JP2005343958A - ポリエチレン微多孔膜の製造方法並びにその微多孔膜及び用途 - Google Patents
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Abstract
【課題】 耐溶融収縮性及び突刺強度の両方の特性に優れたポリエチレン微多孔膜を、安定的かつ効率的に製造できる方法、並びにその製造方法により得られる微多孔膜及び用途を提供する。
【解決手段】 質量平均分子量により分類される少なくとも一種のポリエチレン成分からなるポリエチレン樹脂と溶剤とを溶融混練し、得られたポリエチレン樹脂溶液をダイより押出し、冷却することによりゲル状成形物を形成した後、二軸延伸し、かつ上記溶剤を除去し、しかる後さらに一軸延伸するポリエチレン微多孔膜の製造方法であって、(a) 上記ポリエチレン樹脂溶液中に含まれるポリエチレン成分の分子を球状と見なし、ポリエチレン樹脂及び溶剤の合計100質量部当りにおいて算出される分子充填密度ρが所定値以上となるように、上記ポリエチレン樹脂溶液を調製するとともに、(b) 上記ゲル状成形物を二軸延伸する際に、二軸延伸の温度を117℃以下とし、二軸延伸の総面積倍率を16倍以上とし、かつ(c) 上記一軸延伸の総倍率を1.1〜3.0倍とする方法。
【選択図】 なし
【解決手段】 質量平均分子量により分類される少なくとも一種のポリエチレン成分からなるポリエチレン樹脂と溶剤とを溶融混練し、得られたポリエチレン樹脂溶液をダイより押出し、冷却することによりゲル状成形物を形成した後、二軸延伸し、かつ上記溶剤を除去し、しかる後さらに一軸延伸するポリエチレン微多孔膜の製造方法であって、(a) 上記ポリエチレン樹脂溶液中に含まれるポリエチレン成分の分子を球状と見なし、ポリエチレン樹脂及び溶剤の合計100質量部当りにおいて算出される分子充填密度ρが所定値以上となるように、上記ポリエチレン樹脂溶液を調製するとともに、(b) 上記ゲル状成形物を二軸延伸する際に、二軸延伸の温度を117℃以下とし、二軸延伸の総面積倍率を16倍以上とし、かつ(c) 上記一軸延伸の総倍率を1.1〜3.0倍とする方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は、耐溶融収縮性及び突刺強度の両方の特性に優れた微多孔膜を、安定的かつ効率的に製造できる方法、並びにその製造方法により得られる微多孔膜及び用途に関する。
ポリエチレン微多孔膜は、電池用セパレータ、電解コンデンサー用隔膜、各種フィルター、透湿防水衣料、逆浸透濾過膜、限外濾過膜、精密濾過膜等の各種用途に用いられている。ポリエチレン微多孔膜を電池用セパレータ、特にリチウムイオン電池用セパレータとして用いる場合、その性能は電池特性、電池生産性及び電池安全性に深く関わっている。そのため優れた透過性、機械的特性、耐熱収縮性、シャットダウン特性、メルトダウン特性等が要求される。
そのためポリエチレン微多孔膜の物性を改善する方法として、原料組成、延伸温度、延伸倍率、熱処理条件等を最適化することが提案されてきた。例えば特開平6-240036号(特許文献1)は、分子量が7×105 以上の成分を1質量%以上含有し、分子量分布(質量平均分子量/数平均分子量)が10〜300のポリエチレン10〜50質量%と、溶媒50〜90質量%とからなる溶液を調製し、得られた溶液をダイより押出し、冷却することにより未延伸のゲル状組成物を形成し、得られたゲル状組成物をポリエチレンの結晶分散温度〜融点+10℃の温度で少なくとも一軸方向に延伸し、次いで残存溶媒の除去を行い、その後得られた延伸物をポリエチレンの融点−10℃以下の温度で少なくとも一軸方向に再び延伸する方法を提案している。特許文献1のポリエチレン微多孔膜は、適度な大きさの孔径を有し、孔径分布がシャープであり、機械的強度に優れている。
特開2001-2813号(特許文献2)は、二軸延伸の温度をポリエチレン樹脂の融点−10℃以上〜融点以下とし、かつその総面積延伸倍率を2〜30倍とし、縦横延伸倍率比を0.12〜8とする方法を提案している。特許文献2の方法により得られるポリエチレン微多孔膜は、下記式:曲折率W = 透気度Pa × 空孔率Pv × ピーク孔径dp/膜厚tにより表される曲折率Wが0.10〜0.30の範囲になるので、セパレータとして用いた場合の短絡防止性及び電池生産性に優れている。またこのポリエチレン微多孔膜の剛軟度Gは20 mm以上であるので、ハンドリングが良好である。
しかし昨今の電池の高容量化に伴い、電池用セパレータには一層の安全性向上が求められている。電池安全性に関して、ポリエチレン微多孔膜はシャットダウン特性に優れているものの、シャットダウン温度より高温の140℃付近で起こる溶融状態での収縮(溶融収縮)によって電極の幅方向又は厚さ方向の短絡を招き、電池の熱暴走を引き起こす恐れがあり、発火等の安全性不良に問題があった。
そのためポリエチレン微多孔膜の溶融収縮を抑制することが求められている。微多孔膜の溶融収縮を抑制する方法として、例えばポリエチレン微多孔膜を構成するポリエチレン樹脂にポリプロピレン等の耐熱性樹脂を添加したり、ポリエチレン樹脂を架橋化したり、ポリエチレン微多孔膜を耐熱性樹脂膜との多層化構造としたり、ポリエチレン微多孔膜に耐熱性樹脂をコートしたりすることが提案されている。しかしコストや生産性の観点から、ポリエチレン単独で安全性の高い電池用セパレータを提供できるのが望ましい。
これに対して、例えば特開平4-212264号(特許文献3)は、粘度平均分子量が16万〜200万であり、結晶化度が60〜90%であるポリエチレンからなる微多孔膜を提案している。特許文献3のポリエチレン微多孔膜は融点付近の温度において変形しにくい。
しかしながら、近年電池用セパレータには、電極上に混入した不純物の圧迫によって発生する電圧降下等による不良の低減化も求められている。不純物の圧迫によって発生する電圧降下を抑制するためには、機械的特性の中でも突刺強度の向上が求められる。しかし現状では耐溶融収縮性及び突刺強度の両方の特性に優れたポリエチレン微多孔膜は得られていない。
従って、本発明の目的は、耐溶融収縮性及び突刺強度の両方の特性に優れたポリエチレン微多孔膜を、安定的かつ効率的に製造できる方法、並びにその製造方法により得られる微多孔膜及び用途を提供することである。
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、(a) ポリエチレン樹脂と溶剤とを溶融混練して得られるポリエチレン樹脂溶液中に含まれるポリエチレン成分の分子を球状と見なし、ポリエチレン樹脂及び溶剤の合計100質量部当りにおいて算出される分子充填密度ρが所定値以上となるように、ポリエチレン樹脂溶液を調製するとともに、(b) 得られたポリエチレン樹脂溶液を押出し、冷却することにより得られるゲル状成形物を二軸延伸する際に、二軸延伸の温度を117℃以下とし、二軸延伸の総面積倍率を16倍以上とし、(c) その後1.1〜3.0倍の総倍率で一軸延伸することにより、耐溶融収縮性及び突刺強度の両方の特性に優れた微多孔膜を、安定的かつ効率的に製造できることを見出し、本発明に想到した。
すなわち、本発明のポリエチレン微多孔膜の製造方法は、質量平均分子量により分類される少なくとも一種のポリエチレン成分からなるポリエチレン樹脂と溶剤とを溶融混練し、得られたポリエチレン樹脂溶液をダイより押出し、冷却することによりゲル状成形物を形成した後、二軸延伸し、かつ前記溶剤を除去し、しかる後さらに一軸延伸するものであって、下記式(1):
V = Σ[(4/3)πri 3 × (Ci/Mwi) × (6.02×1023)] ・・・(1)
[但しMwiは前記ポリエチレン樹脂に含まれる第i番目のポリエチレン成分iの質量平均分子量であり、riは前記ポリエチレン成分iの分子鎖の広がりの半径(μm)を表し、ri = (1/2)〈R0 2〉i 1/2(〈R0 2〉i 1/2は前記ポリエチレン成分iの分子鎖末端間距離(μm)であり、下記式:〈R0 2〉i 1/2 = (1.15 × 10-8× Mwi)1/2により算出される。)であり、Ciは前記ポリエチレン成分iの前記ポリエチレン樹脂溶液中濃度(質量%:前記ポリエチレン樹脂及び前記溶剤の合計を100質量%とする。)であり、Σは前記ポリエチレン成分が複数種である場合に各ポリエチレン成分について前記式:(4/3)πri 3× (Ci/Mwi) ×
(6.02×1023) により算出される値を合計することを表す。]により表され、前記ポリエチレン樹脂及び前記溶剤の合計100質量部当りにおいて算出される前記ポリエチレン成分の分子充填密度ρが6.5×1015(μm3/100質量部)以上となるように前記ポリエチレン樹脂溶液を調製し、前記二軸延伸の温度を117℃以下とし、前記二軸延伸の総面積倍率を16倍以上とし、かつ前記一軸延伸の総倍率を1.1〜3.0倍とすることを特徴とする。
V = Σ[(4/3)πri 3 × (Ci/Mwi) × (6.02×1023)] ・・・(1)
[但しMwiは前記ポリエチレン樹脂に含まれる第i番目のポリエチレン成分iの質量平均分子量であり、riは前記ポリエチレン成分iの分子鎖の広がりの半径(μm)を表し、ri = (1/2)〈R0 2〉i 1/2(〈R0 2〉i 1/2は前記ポリエチレン成分iの分子鎖末端間距離(μm)であり、下記式:〈R0 2〉i 1/2 = (1.15 × 10-8× Mwi)1/2により算出される。)であり、Ciは前記ポリエチレン成分iの前記ポリエチレン樹脂溶液中濃度(質量%:前記ポリエチレン樹脂及び前記溶剤の合計を100質量%とする。)であり、Σは前記ポリエチレン成分が複数種である場合に各ポリエチレン成分について前記式:(4/3)πri 3× (Ci/Mwi) ×
