JP2008233617A - サンドブラスト用感光性樹脂組成物及びその積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】密着性に優れ、リブ頂部欠損を低減し、サンドブラスト用のマスク材として被加工基材に微細なパターンを歩留まりよく加工できる感光性樹脂積層体、及びそれを用いたサンドブラスト表面加工方法を提供する。
【解決手段】(A)アルカリ可溶性高分子化合物:20〜80質量%、特定の(B)ウレタンプレポリマー:10〜70質量%、(C)少なくとも一つの末端エチレン性不飽和基を有する付加重合性モノマー:5〜60質量%、(D)光重合開始剤:0.01〜20質量%、(E)イミダゾールシラン:0.01重量%〜10重量%を含有することを特徴とするサンドブラスト用感光性樹脂組成物を用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は新規なサンドブラスト用感光性樹脂積層体に関し、更に詳しくはガラス、低融点ガラス、セラミック等の被加工基材、特にプラズマディスプレイパネルの背面板を作成する過程でサンドブラスト処理する際に用いられる感光性樹脂積層体、及びそれを用いたサンドブラスト表面加工方法に関する。
近年フォトリソグラフィー技術及びサンドブラスト技術の進歩に伴い、ガラスやセラミックを微細なパターンに加工することが可能になってきた。特に低融点ガラス等のガラス基材をサンドブラストで加工して、格子状やストライプ状、又はワッフル形状に隔壁を形成することが必要なプラズマディスプレイパネルの背面板(以下、単にパネルともいう。)の製造においては、画素ピッチの狭幅化に伴い、最近150μmピッチ以下のパターン形成が要求されるようになってきた。
このような微細な隔壁パターンを歩留り良く製造する為に、支持体となるフィルム上に感光性樹脂層を積層し、更に必要に応じ保護層を積層したサンドブラスト用感光性樹脂積層体が用いられている。
以下に、このサンドブラスト用感光性樹脂積層体を用いて、プラズマディスプレイパネルの背面板の隔壁を形成する方法を説明する。(I)感光性樹脂積層体の保護層がある場合にはこれを剥がしながら、ガラス基板(以下、基板と略記する場合もある。)上にホットロールラミネーターを用いて支持体に積層された感光性樹脂層を密着させるラミネート工程、(II)所望の微細パターンを有するフォトマスクを支持体上に密着させた状態で、或いは数十〜数百μm離した状態で、活性光線源を用いて露光を施す露光工程、(III)支持体を剥離した後アルカリ現像液を用いて感光性樹脂層の未露光部分を溶解除去し、微細な硬化レジストパターン(以下、レジストパターンと略記する場合もある。)を基板上に形成する現像工程、(IV)形成されたレジストパターン上からブラスト材を基板に吹き付け、基板を目的の深さに切削するサンドブラスト処理工程、(V)レジストパターンをアルカリ剥離液を用いて基板から除去する剥離工程、の各工程を経て、プラズマディスプレイパネルの背面板の隔壁を形成することができる。
最近、プラズマディスプレイパネルの需要が急速に拡大していることに伴い、パネルの生産性を向上させる為に、1枚の大型の基板に2〜3枚又はそれ以上のパネルを同時に一括製造し、その後で個々のパネルに切り分ける、いわゆるパネルの多面取りが進んでいる。現状、1m幅で1.5m長さ程度の大型の基板を使用し、42インチサイズのパネルを3面取りする場合もある。
このような大型の基板上に、上記のようなサンドブラスト用の感光性樹脂積層体を用いてレジストパターンを形成する場合に、現像工程において大きな課題がある。
ひとつ目の課題は、大型の基板の中央部と周辺部において、感光性樹脂層の未露光部分の現像液に対する溶解速度は中央部が遅く周辺部が速くなることである。すなわち、中央部のレジストパターンが正常に形成するような現像時間に設定してパネルを作成しようとすると、基板の周辺部においてはレジストパターンが正常に形成する現像時間より長い時間現像(過剰現像)されることになる。レジストパターンは現像される時間が長くなれば長くなるほど膨潤し、その膨潤によってレジストパターン内部に応力が発生し、レジストパターン自体を基材から引き剥がす力となって作用する為、密着性を確保するのが非常に困難になる。
またふたつ目の課題として、最近の世界的な環境に対する取り組みの中から鉛フリーの
材料に対する要望が強くなってきた。プラズマディスプレイパネルの背面板に好適に使用される低融点ガラスには通常鉛が含有されており、鉛フリーの低融点ガラスに転換するべく開発が進められている。鉛を含有させずに低融点を達成する一つの方法としては、アルカリガラスを鉛フリーの低融点ガラスの構成成分に加えることが知られている。
ところが、このようなアルカリ成分を多量に含む鉛フリーの低融点ガラス基板上に、従来の感光性樹脂積層体を用いてレジストパターンを形成する場合には、現像工程においてレジストパターンが基板に充分に密着せずに剥がれてしまう傾向がある(特許文献1参照)。特に、現像工程における現像時間や、その後につづく水洗時間が増大(過剰水洗)すると、その傾向がさらに顕著となる。
レジストパターンの密着性が低下する場合には、パネルの量産において、プロセスマージンが極めて狭くなり、生産性や生産歩留まりの点で好ましくない。従って、現像時間や水洗時間が過剰に行われた場合でも、レジストパターンが基材に正常に密着していることが求められている。
これら密着性の低下は、レジスト内に必須成分として含まれるポリウレタンモノマーの構造を選ぶことによって改善できることがわかっている(特許文献2)。しかし、この方法ではレジスト−無鉛リブ間の物理的密着力が強すぎて、サンドブラスト後にレジストを剥離する際にリブの表面までもが剥がれてしまう「リブ頂部欠損」が生じる。このリブ頂部欠損は最終製品であるリブに不良を生じさせるため歩留まり悪化に直接関与する非常に大きな問題である。密着性改善−リブ頂部欠損低減はトレードオフの関係であり、これを同時に解決する方法が強く望まれていた。
