JP2005343003A - 装飾用シート及びその製造方法 - Google Patents

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文晶 西山
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Abstract

【課題】
柔軟な風合い、優れた耐薬品性、耐汚染性、耐スクラッチ性、3次曲面追従性を有し、後加工での折り曲げ時における白化が充分に抑制され、高価なフッ素系材料や環境面で望ましくない塩化ビニル系樹脂フィルムを使用することなく、かつ、簡便な製造方法により製造することができる装飾用シート、及び、その製造方法を提供する。
【解決手段】
基材層と表面保護層とを有する装飾用シートであって、上記基材層は、メタクリル酸メチル−アクリル酸アルキル共重合体(A1)及びメタクリル酸メチル−アクリル酸アルキル−スチレン共重合体(A2)を含有するものであり、上記表面保護層は、メタクリル酸メチル−アクリル酸アルキル共重合体(B)を含有するものである装飾用シート。
【選択図】 なし

Description

本発明は、装飾用シート及びその製造方法に関する。
装飾用として用いられているシートは、木材、合板、集成材、パーチクルボード、ハードボード等の木質系材料の板状の材料に、貼り合わせて使用されたり、真空プレス成形、圧空プレス成形、メンブレンプレス成形等によって貼り合わせて使用されている。
このような装飾用として用いられているシートとして、基材シートである印刷インキ層を設けた不透明塩化ビニル樹脂フィルムと、保護シートである透明塩化ビニル樹脂フィルムとを熱ラミネートによって貼り合わせて積層した塩化ビニル系樹脂(PVC)製シートが広く使用されている。そして、このような塩化ビニル樹脂製のシートは、塩化ビニル系樹脂が持つ着色性、エンボス加工性、印刷適性等の自由度が高く、意匠性のあるシートとして最も使用されている。
しかし、上述した塩化ビニル系樹脂は、ダイオキシンの問題、燃焼時に塩化水素ガスが発生するという問題等を有するものであり、環境面保護の観点から好ましいものでないため、非塩化ビニル系樹脂材料への代替が求められるようになってきている。
塩化ビニル系樹脂の代替材料として、ポリエチレンやポリプロピレン、熱可塑オレフィン(TPO)等のオレフィン系樹脂が有力視されているが、フィルムの柔軟性、透明性、耐候性等の性能において塩化ビニル系樹脂には及ばず、特に、三次曲面追従性に関しては、塩化ビニル系樹脂と比較すると、延伸時に白化が生じ、延伸後の回復性が悪く、ネッキングが生じ易い等の問題点を有しているのが現状である。
一方、アクリル樹脂は、優れた機械的特性及び化学的性質を有し、透明性、耐候性、硬度の点で優れるため、塩化ビニル系樹脂に代わる材料として注目を集めており、加工性に優れた配合を有してなるアクリル樹脂系フィルムを使用することが検討されている。
アクリル樹脂系フィルムを使用した装飾用シートとして、メタクリル酸メチル−アクリル酸アルキル共重合体Aとメタクリル酸メチル−アクリル酸アルキル−スチレン共重合体Bとを含有する基材層に、フッ化ビニリデン樹脂及びアクリル系樹脂を含有する表面保護層を積層した装飾用シートが特許文献1に開示されている。このシートは、非塩化ビニル系樹脂材料を用いて、塩化ビニルのような柔軟な風合いを有し、耐スクラッチ性、耐候性、耐薬品性等の点で優れ、後加工で折り曲げ時に白化せず、3次元曲面への追従性に優れた柔軟な加工適性を有するものとして提案されているものである。
しかしながら、このシートは、フッ素系樹脂を含むものである。フッ素系樹脂は、耐薬品性に優れるものであるが、アクリル系樹脂を含有する基材層との良好な接着性を得ることが一般的に困難である。このため、開示されている装飾用シートは、アクリル系樹脂フィルムとフッ化ビニリデン樹脂及びアクリル樹脂により得られるフィルムとをホットメルト接着剤を用いて接着させることによって製造しており、製造工程が複雑である。また、フッ素系材料は、一般的に高価であり、製造コストが高いという問題もある。