(6.02×1023) により算出される値を合計することを表す。]により表され、前記ポリエチレン樹脂及び前記溶剤の合計100質量部当りにおいて算出される前記ポリエチレン成分の分子充填密度ρが6.5×1015(μm3/100質量部)以上となるように前記ポリエチレン樹脂溶液を調製し、前記二軸延伸の温度を117℃以下とし、前記二軸延伸の総面積倍率を16倍以上とし、かつ前記一軸延伸の総倍率を1.1〜3.0倍とすることを特徴とする。
得られる微多孔膜が一層優れた特性を得るために、本発明の製造方法は下記条件(1)〜(8)を満たすのが好ましい。
(1) 二軸延伸として同時二軸延伸を行う。
(2) 分子充填密度ρを7×1015(μm3/100質量部)以上とする。
(3) 二軸延伸の総面積倍率を20倍以上とする。
(4) 二軸延伸の温度を115℃以下とする。
(5) ゲル状成形物を二軸延伸した後溶剤を除去する。
(6) 二軸延伸温度の下限を、微多孔膜を構成するポリエチレン樹脂の結晶分散温度以上とする。
(7) 一軸延伸の総倍率を1.2〜2.2倍とする。
(8) 一軸延伸の温度を60℃以上〜微多孔膜を構成するポリエチレン樹脂の融点−5℃以下の範囲内とする。
(1) 二軸延伸として同時二軸延伸を行う。
(2) 分子充填密度ρを7×1015(μm3/100質量部)以上とする。
(3) 二軸延伸の総面積倍率を20倍以上とする。
(4) 二軸延伸の温度を115℃以下とする。
(5) ゲル状成形物を二軸延伸した後溶剤を除去する。
(6) 二軸延伸温度の下限を、微多孔膜を構成するポリエチレン樹脂の結晶分散温度以上とする。
(7) 一軸延伸の総倍率を1.2〜2.2倍とする。
(8) 一軸延伸の温度を60℃以上〜微多孔膜を構成するポリエチレン樹脂の融点−5℃以下の範囲内とする。
微多孔膜が一層優れた特性を得るために、前記ポリエチレン樹脂は下記条件(9)〜(22)を満たすのが好ましい。
(9) 一種のポリエチレンからなる単一物、又は二種以上のポリエチレンからなる組成物である。
(10) Mwが1×103〜1×107 の範囲内である。
(11) 上記(10)に記載のポリエチレン樹脂のMwは1×104〜5×106である。
(12) 上記(11)に記載のポリエチレン樹脂のMwは1×105〜4×106である。
(13) 上記(9)〜(12)のいずれかに記載のポリエチレン樹脂の質量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mn(分子量分布)は5〜300である。
(14) Mwが1×104未満の成分の含有量は、ポリエチレン樹脂全体を100質量部として5質量部未満である。
(15) 上記(9)に記載のポリエチレンは超高分子量ポリエチレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンからなる群から選ばれた少なくとも一種である。
(16) 上記(15)に記載のポリエチレンは質量平均分子量5×105以上の超高分子量ポリエチレンである。
(17) 上記(9)に記載のポリエチレン組成物は超高分子量ポリエチレンを必須とし、更に高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンからなる群から選ばれた少なくとも一種を含む。
(18) 上記(17)に記載のポリエチレン組成物は質量平均分子量5×105以上の超高分子量ポリエチレンと質量平均分子量1×104以上5×105未満の高密度ポリエチレンを含む。
(19) シャットダウン機能を付与するポリエチレンを含む。
(20) 上記(19)に記載のシャットダウン機能付与ポリエチレンのMwが1×103以上〜1×105以下である。
(21) 上記(19)又は(20)に記載のシャットダウン機能付与ポリエチレンは低密度ポリエチレンである。
(22) 上記(21)に記載のシャットダウン機能付与ポリエチレンは、分岐状の低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、シングルサイト触媒により製造されたエチレン/α−オレフィン共重合体、及び質量平均分子量が1×103 〜7×103 の範囲内である低分子量ポリエチレンからなる群から選ばれた少なくとも一種である。
(9) 一種のポリエチレンからなる単一物、又は二種以上のポリエチレンからなる組成物である。
(10) Mwが1×103〜1×107 の範囲内である。
(11) 上記(10)に記載のポリエチレン樹脂のMwは1×104〜5×106である。
(12) 上記(11)に記載のポリエチレン樹脂のMwは1×105〜4×106である。
(13) 上記(9)〜(12)のいずれかに記載のポリエチレン樹脂の質量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mn(分子量分布)は5〜300である。
(14) Mwが1×104未満の成分の含有量は、ポリエチレン樹脂全体を100質量部として5質量部未満である。
(15) 上記(9)に記載のポリエチレンは超高分子量ポリエチレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンからなる群から選ばれた少なくとも一種である。
(16) 上記(15)に記載のポリエチレンは質量平均分子量5×105以上の超高分子量ポリエチレンである。
(17) 上記(9)に記載のポリエチレン組成物は超高分子量ポリエチレンを必須とし、更に高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンからなる群から選ばれた少なくとも一種を含む。
(18) 上記(17)に記載のポリエチレン組成物は質量平均分子量5×105以上の超高分子量ポリエチレンと質量平均分子量1×104以上5×105未満の高密度ポリエチレンを含む。
(19) シャットダウン機能を付与するポリエチレンを含む。
(20) 上記(19)に記載のシャットダウン機能付与ポリエチレンのMwが1×103以上〜1×105以下である。
(21) 上記(19)又は(20)に記載のシャットダウン機能付与ポリエチレンは低密度ポリエチレンである。
(22) 上記(21)に記載のシャットダウン機能付与ポリエチレンは、分岐状の低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、シングルサイト触媒により製造されたエチレン/α−オレフィン共重合体、及び質量平均分子量が1×103 〜7×103 の範囲内である低分子量ポリエチレンからなる群から選ばれた少なくとも一種である。
本発明の好ましい実施態様による微多孔膜は下記物性(23)〜(34)を有する。
(23) 透気度(JIS P8117)は20〜700秒/100 ccである(膜厚25μm換算)。
(24) 空孔率は25〜80%である。
(25) 突刺強度は5,000 mN/20μm以上である。
(26) 引張破断強度(ASTM D882)はMDにおいて100,000 kPa以上であり、TDにおいて90,000 kPa以上である。
(27) 引張破断伸度(ASTM D882)はMDにおいて50%以上であり、TDにおいて50%以上である。
(28) 融点未満での熱収縮率(105℃・8時間暴露後)は、MD及びTDともに15%以下である。
(29) 平均孔径は0.01〜2.0μmである。
(30) シャットダウン温度(TMA引張荷重法により融点付近で観測される変局点の温度。昇温速度:5℃/min、荷重:2g。)は135℃以下である。
(31) メルトダウン温度(TMA引張荷重法により破膜した温度。昇温速度:5℃/min、荷重:2g。)は150℃以上である。
(32) 溶融最大収縮率(TMA引張荷重法により測定し、メルトダウンに至る過程において最も収縮した時点の収縮率。昇温速度:5℃/min、荷重:2g。)はMD又はTDにおいて5%以下である(膜厚20μm換算)。
(33) 90℃の温度及び2.2MPaの圧力で5分間プレスした後の透気度は1,000秒/100 cc以下である(膜厚25μm換算)。
(34) 90℃の温度及び2.2MPaの圧力で5分間プレスした後の透気度変化量と膜厚変化量の比Δ透気度/Δ膜厚は200(sec/μm)以下である。
(23) 透気度(JIS P8117)は20〜700秒/100 ccである(膜厚25μm換算)。
(24) 空孔率は25〜80%である。
(25) 突刺強度は5,000 mN/20μm以上である。
(26) 引張破断強度(ASTM D882)はMDにおいて100,000 kPa以上であり、TDにおいて90,000 kPa以上である。
(27) 引張破断伸度(ASTM D882)はMDにおいて50%以上であり、TDにおいて50%以上である。
(28) 融点未満での熱収縮率(105℃・8時間暴露後)は、MD及びTDともに15%以下である。
(29) 平均孔径は0.01〜2.0μmである。
(30) シャットダウン温度(TMA引張荷重法により融点付近で観測される変局点の温度。昇温速度:5℃/min、荷重:2g。)は135℃以下である。
(31) メルトダウン温度(TMA引張荷重法により破膜した温度。昇温速度:5℃/min、荷重:2g。)は150℃以上である。
(32) 溶融最大収縮率(TMA引張荷重法により測定し、メルトダウンに至る過程において最も収縮した時点の収縮率。昇温速度:5℃/min、荷重:2g。)はMD又はTDにおいて5%以下である(膜厚20μm換算)。
(33) 90℃の温度及び2.2MPaの圧力で5分間プレスした後の透気度は1,000秒/100 cc以下である(膜厚25μm換算)。
(34) 90℃の温度及び2.2MPaの圧力で5分間プレスした後の透気度変化量と膜厚変化量の比Δ透気度/Δ膜厚は200(sec/μm)以下である。
本発明の製造方法により得られるポリエチレン微多孔膜は電池用セパレータとして有用である。