これまで、ガラス基材などのSnO含有基材に対する密着性改善剤としてシラン化合物が有効であることが広く知られている(特許文献3,4)。しかしここに記載されているエポキシシランやアミノシラン、クロロプロピルシランを用いた場合基材との密着性は改善されるものの、リブ頂部欠損を低減することは困難であった。また同じくシラン化合物であるイミダゾールシランを用いた報告例もあるが(特許文献5)、これらは銅など金属基材に対して使用されておりガラス基材に対する効果や耐サンドブラスト性等の性能は一切記載されておらず、これらの感光性樹脂組成物や感光性樹脂積層体を用いた場合でも、前述したプラズマディスプレイパネル大型化や鉛フリー化に伴う要望には十分に応えられていないのが現状である。
特開2002−326839号公報 特開2006−23369号公報 特開平10−198032号公報 特開平10−198031号公報 特開平10−186657号公報
本発明は、上記問題点を克服し、現像が過剰になされた場合であっても、レジストパターンの密着性に優れ、耐サンドブラスト密着性に優れ、かつリブ頂部欠損を低減することで、微細なパターンを歩留まりよく加工できる耐サンドブラスト性に優れた感光性樹脂組成物、及びこれを用いた感光性樹脂積層体、並びに該組成物又は該積層体を用いた表面加工方法を提供することを目的とするものである。
上記目的は、本発明の次の構成によって達成することができる。
1.(A)アルカリ可溶性高分子化合物:20〜80質量%、(B)ウレタンプレポリ
マー:10〜70質量%、(C)少なくとも一つの末端エチレン性不飽和基を有する付加重合性モノマー:5〜60質量%、(D)光重合開始剤:0.01〜20質量%を含有してなる感光性樹脂組成物であって、(B)ウレタンプレポリマーが、(a)末端に水酸基を有するポリマー又はモノマーと(b)ポリイソシアネートとの付加重合により得られるポリウレタンの末端イソシアネート基に対して(c)活性水素を有する官能基とエチレン性不飽和結合を分子内に共に有する化合物を反応させて得られるウレタンプレポリマーであり、かつ、更に(E)イミダゾールシラン:0.01重量%〜10重量%を含有することを特徴とするサンドブラスト用感光性樹脂組成物。
2.(E)イミダゾールシランが下記式(1)で示される化合物であることを特徴とする上記1.に記載のサンドブラスト用感光性樹脂組成物。
Figure 2008233617
(上記式中、Rは水素又は水酸基である。また、R、R及びRは、それぞれ独立に、メトキシ基、エトキシ基、メチル基、エチル基のいずれかである。)
3.(D)光重合開始剤がヘキサアリールビイミダゾールであることを特徴とする上記1.又は2.に記載のサンドブラスト用感光性樹脂組成物。
4.(C)少なくとも一つの末端エチレン性不飽和基を有する付加重合性モノマーが下記式(2)及び下記式(3)からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を含有することを特徴とする上記1.〜3.のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
Figure 2008233617
(式中、R及びRは、それぞれ独立にH又はCHである。また、A及びBは、それぞれ独立に炭素数が2〜4個のアルキレン基である。a1、a2、b1及びb2は0又は正の整数であり、a1、a2、b1およびb2の合計は、2〜40である。)
Figure 2008233617
(式中、R及びRは、それぞれ独立にH又はCHである。また、DおよびEは、それぞれ独立に炭素数が2〜4個のアルキレン基である。a3、a4、b3及びb4は0又は正の整数であり、a3、a4、b3及びb4の合計は、2〜40である。)
5.基材フィルムからなる支持体上に、上記1.〜4.のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を積層したサンドブラスト用感光性樹脂積層体。
6.被加工基材上に上記1.〜4.のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物、又は上記5.記載の感光性樹脂積層体を用いて感光性樹脂層を形成し、露光工程、現像工程によりレジストパターンを形成した後、サンドブラスト処理を行うことを特徴とする被加工基材の表面加工方法。
7.ガラス基材上に上記1.〜4.のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物、又は上記5.記載の感光性樹脂積層体を用いて感光性樹脂層を形成し、露光工程、現像工程によりレジストパターンを形成した後、サンドブラスト処理を行う工程を含むプラズマディスプレイパネルの背面板の製造方法。
本発明のサンドブラスト用感光性樹脂組成物、及びこれを用いた感光性樹脂積層体、並びに該組成物又は該積層体を用いた表面加工方法は、現像が過剰になされた場合であってもレジストパターンの密着性に優れ、耐サンドブラスト密着性に優れ、かつリブ頂部欠損を低減することで、サンドブラスト用のマスク材として微細なパターンを歩留まりよく加工できるという効果を有する。ガラス、低融点ガラス、セラミック等の被加工基材、プラズマディスプレイパネル基板等の特に大型の基板に適用する場合により顕著な効果を発揮する。
以下、本願発明について具体的に説明する。
本発明の感光性樹脂組成物に用いられる(A)アルカリ可溶性高分子化合物はカルボキシル基を含有する。カルボキシル基の量は、酸当量で100以上600以下が好ましく、より好ましくは250以上450以下である。酸当量とは、その中に1当量のアルカリ可溶性高分子化合物の質量を言う。
