JP2005337197A - 小型エンジン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】クランク軸2を支持するクランクケース3と、クランクケース3の上方に取り付けられるシリンダ6と、シリンダ6の吸気フランジ9に接続されるインシュレータ11を介して設けられるキャブレタ12と、クランクケース3の下方に通風空間30を介して配される燃料タンク15とを備える小型エンジンにおいて、吸気フランジ9とインシュレータ11との間に介装されるガスケット31を、通風空間30のクランクケース3と燃料タンク15との間で、クランクケース3の外周をクランク軸2の軸心Cに対して少なくとも90度以上の角度範囲に渡って取り囲む構成とした。
【選択図】図1
Description
このような構成においては、エンジン本体で発生する熱がクランクケースから燃料タンクに伝わり、燃料タンク及びこの燃料タンク内に貯溜されている燃料の温度が上昇するという現象が生じる。このような燃料タンク及び燃料タンク内の燃料の温度上昇が高ずると、燃料が供給されるキャブレタの温度上昇を生じさせ、また、燃料気化によるエンジン回転の安定性不良や高負荷運転後の再始動不良などを誘発することとなる。
すなわち、特許文献1では、冷却ファンを有し、クランクケース及びシリンダブロックから構成されるエンジン本体の下部に燃料タンクを配する空冷エンジンにおいて、燃料タンクを支持するとともに燃料タンクの下面を覆う下部カバーを、エンジン本体に固着することによって設けている。そして、この下部カバーに開口される冷却風入口を冷却ファンの吸入部に連通させるための通風間隙を、エンジン本体と燃料タンクとの間に設けることにより、エンジン本体の下面及び燃料タンクの上面の効果的な冷却を図っている。
また、これに加え、燃料タンクをエンジン本体の下部一側に片寄せ配置する一方、前記下部カバーをエンジン本体の下部他側をも覆う構成としている。そして、この下部カバーとエンジン本体との間に冷却ファンの吸入部に連通する、前記通風間隙よりも通路面積が大きい冷却風上流通路を設けることにより、大量の冷却風を確保してエンジン本体周りの効果的な冷却を図っている。
しかし、前述したような携帯用作業機などに用いられる小型エンジンは、その携帯性を向上させるという観点から、エンジンの全高・全幅を抑え小型化を図りつつ、燃料タンクの充分な容量を確保するということが望まれる。このためには、エンジン本体と燃料タンクとを可能な限り近接した構成とする必要があり、前述のエンジン本体と燃料タンクとの距離を充分にとるという方法は不適当である。
また、このような観点からは、特許文献1に示されている技術は、エンジン本体と燃料タンクとの間に通風間隙を設け、さらに、燃料タンクを片寄せ配置するとともに前記通風間隙よりも通路面積が大きい冷却風上流通路を形成する構成であるため好ましいとはいえない。つまり、エンジン本体と燃料タンクとの間に通風間隙を設けることによってエンジン本体と燃料タンクとの間の遮熱効果を得るためには、ある程度以上の空間を確保する必要があり、また、燃料タンクを片寄せ配置して前記冷却風上流通路を形成する構成では、燃料タンクの充分な容量を確保することが難しいと考えられる。
しかし、このようにエンジン本体と燃料タンクとの遮熱を行うため別途部品を用いる構成とした場合、部品点数が増加し、製造コストや製造工程が増加してしまう。このことは、特許文献1においても、燃料タンクの下部を覆う下部カバーを設ける構成であることから同様である。
また、エンジン本体と燃料タンクとの間の遮熱を行うため、別途部品を用いる構成とすると、部品点数の増加などとなり好ましくない。
そこで、本発明においては、携帯性を維持または向上させるとともに、別途部品を用いることなく簡単な構成で、燃料タンク及び燃料タンク内の燃料の温度上昇を防止することができる小型エンジンを提供する。
また、クランクケースと燃料タンクとをより近接した構成とすること(クランクケースと燃料タンクとの間の通風空間をより狭くすること)が可能となるので、エンジンの全高・全幅を抑え小型化を図りつつ、燃料タンクの充分な容量を確保または増加することができる。つまり、エンジンの携帯性を維持または向上することができる。
さらに、既存の部材であるガスケットを利用しているので、部品点数を増加することなく、簡単な構成であり経済性にも優れたものとなる。
図1は本発明の小型エンジンの第1実施形態を示す縦断面正面図、図2は同じく一部断面側面図、図3は本発明の小型エンジンの第2実施形態を示す縦断面正面図、図4は本発明の小型エンジンの第3実施形態を示す縦断面正面図、図5は本発明の小型エンジンの第4実施形態を示す縦断面正面図である。
図1に示すように、本発明に係るエンジン1は、クランク軸2を回転自在に支持するクランクケース3を有している。このクランクケース3には、コンロッド4を介してクランク軸2に連結されたピストン5をスライド自在に収納するシリンダ6がガスケット34を介して取り付けられている。つまり、これらクランクケース3及びこのクランクケース3の上方に取り付けられるシリンダ6からエンジン本体を構成している。シリンダ6は、ピストン5上部のピストンヘッドとの間に燃焼室7を形成し、この燃焼室7内にはシリンダ6に固定されるスパークプラグ8の着火部が配置されている。そして、シリンダ6には、クランクケース3に連通して燃焼室7に混合気を導入するための吸気ポート9aを構成する吸気フランジ9と、爆発後の排気ガスを燃焼室7から排出する排気ポート10aを構成する排気フランジ10とが形成されている。
そして、エンジン1は、その下部において、キャブレタ12に供給する燃料を貯溜する燃料タンク15を備えており、エンジン1の略全体がカバー16によって覆われている。つまり、エンジン本体を構成するクランクケース3の下方には、燃料タンク15が通風空間30を介して配されている。
