JP2005340382A - フレキシブルプリント配線板及びそのフレキシブルプリント配線板の製造方法 - Google Patents

フレキシブルプリント配線板及びそのフレキシブルプリント配線板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】圧延銅箔を用いたフレキシブルプリント配線板を超える屈曲性能を示す電解銅箔を用いたフレキシブルプリント配線板を提供する。
【解決手段】 ポリイミド樹脂フィルム基材と張り合わせた電解銅箔をエッチングすることにより形成した回路を備え、当該回路の存在する表面をカバーレイフィルムで被覆したフレキシブルプリント配線板において、カバーレイフィルムと接触する回路表面に密着性改良処理層を備えることを特徴としたフレキシブルプリント配線板等を採用する。
【選択図】 なし

Description

本件発明は、フレキシブルプリント配線板及びそのフレキシブルプリント配線板の製造方法に関する。特に、回路形成に電解銅箔を用いた場合でも、圧延銅箔を用いた場合と同等の屈曲性能を示すフレキシブルプリント配線板を提供する。
ポリイミド樹脂は、フレキシビリティに富み柔軟であり、機械的強度、耐熱性、電気的特性等の諸特性に優れ、従来から、接着剤を用いて銅箔と張り合わせた3層基板としてフレキシブルプリント配線板、フレキシブルプリント配線板の一種と言えるテープオートメートボンディング(TAB)製品等の基材材料として広く用いられてきた。
そして、近年の電気・電子製品のダウンサイジングの要求の高まりから、狭小化したスペースにデバイスするためのフレキシブルプリント配線板の薄層化及び小型化が要求され、配線密度の向上、耐折及び屈曲強度の向上の観点から、接着剤層を省略し、ポリイミド樹脂フィルムの表面に直接導体層を備えた2層基板の供給が行われてきた。
上述のフレキシブルプリント配線板は、基材であるポリイミド樹脂フィルムと回路形成に用いる銅箔とが基礎材料であり、耐折及び屈曲性能の向上と回路保護の観点から回路表面にカバーレイフィルムを張り合わせることが一般的に広く採用されてきた。そして、このときの銅箔としては、圧延銅箔と電解銅箔の内、特許文献1及び特許文献2等に開示されているように圧延銅箔が主流となっていた。これは、電解銅箔と比べて耐折及び屈曲性能に於いて、圧延銅箔が有利との認識が市場を支配していたからである。
特開平7−202417号公報 特開2002−261450号公報
しかしながら、電解銅箔と比べて圧延銅箔は常に割高な材料であり、電解銅箔と比較したときの薄層化も困難であり、技術的観点から言えばフレキシブルプリント配線板のファインピッチ回路形成に一定の限界が生じ、製品価格的観点から見れば市場供給価格の削減に一定の限界が生じていた。
以上のことから、フレキシブルプリント配線板の構成材料として、圧延銅箔に代えて電解銅箔を用いる事が市場要求として存在していたのである。
そこで、本件発明者等は、フレキシブルプリント配線板の回路が屈曲試験の中でどのようなメカニズムで起きているのか詳細に検討し鋭意研究した結果、以下のような発明に想到したのである。ここでは、本件発明の内容をより理解しやすいように、屈曲試験から得られた技術的知見から説明する事とする。
(屈曲試験から得られた技術的知見)
まず、試験方法に関して説明しておくこととする。本件発明において試験に用いた試料は、ポリイミド樹脂フィルム基材の表面に銅箔を張り合わせ、エッチングして図1に示す170mm長さの距離を蛇行配線した幅150μm回路を試験回路として形成し、その蛇行回路を覆うようにカバーレイフィルムを張り合わせたものを標準的に採用した。そして、このとき断面で見たときの銅箔の中心線が出来る限りフレキシブルプリント配線板断面の中立線と重なるように配慮した張り合わせを行った。
そして、屈曲試験は2種類の方法を採用した。一つの屈曲試験は、図2に示すMIT耐折試験器を用いて、加重0.5kgf、屈曲速度175回/分、屈曲半径0.4mm、0.8mm、2.0mmの3種類を採用した(以下、「第1屈曲試験」と称する。)。もう一つの屈曲試験には、図3に示すIPC−TM−650に定められた擦動挙動を取り入れた試験方法を採用し、屈曲半径2.0mm、屈曲速度1000回/分、ストローク25mmとした(以下、「第2屈曲試験」と称する。)。
上述の試験方法で、銅箔に圧延銅箔を用いた場合と電解銅箔を用いた場合とで、それぞれ箔の破断現象が発生するまで試験を行い、その試料の断面を観察した。まず、カバーレイの有無により、屈曲特性に差が出るか否かを確認的に観察した。係る場合いかなる試験方法を用いても、カバーレイの存在する試料の方が優れた屈曲性能を示し、カバーレイの存在しない試料の8倍以上の屈曲回数が得られることが分かった。
