JP2005333124A - 反射型マスク用低膨張硝子基板および反射型マスク - Google Patents
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Abstract
【課題】基板表面に付着した異物が少なく、またマスク製造工程で異物が基板表面またはマスク表面に付着することが少ない、EUVリソグラフィ用反射型マスクの基材に好適な低膨張硝子基板を提供する。
【解決手段】半導体製造工程のリソグラフィ工程に使用される反射型マスクの基材である低膨張硝子基板であって、該低膨張硝子基板1の外周に沿って形成される側面2、面取部3及び6、ノッチ部5が、表面粗さRaが0.05μm以下、表面粗さRmaxが0.05〜0.50μmの範囲の鏡面である反射型マスク用低膨張硝子基板。
【選択図】図3
【解決手段】半導体製造工程のリソグラフィ工程に使用される反射型マスクの基材である低膨張硝子基板であって、該低膨張硝子基板1の外周に沿って形成される側面2、面取部3及び6、ノッチ部5が、表面粗さRaが0.05μm以下、表面粗さRmaxが0.05〜0.50μmの範囲の鏡面である反射型マスク用低膨張硝子基板。
【選択図】図3
Description
本発明は、半導体製造工程のうちリソグラフィ工程に使用される、特にはEUV(Extreme Ultra Violet)リソグラフィに使用される反射型マスクの基材である低膨張硝子基板および反射型マスクに関するものである。
従来から、リソグラフィ技術においては、ウェハ上に微細な回路パターンを転写して集積回路を製造するための露光装置が広く利用されている。集積回路の高集積化および高機能化に伴い、集積回路の微細化が進み、露光装置には深い焦点深度で高解像度の回路パターンをウェハ面上に結像させることが求められ、露光光源の短波長化が進められている。
露光光源は、従来のg線(波長436nm)、i線(波長365nm)やKrFエキシマレーザ(波長248nm)から更に進んでArFエキシマレーザ(波長193nm)が用いられようとしている。また、回路の線幅が100nm以下となる次世代の集積回路に対応するため、露光光源としてF2レーザ(波長157nm)を用いることが有力視されているが、これも線幅が70nm世代までしかカバーできないとみられている。
露光光源は、従来のg線(波長436nm)、i線(波長365nm)やKrFエキシマレーザ(波長248nm)から更に進んでArFエキシマレーザ(波長193nm)が用いられようとしている。また、回路の線幅が100nm以下となる次世代の集積回路に対応するため、露光光源としてF2レーザ(波長157nm)を用いることが有力視されているが、これも線幅が70nm世代までしかカバーできないとみられている。
このような技術動向にあって、露光光源としてEUV光(極端紫外光)を使用したリソグラフィ技術が、50nm以降の複数の世代にわたって適用可能と見られ注目されている。EUV光とは軟X線領域または真空紫外域の波長帯の光を指し、具体的には波長が0.2〜100nm程度の光のことである。現時点では、リソグラフィ光源として13.5nmの使用が検討されている。このEUVリソグラフィ(以下、「EUVL」と略する)の露光原理は、投影光学系を用いてマスクパターンを転写する点では、従来のリソグラフィと同じであるが、EUV光のエネルギー領域では光を透過する材料がないために屈折光学系は用いることができず、反射光学系を用いることとなる。(特許文献1参照)
EUVLに用いられるマスクは、(1)基板 (2)基板上に形成された反射多層膜 (3)反射多槽膜上に形成された吸収体層、から基本的に構成される。反射多層膜としては、露光光の波長に対して屈折率の異なる複数の材料がnmオーダーで周期的に積層された構造のものが用いられ、代表的な材料としてMoとSiが知られている。また。吸収体層にはTaやCrが検討されている。基板としては、EUV光照射の下においても歪みが生じないよう低熱膨張係数を有する材料が必要とされ、低熱膨張係数を有する硝子や結晶化硝子が検討されている。基板はこれら硝子や結晶化硝子の素材を、高精度に研磨、洗浄することによって製造される。
