JP2009176770A - 銅配線絶縁フィルムの製造法、及びこれらから製造された銅配線絶縁フィルム - Google Patents
銅配線絶縁フィルムの製造法、及びこれらから製造された銅配線絶縁フィルム Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】 本発明は、絶縁フィルムの片面或いは両面に銅箔を積層した銅箔積層絶縁フィルムを用いて、セミアディティブ法により銅配線絶縁フィルムを製造する方法であり、銅箔積層絶縁フィルムは、下記特徴(a)及び(b)の銅箔と絶縁フィルムとを積層して得られるものを用いることを特徴とする銅配線絶縁フィルムの製造方法である。
【選択図】 なし
Description
芳香族ポリイミドフィルムをフレキシブルプリント回路基板(FPC)やテ−プ・オ−トメイティッド・ボンディング(TAB)などの基板材料として使用するためには、エポキシ樹脂などの接着剤を用いて銅箔を張り合わせる方法が採用されている。
特許文献1には、厚みが1〜8μmの銅箔、熱可塑性ポリイミド樹脂を主成分とする接着層、および耐熱性フィルムを備えた、銅張積層体が開示されている。
特許文献2には、合成樹脂フィルムの片面または両面に金属層を設けてなる金属積層体において、前記金属層が5ミクロン以下の金属箔である積層体が開示されている。
特許文献3には、非熱可塑性ポリイミドフィルムの少なくとも片面に熱可塑性ポリイミドフィルムが形成され該熱可塑性樹脂層の表面に銅箔が積層された積層板であって,該銅箔の厚さが5μm以下であることを特徴とする金属積層板が開示されている。
特許文献4には、耐熱性キャリア付き極薄銅箔と熱圧着性の芳香族ポリイミドフィルムおよび高耐熱性の芳香族ポリイミド層からなる熱圧着性多層ポリイミドフィルムとが加圧下に熱圧着−冷却して積層されてなり、銅箔と熱圧着性多層ポリイミドフィルムとの接着強度が0.7N/mm以上で、キャリアと銅箔との剥離強度が0.2N/mm以下である銅張積層板が開示されている。
絶縁フィルムの片面或いは両面に銅箔を積層した銅箔積層絶縁フィルムを用いて、セミアディティブ法により銅配線絶縁フィルムを製造する方法であり、
銅箔積層絶縁フィルムは、下記特徴(a)及び(b)の銅箔と絶縁フィルムとを積層して得られるものを用いることを特徴とする銅配線絶縁フィルムの製造方法である。
好ましくは本発明は、
銅箔積層絶縁フィルムを用いて、セミアディティブ法により10〜45μmピッチの銅配線部分を含む銅配線絶縁フィルムの製造法であり、
1)絶縁フィルムの片面或いは両面に、下記特徴の銅箔を積層した銅箔積層絶縁フィルムを用い、
2)銅箔の上面にメッキレジスト層を設け、
3)10〜45μmピッチの銅配線部分を形成可能な配線パターンのフォトマスクを介して露光し、
4)メッキレジスト層の配線パターンとなる部位を(現像)除去し、
5)露出する銅箔の配線パターンとなる部分に銅メッキを行い、
6)銅箔上の配線パターン部位以外のメッキレジスト層を(剥離により)除去し、
7)メッキレジスト層を除去した配線パターン部位以外の銅箔を除去して、絶縁フィルムを露出させる、
ことを特徴とする銅配線絶縁フィルムの製造法である。
・銅箔の特徴
(a)厚みが0.5〜5μm、
(b)絶縁フィルムと積層する側の銅箔表面には、高さ0.5μm未満の微小突起が多数存在し、かつ高さ0.5μm以上の微小突起が存在する場合には高さ0.5μm以上の微小突起の数が0.1個/cm2以下であること。
1・銅箔の特徴は、
(a)厚みが0.5〜5μm、
(b)絶縁フィルムと積層する側の銅箔表面には、高さ0.5μm未満の微小突起が多数存在し、かつ高さ0.5μm以上の微小突起が存在しないこと。
2)銅箔は微小突起の径が0を超えて1mm以下であること。
