WO2015182510A1

WO2015182510A1 - エンジン及びエンジン作業機

Info

Publication number: WO2015182510A1
Application number: PCT/JP2015/064755
Authority: WO
Inventors: 陽平絹川
Original assignee: 日立工機株式会社
Priority date: 2014-05-30
Filing date: 2015-05-22
Publication date: 2015-12-03

Abstract

給油キャップが装着されている給油口付近の揺れと、それによるタンク取付け部の応力集中を効果的に抑制することができ、燃料タンクの劣化を防止することができるエンジン及びエンジン作業機を提供する。燃料タンク２４をクランクケースの下部に備えたエンジンであって、クランクシャフト１９の後方側に配置されたエンジン始動装置であるリコイルスタータを一端側からカバーする第１のカバーであるリコイルカバー４０とを備え、リコイルカバー４０は、燃料タンク２４の下面まで延出するスタンド部４４と、スタンド部４４と独立して一体に形成された第１のタンク保持部（タンク保持部４３）とを備えている。

Description

エンジン及びエンジン作業機

本発明は、エンジン及びそのエンジンを備えた刈払い機、チェンソーおよびブロア等のエンジン作業機に関するものである。

一般的に、エンジン作業機は、可搬性や携帯性が必要とされ、小型軽量化することが重要である。そのため、エンジン本体部分のみをカバーで覆い、冷却効果をできるだけ高めるため燃料タンク等は露出した構成になっていることが多い。一方、燃料タンクが露出しているため、落下の衝撃等で燃料タンクが破損しないように保護する必要があり、例えば、スターターを覆う保護カバーによって燃料タンクを覆うことが提案されている（例えば、特許文献１参照）。

特開２００９－１９７７７０号公報

しかしながら、従来技術では、保護カバーは、燃料タンクをクランクケースに取付ける取付部分を併用してボルトによって取り付けるように構成されている。従って、燃料タンクに直接加わる衝撃は保護カバーによってカバーすることができるが、保護カバーに加わる衝撃は、クランクケースを介してそのまま振動として燃料タンクまで伝わる。また、エンジンの振動も直接燃料タンクに伝わる。さらに、保護カバーは、エンジン作業機のスタンド部としても機能し、エンジン作業機を地面等においた際の衝撃もクランクケースを介してそのまま振動として燃料タンクまで伝わる。このように、燃料タンクに振動が伝わると、燃料タンクの給油口には、燃料タンクに比べて重量が重い給油キャップが装着されているため、燃料タンク本体が損傷しなくても、給油キャップが装着されている給油口付近が大きく揺れることで、タンク取付け部に応力集中が発生しやすく、それにより燃料タンクが劣化しやすいという問題点があった。

本発明は以上のような状況に鑑みなされたものであって、上記課題を解決し、給油キャップが装着されている給油口付近の揺れと、それによるタンク取付け部の応力集中を効果的に抑制することができ、燃料タンクの劣化を防止することができるエンジン及びエンジン作業機を提供することを目的とする。

本発明のエンジンは、燃料タンクをクランクケースの下部に備えたエンジンであって、クランクシャフトの一端側に配置されたエンジン始動装置を一端側からカバーする第１のカバーを具備し、前記第１のカバーは、前記燃料タンクの下面まで延出するスタンド部と、前記スタンド部と独立して一体に形成された第１のタンク保持部とを備えることを特徴とする。さらに、本発明のエンジンにおいて、前記第１のタンク保持部は、クランクシャフトを通る鉛直線よりも前記燃料タンクの給油口側に配置されていても良い。さらに、本発明のエンジンにおいて、前記第１のタンク保持部は、前記クランクシャフトの軸方向視において、前記スタンド部を挟んで複数設けられていても良い。さらに、本発明のエンジンにおいて、前記スタンド部と、前記第１のタンク保持部とは、前記クランクシャフトの軸方向視において、前記クランクシャフトからそれぞれ径方向外側に向かって延びるとともに、周方向に間隔を有して配置されていても良い。さらに、本発明のエンジンにおいて、前記第１のタンク保持部は、前記燃料タンクの上下方向の中心線よりも上方側に配置されていても良い。さらに、本発明のエンジンにおいて、前記燃料タンクと前記第１のタンク保持部とは弾性体を介して保持されていても良い。さらに、本発明のエンジンにおいて、前記スタンド部は、前記燃料タンクの後方側側面に沿って下方向に、前記燃料タンクの下端を超えて延びるスタンド延出部と、当該スタンド延出部の先端部分から前方側に、前記燃料タンクの下面に沿って延びる接地部とで構成され、前記接地部の前方端は、解放端となっており、前記接地部と前記燃料タンクの下面との間には、隙間が形成されていても良い。さらに、本発明のエンジンにおいて、前記クランクシャフトを他端側に配置された出力軸への出力伝達機構を他端側からカバーする第２のカバーを具備し、前記燃料タンクは、前記第２のカバーと一体に形成された第２のタンク保持部と、前記第１のタンク保持部とで前後方向から保持されていても良い。また、本発明のエンジンは、燃料タンクをクランクケースの下部に備えたエンジンであって、クランクシャフトの後方側に配置されたエンジン始動装置を後方側からカバーする第１のカバーと、前記クランクシャフトの前方側に配置された出力軸への出力伝達機構を前方側からカバーする第２のカバーとを具備し、前記燃料タンクは、前記第１のカバーと一体に形成された複数の第１のタンク保持部と、前記第２のカバーと一体に形成された第２のタンク保持部とで前後方向から保持され、複数の第１のタンク保持部の内の少なくとも１個は、クランクシャフトを通る鉛直線よりも前記燃料タンクの給油口側に配置されていることを特徴とする。また、本発明のエンジン作業機は、上述のいずれかのエンジンを備えることを特徴とする。