EUVLに用いられるマスクは、(1)基板 (2)基板上に形成された反射多層膜 (3)反射多槽膜上に形成された吸収体層、から基本的に構成される。反射多層膜としては、露光光の波長に対して屈折率の異なる複数の材料がnmオーダーで周期的に積層された構造のものが用いられ、代表的な材料としてMoとSiが知られている。また。吸収体層にはTaやCrが検討されている。基板としては、EUV光照射の下においても歪みが生じないよう低熱膨張係数を有する材料が必要とされ、低熱膨張係数を有する硝子や結晶化硝子が検討されている。基板はこれら硝子や結晶化硝子の素材を、高精度に研磨、洗浄することによって製造される。
特許文献2には、このような半導体製造工程において使用する反射型マスク用基板と、用途や機能が全く異なる磁気記録媒体用ガラス基板について、パーティクル(異物)の発生を防止するために、ガラス基板の側面(側面部と面取部)を機械研磨等により鏡面にすることが記載されている。
EUVL技術において、反射型マスク表面に異物や傷が存在すると、それがウェハ上に転写され回路の不具合となるばかりでなく、表面上の微細な凹凸、言い替えれば表面に微小な面積範囲の曲率があった場合にも、パターン転写の妨げになり、ウェハ上に微細な回路パターンを転写して高精細な集積回路を製造することが困難となる。このため、マスク表面(すなわち膜面)の異物や傷に対する無欠点性のほかに、膜間あるいは膜と基板の界面についても無欠点性が求められる。特に異物に関しては、膜の凸状欠点形成の原因となるため、60nmを超える大きさのものは1枚当り20個以下好ましくは5個以内であることが求められている。
磁気記録媒体用ガラス基板については、前記したように異物の発生を防止するために、ガラス基板の側面を研磨して鏡面にすることが知られている。しかし、反射型マスクの基板についてはこれまでのところ側面を通常レベルの研磨しか行っておらず、該基板を用いて作製した反射型マスクを使用してウェハ上に回路パターンを転写した場合、上記マスク表面の異物や傷に対する無欠点性が充分でないため集積回路に不具合を生じ、生産歩留の低下を招くおそれがあった。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、基板表面に付着した異物が少なく、またマスク製造工程で異物が基板表面またはマスク表面に付着することが少ない、EUVLに使用される反射型マスクの基材に好適な低膨張硝子基板および該低膨張硝子基板を用いた反射型マスクを提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために、低膨張硝子基板(以下、「硝子基板」ということもある)の表面に付着した異物を観察、分析し、さらに異物が発生し硝子基板の表面に付着する原因を考察した。その結果、異物の多くは洗浄後の研磨剤の残留や製造工程の環境から付着した塵埃ではなく、硝子基板と同一の成分硝子、すなわち硝子基板と同じ組成の角張った微小な硝子片(異物)であることが判明した。さらに、この微小な硝子片は、研磨された硝子基板の側端面より発生していることが判明した。
また、研磨後における硝子基板の洗浄工程において、薬液槽やリンス槽で超音波洗浄等の汚染物除去作用が硝子基板の側端面にも及ぶ。これにより側端面より剥離した硝子片は洗浄槽内で硝子基板の表面に付着し、ファンデルワールス力により強固に付着する。このため、一旦付着した硝子片は硝子基板の表面に強固に付着しており、成膜直前に行われる洗浄や再洗浄では、除去することが極めて困難である。
本発明者等は、この認識に基づいて上記硝子片を硝子基板の側端面より発生させない必要があることを見出し、さらに硝子片を硝子基板の側端面より発生させない手段方法について鋭意検討した結果、次の知見を得て本発明を完成するにいたったものである。
(1)硝子基板の側端面を鏡面に研磨することにより硝子片の発生が防止できること
(2)硝子基板の側端面を被膜で被覆することにより硝子片が側端面より剥離しない構造にできること
(3)硝子基板の外周部を形成するための研削加工(面取り加工と称す)で、ダイアモンド砥石等により加工する際に側端面にクラックが形成され、面取り加工以降の工程でこのクラックが伸長し硝子片が剥離すること、およびこのクラックの伸長防止には、低膨張硝子や低膨張結晶化硝子を溶解する薬液でエッチング処理することが有効であること
すなわち、本発明は、EUVリソグラフィに使用される反射型マスクの基材である低膨張硝子基板であって、基板外周に沿って形成される側面、面取部およびノッチ部のいずれかが鏡面であることを特徴とする反射型マスク用低膨張硝子基板を提供する。
(1)硝子基板の側端面を鏡面に研磨することにより硝子片の発生が防止できること