そして、最も重要なのは、銅箔が破断に到るまでの過程は、図4に示す光学顕微鏡写真から見て取れるように、銅箔とカバーレイとの境界部がマイクロクラックの発生部位となる傾向が高く、このマイクロクラックの厚さ方向への伝播により断線が発生すると言える。更に、図5として示した光学顕微鏡写真から明瞭に分かるように、クラックの顕著に発生した部位では、カバーレイを張り合わせるのに用いた接着剤層と回路表面とが剥離する現象が多く見られ、クラックの発生していない箇所での剥離現象は確認されなかった。これらの現象から考えるに、本件発明者等は、カバーレイが存在することで飛躍的に屈曲性が向上するのであるから、屈曲試験の最中に回路表面からカバーレイが剥離し、カバーレイによる回路を構成する銅箔の表面の拘束が解かれ自由表面となると、その部位の回路の屈曲レベルが大きくなり、よりマイクロクラックの発生が起こりやすくなると判断出来る。そうであれば、回路とカバーレイとの剥離が起こらないようにすれば、屈曲性能は飛躍的に向上するのではないかと考えられるのである。
更に、本件発明者等は、フレキシブルプリント配線板市場では、フレキシブルプリント配線板に圧延銅箔を用いるのが主流となっているが、フレキシブルプリント配線板用としての電解銅箔が、本当に屈曲性能に劣るか否かの検証をおこなった。この検証作業で用いた電解銅箔は、カバーレイを張り合わせる面に対し、後述する密着性改良処理層は設けていない。
検証の結果、フレキシブルプリント配線板に、三井金属鉱業株式会社製の公称厚さ18μmのクラス3箔である3EC−III箔、VLP箔、S−HTE箔を用い、比較用には同社製の18μm厚の圧延銅箔(タフピッチ銅)を用いた。その結果、S−HTE箔を用いると圧延銅箔を用いた場合と比べ、同等の屈曲性能を示すことが確認出来た。従って、屈曲性の観点からみれば、電解銅箔が常に圧延銅箔に劣るとする根拠にはなり得ないことが分かる。すると、圧延銅箔と電解銅箔との差異として残るのは、無酸素銅を用いた純度の高い圧延銅箔が電気的導電性に優れると言われるように、純度及び結晶粒形状等の結晶性の問題のみと考えることが出来る。
<本件発明に係るフレキシブルプリント配線板>
そこで、本件発明に係るフレキシブルプリント配線板は、「ポリイミド樹脂フィルム基材と張り合わせた電解銅箔をエッチングすることにより形成した回路を備え、当該回路の存在する表面をカバーレイフィルムで被覆したフレキシブルプリント配線板において、カバーレイフィルムと接触する回路表面に密着性改良処理層を備えることを特徴としたフレキシブルプリント配線板。」を採用するのである。ここで、カバーレイフィルムを回路形成面に張り合わせる際には、接着剤層を介して張り合わせるのが一般的であり、厳密には回路と接着剤層との密着性として捉えられる。
そして、本件発明で言う電解銅箔とは、その厚さ等に特に限定はなくIPC−MF−150Fに定めるクラス3以上の伸び特性を示す電解銅箔であって、180℃の加熱雰囲気中での熱間伸び率が15%以上のものを選択的に使用することが好ましい。係る電解銅箔は、一般的に不純物の少ない銅電解液から製造されるものであり、純度的観点から無酸素銅箔の純度に近づくことができ、プレス加工時に再結晶化を起こすため結晶粒内の転位密度が少なく電気抵抗を下げることが可能となるからである。
ここで言う密着性改良処理層の形成には、複数の処理方法を採用して形成したものを採用することができる。一般的には、電解銅箔表面を粗化処理する方法を採用することが可能である。この粗化処理には、銅箔の粗化面形成に用いられる微細銅粒を付着させる処理、多層リジッド基板の内層回路の基材との密着性を向上させるための黒化処理及び還元黒化処理、銅箔表面を化学的に浸食して凹凸形状を形成する処理等のあらゆる粗化処理を用いることが可能である。
また、前記密着性改良処理層は、回路を形成した電解銅箔表面を酸化処理して得られる層を採用することも好ましいのである。前記の粗化処理と比べて、単に銅箔表面を酸化させた表面は、意図的に粗化処理した表面と比べて極めて平滑な表面であり、回路とカバーレイフィルムとの密着性を向上させるだけでなく、エッチングレジストの膜厚を良好なレベルに維持することが可能でファインピッチ回路の形成にも適したものとなる。
また、前記密着性改良処理は、密着性を改善するための改質金属層とすることもこのましいのである。ここで言う改質金属層には、樹脂との濡れ性を改善し、密着性改良の望めるニッケル系合金及びコバルト系合金等の使用を考慮している。特に、ニッケル−亜鉛合金層若しくはニッケル−亜鉛−コバルト合金層を用いることが好ましい。
