JP2005500834A - 敗血症または敗血症関連症候群の診断のためのバイオチップの使用 - Google Patents
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Abstract
本出願は、細胞のストレス反応、炎症反応および免疫反応に特異的であるか、ストレス反応、炎症反応および免疫反応に関連するか、急性期の応答の際に誘導されるか、またはそれらの任意の組合せであって、かつ敗血症または敗血症関連症候群の診断用に担体に固定化されるプローブ核酸および/またはプローブタンパク質、を含む核酸および/またはタンパク質チップの使用に関する。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、敗血症または敗血症関連症候群の診断のための核酸および/またはタンパク質チップの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
敗血症ならびにその続発症の敗血症ショックおよび多臓器不全は、術後集中治療室における死亡の最も多い原因である。
敗血症(血液中毒と呼ばれることも多い)は、最も悪性度の高いタイプの感染である。基本的に、生体が元の感染部位に感染を限定することができなければ、どのような感染でも敗血症になる可能性がある。そして細菌の構成成分ならびに内在性のメディエータのいずれもが、感染部位から遠く離れた種々の臓器に損傷を与える可能性がある。数時間以内に多臓器不全を伴う生命に関わる状態に発展しうる。敗血症についての40%〜60%の死亡率は過去数十年にわたり不変であり続けている。病院の全患者の約5%〜10%が感染により容態が悪化する。ドイツ国だけでも、年間80,000人の患者においてそのような感染から敗血症がもたらされている。
【0003】
国際的に有数の研究者らにより、治療についての新たなアプローチの失敗の主たる原因は敗血症の診断の遅れと不明確さにあることが多いとされている。早期診断および患者の宿主応答の特徴分析の改善によってのみ、より早くより有効な治療が可能であろう。
【0004】
適切な治療法を即座に開始するために、敗血症および敗血症関連症候群の診断を極めて迅速に実施しうることが特に必要であり、さらに、患者由来の大量の試料をごく短時間で分析することが必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の根底にある技術的な課題は、上記のような利点を備えつつ敗血症および敗血症関連症候群を診断することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような技術的な課題は、細胞のストレス反応、炎症反応および免疫反応に特異的であるか、ストレス反応、炎症反応および免疫反応に関連するか、急性期の応答の際に誘導されるか、またはそれらの任意の組合せであって、かつ敗血症または敗血症関連症候群の診断用に担体に(具体的には整然と格子状パターンに)固定化されるプローブ核酸および/またはプローブタンパク質、を含む核酸および/またはタンパク質チップ(バイオチップ)の使用により解決される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明によれば、「診断」という用語は、個々の敗血症および敗血症関連症候群の経過のモニタリング、重症度の検出および個別の予後の判断をも含む。
本発明について用いられる「プローブ核酸および/またはプローブタンパク質」という用語は、核酸のみ、タンパク質のみ、そして核酸とタンパク質との共存をも意味する。
【0008】
本発明によれば、「核酸」という用語は一般に任意の種類かつ任意の供給源のDNAおよびRNAを表す。DNA分子については、細胞内mRNAまたは単離mRNAから生成可能なcDNAを使用することができる。
【0009】
本発明は、数千スポットに及ぶ核酸を備えた核酸チップが使用可能な、非常に新しい研究領域である核酸チップ技術に関する。この目的に達するために、核酸を担体に整然と格子状パターンに固定化する。被験DNAまたはRNA(標的核酸または試料)を通常(例えば蛍光色素を用いて)標識し、チップに供する。標的核酸が、担体に結合され被験DNAまたはRNAに相補的な配列を有するプローブ核酸とハイブリッド形成する場合、通常の方法で(例えばCCDカメラにより、もしくはレーザースキャナにより)前記格子状パターン内の該当する部位にシグナルが検出される。
【0010】
言い換えれば、上述のチップ技術は、担体に整然と格子状パターンに固定化されたプローブ核酸とRNAまたはDNA分子とをハイブリッド形成させることにより同時に一群の分子の発現を分析することが可能であるという知見に基づいている。
【0011】
本発明について、核酸チップを引用して以下に詳細に説明するが、それらに限定されると理解されるべきではない。本発明は、プローブタンパク質が担体に整然と格子状パターンに固定化されたタンパク質チップにも適用可能である。被験試料中のタンパク質を、プローブタンパク質との相互作用により検出可能である。これは通常の方法で実施可能である。当業者には、タンパク質チップを作製し適宜使用するための化学物質、材料および方法も周知であり、あるいは、以下に核酸チップに関して述べる詳細に照らしてタンパク質チップに適した化学物質、材料および方法を開発することも可能である。
【0012】
本発明の好適な実施形態では、プローブ核酸は、感染に対する生体の応答に関連する、免疫メディエータ、転写因子、急性期タンパク質、補体成分、接着分子、細胞特異マーカー、アポトーシス、ハウスキーピングの遺伝子または分子から選択される、遺伝子、遺伝子産物、前記遺伝子のスプライス・バリアントおよび/または前記遺伝子の断片である。これらのプローブ核酸を用いて、敗血症および敗血症関連症候群の診断を、上記の要求に関して好都合な方法で実行可能である。
【0013】
本明細書中で使用する「断片」という用語は、遺伝子より短いが該遺伝子の特性は備えたままであり、野生型のタンパク質と基本的に同じ化学的および/または物理的性質、特に機能上の性質を有するタンパク質を生じる核酸配列を指す。