(2)硝子基板の側端面を被膜で被覆することにより硝子片が側端面より剥離しない構造にできること
(3)硝子基板の外周部を形成するための研削加工(面取り加工と称す)で、ダイアモンド砥石等により加工する際に側端面にクラックが形成され、面取り加工以降の工程でこのクラックが伸長し硝子片が剥離すること、およびこのクラックの伸長防止には、低膨張硝子や低膨張結晶化硝子を溶解する薬液でエッチング処理することが有効であること
すなわち、本発明は、EUVリソグラフィに使用される反射型マスクの基材である低膨張硝子基板であって、基板外周に沿って形成される側面、面取部およびノッチ部のいずれかが鏡面であることを特徴とする反射型マスク用低膨張硝子基板を提供する。
該低膨張硝子基板は、基板外周に沿って形成される側面、面取部およびノッチ部のいずれかの表面粗さRaが、0.05μm以下の鏡面であることが望ましい。
また該低膨張硝子基板は、基板外周に沿って形成される側面、面取部およびノッチ部のいずれかの表面粗さRmaxが、0.05〜0.50μmの範囲の鏡面であることが望ましい。
本発明は、EUVリソグラフィに使用される反射型マスクの基材である低膨張硝子基板であって、基板外周に沿って形成される側端面が発塵防止用の保護膜で被覆されている反射型マスク用低膨張硝子基板を提供する。
本発明は、EUVリソグラフィに使用される反射型マスクの基材である低膨張硝子基板であって、基板外周に沿って形成される側端面がエッチング処理されている反射型マスク用低膨張硝子基板を提供する。
さらに、本発明は上記低膨張硝子基板を用いて得られるEUVリソグラフィ用の反射型マスクを提供する。
本発明よれば、低膨張硝子基板の側面、面取部、およびノッチ部のいずれかが(1)鏡面になっている、(2)発塵防止用の保護膜で被覆されている、または(3)エッチング処理されている、ので、該側端面からの微小な硝子片の発生および異物の飛散を防止できる。これにより、基板表面に付着した異物が少なく、またマスク製造工程で異物が表面に付着することが少ない、EUVL用反射型マスクの基材に好適な低膨張硝子基板を得ることが可能となる。そして、該基板を基材とする反射型マスクによりウェハ上に微細な回路パターンを転写して高精細の集積回路を製造できる。
本発明において、低膨張硝子基板は集積回路の高集積化と高精細化に対応できるために、熱膨張係数が小さくかつ熱膨張係数のばらつきの小さいものほど好ましい。具体的には20℃における熱膨張係数が0±30ppb/℃、好ましくは0±10ppb/℃の低膨張硝子基板であり、特に20℃における熱膨張係数が0±10ppb/℃の超低膨張硝子基板または超低膨張結晶化硝子基板は好ましい。上記熱膨張係数の低膨張硝子基板であれば、半導体製造工程における温度変化に対しても充分に対応して高精細の回路パターンの転写を良好にできる。この低膨張硝子基板の基材として、例えば、TiO2を含有する合成石英硝子、ULE(登録商標:コーニングコード7972)、ZERODUR(独ショット社登録商標)などの低膨張硝子または低膨張結晶硝子が挙げられる。中でも、TiO2を含有する合成石英硝子は、超低膨張硝子として優れており、反射型マスクの基材として適している。低膨張硝子基板は、このような低膨張硝子もしくは超低膨張硝子、または低膨張結晶硝子から形成された板状体の上下両面を研磨してなり、その外周に沿って側端面を有している。低膨張硝子基板は、反射型マスクの形状とほぼ一致させて円形または四角形をなしている。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。実施例は本発明を理解しやすくするために例示するものであり、本発明は実施例に限定されない。図1は低膨張硝子基板1の端部の拡大断面を示し、図3は低膨張硝子基板1の斜視図を示す。低膨張硝子基板1の端部は、通常、図1に示す如く側面2、基板の角部を面取り加工して得られる面取部3、さらに図3に示す如く表裏面を判別するためのノッチ部5、面取部6を有している。したがって、本発明において低膨張硝子基板1の側端面は、該側面2、面取部3、ノッチ部5および面取部6を含んでいる。本発明の特徴の一つは低膨張硝子基板1の該側端面の少なくとも一部が鏡面に機械研磨されていることである。通常は側面2、面取部3、ノッチ部5、面取部6のすべてを機械研磨により鏡面にするが、硝子片や異物の発生防止効果が若干低下するのを許容すれば必要部分のみ鏡面にしてもよい。図1において面取部3の長さが面取り幅であり、該面取り幅および面取部3の形態は面取り加工装置の砥石の形状や作業条件により適宜決めることができる。さらに、低膨張硝子基板1の主表面(反射多層膜が形成される面とその裏面)と面取部3との界部の頂部、側面2と面取部3との界部の頂部、ノッチ部5と側面2との界面の頂部並びに面取部3、6が角張っているときには、必要に応じ該頂部を湾曲面にしたり、面取部3全体を湾曲面にすることもできる。低膨張硝子基板1の側端面は当然に該湾曲面を含んでいる。