3)銅配線絶縁フィルムは、10〜45μmピッチの銅配線部分を有すること、このましくは銅配線絶縁フィルムは、15〜35μmピッチの銅配線部分を有すること。
4)銅配線絶縁フィルムは、キャリア付き銅配線絶縁フィルムであること。
本発明により製造された銅配線絶縁フィルムは、フレキシブルプリント回路基板(FPC)やテ−プ・オ−トメイティッド・ボンディング(TAB)、チップ・オン・フィルム(COF)などの配線基板として利用することができる。
図1には、キャリア付き銅箔積層絶縁フィルムを用いて、セミアディティブ法により銅配線絶縁フィルムを製造する方法の一例を、工程(a)から工程(h)の順序で示す。本発明では公知のセミアディティブ法を用いることができる。
図1(a)には、本発明の銅配線絶縁フィルムの製造に用いるキャリア付き銅箔積層絶縁フィルム1を示し、絶縁フィルム2とキャリア付き銅箔3とが積層している。キャリア付き銅箔3は、銅箔4とキャリア5とが積層している。
図1(b)では、キャリア付き銅箔積層絶縁フィルム1よりキャリア箔5を剥がし、銅箔と絶縁フィルムとが直接積層している銅箔積層絶縁フィルムが得られる。
図1(c)では、必要に応じて銅箔積層絶縁フィルムの銅箔を薄くするためにエッチングを行ない(ハーフエッチング)、
図1(d)では、銅箔積層絶縁フィルムの銅箔の上部にフォトレジスト層17を設け、
図1(e)では、配線パターンのマスクを用いて、フォトレジスト層を露光し、配線パターンとなる部位を現像除去し、配線パターンとなる銅箔が現れ、
図1(f)では、フォトレジスト層17を除去して現れる配線パターンとなる銅箔の上部に銅メッキ層10を設け、
図1(g)では、銅箔上の配線パターンとならない部位のフォトレジスト層17を除去し、
図1(h)では、配線パターンとならない部位の銅箔をフラッシュエッチングにより除去し、銅配線絶縁フィルムを製造することができる。
さらに図1(i)では、銅配線絶縁フィルムの銅配線の少なくとも一部に錫メッキなどの金属メッキ層9を設けることにより、金属メッキされた銅配線絶縁フィルムを製造することができる。
銅箔の厚いや薄いは、使用する目的に応じて適宜判断すればよく、好ましくはエッチングによりエッチング後の銅箔の厚みが少なくとも0.5μm以上となるように行うことが好ましい。
フォトレジストは、代表的にはネガ型のドライフィルムタイプのレジストを熱ラミネートにより、あるいはポジ型の液状タイプのレジストを塗工乾燥して銅箔上に形成する方法が挙げられる。ネガ型の場合は露光部以外が現像で除去され、一方ポジ型の場合は露光部が現像で除去される。ドライフィルムタイプのレジストは容易に厚い厚みのものが得られる。ネガ型ドライフィルムタイプのフォトレジストとして例えば旭化成製SPG−152、日立化成製RY−3215などがあげられる。
フラッシュエッチング液としては、公知のものを用いることができ、例えば硫酸に過酸化水素を混合したものや、あるいは希薄な塩化第2鉄の水溶液を主成分とするものがあげられ、例えば荏原電産製FE−830、旭電化工業製AD−305Eなどがあげられる。ここで薄銅箔を除去する際、回路部(配線)の銅も溶解するが薄銅箔を除去するのに必要なエッチング量は少量であるため実質的に問題ない。
図2(a)には、本発明の銅配線絶縁フィルムの製造に用いる両面にキャリア付き銅箔を積層した絶縁フィルム100を示し、キャリア付き銅箔3と絶縁フィルム2とキャリア付き銅箔3’との順で積層している。キャリア付き銅箔3は、銅箔4とキャリア5とが積層している。キャリア付き銅箔3’は、銅箔4’とキャリア5’とが積層している。
図2(b)では、両面キャリア付き銅箔積層絶縁フィルム100よりキャリア箔5及びキャリア箔5’を剥がし、銅箔4と絶縁フィルムと銅箔4’とが直接積層している両面銅箔積層絶縁フィルムが得られる。