(A)アルカリ可溶性高分子化合物中のカルボキシル基は、感光性樹脂樹脂層にアルカリ水溶液に対する現像性や剥離性を与えるために必要である。現像耐性が向上し、解像度及び密着性が向上する点から100以上であり、現像性及び剥離性が向上する点から600以下である。酸当量の測定は、平沼産業(株)製平沼自動滴定装置(COM−555)を使用し、0.1mol/Lの水酸化ナトリウムを用いて電位差滴定法により行われる。
本発明に用いられる(A)アルカリ可溶性高分子化合物の重量平均分子量は、5,000以上500,000以下が好ましい。現像性が向上する点から500,000以下が好ましく、耐サンドブラスト性が向上し、感光性樹脂積層体をロール状に巻き取った場合にロール端面から感光性樹脂組成物が染み出す現象すなわちエッジフューズが抑制される点から5,000以上が好ましい。20,000以上300,000万以下であることがより好ましい。
分散度(分子量分布と呼ぶこともある)は下記式の重量平均分子量と数平均分子量の比で表される。
(分散度)=(重量平均分子量)/(数平均分子量)
重量平均分子量及び数平均分子量は、日本分光(株)製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(ポンプ:Gulliver、PU−1580型、カラム:昭和電工(株)製Shodex(登録商標)(KF−807、KF−806M、KF−806M、KF−802.5)4本直列、移動層溶媒:テトラヒドロフラン、ポリスチレン標準サンプル(昭和電工(株)製Shodex STANDARD SM−105)による検量線使用)によりポリスチレン換算として求められる。
本発明に用いられる(A)アルカリ可溶性高分子化合物は、後述する第一の単量体の少なくとも1種以上からなる共重合体であるか、該第一の単量体の少なくとも1種以上と後述する第二の単量体の少なくとも一種以上からなる共重合体であることが好ましい。
第一の単量体は、分子中にα,β−不飽和カルボキシル基を含有する単量体である。例えば、(メタ)アクリル酸、フマル酸、ケイ皮酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸無水物、及びマレイン酸半エステルがあげられる。中でも、特に(メタ)アクリル酸が好ましい。
ここで(メタ)アクリルとは、アクリル及び/又はメタクリルを示す。以下同じである。
第二の単量体は、非酸性で、分子中に重合性不飽和基を少なくとも一個有する単量体である。例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル等のビニルアルコールのエステル類、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、及び重合可能なスチレン誘導体が挙げられる。中でも、特にメチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、ベンジル(メタ)アクリレートが好ましい。
(A)アルカリ可溶性高分子化合物の含有量は、感光性樹脂組成物全体の20〜80質量%の範囲であり、好ましくは、30〜70質量%の範囲である。アルカリ現像性を維持するという観点から20質量%以上であり、また、露光によって形成されるレジストパターンがサンドブラスト耐性を十分に発揮するという観点から80質量%以下である。
(B)ポリウレタンプレポリマーは、(a)末端に水酸基を有するポリマー又はモノマーと(b)ポリイソシアネートの付加重合により得られるポリウレタンの末端イソシアネ
ート基に対して(c)活性水素を有する官能基とエチレン性不飽和結合を分子内に共に有する化合物を反応させて得られる。(B)ポリウレタンプレポリマーの重量平均分子量は2000〜40000のものが好ましく、より好ましくは5000〜30000である。サンドブラスト耐性を発揮するという観点から2000以上であり、また、現像性を維持するという観点から40000以下である。
(a)末端に水酸基を有するポリマー又はモノマーの具体例を以下に挙げる。末端に水酸基を有するポリマーとしては、ポリエステルポリオールやポリエーテルポリオールなどのポリオールや、末端水酸基を有する1、4−ポリブタジエン、水添又は非水添1、2−ポリブタジエン、ブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体が挙げられる。末端に水酸基を有するモノマーとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどのグリコール類や、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸などの分子内にカルボキシル基を有するジオール等が挙げられる。
(b)ポリイソシアネートとしては、トルイレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4、4’−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、o−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、α、α’−ジメチル−o−キシリレンジイソシアネート、α、α’−ジメチル−m−キシリレンジイソシアネート、α、α’−ジメチル−p−キシリレンジイソシアネート、α、α、α’−トリメチル−o−キシリレンジイソシアネート、α、α、α’−トリメチル−m−キシリレンジイソシアネート、α、α、α’−トリメチル−p−キシリレンジイソシアネート、α、α、α’、α’−テトラメチル−o−キシリレンジイソシアネート、α、α、α’、α’−テトラメチル−m−キシリレンジイソシアネート、α、α、α’、α’−テトラメチル−p−キシリレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネートなどが挙げられる。ジイソシアネート化合物の芳香環を水添化した化合物、例えばm−キシリレンジイソシアネートの水添化物(三井武田ケミカル製タケネート600)なども挙げられる。
