JP4256854B2 - ポリエステル樹脂シート及び積層シート - Google Patents
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Description
上記ポリエステル樹脂シートにおいて、上記ポリエーテルの含有量は、上記ポリエステル樹脂(b)を構成する樹脂成分100質量%中に0.1〜40質量%であることが好ましい。
上記ポリエステル樹脂シートにおいて、上記樹脂組成物は、着色剤を含有するものであることが好ましい。
上記ポリエステル樹脂シートにおいて、ポリエステル樹脂(a)の構成成分であるジオール成分は、1,4−シクロヘキサンジメタノールを10〜100モル%及びエチレングリコール90〜0モル%を含むことが好ましい。
上記積層シートは、上記基材層、上記印刷層、上記表面保護層、粘着剤層及び離型層をこの順に積層したものであることが好ましい。
以下、本発明の詳細に説明する。
上記炭素数2〜10のジオールとしては特に限定されず、従来公知のものを使用することができるが、なかでも、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール及びこれらの混合物が本発明の効果が得られる点で好ましい。
80モル%未満であると、3次曲面への成形性、インク密着性、粘着適性、カレンダー加工性が低下するおそれがある。なお、上記量は、上記ジオール成分中に含まれる炭素数2〜10のジオールの合計量である。
上記ポリエステル樹脂(a)は、上記構成成分以外に、安定剤を含むものであってもよい。これにより、ロール上での加工の間の酸化分解を防止することができる。
上記ポリエステル樹脂(b)において、上記ジカルボン酸成分は、上記ジカルボン酸成分100モル%中に、テレフタル酸を50〜95モル%含有するものである。これにより、本発明の効果をより効果的に得ることができる。50モル%未満であると、所定の重合度まで重合を進めることが困難となり、成形可能な樹脂を得ることができないおそれがある。95モル%を超えると、ポリエステル樹脂(b)の透明性や柔軟性が低下するおそれがある。
上記エチレングリコールの含有量は、上記ジオール成分100モル%中に、50〜100モル%であることが好ましい。50%未満であると、重合時の反応性が低下して所定の重合度の樹脂を得ることが困難となるおそれがある。60〜100モル%であることがより好ましく、70〜100モル%であることが更に好ましい。
なかでも、下記式(3)で表される構造を有するビスフェノールAエチレンオキサイド付加物が特に好ましい。
上記ポリエステル樹脂(b)は、構成成分として、炭素数2以上の繰返し単位を有するポリエーテルを含有するものである。上記ポリエーテルの含有量は、上記ポリエステル樹脂(b)を構成する樹脂成分100質量%中に、0.1〜40質量%であることが好ましい。0.1質量%未満であると、得られたポリエステル樹脂(b)の柔軟性が充分でないおそれがある。40質量%を超えると、カレンダー加工性が低下するおそれがある。より好ましくは0.5〜35質量%、更に好ましくは0.5〜25質量%の範囲である。
上記ポリエチレングリコールは、数平均分子量300〜20000であることが好ましい。上記ポリオキシテトラメチレングリコールは、数平均分子量300〜4000であることが好ましい。下限未満であると、柔軟性付与の効果が少なく、上限を超えると、樹脂との相溶性が低下し透明性が損なわれるおそれがある。なかでも、耐候性等の点でポリテトラオキシメチレングリコールが好ましい。
上記着色剤としては、シートの着色用として使用されている従来公知の染料や顔料を用いることができる。上記ポリエステル樹脂シートの着色は、上記樹脂組成物に着色剤を添加したものを成形することにより、透明着色シートを得ることができる。
上記樹脂組成物は、樹脂シートに用いられる他の添加剤を含むものであってもよい。
上記5%モジュラスを有するポリエステル樹脂シートは、例えば、上述したポリエステル樹脂(a)、ポリエステル樹脂(b)、滑剤(c)を適当に選択して用いることによって得ることができる。