本発明によれば、耐溶融収縮性及び突刺強度の両方の特性に優れたポリエチレン微多孔膜を安定的かつ効率的に製造できる。本発明の製造方法により得られるポリエチレン微多孔膜は、特に長手方向又は横方向における耐溶融収縮性に優れているので、シャットダウン後の無孔化した膜の収縮が小さく、ポリエチレン樹脂の融点以上における電極の厚さ方向の短絡防止性に優れており、安全信頼性が高い。また本発明の製造方法により得られるポリエチレン微多孔膜は、その優れた突刺強度により、電極上に混入した不純物の圧迫によって発生する電圧降下の抑制能力が高く、そのため電池生産歩留まりを向上できる。このような特性を有する本発明の微多孔膜は電池用セパレータ、特にリチウムイオン電池用セパレータ及びリチウムポリマー電池用セパレータとして有用である。
[1] ポリエチレン樹脂
ポリエチレン樹脂は一種のポリエチレンからなる単一物、又は二種以上のポリエチレンからなる組成物のいずれでもよい。ポリエチレンの種類としては、超高分子量ポリエチレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンが挙げられる。これらのポリエチレンは、他のα−オレフィンを少量含有する共重合体であってもよい。エチレン以外の他のα−オレフィンとしてはプロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン、酢酸ビニル、メタクリル酸メチル、スチレン等を使用することができる。中でもポリエチレンとしては超高分子量ポリエチレンが好ましい。
ポリエチレン樹脂は一種のポリエチレンからなる単一物、又は二種以上のポリエチレンからなる組成物のいずれでもよい。ポリエチレンの種類としては、超高分子量ポリエチレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンが挙げられる。これらのポリエチレンは、他のα−オレフィンを少量含有する共重合体であってもよい。エチレン以外の他のα−オレフィンとしてはプロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン、酢酸ビニル、メタクリル酸メチル、スチレン等を使用することができる。中でもポリエチレンとしては超高分子量ポリエチレンが好ましい。
ポリエチレン樹脂の質量平均分子量(Mw)は特に制限されないが、通常1×103〜1×107 の範囲内であり、好ましくは1×104〜5×106 の範囲内であり、より好ましくは
1×105〜4×106 の範囲内である。但しMwが1×104未満の成分の含有量は、ポリエチレン樹脂全体を100質量部として5質量部未満であるのが好ましい。この含有量を5質量部以上とすると、微多孔膜の機械的強度が低下する。超高分子量ポリエチレンを用いる場合、その質量平均分子量は5×105 以上であるのが好ましく、1×106〜15×106 の範囲内であるのがより好ましく、1×106〜5×106 の範囲内であるのが特に好ましい。
1×105〜4×106 の範囲内である。但しMwが1×104未満の成分の含有量は、ポリエチレン樹脂全体を100質量部として5質量部未満であるのが好ましい。この含有量を5質量部以上とすると、微多孔膜の機械的強度が低下する。超高分子量ポリエチレンを用いる場合、その質量平均分子量は5×105 以上であるのが好ましく、1×106〜15×106 の範囲内であるのがより好ましく、1×106〜5×106 の範囲内であるのが特に好ましい。
ポリエチレン組成物としては、上記超高分子量ポリエチレンを含むものが好ましい。上記超高分子量ポリエチレンを含むポリエチレン組成物は、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンからなる群から選ばれた少なくとも一種を含むのが好ましく、高密度ポリエチレンを含むのがより好ましい。これらの高密度ポリエチレン及び中密度ポリエチレンの質量平均分子量は1×104 以上〜5×105 未満の範囲内であるのが好ましく、低密度ポリエチレンの質量平均分子量は1×103 以上〜5×105 未満の範囲内であるのが好ましい。
ポリエチレン微多孔膜を電池用セパレータとして用いる場合、そのシャットダウン温度は130℃以下であるのが好ましく、このためポリエチレン樹脂の分子量分布[質量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mn]は比較的広いのが好ましい。具体的には、ポリエチレン樹脂が単一物又は組成物のいずれの場合であっても、Mw/Mnは5〜300の範囲内であるのが好ましく、10〜100の範囲内であるのがより好ましい。分子量分布を調整するために、ポリエチレン樹脂を多段重合により調製してもよい。勿論このようなポリエチレン樹脂としては一段重合したものも使用可能である。
電池用セパレータ用途としての特性を向上させるため、ポリエチレン樹脂はシャットダウン機能を付与するポリエチレンを含むのが好ましい。シャットダウン機能を付与するポリエチレンとしては、Mwが1×103以上〜1×105以下のものが好ましい。Mwが1×103以上〜1×105以下のポリエチレンとしては低密度ポリエチレンが好ましい。そのような低密度ポリエチレンとしては、分岐状の低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、シングルサイト触媒により製造されたエチレン/α−オレフィン共重合体、及びMwが1×103 〜7×103の範囲内である低分子量ポリエチレンからなる群から選ばれた少なくとも一種が好ましい。上述のように微多孔膜の機械的強度の観点から、シャットダウン機能を付与するポリエチレンの添加量は、ポリエチレン樹脂全体を100質量部として、Mwが1×104未満の成分の含有量が5質量部未満となるように調整するのが好ましい。Mwが1×104未満の成分の含有量が5質量部未満となる限り、シャットダウン機能を付与するポリエチレンを、ポリエチレン樹脂全体を100質量部として40質量部以下となる範囲内で添加してよい。シャットダウン機能を付与するポリエチレンの添加量が多いと延伸する場合に破断が起こり易い。
[2] 微多孔膜の製造方法
本発明のポリエチレン微多孔膜の製造方法は、(1) 上記ポリエチレン樹脂に溶剤を添加した後、溶融混練し、ポリエチレン樹脂溶液を調製する工程、(2) ポリエチレン樹脂溶液をダイリップより押し出した後、冷却してゲル状成形物を形成する工程、(3) 二軸延伸・溶剤除去工程、(4) 得られた膜を乾燥する工程及び(5) 一軸延伸工程を含む。必要に応じて(5)の一軸延伸工程の前及び/又は後に(6) 熱処理工程を設けてもよい。更に(1)〜(6)の工程の後、必要に応じて(7) 電離放射による架橋処理工程、(8) 親水化処理工程等を設けてもよい。
本発明のポリエチレン微多孔膜の製造方法は、(1) 上記ポリエチレン樹脂に溶剤を添加した後、溶融混練し、ポリエチレン樹脂溶液を調製する工程、(2) ポリエチレン樹脂溶液をダイリップより押し出した後、冷却してゲル状成形物を形成する工程、(3) 二軸延伸・溶剤除去工程、(4) 得られた膜を乾燥する工程及び(5) 一軸延伸工程を含む。必要に応じて(5)の一軸延伸工程の前及び/又は後に(6) 熱処理工程を設けてもよい。更に(1)〜(6)の工程の後、必要に応じて(7) 電離放射による架橋処理工程、(8) 親水化処理工程等を設けてもよい。
(1) ポリエチレン樹脂溶液の調製工程
まずポリエチレン樹脂に適当な溶剤を添加した後、溶融混練し、ポリエチレン樹脂溶液を調製するが、本発明では、下記式(1):
V = Σ[(4/3)πri 3 × (Ci/Mwi) × (6.02×1023)] ・・・(1)
[但しMwiはポリエチレン樹脂に含まれる第i番目のポリエチレン成分iの質量平均分子量であり、riはポリエチレン成分iの分子鎖の広がりの半径(μm)を表し、ri = (1/2)〈R0 2〉i 1/2(〈R0 2〉i 1/2はポリエチレン成分iの分子鎖末端間距離(μm)であり、下記式:〈R0 2〉i 1/2 = (1.15 × 10-8 × Mwi)1/2により算出される。)であり、Ciはポリエチレン成分iのポリエチレン樹脂溶液中濃度(質量%:ポリエチレン樹脂及び溶剤の合計を100質量%とする。)であり、Σはポリエチレン成分が複数種である場合に各ポリエチレン成分について上記式:(4/3)πri 3 × (Ci/Mwi) × (6.02×1023) により算出される値を合計することを表す。]により表され、ポリエチレン樹脂及び溶剤の合計100質量部当りにおいて算出されるポリエチレン成分の分子充填密度ρが6.5×1015(μm3/100質量部)以上となるようにする。
まずポリエチレン樹脂に適当な溶剤を添加した後、溶融混練し、ポリエチレン樹脂溶液を調製するが、本発明では、下記式(1):
V = Σ[(4/3)πri 3 × (Ci/Mwi) × (6.02×1023)] ・・・(1)
[但しMwiはポリエチレン樹脂に含まれる第i番目のポリエチレン成分iの質量平均分子量であり、riはポリエチレン成分iの分子鎖の広がりの半径(μm)を表し、ri = (1/2)〈R0 2〉i 1/2(〈R0 2〉i 1/2はポリエチレン成分iの分子鎖末端間距離(μm)であり、下記式:〈R0 2〉i 1/2 = (1.15 × 10-8 × Mwi)1/2により算出される。)であり、Ciはポリエチレン成分iのポリエチレン樹脂溶液中濃度(質量%:ポリエチレン樹脂及び溶剤の合計を100質量%とする。)であり、Σはポリエチレン成分が複数種である場合に各ポリエチレン成分について上記式:(4/3)πri 3 × (Ci/Mwi) × (6.02×1023) により算出される値を合計することを表す。]により表され、ポリエチレン樹脂及び溶剤の合計100質量部当りにおいて算出されるポリエチレン成分の分子充填密度ρが6.5×1015(μm3/100質量部)以上となるようにする。