本発明によれば、スタンド部に加わる衝撃が燃料タンクに直接伝わることがなく、給油キャップが装着されている給油口付近の揺れと、それによるタンク取付け部の応力集中を効果的に抑制することができ、燃料タンクの劣化を防止することができるという効果を奏する。

本発明に係るエンジンの実施の形態を搭載したエンジン作業機を示す図である。図１に示すエンジンの断面図である。図１に示すエンジンを前方側から見た図である。図１に示すエンジンを後方側から見た図である。図２に示すタンク保持部の断面拡大図である。

次に、本発明の実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。図１は、本実施の形態のエンジン１を搭載したエンジン作業機２を示す。エンジン作業機２は、エンジン１から操作棹３に内蔵された動力伝達手段（ドライブシャフト）を介して回転動力を前端の先端工具である回転刃４に伝達し、回転刃４を駆動させる。

操作棹３はアルミニウム等からなる長尺状のパイプであり、作業者がエンジン作業機２を保持して作業を行うためのメインハンドル５及びサブハンドル６が取り付けられている。そして、メインハンドル５には、燃料供給機構を操作するスロットルワイヤに係止されたスロットルレバー７が設けられている。

操作棹３の後端には、エンジン１が取り付けられている。エンジン１は、空冷式のエンジンであり、図２に示すように、シリンダヘッド１１がシリンダブロック１２の上部に一体に形成され、シリンダブロック１２の下部にはクランクケース１３が取り付けられている。

シリンダブロック１２の周囲にはエンジン１を冷却するための冷却フィン１４が形成され、シリンダブロック１２のシリンダ（シリンダボア）１５内では、図２中で上死点に位置しているピストン１６がシリンダ軸線の方向（図２中の上下方向）に上下動する。ピストン１６はピストンピン１７、コンロッド１８を介してクランクケース１３のクランク室１３ａに回転可能に支持されたクランクシャフト１９に接続されている。

クランクシャフト１９の前端部には、回転側面に磁石が取り付けられていると共に、エンジン１を冷却するための冷却ファン２０ａが一体に形成されているマグネトロータ２０がクランクシャフト１９と一体的に回転可能に連結されている。そして、マグネトロータ２０には、クラッチ機構２１が接続され、クラッチ機構２１はエンジン１の回転動力を出力軸２２に伝達する。出力軸２２は、操作棹３に内蔵されたドライブシャフトに接続されており、操作棹３の前端に取り付けられた先端工具である回転刃４を駆動する。

図３及び図４を参照すると、エンジン１の左側、すなわちクランクシャフト１９の軸方向の前方に向かって左側には、気化器２３が取り付けられている。ガソリン等の液体燃料を貯蔵する燃料タンク２４は、気化器２３の下側からクランクケース１３の下側に延出するように配置されている。燃料タンク２４に貯蔵された液体燃料は、ピストン１６の上昇により燃料タンク２４から気化器２３へと供給され、気化器２３内で空気と液体燃料とが混合され、シリンダ１５内へ混合気として供給される。燃料タンク２４内に液体燃料を給油する給油口２４ａは、燃料タンク２４の後方左側から斜め上方に突出して設けられている。そして、給油口２４ａには、給油キャップ２４ｂが装着されている。

