って実施することができる。
一段階法によれば、加硫剤と随意の加硫促進剤及び(又は)加硫活性剤を除いて、必要な成分の全てが、例えば、バンバリー型又はブラベンダー型の慣用の密閉式ミキサーに導入され、混合される。この第一混合段階の結果物は、続いて、外部ミキサー、一般的にはマルチロールミキサーに取り上げられ、次いでこれに加硫剤と随意の加硫促進剤及び(又は)加硫活性剤が添加される。
【0063】
ある種の物品を製造するためには、二段階方法であって、両段階が密閉式ミキサーで実施されるものを使用することが有益であろう。第一段階では、加硫剤と随意の加硫促進剤及び(又は)加硫活性剤を除いて、必要な成分の全て、或いは同様の除外を適用した必要な成分の一部が導入され、混合される。これに続く第二段階の目的は、本質的には、第一段階のブレンドであって、場合により必要な欠落成分を追加して完全にし、また上記と同様の除外を適用したものを、追加の熱処理に付することである。この第二段階の結果物も、続いて、これに加硫剤と随意の加硫促進剤及び(又は)加硫活性剤を添加するために外部ミキサーに取出される。
【0064】
密閉式ミキサーにおける操作工程は、一般的に、80℃〜200℃、好ましくは80℃〜180℃の範囲の温度で実施される。この第一操作工程に続いて、外部ミキサーでの第二操作工程がこれよりも低い温度で、一般的に120℃以下で、好ましくは20℃〜80℃の範囲の温度で実施される。
【0065】
得られた最終組成物は、続いて、エラストマー製物品の製造に使用できる、例えばシート、パネル又は短尺材の形でカレンダー加工される。
【0066】
加硫(又は硬化)は、知られた方法で、一般的に130℃〜200℃の間の温度で、要すれば加圧下に、十分な時間にわたり(これは、特に硬化温度、適用する加硫系及び考慮中の組成物の加硫速度に依存して、例えば5〜90分間であり得る。)実施される。
【0067】
第四の主題である本発明が原料状態(即ち、硬化の前の)及び硬化した状態(即ち、架橋又は加硫後の)における前記のエラストマー組成物に関することは明かである。
【0068】
本発明の第五の主題
エラストマー組成物は、本発明の第四の主題との関連で上記した該組成物よりなる実体を有するエラストマー製物品を製造するのに使用される。これらの組成物は、特に、エンジン支持体、靴底、索道用ローラ、家庭電気器具用のシール及びケーブル外装材よりなる物品の製造に有用である。
【実施例】
【0069】
下記の実施例は本発明を例示する。
29Si NMR、1H NMR及び13C NMRによる分析は、下記の条件で実施される。
【0070】
29 Si NMRと装置
ブルッカーAMX300分光計と、59MHzの珪素観察周波数で操作する選択的29Si 10mmプローブを使用して一方向珪素−29NMR分析を実施した。
化学シフト(δ)はppmで示し、テトラメチルシランを1H及び29Si化学シフトのための外部参照物質として使用する。温度は可変温度装置により制御する(±0.1K)。NMRスペクトルは300°Kで走査する。
プロトンデカップリングされた珪素−29NMRスペクトルを得るために、“逆ゲート”型のプロトンのデカップリングで累積順序が使用された(Waltz 16)。珪素−29のパルス角度は45°に等しく、2個の珪素パルスの間の時間は4.5秒に設定する。4096回の累積の後に自由時差シグナル(FID)が得られる。スペクトル幅は10870Hzであり、自由時差シグナルを規定する点の数は32768個に等しい。
【0071】
試料の調製
一方向珪素NMRスペクトルの記録を要求する試料のために、約2mLの珪素化合物を、2.5×10-2モル/LのFe(acac)3(ここに、acac=アセチルアセトネート)を含有する7mLのジューテロクロロホルム溶液に溶解させる。
【0072】
1 H NMR及び 13 C NMRと装置
調製の例:0.5mLのCDCl3中に0.1mLの試料
分光計:ブルッカーAMX300
プローブ:QNP 5mm(1H、13C、31P、19F)
NMRスペクトルは、300°K(±0.1°K)で走査する。
【0073】
1 H NMR分析
単純収得順序が30°のパルス角度で、4.6秒のパルス間の時間で256回の累積で使用された。スペクトル幅は4500Hzであり、数学的な処理は行なわない。観察周波数は300MHzである。
【0074】
13 C NMR分析
プロトンデカップリング(Waltz 16)で、30°のパルス角度、3秒のパル間の時間、8192回の累積で累積順序が使用された。スペクトル幅は20000Hzであり、シグナルはフーリエ変換の前に指数関数で処理する。観察周波数は75MHzである。
ジューテロ化溶媒(CDCl3)は、あり得る磁界のドリフトを補償することであり、化学シフトに関してスペクトルを較正することを可能にさせる。
【0075】
例1
この例は、合成法Fを使用することによって式(III)のビス(モノエトキシジメチルシリルプロピル)テトラスルフィド(MESPTと省略する。)を製造することを記載する。
91.9gのナトリウムエトキシド(1.352モル、即ち、H2Sの1モル当たり2モル当量)(21重量%エタノール溶液(438g)として)及び250mLのトルエンを、乾留凝縮器、機械的攪拌機(ラッシュトンタービン)、熱電対、ガス(アルゴン又はH2S)流入管及び蠕動ポンプ用入口を備えた3Lのジャケット付きガラス反応器にアルゴンを流しながら塔底液として導入する。