上記式(1)により表される分子充填密度ρは、ポリエチレン樹脂及び溶剤の合計が100質量部のポリエチレン樹脂溶液中に含まれ、溶液状態(ランダムコイル状態)にあるポリエチレン成分iの分子を、半径がri(μm)である球状分子と見なし、その球状分子を、異なる分子鎖同士の絡み合いがないように細密充填したと仮定したものである。
分子充填密度ρが6.5×1015(μm3/100質量部)未満となると、耐溶融収縮性及び突刺強度が悪化する。分子充填密度ρは7×1015(μm3/100質量部)以上であるのが好ましい。なお分子充填密度ρの上限に特に制限はないが、ゲル状成形物の成形性の観点から16×1015(μm3/100質量部)以下であるのが好ましい。
以下ポリエチレン樹脂溶液の調製手順について説明する。まずポリエチレン樹脂に適当な溶剤を添加した後、溶融混練し、ポリエチレン樹脂溶液を調製する。ポリエチレン樹脂溶液には必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、アンチブロッキング剤、顔料、染料、無機充填材等の各種添加剤を本発明の効果を損なわない範囲で添加することができる。例えば孔形成剤として微粉珪酸を添加することができる。
溶剤としては液体溶剤及び固体溶剤のいずれも使用できる。液体溶剤としてはノナン、デカン、デカリン、パラキシレン、ウンデカン、ドデカン、流動パラフィン等の脂肪族又は環式の炭化水素、及び沸点がこれらに対応する鉱油留分が挙げられる。溶剤含有量が安定したゲル状成形物を得るためには、流動パラフィンのような不揮発性の液体溶剤を用いるのが好ましい。固体溶剤は融点が80℃以下のものが好ましく、このような固体溶剤としてパラフィンワックス、セリルアルコール、ステアリルアルコール、ジシクロヘキシルフタレート等が挙げられる。液体溶剤と固体溶剤を適宜混合した上で使用してもよい。
液体溶剤の粘度は25℃において30〜500 cStの範囲内であるのが好ましく、50〜200 cStの範囲内であるのがより好ましい。液体溶剤の25℃における粘度が30 cSt未満ではポリエチレン樹脂溶液のダイリップからの吐出が不均一であり、かつ混練が困難である。一方500 cSt超では溶剤の除去が困難である。
溶融混練の方法は特に限定されないが、通常は押出機中で均一に混練することにより行う。この方法はポリエチレン樹脂の高濃度溶液を調製するのに適する。溶融温度はポリエチレン樹脂の融点+10℃〜+100℃の範囲内であるのが好ましい。具体的に溶融温度は、140〜230℃の範囲内であるのが好ましく、170〜220℃の範囲内であるのがより好ましい。ここで融点とはJIS K7121に基づいて示差走査熱量測定(DSC)により求められる値を言う(以下同じ)。溶剤は混練開始前に添加しても、混練中に押出機の途中から添加してもよいが、混練開始前に添加して予め溶液化するのが好ましい。溶融混練にあたってはポリエチレン樹脂の酸化を防止するために酸化防止剤を添加するのが好ましい。
ポリエチレン樹脂溶液中、ポリエチレン樹脂と溶剤との配合割合は、両者の合計を100質量%として、ポリエチレン樹脂が1〜50質量%であり、好ましくは20〜40質量%である。ポリエチレン樹脂の割合を1質量%未満とすると、ポリエチレン樹脂溶液を押し出す際にダイス出口でスウェルやネックインが大きくなり、ゲル状成形物の成形性及び自己支持性が低下する。一方ポリエチレン樹脂の割合が50質量%を超えるとゲル状成形物の成形性が低下する。
(2) ゲル状成形物の形成工程
溶融混練したポリエチレン樹脂溶液を押出機から直接に又は別の押出機を介してダイから押し出すか、或いは一旦冷却してペレット化した後再度押出機を介してダイから押し出す。ダイリップとしては、通常は長方形の口金形状をしたシート用ダイリップを用いるが、二重円筒状の中空状ダイリップ、インフレーションダイリップ等も用いることができる。シート用ダイリップの場合、ダイリップのギャップは通常0.1〜5mmの範囲内であり、押し出し時には140〜250℃の温度に加熱する。加熱溶液の押し出し速度は0.2〜15 m/分の範囲内であるのが好ましい。
溶融混練したポリエチレン樹脂溶液を押出機から直接に又は別の押出機を介してダイから押し出すか、或いは一旦冷却してペレット化した後再度押出機を介してダイから押し出す。ダイリップとしては、通常は長方形の口金形状をしたシート用ダイリップを用いるが、二重円筒状の中空状ダイリップ、インフレーションダイリップ等も用いることができる。シート用ダイリップの場合、ダイリップのギャップは通常0.1〜5mmの範囲内であり、押し出し時には140〜250℃の温度に加熱する。加熱溶液の押し出し速度は0.2〜15 m/分の範囲内であるのが好ましい。
このようにしてダイリップから押し出した溶液を冷却することによりゲル状成形物を形成する。冷却は少なくともゲル化温度以下までは50℃/分以上の速度で行うのが好ましい。冷却は25℃以下まで行うのが好ましい。ゲル化温度以下まで50℃/分以上の速度で冷却することによりポリエチレン樹脂相が溶剤によりミクロ相分離された相分離構造を固定化することができる。一般に冷却速度が遅いと得られるゲル状成形物の高次構造が粗くなり、それを形成する擬似細胞単位も大きなものとなるが、冷却速度が速いと密な細胞単位となる。冷却速度が50℃/分未満では結晶化度が上昇し、延伸に適したゲル状成形物となりにくい。冷却方法としては冷風、冷却水、その他の冷却媒体に直接接触させる方法、冷媒で冷却したロールに接触させる方法等を用いることができる。
(3) 二軸延伸・溶剤除去工程
ゲル状成形物(ゲル状シート)を形成した後、二軸延伸し、かつ溶剤を除去する。
(a) 二軸延伸
二軸延伸は、ゲル状シートを加熱後、通常のテンター法、ロール法、インフレーション法、圧延法又はこれらの方法の組合せにより行う。二軸延伸は、同時二軸延伸、逐次延伸又は多段延伸(例えば同時二軸延伸及び逐次延伸の組合せ)のいずれでもよいが、同時二軸延伸が好ましい。二軸延伸と溶剤除去の順は任意に設定できるが、ゲル状シートを二軸延伸した後溶剤を除去するのが好ましい。但しこの順に限定する趣旨ではなく、例えばゲル状シートから溶剤を除去した後二軸延伸したり、ゲル状シートを二軸延伸した後溶剤を除去しさらに二軸延伸したり、ゲル状シートを逐次二軸延伸する際の各一軸延伸の間に溶剤を除去したりしてもよい。
ゲル状成形物(ゲル状シート)を形成した後、二軸延伸し、かつ溶剤を除去する。
(a) 二軸延伸
二軸延伸は、ゲル状シートを加熱後、通常のテンター法、ロール法、インフレーション法、圧延法又はこれらの方法の組合せにより行う。二軸延伸は、同時二軸延伸、逐次延伸又は多段延伸(例えば同時二軸延伸及び逐次延伸の組合せ)のいずれでもよいが、同時二軸延伸が好ましい。二軸延伸と溶剤除去の順は任意に設定できるが、ゲル状シートを二軸延伸した後溶剤を除去するのが好ましい。但しこの順に限定する趣旨ではなく、例えばゲル状シートから溶剤を除去した後二軸延伸したり、ゲル状シートを二軸延伸した後溶剤を除去しさらに二軸延伸したり、ゲル状シートを逐次二軸延伸する際の各一軸延伸の間に溶剤を除去したりしてもよい。
二軸延伸の倍率は総面積倍率で16倍以上とする。総面積倍率とは長手方向(MD)における合計延伸倍率と、横方向(TD)における合計延伸倍率との積である。二軸延伸の倍率を総面積倍率で16倍未満とすると、突刺強度が悪化する。二軸延伸の倍率は総面積倍率で20倍以上とするのが好ましい。一方総面積倍率を400倍超とすると、延伸装置、延伸操作等の点で制約が生じる。MDにおける合計延伸倍率とTDにおける合計延伸倍率の比(MDにおける合計延伸倍率)/(TDにおける合計延伸倍率)は、特に制限されず、同時二軸延伸、逐次延伸又は多段延伸のいずれの場合でも、0.5〜2であるのが好ましく、0.7〜1.3であるのがより好ましく、1であるのが最も好ましい。
二軸延伸の温度は117℃以下とする。二軸延伸温度を117℃超とすると、製膜性が悪化する。二軸延伸温度は115℃以下とするのが好ましい。二軸延伸温度の下限は、微多孔膜を構成するポリエチレン樹脂の結晶分散温度以上であるのが好ましい。二軸延伸温度が結晶分散温度未満ではポリエチレン樹脂の軟化が不十分で、延伸において破膜しやすく、高倍率の延伸ができない。ここで結晶分散温度とは、ASTM D 4065に基づいて動的粘弾性の温度特性測定により求められる値を言う。ポリエチレンの結晶分散温度は、一般的に90℃である。
所望の物性に応じて、膜厚方向に温度分布を設けて延伸してもよい。膜厚方向に温度分布を設けて延伸することにより一般的に機械的強度に優れた微多孔膜が得られる。その方法としては、例えば特開平7-188440号に開示の方法を用いることができる。
(b) 溶剤除去
溶剤の除去(洗浄)には洗浄溶媒を用いる。ポリエチレン樹脂相は溶剤と相分離しているので、液体溶剤を除去すると多孔質の膜が得られる。溶剤の除去(洗浄)は、公知の洗浄溶媒を用いて行うことができる。公知の洗浄溶媒としては、例えば塩化メチレン、四塩化炭素等の塩素化炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素、三フッ化エタン等のフッ化炭化水素、ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル、メチルエチルケトン等の易揮発性溶媒が挙げられる。また洗浄溶媒としては、上記のような洗浄溶媒の他に、特開2002-256099号に開示されているような25℃における表面張力が24 mN/m以下になる洗浄溶媒を用いることができる。このような表面張力を有する洗浄溶媒を用いることにより、洗浄後の乾燥時に微多孔内部で生じる気−液界面の表面張力によって起る網状組織の収縮緻密化を抑制することができ、その結果微多孔膜の空孔率及び透過性が一層向上する。
