JP2002331619A - マーキングフィルム用基材 - Google Patents
マーキングフィルム用基材Info
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Abstract
れ、曲面への貼付けが容易でコストも比較的安価なマー
キングフィルム用基材を提供する。 【解決手段】 マーキングフィルム用基材Mは、着色ア
クリル系樹脂フィルム1の片面に透明被覆層2が積層さ
れた構成となっている。着色アクリル系樹脂フィルム1
と透明被覆層2との間に印刷層3が設けられていてもよ
い。透明被覆層2は厚みが3μm〜20μmの範囲の架
橋性樹脂を主成分とする。着色アクリル系樹脂フィルム
1は、JIS−K7127に準拠して雰囲気温度23℃、引
張り速度200mm/分で測定した引張り破断伸びが、
フィルム製膜時の流れ方向(MD)及び、流れに直交す
る方向(TD)の両方向について90〜300%の範囲
である。
Description
ム用基材に係り、詳しくは屋外で使用可能な耐候性を有
し、かつ曲面への施工が可能な柔軟性を有するマーキン
グフィルム用基材に関するものである。
も呼ばれ、少ない工数で作業が可能なことや、貼り付け
作業は溶剤を使わないため特別な作業場を必要としない
こと、印刷技術、カッティング技術の進歩により複雑な
形状・柄の作成が可能になったこと等によりその需要を
伸ばしている。用途としては、自動車・鉄道車両その他
輸送機器の外装、看板、標識その他屋外で用いられるも
のが多く、完成後の製品に貼り付けられることが多い。
は、着色された軟質塩化ビニル系樹脂(以下、軟質PV
Cと称す)の表面に文字や意匠性を有する模様等の印刷
を施したもの、あるいは印刷を施さないものが用いられ
てきた。しかし、該用途にもちいられる厚みでは、軟質
PVCの耐候性は必ずしも良好とは言えず、貼付け後、
短期間で表面外観の悪化を招くものであった。そこで、
軟質PVCの表面あるいは軟質PVC上に設けられた印
刷層の表面に紫外線吸収剤を添加した透明なアクリル系
樹脂等の塗膜層やフィルム層を設けることが考えられた
が、透明フィルムの積層ではコストが上昇すること、厚
みが増加することで貼付性が悪化すること、貼付部と非
貼付部の段差が顕著になり、意匠性に問題が出ること等
が問題となった。塗膜層の付与では塗膜厚みに限界があ
ることから、紫外線吸収剤を添加しても軟質PVCの劣
化を抑制する効果は乏しく、かと言って紫外線吸収剤の
添加量を極端に増やすと塗膜層自体の物性低下、耐候性
低下を来す。また、表面からの紫外線吸収剤の吹き出し
による表面外観の悪化も問題となる。
度の耐用年数を有するとは言え、剥がして捨てることが
前提の該用途に対して軟質PVCを用いることは好まし
くないとの意見を多く聞くようになって来ている。
て、PVdF(ポリフッ化ビニリデン)系樹脂とアクリ
ル系樹脂とのブレンド体より成り、2層〜3層の構成を
有し、外気側表面でPVdF系樹脂の比率が高く、粘着
剤側でアクリル系樹脂の比率を高くしたものや、透明な
フッ素系樹脂フィルムの粘着剤側に着色された溶剤可溶
型フッ素系樹脂を設けたもの等が検討されている。
自体は非常に耐候性に優れる材料であることから、検討
の方向性はいかに接着性を確保するか、及び紫外線吸収
剤等の添加剤との相溶性に劣るフッ素系樹脂にいかに下
地の保護機能を持たせるかにあり、各種の工夫がなされ
ている。
層を設けない場合は、2層〜3層のフィルム層を共押し
出しで積層一体化可能であり、製造コストはそれほど高
くないと考えられる。しかし、印刷層を配設する必要が
ある場合は、全層を透明として粘着剤側に印刷層を付与
したのでは、各層に紫外線吸収剤を添加したとしても、
極微量の紫外線吸収剤により粘着剤が劣化を受けて剥離
する危険が高い。これを解決するため、外気側最表面か