図２を参照すると、シリンダブロック１２の前方側には、イグニッションコイル２５が取り付けられており、イグニッションコイル２５の固定子が所定の間隔を持ってマグネトロータ２０に対置されている。イグニッションコイル２５は、プラグコード２６を通じて点火プラグ２７に結線されている。マグネトロータ２０及びイグニッションコイル２５によって発電された高圧電流は、プラグコード２６を通じて点火プラグ２７に通電され、点火プラグ２７の点火によってシリンダ１５内に供給された混合気が燃焼される。これにより、ピストン１６が押し下げられ、ピストンピン１７、コンロッド１８、クランクシャフト１９を介して出力軸２２に回転動力が伝達され、先端工具である回転刃が駆動される。

図２及び図３を参照すると、エンジン１の前方側、すなわち出力軸２２側には、クラッチ機構２１及びマグネトロータ２０（冷却ファン２０ａ）からなる出力伝達機構を覆うファンカバー３０が取り付けられている。ファンカバー３０は、例えばプラスチック等の樹脂によって構成され、前方側からクランクケース１３にボルト５０によって締結されて固定される。

図２を参照すると、エンジン１の後方側、すなわちクランクシャフト１９の後端部には、エンジン１を始動するためのリコイルスタータ２８が取り付けられている。リコイルスタータ２８は、クラッチを介してクランクシャフト１９に連結されたリールを備え、このリールに巻き回された牽引ひもを引くことによってエンジン１を始動させる手動式のエンジン始動装置である。なお、本実施の形態では、手動式のリコイルスタータ２８を採用したが、リコイルスタータ２８に限ることなく、電動モータを用いた電動式のエンジン始動装置等、任意のエンジン始動装置を使用することができる。

図２及び図４を参照すると、エンジン１の後方側には、リコイルスタータ２８を覆うリコイルカバー４０が取り付けられている。リコイルカバー４０は、例えばプラスチック等の樹脂によって構成され、後方側からクランクケース１３にボルト５０によって締結されて固定される。

ファンカバー３０には、図３を参照すると、クラッチ機構２１及びマグネトロータ２０（冷却ファン２０ａ）を覆う本体部３１と、本体部３１から下方向に延びる２本の延出部３２が一体に形成されている。２本の延出部３２は、出力軸２２を通る鉛直線Ｚ（シリンダ１５の軸線方向）を挟んだ左右にそれぞれ配置されている。そして、延出部３２は、燃料タンク２４の前方側側面に沿って下方向に延び、その先端部には、燃料タンク２４を固定するタンク保持部３３が形成されている。図５（ａ）を参照すると、燃料タンク２４の前方側側面には、クランクシャフト１９の軸方向に突出する突出部２４ｃが形成されており、タンク保持部３３には、燃料タンク２４の突出部２４ｃが嵌り込む凹部が形成されている。なお、図５（ａ）は、図２に示す領域Ａの拡大図であり、図２に示す領域Ａは、図３に示すタンク保持部３３のＸ－Ｘ断面図である。

突出部２４ｃ及びタンク保持部３３（凹部）の断面形状は、それぞれ長手方向が水平方向を向いた略矩形状である。そして、ファンカバー３０のクランクケース１３への固定に伴って、燃料タンク２４の突出部２４ｃがタンク保持部３３（凹部）に嵌り込み、ファンカバー３０によって燃料タンク２４の前方側が保持される。なお、突出部２４ｃは、ゴム等の弾性体で構成されたキャップ２９を介してタンク保持部３３（凹部）に嵌り込む構成になっている。キャップ２９は、上下左右の全方向において突出部２４ｃとタンク保持部３３（凹部）との間に介在すると共に、図５（ａ）に示すように、燃料タンク２４の前方側側面とタンク保持部３３との間に介在にしている。従って、燃料タンク２４は、ファンカバー３０（タンク保持部３３）によって弾性的に保持されることになる。