撹拌を開始する(200rpm)。次いで、65gの硫黄の塊(2.031モル、即ち、H2Sの1モル当たり3モル当量)を添加する。
管路をアルゴンでパージした後、H2S(23g、即ち0.676モル)を浸漬パイプによって吹込ながら45〜60分間で導入する。
溶液は、オレンジ−黄色粒子によるオレンジ色から粒子のない暗褐色に変化する。
この混合物をアルゴン気流中で60℃に1時間加熱して無水のNa24への転化を完了させる。
反応混合物は、暗褐色から褐色粒子による赤褐色に変化する。
次いで、反応混合物を冷却手段(10〜15℃)を使用して冷却して約20℃の温度にもたらす。
244gのγ−クロルプロピルエトキシジメチルシラン(1.352モル、即ち、H2Sの1モル当たり2モル当量)を蠕動ポンプによって30分間にわたり添加する(10mL/分)。
続いて、反応混合物を75℃±2℃で4時間加熱する。実施中に、NaClが沈殿する。4時間加熱した後に、混合物を周囲温度(20〜25℃)に冷却する。黄色粒子と共にオレンジ色となる。
反応混合物をデカンテーションした後、それをステンレス鋼製フィルターにおいて窒素加圧下にセルロース板でろ過する。ケーキを100mLのトルエンで2回洗浄する。ろ液(赤褐色である。)を真空(最高圧力=3〜4×102Pa、最高温度=70℃)下に蒸発させる。
【0076】
しかして、280gのビス(モノエトキシジメチルシリルプロピル)テトラスルフィド(0.669モル)をオレンジ−黄色の形態で得た。1H NMR、29Si NMR及び13C NMRによるモニターリングによって、得られた構造式が本発明の第一の主題の説明において示した式(III)と一致することが確認できた。
【化14】
Figure 2005503337
【0077】
式(III)の1分子当たりの平均S原子数は、3.9±1に等しい(x=3.9±1)。
平均S原子数は、次式:
【数1】
Figure 2005503337
により計算される。
【0078】
総S重量%及び総Si重量%は、X線蛍光法による元素分析によって得られる。この総S及び総Siを定量するための総合的な方法は、試料を無機化させないでDMF(ジメチルホルムアミド)に溶解させることからなる。使用する装置は、ロジウムチューブを備えた商標名フィリップスTW2400のX線蛍光分光計である。DMFに溶解したDMSO(ジメチルスルホキシド)を、硫黄を定量するための標準として使用する。Sのための較正範囲は0〜3000ppmである。珪素を定量するためには、DMFに溶解したD4(オクタメチルテトラシロキサン)を標準として使用する。Siのための較正範囲は0〜3000ppmである。測定のために、試料をDMFに、40gのDMF当たり0.5gの試料の割合で溶解させる。
【0079】
残留元素状硫黄の重量%は、GPC(ゲル透過クロマトグラフィー)によって定量される。
・分析条件:使用するカラム:スチレン−ジビニルベンゼン支持体付きの3E PLGEL混合カラム。カラムは、分子量100〜50000のポリスチレン標準物質に関して較正される。検出器:島津SPD6A UV。観察波長:270nm。溶離剤供給ポンプ:ウオーターズ社製ポンプ:インジェクター:VISP717+。溶離剤:ジクロルメタン。流量:1mL/分。使用する流量内部標準物質はトルエンである(溶離剤中のトルエンの濃度:2/1000重量/重量)。
・標準化:注入する容積:試料20〜50μ中の標準物質10μ。使用する濃度範囲:較正曲線を作るために使用する純元素状硫黄標準物質のために、20mLのジクロルメタン中で10〜30mgの標準物質が使用され、試料のためには、20mLのジクロルメタン中で200mgの試料が使用される。
・定量:標準物質及び試料をジクロルメタンに溶解する。標準硫黄溶液を注入し、検出されたピークの表面積及び注入された元素状硫黄の濃度に関する較正曲線を描く。同じ条件下で、試料を注入し、残留元素状硫黄の濃度を測定する。
【0080】
式(III)のMESPTについては、下記の値が見出される。総Sの重量%=30.1%、残留元素状Sの重量%=0.75%及び総Siの重量%=13.1%となり、これらは、上記の式の適用によって、上で示したxの計算値をもたらし、3.9に等しい。
式(III)のMESPTのポリスルフィドのモル分布に関しては、13C NMRによる分析に従って、下記の値が見出された。S2=16±1.5%、S3=28±1.5%、S4=27±1%、S 5=29±1.5%。
このポリスルフィドのモル分布は、下記のように得られる。13C NMRスペクトルを41.0〜44.0ppmの間で拡大させる。続いて、約42ppm、42.3ppm及び42.5ppmの3個のピーク(I1、I2及びI3がそれぞれの積分の値である。)を、積分I4に相当する約42.7ppmと43.7ppmの間に位置する分割されないピーク(例えば、42.85〜43.5ppmの範囲の分割されないピーク)と共に、積分し、次いで分布を計算する。
2モル%=(I2×100)/(I1+I2+I3+I4)
3モル%=(I1×100)/(I1+I2+I3+I4)
4モル%=(I3×100)/(I1+I2+I3+I4)