ら数えて2層目及び3層目の少なくとも1層を着色層と
して、着色層より外気側に印刷層を付与することが考え
られるが、その場合は、印刷層より外気側になる層と、
内側になる層とを別々に製膜し、印刷を施した後に積層
一体化する必要が生じ、製造コストの増大を招く。
自体が高く、5〜7年の使用が前提とされるマーキング
フィルム用基材の主体を成す材料として用いるには割高
感がある。
のであって、その目的は塩化ビニル系樹脂を使用せず、
耐候性に優れ、曲面への貼付けが容易でコストも比較的
安価なマーキングフィルム用基材を提供することにあ
る。
め、請求項1に記載の発明では、着色アクリル系樹脂フ
ィルムの片面に、厚み3μm〜20μmの範囲の架橋性
樹脂を主成分とする透明被覆層が設けられ、前記着色ア
クリル系樹脂フィルム(1)は、JIS K-7127に準拠して
雰囲気温度23℃、引張り速度200mm/分で測定し
た引張り破断伸びが、フィルム製膜時の流れ方向(M
D)及び、流れに直交する方向(TD)の両方向につい
て90〜500%の範囲である。
透明被覆層側が外気側となるようにして貼り付けて使用
される。そして、マーキングフィルム用基材としての形
態での曲面への良好な貼付性を確保できる。また、紫外
線吸収剤を添加した場合も着色アクリル系樹脂フィルム
中に添加された顔料の褪色を有効に抑制することができ
る。
載の発明において、前記着色アクリル系樹脂フィルム
は、前記引張り破断伸びが前記両方向について90〜3
00%の範囲である。従って、この発明では、耐傷入り
性が向上する。
請求項2に記載の発明において、前記透明被覆層が硬化
塗膜のガラス転移温度(Tg)が20〜55℃のシアネ
ート架橋型アクリル系樹脂を主成分として構成されたも
のである。従って、この発明ではマーキングフィルム用
基材の曲面への貼付性がより向上するとともに、表面の
耐傷入り性がより向上する。
請求項2に記載の発明において、前記透明被覆層がシア
ネート架橋型のフッ素系樹脂を主成分として構成された
ものである。従って、この発明では、透明被覆層が耐候
性に優れているため、耐候性がより向上する。
求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記着色
アクリル系樹脂フィルムと、透明被覆層との間に印刷層
が設けられている。従って、この発明では印刷層の存在
により意匠性が高くなる。
形態を説明する。図1(a)は本発明のマーキングフィ
ルム用基材Mの基本構成を示す模式断面図である。マー
キングフィルム用基材Mは、着色アクリル系樹脂フィル
ム1の片面に透明被覆層2が積層された構成となってい
る。図1(b)に示すマーキングフィルム用基材Mで
は、着色アクリル系樹脂フィルム1と透明被覆層2との
間に印刷層3が設けられている。
(a)に示すように、着色アクリル系樹脂フィルム1側
に粘着剤層4を付与するとともに、剥離性の台紙5が施
された構成でも実施される。この構成では、台紙5を剥
がして所定の場所に貼り付ける。また、マーキングフィ
ルム用基材Mとして、図2(b)に示すように、マーキ
ングフィルム用基材Mを切り文字等の形状で貼り付ける
に際し、台紙5と反対側にアプリケーションフィルム6
を施したものもある。
の着色アクリル系樹脂フィルム1に用いられるアクリル
系樹脂は、一般に柔軟性アクリル、フィルムグレードア
クリルあるいはソフトアクリル等と呼ばれるアクリル系
樹脂の範疇に含まれるもので、架橋アクリルゴム弾性体
成分を核にして、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂を
グラフト重合して得られる所謂コア・シェル型の共重合
体組成物を基本としている。架橋弾性体成分はブチルア
クリレート、エチルヘキシルアクリレート等のガラス転
移温度が0℃よりも低いアクリル酸エステル系の樹脂を