(c)活性水素を有する官能基とエチレン性不飽和結合を分子内に共に有する化合物としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オリゴエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オリゴプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オリゴテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
本発明の組成物の(C)少なくとも一つの末端エチレン性不飽和基を有する付加重合性モノマーとしては、少なくとも1つの末端エチレン性不飽和基を有する公知の化合物を使用できる。
例えば、4−ノニルフェニルヘプタエチレングリコールジプロピレングリコールアクリレート、2−ヒドロキシー3−フェノキシプロピルアクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコールアクリレート、無水フタル酸と2−ヒドロキシプロピルアクリレートとの半エステル化合物とプロピレンオキシドとの反応物(日本触媒化学製、商品名OE−A 200)、4−ノルマルオクチルフェノキシペンタプロピレングリコールアクリレート、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、またポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリ
コールジ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)プロパンジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリ(メタ)アクリレート、ヘキサメチレンジイソシアネートとノナプロピレングリコールモノメタクリレートとのウレタン化物等のウレタン基を含有する多官能基(メタ)アクリレート、及びイソシアヌル酸エステル化合物の多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。
特に、(C)付加重合性モノマーとして、下記式(2)及び下記式(3)からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を含有することは、本発明の好ましい実施形態である。
Figure 2008233617
(式中、R及びRは、それぞれ独立にH又はCHである。また、A及びBは、それぞれ独立に炭素数が2〜4個のアルキレン基である。a1、a2、b1及びb2は0又は正の整数であり、a1、a2、b1およびb2の合計は、2〜40である。)
Figure 2008233617
(式中、R及びRは、それぞれ独立にH又はCHである。また、DおよびEは、それぞれ独立に炭素数が2〜4個のアルキレン基である。a3、a4、b3及びb4は0又は正の整数であり、a3、a4、b3及びb4の合計は、2〜40である。)
上記式(2)で表される化合物の具体例としては、2,2−ビス{(4−アクリロキシポリエチレンオキシ)シクロヘキシル}プロパン又は2,2−ビス{(4−メタクリロキシポリエチレンオキシ)シクロヘキシル}プロパンが挙げられる。該化合物が有するポリエチレンオキシ基は、モノエチレンオキシ基、ジエチレンオキシ基、トリエチレンオキシ基、テトラエチレンオキシ基、ペンタエチレンオキシ基、ヘキサエチレンオキシ基、ヘプタエチレンオキシ基、オクタエチレンオキシ基、ノナエチレンオキシ基、デカエチレンオキシ基、ウンデカエチレンオキシ基、ドデカエチレンオキシ基、トリデカエチレンオキシ基、テトラデカエチレンオキシ基、及びペンタデカエチレンオキシ基からなる群から選択されるいずれかの基である化合物が好ましい。また、2,2−ビス{(4−アクリロキシポリアルキレンオキシ)シクロヘキシル}プロパン又は2,2−ビス{(4−メタクリロキシポリアルキレンオキシ)シクロヘキシル}プロパンも挙げられる。該化合物が有するポリアルキレンオキシ基としては、エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基の混合物が挙げられ、オクタエチレンオキシ基とジプロピレンオキシ基のブロック構造の付加物又はランダム構造の付加物、及びテトラエチレンオキシ基とテトラプロピレンオキシ基のブロック構造の付加物又はランダム構造の付加物、ペンタデカエチレンオキシ基とジプロピレンオキシ基のブロック構造の付加物又はランダム構造の付加物が好ましい。式中、a1、a2、b1およびb2の合計は、2〜30がより好ましい。これらの中でも、2,2−ビス{(4−メタクリロキシペンタエチレンオキシ)シクロヘキシル}プロパンが最も好ましい。
上記式(3)で表される化合物の具体例としては、2,2−ビス{(4−アクリロキシポリエチレンオキシ)フェニル}プロパン又は2,2−ビス{(4−メタクリロキシポリエチレンオキシ)フェニル}プロパンが挙げられる。該化合物が有するポリエチレンオキシ基は、モノエチレンオキシ基、ジエチレンオキシ基、トリエチレンオキシ基、テトラエチレンオキシ基、ペンタエチレンオキシ基、ヘキサエチレンオキシ基、ヘプタエチレンオキシ基、オクタエチレンオキシ基、ノナエチレンオキシ基、デカエチレンオキシ基、ウンデカエチレンオキシ基、ドデカエチレンオキシ基、トリデカエチレンオキシ基、テトラデ