5モル%=(I4×100)/(I1+I2+I3+I4)
従って、本発明の好ましい具体例によれば、(S3+S4)のモル量は50%よりも多く、従って、ポリスルフィドS3及びS4がポリスルフィドの大多数を占める。更に、S2のモル量は、好ましくは20%以下である。
修正された合成条件によって、他のポリスルフィドのモル分布を、可変であるが、常に3±0.1〜5±0.1、好ましくは3.5±0.1〜4.5±0.1の範囲内にある1分子当たりの平均S原子数(x)でもって、得るのが可能であることが理解される。
【0081】
例2
この例は、合成法F’を使用することによってビス(モノエトキシジメチルシリルプロピル)ジスルフィド(MESPDと省略する。)を製造することを記載する。
284.2gのナトリウムエトキシド(4.18モル、即ち、H2Sの1モル当たり2モル当量)(21重量%エタノール溶液(1353.3g)として)を、乾留凝縮器、機械的攪拌機(ラッシュトンタービン)、熱電対、ガス(アルゴン又はH2S)流入管及び蠕動ポンプ用入口を備えた5Lのジャケット付きガラス反応器にアルゴンを流しながら塔底液として導入する。
撹拌を開始する(200〜300rpm)。次いで、66.87gの硫黄の塊(2.09モル、即ち、H2Sの1モル当たり1モル当量)を添加する。
管路をアルゴンでパージした後、H2S(71.0g、即ち2.09モル)を浸漬パイプによって吹込ながら45〜60分間で導入する。
溶液は、均質となり、粒子を含まない栗褐色になる。
この混合物をアルゴン気流中で60℃に1時間加熱して無水のNa22への転化を完了させる。
黄色の沈殿が現われる。
次いで、反応混合物を冷却手段(10〜15℃)を使用して冷却して約20℃の温度にもたらす。
754.4gのγ−クロルプロピルエトキシジメチルシラン(4.18モル、即ち、H2Sの1モル当たり2モル当量)を蠕動ポンプ(10mL/分)によって30分間にわたり添加する。
続いて、反応混合物を70℃で4時間加熱する。実施中に、NaClが沈殿する。4時間加熱した後に、混合物を周囲温度(20〜25℃)に冷却する。黄色粒子と共に緑色になる。
反応混合物をデカンテーションした後、それをステンレス鋼製フィルターにおいて窒素加圧下にセルロース板でろ過する。ろ液(オレンジ色である。)を真空(最高圧力=5×102Pa、最高温度=40℃)下に蒸発させる。
【0082】
しかして、739.74gのビス(モノエトキシジメチルシリルプロピル)ジスルフィド(2.089モル)をカーキ色の油の形態で得た。1H NMR及び29Si NMRによるモニターリングによって、得られた構造式が次式:
【化15】
Figure 2005503337
と一致することが確認できた。
【0083】
【化16】
Figure 2005503337
【0084】
例1で示したように計算されたMESPDの1分子当たりの平均S原子数は、1.9(総Sの重量%=15.7%、残留元素状Sの重量%=0%及び総Siの重量%=14.4%)に等しい。1.9に等しいyの計算値及び考慮中の標準偏差(±0.1)に鑑みて、yの真の値は2に近似し又は等しいことになる。
【0085】
MESPDのポリスルフィドのモル分布に関しては、13C NMRによる分析に従って、下記の値が見出された。S2=94%、S3=6%。
このポリスルフィドのモル分布は、下記のように得られる。13C NMRスペクトルを41.0〜44.0ppmの間で拡大させる。続いて、42.1ppm及び42.4ppmの2個のピークを積分し(I1及びI2がそれぞれの積分の値である。)、次いで分布を計算する。
2モル%=(I2×100)/(I1+I2)
3モル%=(I1×100)/(I1+I2)
【0086】
例3及び試験1〜4
この例及びこれらの試験の目的は、本発明に従う式(I)のテトラスルフィドモノオルガノキシシランの向上されたカップリング性能を証明することである。この性能を、一方では、ジスルフィドシランをベースとしたカップリング剤であって、一つが3個のオルガノキシシリル官能基を含むもの(TESPDシラン)であり、他が単一のオルガノキシシリル官能基を含むもの(MESPDシラン)であるものの性能と、他方では、3個のオルガノキシシリル官能基を含むテトラスルフィドシラン(TESPTシラン)をベースとしたカップリング剤の性能と比較する。
【0087】
靴底処方を代表する5個のジエンエラストマー組成物を比較する。これらの5個の組成物は、下記の相違を除けば、同等である。
・組成物No.1(対照例1):単独で使用したTESPDシランをベースとしたカップリング剤(エラストマーの100部当たり5.8pce即ち重量部)。TESPDとは、次式:
【化17】
Figure 2005503337
のビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドであることを想起されたい。
・組成物2(対照例2):単独で使用したMESPDシラン(4.3pce)をベースとしたカップリング剤。MESPDとは、次式:
【化18】
Figure 2005503337
のビス(モノエトキシジメチルシリルプロピル)ジスルフィドであることを想起されたい。
・組成物3(対照例3):単独で使用したTESPTシラン(6.6pce)をベースとしたカップリング剤。TESPTとは、次式:
【化19】
Figure 2005503337
のビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドであることを想起されたい。
・組成物4(対照例4):0.8pceの硫黄が結合したMESPD(4.3pce)。
・組成物5(例3):次式:
【化20】
Figure 2005503337
のビス(モノエトキシジメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、即ちMESPTをベースとしたカップリング剤。
カップリング剤は、ここでは、等モル量で使用した。即ち、組成物の如何にかかわらず、シリカ及びその表面水酸基に関して同じエトキシシリル基数を使用した。
【0088】
1)組成物の構成
種々の成分量がpce(エラストマーの100部当たりの重量部)で表わして、下記の表Iに示す通りの組成物をブラベンダー型の密閉式ミキサーで製造する。
【表1】
Figure 2005503337
註:
(1)37.5pceのオイルを含む溶液としてのスチレン−ブタジエン共重合体、バイエル社より参照名S−SBR5525−1として販売。
(2)高レベルのcis−1,4−体のポリブタジエン、クンホ社より参照名Kosyn KBR01として販売。
(3)高分散性シリカ、Zeosil 1165MP、ロディア・シリス社より販売。
(4)及び(5)加硫活性剤。
(6)ワックスである加工助剤、セレシン社より商品名Cerelux(登録商標)120として販売。
(7)ナフテン系オイル。ナイナス社より商品名Nytex820として販売。
(8)N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミンをベースとした抗オゾン保護剤、アクゾ社より販売。
(9)シラン(約2のy)、ウイトコ社より商品名Silquest A1589として販売。
(10)例2に示すように製造されたシラン。
(11)シラン(約4のy)、ウイトコ社より商品名Silquest A1289として販売。
(12)例1に示すように製造されたシラン。
(13)N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミドをベースとした加硫促進剤。
(14)ジフェニルグアニジンをベースとした加硫促進剤。
(15)テトラベンジルチウラムジスルフィドをベースとした加硫促進剤、フレクスシス社より販売。
(16)マルチロールミキサーに添加される加硫剤。
【0089】
2)組成物の製造
それぞれの組成物を下記のように製造する。
下記の工程1及び2を100rpm/分で回転するブラベンダー型の密閉式ミキサーで実施する。種々の成分を以下に示す順序で、時間及び温度で導入する。
【表2】
Figure 2005503337
次いで、工程2の終わりで得られたブレンドを60℃に保持したマルチロールミキサー上に導入し、硫黄、CBS、DPG及びTBZTDを導入する。2分間均質化した後に、最終のブレンドを厚みが2.5〜3mmのシートの形にカレンダー加工する。
【0090】
3)組成物の流動学的性質
原料状態の組成物について測定を実施する。モンサント100S流動計を使用して165℃で30分間にわたり実施された流動学的試験の結果を下記の表IIに示した。
この試験に従い、被検組成物を165℃の温度に調節された試験室に置き、組成物が該室に完全に充填されるようにして、該試験室に入れた両円錐ローターの低振幅振動に対して組成物が抵抗する抵抗トルクを測定する。時間の関数としてのトルクの変動の曲線から、考慮中の温度での組成物の粘度を反映する最低トルク、加硫系の作用によって生じた架橋度を反映する最高トルク及びδ−トルク、完全加硫の90%に相当する加硫状態を得るのに必要な時間T−90(この時間を最初の加硫とする。)、並びに考慮中の温度(165℃)での最低トルクよりも上の2点の上昇を得るために必要な時間に相当し、且つ、原料ブレンドをこの温度で加硫の開始なしに加工処理が可能である期間を反映するスコーチ時間TS−2を決定する。
得られた結果を表IIに示す。
【0091】
【表3】
Figure 2005503337
【0092】
考慮中のシラン(ジスルフィド又はテトラスルフィド)の硫黄含有部分がどうであれ、トリエトキシシランからモノエトキシシランへの変化が加硫速度の相当な促進をもたらし、これはモンサント試験中に短い時間T−90の達成によって反映される(一方では対照例1と2を、他方では対照例3と例3を比較されたい。)。
流動学的性質の全てが考慮されるならば、試験したシランの全てのうちで、テトラスルフィドモノエトキシシラン(例3)が、低い最低トルク、高いδ−トルク及び早い加硫速度で、性質上の最良の妥協をもたらすことが認められる。
【0093】
4)加硫物の機械的性質
165℃で30分間均一に加硫された組成物について測定を実施する。
測定した性質及び得られた結果を下記の表IIIに要約する。
【表4】
Figure 2005503337
註:
(1)引張試験は、H2型の試験片を使用して標準NFT46−002の指示に従って実施する。10%及び300%モジュラス並びに引張り強さはMPaで表わす。破断点伸びは%で表わす。