従って、塩化ビニル系樹脂フィルムの代替材料としてアクリル樹脂系フィルムを使用し、柔軟な風合いを有し、耐薬品性、耐汚染性、耐スクラッチに優れ、後加工における折り曲げ時に白化せず、3次曲面への追従性に優れ、高価なフッ素系材料を使用することなく、簡便な製造方法により製造することができる装飾用シートを開発することが望まれていた。
特開2003−236998号公報
本発明は、上記現状に鑑み、柔軟な風合い、優れた耐薬品性、耐汚染性、耐スクラッチ性、3次曲面追従性を有し、後加工での折り曲げ時における白化が充分に抑制され、高価なフッ素系材料や環境面で望ましくない塩化ビニル系樹脂フィルムを使用することなく、かつ、簡便な製造方法により製造することができる装飾用シート、及び、その製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、基材層と表面保護層とを有する装飾用シートであって、上記基材層は、メタクリル酸メチル−アクリル酸アルキル共重合体(A1)及びメタクリル酸メチル−アクリル酸アルキル−スチレン共重合体(A2)を含有するものであり、上記表面保護層は、メタクリル酸メチル−アクリル酸アルキル共重合体(B)を含有するものであることを特徴とする装飾用シートである。
上記基材層及び/又は上記表面保護層は、更に、着色層又は印刷層を有するものであることが好ましい。
上記基材層及び/又は上記表面保護層は、着色を行ったものであることが好ましい。
上記基材層は、上記メタクリル酸メチル−アクリル酸アルキル共重合体(A1)と上記メタクリル酸メチル−アクリル酸アルキル−スチレン共重合体(A2)との合計量100質量部に対して、50質量部以下の可塑剤を含有するものであることが好ましい。
上記可塑剤は、ポリエステル系可塑剤又はアクリル系可塑剤であることが好ましい。
本発明はまた、上記装飾用シートの製造方法であって、上記基材層と上記表面保護層とを熱ラミネートにより貼り付けることを特徴とする装飾用シートの製造方法でもある。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の装飾用シートは、従来から広く使用されている塩化ビニル系樹脂製のシートの代替材料として好適に用いることができる装飾用の積層樹脂シートであり、種々の用途に好適に使用することができるものである。
本発明の装飾用シートは、メタクリル酸メチル−アクリル酸アルキル共重合体(A1)〔以下、共重合体(A1)ともいう。〕及びメタクリル酸メチル−アクリル酸アルキル−スチレン共重合体(A2)〔以下、共重合体(A2)ともいう。〕を含有する基材層と、メタクリル酸メチル−アクリル酸アルキル共重合体(B)〔以下、共重合体(B)ともいう。〕を含有する表面保護層とを有するものである。
上記装飾用シートは、上記基材層と上記表面保護層とを有するものである。即ち、それぞれの層にフッ素系樹脂を含有しないものであるため、アクリル系樹脂を含んでなる基材シートとフッ化ビニリデン系樹脂及びアクリル系樹脂を含んでなる保護シートとを有してなる装飾シートを製造する場合のように、基材シートと保護シートとを接着剤を使用して貼り付ける必要がなく、単に、上記基材層と上記表面保護層とを熱ラミネートして貼り付けることによって製造することができる。従って、上記装飾用シートは、極めて簡便な製造方法により製造することができるものである。
上記装飾用シートは、高価なフッ素系樹脂を使用しないものであるため、フッ素系樹脂を含有するアクリル樹脂系シートに比べて、大幅に製造コストを低減することができるものである。また、塩化ビニル系樹脂を使用しないものであるため、ダイオキシンの問題等、環境面から好ましいものである。
また、上記装飾用シートは、フッ素系樹脂を含有しないものであるにもかかわらず、優れた耐薬品性、耐汚染性を有し、かつ、優れた耐スクラッチ性を有するものである。このような効果は、上記基材層が共重合体(A1)と共重合体(A2)とを含有するものであり、かつ、上記表面保護層が共重合体(B)を含有するものであることによって得られる優れた効果である。