【0014】
敗血症または敗血症関連症候群の診断に関して、敗血症および感染に対する生体の応答に関連する、免疫メディエータ、転写因子、急性期タンパク質、補体成分、接着分子、細胞特異マーカー、アポトーシス、ハウスキーピングの遺伝子ならびに分子から選択される、遺伝子、遺伝子産物、前記遺伝子のスプライス・バリアントおよび/または前記遺伝子の断片を用いることは、上記の要求に関して特に好都合である。
【0015】
本発明の好適な実施形態では、バイオチップは、血液凝固系の分子および/または感染物質から選択される少なくとも1つの遺伝子、遺伝子産物、前記遺伝子のスプライス・バリアントおよび/または前記遺伝子の断片をさらに含む。
【0016】
免疫メディエータの例は、成長因子(PDGF‐α、‐βなど)、インスリン様成長因子(ILGF)、IL‐1〜IL‐18のようなインターロイキンなどの炎症誘発性および抗炎症性サイトカイン、ケモカイン[血小板第4因子(PF‐4)、γ‐インターフェロン誘導タンパク質10(IP‐10)、成長関連タンパク質Gro‐α、βおよびγ、エオタキシン、Mip‐1α、Mip‐1β、RANTESなど]、成長因子受容体、サイトカイン受容体、サイトカイン誘導性の分子、ケモカイン受容体ならびにその他の細胞増殖関連抗原である。
【0017】
転写因子は、EGR‐、NFAT‐およびNFkB‐タンパク質、ならびにAP‐1およびCREBタンパク質ファミリーはもちろん、転写モジュレータでもありうる。
その他の急性期タンパク質には、C‐反応性タンパク質および組織因子1はもちろん、サイトカイン、サイトカイン受容体、サイトカイン誘導性の分子、ケモカイン、ケモカイン受容体、リン酸化酵素、脱リン酸化酵素、転写因子および転写モジュレータがある。
【0018】
補体成分の例は、H因子、FHL‐1およびFHRをコードする遺伝子である。
細胞特異性のマーカーには、CD抗原分子および接着分子、T細胞受容体遺伝子ならびにT細胞受容体に関連する遺伝子があり、例えばCD3、CD14、CD11e/CD18、CD28、CD143の各タンパク質、T細胞のサブタイプに関するCD4およびCD8、マクロファージのCD14、B細胞のIgMのような細胞特異性マーカーをコードする遺伝子、細胞周期に関する遺伝子、エイコサノイドシグナル伝達に関する遺伝子および成長因子受容体である。
【0019】
ハウスキーピング遺伝子の代表例は、グルコース‐6‐リン酸デヒドロゲナーゼ、アクチンおよびグリセルアルデヒド‐3‐リン酸デヒドロゲナーゼである。
敗血症および感染に対する生体の応答に関連するその他の分子には、細胞周期に関する遺伝子、リン酸化酵素、脱リン酸化酵素および転写因子があり、例えばヒトCalc遺伝子の種々の転写物、すなわちプロカルシトニン、カタカルシンN末端ペプチド、カタカルシンおよびカルシトニン遺伝子関連ペプチドをコードする転写物、ならびにその産物がある。
【0020】
炎症は、微生物のような感染物質により引き起こされることが非常に多い。炎症の原因(例えば微生物)を対象とする適切な治療のためには、該微生物について可能な限り多くの情報を得ることが望ましい。従って、そのような情報を得るために、該微生物のタンパク質または遺伝子を本発明により使用されるバイオチップの担体に固定することが可能である。
【0021】
本発明のバイオチップは、上述のプローブのうちの1つまたは最大で該プローブ全てを含む任意の組合せを備え得る。当業者は、評価すべき疾患の種類に応じてプローブを容易に選択可能である。
【0022】
上記の核酸チップおよびタンパク質チップ、特に上述の特定のプローブ核酸を備えたチップは、敗血症および敗血症関連症候群の診断において複数の利点を有する。利点の1つは、特に上記に明示したプローブ核酸を用いることにより非常に簡単かつ迅速な方法で診断を実施しうることである。測定を正確に実施可能である。さらに、感染物質および/または感染物質を原因とする生体の反応を、遺伝子、遺伝子断片および/またはタンパク質を検出することにより直接測定可能である。上記のバイオチップを用いることにより、敗血症および敗血症関連症候群の診断を標準化することが可能である。発現遺伝子または所定の遺伝子のパターンは、診断だけでなく早期発見、治療中のモニタリング、および重症度の検出に有用である。加えて、本発明で用いられるバイオチップにより、疾患の経過、すなわち敗血症および敗血症関連症候群の進行ならびにその治療の成功について調査することができる。
【0023】
本発明によるバイオチップの使用に関し、調べようとするDNAまたはRNAを例えば蛍光色素により標識してチップに供することが可能である。調べようとするDNAまたはRNAと、相補的な配列を有し担体に結合されたプローブ分子とのハイブリッド形成を、例えばCCDカメラまたはレーザースキャナなどの通常の手段により、格子内の該当する部位に検出することができる。
【0024】
本発明で使用されるバイオチップにより自動分析が可能であり、さらに、被験試料の量が定量的に測定可能であり、これにより敗血症または敗血症関連症候群の経過について、特にその治療の成功についてのより正確な情報を得ることが可能である。
【0025】
上述したように、上記の特異性を備えたプローブ核酸および/またはプローブタンパク質を担体上に固定化する。これは、核酸のみ、タンパク質のみ、または核酸とタンパク質の両方のいずれかが担体に結合されることを意味する。
【0026】
本発明で使用されるバイオチップによれば、プローブは具体的には上記のチップ技術において一般に実施されるように担体に整然と格子状パターンに固定化される。整然とした格子状パターンには、プローブを例えばスポットとして備える担体上の領域がある。核酸チップおよびタンパク質チップは、一般に担体上の複数の領域を備えて提供される。この場合、全領域が同一のプローブを備えること、または領域が異なるプローブ(すなわち核酸プローブおよび/またはタンパク質プローブ)を備えることも可能である。
【0027】