図2(c)では、両面銅箔積層絶縁フィルムの銅箔(4,4’)を薄くするためにエッチングを行ない(ハーフエッチング)、その後両面銅箔積層絶縁フィルムの両面の電解銅箔および絶縁層の一部にレーザーなどを用いて、貫通孔31を形成する。貫通孔は複数設けることができる。孔形成加工とハーフエッチングとは順序が逆になっても良い。
図2(d)では、銅箔積層絶縁フィルムの貫通孔31の絶縁表面に導電化皮膜を形成し、銅箔4と銅箔4’を導通させる。
図2(e)では、銅箔積層絶縁フィルムの銅箔(4,4’)の上部にフォトレジスト層(17、17’)を設け、
図2(f)では、配線パターンのマスクを用いて、フォトレジスト層を露光し、配線パターンとなる部位を現像除去し、配線パターンとなる複数の銅箔部分(32、32’)が現れ、
図2(g)では、フォトレジスト層(17、17’)を除去して現れる銅箔部分(32、32’)の上部に銅メッキ層(10、10’)を設け、
図2(h)では、銅箔上の配線パターンとならない部位のフォトレジスト層を除去し、
図2(i)では、配線パターンとならない部位の銅箔などの銅をフラッシュエッチングにより除去し、両面銅配線絶縁フィルム101を製造することができる。
図2(i)で、両面銅配線絶縁フィルム101のフラッシュエッチングで銅を除去している部分を記号8、8’で示す。
両面銅配線絶縁フィルム101の貫通孔の上部に形成されている両面の銅配線は導通している。
さらに図2(j)では、両面銅配線絶縁フィルム101の銅配線の少なくとも一部に錫メッキなどの金属メッキ層(9、9’)を設けることにより、金属メッキされた両面銅配線絶縁フィルム102を製造することができる。
図3(a)には、本発明の銅配線絶縁フィルムの製造に用いる両面にキャリア付き銅箔を積層した絶縁フィルム100を示し、キャリア付き銅箔3と絶縁フィルム2とキャリア付き銅箔3’との順で積層している。キャリア付き銅箔3は、銅箔4とキャリア5とが積層している。キャリア付き銅箔3’は、銅箔4’とキャリア5’とが積層している。
図3(b)では、両面キャリア付き銅箔積層絶縁フィルム100より片面のキャリア箔5のみを剥がし、銅箔4と絶縁フィルムと銅箔4’とキャリア5’が直接積層している両面銅箔積層絶縁フィルムが得られる。
図3(c)では、両面銅箔積層絶縁フィルムの両面の電解銅箔および絶縁層の一部にレーザーなどを用いて、貫通孔31を形成する加工を行なう。この場合、キャリア5’にも貫通孔を形成してもよい。さらに銅箔4’とキャリア5’を残し、ブラインドビアを形成してもよい。貫通孔またはブラインドビアは複数設けることができる。
図3(b)又は図3(c)のキャリア5’はフィルムの支持体として、又は貫通孔加工時の保護材として、有効に利用することができる。
図3(d)では、その後キャリア5’を剥がし、さらに必要に応じて両面銅箔積層絶縁フィルムの銅箔(4,4’)を薄くするためにエッチングを行なう(ハーフエッチング)。
図3(d)で得られる両面銅箔積層絶縁フィルムは、以後図2の工程(d)以降の処理を行なうことができる。
キャリア付銅箔を用いる場合には片面又は両面のキャリア箔を引き剥がす前若しくは剥がした後に、例えばUV−YAGレーザーで片面又は両面の銅箔と、絶縁フィルムの一部とを同時に除去して、貫通孔又はブラインドビア孔を形成する。或いは、絶縁フィルムに穴をあける部位の銅箔を予めエッチング等で除去した上で炭酸ガスレーザーを照射して絶縁フィルムを除去しブラインドビアを形成したり、あるいはパンチまたはドリルにより両面を貫通する孔を形成してもよい。必要に応じて、孔形成前または後に銅張積層板を公知のハーフエッチング液に浸漬、あるいはスプレー装置で噴霧する方法などにより薄銅箔を更に薄くする。ハーフエッチング液としては、例えば硫酸に過酸化水素を混合したものや、あるいは過硫酸ソーダの水溶液を主成分とするものがあげられ、例えば荏原ユージライト製DP−200や旭電化工業製アデカテックCAPなどがあげられる。