上記表面保護層は、厚さが0.04〜0.2mmであることが好ましい。
上記積層シートが粘着剤層を有するものである場合、使用するポリエステル樹脂シートが上記樹脂組成物を成形することにより得られるものであるため、積層シートを貼り付けると、大きい粘着力を得ることができる。また、貼り付けた積層シートを剥離した際に、貼り付けた基材上に粘着剤が残存すること(糊残り)を防止することができる。
上記アクリル系粘着剤は、アクリル系重合体からなるものであり、上記アクリル系重合体としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの単独重合体、又は、これらの共重合体を挙げることができる。上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルにおけるアルキルとしては、炭素数4〜12の直鎖又は分岐鎖状アルキルが好ましい。
上記ポリエステル樹脂シート、積層シートは、化粧シートとして好適に用いることができる。
図1は、表面保護層1、印刷層2、基材層3、粘着剤層4及び離型層5をこの順に積層されてなる積層シートの概略図である。上記積層シートは、例えば、上記表面保護層1及び上記基材層3が上述した樹脂組成物を成形することにより得られるものであるため、優れた3次曲面への成形性、印刷した際のインク密着性及び粘着適性を有するものである。また、表面保護層1、基材層3は、カレンダー加工により良好に製造することができる。
以下の方法により、クリアーフィルム(表面保護層)、着色ベースフィルム(基材層)、積層シート(クリアーフィルム、印刷層、着色ベースフィルム、粘着剤及び離型紙を有する)を作製した。各材料の配合量は、表1に示した。
下記材料を表1に示したように配合し、10インチ逆L型カレンダーを用いて0.08mmのフィルムを製造した。
ポリエステル樹脂1(イーストマンケミカル社製「TSUNAMI GS−2」)
ポリエステル樹脂2(三菱レイヨン(株)製「ダイヤナイト DN−149」、テレフタル酸/イソフタル酸/エチレングリコール/1,4−シクロヘキサンジメタノール/ポリオキシテトラメチレングリコール、MFR24g/10min(23℃/2.16kg))
滑剤(大協化成工業(株)製「RX−PO−11〔エステル系(モンタン酸系)、ポリエチレン系(低分子量)ワックス複合体〕」
下記材料を配合し、10インチ逆L型カレンダーを用いて0.08mmのフィルムを製造した。
ポリエステル樹脂1(イーストマンケミカル社製「TSUNAMI GS−2」)
ポリエステル樹脂2(三菱レイヨン(株)製「ダイヤナイト DN−149」)
滑剤(大協化成工業(株)製「RX−PO−11〔エステル系(モンタン酸系)、ポリエチレン系(低分子量)ワックス複合体〕」
顔料;酸化チタン 30部
なお、酸化チタン以外の各材料の配合量は、表1に示したクリアーフィルムの配合量と同様である。
クリアーフィルムと印刷された着色ベースフィルムを熱ラミネート機を用い、エンボス加工及び積層シートを成形した。
次いで、得られた積層シートの裏面に粘着剤、離型紙を積層して積層シートを得た。
得られた積層シートの離型紙を剥離して、3次曲面への成形性、粘着適性を以下の方法で評価した。得られた着色ベースフィルム単体で、以下の方法でインク密着性を評価した。得られたクリアーフィルム単体で、以下の方法で5%モジュラスを評価した。また、クリアーフィルム、着色ベースフィルムの製造の際のカレンダー加工性を評価した。
(1)使用基材;MDF(高さ50mm、縦・横各200mm、角部10R)
(2)施工方法;フィルムをドライヤーで加熱しながら、スキージーを押し当て、MDFに貼り合わせる。(MDFの裏面に巻き込んだ部物のフィルム端部はシールテープで止める)
(3)判定方法
○;適性に基材形状にフィルムが沿って成形され、外観(意匠)が損なうことなく、貼り付けることができた。
×;R部で伸びが不足し、シワが入った、又は、フィルムの腰が弱いため伸びが大きくなり、プリント柄が伸びたり、隠蔽性が低くなった
