JP2005336257A - ガスタービン用燃料油 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 下記の性状を満足するガスタービン用燃料油である。
(a)密度(15℃)が0.890g/cm3以上、(b)動粘度(50℃)が1.00〜3.50mm2/s、(c)90容量%留出温度が335℃以下、(d)95量%留出温度が355℃以下、(e)97容量%留出温度が365℃以下、(f)蒸留終点が370℃以下、(g)10%残留炭素分が0.20質量%未満、(h)灰分量が0.001質量%以下、(i)真発熱量が37,670kJ/L以上、(j)硫黄分量が0.30質量%以下、(k)曇り点が0℃以下、(l)バナジウム量が0.1質量ppm以下、(m)ナトリウム量とカリウム量の和が0.2質量ppm以下、(n)微粒きょう雑物量が10.0mg/L以下
【選択図】 なし
Description
特許文献1には、特定の軽質サイクル油40〜90容量%、特定の直脱軽油10〜60容量%含有し、バナジウム含有量が0.2重量ppm以下、硫黄含有量が0.5重量ppm以下、ナトリウムとカリウムの合計含有量が0.2重量ppm以下、スラッジ重量が6mg/L以下の燃料が開示されているが、高発熱量の実施例1,2の燃料を希薄予蒸発予混合燃焼方式のガスタービンに適用すると、希薄予蒸発予混合管にカーボンが堆積するため、希薄予蒸発予混合燃焼方式のガスタービン用燃料としては適していないことがわかった。
すなわち、本発明は、
1.下記の性状を満足するガスタービン用燃料油、
(a)密度(15℃)が0.890g/cm3以上、
(b)動粘度(50℃)が1.00〜3.50mm2/s、
(c)90容量%留出温度が335℃以下、
(d)95量%留出温度が355℃以下、
(e)97容量%留出温度が365℃以下、
(f)蒸留終点が370℃以下、
(g)10%残留炭素分が0.20質量%未満、
(h)灰分量が0.001質量%以下、
(i)真発熱量が37,670kJ/L以上、
(j)硫黄分量が0.30質量%以下、
(k)曇り点が0℃以下、
(l)バナジウム量が0.1質量ppm以下、
(m)ナトリウム量とカリウム量の和が0.2質量ppm以下、
(n)微粒きょう雑物量が10.0mg/L以下
2.希薄予蒸発予混合燃焼方式が採用されているガスタービンに適用される上記1のガスタービン用燃料油、及び
3.酸化防止剤を10〜500質量ppm含む上記1又は2のガスタービン用燃料油、
を提供するものである。
(a)密度(15℃)が0.890g/cm3以上である。
高発熱量を確保するために必須である。好ましくは0.900g/cm3以上である。
なお、密度はJIS K 2249に準拠して測定された値である。
(b)動粘度(50℃)が1.00〜3.50mm2/sの範囲である。
1.00mm2/s未満では、ポンプ等の摩耗による劣化が起こり、3.50mm2/sを超えると、取扱い性、燃焼性が悪化する。好ましくは、1.5〜3.30mm2/sの範囲である。
なお、動粘度はJIS K 2283に準拠して測定された値である。
(c)90容量%留出温度が335℃以下である。好ましくは330℃以下であり、より好ましくは325℃以下である。
(d)95容量%留出温度が355℃以下である。好ましくは350℃以下であり、より好ましくは345℃以下である。
(e)97容量%留出温度が365℃以下である。好ましくは360℃以下であり、より好ましくは355℃以下である。
(f)蒸留終点が370℃以下である。好ましくは365℃以下であり、より好ましくは360℃以下である。
上記の(c)〜(f)の蒸留性状は、希薄予蒸発予混合管へのカーボン堆積抑制、排ガス中の煤発生によるタービン腐食抑制のための条件である。なお、上記の蒸留性状はJIS K 2254に準拠して測定されたものである。
希薄予蒸発予混合管へのカーボン堆積抑制、排ガス中の煤発生によるタービン腐食抑制のために必須である。好ましくは0.15質量%以下、より好ましくは0.10質量%以下、さらに好ましくは0.05質量%以下である。
なお、10%残留炭素分はJIS K 2270に準拠して測定された値である。
(h)灰分量が0.001質量%以下である。
タービン翼腐食抑制のため必須である。
なお、灰分量はJIS K 2272に準拠して測定された値である。
(i)真発熱量が37,670kJ/L以上である。
灯油、A重油に対して優位性を保つために必須である。好ましくは38,000kJ/L以上である。
なお、真発熱量はJIS K 2279に準拠して測定された値である。
(j)硫黄分量が0.30質量%以下である。
タービン翼腐食抑制のため必須である。好ましくは0.20質量%以下である。
なお、硫黄分量はJIS K 2541に準拠して測定された値である。
(k)曇り点が0℃以下である。
ガスタービンは、タービン翼の腐食防止の観点より、燃料油中の微粒きょう雑物含有量は極めて少ないことが要求されるため、2〜20μmのサイズのフィルターが設置されている。そのため、低温時にワックスが析出した場合もフィルターが極めて閉塞し易く、ワックス析出温度が低いことも要求される。好ましくは−6℃以下、より好ましくは−10℃以下である。
なお、曇り点はJIS K 2269に準拠して測定された値である。