(2)測定は、標準ASTM D3240の指示に従って実施する。示した値は15秒で測定する。
【0094】
種々の結果の精査から以下の観察結果が得られる。
・ジスルフィドカップリング剤(対照例1及び2)の場合には、トリエトキシシラン(対照例1)からモノエトキシシラン(対照例2)への変化は、加硫物に関して、いくつかの機械的性質の相当な弱体化を招くことが分かる。しかして、下記の性質について、以下に値の低下率(%で表わす。)を示す。100%モジュラス:1.96から1.85への変化、即ち、−5.6%の低下。300%モジュラス:8.8から8.1への変化、即ち、−7.9%の低下。補強指数:4.49から4.38への変化、即ち−2.4%の低下。引張強さ(17.5から17.0への変化、即ち−2.9%の低下)及びショアA硬度(64から63への変化、即ち−1.6%の低下)は弱体化されるが、程度は低い。
・テトラスルフィドカップリング剤(対照例3及び例3)の場合には、トリエトキシシラン(対照例3)からモノエトキシシラン(例3)への変化は、加硫物に関して、上記の考慮中の機械的性質について類似の弱体化をもたらさないことが分かる。これらの性質は、それほど弱体化されないか(補強指数を参照。ここでは、−1.6%に過ぎない低下が見られる。)又はそのままであるか(300%モジュラス及びショアA硬度を参照。)又は向上される(引張強さを参照。ここでは、+6.4%の増大が見られた。)かのいずれかの値を有する。
【0095】
・モノエトキシテトラスルフィドシラン(例3)については、既に強調した流動学的性質の妥協に加えて、モノエトキシジスルフィドシラン(対照例2)について得られたよりも一層有益な、機械的性質上の妥協も観察される。しかして、例3の加硫物について、以下の点が記録される。性質のレベルは、10%モジュラスについては+20%まで、100%モジュラスについては+37.8%まで、300%モジュラスについては+38.3%まで、引張強さについては+8.2%まで、ショアA硬度については+7.9%まで増大される。
・このような差異(硬度、モジュラス、硫黄引張強さ)は、一般的にジスルフィドシランと比べて、テトラスルフィドシラン中の高い硫黄含有量に起因し得る(対照例1と3も比較されたい。)。
【0096】
従って、本発明者は、二つのモノエトキシシラン(対照例2及び例3)の間の硫黄含有量の相違を補うために且つ例3のテトラスルフィドシランによって得られた性質のレベルを再発見することが可能であったかどうかを確認するために、マルチロールミキサーに硫黄を添加した(対照例ブレンド4を参照。)。対照例4(マルチロールミキサー上で補われた硫黄と共にモノエトキシジスルフィドシラン)と例3(モノエトキシテトラスルフィドシラン)の比較から、下記の別の観点が得られる。
・硫黄の補給は原料ブレンドの最高トルク及びδ−トルクを増大させ、しかして対照例4と例3を匹敵できるレベルにし得ることが分かる。
・同様に、加硫物の機械的性質に関しては、対照例4のモジュラスは例3のモジュラスのレベルに上昇する。
・これに対して、加硫物の最終的な性質の非常に大きな弱体化、特に破断点伸び(−15.6%)及び引張強さ(−13%)の弱体化が見られる。
・更に、驚いたことに、ショア硬度は、モジュラスと対照をなして、硫黄の補給によって対照例2と比べて大きく影響されず、例3のレベルに達しない。
【0097】
従って、モノエトキシジスルフィドシランを含む組成物へのロール上での硫黄の補給添加は、モノエトキシテトラスルフィドシラン(例3)により導入された優れた妥協を再発見することを可能にはしなかった。何故ならば、最終的な性質は、この硫黄の補給添加(対照例4)によって大きく影響されるからである。

Claims (23)

  1. 次式(I):
    Figure 2005503337
    (ここで、
    記号R1は、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ、1〜4個の炭素原子を有する線状又は分岐状のアルキル基及び2〜8個の炭素原子を有する線状又は分岐状のアルコキシアルキル基から選ばれる1価の炭化水素基を表わし、
    記号R2及びR3は、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ、1〜6個の炭素原子を有する線状又は分岐状のアルキル基及びフェニル基から選ばれる1価の炭化水素基を表わし、
    xは3±0.1〜5±0.1の範囲の整数又は分数である。)
    のプロピレン結合単位を持つポリスルフィドモノオルガノキシシラン。
  2. 式(I)において、
    1基が次の基:メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、CH3OCH2−、CH3OCH2CH2−及びCH3OCH(CH3)CH2−から選ばれ、
    2及びR3基が次の基:メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、n−ヘキシル及びフェニルから選ばれ、
    整数又は分数xが3.5±0.1〜4.5±0.1の範囲にある
    ことを特徴とする、請求項1に記載のポリスルフィドモノオルガノキシシラン。