本実施形態においては、シリンダ6の吸気フランジ9とインシュレータ11との間に介装されるガスケット31を利用して、クランクケース3と燃料タンク15との間の遮熱を行う。すなわち、このガスケット31を、前記通風空間30のクランクケース3と燃料タンク15との間で、クランクケース3の外周をクランク軸2の軸心に対して少なくとも90度以上の角度範囲に渡って取り囲む構成としている。
すなわち、エンジン1の連続運転などによりエンジン本体が高温となる場合でも、クランクケース3で発生する熱の燃料タンク15へ伝導を防止することができ、燃料タンク15及び燃料タンク15内の燃料の温度上昇を防止することができる。この結果、燃料タンク15及び燃料タンク15内の燃料の温度上昇にともなうエンジン回転の安定性不良などの不具合を防止することができる。
また、クランクケース3と燃料タンク15とをより近接した構成とすること(クランクケース3と燃料タンク15との間の通風空間30をより狭くすること)が可能となるので、エンジン1の全高・全幅を抑え小型化を図りつつ、燃料タンク15の充分な容量を確保または増加することができる。つまり、エンジン1の携帯性を維持または向上することができる。
さらに、既存の部材であるガスケット31を利用しているので、部品点数を増加することなく、簡単な構成であり経済性にも優れたものとなる。
本実施形態においては、シリンダ6の排気フランジ10とマフラ14との間に介装されるガスケット32を利用して、クランクケース3と燃料タンク15との間の遮熱を行う。すなわち、このガスケット32を、通風空間30のクランクケース3と燃料タンク15との間で、クランクケース3の外周をクランク軸2の軸心に対して少なくとも90度以上の角度範囲に渡って取り囲む構成としている。
このような構成にすることによっても、前記実施形態と同様の効果を得ることができる。
本実施形態においては、シリンダ6の吸気フランジ9とインシュレータ11との間に介装されるガスケット(前記ガスケット31)と、シリンダ6の排気フランジ10とマフラ14との間に介装されるガスケット(前記ガスケット32)との両方をクランクケース3と燃料タンク15との間の遮熱に利用している。すなわち、これらの位置にそれぞれ介装されるガスケットを略U字型に一体に形成してガスケット33とし、このガスケット33により、通風空間30で、クランクケース3の外周を取り囲む構成としている。
このような構成にすることによっては、部品点数の削減が図れるとともに、前記各実施形態と同様の効果を得ることができる。
本実施形態においては、クランクケース3とシリンダ6との間に介装されるガスケット34を利用して、クランクケース3と燃料タンク15との間の遮熱を行う。すなわち、このガスケット34を、通風空間30のクランクケース3と燃料タンク15との間で、クランクケース3の外周をクランク軸2の軸心に対して少なくとも90度以上の角度範囲に渡って取り囲む構成としている。
このような構成にすることによっても、前記各実施形態と同様の効果を得ることができる。
2 クランク軸
3 クランクケース
6 シリンダ
9 吸気フランジ
10 排気フランジ
11 インシュレータ
12 キャブレタ
14 マフラ
15 燃料タンク
30 通風空間
31 ガスケット
32 ガスケット
33 ガスケット
34 ガスケット
Claims (4)
- クランク軸を支持するクランクケースと、前記クランクケースの上方に取り付けられるシリンダと、前記シリンダの吸気フランジに接続されるインシュレータを介して設けられるキャブレタと、前記クランクケースの下方に通風空間を介して配される燃料タンクとを備える小型エンジンにおいて、
前記吸気フランジと前記インシュレータとの間に介装されるガスケットを、前記通風空間の前記クランクケースと前記燃料タンクとの間で、前記クランクケースの外周を前記クランク軸の軸心に対して少なくとも90度以上の角度範囲に渡って取り囲む構成としたことを特徴とする小型エンジン。 - クランク軸を支持するクランクケースと、前記クランクケースの上方に取り付けられるシリンダと、前記シリンダの排気フランジに接続されるマフラと、前記クランクケースの下方に通風空間を介して配される燃料タンクとを備える小型エンジンにおいて、
前記排気フランジと前記マフラとの間に介装されるガスケットを、前記通風空間の前記クランクケースと前記燃料タンクとの間で、前記クランクケースの外周を前記クランク軸の軸心に対して少なくとも90度以上の角度範囲に渡って取り囲む構成としたことを特徴とする小型エンジン。 - クランク軸を支持するクランクケースと、前記クランクケースの上方に取り付けられるシリンダと、前記シリンダの吸気フランジに接続されるインシュレータを介して設けられるキャブレタと、前記シリンダの排気フランジに接続されるマフラと、前記クランクケースの下方に通風空間を介して配される燃料タンクとを備える小型エンジンにおいて、
前記吸気フランジと前記インシュレータとの間に介装されるガスケットと、前記排気フランジと前記マフラとの間に介装されるガスケットとを略U字型に一体に形成し、このガスケットにより、前記通風空間で、前記クランクケースの外周を取り囲む構成としたことを特徴とする小型エンジン。 - クランク軸を支持するクランクケースと、前記クランクケースの上方に取り付けられるシリンダと、前記クランクケースの下方に通風空間を介して配される燃料タンクとを備える小型エンジンにおいて、
前記クランクケースと前記シリンダとの間に介装されるガスケットを、前記通風空間の前記クランクケースと前記燃料タンクとの間で、前記クランクケースの外周を前記クランク軸の軸心に対して少なくとも90度以上の角度範囲に渡って取り囲む構成としたことを特徴とする小型エンジン。
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