主体とし、エチレングリコール・ジメタクリレート等を
共重合することにより架橋構造を持たせたものである。
リル系樹脂のシェル相(マトリクス相)を形成する材料
としては、メチルメタクリレートを主体としブチルアク
リレート等その他の(メタ)アクリル酸エステル系樹脂
をランダム共重合した組成より成るものが使用される。
ル系樹脂被覆金属板に被覆する(オーバーレイ)用途等
においては、先ずフィルム自体の耐候性を得る目的か
ら、シェル相の組成をメチルメタクリレートリッチと
し、折り曲げ時の白化防止の目的から、あるいは透明性
を確保するための屈折率調整等の目的から架橋弾性体成
分とシェル相との間に、多段共重合により両者の中間的
組成より成る層を複数層設けて傾斜的に組成を変化させ
る等の複雑な構成を採っているものが多く見受けられ
る。
ルム1は、顔料の添加により着色されて使用され、ま
た、表面に架橋樹脂を主成分とする透明被覆層2が配設
されていることから特別に耐紫外線性(耐光性)に優れ
る必要はない。また、曲面への施工性確保の観点から柔
軟性が必要であるが、特別に耐折り曲げ白化性に優れる
必要もない。
るアクリル系樹脂フィルムのような複雑な構成は必ずし
も必要としない。また、樹脂自体の光線透過率やヘイズ
値も特に重要ではなく、その点において、架橋アクリル
ゴムの粒径や、樹脂全体に占める架橋アクリルゴムの成
分の比率等も加熱成形が困難にならない範囲で任意であ
る。
アクリルゴム以外のゴム成分や樹脂成分を含むことは、
オーバーレイ用途においては好ましいことではないが、
本発明においてはその耐候性を著しく低下させない範囲
で、これらを含んでいてもよい。
は、マーキングフィルム用基材としての形態での曲面へ
の貼付性を確保するために、特定の範囲の柔軟性を有す
ることである。本発明においては、着色アクリル系樹脂
フィルム1の柔軟性を引張り破断伸びで規定し、JIS K-
7127に準拠して雰囲気温度23℃、引張り速度200m
m/分で測定した引張り破断伸びが、フィルムの製膜時
の流れ方向(MD)及び、流れに直交する方向(TD)
の両方向について90〜500%の範囲にあることであ
る。前記引張り破断伸びは前記両方向について90〜3
00%の範囲にあることが好ましい。
と、柔軟性が不足することにより曲面への貼付性が悪く
なり好ましくない。また、引張り破断伸びの値が500
%より大きいと常温での柔軟性が過多となり、取り扱い
性の悪化をもたらす。また、透明被覆層2を設けた場合
においても、表面硬度が低過ぎ、耐傷入り性が悪くなら
ないためには、引張り破断伸びの値が300%以下が好
ましい。着色アクリル系樹脂フィルム1の破断伸びを上
記範囲に規定することで、マーキングフィルム用基材と
しての曲面への貼付性を満たす柔軟性が得られる。
5〜250μmの範囲が好ましく、40〜150μmの
範囲が更に好ましい。これより薄いとフィルムとしての
生産性の低下、取り扱い性の低下等の問題を生じるため
好ましくない。逆にこれ以上の厚みでは、貼付部と非貼
付部の段差が顕著となり好ましくなく、また、コストの
面からも現実的でない。
加する目的には、着色による意匠性の付与、印刷層の発
色を良くすること等の意匠上の効果の他、紫外線の遮蔽
効果がある。アクリル系樹脂自体は耐候劣化を受けても
変色を示す材料ではないが、透明被覆層2及び着色アク
リル系樹脂フィルム1を透過した紫外線がこれらの貼付
けに用いられている粘着剤や接着剤を劣化させて剥離に
至るのを防止する目的である。該目的においては、顔料
酸化チタンの場合で、[厚み(μm)×顔料添加量(樹
脂分を100とした重量部)≧1200]となるように
することが好ましい。他の顔料を用いる場合も、これと
同等の紫外線遮蔽性を得られるように添加することが好
ましいが、その場合、添加量が多量となることが多く、
着色顔料と酸化チタン顔料の併用、着色顔料とカーボン