粘着力をJIS Z0237に準じて測定した。各試験試料を幅25mm×長さ150mmに断裁後、離型紙を剥がし、得られたシートをアルミニウム板(JIS規格 A5052)に貼付して、温度23℃で24時間放置した。得られた各被着体から各試験試料を引張速度300mm/分、引張角度180度の下で引き剥がした時の粘着力(N/25mm)を測定した。また、剥がした後の糊残りも判断した。
同様に、貼付して、温度60℃で7日間放置した後の評価も行った。
○;10N/25mm(15N/インチ)以上で、かつ、基材への糊残りがない。
×;10N/25mm(15N/インチ)未満、又は、基材への糊残りがある。
着色ベースフィルムに対して、2液硬化型のウレタン樹脂を主成分とする着色インキで木目柄のプリントを行ったフィルムを60℃のギアオーブンに7日間放置した後、市販の粘着テープを貼付した後、剥離することにより評価した。
○;インキがフィルム側に完全に残った。
×;インキが粘着テープに取られた。
得られた積層シートの5%モジュラス(単位MPa)をJIS K 6732準拠の試験機にて、測定雰囲気温度23±2℃、引張速度200mm/minの条件下で測定した。なお、5%モジュラスの測定条件は、サンプルサイズ:19mm巾短冊、チャック間:50mm、標線間:25mm、引張速度:50mm/分であった。
カレンダー加工性を以下の基準で評価した。
○;フィルム成形ができた。
×;フィルム成形ができなかった。
2 印刷層
3 基材層
4 粘着剤層
5 離型層
Claims (9)
- テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロへキサンジカルボン酸及びイソフタル酸からなる群より選択される少なくとも1種を80〜100モル%を含むジカルボン酸成分と、炭素数2〜10のジオールを80〜100モル%含むジオール成分とを構成成分とするポリエステル樹脂(a)、
テレフタル酸50〜95モル%とイソフタル酸5〜50モル%とを含むジカルボン酸成分、エチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、及び、ポリオキシテトラメチレングリコールを構成成分とするポリエステル樹脂(b)、
並びに、滑剤(c)を含有し、
前記ポリエステル樹脂(a)及び前記ポリエステル樹脂(b)の混合比〔(a)/(b)〕は、質量基準で2/98〜70/30である樹脂組成物を、
カレンダー加工により成形することにより得られることを特徴とするポリエステル樹脂シート。 - JISK6732に基づく引張試験による5%モジュラスは、測定雰囲気温度23±2℃、引張速度200mm/minの条件下で、流れ方向及び幅方向ともに5〜35MPaの範囲である請求項1記載のポリエステル樹脂シート。
- ポリオキシテトラメチレングリコールの含有量は、ポリエステル樹脂(b)を構成する樹脂成分100質量%中に0.1〜40質量%である請求項1又は2記載のポリエステル樹脂シート。
- 滑剤(c)の含有量は、ポリエステル樹脂(a)及びポリエステル樹脂(b)の合計樹脂固形分100質量部に対して、0.5〜5.0質量部である請求項1、2又は3記載のポリエステル樹脂シート。
- 樹脂組成物は、着色剤を含有するものである請求項1、2、3又は4記載のポリエステル樹脂シート。
- ポリエステル樹脂(a)の構成成分であるジオール成分は、1,4−シクロヘキサンジメタノールを10〜100モル%及びエチレングリコール90〜0モル%を含む請求項1、2、3、4又は5記載のポリエステル樹脂シート。
- 基材層及び表面保護層を積層した積層シートであって、
前記基材層及び前記表面保護層は、請求項1、2、3、4、5又は6記載のポリエステル樹脂シートである
ことを特徴とする積層シート。 - 基材層、印刷層及び表面保護層をこの順に積層した請求項7記載の積層シート。
- 基材層、印刷層、表面保護層、粘着剤層及び離型層をこの順に積層した請求項7記載の積層シート。
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