溶剤の除去(洗浄)には洗浄溶媒を用いる。ポリエチレン樹脂相は溶剤と相分離しているので、液体溶剤を除去すると多孔質の膜が得られる。溶剤の除去(洗浄)は、公知の洗浄溶媒を用いて行うことができる。公知の洗浄溶媒としては、例えば塩化メチレン、四塩化炭素等の塩素化炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素、三フッ化エタン等のフッ化炭化水素、ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル、メチルエチルケトン等の易揮発性溶媒が挙げられる。また洗浄溶媒としては、上記のような洗浄溶媒の他に、特開2002-256099号に開示されているような25℃における表面張力が24 mN/m以下になる洗浄溶媒を用いることができる。このような表面張力を有する洗浄溶媒を用いることにより、洗浄後の乾燥時に微多孔内部で生じる気−液界面の表面張力によって起る網状組織の収縮緻密化を抑制することができ、その結果微多孔膜の空孔率及び透過性が一層向上する。
洗浄は、延伸後の膜又はゲル状シートを洗浄溶媒に浸漬する方法、延伸後の膜又はゲル状シートに洗浄溶媒をシャワーする方法、あるいはこれらの組合せによる方法等により行うことができる。洗浄溶媒は、延伸後の膜又はゲル状シート100重量部に対し300〜30,000重量部使用するのが好ましい。洗浄溶媒による洗浄は、残留した液体溶剤がその添加量に対して1質量%未満になるまで行うのが好ましい。
(4) 膜の乾燥工程
溶剤除去後の膜を加熱乾燥法、風乾法等により乾燥することができる。乾燥温度は、ポリエチレン樹脂の結晶分散温度以下の温度であるのが好ましく、特に結晶分散温度より5℃以上低い温度であるのが好ましい。
溶剤除去後の膜を加熱乾燥法、風乾法等により乾燥することができる。乾燥温度は、ポリエチレン樹脂の結晶分散温度以下の温度であるのが好ましく、特に結晶分散温度より5℃以上低い温度であるのが好ましい。
乾燥処理により、微多孔膜中に残存する洗浄溶媒の含有量を5質量%以下にするのが好ましく(乾燥後の膜重量を100質量%とする)、3質量%以下にするのがより好ましい。乾燥が不十分で膜中に洗浄溶媒が多量に残存していると、後の熱処理で空孔率が低下し、透過性が悪化するので好ましくない。
(5) 一軸延伸工程
乾燥後の膜をさらに一軸延伸する。一軸延伸の総倍率は1.1〜3.0倍とする。一軸延伸の総倍率とは、延伸を行う長手方向(MD)又は横方向(TD)における合計延伸倍率である。一軸延伸の総倍率を1.1倍未満又は3.0倍超とすると、耐溶融収縮性が悪化する。一軸延伸の総倍率は1.2〜2.2倍とするのが好ましい。
乾燥後の膜をさらに一軸延伸する。一軸延伸の総倍率は1.1〜3.0倍とする。一軸延伸の総倍率とは、延伸を行う長手方向(MD)又は横方向(TD)における合計延伸倍率である。一軸延伸の総倍率を1.1倍未満又は3.0倍超とすると、耐溶融収縮性が悪化する。一軸延伸の総倍率は1.2〜2.2倍とするのが好ましい。
一軸延伸の温度は、微多孔膜を構成するポリエチレン樹脂の結晶融点以下であるのが好ましい。一軸延伸温度が結晶融点を超えるとポリエチレン樹脂が溶融する恐れがある。より好ましい一軸延伸の温度は、60℃以上〜融点−5℃以下の範囲内である。
一軸延伸は、通常用いられるテンター方式、ロール方式又は圧延方式により行う。一軸延伸は、二軸延伸、溶剤除去及び一軸延伸を一連のライン上で連続的に施すインライン方式により行うか、二軸延伸及び溶剤除去を施した膜を一旦巻きフィルムとし、巻きフィルムを巻き戻しながら延伸するオフライン方式により行う。
(6) 熱処理工程
必要に応じて、一軸延伸工程の前及び/又は後の膜を熱処理してもよい。熱処理によって微多孔膜の結晶が安定化し、ラメラ層が均一化される。熱処理方法としては、熱固定処理又は熱収縮処理のいずれの方法を用いてもよく、これらは微多孔膜に要求される物性に応じて適宜選択すればよい。これらの熱処理は、微多孔膜の融点以下の温度、好ましくは60℃以上〜融点−5℃以下の温度範囲内で行う。
必要に応じて、一軸延伸工程の前及び/又は後の膜を熱処理してもよい。熱処理によって微多孔膜の結晶が安定化し、ラメラ層が均一化される。熱処理方法としては、熱固定処理又は熱収縮処理のいずれの方法を用いてもよく、これらは微多孔膜に要求される物性に応じて適宜選択すればよい。これらの熱処理は、微多孔膜の融点以下の温度、好ましくは60℃以上〜融点−5℃以下の温度範囲内で行う。
熱固定処理は、テンター方式、ロール方式又は圧延方式により行う。熱収縮処理は、テンター方式、ロール方式若しくは圧延方式により行うか、又はベルトコンベア若しくはフローティングロールを用いて行ってもよい。熱収縮処理は、少なくとも一方向に50%以下の範囲で行うのが好ましく、30%以下の範囲で行うのがより好ましい。
上述の熱固定処理及び熱収縮処理を多数組み合せて行ってもよい。特に熱収縮処理を行うと、低収縮率で高強度の微多孔膜が得られるため好ましい。
(7) 膜の架橋処理工程
一軸延伸後の膜に対して、電離放射により架橋処理を施すのが好ましい。電離放射線としてはα線、β線、γ線、電子線等を用いることができる。電離放射による架橋処理は、0.1〜100 Mradの電子線量及び100〜300 kVの加速電圧により行うことができる。架橋処理によりメルトダウン温度を向上させることができる。
一軸延伸後の膜に対して、電離放射により架橋処理を施すのが好ましい。電離放射線としてはα線、β線、γ線、電子線等を用いることができる。電離放射による架橋処理は、0.1〜100 Mradの電子線量及び100〜300 kVの加速電圧により行うことができる。架橋処理によりメルトダウン温度を向上させることができる。
(8) 親水化処理工程
一軸延伸後の膜に親水化処理を施してもよい。親水化処理としては、モノマーグラフト処理、界面活性剤処理、コロナ放電処理等を用いる。モノマーグラフト処理は電離放射後に行うのが好ましい。
一軸延伸後の膜に親水化処理を施してもよい。親水化処理としては、モノマーグラフト処理、界面活性剤処理、コロナ放電処理等を用いる。モノマーグラフト処理は電離放射後に行うのが好ましい。
界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤又は両イオン系界面活性剤のいずれも使用することができるが、ノニオン系界面活性剤を使用するのが好ましい。界面活性剤を使用する場合、界面活性剤を水溶液にするか、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコールの溶液にして、ディッピングするか、又はドクターブレードを用いる方法により微多孔膜を親水化する。
得られた親水化微多孔膜を乾燥する。乾燥に際しては透過性を向上させるため、微多孔膜の融点以下の温度で収縮を防止しながら熱処理するのが好ましい。収縮を防止しながら熱処理する方法としては、例えば延伸しながら熱処理する方法が挙げられる。
[3] 微多孔膜
本発明の好ましい実施態様による微多孔膜は、次の物性を有する。
(1) 透気度は20〜700秒/100 ccである(膜厚25μm換算)。透気度が20〜700秒/100ccであることにより電池容量が大きくなり、電池のサイクル特性も良好となる。透気度が700秒/100ccを超えると、微多孔膜を電池用セパレータとして用いた場合に、電池容量が小さくなる。一方透気度が20秒/100cc未満では電池内部の温度上昇時にシャットダウンが十分に行われない。
(2) 空孔率は25〜80%である。空孔率が25%未満では良好な透気度が得られない。一方80%を超えると電池安全性とインピーダンスのバランスがとれなくなる。
(3) 突刺強度は5,000 mN/20μm以上である。突刺強度が5,000 mN/20μm未満では、微多孔膜を電池用セパレータとして電池に組み込んだ場合に短絡が発生する恐れがある。
(4) 引張破断強度はMDにおいて100,000 kPa以上であり、TDにおいて90,000 kPa以上である。これにより破膜の心配がない。
(5) 引張破断伸度はMDにおいて50%以上であり、TDにおいて50%以上である。これにより破膜の心配がない。
(6) 融点未満での熱収縮率(105℃・8時間暴露後)は、MD及びTDともに15%以下である。熱収縮率が15%を超えると微多孔膜をリチウム電池用セパレータとして用いた場合、発熱するとセパレータ端部が収縮し、短絡が発生する可能性が高くなる。
(7) 平均孔径は0.01〜2.0μmである。平均孔径が0.01μm未満になると透過性が著しく低下する上に電解液の浸透性が低下し、2.0μmを超えるとデンドライト成長を抑えられなくなり、短絡が起こり易くなる。
(8) 迷路係数〈但し迷路係数は下記式:(迷路係数)=[透気度(sec/100cc)/4.22]×空孔率(%)×平均孔径(nm)×[膜厚(cm)×5.18×10-3]-1により算出されたものである。〉は、上記一軸延伸を伴わないで製造した膜に比べて小さい。
(9) シャットダウン温度(TMA引張荷重法により融点付近で観測される変局点の温度。昇温速度:5℃/min、荷重:2g。)は135℃以下である。シャットダウン温度が135℃を超えると、微多孔膜をリチウム電池用セパレータとして用いた場合に、過熱時の遮断応答性が低下する。
(10) メルトダウン温度(TMA引張荷重法により破膜した温度。昇温速度:5℃/min、荷重:2g。)は150℃以上である。
(11) 溶融最大収縮率(TMA引張荷重法により測定し、メルトダウンに至る過程において最も収縮した時点の収縮率。昇温速度:5℃/min、荷重:2g。)は、MD又はTDにおいて5%以下である(膜厚20μm換算)。溶融最大収縮率がMD又はTDにおいて5%を超えると、シャットダウン後の無孔化した膜の収縮が大きくなるので、電極の厚さ方向の短絡を招くことにより電池が熱暴走し、発火等の安全性不良を引き起こす恐れがある。
(12) 90℃の温度及び2.2MPaの圧力で5分間プレスした後の透気度は1,000秒/100 cc以下である(膜厚25μm換算)。