カエチレンオキシ基、及びペンタデカエチレンオキシ基からなる群から選択されるいずれかの基である化合物が好ましい。また、2,2−ビス{(4−アクリロキシポリアルキレンオキシ)フェニル}プロパン又は2,2−ビス{(4−メタクリロキシポリアルキレンオキシ)フェニル}プロパンが挙げられる。該化合物が有するポリアルキレンオキシ基としては、エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基の混合物が挙げられ、オクタエチレンオキシ基とジプロピレンオキシ基のブロック構造の付加物又はランダム構造の付加物、及びテトラエチレンオキシ基とテトラプロピレンオキシ基のブロック構造の付加物又はランダム構造の付加物、ペンタデカエチレンオキシ基とジプロピレンオキシ基のブロック構造の付加物又はランダム構造の付加物が好ましい。式中、a3、a4、b3及びb4は0又は正の整数であり、a3、a4、b3及びb4の合計は、2〜30が好ましい。これらの中でも、2,2−ビス{(4−メタクリロキシペンタエチレンオキシ)フェニル}プロパンが最も好ましい。
これらは、単独で使用しても、2種類以上併用しても構わない。
(c)付加重合性モノマーの量は、5〜60質量%の範囲であり、より好ましい範囲は10〜50質量%である。この量は、硬化不良、及び現像時間の遅延を抑えるという観点から5質量%以上であり、また、コールドフロー、及び硬化レジストの剥離遅延を抑えるという観点から60質量%以下である。
本発明の組成物における(D)光重合開始剤としては、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール、ベンジルジプロピルケタール、ベンジルジフェニルケタール、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、チオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−フルオロチオキサントン、4−フルオロチオキサントン、2−クロロチオキサントン、4−クロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン[ミヒラーズケトン]、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンなどの芳香族ケトン類、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体等のビイミダゾール化合物、9−フェニルアクリジン等のアクリジン類、α、α−ジメトキシ−α−モルホリノ−メチルチオフェニルアセトフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、フェニルグリシン、N−フェニルグリシンさらに1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−O−ベンゾイルオキシム、2,3−ジオキソ−3−フェニルプロピオン酸エチル−2−(O−ベンゾイルカルボニル)−オキシム等のオキシムエステル類、p−ジメチルアミノ安息香酸、p−ジエチルアミノ安息香酸及びp−ジイソプロピルアミノ安息香酸並びにこれらのアルコールとのエステル化物、p−ヒドロキシ安息香酸エステル、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールなどのトリアゾール類、テトラゾール類、N−フェニルグリシン、N−メチル−N−フェニルグリシン、N−エチル−N−フェニルグリシン等のN−フェニルグリシン類、および1−フェニル−3−スチリル−5−フェニル−ピラゾリン、1−(4−tert−ブチル−フェニル)−3−スチリル−5−フェニル−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−tert−ブチル−スチリル)−5−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリンなどのピラゾリン類が挙げられる。その中でも特に2−(o−クロロフェニル)−4、5−ジフェニルイミダゾリル二量体とミヒラーズケトン若しくは4,4’−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンの組み合わせが好ましい。
(D)光重合開始剤の含有量は感光性樹脂組成物全体に対して0.01質量%以上20質量%以下含まれることが好ましく、より好ましくは1質量%以上10質量%以下である。十分な感度を得る点から0.01質量%以上が好ましく、感光性樹脂層の基板との密着している側の部分を十分に硬化させる為に、20質量%以下であることが好ましい。
本発明の組成物における(E)イミダゾールシランは、イミダゾール化合物と3−グリシドキシプロピルシラン化合物とを80〜200℃で反応させることにより製造することができる。イミダゾール化合物としては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾールなどの2−アルキルイミダゾール、または2−エチル−4−メチルイミダゾールなどの2、4−ジアルキルイミダゾール等が挙げられる。
3−グリシドキシプロピルシラン化合物の例としては3−グリシドキシプロピルトリメチルシラン、3−グリシドキシプロピルトリエチルシランなどの−グリシドキシプロピルトリアルキルシラン化合物、または3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどの−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン化合物、または3−グリシドキシプロピルジメトキシメチルシラン、3−グリシドキシプロピルトリジエトキシメチルシランシランなどの3−グリシドキシプロピルジアルコキシアルキルシラン化合物、または3−グリシドキシプロピルトリエトキシジメチルシランなどの3−グリシドキシプロピルアルコキシジアルキルシラン化合物等が挙げられる。
中でも、下記式(1)で表されるイミダゾールシラン化合物が好ましい。
Figure 2008233617