上記基材層は、メタクリル酸メチル−アクリル酸アルキル共重合体(A1)及びメタクリル酸メチル−アクリル酸アルキル−スチレン共重合体(A2)を含有するものである。上記基材層は、このようなアクリル樹脂を含有するものであるため、優れた耐候性を有するものとなる。
メタクリル酸メチル−アクリル酸アルキル共重合体(A1)単体では、硬度が高くなりすぎるため、シート状に加工しても延伸性が低く、非常に割れ易いが、アクリル系のゴム成分であるメタクリル酸メチル−アクリル酸アルキル−スチレン共重合体(A2)を配合することにより、シートの柔軟性が増し、折り曲げ時の白化を抑制することができる。
上記共重合体(A1)は、メタクリル酸メチルとアクリル酸アルキルとを共重合させることにより得られるものであり、これらを共重合する方法としては、例えば、懸濁重合、乳化重合、溶液重合、塊状重合等を挙げることができる。また、重合の際には、必要に応じて、連鎖移動剤、その他の重合助剤を使用してもよい。連鎖移動剤としては、従来より知られている各種のものを使用することができ、特にメルカプタン類が好ましい。
上記共重合体(A1)のモノマー成分であるアクリル酸アルキルとしては特に限定されず、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル等を挙げることができる。なかでも、柔軟性をより良好なものにすることができる観点から、アルキル部分の炭素数が大きいアクリル酸アルキルであるアクリル酸2−エチルヘキシルを用いることが好ましい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記共重合体(A1)の市販品としては、例えば、パラペットHR−A(商品名、クラレ社製)等を挙げることができる。
上記共重合体(A2)は、メタクリル酸メチルとアクリル酸アルキルとスチレンとを共重合させて得られるものであり、これらを共重合する方法としては、例えば、懸濁重合、乳化重合、溶液重合、塊状重合等を挙げることができる。重合の際には、必要に応じて、連鎖移動剤、その他の重合助剤を使用してもよい。連鎖移動剤としては、従来より知られている各種のものを使用することができ、特にメルカプタン類が好ましい。
上記共重合体(A2)のモノマー成分であるアクリル酸アルキルとしては、例えば、上述した共重合体(A1)のモノマー成分のアクリル酸アルキルと同様のものを用いることができる。上記共重合体(A1)のモノマー成分のアクリル酸アルキルと、上記共重合体(A2)のモノマー成分のアクリル酸アルキルとは、同一のものであってもよく、異なるものであってもよい。
上記共重合体(A2)の市販品としては、メタブレンW−341(商品名、三菱レイヨン社製)等を挙げることができる。
上記基材層は、更に、可塑剤を含有するものであることが好ましい。可塑剤を配合することにより、その柔軟性を更に向上させることができ、これにより、成型されたフィルムの耐折り曲げ白化性をより向上させることができる。更に、カレンダー加工時のバンクの回転性、及び、溶融時のアクリル樹脂の伸びを向上させることができるため、表面形状が良好な外観性の良いフィルムを得ることができる。
上記可塑剤としては、環境ホルモンの疑いのないポリエステル系可塑剤、アクリル系可塑剤を用いることがより好ましい。これにより、より安全性が高く、環境への影響も少ないフィルムを得ることができる。
上記ポリエステル系可塑剤としては、例えば、アジピン酸、マゼライン酸、セバチン酸、フタル酸等の二塩基酸と、グリコール、グリセリン類及び一塩基酸等とのポリマー等を使用することができる。具体的には、ジブチルフタレート、ジペンチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジイソデシルフタレート、ブチルラウリルフタレート、ジトリデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ポリエステル系可塑剤のなかでも、特に、下記一般式(1)で表されるアジピン酸系ポリエステルが好ましい。下記一般式(1)で表されるアジピン酸系ポリエステルは、共重合体(A1)及び共重合体(A2)とを含んでなる樹脂組成物との相溶性が良好であるため、得られるシートの柔軟性を効果的に向上させることができる。