更に、前記密着性改良処理層は、電解銅箔表面にカップリング剤を定着させて得られるカップリング剤処理層を用いることも好ましいのである。ここで用いる事の出来るシランカップリング剤は、プリント配線板用に用いることの出来るものであればいかなるものでも使用可能であるが、特にビニルトリメトキシシラン、ビニルフェニルトリメトキシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、4−グリシジルブチルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−3−(4−(3−アミノプロポキシ)プトキシ)プロピル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、イミダゾールシラン、トリアジンシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランのいずれかを用いることが好ましい。電気的特性を阻害することなく、しかも、安定した品質のシランカップリング剤処理層の形成が可能だからである。
以上に述べてきた密着性向上処理は、いくつかの処理を組み合わせることも可能である。例えば、粗化処理とカップリング剤処理、酸化処理とカップリング剤処理等である。このように、回路とカバーレイフィルムとの密着性を向上させるだけで、電解銅箔を用いたフレキシブルプリント配線板の屈曲性能が、圧延銅箔を用いたフレキシブルプリント配線板の屈曲を超えるものとなる。
ところが更に、フレキシブルプリント配線板の断面の中立線と電解銅箔の厚さ中心線とのズレが、フレキシブルプリント配線板のトータル厚さの5%以内とすることで、より安定した屈曲性能をしめすのである。フレキシブルプリント配線板の断面の中立線と電解銅箔の厚さ中心線とのズレを、フレキシブルプリント配線板のトータル厚さの5%以内とすることで、屈曲性能の安定性が飛躍的に向上するのである。
ここで、図6を用いて、フレキシブルプリント配線板の断面の中立線と電解銅箔の厚さ中心線とに関して説明する。フレキシブルプリント配線板1の断面を模式的に示すと、カバーレイフィルム2、カバーレイ接着剤層3、回路(銅箔)4、基材接着剤5、ポリイミド樹脂フィルム基材6とが層状になっている。このとき破線で示したのがフレキシブルプリント配線板の断面の中立線Aであり、一点破線で示したのが電解銅箔の厚さ中心線Bである。
フレキシブルプリント配線板が屈曲させられたときの断面内での歪みの発生をモデル的に捉えると図7のようになる。そして、図7中に記載した式により歪みレベルが決まるため、上記中立線Aから離れるほど引張応力、圧縮応力共に大きくなる。従って、回路4とカバーレイ接着剤層3との間の界面剥離のみを防止することを考えれば、中立線を当該界面と一致させることが最も効果的と考えられる。しかしながら、そのような状態を形成するためには、カバーレイフィルム厚さが大きくなり現実的ではなく、ポリイミド樹脂フィルムと接着した銅箔表面に発生する歪みが極めて大きくなり、ポリイミド樹脂フィルムと接触した銅箔表面からのマイクロクラック発生の危険性が高くなる。そこで、フレキシブルプリント配線板のトータル的な性能を考慮すると、フレキシブルプリント配線板の断面の中立線Aと電解銅箔の厚さ中心線Bとを一致させることが現実的な理想状態となるのである。
<本件発明に係るフレキシブルプリント配線板の製造方法>
本件発明に係るフレキシブルプリント配線板の製造方法として、以下に示す第1製造方法〜第3製造方法のいずれかを採用することが望ましい。
(第1製造方法)
この製造方法は、以下に示すA〜Cの各工程を経て製造されるものである。
A:カバーレイフィルムとの接触界面に密着性改良処理を層を備えた電解銅箔を用い、この電解銅箔とポリイミド樹脂フィルム基材とをラミネートして張り合わせる際に、密着性改良処理層を汚染及び損傷から防御するため、保護フィルムを配してラミネートし、キュアリングしフレキシブル銅張積層板とする銅箔張り合わせ工程。
B:フレキシブル銅張積層板の電解銅箔層の密着性改良処理を施した表面に、エッチングレジスト層を設け、エッチングパターンを露光し、現像し、エッチング加工し、エッチングレジスト剥離を行い、洗浄することで回路形成を行う回路形成工程。
C:回路形成面にカバーレイフィルムを張り合わせるカバーレイコート工程。
(第2製造方法)
この製造方法は、以下に示すA〜Dの各工程を経て製造されるものである。
A:電解銅箔とポリイミド樹脂フィルム基材とをラミネートして張り合わせ、フレキシブル銅張積層板とする銅箔張り合わせ工程。
B:フレキシブル銅張積層板の電解銅箔表面に、密着性改良処理を施す密着性改良処理工程。
C:フレキシブル銅張積層板の電解銅箔層の密着性改良処理を施した表面に、エッチングレジスト層を設け、エッチングパターンを露光し、現像し、エッチング加工し、エッチングレジスト剥離を行い、洗浄することで回路形成を行う回路形成工程。
D:回路形成面にカバーレイフィルムを張り合わせるカバーレイコート工程。
(第3製造方法)
この製造方法は、以下に示すA〜Dの各工程を経て製造されるものである。