(13) 90℃の温度及び2.2MPaの圧力で5分間プレスした後の透気度変化量と膜厚変化量の比Δ透気度/Δ膜厚は200(sec/μm)以下である。
本発明の好ましい実施態様による微多孔膜は、次の物性を有する。
(1) 透気度は20〜700秒/100 ccである(膜厚25μm換算)。透気度が20〜700秒/100ccであることにより電池容量が大きくなり、電池のサイクル特性も良好となる。透気度が700秒/100ccを超えると、微多孔膜を電池用セパレータとして用いた場合に、電池容量が小さくなる。一方透気度が20秒/100cc未満では電池内部の温度上昇時にシャットダウンが十分に行われない。
(2) 空孔率は25〜80%である。空孔率が25%未満では良好な透気度が得られない。一方80%を超えると電池安全性とインピーダンスのバランスがとれなくなる。
(3) 突刺強度は5,000 mN/20μm以上である。突刺強度が5,000 mN/20μm未満では、微多孔膜を電池用セパレータとして電池に組み込んだ場合に短絡が発生する恐れがある。
(4) 引張破断強度はMDにおいて100,000 kPa以上であり、TDにおいて90,000 kPa以上である。これにより破膜の心配がない。
(5) 引張破断伸度はMDにおいて50%以上であり、TDにおいて50%以上である。これにより破膜の心配がない。
(6) 融点未満での熱収縮率(105℃・8時間暴露後)は、MD及びTDともに15%以下である。熱収縮率が15%を超えると微多孔膜をリチウム電池用セパレータとして用いた場合、発熱するとセパレータ端部が収縮し、短絡が発生する可能性が高くなる。
(7) 平均孔径は0.01〜2.0μmである。平均孔径が0.01μm未満になると透過性が著しく低下する上に電解液の浸透性が低下し、2.0μmを超えるとデンドライト成長を抑えられなくなり、短絡が起こり易くなる。
(8) 迷路係数〈但し迷路係数は下記式:(迷路係数)=[透気度(sec/100cc)/4.22]×空孔率(%)×平均孔径(nm)×[膜厚(cm)×5.18×10-3]-1により算出されたものである。〉は、上記一軸延伸を伴わないで製造した膜に比べて小さい。
(9) シャットダウン温度(TMA引張荷重法により融点付近で観測される変局点の温度。昇温速度:5℃/min、荷重:2g。)は135℃以下である。シャットダウン温度が135℃を超えると、微多孔膜をリチウム電池用セパレータとして用いた場合に、過熱時の遮断応答性が低下する。
(10) メルトダウン温度(TMA引張荷重法により破膜した温度。昇温速度:5℃/min、荷重:2g。)は150℃以上である。
(11) 溶融最大収縮率(TMA引張荷重法により測定し、メルトダウンに至る過程において最も収縮した時点の収縮率。昇温速度:5℃/min、荷重:2g。)は、MD又はTDにおいて5%以下である(膜厚20μm換算)。溶融最大収縮率がMD又はTDにおいて5%を超えると、シャットダウン後の無孔化した膜の収縮が大きくなるので、電極の厚さ方向の短絡を招くことにより電池が熱暴走し、発火等の安全性不良を引き起こす恐れがある。
(12) 90℃の温度及び2.2MPaの圧力で5分間プレスした後の透気度は1,000秒/100 cc以下である(膜厚25μm換算)。
(13) 90℃の温度及び2.2MPaの圧力で5分間プレスした後の透気度変化量と膜厚変化量の比Δ透気度/Δ膜厚は200(sec/μm)以下である。
以上のように、本発明の製造方法により得られる微多孔膜は、空孔率、透気度、機械的強度、融点未満での耐熱収縮性、孔径、迷路係数、シャットダウン特性、メルトダウン特性、耐溶融収縮性及び耐圧縮性のバランスに優れており、特にMD又はTDにおける耐溶融収縮性及び突刺強度の両方に優れている。このような特性を有する本発明の微多孔膜は電池用セパレータ、フィルター等として好適に使用できる。なお微多孔膜の膜厚は用途に応じて適宜選択しうるが、例えば電池用セパレータとして使用する場合は5〜200μmにするのが好ましい。
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
実施例1
(a) 質量平均分子量Mw1が2.0×106であり、分子量分布Mw1/Mn1が8である超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)30質量%と、(b) 質量平均分子量Mw2が3.5×105であり、分子量分布Mw2/Mn2が13.5である高密度ポリエチレン(HDPE)70質量%とからなり、質量平均分子量が6.0×105であり、分子量分布Mw/Mnが15.7である組成物(融点135℃、結晶分散温度90℃)に、酸化防止剤としてテトラキス[メチレン−3−(3,5−ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]メタンを組成物100質量部当たり0.375質量部加えたポリエチレン組成物を得た。得られたポリエチレン組成物30質量部を二軸押出機(内径58 mm、L/D=42、強混練タイプ)に投入し、この二軸押出機のサイドフィーダーから流動パラフィン70質量部を供給し、210℃及び200 rpmの条件で溶融混練して、ポリエチレン組成物の分子充填密度ρが9.80×1015(μm3/100質量部)であるポリエチレン樹脂溶液を押出機中で調製した。続いて、このポリエチレン樹脂溶液を押出機の先端に設置されたTダイから、厚さ1.2 mmのシートになるように押し出し、40℃に温調した冷却ロールで引き取りながら、ゲル状成形物を形成した。得られたゲル状成形物に対して、114.5℃で5×5倍になるように同時二軸延伸を施した。得られた延伸膜を、25℃に温調した塩化メチレンを含有する洗浄槽中に浸漬し、洗浄した。洗浄した膜を室温で風乾した後、インライン方式により124.5℃でTDに2倍の倍率で一軸延伸してポリエチレンの微多孔膜を作製した。
(a) 質量平均分子量Mw1が2.0×106であり、分子量分布Mw1/Mn1が8である超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)30質量%と、(b) 質量平均分子量Mw2が3.5×105であり、分子量分布Mw2/Mn2が13.5である高密度ポリエチレン(HDPE)70質量%とからなり、質量平均分子量が6.0×105であり、分子量分布Mw/Mnが15.7である組成物(融点135℃、結晶分散温度90℃)に、酸化防止剤としてテトラキス[メチレン−3−(3,5−ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]メタンを組成物100質量部当たり0.375質量部加えたポリエチレン組成物を得た。得られたポリエチレン組成物30質量部を二軸押出機(内径58 mm、L/D=42、強混練タイプ)に投入し、この二軸押出機のサイドフィーダーから流動パラフィン70質量部を供給し、210℃及び200 rpmの条件で溶融混練して、ポリエチレン組成物の分子充填密度ρが9.80×1015(μm3/100質量部)であるポリエチレン樹脂溶液を押出機中で調製した。続いて、このポリエチレン樹脂溶液を押出機の先端に設置されたTダイから、厚さ1.2 mmのシートになるように押し出し、40℃に温調した冷却ロールで引き取りながら、ゲル状成形物を形成した。得られたゲル状成形物に対して、114.5℃で5×5倍になるように同時二軸延伸を施した。得られた延伸膜を、25℃に温調した塩化メチレンを含有する洗浄槽中に浸漬し、洗浄した。洗浄した膜を室温で風乾した後、インライン方式により124.5℃でTDに2倍の倍率で一軸延伸してポリエチレンの微多孔膜を作製した。
実施例2
表1に示すように、UHMWPEの配合割合を18質量%とし、HDPEの配合割合を82質量%とした以外は実施例1と同様にして、質量平均分子量が5.8×105であるポリエチレン組成物を調製した。得られたポリエチレン組成物を用い、実施例1と同様にして、ポリエチレン組成物の分子充填密度ρが10.1×1015(μm3/100質量部)であり、ポリエチレン組成物濃度が35質量%であるポリエチレン樹脂溶液を調製した。このポリエチレン樹脂溶液を用い、二軸延伸温度を114℃とし、インライン方式による一軸延伸温度を125℃とした以外は実施例1と同様にして、ポリエチレン微多孔膜を作製した。
表1に示すように、UHMWPEの配合割合を18質量%とし、HDPEの配合割合を82質量%とした以外は実施例1と同様にして、質量平均分子量が5.8×105であるポリエチレン組成物を調製した。得られたポリエチレン組成物を用い、実施例1と同様にして、ポリエチレン組成物の分子充填密度ρが10.1×1015(μm3/100質量部)であり、ポリエチレン組成物濃度が35質量%であるポリエチレン樹脂溶液を調製した。このポリエチレン樹脂溶液を用い、二軸延伸温度を114℃とし、インライン方式による一軸延伸温度を125℃とした以外は実施例1と同様にして、ポリエチレン微多孔膜を作製した。
実施例3
表1に示すように、実施例1と同様にして、ポリエチレン組成物の分子充填密度ρが
9.80×1015(μm3/100質量部)であるポリエチレン樹脂溶液を調製した。このポリエチレン樹脂溶液を用いて、二軸延伸の総面積倍率を6×6倍とし、インライン方式による一軸延伸温度を125.5℃とした以外は実施例1と同様にして、ポリエチレン微多孔膜を作製した。
表1に示すように、実施例1と同様にして、ポリエチレン組成物の分子充填密度ρが
9.80×1015(μm3/100質量部)であるポリエチレン樹脂溶液を調製した。このポリエチレン樹脂溶液を用いて、二軸延伸の総面積倍率を6×6倍とし、インライン方式による一軸延伸温度を125.5℃とした以外は実施例1と同様にして、ポリエチレン微多孔膜を作製した。
実施例4
表1に示すように、一軸延伸をオフライン方式とし、その温度を120℃とし、一軸延伸の前に122℃/10分間の熱固定処理を行った以外は実施例2と同様にして、ポリエチレン微多孔膜を作製した。