Figure 2005343003
式中、Rは、同一又は異なって、n−オクチル基、イソノニル基又は2−エチルヘキシル基を表す。nは、2〜4の整数を表す。
上記アクリル系可塑剤は、アクリル化合物のうち可塑剤として用いられるものであり、従来公知のアクリル系可塑剤を使用することできる。これらの可塑剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記可塑剤の含有量は、上記基材層中のメタクリル酸メチル−アクリル酸アルキル共重合体(A1)とメタクリル酸メチル−アクリル酸アルキル−スチレン共重合体(A2)との合計量100質量部に対して、50質量部以下であることが好ましい。50質量部以下とすることにより、可塑剤の配合による柔軟性向上効果を得ることができ、かつ、成型されたフィルムの高温高圧条件下における耐ブルーム・ブリード性を良好にすることができる。5〜30質量部であることが好ましい。
上記基材層は、上記共重合体(A1)及び上記共重合体(A2)以外に、必要に応じて、更に、安定剤、滑剤、加工助剤、耐衝撃助剤、発泡剤、充填剤、着色剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、艶消し剤等の一般的な配合剤を配合することができる。
上記基材層は、従来公知の方法により製造することができ、例えば、押し出し成型、カレンダー成型等により製造することができる。
上記基材層がカレンダー成型により得られるものである場合、上記共重合体(A1)及び共重合体(A2)を含有してなる樹脂組成物は、メルトフローレイト(230℃、37.3N)が15以下であることが好ましい。これにより、150〜200℃の範囲内における溶融状態の樹脂組成物の粘度を、混練効率が良くかつバンクの回転を良好なものにすることができる。従って、ポリ塩化ビニル樹脂用のカレンダー加工設備を用いて、上記共重合体(A1)及び共重合体(A2)を含有してなる樹脂組成物をカレンダー加工することにより、均質な薄いフィルムを得ることができる。
上記共重合体(A1)及び共重合体(A2)含有してなる樹脂組成物は、メルトフローレイト(230℃、37.3N)が1〜15の範囲内であることがより好ましい。メルトフローレイトを1以上とすることにより、ポリ塩化ビニル樹脂用のカレンダー加工設備を用いてカレンダー加工をする際に、樹脂組成物の粘度が高すぎることによるカレンダー加工性の低下を防止することができる。上記カレンダー加工に用いられるカレンダー形式は、特に限定されないが、例えば、逆L型、Z型、直立2本型、L型、傾斜3本型等を挙げることができる。
上記基材層は、厚さが下限0.05mm、上限0.3mmであることが好ましい。
0.05mm未満、0.3mmを超える場合には、製膜化、表面平滑性に欠けカレンダー加工性が困難である。上記下限は、0.08mmであることがより好ましく、上記上限は、0.2mmであることがより好ましい。
上記装飾用シートにおいて、上記表面保護層は、メタクリル酸メチル−アクリル酸アルキル共重合体(B)を含有するものである。上記表面保護層がメタクリル酸メチル−アクリル酸アルキル共重合体(B)を含有するものであることにより、フッ素系樹脂を使用しない場合であっても、優れた耐薬品性、耐汚染性、耐スクラッチ性を発現させることができ、また、優れた柔軟性、3次曲面への追従性を発現させることができる。更に、上記表面保護層が共重合体(B)を含んでなり、フッ素系樹脂を含有しないものであるため、基材層と表面保護層とを、接着剤を使用することなく、熱ラミネートによって貼り付けることができる。