ブラックとの併用でなるべく少ない顔料添加で上記と同
等の紫外線遮蔽性を得ることが好ましい。着色アクリル
系樹脂フィルム1の厚みが比較的薄く、かつ白味や黒味
が少ない中間色が必要な場合等は、上記の好ましい紫外
線遮蔽性を確保できる量の酸化チタン顔料やカーボンブ
ラックの添加が困難な場合があるが、この場合は可視域
の吸収が少ない微粒子酸化チタンを着色顔料と併用する
ことで上記の紫外線遮蔽性を確保する手法を用いること
ができる。
の顔料成分以外に、紫外線吸収剤、光安定剤、ラジカル
捕捉剤、酸化防止剤、プロセス安定剤、金属不活性化剤
等、一般的に樹脂の耐熱性、耐候性を向上させる目的で
添加されるものや、加工助剤、滑剤その他の、これも一
般的に樹脂の加工性向上の目的で添加されるもの等各種
添加剤を添加してもよい。
に関しても、特に制限を設けるものではなく、Tダイ押
出し法、インフレーション法、あるいはカレンダー法
等、塩化ビニル系樹脂シートの製膜に用いられてきた一
般的な方法によることができ、塩化ビニル系樹脂シート
の製膜に用いてきた設備をそのまま用いることができ
る。
脂を主成分として成り、該層を付与する目的は、マーキ
ングフィルム用基材の一層の耐久性の向上、耐汚染性の
向上、耐傷入り性の向上、深みの有る意匠の付与、紫外
線吸収剤を添加することによる着色アクリル系樹脂フィ
ルム1及び印刷層3の紫外線劣化からの保護等である。
キシ硬化型等の熱硬化型樹脂、シアノアクリレート系樹
脂、シラノール縮合型樹脂等の湿気硬化型樹脂、紫外線
硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂等をその範疇に含む、架
橋反応により3次元的な分子構造を形成するものであ
る。イオン架橋により3次元構造を形成するアイオノマ
ー樹脂等は含まれない。透明被覆層2の主成分を架橋性
樹脂とすることにより、マーキングフィルム表面の耐候
性を向上させることができ、また、着色アクリル系樹脂
フィルム1を単層で用いた場合より耐傷入り性も向上さ
せることができる。
系樹脂フィルム1上への塗布・硬化処理の容易なシアネ
ート硬化型、エポキシ硬化型等の熱硬化型樹脂を好まし
く用いることができる。着色アクリル系樹脂フィルム1
との密着性や耐候性の観点からはシアネート架橋型のア
クリル系樹脂やシアネート架橋型のフロロオレフィンビ
ニルエーテル共重合体樹脂が特に好ましい。
においては、その硬化塗膜のガラス転移温度(Tg)が
20〜55℃の範囲にあることが好ましい。これよりガ
ラス転移温度が高いと、曲面への貼付け性の点から、着
色アクリル系樹脂フィルム1の柔軟性を特定の範囲に規
定したにも拘わらず、全体構成としては充分な柔軟性を
得ることができず、結果として曲面への貼付け性の悪
化、透明被覆層2へのクラックの発等を生じ好ましくな
い。逆に、これよりガラス転移温度が低いと、硬化後の
塗膜においてもべたつき感が現出し、また、着色アクリ
ル系樹脂フィルム1を単独で用いた場合に比べて、表面
の耐傷入り性が向上しないため好ましくない。
ンゾトリアゾール型やベンゾフェノン型等の紫外線吸収
性基を有する反応性モノマーや、ヒンダードアミン型の
光安定機構を有する反応性モノマーを共重合したもので
あってもよい。あるいはシアネート架橋型のアクリル系
樹脂を主成分としながら、ベンゾトリアゾール型やベン
ゾフェノン型等の紫外線吸収性基を有する反応性モノマ
ーや、ヒンダードアミン型の光安定機構を有する反応性
モノマーを共重合したシアネート架橋を有さないアクリ
ル系樹脂をブレンドしたものであってもよい。
紫外線吸収剤や光安定剤(HALS)、酸化防止剤、艶
消し剤、染料、硬化促進剤等、一般的に熱架橋型樹脂に
用いられる添加剤を添加することができる。なお、HA
LSは、Hinderd Amine Light Stabirizerの略称で、ヒ