A:電解銅箔とポリイミド樹脂フィルム基材とをラミネートして張り合わせ、フレキシブル銅張積層板とする銅箔張り合わせ工程。
B:フレキシブル銅張積層板の銅箔層にエッチングレジスト層を設け、エッチングパターンを露光し、現像し、エッチング加工し、エッチングレジスト剥離を行い、洗浄することで回路形成を行う回路形成工程。
C:前記回路の表面に、密着性改良処理を施す密着性改良処理工程。
D:密着性改良処理の終了した回路形成面にカバーレイフィルムを張り合わせるカバーレイコート工程。
本件発明に係るフレキシブルプリント配線板は、回路形成に電解銅箔を用いているにも拘わらず、圧延銅箔を用いた場合を超える屈曲性を示すものとなる。
以下、本件発明に係る実施形態及び実施例に関して説明する。
(第1製造方法)
工程A(銅箔張り合わせ工程)では、カバーレイフィルムとの接触界面に密着性改良処理層を備えた電解銅箔を用い、この電解銅箔とポリイミド樹脂フィルム基材とをラミネートして張り合わせる際に、密着性改良処理を施した電解銅箔表面(ポリイミド樹脂フィルム基材と接触しない面)を汚染及び損傷から防御するため、保護フィルムを配してラミネートし、フレキシブル銅張積層板とするのである。
この銅箔張り合わせ工程で、ポリイミド樹脂フィルム基材への銅箔の張り合わせ方法に関しては、特に限定はなく、従来から用いられている定法を用いることが出来る。但し、ラミネートに際して、ラミネートに用いるプレス板若しくは加熱ロールによる、密着性改良処理層を汚染及び損傷から守るために、電解銅箔の密着性改良処理層とプレス板若しくは加熱ロールとの間に耐熱性樹脂フィルム若しくは他の銅箔等の金属箔を保護フィルムとして設けて、ラミネートを行うことが望まれるのである。密着性改良層が損傷を受ける等して、その部位でカバーレイ接着剤との密着性が損なわれると、屈曲を受けたときのカバーレイフィルムの剥離開始部位となりやすいからである。
そして、この銅箔の張り合わせ方法として、ポリイミド樹脂フィルム基材に接着剤を用いて電解銅箔を張り合わせる方法、ポリイミド樹脂フィルム基材に銅箔を接着剤を用いることなく直接張り合わせる方法のいずれをも採用する事が可能である。
ここで、銅箔表面に設ける密着性改良処理層の形成に関して説明する。密着性改良処理層として、銅箔表面に粗化処理層を構成する場合に関して説明する。粗化処理層を形成するときの代表的な方法は、銅箔の表面に極めて微細な銅粒を直接形成し付着させる方法である。このようなヤケメッキ状態を得るには、一般に砒素を含んだ銅電解液が用いられる。係る場合の電解条件の一例を挙げれば、硫酸銅系溶液であって、濃度が銅10g/l、硫酸100g/l、砒素1.5g/l、液温38℃、電流密度30A/dmとする等である。ところが、近年の環境問題の盛り上がりより、人体に影響を与える可能性の高い有害元素を極力排除しようとする動きが高まっている。そこで、本件発明における微細銅粒の形成に関しては、砒素に代え、9−フェニルアクリジンを添加した銅電解液を用いることがより好ましいのである。9−フェニルアクリジンは、銅電解の場において、砒素の果たす役割と同様の役割を果たし、析出する微細銅粒の整粒効果と、均一電着を可能とするものである。9−フェニルアクリジンを添加した極微細銅粒を形成するための銅電解液としては、銅濃度5〜10g/l、フリー硫酸濃度100〜120g/l、9−フェニルアクリジン濃度50〜300mg/l、液温30〜40℃、電流密度5〜40A/dm の条件を採用することが極めて安定した電解操業を可能とすることの出来る範囲となる。
次の密着性改良処理として、電解銅箔表面を酸化させる方法がある。このときの酸化は電解銅箔を大気雰囲気中で加熱処理することにより容易に行える。しかしながら、加熱処理の方法如何によっては、電解銅箔の結晶組織自体が軟化し、伸び率は向上する傾向にあるものの、引張り強度が低下し物理的強度が維持出来ないという結果となる。そこで、陽極酸化法を採用して酸化被膜層を形成するか、化成処理法による酸化被膜層の形成を行うことがより好ましいのである。このときの陽極酸化法及び化成処理法に関して特段の限定はなく、電解銅箔表面に均一な酸化被膜の形成出来る方法であれば、何ら問題はないのである。
密着性改良処理として、電解銅箔表面に密着性を改善するための改質金属層を形成する方法がある。この改質金属層は、電解法や無電解法を用いることが可能であり、特にその形成方法に関して限定はない。例えば一例を挙げれば、ニッケル−亜鉛合金層を形成する場合は、硫酸ニッケルを用いニッケル濃度が1g/l〜2.5g/l、ピロリン酸亜鉛を用いて亜鉛濃度が0.1g/l〜1g/l、ピロリン酸カリウム50g/l〜500g/l、液温20〜50℃、pH8〜11、電流密度0.3〜10A/dmの条件を採用することができる。ニッケル−亜鉛−コバルト合金層を形成する場合は、硫酸コバルト50〜300g/l、硫酸ニッケル50〜300g/l、硫酸亜鉛50〜300g/l、ホウ酸30〜50g/l、液温45〜55℃、pH4〜5、電流密度1〜10A/dmの条件を採用することができる。これらの条件は、膜厚を可能な限り均一にすることを考慮し、且つ、回路形成する際のエッチング特性を考慮して定める必要がある。