表1に示すように、一軸延伸をオフライン方式とし、その温度を120℃とし、一軸延伸の前に122℃/10分間の熱固定処理を行った以外は実施例2と同様にして、ポリエチレン微多孔膜を作製した。
実施例5
表1に示すように、ポリエチレン組成物濃度を30質量%とした以外は実施例2と同様にして、ポリエチレン組成物の分子充填密度ρが8.64×1015(μm3/100質量部)であるポリエチレン樹脂溶液を調製した。このポリエチレン樹脂溶液を用い、二軸延伸の総面積倍率を5×4倍とした以外は実施例2と同様にして、ポリエチレン微多孔膜を作製した。
表1に示すように、ポリエチレン組成物濃度を30質量%とした以外は実施例2と同様にして、ポリエチレン組成物の分子充填密度ρが8.64×1015(μm3/100質量部)であるポリエチレン樹脂溶液を調製した。このポリエチレン樹脂溶液を用い、二軸延伸の総面積倍率を5×4倍とした以外は実施例2と同様にして、ポリエチレン微多孔膜を作製した。
実施例6
表1に示すように、ポリエチレン組成物濃度を23質量%とした以外は実施例1と同様にして、ポリエチレン組成物の分子充填密度ρが7.52×1015(μm3/100質量部)であるポリエチレン樹脂溶液を調製した。このポリエチレン樹脂溶液を用いて二軸延伸温度を
116.9℃とし、一軸延伸の倍率を1.3倍とした以外は実施例1と同様にして、ポリエチレン微多孔膜を作製した。
表1に示すように、ポリエチレン組成物濃度を23質量%とした以外は実施例1と同様にして、ポリエチレン組成物の分子充填密度ρが7.52×1015(μm3/100質量部)であるポリエチレン樹脂溶液を調製した。このポリエチレン樹脂溶液を用いて二軸延伸温度を
116.9℃とし、一軸延伸の倍率を1.3倍とした以外は実施例1と同様にして、ポリエチレン微多孔膜を作製した。
実施例7
表1に示すように、ポリエチレン組成物濃度を30質量%とした以外は実施例2と同様にして、ポリエチレン組成物の分子充填密度ρが8.64×1015(μm3/100質量部)であるポリエチレン樹脂溶液を調製した。このポリエチレン樹脂溶液を用い、二軸延伸温度を
114.5℃とし、124.5℃でMDに1.8倍の一軸延伸を行った以外は実施例2と同様にして、ポリエチレン微多孔膜を作製した。
表1に示すように、ポリエチレン組成物濃度を30質量%とした以外は実施例2と同様にして、ポリエチレン組成物の分子充填密度ρが8.64×1015(μm3/100質量部)であるポリエチレン樹脂溶液を調製した。このポリエチレン樹脂溶液を用い、二軸延伸温度を
114.5℃とし、124.5℃でMDに1.8倍の一軸延伸を行った以外は実施例2と同様にして、ポリエチレン微多孔膜を作製した。
実施例8
表1に示すように、MDに1.8倍の一軸延伸を行った以外は実施例2と同様にして、ポリエチレン微多孔膜を作製した。
表1に示すように、MDに1.8倍の一軸延伸を行った以外は実施例2と同様にして、ポリエチレン微多孔膜を作製した。
実施例9
表1に示すように、二軸延伸の倍率を6×6倍とし、一軸延伸をMDに1.8倍の倍率で行った以外は実施例1と同様にして、ポリエチレン微多孔膜を作製した。
表1に示すように、二軸延伸の倍率を6×6倍とし、一軸延伸をMDに1.8倍の倍率で行った以外は実施例1と同様にして、ポリエチレン微多孔膜を作製した。
実施例10
表1に示すように、ポリエチレン組成物濃度を30質量%とした以外は実施例2と同様にして、ポリエチレン組成物の分子充填密度ρが8.64×1015(μm3/100質量部)であるポリエチレン樹脂溶液を調製した。このポリエチレン樹脂溶液を用い、二軸延伸温度を
114.5℃とし、オフライン方式により120℃でMDに1.5倍の一軸延伸を行い、一軸延伸の前に123℃/10分間の熱固定処理を行った以外は実施例2と同様にして、ポリエチレン微多孔膜を作製した。
表1に示すように、ポリエチレン組成物濃度を30質量%とした以外は実施例2と同様にして、ポリエチレン組成物の分子充填密度ρが8.64×1015(μm3/100質量部)であるポリエチレン樹脂溶液を調製した。このポリエチレン樹脂溶液を用い、二軸延伸温度を
114.5℃とし、オフライン方式により120℃でMDに1.5倍の一軸延伸を行い、一軸延伸の前に123℃/10分間の熱固定処理を行った以外は実施例2と同様にして、ポリエチレン微多孔膜を作製した。
実施例11
表1に示すように、ポリエチレン組成物濃度を30質量%とした以外は実施例2と同様にして、ポリエチレン組成物の分子充填密度ρが8.64×1015(μm3/100質量部)であるポリエチレン樹脂溶液を調製した。このポリエチレン樹脂溶液を用い、二軸延伸の総面積倍率を4×5倍とし、MDに1.5倍の一軸延伸を行った以外は実施例2と同様にして、ポリエチレン微多孔膜を作製した。
表1に示すように、ポリエチレン組成物濃度を30質量%とした以外は実施例2と同様にして、ポリエチレン組成物の分子充填密度ρが8.64×1015(μm3/100質量部)であるポリエチレン樹脂溶液を調製した。このポリエチレン樹脂溶液を用い、二軸延伸の総面積倍率を4×5倍とし、MDに1.5倍の一軸延伸を行った以外は実施例2と同様にして、ポリエチレン微多孔膜を作製した。
実施例12
表1に示すように、ポリエチレン組成物濃度を23質量%とした以外は実施例1と同様にして、ポリエチレン組成物の分子充填密度ρが7.52×1015(μm3/100質量部)であるポリエチレン樹脂溶液を調製した。このポリエチレン樹脂溶液を用いて二軸延伸温度を
116.9℃とし、一軸延伸をMDに1.3倍の倍率で行った以外は実施例1と同様にして、ポリエチレン微多孔膜を作製した。
表1に示すように、ポリエチレン組成物濃度を23質量%とした以外は実施例1と同様にして、ポリエチレン組成物の分子充填密度ρが7.52×1015(μm3/100質量部)であるポリエチレン樹脂溶液を調製した。このポリエチレン樹脂溶液を用いて二軸延伸温度を
116.9℃とし、一軸延伸をMDに1.3倍の倍率で行った以外は実施例1と同様にして、ポリエチレン微多孔膜を作製した。
比較例1
表1に示すように、UHMWPEの配合割合を10質量%とし、HDPEの配合割合を90質量%とし、組成物濃度を20質量%とした以外は実施例2と同様にして、ポリエチレン組成物の分子充填密度ρが5.24×1015(μm3/100質量部)であるポリエチレン樹脂溶液を調製した。このポリエチレン樹脂溶液を用い、一軸延伸の倍率を1.8倍とした以外は実施例2と同様にして、ポリエチレン微多孔膜を作製した。
表1に示すように、UHMWPEの配合割合を10質量%とし、HDPEの配合割合を90質量%とし、組成物濃度を20質量%とした以外は実施例2と同様にして、ポリエチレン組成物の分子充填密度ρが5.24×1015(μm3/100質量部)であるポリエチレン樹脂溶液を調製した。このポリエチレン樹脂溶液を用い、一軸延伸の倍率を1.8倍とした以外は実施例2と同様にして、ポリエチレン微多孔膜を作製した。
比較例2
表1に示すように、組成物濃度を30質量%とした以外は実施例2と同様にして、ポリエチレン組成物の分子充填密度ρが8.64×1015(μm3/100質量部)であるポリエチレン樹脂溶液を調製した。このポリエチレン樹脂溶液を用いて、同時二軸延伸の温度を118℃とし、一軸延伸温度を124℃とした以外は実施例2と同様にして、ポリエチレン微多孔膜を作製した。
表1に示すように、組成物濃度を30質量%とした以外は実施例2と同様にして、ポリエチレン組成物の分子充填密度ρが8.64×1015(μm3/100質量部)であるポリエチレン樹脂溶液を調製した。このポリエチレン樹脂溶液を用いて、同時二軸延伸の温度を118℃とし、一軸延伸温度を124℃とした以外は実施例2と同様にして、ポリエチレン微多孔膜を作製した。
比較例3
表1に示すように、実施例2と同様にして、ポリエチレン組成物の分子充填密度ρが
10.1×1015(μm3/100質量部)であるポリエチレン樹脂溶液を調製した。このポリエチレン樹脂溶液を用い、同時二軸延伸の温度を117℃とし、同時二軸延伸の倍率を3×3倍とした以外は実施例2と同様にして、ポリエチレン微多孔膜を作製した。
表1に示すように、実施例2と同様にして、ポリエチレン組成物の分子充填密度ρが
10.1×1015(μm3/100質量部)であるポリエチレン樹脂溶液を調製した。このポリエチレン樹脂溶液を用い、同時二軸延伸の温度を117℃とし、同時二軸延伸の倍率を3×3倍とした以外は実施例2と同様にして、ポリエチレン微多孔膜を作製した。
比較例4
表1に示すように、一軸延伸を行わず、124.5℃/10分間の熱固定処理を行った以外は実施例1と同様にして、ポリエチレン微多孔膜を作製した。
表1に示すように、一軸延伸を行わず、124.5℃/10分間の熱固定処理を行った以外は実施例1と同様にして、ポリエチレン微多孔膜を作製した。
実施例1〜12及び比較例1〜4で作製したポリエチレン微多孔膜の物性を以下の方法で測定した。結果を表1に示す。
(1) 質量平均分子量及び分子量分布:ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定の積分曲線から求めた。測定機器:Waters Corporation製GPC-150C、温度:135℃、溶媒:o−ジクロルベンゼン、濃度:0.1 wt%(インジェクション量:500μl)、カラム:昭和電工(株)製Shodex UT806M、溶媒流速:1.0 ml/分、溶解条件:135℃/1hの条件で測定した。ポリプロピレンの検量線は、単分散ポリスチレンの標準試料の測定により求めたポリスチレンの検量線を用いて作成した。
(2) 膜厚:(株)ミツトヨ製接触式厚み計により測定した。
(3) 透気度:JIS P8117により測定した(膜厚25μm換算)。
(4) 空孔率:質量法により測定した。