(上記式中、Rは水素又は水酸基である。また、R、R及びRは、それぞれ独立に、メトキシ基、エトキシ基、メチル基、エチル基のいずれかである。)
上記式(1)の例としては、R=OH、R=R=R=OCHである化合物、R=OH、R=R=R=OCHCHである化合物(日鉱金属(株)製、IS−1000)、R=OH、R=R=R=CHである化合物、R=OH、R=R=R=CHCHである化合物、R=OH、R=R=OCHで、R=CHである化合物、R=OH、R=R=OCHCHで、R=CHである化合物(日鉱金属(株)製、IS−1000D)、R=OH、R=R=OCHCHで、R=OCHである化合物、R=H、R=R=R=OCHである化合物(日鉱金属(株)製、IM−1000)、R=H、R=R=R=OCHCHである化合物、R=H、R=R=R=CHである化合物、R=H、R=R=R=CHCHである化合物、R=H、R=R=OCHで、R=CHである化合物、R=H、R=R=OCHCHで、R=CHである化合物、R=H、R=R=OCHCHで、R=OCHである化合物、等が挙げられる。これらの中でも、R、R及びRのいずれかがメトキシ基又はエトキシ基である化合物が好ましく、更に好ましくは、R=OH、R=R=R=OCHである化合物とR=H、R=R=R=OCHである化合物とR=OH、R=R=OCHCHで、R=CHである化合物が好ましい。これらは、単独で使用しても、2種類以上併用しても構わない。
本発明の感光性樹脂組成物全体に対する(E)イミダゾールシランの含有量は、0.01〜10質量%の範囲であり、より好ましい範囲は0.05〜5質量%である。この量は、リブ頂部欠損の低減効果が充分に与えられるという観点から0.01質量%以上であり、また、保存安定性という観点から10質量%以下である。
感光性樹脂組成物の熱安定性、保存安定性を向上させる為に本発明の感光性樹脂組成物
にラジカル重合禁止剤を含有させることは好ましい。このようなラジカル重合禁止剤としては、例えばp−メトキシフェノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ナフチルアミン、t−ブチルカテコール、塩化第一銅、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)等が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物には染料、顔料等の着色物質が含有されていてもよい。このような着色物質としては、例えばフクシン、フタロシアニングリーン、オーラミン塩基、カルコキシドグリーンS、パラマジェンタ、クリスタルバイオレット、メチルオレンジ、ナイルブルー2B、ビクトリアブルー、マラカイトグリーン、ベイシックブルー20、及びダイヤモンドグリーン等が挙げられる。
また、本発明の感光性樹脂組成物に光照射により発色する発色系染料を含有させてもよい。このような発色系染料としては、ロイコ染料とハロゲン化合物の組み合わせが良く知られている。ロイコ染料としては、例えばトリス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン[ロイコクリスタルバイオレット]、及びトリス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン[ロイコマラカイトグリーン]等が挙げられる。一方ハロゲン化合物としては臭化アミル、臭化イソアミル、臭化イソブチレン、臭化エチレン、臭化ジフェニルメチル、臭化ベンザル、臭化メチレン、トリブロモメチルフェニルスルホン、四臭化炭素、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリクロロアセトアミド、ヨウ化アミル、ヨウ化イソブチル、1,1,1−トリクロロ−2,2−ビス(p−クロロフェニル)エタン、ヘキサクロロエタン等が挙げられる。
さらに本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じて可塑剤等の添加剤を含有させてもよい。このような添加剤としては、例えばジエチルフタレート等のフタル酸エステル類、o−トルエンスルホン酸アミド、p−トルエンスルホン酸アミド、クエン酸トリブチル、クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリ−n−プロピル、アセチルクエン酸トリ−n−ブチル、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールアルキルエーテル等が挙げられる。
本発明の支持体は、本発明の感光性樹脂層を支持する為のフィルムであり、活性光線を透過させる透明な基材フィルムからなるものが好ましい。このような基材フィルムとしては10μm 以上100μm 以下の厚みのポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂フィルムがあるが、通常適度な可とう性と強度を有するポリエチレンテレフタレート製の基材フィルムが好ましく用いられる。また、感光性樹脂層からの剥離性を向上させる為に、活性光線を透過させる透明な基材フィルムの片方の表面又は両方の表面に剥離剤を形成したものを用いることもできる。ここでいう剥離剤は、基材フィルムを感光性樹脂層から容易に剥離させる性能を有する化合物であり、公知のものを使用することができるが、シリコーンを含有する剥離剤やアルキッド樹脂などが挙げられる。
本発明の感光性樹脂積層体には必要に応じて保護層を積層する。感光性樹脂層との密着力において、感光性樹脂層と支持体との密着力よりも感光性樹脂層と保護層の密着力が充分小さいことがこの保護層に必要な特性であり、これにより保護層が容易に剥離できる。このようなフィルムとしては、例えばポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム等がある。