更なる、密着性改良処理層として、シランカップリング剤で処理して得られるシランカ
ップリング剤処理層の形成に関して説明する。シランカップリング剤処理層の形成は、一般的に用いられる浸漬法、シャワーリング法、噴霧法等を採用することが可能であり、特に方法は限定されない。工程設計に合わせて、最も均一且つ効率よく電解銅箔表面とシランカップリング剤を含んだ溶液とを接触させ吸着させることのできる方法を任意に採用すれば良いのである。
以上に述べてきた密着性改良処理の内、2つ以上の密着性改良処理を組み合わせて用いることも可能である。製造コストおよび製品品質を考慮したときのコストパフォーマンスから判断すると、粗化処理とシランカップリング剤処理との組み合わせ、酸化処理とシランカップリング剤処理との組み合わせが最良のものであると言える。
工程B(回路形成工程)では、フレキシブル銅張積層板の電解銅箔層の密着性改良処理を施した表面に、エッチングレジスト層を設け、エッチングパターンを露光し、現像し、エッチング加工し、エッチングレジスト剥離を行い、洗浄することで回路形成を行うのである。ここでは、エッチングレジストとして用いる液体レジスト、ドライフィルム等にも何ら特別な制限はなく、露光、現像、レジスト剥離の各工程に於いても定法を適用すれば足りるのである。
工程C(カバーレイコート工程)では、回路形成工程が終了し、回路形成面にカバーレイフィルムを張り合わせるのである。このときのカバーレイフィルムの張り合わせは、接着剤層を介して、キュアリングして、回路形成面と張り合わせられるのである。このときのカバーレイ接着剤層及びカバーレイフィルムに関して、特に限定はない。しかしながら、キュアリング後にも、カバーレイ接着剤層が可能な限りフレキシビリティに富む素材を選択的に使用することが好ましいのである。キュアリング後のカバーレイ接着剤層が硬化するほど、図8に示すように屈曲時にカバーレイフィルム自体にもクラックを発生させ、回路断線の発生を助長させるのである。以上のようにして、フレキシブルプリント配線板が得られるのである。
(第2製造方法)
この製造方法は、以下に示すA〜Dの各工程を経て製造されるものである。工程A(銅箔張り合わせ工程)では、電解銅箔とポリイミド樹脂フィルム基材とをラミネートして張り合わせるのである。このときに用いる電解銅箔は、密着性改良処理層を備えていないものである。この銅箔張り合わせ工程で、ポリイミド樹脂フィルム基材への銅箔の張り合わせ方法に関しては、特に限定はなく、従来から用いられている定法を用いることが出来る。また、この第2製造方法では、ラミネート時に保護フィルムを必ずしも用いる必要はない点が第1製造方法と比べ製造コストを削減出来る利点となる。電解銅箔が密着性改良処理層を備えていないからである。
工程B(密着性改良処理工程)では、フレキシブル銅張積層板の電解銅箔表面に、密着性改良処理を施すのである。このときの密着性改良処理に関する概念は、第1製造方法と同様であるため、重複した記載を避けるため、ここでの説明は省略する。
工程C(回路形成工程)では、第1製造方法の回路形成工程と同様に、当該フレキシブル銅張積層板の電解銅箔層の密着性改良処理を施した表面に、エッチングレジスト層を設け、エッチングパターンを露光し、現像し、エッチング加工し、エッチングレジスト剥離を行い、洗浄することで回路形成を行うのである。従って、重複した記載を避けるため、ここでの説明は省略する。
工程D(カバーレイコート工程)では、第1製造方法と同様に、回路形成面にカバーレイフィルムを張り合わせる。従って、重複した記載を避けるため、ここでの説明は省略する。以上のようにして、フレキシブルプリント配線板が得られるのである。
(第3製造方法)
この製造方法は、以下に示すA〜Dの各工程を経て製造されるものである。工程A(銅箔張り合わせ工程)では、電解銅箔とポリイミド樹脂フィルム基材とをラミネートして張り合わせるのである。このときに用いる電解銅箔は、密着性改良処理層を備えていないものである。この銅箔張り合わせ工程で、ポリイミド樹脂フィルム基材への銅箔の張り合わせ方法に関しては、特に限定はなく、従来から用いられている定法を用いることが出来る。また、この第2製造方法と同様に、ラミネート時に保護フィルムを必ずしも用いる必要はない。電解銅箔が密着性改良処理層を備えていないからである。