本発明において前記鏡面の表面粗さRaは、0.05μm以下が好ましく、より好ましくは0.03μm以下である。さらに、前記鏡面の表面粗さRmaxは、0.05〜0.50μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.05〜0.20μmの範囲である。Raの下限は特に限定されないが、Raが小さいほど研磨負担が増大するとともに、Raが一定以下になると硝子片の発生防止効果にほとんど差異が生じなくなるので、Raの下限は通常は0.01μm以上である。低膨張硝子基板1の側端面を表面粗さRaおよびRmaxが上記範囲の鏡面にすることにより、該側端面からの硝子片の発生を防止し、さらに硝子片が発生する場合でもその発生量を減少させることができると共に異物の飛散を低減することができる。特に側面2と面取部3、6とノッチ部5が上記範囲の鏡面になっているときはその効果が大である。低膨張硝子基板1の主表面と面取部3との界部、側面2と面取部3、6との界部および面取部3、6、ノッチ部5と面取り部3、6が、前記したように湾曲面になっているときは、該湾曲面も側端面の一部として当然に鏡面に研磨される。また、側端面の側面2と面取部3は通常同じように研磨するため、両者のRaおよびRmaxは実質的に同じであるが、必ずしも同一でなくてもよい。
本発明において、低膨張硝子基板1の側端面を上記範囲の表面粗さの鏡面にするには、硝子板の研磨または面取り加工の技術として知られている研磨方法と研磨装置が使用できる。具体的には、例えば低膨張硝子基板1を面取りするための砥石(ダイヤモンド砥石等)と該砥石で面取りされた端面を研磨剤や研磨スラリー等を使用して鏡面研磨するための研磨ポリシャ等と、により機械研磨することにより得られる。そして、種類や粒径の異なる研磨剤や研磨スラリー等を適宜組み合わせたり、研磨ポリシャーの種類を変えることにより、低膨張硝子基板1の側端面を前記した表面粗さの範囲の鏡面に研磨できる。研磨ポリシャーとしては、硝子の仕上げもしくは艶出し研磨具として知られているバフや種々の研磨パッド等が使用可能である。また、研磨剤は、酸化セリウム、べんがら、酸化ジルコニウム、コロイダルシリカなどをスラリーにして用いる。
低膨張硝子基板1の側端面の研磨は、低膨張硝子基板1の主表面の研磨と関連させて行うのが好ましい。低膨張硝子基板1の主表面は、例えばインゴット等から切り出された板状体をラップ研磨した後に反射型マスクとして必要な硝子表面に研磨ポリシャーにより研磨される。側端面の研磨で発生する硝子片が、研磨された前記主表面に付着したり、主表面を傷つけたりしないように、側端面の鏡面研磨は主表面の仕上げ研磨前に行うのが好ましい。すなわち、最初に低膨張硝子基板1(正確には低膨張硝子基板用の基材)の側端部を例えばダイヤモンド砥石で荒研削して面取りし、ついで主表面をラップ研磨した後、面取りした側端面を鏡面研磨し、最後に主表面を研磨ポリシャーで仕上げ研磨する方法は、好ましい実施形態の一つである。しかし、これらの順序は、これに限定されないで変えることができる。また、面取り加工した低膨張硝子基板1の側端面の鏡面研磨は、通常、側面2と面取部3とを同時に研磨するが、別々に研磨してもよい。
図2は、本発明の他の実施形態を示す。本例は、図2に示すように低膨張硝子基板1の側端面を発塵防止用の保護膜4で被覆することを特徴とする。側端面からの硝子片等の発塵を防止するために、この保護膜4は本例のように低膨張硝子基板1の側面2と面取部3の両方に施し側端面全体を被覆するのが好ましい。この保護膜4は、低膨張硝子基板1の側端面に堅固に被着し、被着後において膜自体から反射型マスクに対し有害となるような不純物や異物を発生しない材料から形成される。通常は保護膜4として、例えば金属膜が最も好ましく使用できる。この金属として、クロム、金、銀、チタン、錫などが例示され、これらの金属または金属酸化物を単独または他の金属との合金として用いる。これらの中で、クロム、酸化クロムがコストや被膜のしやすさの点で好ましい。金属で保護膜4を形成する方法は特定されないで、例えばスパッタリング、蒸着または溶射等により形成できる。保護膜4の厚さは、好ましくは0.01〜0.20μm程度である。なお、保護膜4は金属膜以外の例えばSi、SiO2などであってもよい。