  3. 次式(II)、(III) 及び(IV):
    Figure 2005503337
    (ここで、記号xは3±0.1〜5±0.1の範囲、好ましくは3.5±0.1〜4.5±0.1の範囲の整数又は分数である。)
    の化合物であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のポリスルフィドモノオルガノキシシラン。
  4. 40%以上、好ましくは50%以上の(S3+S4)及び60%以下、好ましくは50%以下の(S2+S 5)のモル量よりなるポリスルフィドの分布からなることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のポリスルフィドモノオルガノキシシラン。
  5. 次の合成反応式:
    Figure 2005503337
    (ここで、
    記号R1、R2、R3及びxは請求項1、2、3又は4において定義した通りであり、
    記号Halは塩素、臭素及び沃素原子から選ばれるハロゲン原子を表わし、
    記号Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属を表わす。)
    を適用することによって、式(V)のハロゲン化モノオルガノキシシランを式(VI)の無水多硫化金属と、−20℃〜90℃の範囲の温度で、要すれば、不活性の極性(又は非極性)有機溶媒の存在下に、直接反応させることによって式(I)、(II)、(III) 又は(IV)の化合物を得ることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のポリスルフィドモノオルガノキシシランの製造方法。
  6. 次の合成反応式:
    Figure 2005503337
    (ここで、
    記号R1、R2及びR3は請求項1、2、3又は4において定義した通りであり、
    x’は、2±0.1〜4±0.1、好ましくは2.5±0.1〜3.5±0.1の範囲の整数又は分数である。)
    を適用することによって、元素状硫黄を式(VII) のモノオルガノキシシランチオールと、10℃〜250℃の範囲の温度で、要すれば、不活性の極性(又は非極性)有機溶媒の存在下に、直接反応させることによって式(I)、(II)、(III) 又は(IV)の化合物を得ることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のポリスルフィドモノオルガノキシシランの製造方法。
  7. 次の合成反応式:
    Figure 2005503337
    (ここで、
    記号R1、R2、R3、x及びHalは請求項5において定義した通りであり、
    記号M’はアルカリ金属を表わす。)
    を適用することによって、元素状硫黄及びアルカリ金属M’を式(V) のハロゲン化シランと、60℃〜100℃の範囲の温度で、要すれば、非プロトン性有機溶媒の存在下に、直接反応させることによって式(I)、(II)、(III) 又は(IV)の化合物を得ることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のポリスルフィドモノオルガノキシシランの製造方法。
  8. 次の工程(a)及び(b):
    (a)次の合成反応式:
    Figure 2005503337
    (ここで、
    M’は請求項7において定義した通りであり、
    Rは1〜4個の炭素原子を有する線状又は分岐状のアルキル基を表わす。)
    を適用することによって、H2Sを溶液状で使用される式(VIII) の金属アルコキシドと、25℃〜60℃の範囲の温度で、要すれば、不活性の極性(又は非極性)有機溶媒の存在下に、接触させること、次いで、
    (b)元素状硫黄と式(V)のハロゲン化モノオルガノキシシランよりなる混合物を、工程(a)からの反応生成物と、25℃から反応媒体の還流温度までの範囲の温度で、反応させること
    を実施することによって式(I)、(II)、(III) 又は(IV)の化合物を得ることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のポリスルフィドモノオルガノキシシランの製造方法。
  9. 次の合成反応式:
    Figure 2005503337
    (ここで、記号R1、R2、R3、Hal及びx’は請求項5及び6(記号x’について)において定義した通りである。)
    を適用することによって、次の工程(c)及び(d):
    (c)アンモニアNH3又はアミンをH2S及び元素状硫黄と25℃程度の周囲温度で接触させること、次いで、
    (d)請求項5において定義した式(V)のハロゲン化シランを工程(c)からの反応生成物と、自動圧力下に0℃〜175℃の範囲の温度で、要すれば、不活性の極性(又は非極性)有機溶媒の存在下に、反応させること
    を実施することによって式(I)、(II)、(III) 又は(IV)の化合物を得ることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のポリスルフィドモノオルガノキシシランの製造方法。