本発明に従って使用されるバイオチップの好適な実施形態において、プローブ核酸および/またはプローブタンパク質は担体上の所定の領域に固定化される。これは、プローブが固定化されるであろう領域が事前に分かっていることを意味する。また、特定のプローブが担体に固定化される位置が該チップの使用(例えば被験試料による処理)前に分かっていることをも意味する。この利点により、敗血症および敗血症関連症候群の診断の標準化と自動化とが可能となる。さらに、測定が非常に簡単かつ迅速になされる。
【0028】
本発明に従って使用されるバイオチップのさらに好適な実施形態において、該領域は互いに間隔が空いている。これにより、非常に好都合な方法で、より良好かつ正確な結果、さらには敗血症および敗血症関連症候群の診断の自動化と標準化とが可能となる。
【0029】
プローブの整然とした格子状パターンは、平行に列をなした領域の形式に配置される。そのような担体の例はマイクロタイタープレートであり、ウェルがプローブの領域に相当し一般に平行に列をなして配置されている。この実施形態によれば、炎症の測定の自動化と標準化とが非常に好都合な方法で達成される。
【0030】
好適な実施形態において、担体はガラスのスライドである。ガラスのスライドは好ましい光学特性を有し、さらに、固体であるが蛍光性では無いという利点を有し、そのためこれらの特性により迅速かつ正確な炎症の測定に特に有用である。
【0031】
本発明に従って使用されるバイオチップの作製方法の1つを以下に説明する。
バイオチップを製造するために、プローブ(特に核酸)をスポット溶液に溶解してから通常のスポット工程を用いて担体にスポットすることが可能である。スポット溶液としては、クエン酸ナトリウム生理食塩水(SSC)緩衝液が広く用いられる。50%のジメチルスルホキシドを添加することも可能である。
【0032】
例えば核酸および/またはタンパク質のプローブの、担体への結合は、共有結合または静電(イオン)結合のいずれかによって達成可能である。
核酸の共有結合の場合、例えばアルデヒド基を有する化合物が担体の表面にコーティングされる。核酸は、アルデヒド基と反応してシッフ塩基すなわち共有結合を形成しうる一次アミノ基を含んでいる。
【0033】
特に核酸の静電結合の場合、核酸は通常負に荷電しているという事実が利用される。担体の表面に正の電荷を供することにより、負に荷電した核酸と正に荷電した担体表面との間に、電荷の相互作用による結合が形成されうる。この目的のために、正の電荷を提供する化合物によりコーティングされた(例えばポリ‐L‐リシン(lysine)および/またはアミノシランでコーティングされた)ガラス表面が用いられる。このような活性化スライドは当業界でよく知られている。
【0034】
必要であれば、UV照射により核酸と担体との架橋結合を形成することもできる。
敗血症および敗血症関連症候群の診断用にバイオチップを使用するために、試験しようとするヒトもしくは動物由来の標識されたmRNA、cDNAまたはタンパク質をバイオチップのプローブ核酸および/またはプローブタンパク質とハイブリッド形成させることができ、ハイブリッド形成パターンを前記のようにして測定可能である。被験試料は、血液試料(特に静脈血)、組織試料、器官または生物体由来の末梢血液細胞から単離可能である。該試料を直接使用しても、さらに精製して血液細胞集団を得てもよい。血液細胞を溶解することも可能であり、RNAを通常の方法で単離することが可能である。mRNAをさらに精製してもよく、標準的な手法によりmRNAからcDNAを合成することも可能である。
【0035】
都合のよいことに、cDNA試料は分画化された細胞または精製mRNAから得られる。さらに、核酸試料はPCRにより生成された断片由来でもよい。これらの試料は、特に強力なシグナルが発生するという利点を示す。
【0036】
試料として使用するcDNAまたはmRNAをマーカーで標識することができる。試料をバイオチップのプローブとハイブリッド形成させた後で検出可能な任意の物質をマーカーとして使用することができる。そのようなマーカーの例は蛍光色素である。標識cDNAまたは標識mRNAを、通常の方法でバイオチップのプローブとハイブリッド形成させることができる。タンパク質分析を、標準的なタンパク質アレイ技術に従って実施可能である。
【0037】
以降、本発明によるバイオチップの使用について、核酸を引例としてより詳細に説明するが、当然ながら本発明は核酸に限定されるものではなく、タンパク質にも適用可能である。
【0038】
ヒトまたは動物由来の被験細胞は、血液試料および末梢血単核細胞から、Ficoll‐Hypaque(登録商標)遠心法のような標準的手法またはLymphoprep(登録商標)により単離可能である。加えて、組織、器官、または患者の血漿およびその他の生物学的供給源から単離された感染物質のような生物体を使用可能である。単離細胞を用いて、単球、T細胞サブタイプまたはB細胞サブタイプなどの特定の細胞のサブタイプを濃縮することが可能である。
【0039】
細胞を精製するために、細胞をFACS選別、磁気選別などの標準的手順または特定のサブタイプの細胞を溶解することによりさらに濃縮することが可能である。細胞、組織、または生物体から、フェノール/クロロホルム、RNAzol(登録商標)もしくはTrizol(登録商標)を用いた抽出などの標準的手法によっても全RNAまたはその画分を単離することができる。
【0040】
単離RNAをさらに精製してmRNAとし、コード領域の分子数を高めてもよい。これは、例えば磁気ビーズを用いたオリゴdT選別またはその他の手法により実施可能である。
【0041】
cDNAの合成は、標準的手法により実現することも可能である。遺伝子特異的なプライマーとオリゴdTプライマーとを組み合わせて、またはオリゴdTプライマーは用いずに、生物材料をポリメラーゼ連鎖反応による温度サイクルに供して変換cDNAをさらに増幅してもよい。
【0042】
DNAアレイを作製するために、Borofloat(登録商標)‐33ガラスのスライドなどの担体を、DNAを固定化する活性を有する基を含む、シランなどの、DNAを固定化するのに有用なポリマーの薄層でコーティングすることができる。
【0043】
標識された相補的RNAまたは標識された相補的cDNAと、担体に固定化された核酸とのハイブリッド形成は、標準的手順に従って実施可能である。