(5) 突刺強度:複合微多孔膜を直径1 mm(0.5 mm R)の針を用いて速度2 mm/秒で突刺したときの最大荷重を測定し、25μm厚に換算した。
(6) 引張破断強度:幅10mm短冊状試験片の引張破断強度をASTM D882により測定。
(7) 引張破断伸度:幅10mm短冊状試験片の引張破断伸度をASTM D882により測定。
(8) 融点未満での熱収縮率:微多孔膜を105℃で8時間暴露したときの機械方向(MD)及び垂直方向(TD)における収縮率をそれぞれ3回ずつ測定し、MD及びTDについて平均値を求めた。
(9) 平均孔径:水銀ポロシメーター(機種名:PORESIZER-9320、Micromeritics Instrument Corporation製)により測定した。
(10) 迷路係数:式[透気度(sec/100cc)/4.22]×空孔率(%)×平均孔径(nm)×[膜厚(cm)×5.18×10-3]-1により算出し、比較例4の値を1とする比で表した。
(11) シャットダウン温度:熱/応力/歪測定装置(セイコー電子工業(株)製、TMA/SS6000)を用い、10 mm(TD)×3mm(MD)の微多孔膜サンプルを、5℃/minの速度で室温から昇温しながら荷重2gで引っ張り、融点付近で観測される変局点の温度(膜厚20μm換算)。
(12) メルトダウン温度:上記熱/応力/歪測定装置を用い、10 mm(MD)×3mm(TD)の微多孔膜サンプルを、5℃/minの速度で室温から昇温しながら荷重2gで引っ張り、溶融により破膜した温度(膜厚20μm換算)。
(13) 溶融最大収縮率:上記熱/応力/歪測定装置を用い、10 mm(MD)×3mm(TD)の微多孔膜サンプル(MD測定用)、及び10 mm(TD)×3mm(MD)の微多孔膜サンプル(TD測定用)を、5℃/minの速度で室温から昇温しながら荷重2gで引っ張り、メルトダウンに至る過程において最も収縮した時点の収縮率(膜厚20μm換算)。
(14) 溶融最大収縮温度:溶融最大収縮率を示した時の温度。
(15) 耐圧縮性:高平滑面を有する一対のプレス板の間に膜を挟み、これをプレス機により90℃の温度及び2.2MPaの圧力で5分間プレスし、膜を均一に加熱圧縮した後、上記の方法により透気度及び膜厚を測定した。そして加熱圧縮前後の透気度変化量と膜厚変化量の比Δ透気度/Δ膜厚を算出した。
(2) 膜厚:(株)ミツトヨ製接触式厚み計により測定した。
(3) 透気度:JIS P8117により測定した(膜厚25μm換算)。
(4) 空孔率:質量法により測定した。
(5) 突刺強度:複合微多孔膜を直径1 mm(0.5 mm R)の針を用いて速度2 mm/秒で突刺したときの最大荷重を測定し、25μm厚に換算した。
(6) 引張破断強度:幅10mm短冊状試験片の引張破断強度をASTM D882により測定。
(7) 引張破断伸度:幅10mm短冊状試験片の引張破断伸度をASTM D882により測定。
(8) 融点未満での熱収縮率:微多孔膜を105℃で8時間暴露したときの機械方向(MD)及び垂直方向(TD)における収縮率をそれぞれ3回ずつ測定し、MD及びTDについて平均値を求めた。
(9) 平均孔径:水銀ポロシメーター(機種名:PORESIZER-9320、Micromeritics Instrument Corporation製)により測定した。
(10) 迷路係数:式[透気度(sec/100cc)/4.22]×空孔率(%)×平均孔径(nm)×[膜厚(cm)×5.18×10-3]-1により算出し、比較例4の値を1とする比で表した。
(11) シャットダウン温度:熱/応力/歪測定装置(セイコー電子工業(株)製、TMA/SS6000)を用い、10 mm(TD)×3mm(MD)の微多孔膜サンプルを、5℃/minの速度で室温から昇温しながら荷重2gで引っ張り、融点付近で観測される変局点の温度(膜厚20μm換算)。
(12) メルトダウン温度:上記熱/応力/歪測定装置を用い、10 mm(MD)×3mm(TD)の微多孔膜サンプルを、5℃/minの速度で室温から昇温しながら荷重2gで引っ張り、溶融により破膜した温度(膜厚20μm換算)。
(13) 溶融最大収縮率:上記熱/応力/歪測定装置を用い、10 mm(MD)×3mm(TD)の微多孔膜サンプル(MD測定用)、及び10 mm(TD)×3mm(MD)の微多孔膜サンプル(TD測定用)を、5℃/minの速度で室温から昇温しながら荷重2gで引っ張り、メルトダウンに至る過程において最も収縮した時点の収縮率(膜厚20μm換算)。
(14) 溶融最大収縮温度:溶融最大収縮率を示した時の温度。
(15) 耐圧縮性:高平滑面を有する一対のプレス板の間に膜を挟み、これをプレス機により90℃の温度及び2.2MPaの圧力で5分間プレスし、膜を均一に加熱圧縮した後、上記の方法により透気度及び膜厚を測定した。そして加熱圧縮前後の透気度変化量と膜厚変化量の比Δ透気度/Δ膜厚を算出した。
注)(1) 超高分子量ポリエチレン
(2) 〈R0 2〉1 1/2 = (1.15 × 10-8× Mw1)1/2
(3) r1 = (1/2)〈R0 2〉1 1/2
(4) 高密度ポリエチレン
(5) 〈R0 2〉2 1/2 = (1.15 × 10-8× Mw2)1/2
(6) r2 = (1/2)〈R0 2〉2 1/2
(7) V1 = (4/3)πr1 3 × (C1/Mw1) × (6.02×1023) (C1はPE溶液中のUHMWPE濃度を表す。)
(8) V2 = (4/3)πr2 3 × (C2/Mw2) × (6.02×1023) (C2はPE溶液中のHDPE濃度を表す。)
(9) V = V1 + V2
(10) 加熱圧縮前後の透気度変化量/加熱圧縮前後の膜厚変化量
(2) 〈R0 2〉1 1/2 = (1.15 × 10-8× Mw1)1/2
(3) r1 = (1/2)〈R0 2〉1 1/2
(4) 高密度ポリエチレン
(5) 〈R0 2〉2 1/2 = (1.15 × 10-8× Mw2)1/2
(6) r2 = (1/2)〈R0 2〉2 1/2
(7) V1 = (4/3)πr1 3 × (C1/Mw1) × (6.02×1023) (C1はPE溶液中のUHMWPE濃度を表す。)
(8) V2 = (4/3)πr2 3 × (C2/Mw2) × (6.02×1023) (C2はPE溶液中のHDPE濃度を表す。)
(9) V = V1 + V2
(10) 加熱圧縮前後の透気度変化量/加熱圧縮前後の膜厚変化量
表1に示すように、本発明の方法により製造した実施例1〜12のポリエチレン微多孔膜は、空孔率、透気度、機械的強度、融点未満での耐熱収縮性、孔径、迷路係数、シャットダウン特性、メルトダウン特性、耐溶融収縮性及び耐圧縮性のバランスに優れていた。実施例1〜12のポリエチレン微多孔膜は、特に突刺強度が5,000 mN/20μm以上であり、かつ溶融最大収縮率がMD又はTDにおいて5%以下であるので、過熱時の遮断応答性に優れているだけでなく、シャットダウン後の安全信頼性が高いといえる。一方比較例1ではポリエチレン樹脂溶液が含むポリエチレン組成物の分子充填密度ρが6.5×1015(μm3/100質量部)未満であるため、突刺強度が5,000 mN/20μm未満であり、かつ溶融最大収縮率がMD、TDともに5%を超えた。比較例2では二軸延伸温度が117℃超であるため、突刺強度が劣っていた。比較例3では二軸延伸の総面積倍率が16倍未満であるため、突刺強度及び耐圧縮性が劣っていた。比較例4では、一軸延伸を行っていないため、耐溶融収縮性がMD、TDともに大幅に劣っており、しかも耐圧縮性にも劣っていた。
Claims (3)
- 質量平均分子量により分類される少なくとも一種のポリエチレン成分からなるポリエチレン樹脂と溶剤とを溶融混練し、得られたポリエチレン樹脂溶液をダイより押出し、冷却することによりゲル状成形物を形成した後、二軸延伸し、かつ前記溶剤を除去し、しかる後さらに一軸延伸するポリエチレン微多孔膜の製造方法であって、下記式(1):
V = Σ[(4/3)πri 3 × (Ci/Mwi) × (6.02×1023)] ・・・(1)
[但しMwiは前記ポリエチレン樹脂に含まれる第i番目のポリエチレン成分iの質量平均分子量であり、riは前記ポリエチレン成分iの分子鎖の広がりの半径(μm)を表し、ri = (1/2)〈R0 2〉i 1/2(〈R0 2〉i 1/2は前記ポリエチレン成分iの分子鎖末端間距離(μm)であり、下記式:〈R0 2〉i 1/2 = (1.15 × 10-8 × Mwi)1/2により算出される。)であり、Ciは前記ポリエチレン成分iの前記ポリエチレン樹脂溶液中濃度(質量%:前記ポリエチレン樹脂及び前記溶剤の合計を100質量%とする。)であり、Σは前記ポリエチレン成分が複数種である場合に各ポリエチレン成分について前記式:(4/3)πri 3× (Ci/Mwi) ×
(6.02×1023) により算出される値を合計することを表す。]により表され、前記ポリエチレン樹脂及び前記溶剤の合計100質量部当りにおいて算出される前記ポリエチレン成分の分子充填密度ρが6.5×1015(μm3/100質量部)以上となるように前記ポリエチレン樹脂溶液を調製し、前記二軸延伸の温度を117℃以下とし、前記二軸延伸の総面積倍率を16倍以上とし、かつ前記一軸延伸の総倍率を1.1〜3.0倍とすることを特徴とするポリエチレン微多孔膜の製造方法。 - 請求項1に記載の製造方法により得られ、TMA引張荷重法により測定した膜厚20μm換算の溶融最大収縮率が長手方向又は横方向において5%以下であり、かつ膜厚20μm換算の突刺強度が5,000 mN以上であることを特徴とするポリエチレン微多孔膜。
- 請求項2に記載のポリエチレン微多孔膜からなることを特徴とする電池用セパレータ。
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