ンダードピペリジン型光安定剤等とも呼ばれるもので、
一般的に150℃以下の温度環境でのラジカル補足能に
優れるため、耐候安定剤として用いられるものであり、
ポリオレフィン系樹脂等の光酸化劣化防止に用いられて
効果が確認されているものである。
は、特に規定を設けなかったが、透明被覆層2を通して
下地である着色アクリル系樹脂フィルム1あるいは印刷
層3を視認することが可能であれば、「透明」と呼んで
支障ないものであり、通常用いられる「透明」の定義と
は必ずしも一致するものではない。例えば、透明被覆層
2として、一般的に「半透明」と認識されるものを用い
てもよい。
範囲とすることが好ましく、5μm〜10μmの範囲が
更に好ましい。厚みがこれより薄いと耐傷入り性の向上
効果が殆ど得られなくなり、また、紫外線吸収剤を添加
した場合も着色アクリル系樹脂フィルム1中に添加され
た顔料や、印刷層3中に添加された顔料の褪色を有効に
抑制することができず、好ましくない。厚みがこれより
厚いと曲面への貼付け性が低下して好ましくなく、ま
た、塗布工程での溶剤や分散媒を揮発させるための加熱
乾燥にも高温あるいは長時間を要することになる点から
も厚みは20μm以下に抑えることが好ましい。
ム1上に付与する方法に関しては、これも特に制限は無
く、一般的な塗布・硬化方法によることができる。塗布
液の粘度を下げるために各種溶剤を用いてもよく、溶液
型あるいはディスパージョン型やエマルジョン型として
塗布することができる。
本発明をさらに詳しく説明する。実施例及び比較例に使
用した各々の試料は、次の手順で作成した。
示す市販の柔軟性アクリル原料又はこれらのブレンド物
を使用し、表2に示す組成の着色アクリル系樹脂フィル
ム1を作成し、各実施例及び比較例に使用した。フィル
ム化の方法は、柔軟性アクリル原料のペレット又はパウ
ダーと所定の添加剤成分を室温でブレンドし、8インチ
の2本ロールで混練後、厚みが約100μmとなるよう
に手で引き剥がすものである。
量部として、酸化チタン顔料15重量部、光安定剤(H
ALS):944LD(チバ・スペシャリティ・ケミカ
ルズ)0.2重量部、酸化防止剤:イルガノックスHP
−2921(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ)0.
3重量部で、比較例3を除いて同一である。
脂フィルムを用いたものであり、配合内容を表3に示
す。フィルム化の方法は着色アクリル系樹脂フィルムの
場合と同様、8インチテストロールにより、厚みも約1
00μmである。
示す組成の透明被覆層を設けた。被覆層の付与方法は、
バーコーターによる塗布後、加熱乾燥・硬化を行うもの
である。
せ>各実施例及び比較例の着色アクリル系樹脂フィルム
1と透明被覆層2との組合せ、透明被覆層2の塗布厚
み、印刷層の有無に関しては表5に示した。
較例6においては、透明被覆層2の付与前に、着色アク
リル系樹脂フィルム1上に印刷層3を形成した。アクリ
ル系のバインダを用いた耐候性印刷インク赤色をバーコ
ーターで塗布し、乾燥厚み2μmの全面赤色着色の印刷
層3とした。
>前記の各種着色アクリル系樹脂フィルム1に関して、
JIS K-7127に準拠した方法で引張り破断伸びを測定し
た。測定はフィルム成形時のMD方向(流れ方向)及び
TD方向(流れに直交する方向)の各方向について、実
際に使用する厚みで行い、雰囲気温度(測定温度)は2
3℃とした。測定結果は表2に記載した。
接的に評価する良い方法がないため、マーキングフィル
ム用基材に粘着剤層を付与し、金属板に貼り付けた状態
で、金属板に曲げ加工を施すことでマーキングフィルム
用基材の柔軟性を評価した。粘着剤層はアクリル系樹脂
で、乾燥厚みは40μmとした。また、金属板は厚み
0.40mmの熔融亜鉛メッキ鋼鈑とした。
方法」に規定されるV曲げ法により、雰囲気温度23℃