工程B(回路形成工程)は、フレキシブル銅張積層板の銅箔層にエッチングレジスト層を設け、エッチングパターンを露光し、現像し、エッチング加工し、エッチングレジスト剥離を行い、洗浄することで回路形成を行うのである。ここでも、エッチングレジストとして用いる液体レジスト、ドライフィルム等にも何ら特別な制限はなく、露光、現像、レジスト剥離の各工程に於いても定法を適用すれば足りるのである。第3製造方法の場合には、回路形成を、密着性改良処理前に行うのである。電解銅箔の表面に粗化処理等の凹凸を持つ密着性改良処理層が存在しないため、ファインピッチ回路の形成に有利な製造方法となる。
工程C(密着性改良処理工程)では、回路形成工程にて形成した回路の表面に、密着性改良処理を施すのである。このときの密着性改良処理に関する概念も、第1製造方法と同様であるため、重複した記載を避けるため、ここでの説明は省略する。
工程D(カバーレイコート工程)では、第1製造方法と同様に、密着性改良処理の終了した回路形成面にカバーレイフィルムを張り合わせる。従って、重複した記載を避けるため、ここでの説明は省略する。以上のようにして、フレキシブルプリント配線板が得られるのである。
この実施例では、上記第1製造方法を用いてフレキシブルプリント配線板を製造し、屈曲試験を行った。
工程A(銅箔張り合わせ工程)では、カバーレイフィルムとの接触界面に密着性改良処理層を備えた電解銅箔を用いた。この電解銅箔は、一面側がポリイミド樹脂フィルム基材との張り合わせ面であり、他面側に極微細銅粒で粗化処理し、カップリング剤処理して形成した密着性改良処理層を備えたものであり、公称厚さ18μm、180℃の加熱雰囲気中の熱間伸び率が25%のHTEタイプの銅箔を用いた。そして、ポリイミド樹脂フィルム基材として東レ・デュポン株式会社製の25μm厚のカプトンENを用い、その表面に市販のポリイミド樹脂系接着剤を5μm厚さ塗布して、そこに加熱ロールを用いて前記電解銅箔を張り合わせ、160℃×60分間のキュアリング処理を行い、所謂3層のフレキシブル銅張積層板とした。このラミネート時には、密着性改良処理層を汚染及び損傷から防御するため、密着性改良処理層の上に保護フィルムとして、東レ株式会社のルミラーフィルムを配してラミネートを行った。
ここで、電解銅箔の表面に設けた密着性改良処理層は、極微細銅粒を銅箔表面に付着形成し、更にカップリング剤処理を行って形成した。このときの極微細銅粒の形成は、9−フェニルアクリジンを添加した極微細銅粒を形成するための銅電解液として、銅濃度8g/l、フリー硫酸濃度110g/l、9−フェニルアクリジン濃度80mg/lのものを用い、液温35℃、電流密度30A/dmの条件を採用して電解するものとした。そして、シランカップリング剤処理は、イオン交換水に5g/lの濃度となるようγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを加えた溶液中に浸漬して吸着処理した。そして、電熱器で180℃雰囲気に調整した炉内で4秒かけて、水分をとばし、シランカップリング剤の縮合反応を行いシランカップリング剤を定着させた。
工程B(回路形成工程)では、前記フレキシブル銅張積層板の電解銅箔層の密着性改良処理層の表面に、エッチングレジスト層を設け、屈曲試験を実施するためのエッチングパターンを露光し、現像し、エッチング加工し、エッチングレジスト剥離を行い、洗浄することで回路形成を行った。ここでは、定法に基づいて、エッチングレジストとして市販の液体レジストを用い、UV照射露光を行い、現像し、アルカリ溶液を用いてレジスト剥離を行った。
工程C(カバーレイコート工程)では、回路形成工程が終了し、回路形成面にカバーレイフィルムを張り合わせた。このときのカバーレイフィルム(カバーレイ接着剤層付)は、有沢製作所製のCV K0525KA(ベースフィルム厚さ12.5μm、接着剤層厚さ25.5μm)を用いた。以上のようにして、フレキシブルプリント配線板を得たのである。そして、このフレキシブルプリント配線板を用いた屈曲試験の結果を他の実施例及び比較例と共に表1に示す。
この実施例では、上記第2製造方法を用いてフレキシブルプリント配線板を製造し、屈曲試験を行った。
工程A(銅箔張り合わせ工程)では、電解銅箔とポリイミド樹脂フィルム基材とをラミネートして張り合わせフレキシブル銅張積層板を得た。このときの電解銅箔及びポリイミド樹脂フィルム基材とは、実施例1で用いたものと同様であり、ラミネート方法に関しても、保護フィルムを用いなかった点が異なるのみで、その他の点は同様であるため、ここでの重複した説明は省略する。
工程B(密着性改良処理工程)では、前記フレキシブル銅張積層板の電解銅箔表面に、密着性改良処理層を形成した。このときの密着性改良処理層は、実施例1と同様に極微細銅粒を銅箔表面に付着形成し、更にカップリング剤処理を行って形成したものであり、その形成条件も実施例1と同様である。従って、ここでの重複した説明は省略する。