被験試料に含まれている核酸およびタンパク質の標識は、例えば、RTPCRもしくはこれに類する反応によりCy3もしくはCy5で標識されたデオキシヌクレオチドをcDNAに組み込む反応などの通常の方法により実施可能である。
【0044】
シグナルの検出は、例えばScanArray(登録商標)2000を用いた走査により実施可能である。
遺伝子または遺伝子群のデータおよび定量的発現パターンを、例えば適当なソフトウェアを用いた生物情報解析(biocomputing)によりコンピュータを用いてさらに解析および評価することができる。このために、コンピュータプログラムを用いて、特定の遺伝子または遺伝子群の発現規模の発現と炎症反応の重症度との関係を、実験パラメータまたは血行動態パラメータの評価を用いて決定するようにして規定することが可能である。該プログラムを用いて、疾患の重症度または進行の経過を判断し予見することが可能である。加えて、該プログラムにより治療方法および治療介入の進行と効果とを観察することも可能である。
【0045】
タンパク質アレイも適宜実施可能である。ただし、捕捉と視覚化のために、タンパク質/タンパク質相互作用が使用されうる。
本発明の使用の好適な実施形態に従って、ハイブリッド形成した標識mRNA、cDNAまたはタンパク質の濃度が測定される。言い換えれば、このことは被験試料中の核酸またはタンパク質のレベルが定量的に測定され、ひいては敗血症または敗血症関連症候群の経過を観察して例えばそれらの治療が成功しているかどうかを見ることが容易になることを意味する。治療が成功している場合、試料中の核酸またはタンパク質の発現レベルは減少し、それに応じて検出シグナルが低下する。
【0046】
ハイブリッド形成した核酸またはタンパク質の検出は、例えばレーザー走査またはCCD機器により実施可能であり、多要因生物情報解析により、ある遺伝子、またはある遺伝子もしくはタンパク質の発現レベルと該疾患の重症度との関連を規定することが可能である。敗血症のような急性反応および炎症反応の重症度を、例えばAPACHE IIスコアリングのような臨床評価により規定することが可能である。
【0047】
好適な実施形態において、本発明により使用されるバイオチップを、急性炎症または慢性炎症について、より好ましくは敗血症または敗血症関連症候群を原因とする炎症を測定するために使用することができる。これらの疾患を検出するために、本発明のバイオチップは特に有用であり、迅速かつ正確な測定を可能にする。
【0048】
具体的には、特定の患者群における炎症応答の重症度は、該疾患の経過、重症度または進行度を評価するための周知の実験パラメータおよび血行動態パラメータを判定することにより、測定可能である。解析は、例えばAPACHE IIスコアのような適切な評価システムにより実施可能である。
【0049】
以降に実施例を参照して本発明をより詳細に説明するが、当然ながら実施例は単に発明を例示するためのものであり、発明を限定するものではない。
【実施例1】
【0050】
(本発明によるバイオチップの使用)
APACHE IIスコアにより分類された敗血症患者から静脈穿刺により全血を採取した。さらに健康なヒトボランティアから血液を採取した。これらの試料は、標準的な手法によりRNAを安定化するために用いられる溶液の入った市販の真空採血管中に回収した。供給業者のプロトコールに従ってRNAを単離し、標準的なプロトコール(http://www.Microarrays.org/pdfs/YeastPolyAIsolation.pdf )に従ってmRNAを単離した。逆転写酵素を用いてCy3およびCy5標識ヌクレオチドを組み込むことにより、cDNAを標識した(http://www.Microarrays.org/pdfs/HumanRNALabel.pdf )。
【0051】
敗血症または敗血症関連症候群との関連性に従って、75000個のヒトクローンを含むcDNAライブラリー(ドイツ連邦共和国ベルリン所在のRZPD社)から約1000クローンを選択した。これら1000クローン由来のPCR産物を、Omnigrid(登録商標)スポット装置(ジーンマシンズ(Genemachines)社)を用いてポリ‐L‐リシンでコーティングされたガラスのスライド(テレケム(Telechem)社)にスポットした。
【0052】
上記の被験標識分子を、(http://www.Microarrays.org/pdfs/Hybridization.pdf )に記載のようにして活性化担体表面に固定化されたcDNAとハイブリッド形成させるために使用した。次いでプロトコール(http://www.Microarrays.org/pdfs/ArrayWashing.pdf)二従って洗浄した。Genepix(登録商標)4000(アクソン(Axon)社)スキャナを用いて、ハイブリッド形成した蛍光標識分子を指示書に従って検出した。データを、敗血症患者から得た試料と健康なヒトボランティアから得た試料との間で比較し、AIDAアレイ評価ソフトウェア(ライテスト(raytest)社)を用いてデータを解析し、上方制御または下方制御を受けた遺伝子を決定した。続いてデータマイニング手法を適用し差次的遺伝子発現と敗血症または敗血症関連症候群の重症度との関連を判断した。上記のバイオチップを使用することにより、差次的遺伝子発現の解析から敗血症または敗血症関連症候群の診断、重症度の定量化、および治療に対する応答の測定について確立することが可能であることを示し得た。
【0001】
本発明は、敗血症または敗血症関連症候群の診断のための核酸および/またはタンパク質チップの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
敗血症ならびにその続発症の敗血症ショックおよび多臓器不全は、術後集中治療室における死亡の最も多い原因である。