また、低膨張硝子基板1の側端面に保護膜4を形成する場合には、事前に該側端面を通常レベル程度(Ra:0.03〜0.05μm程度)もしくはそれ以上のレベルに機械研磨しておくのが好ましい。低膨張硝子基板1の側端面をこのように予め研磨し表面性状を整えておくことにより、保護膜4の被着が容易となり、かつ確実な被覆が得られる。
さらに、本発明の他の実施形態として、低膨張硝子基板1の側端面をエッチング処理する方法がある。この方法は、硝子片を発生しやすい角張った凹凸を有する低膨張硝子基板1の側端面をエッチング液で処理し、角張った凹凸特に凸部を化学的に取り除くものである。このエッチング処理は、硝子基板を溶解する薬液、例えばHFやHFと他の酸の混液、あるいはアルカリ等であれば初期の目的を果たすことができる。処理を行う工程は面取り加工以降であれば有効であるが、特には最終研磨前に実施すことが好ましい。
エッチング処理された低膨張硝子基板1の側端面は、硝子片を発生しやすい角張った凸部の尖がった先部が除かれるため、凹凸があっても滑らかな表面となる。その結果、エッチング処理された低膨張硝子基板1は、その後の取り扱い時、反射型マスクの製造時および集積回路の製造工程において、転写された回路に不具合をもたらす硝子片の発生が防止されるため、マスク表面に付着する異物が少なく、またマスク製造工程で異物が表面に付着することが少ない。
この側端面の処理を施すことにより、例えばマスク製造工程で基板温度が20℃以上上昇しても、側端面からの硝子片の飛散および側端面の付着異物の飛散を減少させることができる。これにより、側端面からの硝子片や異物の飛散を減少または防止させることができる。
この側端面の処理を施すことにより、例えばマスク製造工程で基板温度が20℃以上上昇しても、側端面からの硝子片の飛散および側端面の付着異物の飛散を減少させることができる。これにより、側端面からの硝子片や異物の飛散を減少または防止させることができる。
低膨張硝子基板の代表例として、火炎加水分解法で製造されたTiO2を含有する合成石英ガラスのインゴットを準備した。このTiO2を含有する合成石英は、熱膨張係数が20℃で5ppb/℃以下であり、EUVLには超低膨張硝子として好適な材料である。
このインゴットを内周刃スライサーを用いて縦153.0mm×横153.0mm×厚さ6.75mmの板状に切断し、40枚の合成石英ガラスの板材試料を作成した。次いで、これらを市販のNC面取り機で#120のダイアモンド砥石を用い、縦、横の外形寸法が152mmで面取り幅が0.2〜0.4mmになるよう面取り加工を実施した。
このインゴットを内周刃スライサーを用いて縦153.0mm×横153.0mm×厚さ6.75mmの板状に切断し、40枚の合成石英ガラスの板材試料を作成した。次いで、これらを市販のNC面取り機で#120のダイアモンド砥石を用い、縦、横の外形寸法が152mmで面取り幅が0.2〜0.4mmになるよう面取り加工を実施した。
次いで、この合成石英ガラスの板材(以下、「基材」とする)を、20B両面ラップ機(スピードファム社製)を使用し、研磨材として実質的にSiCからなるGC#400(フジミコーポレーション製商品名)を濾過水に18〜20質量%懸濁させたスラリーを用いて、厚さが6.63mmになるまでその主表面を研磨加工した。
さらに、別の20B両面ラップ機を使用し、研磨剤としてAl2O3が主成分のFO#1000(フジミコーポレーション製商品名)を18〜20質量%懸濁させたスラリーを用いて、厚さが6.51mmになるまで加工した。次いで、これらの基材をグループA、グループBの2グループ各20枚に区分した。
まず、グループAは比較用の従来工程品とし、側端面を面取り加工した基材をラップ後ポリシング工程に投入した。グループBは、ラップ後に研磨布としてベロア製の3910−0402(丸石産業製商品名)、研磨剤として酸化セリウムを主成分とするミレーク801A(三井金属社製商品名)を25〜30質量%懸濁させたスラリーを用いて、基材の外周に沿って側端面を約30μm研磨し鏡面を施した。このときの側端面の表面粗さを接触式表面粗さ計サーフコム1400D(東京精密製商品名)で計測したところ、グループAは平均値でRa0.035μm、Rmax0.085μm、グループBは平均値でRa0.021μm、Rmax0.045μmであった。この端面処理は、ブラシによる研磨方法を適用することも可能である。