工程C(回路形成工程)では、当該フレキシブル銅張積層板の電解銅箔層の密着性改良処理を施した表面に、エッチングレジスト層を設け、エッチングパターンをUV照射露光し、現像し、エッチング加工し、エッチングレジスト剥離を行い、洗浄することで回路形成を行った。ここでも、定法に基づいて、エッチングレジストとして市販の液体レジストを用い、UV照射露光を行い、現像し、アルカリ溶液を用いてレジスト剥離を行った。
工程D(カバーレイコート工程)では、実施例1と同様に、回路形成面にカバーレイフィルムを張り合わせた。以上のようにして、フレキシブルプリント配線板を得たのである。そして、このフレキシブルプリント配線板を用いた屈曲試験の結果を他の実施例及び比較例と共に表1に示す。
この実施例では、上記第3製造方法を用いてフレキシブルプリント配線板を製造し、屈曲試験を行った。
工程A(銅箔張り合わせ工程)では、電解銅箔とポリイミド樹脂フィルム基材とをラミネートして張り合わせフレキシブル銅張積層板を得た。このときの電解銅箔及びポリイミド樹脂フィルム基材とは、実施例1で用いたものと同様であり、ラミネート方法に関しても、保護フィルムを用いなかった点が異なるのみで、その他の点は同様であるため、ここでの重複した説明は省略する。
工程B(回路形成工程)では、フレキシブル銅張積層板の銅箔層にエッチングレジスト層を設け、エッチングパターンを露光し、現像し、エッチング加工し、エッチングレジスト剥離を行い、洗浄することで回路形成を行った。ここでも、定法に基づいて、エッチングレジストとして市販の液体レジストを用い、UV照射露光を行い、現像し、アルカリ溶液を用いてレジスト剥離を行った。
工程C(密着性改良処理工程)では、回路形成工程にて形成した回路の表面に、密着性改良処理を施した。このときの密着性改良処理層も、実施例1と同様に極微細銅粒を銅箔表面に付着形成し、更にカップリング剤処理を行って形成したものであり、その形成条件も実施例1と同様である。従って、ここでの重複した説明は省略する。
工程D(カバーレイコート工程)では、第1製造方法と同様に、密着性改良処理の終了した回路形成面にカバーレイフィルムを張り合わせた。以上のようにして、フレキシブルプリント配線板を得たのである。そして、このフレキシブルプリント配線板を用いた屈曲試験の結果を他の実施例及び比較例と共に表1に示す。
比較例
(比較例1)
この比較例では、上記実施例2の電解銅箔に代え、公称厚さ18μmのタフピッチ銅を用いた圧延銅箔を用い、更に密着性改良処理を省略して、一般的に市場に流通しているフレキシブルプリント配線板を製造した。
即ち、銅箔張り合わせ工程では、前記圧延銅箔とポリイミド樹脂フィルム基材とをラミネートして張り合わせフレキシブル銅張積層板を得た。このときのポリイミド樹脂フィルム基材は、実施例1で用いたものと同様であり、ラミネート方法に関しても、保護フィルムを用いなかった点が異なるのみで、その他の点は同様であるため、ここでの重複した説明は省略する。
回路形成工程では、当該フレキシブル銅張積層板の圧延銅箔表面に、エッチングレジスト層を設け、エッチングパターンをUV照射露光し、現像し、エッチング加工し、エッチングレジスト剥離を行い、洗浄することで回路形成を行った。ここでも、定法に基づいて、エッチングレジストとして市販の液体レジストを用い、UV照射露光を行い、現像し、アルカリ溶液を用いてレジスト剥離を行った。
そして、カバーレイコート工程では、実施例1と同様に、回路形成面にカバーレイフィルムを張り合わせた。以上のようにして、フレキシブルプリント配線板を得たのである。そして、このフレキシブルプリント配線板を用いた屈曲試験の結果を他の実施例及び比較例と共に表1に示す。
(比較例2)
この比較例では、実施例1の密着性改良処理を省略して、電解銅箔を用いたフレキシブルプリント配線板を製造した。従って、工程の全てが、実施例1に含まれ、重複した説明を避けるため、省略することとする。以上のようにして、フレキシブルプリント配線板を得たのである。そして、このフレキシブルプリント配線板を用いた屈曲試験の結果を他の実施例及び比較例と共に表1に示す。
<実施例と比較例との対比>
表1から明らかなように、上記各実施例と比較例1との対比から明らかなように、本件発明に係るフレキシブルプリント配線板の屈曲性能は、圧延銅箔を用いたフレキシブルプリント配線板の屈曲性能と比べ、2倍以上の屈曲性能を示す結果となっている。これに対し、比較例2で示した密着性改良処理層を設けていない電解銅箔を用いて製造したフレキシブルプリント配線板の場合には、比較例1の圧延銅箔を用いた場合と同等の屈曲性能に止まっている。
本件発明に係るフレキシブルプリント配線板は、その構成材料に電解銅箔を用いているにも拘わらず、圧延銅箔を用いたフレキシブルプリント配線板を超える屈曲性能を示すものである。従って、フレキシブルプリント配線板の構成材料として、高コストの圧延銅箔に代えて、より安価な電解銅箔の広範囲での使用を可能とするのである。従って、高品質のフレキシブルプリント配線板を、より安価な価格での市場供給が可能となるのである。