リコイルカバー４０には、図４を参照すると、リコイルスタータ２８を覆う本体部４１と、本体部４１から斜め下方向にクランクシャフト１９の軸方向を中心として放射状に延びる２本の延出部４２が一体に形成されている。２本の延出部４２は、クランクシャフト１９を通る鉛直線Ｚを挟んだ左右にそれぞれ配置されている。そして、延出部４２は、燃料タンク２４の後方側側面に沿って斜め下方向に延び、その先端部には、燃料タンク２４を固定するタンク保持部４３が形成されている。図５（ｂ）を参照すると、燃料タンク２４の後方側側面には、クランクシャフト１９の軸方向に突出する突出部２４ｄが形成されており、タンク保持部４３には、燃料タンク２４の突出部２４ｄが嵌り込む凹部が形成されている。なお、図５（ｂ）は、図２に示す領域Ｂの拡大図であり、図２に示す領域Ｂは、図４に示すタンク保持部４３のＹ－Ｙ断面図である。

突出部２４ｄ及びタンク保持部４３（凹部）の断面形状は、それぞれ長手方向がクランクシャフト１９を中心とする同心円の接線方向を向いた略矩形状である。そして、リコイルカバー４０のクランクケース１３への固定に伴って、燃料タンク２４の突出部２４ｄがタンク保持部４３（凹部）に嵌り込み、リコイルカバー４０によって燃料タンク２４の後方側が保持される。なお、突出部２４ｄは、ゴム等の弾性体で構成されたキャップ２９を介してタンク保持部４３（凹部）に嵌り込む構成になっている。キャップ２９は、上下左右の全方向において突出部２４ｄとタンク保持部４３（凹部）との間に介在すると共に、図５（ｂ）に示すように、燃料タンク２４の後方側側面とタンク保持部４３との間に介在にしている。従って、燃料タンク２４は、リコイルカバー４０（タンク保持部４３）によって弾性的に保持されることになる。

キャップ２４ｂの付近においては、給油口２４ａを強固に塞ぐ必要があるため、燃料タンク２４に比べて重量が重くなる。従って、燃料タンク２４に振動が伝わると、給油キャップ２４ｂが装着されている給油口２４ａ部分が大きく揺れて強い力が作用することになる。そこで、本実施の形態では、２個のタンク保持部４３内の１個は、クランクシャフト１９を通る鉛直線Ｚよりも給油キャップ２４ｂが装着された給油口２４ａ側で、且つ燃料タンク２４の上下方向の中心線Ｚ’よりも上方に配置されている。これにより、給油キャップ２４ｂが装着された給油口２４ａの近傍を保持することができ、給油キャップ２４ｂが装着された給油口２４ａの揺れ及びそれに起因する応力の集中を効果的に抑制することができる。

また、リコイルカバー４０には、図４を参照すると、本体部４１から燃料タンク２４の後方側側面に沿って下方向に延びるスタンド部４４が形成されている。スタンド部４４は、２本の延出部４２とは、独立して、２本の延出部４２の間に配置されている。スタンド部４４は、燃料タンク２４の後方側側面に沿って下方向に、燃料タンク２４の下端を超えて延びるスタンド延出部４５と、スタンド延出部４５の先端部分から前方側に、燃料タンク２４の下面に沿って延びる接地部４６とで構成されている。接地部４６の前方端は、解放端となっており、接地部４６と燃料タンク２４の下面との間には、隙間が形成されている。そして、接地部４６は、左右方向に扁平した筒状に形成されており、衝撃を吸収する中空部４７が形成されている。これにより、エンジン１が下面側から落下した場合の衝撃は、燃料タンク２４に直接作用することはなく、スタンド部４４によって緩衝される。そして、スタンド部４４と燃料タンク２４の後方側を保持するタンク保持部４３とが独立しているため、仮にスタンド部４４に衝撃が加わった場合でも、タンク保持部４３は守られ、燃料タンク２４の保持を維持することができる。

以上、説明したように、本実施の形態は、燃料タンク２４をクランクケース１３の下部に備えたエンジン１であって、クランクシャフト１９の後方側に配置されたエンジン始動装置であるリコイルスタータ２８を一端側からカバーする第１のカバーであるリコイルカバー４０とを備え、リコイルカバー４０は、燃料タンク２４の下面まで延出するスタンド部４４と、スタンド部４４と独立して一体に形成された第１のタンク保持部（タンク保持部４３）とを備えている。本実施の形態では、スタンド部４４と、タンク保持部４３とは、クランクシャフト１９の軸方向視において、クランクシャフト１９からそれぞれ径方向外側に向かって延びるとともに、周方向に間隔を有して配置されている。この構成により、リコイルカバー４０にスタンド部４４とタンク保持部４３とが独立で形成されているため、スタンド部４４に加わる衝撃が燃料タンク２４に直接伝わることがないため、給油キャップ２４ｂが装着されている給油口２４ａ付近の揺れと、それによるタンク取付け部の応力集中を効果的に抑制することができ、燃料タンク２４の劣化を防止することができる。また、落下等に起因してスタンド部４４が破損しても、タンク保持部４３は守られ、燃料タンク２４の保持を維持することができる。