敗血症(血液中毒と呼ばれることも多い)は、最も悪性度の高いタイプの感染である。基本的に、生体が元の感染部位に感染を限定することができなければ、どのような感染でも敗血症になる可能性がある。そして細菌の構成成分ならびに内在性のメディエータのいずれもが、感染部位から遠く離れた種々の臓器に損傷を与える可能性がある。数時間以内に多臓器不全を伴う生命に関わる状態に発展しうる。敗血症についての40%〜60%の死亡率は過去数十年にわたり不変であり続けている。病院の全患者の約5%〜10%が感染により容態が悪化する。ドイツ国だけでも、年間80,000人の患者においてそのような感染から敗血症がもたらされている。
【0003】
国際的に有数の研究者らにより、治療についての新たなアプローチの失敗の主たる原因は敗血症の診断の遅れと不明確さにあることが多いとされている。早期診断および患者の宿主応答の特徴分析の改善によってのみ、より早くより有効な治療が可能であろう。
【0004】
適切な治療法を即座に開始するために、敗血症および敗血症関連症候群の診断を極めて迅速に実施しうることが特に必要であり、さらに、患者由来の大量の試料をごく短時間で分析することが必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の根底にある技術的な課題は、上記のような利点を備えつつ敗血症および敗血症関連症候群を診断することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような技術的な課題は、細胞のストレス反応、炎症反応および免疫反応に特異的であるか、ストレス反応、炎症反応および免疫反応に関連するか、急性期の応答の際に誘導されるか、またはそれらの任意の組合せであって、かつ敗血症または敗血症関連症候群の診断用に担体に(具体的には整然と格子状パターンに)固定化されるプローブ核酸および/またはプローブタンパク質、を含む核酸および/またはタンパク質チップ(バイオチップ)の使用により解決される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明によれば、「診断」という用語は、個々の敗血症および敗血症関連症候群の経過のモニタリング、重症度の検出および個別の予後の判断をも含む。
本発明について用いられる「プローブ核酸および/またはプローブタンパク質」という用語は、核酸のみ、タンパク質のみ、そして核酸とタンパク質との共存をも意味する。
【0008】
本発明によれば、「核酸」という用語は一般に任意の種類かつ任意の供給源のDNAおよびRNAを表す。DNA分子については、細胞内mRNAまたは単離mRNAから生成可能なcDNAを使用することができる。
【0009】
本発明は、数千スポットに及ぶ核酸を備えた核酸チップが使用可能な、非常に新しい研究領域である核酸チップ技術に関する。この目的に達するために、核酸を担体に整然と格子状パターンに固定化する。被験DNAまたはRNA(標的核酸または試料)を通常(例えば蛍光色素を用いて)標識し、チップに供する。標的核酸が、担体に結合され被験DNAまたはRNAに相補的な配列を有するプローブ核酸とハイブリッド形成する場合、通常の方法で(例えばCCDカメラにより、もしくはレーザースキャナにより)前記格子状パターン内の該当する部位にシグナルが検出される。
【0010】
言い換えれば、上述のチップ技術は、担体に整然と格子状パターンに固定化されたプローブ核酸とRNAまたはDNA分子とをハイブリッド形成させることにより同時に一群の分子の発現を分析することが可能であるという知見に基づいている。
【0011】
本発明について、核酸チップを引用して以下に詳細に説明するが、それらに限定されると理解されるべきではない。本発明は、プローブタンパク質が担体に整然と格子状パターンに固定化されたタンパク質チップにも適用可能である。被験試料中のタンパク質を、プローブタンパク質との相互作用により検出可能である。これは通常の方法で実施可能である。当業者には、タンパク質チップを作製し適宜使用するための化学物質、材料および方法も周知であり、あるいは、以下に核酸チップに関して述べる詳細に照らしてタンパク質チップに適した化学物質、材料および方法を開発することも可能である。
【0012】
本発明の好適な実施形態では、プローブ核酸は、感染に対する生体の応答に関連する、免疫メディエータ、転写因子、急性期タンパク質、補体成分、接着分子、細胞特異マーカー、アポトーシス、ハウスキーピングの遺伝子または分子から選択される、遺伝子、遺伝子産物、前記遺伝子のスプライス・バリアントおよび/または前記遺伝子の断片である。これらのプローブ核酸を用いて、敗血症および敗血症関連症候群の診断を、上記の要求に関して好都合な方法で実行可能である。
【0013】
本明細書中で使用する「断片」という用語は、遺伝子より短いが該遺伝子の特性は備えたままであり、野生型のタンパク質と基本的に同じ化学的および/または物理的性質、特に機能上の性質を有するタンパク質を生じる核酸配列を指す。
【0014】
敗血症または敗血症関連症候群の診断に関して、敗血症および感染に対する生体の応答に関連する、免疫メディエータ、転写因子、急性期タンパク質、補体成分、接着分子、細胞特異マーカー、アポトーシス、ハウスキーピングの遺伝子ならびに分子から選択される、遺伝子、遺伝子産物、前記遺伝子のスプライス・バリアントおよび/または前記遺伝子の断片を用いることは、上記の要求に関して特に好都合である。
【0015】
本発明の好適な実施形態では、バイオチップは、血液凝固系の分子および/または感染物質から選択される少なくとも1つの遺伝子、遺伝子産物、前記遺伝子のスプライス・バリアントおよび/または前記遺伝子の断片をさらに含む。
【0016】
免疫メディエータの例は、成長因子(PDGF‐α、‐βなど)、インスリン様成長因子(ILGF)、IL‐1〜IL‐18のようなインターロイキンなどの炎症誘発性および抗炎症性サイトカイン、ケモカイン[血小板第4因子(PF‐4)、γ‐インターフェロン誘導タンパク質10(IP‐10)、成長関連タンパク質Gro‐α、βおよびγ、エオタキシン、Mip‐1α、Mip‐1β、RANTESなど]、成長因子受容体、サイトカイン受容体、サイトカイン誘導性の分子、ケモカイン受容体ならびにその他の細胞増殖関連抗原である。
【0017】
転写因子は、EGR‐、NFAT‐およびNFkB‐タンパク質、ならびにAP‐1およびCREBタンパク質ファミリーはもちろん、転写モジュレータでもありうる。
