JP2005321783A - 感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】a)2つのウレタン結合を有するアクリレートモノマ、b)少なくとも2つのエチレン系二重結合を有する、ウレタン系列の架橋性モノマ、c)セルロースフタレート系アルカリ可溶性化合物、d)光重合開始剤、及びe)溶剤を含む感光性樹脂組成物を利用する。
【選択図】 図1
Description
これまで用いられてきたPDPパターン形成用ドライフィルムレジストは、モノマーとしてアクリレート系が主に用いられてきた。しかし、このレジストでは、耐サンドブラスト性が不足して微細なパターン形成が難しいという問題があった。
これに対して、ウレタンアクリレート系オリゴマー又はモノマーを過量使用するドライフィルムレジストが提案されたが、アクリレート系を用いたドライフィルムレジストと比べて感度が低く、基板に対する接着力と解像度とに制約があり、依然として問題があった。
a)2つのウレタン結合を有するアクリレートモノマー1〜30重量%、
b)少なくとも2つのエチレン系二重結合を有するウレタン系の架橋性モノマー10〜60重量%、
c)アルカリ可溶性化合物5〜15重量%、
d)光重合開始剤0.5〜10重量%及び
e)残量の溶剤
を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物が提供される。
さらに、上述の感光性樹脂組成物を用いて基材表面に感光性樹脂膜を形成する工程を含むことを特徴とする基材表面へのパターン形成方法が提供される。
また、上述の感光性ドライフィルムレジストを用いて基材表面に感光性樹脂膜を密着させる工程を含むことを特徴とする基材表面へのパターン形成方法が提供される。
また、本発明の基材表面へのパターンの形成方法によれば、上述した観光性樹脂組成物を用いることによって、密着性、解像度、感度及び耐サンドブラスト性を有するマスク層を形成することができるため、より微細なパターンを精度よく形成することができる。
本発明に用いられる前記a)の2つのウレタン結合を有するアクリレートモノマーは、例えば、下記式(1)
で表わされる化合物が挙げられる。
このアクリレートモノマーは、2価の酸とエチレンオキサイドとを反応させ、分子鎖両末端に蓚酸基を含むオリゴマーを製造した後、この分子鎖両末端に蓚酸基を含むオリゴマーと、イソシアネート基を有するアクリレート単量体とを反応させて製造することができる。
また、前記分子鎖両末端に水酸基を含むオリゴマーと、イソシアネート基を有するアクリレート単量体との反応の際、Sn触媒を使用してもよい。さらに、60℃以上の温度で反応させることが好ましい。これにより、収率を向上させることができる。
前記アクリレートモノマーの平均分子量は、1,000〜10,000であることが好ましい。平均分子量がこの範囲内の場合、耐サンドブラスト性と現像特性との双方を満足させることができる。
本発明の前記b)架橋性モノマーとしては、例えば、ジイソシアネート化合物とジオール化合物とを反応させて得られた反応生成物に、ハイドロキシル基又はカルボキシル基を有する(メタ)アクリレート化合物を反応させて製造されるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが挙げられる。
ハイドロキシル基又はカルボキシル基を有する(メタ)アクリレート化合物は、ヒドロキシメチルメタクリレート、ヒドロキシメチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタアクリレート、3-ヒドロキシプロピルアクリレート、3-ヒドロキシプロピルメタクリレート、アクリル酸、メタアクリル酸又はフタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート等の化合物を単独又は2種以上混合して使用することができる。
本発明に用いられる前記c)のアルカリ可溶性化合物は、セルロースアセテートフタレート(cellulose acetate phthalate、CAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(hydroxy propyl methyl cellulose phthalate、HPMCP)又はエチルヒドロキシメチルセルロースフタレート(ethyl hydroxy ethyl cellulose phthalate、EHECP)等を用いることができる。
本発明に用いられる前記e)の溶剤は感光性樹脂組成物に残量として含まれ、溶解性又は、コーティング性を考慮して用いられる。
前記添加剤等は、通常、感光性樹脂組成物の0.1〜10重量%の範囲内で用いることができる。
具体的には、前記染料又は発色剤は、ロイコクリスタルバイオレット、トリブロモメチルフェニルスルホン、ダイアモンドグリーンGH,ロダマンB、オラミン塩基、パラマゼンタ、メチルオレンジ、メチレンブルー、クリスタルバイオレット、エチルバイオレット、フタルシアニングリーン、塩基性染料としてはシークブルー20又はナイトグリーンB等が用いられる。
さらに、本発明は前記感光性樹脂組成物を基材フィルムにコーティングし、乾燥させた感光性樹脂膜を含む感光性ドライフィルムレジストを提供する。
前記基材フィルムに感光性樹脂組成物をコーティングする方法及び乾燥する方法は、通常ドライフィルムレジストを製造時に使用するコーティング及び乾燥方法を使用できる。また、前記感光性樹脂膜の厚さは使用目的により適宜調節することができる。例えば、耐サンドブラスト性を確保するために、前記感光性樹脂膜の厚さは40μm以上が好ましい。
さらに、本発明の感光性ドライフィルムレジストは、図1に示した通り、感光性樹脂膜の保護のために、感光性樹脂膜2の上(基材フィルム1が配置していない側)にカバーフィルム3を追加して含めることができる。前記カバーフィルムは、感光性樹脂の保護、離型等のために形成されており、例えば、ポリエチレン(PE)フィルムが好ましい。
なお、基材表面を提供する基材としては特に限定されるものではなく、基板、絶縁層、導電層又はこれらの組み合わせ等、種々のものが挙げられる。例えば、PDP又はPDP用の基板であることが好ましい。