パターンめっき法による配線部の形成と孔を導通するビア形成を電解めっきで同時に行なう工程は、貫通孔またはブラインドビア内のデスミアを行ない、例えばパラジウム−スズ皮膜をパラジウム−スズコロイド触媒を用いて形成するいわゆるDPS(Direct Plating System)法にて貫通孔またはブラインドビア内に導電皮膜を形成し、
両面の銅箔上にフォトタイプのドライフィルムメッキレジストを塗布又はラミネートした後、配線パターンのフォトマスクを介して露光した後に、1%炭酸ソーダ水溶液などをスプレー現像して配線パターンとなる部位と孔を導通させる部位のメッキレジスト層を除去し、薄銅箔の露出部を酸等で洗浄したのち、
代表的には硫酸銅を主成分とする溶液中で薄銅箔をカソード電極として0.1〜10A/dm2の電流密度で電解銅めっきを行なって、孔内及び両面の回路部に銅層を形成する。ここで、DPS工程として例えば荏原ユージライトのライザトロンDPSシステムがあげられる。ここでは、モノエタノールアミンを主剤とする水溶液で表面をトリートメントしてパラジウム−スズコロイド触媒の吸着しやすい状態を形成する、つづいてソフトエッチング液で薄銅箔のトリートメントされた吸着しやすい表面を除去し、銅箔表面にパラジウム−スズ皮膜が形成する事を抑制し、銅箔表面と電解めっきの密着強度を確保する。塩化ナトリウム、塩酸等にプレディップする。これらの工程の後、パラジウム−スズコロイドの液に浸漬するアクチベ−ティング工程でPd−Sn被膜を形成させ、最後に炭酸ソ−ダ、炭酸カリおよび銅イオンを含むアルカリアクセラレ−タ−浴および硫酸を含む酸性アクセラレ−タ−浴で活性化する際に、活性化に用いるアルカリ性アクセラレ−タ−浴に還元剤を添加すれば良い。添加することのできる還元剤の例としては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド等のアルデヒド類、カテコ−ル、レゾルシン、アスコルビン酸等が挙げられる。還元剤を添加するアルカリ性アクセラレーター浴としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムおよび銅イオンを含むものが好ましい。前記の方法により、Pd−Snからなる抵抗値の低い被膜を得ることができる。前記のドライフィルムとしては、ネガ型タイプのレジストやポジ型タイプのレジストが挙げられ、例えばネガ型メッキレジストとして旭化成製SPG−152、日立化成製RY−3215などがあげられる。電解銅メッキとしては、例えば硫酸銅が180〜240g/l、硫酸45〜60g/l、塩素イオン20〜80g/l、添加剤としてチオ尿素、デキストリン又はチオ尿素と糖蜜とを添加して行なう方法がある。次に、2%苛性ソーダ水溶液などをスプレーしてメッキレジスト層を剥離除去した後、フラッシュエッチング液に浸漬またはスプレーにより露出した配線パターン部位以外の薄膜銅を除去する。フラッシュエッチング液としては、例えば硫酸に過酸化水素を混合したものや、あるいは希薄な塩化第2鉄の水溶液を主成分とするものがあげられ、例えば荏原電産製FE−830、旭電化工業製AD−305Eなどがあげられる。ここで薄銅箔を除去する際、回路部の銅も溶解するが薄銅箔を除去するのに必要なエッチング量は少量であるため実質的に問題ない、回路基板が得られる。