その他の急性期タンパク質には、C‐反応性タンパク質および組織因子1はもちろん、サイトカイン、サイトカイン受容体、サイトカイン誘導性の分子、ケモカイン、ケモカイン受容体、リン酸化酵素、脱リン酸化酵素、転写因子および転写モジュレータがある。
【0018】
補体成分の例は、H因子、FHL‐1およびFHRをコードする遺伝子である。
細胞特異性のマーカーには、CD抗原分子および接着分子、T細胞受容体遺伝子ならびにT細胞受容体に関連する遺伝子があり、例えばCD3、CD14、CD11e/CD18、CD28、CD143の各タンパク質、T細胞のサブタイプに関するCD4およびCD8、マクロファージのCD14、B細胞のIgMのような細胞特異性マーカーをコードする遺伝子、細胞周期に関する遺伝子、エイコサノイドシグナル伝達に関する遺伝子および成長因子受容体である。
【0019】
ハウスキーピング遺伝子の代表例は、グルコース‐6‐リン酸デヒドロゲナーゼ、アクチンおよびグリセルアルデヒド‐3‐リン酸デヒドロゲナーゼである。
敗血症および感染に対する生体の応答に関連するその他の分子には、細胞周期に関する遺伝子、リン酸化酵素、脱リン酸化酵素および転写因子があり、例えばヒトCalc遺伝子の種々の転写物、すなわちプロカルシトニン、カタカルシンN末端ペプチド、カタカルシンおよびカルシトニン遺伝子関連ペプチドをコードする転写物、ならびにその産物がある。
【0020】
炎症は、微生物のような感染物質により引き起こされることが非常に多い。炎症の原因(例えば微生物)を対象とする適切な治療のためには、該微生物について可能な限り多くの情報を得ることが望ましい。従って、そのような情報を得るために、該微生物のタンパク質または遺伝子を本発明により使用されるバイオチップの担体に固定することが可能である。
【0021】
本発明のバイオチップは、上述のプローブのうちの1つまたは最大で該プローブ全てを含む任意の組合せを備え得る。当業者は、評価すべき疾患の種類に応じてプローブを容易に選択可能である。
【0022】
上記の核酸チップおよびタンパク質チップ、特に上述の特定のプローブ核酸を備えたチップは、敗血症および敗血症関連症候群の診断において複数の利点を有する。利点の1つは、特に上記に明示したプローブ核酸を用いることにより非常に簡単かつ迅速な方法で診断を実施しうることである。測定を正確に実施可能である。さらに、感染物質および/または感染物質を原因とする生体の反応を、遺伝子、遺伝子断片および/またはタンパク質を検出することにより直接測定可能である。上記のバイオチップを用いることにより、敗血症および敗血症関連症候群の診断を標準化することが可能である。発現遺伝子または所定の遺伝子のパターンは、診断だけでなく早期発見、治療中のモニタリング、および重症度の検出に有用である。加えて、本発明で用いられるバイオチップにより、疾患の経過、すなわち敗血症および敗血症関連症候群の進行ならびにその治療の成功について調査することができる。
【0023】
本発明によるバイオチップの使用に関し、調べようとするDNAまたはRNAを例えば蛍光色素により標識してチップに供することが可能である。調べようとするDNAまたはRNAと、相補的な配列を有し担体に結合されたプローブ分子とのハイブリッド形成を、例えばCCDカメラまたはレーザースキャナなどの通常の手段により、格子内の該当する部位に検出することができる。
【0024】
本発明で使用されるバイオチップにより自動分析が可能であり、さらに、被験試料の量が定量的に測定可能であり、これにより敗血症または敗血症関連症候群の経過について、特にその治療の成功についてのより正確な情報を得ることが可能である。
【0025】
上述したように、上記の特異性を備えたプローブ核酸および/またはプローブタンパク質を担体上に固定化する。これは、核酸のみ、タンパク質のみ、または核酸とタンパク質の両方のいずれかが担体に結合されることを意味する。
【0026】
本発明で使用されるバイオチップによれば、プローブは具体的には上記のチップ技術において一般に実施されるように担体に整然と格子状パターンに固定化される。整然とした格子状パターンには、プローブを例えばスポットとして備える担体上の領域がある。核酸チップおよびタンパク質チップは、一般に担体上の複数の領域を備えて提供される。この場合、全領域が同一のプローブを備えること、または領域が異なるプローブ(すなわち核酸プローブおよび/またはタンパク質プローブ)を備えることも可能である。
【0027】
本発明に従って使用されるバイオチップの好適な実施形態において、プローブ核酸および/またはプローブタンパク質は担体上の所定の領域に固定化される。これは、プローブが固定化されるであろう領域が事前に分かっていることを意味する。また、特定のプローブが担体に固定化される位置が該チップの使用(例えば被験試料による処理)前に分かっていることをも意味する。この利点により、敗血症および敗血症関連症候群の診断の標準化と自動化とが可能となる。さらに、測定が非常に簡単かつ迅速になされる。
【0028】
本発明に従って使用されるバイオチップのさらに好適な実施形態において、該領域は互いに間隔が空いている。これにより、非常に好都合な方法で、より良好かつ正確な結果、さらには敗血症および敗血症関連症候群の診断の自動化と標準化とが可能となる。
【0029】
プローブの整然とした格子状パターンは、平行に列をなした領域の形式に配置される。そのような担体の例はマイクロタイタープレートであり、ウェルがプローブの領域に相当し一般に平行に列をなして配置されている。この実施形態によれば、炎症の測定の自動化と標準化とが非常に好都合な方法で達成される。
【0030】
好適な実施形態において、担体はガラスのスライドである。ガラスのスライドは好ましい光学特性を有し、さらに、固体であるが蛍光性では無いという利点を有し、そのためこれらの特性により迅速かつ正確な炎症の測定に特に有用である。
【0031】
本発明に従って使用されるバイオチップの作製方法の1つを以下に説明する。
バイオチップを製造するために、プローブ(特に核酸)をスポット溶液に溶解してから通常のスポット工程を用いて担体にスポットすることが可能である。スポット溶液としては、クエン酸ナトリウム生理食塩水(SSC)緩衝液が広く用いられる。50%のジメチルスルホキシドを添加することも可能である。