屈曲試験用の試料イメージを表す模式図。 第1屈曲試験で用いるMIT試験装置の概念図。 第2屈曲試験で用いるIPC試験方法の概念図。 屈曲試験後のフレキシブルプリント配線板の銅箔層に生じたクラックを観察した光学顕微鏡観察写真。 屈曲試験後のフレキシブルプリント配線板の銅箔層に生じたクラックを観察した光学顕微鏡観察写真。 フレキシブルプリント配線板の中立線と銅箔の中心線との関係を説明するための模式図。 中立線からの距離に応じた歪みの発生状態を示す断面模式図。 屈曲試験後のフレキシブルプリント配線板の銅箔層に生じたクラックを観察した光学顕微鏡観察写真。
符号の説明
1 フレキシブルプリント配線板
2 カバーレイフィルム
3 カバーレイ接着剤層
4 回路(銅箔)
5 基材接着剤
6 ポリイミド樹脂フィルム基材
A 中立線
B 中心線

Claims (9)

  1. ポリイミド樹脂フィルム基材と張り合わせた電解銅箔をエッチングすることにより形成した回路を備え、当該回路の存在する表面をカバーレイフィルムで被覆したフレキシブルプリント配線板において、
    カバーレイフィルムと接触する前記回路表面に密着性改良処理層を備えることを特徴としたフレキシブルプリント配線板。
  2. 前記密着性改良処理層は、電解銅箔表面を粗化処理して形成したものである請求項1に記載のフレキシブルプリント配線板。
  3. 前記密着性改良処理は、電解銅箔表面を酸化処理して形成したものである請求項1又は請求項2に記載のフレキシブルプリント配線板。
  4. 前記密着性改良処理は、密着性を改善するための改質金属層である請求項1〜請求項3のいずれかに記載のフレキシブルプリント配線板。
  5. 前記密着性改良処理は、電解銅箔表面をカップリング剤処理して形成したものである請求項1〜請求項4のいずれかに記載のフレキシブルプリント配線板。
  6. フレキシブルプリント配線板の断面の中立線と電解銅箔の厚さ中心線とのズレが、フレキシブルプリント配線板のトータル厚さの5%以内であることを特徴としたフレキシブルプリント配線板。
  7. 請求項1〜請求項6に記載のいずれかのフレキシブルプリント配線板の製造方法であって、以下に示すA〜Cの各工程を備えることを特徴とするフレキシブルプリント配線板の製造方法。
    A:カバーレイフィルムとの接触界面に密着性改良処理層を備えた電解銅箔を用い、この電解銅箔とポリイミド樹脂フィルム基材とをラミネートして張り合わせる際に、密着性改良処理層を汚染及び損傷から防御するため、保護フィルムを配してラミネートし、フレキシブル銅張積層板とする銅箔張り合わせ工程。
    B:フレキシブル銅張積層板の電解銅箔層の密着性改良処理を施した表面に、エッチングレジスト層を設け、エッチングパターンを露光し、現像し、エッチング加工し、エッチングレジスト剥離を行い、洗浄することで回路形成を行う回路形成工程。
    C:回路形成面にカバーレイフィルムを張り合わせるカバーレイコート工程。
  8. 請求項1〜請求項6に記載のいずれかのフレキシブルプリント配線板の製造方法であって、以下に示すA〜Dの各工程を備えることを特徴とするフレキシブルプリント配線板の製造方法。
    A:電解銅箔とポリイミド樹脂フィルム基材とをラミネートして張り合わせ、フレキシブル銅張積層板とする銅箔張り合わせ工程。
    B:フレキシブル銅張積層板の電解銅箔表面に、密着性改良処理を施す密着性改良処理工程。
    C:フレキシブル銅張積層板の電解銅箔層の密着性改良処理を施した表面に、エッチングレジスト層を設け、エッチングパターンを露光し、現像し、エッチング加工し、エッチングレジスト剥離を行い、洗浄することで回路形成を行う回路形成工程。
    D:回路形成面にカバーレイフィルムを張り合わせるカバーレイコート工程。
  9. 請求項1〜請求項6に記載のいずれかのフレキシブルプリント配線板の製造方法であって、以下に示すA〜Dの各工程を備えることを特徴とするフレキシブルプリント配線板の製造方法。
    A:電解銅箔とポリイミド樹脂フィルム基材とをラミネートして張り合わせ、フレキシブル銅張積層板とする銅箔張り合わせ工程。
    B:フレキシブル銅張積層板の銅箔層にエッチングレジスト層を設け、エッチングパターンを露光し、現像し、エッチング加工し、エッチングレジスト剥離を行い、洗浄することで回路形成を行う回路形成工程。
    C:前記回路の表面に、密着性改良処理を施す密着性改良処理工程。
    D:密着性改良処理の終了した回路形成面にカバーレイフィルムを張り合わせるカバーレイコート工程。
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