さらに、本実施の形態によれば、タンク保持部４３は、クランクシャフト１９を通る鉛直線Ｚよりも燃料タンク２４の給油口２４ａ側に配置されている。この構成により、タンク保持部４３によって給油キャップ２４ｂが装着されている給油口２４ａの近傍を保持することができるため、給油キャップ２４ｂが装着されている給油口２４ａ付近の揺れを効果的に抑制することができ、燃料タンク２４の劣化を防止することができる。

さらに、本実施の形態によれば、タンク保持部４３は、クランクシャフト１９の軸方向視において、スタンド部４４を挟んで複数設けられる。この構成により、燃料タンク２４を安定させて保持することができる。

さらに、本実施の形態によれば、タンク保持部４３は、燃料タンク２４の上下方向の中心線Ｚ’よりも上方側に配置されている。この構成により、タンク保持部４３によって給油キャップ２４ｂが装着されている給油口２４ａのさらに近傍を保持することができるため、給油キャップ２４ｂが装着されている給油口２４ａ付近の揺れをさらに効果的に抑制することができ、燃料タンクの劣化を防止することができる。

さらに、本実施の形態によれば、燃料タンク２４とタンク保持部４３とは弾性体であるキャップ２９を介して保持されている。この構成により、落下等の衝撃による振動や、エンジン１からの振動は、タンク保持部３３及びタンク保持部４３と弾性体とを介して燃料タンク２４に伝わることになるため、タンク保持部３３、タンク保持部４３及び弾性体によって振動が干渉され、燃料タンク２４の劣化を効果的に防止することができる。

さらに、本実施の形態によれば、スタンド部４４は、燃料タンク２４の後方側側面に沿って下方向に、燃料タンク２４の下端を超えて延びるスタンド延出部４５と、スタンド延出部４５の先端部分から前方側に、燃料タンク２４の下面に沿って延びる接地部４６とで構成され、接地部４６の前方端は、解放端となっており、接地部４６と燃料タンク２４の下面との間には、隙間が形成されている。この構成により、落下等に起因する衝撃をスタンド部４４によって効果的に緩衝することができる。

さらに、本実施の形態によれば、クランクシャフト１９を前方側に配置された出力軸２２への出力伝達機構（マグネトロータ２０、冷却ファン２０ａ、クラッチ機構２１）を前方側からカバーする第２のカバーであるファンカバー３０を具備し、燃料タンク２４は、ファンカバー３０と一体に形成された第２のタンク保持部（タンク保持部３３）と、リコイルカバー４０のタンク保持部４３とで前後方向から保持される。この構成により、ファンカバー３０と、リコイルカバー４０とをクランクケース１３に取り付け動作に伴って、燃料タンク２４は簡単に保持させることができる。

さらに、本実施の形態によれば、燃料タンク２４をクランクケース１３の下部に備えたエンジン１であって、クランクシャフト１９の後方側に配置されたエンジン始動装置であるリコイルスタータ２８を後方側からカバーする第１のカバーであるリコイルカバー４０と、クランクシャフト１９の前方側に配置された出力軸２２への出力伝達機構（マグネトロータ２０、冷却ファン２０ａ、クラッチ機構２１）を前方側からカバーする第２のカバーである出力軸カバー３０とを備え、リコイルカバー４０と一体に形成された複数のタンク保持部４３と、燃料タンク２４は、出力軸カバー３０と一体に形成されたタンク保持部３３とで前後方向から保持され、複数のタンク保持部４３の内の少なくとも１個は、クランクシャフトを通る鉛直線Ｚよりも燃料タンク２４の給油口２４ａ側に配置されている。この構成により、タンク保持部４３によって給油キャップ２４ｂが装着されている給油口２４ａの近傍を保持することができるため、給油キャップ２４ｂが装着されている給油口２４ａ付近の揺れを効果的に抑制することができ、燃料タンクの劣化を防止することができる。