【0032】
例えば核酸および/またはタンパク質のプローブの、担体への結合は、共有結合または静電(イオン)結合のいずれかによって達成可能である。
核酸の共有結合の場合、例えばアルデヒド基を有する化合物が担体の表面にコーティングされる。核酸は、アルデヒド基と反応してシッフ塩基すなわち共有結合を形成しうる一次アミノ基を含んでいる。
【0033】
特に核酸の静電結合の場合、核酸は通常負に荷電しているという事実が利用される。担体の表面に正の電荷を供することにより、負に荷電した核酸と正に荷電した担体表面との間に、電荷の相互作用による結合が形成されうる。この目的のために、正の電荷を提供する化合物によりコーティングされた(例えばポリ‐L‐リシン(lysine)および/またはアミノシランでコーティングされた)ガラス表面が用いられる。このような活性化スライドは当業界でよく知られている。
【0034】
必要であれば、UV照射により核酸と担体との架橋結合を形成することもできる。
敗血症および敗血症関連症候群の診断用にバイオチップを使用するために、試験しようとするヒトもしくは動物由来の標識されたmRNA、cDNAまたはタンパク質をバイオチップのプローブ核酸および/またはプローブタンパク質とハイブリッド形成させることができ、ハイブリッド形成パターンを前記のようにして測定可能である。被験試料は、血液試料(特に静脈血)、組織試料、器官または生物体由来の末梢血液細胞から単離可能である。該試料を直接使用しても、さらに精製して血液細胞集団を得てもよい。血液細胞を溶解することも可能であり、RNAを通常の方法で単離することが可能である。mRNAをさらに精製してもよく、標準的な手法によりmRNAからcDNAを合成することも可能である。
【0035】
都合のよいことに、cDNA試料は分画化された細胞または精製mRNAから得られる。さらに、核酸試料はPCRにより生成された断片由来でもよい。これらの試料は、特に強力なシグナルが発生するという利点を示す。
【0036】
試料として使用するcDNAまたはmRNAをマーカーで標識することができる。試料をバイオチップのプローブとハイブリッド形成させた後で検出可能な任意の物質をマーカーとして使用することができる。そのようなマーカーの例は蛍光色素である。標識cDNAまたは標識mRNAを、通常の方法でバイオチップのプローブとハイブリッド形成させることができる。タンパク質分析を、標準的なタンパク質アレイ技術に従って実施可能である。
【0037】
以降、本発明によるバイオチップの使用について、核酸を引例としてより詳細に説明するが、当然ながら本発明は核酸に限定されるものではなく、タンパク質にも適用可能である。
【0038】
ヒトまたは動物由来の被験細胞は、血液試料および末梢血単核細胞から、Ficoll‐Hypaque(登録商標)遠心法のような標準的手法またはLymphoprep(登録商標)により単離可能である。加えて、組織、器官、または患者の血漿およびその他の生物学的供給源から単離された感染物質のような生物体を使用可能である。単離細胞を用いて、単球、T細胞サブタイプまたはB細胞サブタイプなどの特定の細胞のサブタイプを濃縮することが可能である。
【0039】
細胞を精製するために、細胞をFACS選別、磁気選別などの標準的手順または特定のサブタイプの細胞を溶解することによりさらに濃縮することが可能である。細胞、組織、または生物体から、フェノール/クロロホルム、RNAzol(登録商標)もしくはTrizol(登録商標)を用いた抽出などの標準的手法によっても全RNAまたはその画分を単離することができる。
【0040】
単離RNAをさらに精製してmRNAとし、コード領域の分子数を高めてもよい。これは、例えば磁気ビーズを用いたオリゴdT選別またはその他の手法により実施可能である。
【0041】
cDNAの合成は、標準的手法により実現することも可能である。遺伝子特異的なプライマーとオリゴdTプライマーとを組み合わせて、またはオリゴdTプライマーは用いずに、生物材料をポリメラーゼ連鎖反応による温度サイクルに供して変換cDNAをさらに増幅してもよい。
【0042】
DNAアレイを作製するために、Borofloat(登録商標)‐33ガラスのスライドなどの担体を、DNAを固定化する活性を有する基を含む、シランなどの、DNAを固定化するのに有用なポリマーの薄層でコーティングすることができる。
【0043】
標識された相補的RNAまたは標識された相補的cDNAと、担体に固定化された核酸とのハイブリッド形成は、標準的手順に従って実施可能である。
被験試料に含まれている核酸およびタンパク質の標識は、例えば、RTPCRもしくはこれに類する反応によりCy3もしくはCy5で標識されたデオキシヌクレオチドをcDNAに組み込む反応などの通常の方法により実施可能である。
【0044】
シグナルの検出は、例えばScanArray(登録商標)2000を用いた走査により実施可能である。
遺伝子または遺伝子群のデータおよび定量的発現パターンを、例えば適当なソフトウェアを用いた生物情報解析(biocomputing)によりコンピュータを用いてさらに解析および評価することができる。このために、コンピュータプログラムを用いて、特定の遺伝子または遺伝子群の発現規模の発現と炎症反応の重症度との関係を、実験パラメータまたは血行動態パラメータの評価を用いて決定するようにして規定することが可能である。該プログラムを用いて、疾患の重症度または進行の経過を判断し予見することが可能である。加えて、該プログラムにより治療方法および治療介入の進行と効果とを観察することも可能である。
【0045】
タンパク質アレイも適宜実施可能である。ただし、捕捉と視覚化のために、タンパク質/タンパク質相互作用が使用されうる。
本発明の使用の好適な実施形態に従って、ハイブリッド形成した標識mRNA、cDNAまたはタンパク質の濃度が測定される。言い換えれば、このことは被験試料中の核酸またはタンパク質のレベルが定量的に測定され、ひいては敗血症または敗血症関連症候群の経過を観察して例えばそれらの治療が成功しているかどうかを見ることが容易になることを意味する。治療が成功している場合、試料中の核酸またはタンパク質の発現レベルは減少し、それに応じて検出シグナルが低下する。