(l)バナジウム量が0.1質量ppm以下である。
タービン翼腐食抑制のため必須である。
なお、バナジウム量はJPI−5S−11に準拠して測定された値である。
(m)ナトリウム量とカリウム量の和が0.2質量ppm以下である。
タービン翼腐食抑制のため必須である。
なお、ナトリウム量、カリウム量はJPI−5S−3に準拠して測定された値である。
(n)微粒きょう雑物量が10.0mg/L以下である。
タービン翼腐食抑制のため必須である。好ましくは5.0mg/L以下である。
なお、微粒きょう雑物量はJIS K 2276に準拠して測定された値である。
(p)引火点が60℃以上である。
取扱い安全性の点で好ましい要件である。より好ましくは62℃以上である。
なお、引火点はJIS K 2265に準拠して測定された値である。
(q)窒素分量が800質量ppm以下である。
排ガス中のNOx低減の点で好ましい要件である。より好ましくは500質量ppm以下、さらに好ましくは250質量ppm以下、特に好ましくは200質量ppm以下である。
なお、窒素分量はJIS K 2609に準拠して測定された値である。
(r)反応は中性である。
機器の腐食防止の点で好ましい要件である。
なお、反応はJIS K 2252に準拠して測定されたものである。
また、希薄予蒸発予混合燃焼方式は、拡散燃焼方式に比べ、排ガス中のNOx量が少ないという利点もある。
なお、希薄予蒸発予混合燃焼方式とは、燃料と空気とを予め混合し、また、噴霧を予め蒸発させてから燃焼させる方式をいう。
酸化防止剤の種類としては特に限定されず、通常石油製品に使用されるものであればよいが、例えば、N,N−ジイソプロピルパラフェニレンジアミン、2,6−ジターシャリーブチルフェノール、2,4−ジメチル−6−ターシャリーブチルフェノール、2,6−ジターシャリーブチル−4−メチルフェノール等及びその混合物を好適に用いることができる。
さらに、本願発明のガスタービン用燃料油には、ガソリンエンジン用燃料油もしくはディーゼル用燃料油に添加し使用される清浄添加剤を、25〜500質量ppmの範囲で添加することにより、希薄予蒸発予混合管へのカーボン蓄積が抑制される。
第1表に実施例及び比較例に用いた燃料の性状を示す。また、該燃料を用いて、石川島播磨重工業社製ガスタービン(IM270、形式:単純開放サイクル一軸型、回転数:約20,300rpm、圧縮機:遠心型2段、燃焼器:単缶型マルチバーナ方式)の定格負荷(2,000kW)で1時間運転(燃焼テスト)後、分解し、希薄予蒸発予混合管に堆積しているカーボン量を下記の式でカーボン堆積率として求めた。結果を第1表に示す。
なお、第1表には市販A重油(1)を用いた際のカーボン堆積率を100.0とし、各供試燃料でのカーボン堆積率の割合をカーボン堆積率比として示した。
カーボン堆積率比=〔供試燃料でのカーボン堆積率/市販A重油(1)でのカーボン堆積率〕×100
実施例1の試料に対して酸化防止剤(2,6−ジターシャリーブチルフェノール)を50質量ppm添加して、50℃で720時間保持後、10%残留炭素分を求めた。その結果、10%残留炭素分は、酸化防止剤を添加しないものは0.35質量%であったが、添加したものは0.04質量%であった。
実施例1の試料に対して酸化防止剤(2,6−ジターシャリーブチルフェノール)を50質量ppm添加して、室温で253日保管後、10%残留炭素分及びカーボン堆積率を求めた。酸化防止剤を添加しないものは、10%残留炭素分が0.23質量%、カーボン堆積率が1.3であったが、酸化防止剤を添加したものは、10%残留炭素分が0.03質量%、カーボン堆積率が0.0であった。
Claims (3)
- 下記の性状を満足するガスタービン用燃料油。
(a)密度(15℃)が0.890g/cm3以上、
(b)動粘度(50℃)が1.00〜3.50mm2/s、
(c)90容量%留出温度が335℃以下、
(d)95容量%留出温度が355℃以下、
(e)97容量%留出温度が365℃以下、
(f)蒸留終点が370℃以下、
(g)10%残留炭素分が0.20質量%未満、
(h)灰分量が0.001質量%以下、
(i)真発熱量が37,670kJ/L以上、
(j)硫黄分量が0.30質量%以下、
(k)曇り点が0℃以下、
(l)バナジウム量が0.1質量ppm以下、
(m)ナトリウム量とカリウム量の和が0.2質量ppm以下、
(n)微粒きょう雑物量が10.0mg/L以下 - 希薄予蒸発予混合燃焼方式が採用されているガスタービンに適用される請求項1記載のガスタービン用燃料油。
- 酸化防止剤を10〜500質量ppm含む請求項1又は2に記載のガスタービン用燃料油。
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JP2004154881A JP2005336257A (ja) | 2004-05-25 | 2004-05-25 | ガスタービン用燃料油 |
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2004
- 2004-05-25 JP JP2004154881A patent/JP2005336257A/ja active Pending
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