及び0℃で行った。試験終了後に折り曲げ部分のマーキ
ングフィルム用基材を目視観察し、割れ、クラック及び
剥離が認められないものを「○」、折り曲げ部分の幅の
20%以下の割れ、クラックが認められるものを
「△」、それより悪いものを「×」と評価した。そし
て、「○」を2点、「△」を1点、「×」を0点として
数え、各サンプルの加工性評価点をまとめた。結果を表
6及び表7に示す。
価と同様に粘着剤層を付与し、熔融亜鉛メッキ鋼鈑に貼
り付けた状態で、JIS K-5401による鉛筆硬度試験を行っ
た。評価結果を表6及び表7に示した。
価>曲面貼付け性の評価と同様に粘着剤層を付与し、熔
融亜鉛メッキ鋼鈑に貼り付けたマーキングフィルムに対
して耐候性促進試験を行った。フィルムを貼り付けた後
に、金属板を60mm×50mmのサイズに切断し、試
験用サンプルとした。切断部端面の封止等の処理は特に
行わなかった。これらのサンプルをサンシャイン・ウェ
ザーメーター促進試験機((株)スガ試験機製)に投入
し、ブラックパネル温度63℃での曝露試験を行った。
曝露3000時間及び6000時間後のサンプルの色差
変化を色差計で測定し、また、60°鏡面反射による光
沢度を測定した。色差は絶対値で示し、光沢度は初期値
を100とした残存率(%)で示した。評価結果を表8
及び表9に示す。
果をまとめて表10として示した。加工性の欄は、評価
点が24点未満のもの(V曲げで多少でもクラック、割
れが発生したもの)を×とし、鉛筆硬度は現行のマーキ
ングフィルムの測定値である2B〜3Bより軟らかいも
のを「×」とした。
後の色差変化(ΔE値)が印刷層無しのもので3.0以
下、印刷層有りのもので5.0以下であり、かつ光沢残
存率が70%以上のものを「○」、それ以外のものを
「×」とした。
フィルム1の片面に設けられた架橋性樹脂を主成分とす
る透明被覆層2の厚みが3μm〜20μmの範囲で、着
色アクリル系樹脂フィルム1のJIS K-7127に準拠して雰
囲気温度23℃、引張り速度200mm/分で測定した
引張り破断伸びが、フィルム製膜時の流れ方向(MD)
及び、流れに直交する方向(TD)の両方向について9
0〜300%の範囲である場合、マーキングフィルム用
基材Mは加工性、表面硬さ及び耐候性が共に良好なこと
が確認される。また、実施例11及び実施例12の結果
から、前記引張り破断伸びが、両方向について300%
を超えても500%以下であれば、マーキングフィルム
用基材Mは加工性及び耐候性が共に良好なことが確認さ
れる。
系樹脂フィルム1の前記引張り破断伸びが、両方向につ
いて90%以上ないと、加工性が悪くなって曲面に対す
る貼付性が悪くなることを確認できる。
1に代えて塩化ビニル樹脂を使用した場合、耐候性が悪
くなることを確認できる。比較例4(透明被覆層2の樹
脂成分のTgが65℃)から、透明被覆層2の硬化塗膜
のガラス転移温度(Tg)が50℃より大きいとき、加
工性及び耐候性が悪くなり、比較例5(透明被覆層2の
樹脂成分のTgが10℃)から、透明被覆層2の硬化塗
膜のガラス転移温度(Tg)が20℃より小さいとき、
表面硬さ及び耐候性が悪くなることを確認できる。
より小さいと耐候性が悪くなり、比較例7から透明被覆
層2の厚さが20μmより大きいと加工性が悪くなると
ともに、耐候性も悪くなることを確認できる。
面硬さ及び耐候性が悪くなることを確認できる。この実
施の形態では以下の効果を有する。
色アクリル系樹脂フィルム1の片面に、厚み3μm〜2
0μmの範囲の架橋性樹脂を主成分とする透明被覆層2
が設けられ、着色アクリル系樹脂フィルム1は、JIS K-
7127に準拠して雰囲気温度23℃、引張り速度200m
m/分で測定した引張り破断伸びが、フィルム製膜時の
流れ方向(MD)及び、流れに直交する方向(TD)の
両方向について90〜500%の範囲とした。その結