【0046】
ハイブリッド形成した核酸またはタンパク質の検出は、例えばレーザー走査またはCCD機器により実施可能であり、多要因生物情報解析により、ある遺伝子、またはある遺伝子もしくはタンパク質の発現レベルと該疾患の重症度との関連を規定することが可能である。敗血症のような急性反応および炎症反応の重症度を、例えばAPACHE IIスコアリングのような臨床評価により規定することが可能である。
【0047】
好適な実施形態において、本発明により使用されるバイオチップを、急性炎症または慢性炎症について、より好ましくは敗血症または敗血症関連症候群を原因とする炎症を測定するために使用することができる。これらの疾患を検出するために、本発明のバイオチップは特に有用であり、迅速かつ正確な測定を可能にする。
【0048】
具体的には、特定の患者群における炎症応答の重症度は、該疾患の経過、重症度または進行度を評価するための周知の実験パラメータおよび血行動態パラメータを判定することにより、測定可能である。解析は、例えばAPACHE IIスコアのような適切な評価システムにより実施可能である。
【0049】
以降に実施例を参照して本発明をより詳細に説明するが、当然ながら実施例は単に発明を例示するためのものであり、発明を限定するものではない。
【実施例1】
【0050】
(本発明によるバイオチップの使用)
APACHE IIスコアにより分類された敗血症患者から静脈穿刺により全血を採取した。さらに健康なヒトボランティアから血液を採取した。これらの試料は、標準的な手法によりRNAを安定化するために用いられる溶液の入った市販の真空採血管中に回収した。供給業者のプロトコールに従ってRNAを単離し、標準的なプロトコール(http://www.Microarrays.org/pdfs/YeastPolyAIsolation.pdf )に従ってmRNAを単離した。逆転写酵素を用いてCy3およびCy5標識ヌクレオチドを組み込むことにより、cDNAを標識した(http://www.Microarrays.org/pdfs/HumanRNALabel.pdf )。
【0051】
敗血症または敗血症関連症候群との関連性に従って、75000個のヒトクローンを含むcDNAライブラリー(ドイツ連邦共和国ベルリン所在のRZPD社)から約1000クローンを選択した。これら1000クローン由来のPCR産物を、Omnigrid(登録商標)スポット装置(ジーンマシンズ(Genemachines)社)を用いてポリ‐L‐リシンでコーティングされたガラスのスライド(テレケム(Telechem)社)にスポットした。
【0052】
上記の被験標識分子を、(http://www.Microarrays.org/pdfs/Hybridization.pdf )に記載のようにして活性化担体表面に固定化されたcDNAとハイブリッド形成させるために使用した。次いでプロトコール(http://www.Microarrays.org/pdfs/ArrayWashing.pdf)二従って洗浄した。Genepix(登録商標)4000(アクソン(Axon)社)スキャナを用いて、ハイブリッド形成した蛍光標識分子を指示書に従って検出した。データを、敗血症患者から得た試料と健康なヒトボランティアから得た試料との間で比較し、AIDAアレイ評価ソフトウェア(ライテスト(raytest)社)を用いてデータを解析し、上方制御または下方制御を受けた遺伝子を決定した。続いてデータマイニング手法を適用し差次的遺伝子発現と敗血症または敗血症関連症候群の重症度との関連を判断した。上記のバイオチップを使用することにより、差次的遺伝子発現の解析から敗血症または敗血症関連症候群の診断、重症度の定量化、および治療に対する応答の測定について確立することが可能であることを示し得た。
Claims (8)
- 細胞のストレス反応、炎症反応および免疫反応に特異的であるか、ストレス反応、炎症反応および免疫反応に関連するか、急性期の応答の際に誘導されるか、またはそれらの任意の組合せであって、かつ敗血症もしくは敗血症関連症候群の診断用に担体に固定化されるプローブ核酸および/またはプローブタンパク質、を含む核酸および/またはタンパク質チップの使用。
- プローブ核酸は、敗血症および感染に対する生体の応答に関連する、免疫メディエータ、転写因子、急性期タンパク質、補体成分、接着分子、細胞特異マーカー、アポトーシス、ハウスキーピングの遺伝子または分子から選択される、遺伝子、遺伝子産物、前記遺伝子のスプライス・バリアントおよび/または前記遺伝子の断片である、請求項1に記載の使用。
- プローブ核酸は、血液凝固系の分子および/または感染物質から選択される少なくとも1つの遺伝子、遺伝子産物、前記遺伝子のスプライス・バリアントおよび/または前記遺伝子の断片をさらに含む、請求項1または2に記載の使用。
- プローブ核酸および/またはプローブタンパク質は担体上の所定の領域に固定化される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の使用。
- 前記領域は互いに間隔が空いている、請求項4に記載の使用。
- 担体はガラスのスライド、マイクロタイタープレートもしくはナノタイタープレートである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の使用。
- 試験しようとするヒトもしくは動物から得られた標識mRNA、標識cDNAまたは標識タンパク質を、チップのプローブ核酸および/またはプローブタンパク質とハイブリッド形成させ、ハイブリッド形成パターンを測定する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の使用。
- ハイブリッド形成した標識mRNA、cDNAまたはタンパク質の濃度が測定される、請求項7に記載の使用。
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