この側端面の処理を施すことにより、基板温度が20℃以上上昇しても側端面からの硝子片や異物の飛散を減少させることができ、これにより側端面からの異物の飛散は、特にないことも確認した。
この側端面の処理を施すことにより、基板温度が20℃以上上昇しても側端面からの硝子片や異物の飛散を減少させることができ、これにより側端面からの異物の飛散は、特にないことも確認した。
次に、上記2グループの各基材について1次ポリシュとして、20B両面ポリシュ機を使用し、研磨布としてウレタン製のLP66(ローデス社製商品名)、研磨剤として酸化セリウムを主成分とするミレーク801A(三井金属社製商品名)を10〜12質量%懸濁させたスラリーを用いて両面で約50μm研磨した。
さらに、2グループの各基材を20B両面ポリシュ機を使用し、研磨布として発泡ウレタン製のシーガル7355(東レコーテックス社製商品名)を用いて両面で約10μm研磨(2次ポリシュ)した後、別の研磨機で最終研磨(3次ポリシュ)を行った。この最終研磨には、研磨剤としてコロイダルシリカ(コンポール20:フジミコーポレーション製商品名)、研磨布としてベラトリックスK7512(カネボウ製商品名)を使用した。
次いで、これらの各グループの基材について、第一槽目を硫酸と過酸化水素水の熱溶液、第三槽目を中性界面活性剤溶液とした多段式自動洗浄機で洗浄を実施した後、フォトマスク用表面欠点検査機M1350(レーザーテック社製)で、各基材の面(反射面)に存在する60nm以上の大きさの粒子(異物)を計測した。その結果を表1に示す。
なお、前記のAグループの基材を洗浄した後、その側端面にスパッタリングで酸化クロム膜を1000Å成膜した場合、および5質量%HF溶液に10分間浸漬した後、純水をかけ流した超音波洗浄槽ですすぎ処理を行った場合にも、異物の数量をBグループの基材と同程度に減少できる。
本発明は、低膨張硝子基板の側端面からの微小な硝子片の発生および側端面の異物の飛散を非常に少なくし硝子片や異物の飛散を防止できるので、基板表面に付着した硝子片や異物が少なく、またマスク製造工程で硝子片や異物が表面に付着することが少ない、EUVL用反射型マスクを得ることが可能となり、該反射型マスクによりウェハ上に微細な回路パターンを転写して高精細の集積回路を製造できる。
1:低膨張硝子基板
2:側面
3:面取部
4:保護膜
5:ノッチ部
6:面取部
2:側面
3:面取部
4:保護膜
5:ノッチ部
6:面取部
Claims (7)
- 半導体製造工程のリソグラフィ工程に使用される反射型マスクの基材である低膨張硝子基板であって、該低膨張硝子基板の外周に沿って形成される側面、面取部およびノッチ部のいずれかが鏡面であることを特徴とする反射型マスク用低膨張硝子基板。
- 前記低膨張硝子基板の外周に沿って形成される側面、面取部およびノッチ部のいずれかの表面粗さRaが0.05μm以下の鏡面である請求項1に記載の反射型マスク用低膨張硝子基板。
- 前記低膨張硝子基板の外周に沿って形成される側面、面取部およびノッチ部のいずれかの表面粗さRmaxが0.05〜0.50μmの範囲の鏡面である請求項1または2に記載の反射型マスク用低膨張硝子基板。
- 半導体製造工程のリソグラフィ工程に使用される反射型マスクの基材である低膨張硝子基板であって、該低膨張硝子基板の外周に沿って形成される側端面が発塵防止用の保護膜で被覆されていることを特徴とする反射型マスク用低膨張硝子基板。
- 半導体製造工程のリソグラフィ工程に使用される反射型マスクの基材である低膨張硝子基板であって、該低膨張硝子基板の外周に沿って形成される側端面がエッチング処理されていることを特徴とする反射型マスク用低膨張硝子基板。
- 低膨張硝子基板が、20℃における熱膨張係数が0±10ppb/℃の超低膨張硝子基板または超低膨張結晶化硝子基板である請求項1〜5のいずれかに記載の反射型マスク用低膨張硝子基板。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の反射型マスク用低膨張硝子基板を用いた反射型マスク。
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