ロ−ル巻状両面に銅箔を積層した絶縁フィルムより、10.5cm×25cm角の試料を切り出し、キャリア付銅箔の場合には両面のキャリア箔を剥がす。UV−YAGレーザー[エレクトロ・サイエンティフィック・インダストリーズ社製(ESI社)、モデル5320、波長355μm]にて、両面の電解銅箔および絶縁層にレーザー加工し、スルーホールVIAを形成するための貫通孔を形成する。銅箔をハーフエッチ液として荏原ユージライト製DP−200を用いて25℃・2分間浸漬し、銅箔厚みを1μmにし、孔内のレーザースミア等を荏原ユージライト社のライザトロンDS(デスミア)プロセスによって除去後、同じく荏原ユージライト社のライザトロンDPSプロセスにより導電化皮膜を形成する。DPS処理した銅箔上にドライフィルムタイプのネガ型フォトレジスト(旭化成製SPG−152)を110℃の熱ロールでラミネート後、回路形成部位(配線パターン)とスルーホールとなる部位以外を露光し、1%炭酸ソーダ水溶液で30℃・20秒間スプレー現像して未露光部のレジストを除去する。薄銅箔の露出部と導電化皮膜を形成した貫通孔内を脱脂・酸洗後、硫酸銅めっき浴中で薄銅箔をカソード電極として2A/dm2の電流密度で25℃、30分間電解銅めっきを行ない、導電化皮膜を形成した貫通孔内部と銅メッキ10μm厚みのパターンメッキを行う。続いて、2%苛性ソーダ水溶液を42℃で15秒間スプレー処理して、レジスト層を剥離した後、フラッシュエッチング液(旭電化工業製AD−305E)で30℃・30秒間スプレー処理し不要な部位の薄膜銅を除去すると30μmピッチの両面に銅配線を有する絶縁フィルムを得ることができる。
銅配線絶縁フィルムは、さらに銅配線の少なくとも一部に錫メッキなどの金属メッキすることができる。
・銅箔の特徴
(a)厚みが0.5〜5μm、好ましくは0.6〜4.5μm、より好ましくは0.7〜4μm、さらに好ましくは0.8〜3.5μm、特に好ましくは0.9〜3μmの極薄銅箔である。
(b)絶縁フィルムと積層する側の銅箔表面には、高さ0.5μm未満の微小突起が多数存在し、かつ高さ0.5μm以上の微小突起が存在する場合には高さ0.5μm以上の微小突起の数が0.1個/cm2以下、好ましくは0.05個/cm2以下である、或いは高さ0.5μm以上の微小突起が存在しないこと、
好ましくは絶縁フィルムと積層する側の銅箔表面には、高さ0.4μm未満の微小突起が多数存在し、かつ高さ0.4μm以上の微小突起が存在する場合には高さ0.4μm以上の微小突起の数が0.1個/cm2以下、好ましくは0.05個/cm2以下である、或いは高さ0.4μm以上の微小突起が存在しないこと、
好ましくは絶縁フィルムと積層する側の銅箔表面には、高さ0.3μm未満の微小突起が多数存在し、かつ高さ0.3μm以上の微小突起が存在する場合には高さ0.3μm以上の微小突起の数が0.1個/cm2以下、好ましくは0.05個/cm2以下である、或いは高さ0.3μm以上の微小突起が存在しないこと、
により、10〜45μmピッチの微小間隔を有する配線を形成することが出来好ましい。
銅箔は、絶縁フィルムと積層する側の銅箔表面には、絶縁フィルムとの接着性を向上させる目的で微小な突起を多数有しているが、微小突起は、少なくともそれが存在することにより、存在しない場合と比べてエッチング時間を長くする必要がある。高さの高い微小突起が存在すると、その微小突起を除去する目的でエッチング時間を長くする必要があり、その結果、配線の細りや配線ボトムの潜り込みの問題が発生する。配線の細りや配線のボトムの潜り込みの程度は、基材やエッチング薬液にも依存するが、問題が発生することには変わり無く、微小突起の高さ0.5μm以上のものは少ないか、或いは存在しないことがよい。
銅箔は、上記に示す突起の高さ以下では、微小突起の数が多くても配線間の短絡の可能性が低く、上記に示すように0.5μm以上の微小突起が0.1個/cm2を超えると、配線間の短絡の可能性が高くなるため好ましくない。
微小突起は、極小ピッチな配線部位に存在するとき特に問題となり、微小突起の数が多いほど、配線間の短絡の可能性が高くなる。製品サイズが小さいほど歩留まりが向上するため、本発明はより有効となる。また製品が有する極小ピッチの割合が小さいほど歩留まりが向上するため、本発明はより有効となる。