上記共重合体(B)のモノマー成分であるアクリル酸アルキルとしては特に限定されず、例えば、共重合体(A1)のモノマー成分のアクリル酸アルキルと同様のものを用いることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記メタクリル酸メチル−アクリル酸アルキル共重合体(B)としては、例えば、上述した共重合体(A)と同様のものを挙げることができる。
上記共重合体(B)は、上記共重合体(A1)と同様のものであっても、異なるものであってもよい。上記共重合体(B)の市販品としては、HBS001(商品名、三菱レイヨン社製)、等を挙げることができる。
上記表面保護層は、上記共重合体(B)以外に、必要に応じて、本発明の効果を阻害しない範囲で、更に、可塑剤、安定剤、滑剤、加工助剤、耐衝撃助剤、発泡剤、充填剤、着色剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、艶消し剤等の一般的な配合剤を配合することもできるが、可塑剤等の添加剤を含む場合、表面にブリードすることもあるため、添加剤は含まない方が好ましい。
上記表面保護層は、従来公知の方法により製造することができ、例えば、押し出し成型等により製造することができる。
上記表面保護層は、厚さが下限15μm、上限200μmであることが好ましい。上記装飾用シートにおいて、基材層と表面保護層との厚さの比(基材層/表面保護層)は、特に限定されないが、フィルム取り扱い時の物理特性上、基材フィルムが厚い方が好ましい。
上記装飾用シートは、上記基材層及び/又は上記表面保護層は、更に、着色層又は印刷層を有するものであってもよい。また、上記基材層及び/又は上記表面保護層は、着色を行ったものであってもよい。上記着色層、上記印刷層は、例えば、上記基材層と上記表面保護層との間に設けることができる。
上記着色層又は上記印刷層は、上記基材層及び/又は上記表面保護層上に、グラビア印刷法、フレキソグラフ印刷法、シルクスクリーン印刷法等の公知の印刷法で形成することができ、例えば、上記基材層及び/又は上記表面保護層上に、木目等の任意の絵柄を印刷したり、アルミニウムペーストを混入して調製したインキを用いることにより金属調の印刷絵柄を形成することができる。また、アクリル樹脂に代表される透明材料に、染料や顔料を添加した透明着色フィルムを着色層とすることもできる。
上記装飾用シートは、上記基材層と上記表面保護層とを熱ラミネートにより貼り付けることによって両層間に充分な接着力を付与することができるものであり、基材層と表面保護層との間に、特に粘着剤層又は接着剤層を設ける必要はないものであるが、上記装飾用シートは、粘着剤層又は接着剤層を有するものであってもよい。これにより、基材層及び表面保護層をより強力に貼り付けることができる。
上記粘着剤層又は接着剤層は、従来公知の粘着剤、接着剤によって形成することができ、例えば、アクリル系粘着剤(接着剤)、ゴム系粘着剤を使用することにより形成することができる。
上記アクリル系粘着剤は、アクリル系重合体からなるものであり、上記アクリル系重合体としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの単独重合体、又は、これらの共重合体を挙げることができる。上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルにおけるアルキルとしては、炭素数4〜12の直鎖又は分岐鎖状アルキルが好ましい。
上記ゴム系粘着剤としては、例えば、ポリイソブチレン・ポリブテン系、スチレン・ジエン・スチレンブロック共重合体、スチレン・ブタジエン系、ニトリル系、クロロプレン系、ビニルピリジン系、ポリイソブチレン系、ブチル系、イソプレン・イソブチレン系等からなるゴム系粘着剤を挙げることができる。なかでも、ポリイソブチレン、スチレン・ジエン・スチレンブロック共重合体〔例えば、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)等〕等が好ましい。
上記装飾用シートは、JIS K−5401に準拠した鉛筆硬度試験で2B以上の表面硬度を有するものであることが好ましい。表面硬度が2B未満であると、耐摩耗性に劣るおそれがある。