  10. 次の合成反応式:
    Figure 2005503337
    (ここで、記号R1、R2、R3、Hal、x’、M’及びRは請求項5及び6(記号x’について)並びに請求項8(M’及びRについて)において定義した通りである。)
    を適用することによって、次の工程(e)及び(f):
    (e)請求項8において定義した、溶液状で使用される式(VIII)の金属アルコキシドを、25℃〜80℃の範囲の温度で、要すれば、不活性の極性(又は非極性)有機溶媒の存在下に、第一段階で元素状硫黄と、第二段階でH2Sと接触させること、次いで
    (f)請求項5において定義した式(V)のハロゲン化シランを工程(e)からの反応生成物と、40℃〜100℃の範囲の温度で、要すれば、自動圧力下で、要すれば、不活性の極性(又は非極性)有機溶媒の存在下に、反応させること
    を実施することによって式(I)、(II)、(III) 又は(IV)の化合物を得ることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のポリスルフィドモノオルガノキシシランの製造方法。
  11. 次式(XII)
    Figure 2005503337
    (ここで、
    記号R1、R2及びR3は請求項1、2又は3において定義した通りであり、
    記号a、b及びcはそれぞれ0〜3の範囲の整数を表わし、a+b+cの和は3に等しいものとし、
    記号R4は、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ、1〜18個の炭素原子を有する線状又は分岐状の2価のアルキレン基、−アルキレン−シクロアルキレン−基(ここに、アルキレン部分は直前において定義した通りであり、環状部分は5〜10個の炭素原子を含み、要すれば、1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個の線状又は分岐状のアルキル基によって置換されていてもよい。)、2価の−アルキレン−フェニレン−(アルキレン)z−基(ここに、z=0又は1であり、アルキレン部分は直前において定義した通りであり、フェニレン部分は1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個の線状又は分岐状のアルキル基によって置換されていてもよい。)から選ばれる2価の基を表わし、
    記号Yは2±0.1〜10±0.1の範囲の整数又は分数を表わす。)
    のポリスルフィドシラン(ここに、式(I)に相当するポリスルフィドモノオルガノキシシラン、即ち、累積でa=b=c=1であり、R4=−(CH23−であり且つyが3±0.1〜5±0.1の範囲の数である式(XII)のポリスルフィドシランは該式(XII)から除外されることが理解される。)を製造するにあたり、次の合成反応式:
    Figure 2005503337
    (ここで、
    記号R1、R2、R3、R4、a、b及びcは式(XII)において定義した通りであり、
    記号Halは請求項5において定義した通りであり、
    記号y’は1〜9の範囲の整数又は分数である。)
    を適用することによって、下記の工程(e’)及び(f’):
    (e’)請求項8において定義した、溶液状で使用される式(VIII)の金属アルコキシドを25℃〜80℃の範囲の温度で、要すれば、不活性の極性(又は非極性)有機溶媒の存在下に、第一段階で元素状硫黄と、第二段階でH2Sと接触させること、次いで
    (f’)式(XIII)のハロゲン化シランを工程(e’)からの反応生成物と、40℃〜100℃の範囲の温度で、要すれば、自動圧力下で、要すれば、不活性の極性(又は非極性)有機溶媒の存在下に、反応させること
    を実施することを特徴とする、式(XII)のポリスルフィドシランの製造方法。
  12. 請求項1〜4のいずれかに記載の式(I)、(II)、(III) 又は(IV)のプロピレン結合単位を持つポリスルフィドモノオルガノキシシランの少なくとも1種からなる、ジエンエラストマー製物品製造用の、少なくとも1種のジエンエラストマーと少なくとも1種の補強用充填剤としての白色充填剤とを含有する組成物における白色充填剤とエラストマーとのカップリング剤。
  13. 請求項1〜4のいずれかに記載の式(I)、(II)、(III) 又は(IV)のプロピレン結合単位を持つポリスルフィドモノオルガノキシシランの少なくとも1種の有効量を使用して得られた補強用白色充填剤含有ジエンエラストマー組成物。
  14. 100部(この部は重量で示す。)のジエンエラストマーにつき、
    ・10〜200部の補強用白色充填剤、及び
    ・1〜20部のカップリング剤
    を含むことを特徴とする、請求項13に記載の組成物。
  15. 100部のジエンエラストマーにつき、
    ・20〜150部の補強用白色充填剤、及び
    ・2〜20部のカップリング剤
    を含むことを特徴とする、請求項14に記載の組成物。
  16. 補強用白色充填剤がシリカ、アルミナ又はこれらの2種の混合物からなることを特徴とする、請求項13〜15のいずれかに記載の組成物。