また微小突起がエッチングにより除去された絶縁基材の表面には、微小突起の形状と同等の凹みが絶縁基材層上に残る。平坦な部位に比べて凹みの内部は、最後にエッチングされるため、エッチング後の微小な残渣が平坦な部位よりも残りやすい。従って、凹みが配線間を跨いで存在した場合、凹みが無い部位に比べて、配線間の短絡の可能性が高くなるために、銅箔は微小突起の径が好ましくは0を超えて1mm以下、より好ましくは0.00001〜0.01mmの範囲、さらに好ましくは0.0005〜0.005mmの範囲、特に好ましくは0.0001〜0.003mmの範囲であることが、配線間の短絡の可能性が低くなるため好ましい。
さらに本発明は上記のキャリア付き銅箔3と絶縁、好ましくは高耐熱性の芳香族絶縁層の片面或いは両面に熱圧着性の絶縁フィルムが積層一体化して得られた多層の絶縁との積層物では、150℃×168時間後でも優れた接着強度を有している配線基板を得ることができる。
キャリア箔付電解銅箔では、キャリア箔の表面上に電解銅箔となる銅成分を電析させるので、キャリア箔には少なくとも導電性を有することが必要となる。
キャリア箔は、連続した製造工程を流れ、少なくとも銅箔積層絶縁フィルムの製造終了時までは、銅箔層と接合した状態を維持し、ハンドリングを容易にしているものを用いることができる。
キャリア箔は、キャリア箔付き銅箔を絶縁フィルムに積層後、キャリア箔を引き剥がして除去するもの、キャリア箔付き銅箔を絶縁フィルムに積層後、キャリア箔をエッチング法にて除去するものなどを用いることができる。
キャリア付き銅箔において、金属或いはセラミックスの接合剤によってキャリアと銅箔とが接合されたものは、耐熱性に優れ好適に用いることができる。
絶縁フィルムとしては、線膨張係数(50〜200℃)が絶縁フィルムに積層する銅箔の線膨張係数に近いことが好ましく、絶縁フィルムの線膨張係数(50〜200℃)は0.5×10−5〜2.8×10−5cm/cm/℃であることが好ましい。
絶縁フィルムとしては、熱収縮率が0.05%以下のものをもちいることが、熱変形が小さく好ましい。
絶縁フィルムとしては、単層、2層以上を積層した複層のフィルム、シートの形状として用いることができる。
また銅箔積層絶縁フィルムは、耐熱性絶縁層(b)と銅箔とを、熱圧着性絶縁層(a)を介して加圧又は加圧加熱することにより積層したものを用いることができる。
本発明の片面或いは両面の銅配線絶縁フィルム、及びこれらの銅配線の一部又は全部が金属メッキされた片面或いは両面の銅配線絶縁フィルムは、銅配線或いはめっきされた銅配線の一部に、ICチップなどのチップ部材や他の金属配線を、直接、ACFなどの熱硬化や熱軟化の接着性樹脂層、又は金、錫などの金属或いは合金により1つ以上を接続することが出来る。
1)絶縁フィルムのガラス転移温度(Tg):動的粘弾性法により、tanδのピーク値から求めた(引張り法、周波数6.28rad/秒、昇温速度10℃/分)。
2)絶縁フィルムの線膨張係数(50〜200℃):TMA法により、20〜200℃平均線膨張係数を測定した(引張り法、昇温速度5℃/分)。
3)銅箔表面の観察:微小突起の径及び高さ、個数の測定法
2:絶縁フィルム、
3,3’:キャリア付き銅箔、
4,4’:銅箔、
5,5’:キャリア、
8,8’:銅箔が除去されて現れる絶縁フィルム表面、
9,9’:金属メッキ、
10,10’:銅メッキ、
17,17’:フォトレジスト層、
21“:導電化皮膜、
100:両面キャリア付き銅箔積層絶縁フィルム、
101:両面銅配線絶縁フィルム、
102:両面に金属メッキされた両面銅配線絶縁フィルム。
Claims (7)