上記装飾用シートは、上述の方法により得られる基材層と上記表面保護層とを従来公知の積層法を用いて作成することができる。なかでも、作成方法が簡便であること、コスト面から、上記基材層と、上記表面保護層とを熱ラミネートにより貼り付ける方法により作成することが好ましい。
上記基材層及び上記表面保護層がアクリル系樹脂からなるものであるため、特段の接着処理を施さなくても、上記基材層と上記表面保護層とを熱ラミネートにより貼り付けることができる。このため、熱ラミネートにより装飾用シートを製造する場合において、接着処理工程を行わないのであれば、接着工程に由来する塗布ムラやグラビアロール模様の転写等の不具合を回避することができる。また、接着工程を行わない場合、製造コストを低減することができる。
以下、本発明の装飾用シートを図を用いて説明する。
図1は、基材層1と、表面保護層2とが積層されてなる装飾用シートの概略図である。また、図2は、基材層1と、着色層又は印刷層3と、表面保護層2とがこの順に積層されてなる装飾用シートの概略図である。本発明の装飾用シートは、図1、図2の基材層1がメタクリル酸メチル−アクリル酸アルキル共重合体(A1)及びメタクリル酸メチル−アクリル酸アルキル−スチレン共重合体(A2)を含有するものであり、表面保護層2がメタクリル酸メチル−アクリル酸アルキル共重合体(B)を含有するものであるため、両層間に接着剤層又は粘着剤層を設けなくても充分な接着力を発揮するものである。また、上記構成であるため、優れた柔軟性、耐薬品性、耐汚染性、耐スクラッチ性、3次曲面への追従性を有するものである。
上記装飾用シートは、上記基材層と上記表面保護層とを熱ラミネートにより貼り付けることにより製造することができる。これにより、接着剤を使用することなく、基材層と表面保護層とを充分に貼り付けることができ、極めて簡便に製造することができる。このように、装飾用シートを基材層と表面保護層とを熱ラミネートにより貼り付けて製造する方法もまた、本発明の1つである。
上記基材層と上記表面保護層とを熱ラミネートにより貼り付けることにより製造する場合には、例えば、基材層及び表面保護層を予熱ロール等を用いて50〜70℃に予熱し、次いで、120〜160℃で熱ラミネートして貼り付けることができる。更に、必要に応じて、スエード調等のエンボスロールを施した後、冷却し、巻き取ることによって製造することができる。
本発明の装飾用シートは、メタクリル酸メチル−アクリル酸アルキル共重合体(A1)及びメタクリル酸メチル−アクリル酸アルキル−スチレン共重合体(A2)を含有する基材層と、メタクリル酸メチル−アクリル酸アルキル共重合体を含有する表面保護層とを有するものであるため、柔軟な風合いを有し、耐薬品性、耐汚染性、耐スクラッチ性に優れ、後工程における折り曲げ時に白化せず、3次曲面への追従性に優れるものである。また、上記装飾用シートは、上記表面保護層にフッ素系樹脂を使用しないものであるため、上記基材層と上記表面保護層とを、単に熱ラミネートで貼り付けることによって製造することができるものである。更に、高価なフッ素系樹脂を使用しないものであるため、低コストにより製造することができるものである。従って、従来から広く用いられている塩化ビニル系樹脂製のシートに代わるものとして好適に使用することができるものである。
本発明の装飾用シートは、上述した構成よりなるので、柔軟な風合い、優れた耐薬品性、耐汚染性、耐スクラッチ性、3次曲面の追従性を有するものであり、低コストで簡便に製造することができるものである。従って、従来の塩化ビニル系樹脂製のシートに代わるものとして好適に使用することができるものである。
以下本発明について実施例を掲げて更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。また実施例中、「部」、「%」は特に断りのない限り「質量部」、「質量%」を意味する。
実施例1