まず、隔壁材が印刷されたPDP素材に加熱ローラを利用して本発明の感光性ドライフィルムレジストをラミネーションする。この際、ラミネータを利用して感光性ドライフィルムレジストのカバーフィルムを剥がしながら、感光性ドライフィルムレジストの感光性樹脂膜を隔壁材の上にラミネーションさせることが好ましく、100〜130℃でラミネーションすることが好ましい。前記のようにラミネーション工程を経た基板は、回路パターンが形成されたホトマスクを利用して感光性樹脂膜に対して露光を行い、その後、未露光部分を除去する現像工程を行う。本発明では、前記現像はアルカリ現像液を用いるのが好ましく、通常、当該分野で用いられるアルカリ現像液を使用することができる。前記現像工程において、未露光部分の感光性樹脂膜は溶解除去され、硬化された感光性樹脂膜は隔壁材表面に残留する。その後、パターニングされた感光性樹脂膜を有する基板をサンドブラスト工程によりエッチングする。前記サンドブラスト工程で隔壁材の上に形成された感光性樹脂膜は、下にある隔壁材料が削られるのを防止する保護膜の役割をする。これにより、基板表面に隔壁パターンを形成することができる。その後、前記パターニングされた感光性樹脂膜を除去する剥離工程及び隔壁材を塑成する工程を経ると隔壁形成が完成する。
以下に、本発明の理解に供するために好ましい実施例を提示するが、以下の実施例は本発明を例示するのみであって、本発明の範囲が下記実施例に限定されるものではない。
(2つのウレタン結合を有するアクリレートモノマ製造)
表1に示した組成と含量で重合して式(1)で示される2つのウレタン結合を有するアクリレートモノマーを製造した。重合時に、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエテルアセテート(PGMEA)30重量%を使用し、触媒にはルイス酸とSnとを使用した。
表2に示した組成と含量とによって、上記で得られた2つのウレタン結合を有するアクリレートモノマー、ウレタン系の架橋性モノマー、アルカリ可溶性化合物、光重合開始剤、染料及び溶媒を混合した後、2時間常温で撹拌して、実施例1〜4及び比較例1〜3の感光性樹脂組成物を製造した。
得られた感光性樹脂組成物を500メッシュで濾過して不純物を除去し、最終感光性樹脂組成物を製造した。
得られた感光性ドライフィルムレジストを利用して、基板に対する接着力、解像度、耐サンドブラスト性及び剥離性を評価した。
表3に示したように、本発明の実施例1〜4で製造した感光性樹脂を利用したドライフィルムレジストでは、接着力が、比較例1又は2と比較して優れていることが確認できた。
ハ)剥離性 −MEA0.4%溶液を利用して55℃で40秒間、アルカリに対する剥離性を測定した。その結果を表4に示す。基準は、O:剥離特性良好、△:剥離特性普通(剥離後微量の有機物存在)、×:剥離特性悪い(剥離後過量の有機物存在)とした。
2、4 感光性樹脂膜
3 カバーフィルム
5 基板
Claims (13)
- a)2つのウレタン結合を有するアクリレートモノマー1〜30重量%、
b)少なくとも2つのエチレン系二重結合を有するウレタン系の架橋性モノマー10〜60重量%、
c)アルカリ可溶性化合物5〜15重量%、
d)光重合開始剤0.5〜10重量%及び
e)残量の溶剤
を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。 - 前記a)のアクリレートモノマーが、下記式(1)
で示される化合物である請求項1に記載の感光性樹脂組成物。 - 前記アクリレートモノマーの平均分子量が1,000〜10,000である請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記b)の架橋性モノマーが、ジイソシアネート化合物とジオール化合物との反応生成物に(メタ)アクリレート化合物を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーである請求項1〜3のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記架橋性モノマの平均分子量が1,000〜30,000である請求項1〜4のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記c)のアルカリ可溶性化合物がセルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート及びエチルヒドロキシエチルセルロースフタレートからなる群から選択される1種以上である請求項1〜5のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記d)光重合開始剤が、2,4-ビストリクロロメチル-6-p-メトキシスチル-s-トライジン、2-p-メトキシスチル-4,6-ビストリクロロメチル-s-トリアジン、2,4-トリクロロメチル-6-トリアジン、2,4-トリクロロメチル-4-メチルナフル-6-トリアジン、ベンゾフェノン、p-(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,2-ジクロロ-4-フェノキシアセトフェノン、 2,2’- ジエトキシアセトフェノン、 2,2’-ジブトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチルプロリオフェノン、p-t-ブチルトリクロロアセトフェノン、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2-メチルチオキサントン、2-イソブチルチオキサントン、2-ドデシルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン及び 2,2’- ビス-2-クロロフェニル-4,5,4’,5’-テトラフェニル-2’-1,2’- ビイミダゾル化合物からなる群から選択される1種以上である請求項1〜6のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記感光性樹脂組成物が染料、発色剤、重合抑制剤、界面活性剤又は可塑剤をさらに含む請求項1〜7のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1〜8のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物を基材フィルムにコーティングし、乾燥させることにより形成された感光性樹脂膜を含むことを特徴とする感光性ドライフィルムレジスト。
- 前記感光性樹脂膜の表面にさらにカバーフィルムが形成されてなる請求項9に記載の感光性ドライフィルムレジスト。
- 請求項1〜8のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物を用いて基材表面に感光性樹脂膜を形成する工程を含むことを特徴とする基材表面へのパターン形成方法。
- 請求項9又は10の感光性ドライフィルムレジストを用いて基材表面に感光性樹脂膜を密着させる工程を含むことを特徴とする基材表面へのパターン形成方法。
- 前記基材は、プラズマ表示パネルである請求項11又は12に記載の基材表面へのパターン形成方法。
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