果、マーキングフィルム用基材Mとしての形態での曲面
への良好な貼付性を確保でき、PVC系基材に比較して
耐候性を向上できる。
前記引張り破断伸びを前記両方向について90〜300
%の範囲とした場合は、表面硬さが確保されて耐傷入り
性も良好となる。
転移温度(Tg)が20〜55℃のシアネート架橋型ア
クリル系樹脂を主成分として構成されたものでは、マー
キングフィルム用基材Mの曲面への貼付性がより向上す
るとともに、表面の耐傷入り性がより向上する。
のフッ素系樹脂を主成分として構成されたものでは、透
明被覆層2が耐候性に優れているため、耐候性がより向
上する。
と、透明被覆層2との間に印刷層3が設けられている場
合は、印刷層3の存在により意匠性が高くなる。実施の
形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のよ
うに具体化してもよい。
脂フィルム1と印刷層3との間に接着層7を設けてもよ
い。この場合、印刷層3として着色アクリル系樹脂フィ
ルム1との接着性を考慮せずに透明被覆層2との接着性
を考慮して印刷層3の材質を選定でき、印刷層3の材質
の選定の自由度が高くなる。
層7を設けてもよい。この場合、印刷層3として透明被
覆層2との接着性を考慮せずに着色アクリル系樹脂フィ
ルム1との接着性を考慮して印刷層3の材質を選定で
き、印刷層3の材質の選定の自由度が高くなる。
する顔料として無機顔料に代えて有機顔料を使用しても
よい。しかし、一般に有機顔料は無機顔料に比較して耐
候性に劣るため、無機顔料の方が好ましい。
(発明)について以下に記載する。 (1) 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の発明に
おいて、前記着色アクリル系樹脂フィルムは厚みが25
〜250μmの範囲に形成されている。
において、前記着色アクリル系樹脂フィルムは顔料に酸
化チタン顔料が使用されている。
に記載の発明は、塩化ビニル系樹脂を使用せず、耐候性
に優れ、曲面への貼付けが容易となるとともに、製造コ
ストも比較的安価にできる。
ングフィルム用基材の構成を示す模式断面図。
ングフィルム用基材の構成を示す模式断面図。
の模式断面図。
…印刷層、M…マーキングフィルム用基材。
Claims (5)
- 【請求項1】 着色アクリル系樹脂フィルム(1)の片
面に、厚み3μm〜20μmの範囲の架橋性樹脂を主成
分とする透明被覆層(2)が設けられ、前記着色アクリ
ル系樹脂フィルム(1)は、JIS K-7127に準拠して雰囲
気温度23℃、引張り速度200mm/分で測定した引
張り破断伸びが、フィルム製膜時の流れ方向(MD)及
び、流れに直交する方向(TD)の両方向について90
〜500%の範囲であることを特徴とするマーキングフ
ィルム用基材。 - 【請求項2】 前記着色アクリル系樹脂フィルム(1)
は、前記引張り破断伸びが、前記両方向について90〜
300%の範囲である請求項1に記載のマーキングフィ
ルム用基材。 - 【請求項3】 前記透明被覆層(2)が硬化塗膜のガラ
ス転移温度(Tg)が20〜55℃のシアネート架橋型
アクリル系樹脂を主成分として構成されたものである請
求項1又は請求項2に記載のマーキングフィルム用基
材。 - 【請求項4】 前記透明被覆層(2)がシアネート架橋
型のフッ素系樹脂を主成分として構成されたものである
請求項1又は請求項2に記載のマーキングフィルム用基
材。 - 【請求項5】 前記着色アクリル系樹脂フィルム(1)
と、前記透明被覆層(2)との間に印刷層(3)が設け
られている請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の
マーキングフィルム用基材。
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