メタクリル酸メチル−アクリル酸アルキル共重合体(A1)(商品名「パラペットHR−A」、クラレ社製)を50質量部、メタクリル酸メチル−アクリル酸アルキル−スチレン共重合体(A2)(商品名「メタブレンW−341」、三菱レイヨン社製)を50質量部、酸化防止剤として「アンチオックス10」(商品名、日本油脂社製)を1質量部、安定剤としてステアリン酸カルシウムを0.2質量部及びステアリン酸亜鉛を0.2質量部、滑剤として「LS−5」(商品名、旭電化工業社製)を1質量部配合したものをバンバリーミキサーで溶融混練後、カレンダー本体の各ロールに通し、厚みが0.1mmのフィルムを作成した。作成したフィルムに、アクリル樹脂からなるフィルム(商品名「HBS001」、三菱レイヨン社製)を、140℃の条件で、熱ラミネートすることにより、装飾用シートを作成した。なお、エンボスはスエード調のもので評価を行った。
比較例1
上記実施例1のカレンダー加工で作成したフィルム単層を比較例1のシートとした。
比較例2
上記実施例1のカレンダー加工で作成したフィルムと、フッ化ビニリデン及びアクリル樹脂の混合物からなるフィルム(商品名「DX−10S」、電気化学工業社製)のラミネート面にホットメルト接着剤を塗布したものとを、ドライラミネートすることによりシートを作成し、比較例2のシートとした。
〔評価〕
実施例、比較例で得られたシートの耐スクラッチ性、耐薬品性、耐汚染性を以下のようにして、評価した。結果を表1に示した。
(耐スクラッチ性)
1mm厚のアルミ板に実施例、比較例で作成した各シートを貼り付けたものを使用し、JIS K5400による引っ掻き試験を行った。
(耐薬品性、耐汚染性)
実施例、比較例で作成した各シート上に、表1に示した各薬品を0.5ml滴下した後、24時間放置し、薬品を拭き取った後のシート表面の外観を目視にて評価を行った。評価基準は、以下の通りである。
○:異常なし
×:傷跡、変形等の異常あり
Figure 2005343003
表1から、実施例の装飾用シートは、耐スクラッチ、耐薬品性、耐汚染性に優れるものであった。比較例1のシートは、耐スクラッチ性、耐薬品性、耐汚染性ともに劣るものであった。比較例2のシートは、実施例1のシートに比べて、耐スクラッチ性に劣っていた。また、実施例1のシートは、柔軟な風合いを有するものであり、3次曲面の追従性にも優れるものであった。更に、実施例1のシートは、比較例2のシートに比べて、簡便に、かつ、低コストで製造することができるものであった。
本発明の装飾用シートは、従来から広く使用されている塩化ビニル系樹脂製の装飾用シートに代わるものとして好適に使用することができるものである。
本発明の装飾用シートの一例を示した概略図である。 本発明の装飾用シートの一例を示した概略図である。
符号の説明
1 基材層
2 表面保護層
3 着色層又は印刷層

Claims (6)

  1. 基材層と表面保護層とを有する装飾用シートであって、
    前記基材層は、メタクリル酸メチル−アクリル酸アルキル共重合体(A1)及びメタクリル酸メチル−アクリル酸アルキル−スチレン共重合体(A2)を含有するものであり、
    前記表面保護層は、メタクリル酸メチル−アクリル酸アルキル共重合体(B)を含有するものである
    ことを特徴とする装飾用シート。
  2. 基材層及び/又は表面保護層は、更に、着色層又は印刷層を有するものである請求項1記載の装飾用シート。
  3. 基材層及び/又は表面保護層は、着色を行ったものである請求項1記載の装飾用シート。
  4. 基材層は、メタクリル酸メチル−アクリル酸アルキル共重合体(A1)とメタクリル酸メチル−アクリル酸アルキル−スチレン共重合体(A2)との合計量100質量部に対して、50質量部以下の可塑剤を含有するものである請求項1、2又は3記載の装飾用シート。
  5. 可塑剤は、ポリエステル系可塑剤又はアクリル系可塑剤である請求項4記載の装飾用シート。
  6. 請求項1、2、3、4又は5記載の装飾用シートの製造方法であって、
    基材層と表面保護層とを熱ラミネートにより貼り付けることを特徴とする装飾用シートの製造方法。
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