  17. シリカが、特に、≦450m2/gのBET比表面積を示す慣用の又は高分散性の沈降シリカであること、アルミナが、特に、30〜400m2/gの範囲のBET比表面積及び高レベルの反応性表面Al−OH官能基を示す高分散性のアルミナであることを特徴とする、請求項16に記載の組成物。
  18. エラストマーが、
    (1)4〜22個の炭素原子を有する共役ジエン単量体、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジエチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−3−エチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエン、2−メチル−3−イソプロピル−1,3−ブタジエン、1−フェニル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン又は2,4−ヘキサジエンの重合によって得られるホモ重合体、
    (2)前記の共役ジエンの少なくとも2種の互いの共重合により又は前記の共役ジエンの1種以上と下記の群:
    ・8〜20個の炭素原子を有するビニル芳香族単量体、例えば、スチレン、o−、m−若しくはp−メチルスチレン、“ビニルトルエン”商用混合物、p−t−ブチルスチレン、メトキシスチレン、クロルスチレン、ビニルメシチレン、ジビニルベンゼン又はビニルナフタリン、
    ・3〜12個の炭素原子を有するビニルニトリル単量体、例えば、アクリロニトリル又はメタクリロニトリル、
    ・アクリル酸又はメタクリル酸と1〜12個の炭素原子を有するアルカノールとから誘導されるアクリル酸エステル単量体、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル又はメタクリル酸イソブチル
    から選ばれるエチレン性不飽和単量体の1種以上との共重合により得られた共重合体(この共重合体は、99〜20重量%のジエン単位及び1〜80重量%のビニル芳香族、ビニルニトリル及び(又は)アクリル酸エステル単位を含むことができる。)、
    (3)エチレン及び3〜6個の炭素原子を有するα−オレフィンと6〜12個の炭素原子を有する非共役ジエン単量体との共重合によって得られた三元共重合体、
    (4)天然ゴム、
    (5)イソブタンとイソプレンとの共重合によって得られた共重合体(ブチルゴム)、これらの共重合体のハロゲン化、特に塩素化又は臭素化誘導体、
    (6)前記のエラストマー(1)〜(5)のいくつかの互いのブレンド
    から選ばれることを特徴とする請求項13〜17のいずれかに記載の組成物。
  19. (1)ポリブタジエン、ポリクロロプレン又はポリイソプレン(即ち、ポリ(2−メチル−1,3−ブタジエン))、(2)ポリ(イソプレン−ブタジエン)、ポリ(イソプレン−スチレン)、ポリ(イソプレン−ブタジエン−スチレン)、ポリ(ブタジエン−スチレン)又はポリ(ブタジエン−アクリロニトリル)、(4)天然ゴム、(5)ブチルゴム、(6)前記のエラストマー、特に(1)、(2)、(4)、(5)のエラストマーの互いのブレンド、(6’)多量(51〜99.5重量%、好ましくは70〜99重量%)のポリイソプレン(1)及び(又は)天然ゴム(4)と少量(49〜0.5重量%、好ましくは30〜1重量%)のポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリ(ブタジエン−スチレン)及び(又は)ポリ(ブタジエン−アクリロニトリル)を含むブレンドに頼ることを特徴とする請求項18に記載の組成物。
  20. エラストマー及びゴムの組成物の分野で慣用されているその他の補助添加剤及び成分の全て又はいくつかを更に含み、該その他の添加剤及び成分が、
    ・加硫系に関しては、硫黄又は硫黄供与化合物から選ばれる加硫剤、加硫促進剤、加硫活性剤、
    ・その他の添加剤に関しては、カーボンブラックからなる慣用の補強用充填剤、補強効果が少ないか又は全くない慣用の白色充填剤、酸化防止剤、抗オゾン化剤、可塑剤及び加工助剤
    よりなることを特徴とする請求項13〜19のいずれかに記載の組成物。
  21. 請求項13〜20のいずれかに記載のジエンエラストマー組成物を製造するにあたり、
    ・必要な成分の全て(ただし、加硫剤及び随意の加硫促進剤及び(又は)加硫活性剤は除く。)を慣用の一又は二段階の密閉式ミキサーに導入混合し、操作を80℃〜200℃の範囲の温度で実施するようにし、
    ・次いで、このようにして得られたブレンドを外部ミキサーに移し、次いでこれに加硫剤及び随意の加硫促進剤及び(又は)加硫活性剤を添加し、操作を120℃以下の低温で実施するようにする
    ことを特徴とする、ジエンエラストマー組成物の製造方法。
  22. 請求項13〜20のいずれかに記載の組成物よりなる実体を有することを特徴とする、エラストマー製物品。
  23. エンジン支持体、靴底、索道用ローラ、家庭電気器具用のシール及びケーブル外装材よりなることを特徴とする、請求項22に記載の物品。
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