支持体、感光性樹脂層、及び保護層を順次積層して感光性樹脂積層体を作成する方法は、従来知られている方法で行うことができる。例えば感光性樹脂層に用いる感光性樹脂組成物を、これらを溶解する溶剤と混ぜ合わせ均一な溶液にしておき、まず支持体上にバーコーターやロールコーターを用いて塗布して乾燥することで、支持体上に感光性樹脂組成
物からなる感光性樹脂層を積層し、感光性樹脂積層体とする。均一な溶液とするために用いる溶剤としては、公知のものを用いることができ、例えば、メチルエチルケトン(MEK)に代表されるケトン類、並びにメタノール、エタノール、及びイソプロピルアルコールなどのアルコール類が挙げられる。感光性樹脂組成物の溶液の粘度が25℃で500〜4000mPa・secとなるように、溶剤を感光性樹脂組成物に添加調製することが好ましい。
感光性樹脂積層体は、必要により、感光性樹脂層上に更に保護層をラミネートして三層構造としてもよい。
次に、本発明の感光性樹脂積層体を用いて被加工基材上に微細なパターンを加工する方法の1例について説明する。感光性樹脂積層体の保護層を剥がしながら被加工基材上にホットロールラミネーターを用いて密着させるラミネート工程、所望の微細パターンを有するフォトマスクを支持体上に密着させ活性光線源を用いて露光を施す露光工程、支持体を剥離した後アルカリ現像液を用いて感光性樹脂層の未露光部分を溶解除去、微細なレジストパターンを被加工基材上に形成する現像工程、形成されたレジストパターン上から吹き付けられたブラスト材によって被加工基材を目的の深さに切削するサンドブラスト処理工程、レジストパターンをアルカリ剥離液によって被加工基材から除去する剥離工程を経て、被加工基材上に微細なパターンを加工することができる。
前記露光工程において用いられる活性光線源としては、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、紫外線蛍光灯、カーボンアーク灯、キセノンランプなどが挙げられる。
また、より微細なレジストパターンを得るためには平行光光源を用いるのがより好ましい。ゴミや異物の影響を極力少なくしたい場合には、フォトマスクを支持体上から数十〜数百μm浮かせた状態で露光(プロキシミティー露光)する場合もある。
さらに、マスクレス露光方法を用いることもできる。マスクレス露光はフォトマスクを使用せず基板上に直接描画装置によって露光する。光源としては波長350〜410nmの半導体レーザーや超高圧水銀灯などが用いられる。描画パターンはコンピューターによって制御され、この場合の露光量は、光源照度および基板の移動速度によって決定される。
前記現像工程において用いられるアルカリ現像液としては通常炭酸ナトリウム水溶液や界面活性剤水溶液等が用いられる。
前記サンドブラスト処理工程に用いるブラスト材は公知のものが用いられ、例えばSiC,SiO、Al、CaCO、ZrO、ガラス、ステンレス等の2〜100μm 程度の微粒子が用いられる。
前記剥離工程に用いる剥離液としては通常水酸化ナトリウムや水酸化カリウムの水溶液等が用いられる。なお、剥離工程の代わりに高温でレジストパターンを焼き飛ばす工程を設けることも可能である。
被加工基材としては、ガラス基材、ガラスリブペーストを塗布したガラス基材、セラミック基材、ステンレスなどの金属基材、シリコンウエハー、サファイアなど鉱石の加工、合成樹脂層などの有機基材などが挙げられる。
上述した微細なパターンを加工する方法の好適な応用例としては、低融点ガラス等のガラス基板を加工してプラズマディスプレイパネルの背面板を製造することがあげられる。
次に、実施例および参考例によって本発明を説明する。
(実施例1〜9)(比較例1〜3)
以下に、実施例1〜9及び比較例1〜3の評価用サンプルの作製方法並びに得られたサンプルについての評価方法及び評価結果について示す。
1.評価用サンプルの作製
実施例1〜9及び比較例1〜3における感光性樹脂積層体は次の様にして作製した。
<感光性樹脂積層体の作製>
表1に示す組成の感光性樹脂組成物をよく攪拌、混合し、感光性樹脂組成物の溶液を厚さ19μmのポリエチレンテレフタレートフィルムにバーコーターを用いて均一に塗布し、90℃の乾燥機中で4分間乾燥して40μm厚みの感光性樹脂層を形成した。次に、感光性樹脂層の表面上に30μm厚みのポリエチレンフィルムを張り合わせて感光性樹脂積層体を得た。
表1における略号で表わした感光性樹脂組成物調合液中の材料成分の名称を表2に示す。表1中のP−1及びU−1の質量部はメチルエチルケトンを含む値である。なお、比較例1は、本発明に用いられる(E)イミダゾールシラン成分を含まない組成物である。また、比較例2は、本発明に用いられるウレタンプレポリマー成分を含まない組成物である。
<被加工基材の準備>
被加工基材は3mm厚みのソーダガラス及び以下の方法で作成したガラスペースト塗工済みソーダガラスの2種類を用いた。3mm厚みのソーダガラス上に、プラズマディスプレイ用ガラスペースト(日本電気硝子(株)製 PLS−3553)をスクリーン印刷法を用いて、ガラスペーストの乾燥後の厚みが150μmとなるようにソーダガラス上に塗布、乾燥しガラスペースト塗工済みソーダガラスを作成した。
<ラミネート>
感光性樹脂積層体のポリエチレンフィルムを剥がしながら、被加工基材にホットロールラミネーター(旭化成エンジニアリング(株)製「AL−70」)により105℃でラミネートした。エア圧力は0.35MPaとし、ラミネート速度は1.0m/minとした。
<露光>
支持体越しに感光性樹脂層にフォトマスク無しあるいは評価に必要なフォトマスクを通して、超高圧水銀ランプ(オーク製作所製HMW−801)により200mJ/cmで露光した。
<現像>
支持体を剥離した後、30℃の0.4質量%の炭酸ナトリウム水溶液を最小現像時間の1.5倍の現像時間でスプレーし、感光性樹脂層の未露光部分を溶解除去した。