- 絶縁フィルムの片面或いは両面に銅箔を積層した銅箔積層絶縁フィルムを用いて、セミアディティブ法により銅配線絶縁フィルムを製造する方法であり、
銅箔積層絶縁フィルムは、下記特徴(a)及び(b)の銅箔と絶縁フィルムとを積層して得られるものを用いることを特徴とする銅配線絶縁フィルムの製造方法。
・銅箔の特徴
(a)厚みが0.5〜5μm、
(b)絶縁フィルムと積層する側の銅箔表面には、高さ0.5μm未満の微小突起が多数存在し、かつ高さ0.5μm以上の微小突起が存在する場合には高さ0.5μm以上の微小突起の数が0.1個/cm2以下である。 - 絶縁フィルムの片面或いは両面に銅箔を積層した銅箔積層絶縁フィルムを用いて、セミアディティブ法により銅配線絶縁フィルムを製造する方法であり、
銅箔積層絶縁フィルムは、下記特徴(a)及び(b)の銅箔と絶縁フィルムとを積層して得られるものを用いることを特徴とする銅配線絶縁フィルムの製造方法。
・銅箔の特徴
(a)厚みが0.5〜5μm、
(b)絶縁フィルムと積層する側の銅箔表面には、高さ0.5μm未満の微小突起が多数存在し、かつ高さ0.5μm以上の微小突起が存在しないこと。 - 銅箔は微小突起の径が0を超えて1mm以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の銅配線絶縁フィルムの製造方法。
- 銅配線絶縁フィルムは、10〜45μmピッチの銅配線部分を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の銅配線絶縁フィルムの製造方法。
- 銅配線絶縁フィルムは、15〜35μmピッチの銅配線部分を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の銅配線絶縁フィルムの製造方法。
- 銅配線絶縁フィルムを製造するための銅箔積層絶縁フィルムは、キャリア付き銅箔積層絶縁フィルムであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の銅配線絶縁フィルムの製造方法。
- 銅箔積層絶縁フィルムを用いて、セミアディティブ法により10〜45μmピッチの銅配線部分を含む銅配線絶縁フィルムの製造法であり、
1)絶縁フィルムの片面或いは両面に、特徴(a)及び(b)の銅箔を積層した銅箔積層絶縁フィルムを用い、
2)銅箔の上面にメッキレジスト層を設け、
3)10〜45μmピッチの銅配線部分を形成可能な配線パターンのフォトマスクを介して露光し、
4)メッキレジスト層の配線パターンとなる部位を(現像)除去し、
5)露出する銅箔の配線パターンとなる部分に銅メッキを行い、
6)銅箔上の配線パターン部位以外のメッキレジスト層を(剥離により)除去し、
7)メッキレジスト層を除去した配線パターン部位以外の銅箔を除去して、絶縁フィルムを露出させる、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の銅配線絶縁フィルムの製造法。
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JP2008010705A Pending JP2009176770A (ja) | 2008-01-21 | 2008-01-21 | 銅配線絶縁フィルムの製造法、及びこれらから製造された銅配線絶縁フィルム |
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2008
- 2008-01-21 JP JP2008010705A patent/JP2009176770A/ja active Pending
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