以上、本発明を本実施の形態をもとに説明した。本実施の形態は例示であり、それらの各構成要素の組み合わせ等にいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。例えば、本実施の形態では、操作棹３を有する刈払機等のエンジン作業機２にエンジン１を搭載した例について説明したが、本発明に係るエンジン１は、チェンソー、ブロワ等のエンジン作業機に搭載されていてもよい。また、本実施の形態では、燃料タンク２４に形成した突出部２４ｃ、２４ｄをタンク保持部３３、３４の凹部で保持するように構成したが、燃料タンク２４に形成した凹部をタンク保持部３３、３４に形成した突起部で保持するように構成しても良い。

１…エンジン、２…エンジン作業機、３…操作棹、４…回転刃、５…メインハンドル、６…サブハンドル、７…スロットルレバー、１１…シリンダヘッド、１２…シリンダブロック、１３…クランクケース、１３ａ…クランク室、１４…冷却フィン、１５…シリンダ、１６…ピストン、１７…ピストンピン、１８…コンロッド、１９…クランクシャフト、２０…マグネトロータ、２０ａ…冷却ファン、２１…クラッチ機構、２２…出力軸、２３…気化器、２４…燃料タンク、２４ａ…給油口、２４ｂ…給油キャップ、２４ｃ…突出部、２４ｄ…突出部、２５…イグニッションコイル、２６…プラグコード、２７…点火プラグ、２８…リコイルスタータ、２９…キャップ、３０…ファンカバー、３１…本体部、３２…延出部、３３…タンク保持部、４０…リコイルカバー、４１…本体部、４２…延出部、４３…タンク保持部、４４…スタンド部、４５…スタンド延出部、４６…接地部、４７…中空部、５０…ボルト

Claims

燃料タンクをクランクケースの下部に備えたエンジンであって、クランクシャフトの一端側に配置されたエンジン始動装置を一端側からカバーする第１のカバーを具備し、前記第１のカバーは、前記燃料タンクの下面まで延出するスタンド部と、前記スタンド部と独立して一体に形成された第１のタンク保持部とを備えることを特徴とするエンジン。
前記第１のタンク保持部は、クランクシャフトを通る鉛直線よりも前記燃料タンクの給油口側に配置されていることを特徴とする請求項１に記載のエンジン。
前記第１のタンク保持部は、前記クランクシャフトの軸方向視において、前記スタンド部を挟んで複数設けられることを特徴とする請求項１又は２に記載のエンジン。
前記スタンド部と、前記第１のタンク保持部とは、前記クランクシャフトの軸方向視において、前記クランクシャフトからそれぞれ径方向外側に向かって延びるとともに、周方向に間隔を有して配置されていることを特徴とする請求項１乃至３のうち何れかに記載のエンジン。
前記第１のタンク保持部は、前記燃料タンクの上下方向の中心線よりも上方側に配置されていることを特徴とする請求項１乃至４のいずれかに記載のエンジン。
前記燃料タンクと前記第１のタンク保持部とは弾性体を介して保持されていることを特徴とする請求項１乃至５のいずれかに記載のエンジン。
前記スタンド部は、前記燃料タンクの後方側側面に沿って下方向に、前記燃料タンクの下端を超えて延びるスタンド延出部と、当該スタンド延出部の先端部分から前方側に、前記燃料タンクの下面に沿って延びる接地部とで構成され、前記接地部の前方端は、解放端となっており、前記接地部と前記燃料タンクの下面との間には、隙間が形成されていることを特徴とする請求項１乃至６のいずれかに記載のエンジン。
前記クランクシャフトを他端側に配置された出力軸への出力伝達機構を他端側からカバーする第２のカバーを具備し、前記燃料タンクは、前記第２のカバーと一体に形成された第２のタンク保持部と、前記第１のタンク保持部とで前後方向から保持されることを特徴とする請求項１乃至７のいずれかに記載のエンジン。
燃料タンクをクランクケースの下部に備えたエンジンであって、クランクシャフトの後方側に配置されたエンジン始動装置を後方側からカバーする第１のカバーと、前記クランクシャフトの前方側に配置された出力軸への出力伝達機構を前方側からカバーする第２のカバーとを具備し、前記燃料タンクは、前記第１のカバーと一体に形成された複数の第１のタンク保持部と、前記第２のカバーと一体に形成された第２のタンク保持部とで前後方向から保持され、複数の第１のタンク保持部の内の少なくとも１個は、クランクシャフトを通る鉛直線よりも前記燃料タンクの給油口側に配置されていることを特徴とするエンジン。
請求項１乃至９のいずれかに記載のエンジンを備えることを特徴とするエンジン作業機。