<サンドブラスト>
被加工基材上に形成されたレジストパターンに対し、Xハイパーブラスト装置HCH−3X7BBART−411M(不二製作所(株)製)を用いて、サンドブラスト加工を施した。研磨剤にS9#1200(不二製作所(株)製)を使用し、ホース内圧0.08MPa、ガン移動速度20m/min.、コンベア移動速度100mm/min.、研磨剤噴射量500g/min.とした。
2.評価方法
(1)最小現像時間
上記<露光>操作をし、支持体を剥離した後、30℃の0.4質量%炭酸ナトリウム水溶液をスプレーし、未露光の感光性樹脂層が溶解するのに要する時間を測定し、これを最小現像時間とした。
(2)レジストライン密着性
上記<露光>の際に、露光部と未露光部の幅が1:100の比率のラインパターンを有するフォトマスクを通して、露光・現像した。硬化レジストラインが正常に形成されている最小マスク幅をレジストライン密着性の値とした。この密着性により次の様にランク分
けした。
60μm以下:◎
60μmを越え100μm以下:○
100μmを越え150μm以下:△
150μmを越える:×
(3)耐サンドブラスト密着性
上記<露光>の際に、露光部と未露光部の幅が1:2の比率のラインパターンを有するフォトマスクを通して、露光・現像した。次いで、サンドブラスト加工を行い、硬化レジストラインが欠けたり剥がれたりせずに正常に形成されている最小マスク幅を耐サンドブラスト密着性の値とした。この耐サンドブラスト密着性により次の様にランク分けした。
100μm以下:○
100μmを越え150μm以下:△
150μmを越える:×
(4)リブ頂部欠損評価
上記<サンドブラスト>の後に、30℃の1.0質量%の水酸化ナトリウム水溶液をスプレーすることによりレジストを剥離し、露光部と未露光部の幅が1:2の比率のリブパターン部分を光学顕微鏡で観察することにより次の様にランク分けした。
リブ頂部に欠損が観察されない:○
リブ頂部に欠損が観察される :×
3.評価結果
実施例1〜9及び比較例1〜3の評価結果を表1に示す。
Figure 2008233617
Figure 2008233617
本発明は新規なサンドブラスト用感光性樹脂積層体に関し、更に詳しくはガラス、低融点ガラス、セラミック等の被加工基材、特にプラズマディスプレイパネルの背面板に適用する際に、密着性に優れ、リブ頂部欠損が少なく、サンドブラスト用のマスク材として被加工基材に微細なパターンを歩留まりよく加工できる感光性樹脂積層体、及びそれを用いたサンドブラスト表面加工方法として好適である。

Claims (7)

  1. (A)アルカリ可溶性高分子化合物:20〜80質量%、(B)ウレタンプレポリマー:10〜70質量%、(C)少なくとも一つの末端エチレン性不飽和基を有する付加重合性モノマー:5〜60質量%、(D)光重合開始剤:0.01〜20質量%を含有してなる感光性樹脂組成物であって、(B)ウレタンプレポリマーが、(a)末端に水酸基を有するポリマー又はモノマーと(b)ポリイソシアネートとの付加重合により得られるポリウレタンの末端イソシアネート基に対して(c)活性水素を有する官能基とエチレン性不飽和結合を分子内に共に有する化合物を反応させて得られるウレタンプレポリマーであり、かつ、更に(E)イミダゾールシラン:0.01重量%〜10重量%を含有することを特徴とするサンドブラスト用感光性樹脂組成物。
  2. (E)イミダゾールシランが下記式(1)で示される化合物であることを特徴とする請求項1に記載のサンドブラスト用感光性樹脂組成物。
    Figure 2008233617
    (上記式中、Rは水素又は水酸基である。また、R、R及びRは、それぞれ独立に、メトキシ基、エトキシ基、メチル基、エチル基のいずれかである。)
  3. (D)光重合開始剤がヘキサアリールビイミダゾールであることを特徴とする請求項1又は2に記載のサンドブラスト用感光性樹脂組成物。
  4. (C)少なくとも一つの末端エチレン性不飽和基を有する付加重合性モノマーが下記式(2)及び下記式(3)からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2008233617
    (式中、R及びRは、それぞれ独立にH又はCHである。また、A及びBは、それぞれ独立に炭素数が2〜4個のアルキレン基である。a1、a2、b1及びb2は0又は正の整数であり、a1、a2、b1およびb2の合計は、2〜40である。)
    Figure 2008233617
    (式中、R及びRは、それぞれ独立にH又はCHである。また、DおよびEは、それぞれ独立に炭素数が2〜4個のアルキレン基である。a3、a4、b3及びb4は0又は正の整数であり、a3、a4、b3及びb4の合計は、2〜40である。)
  5. 基材フィルムからなる支持体上に、請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を積層したサンドブラスト用感光性樹脂積層体。
  6. 被加工基材上に請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物、又は請求項5記載の感光性樹脂積層体を用いて感光性樹脂層を形成し、露光工程、現像工程によりレジストパターンを形成した後、サンドブラスト処理を行うことを特徴とする被加工基材の表面加工方法。
  7. ガラス基材上に請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物、又は請求項5記載の感光性樹脂積層体を用いて感光性樹脂層を形成し、露光工程、現像工程によりレジストパターンを形成した後、サンドブラスト処理を行う工程を含むプラズマディスプレイパネルの背面板の製造方法。
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