JP2020076945A - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明が解決しようとする課題は、小径スルーホール剥離残を低減することができるウェットラミネーション用感光性樹脂組成物、それを用いるレジストパターン形成方法又は導体パターンの製造方法を提供することである。【解決手段】ウェットラミネーション用感光性樹脂組成物が、51質量%以上のアルカリ可溶性高分子;及びエチレン性不飽和二重結合を有する化合物を含み、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物は、エチレンオキシド(EO)単位を有するモノマーを含み、かつEO単位を29モル以下含むモノマーに対するEO単位を30モル以上含むモノマーの質量割合が、37%以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、ウェットラミネーション用感光性樹脂組成物、それを用いるレジストパターン形成方法又は導体パターンの製造方法等に関する。
従来、プリント配線板は一般に、フォトリソグラフィー法によって製造されていた。フォトリソグラフィー法においては、先ず、銅張積層板、フレキシブル基板等の基板上に積層された感光性樹脂層に対し、パターン露光する。感光性樹脂層の露光部は、重合硬化(ネガ型の場合)又は現像液に対して可溶化(ポジ型の場合)する。次に、未露光部(ネガ型の場合)又は露光部(ポジ型の場合)を現像液で除去して、基板上にレジストパターンを形成する。更に、エッチング又はめっき処理を施して導体パターンを形成した後、硬化レジストパターン(以下、「レジストパターン」ともいう)を基板から剥離除去する。これらの工程を経ることによって、基板上に導体パターンが形成される。
エッチング又はめっき処理による導体パターンの形成プロセスは、2つに大別される。第一の方法は、レジストパターンによって覆われていない基板表面(例えば銅張積層板等の銅面)をエッチング除去した後、レジストパターン部分を現像液よりも強いアルカリ水溶液で除去する方法である。この場合、工程の簡便さから、貫通孔(スルーホール)を硬化膜で覆い、その後エッチングする方法(テンティング法)が多用されている。第二の方法は、基板表面に銅、半田、ニッケル又はスズ等のめっき処理を行った後、同様にレジストパターン部分の除去、さらに現れた基板表面をエッチングする方法(めっき法)である。いずれの場合もエッチングには塩化第二銅、塩化第二鉄、銅アンモニア錯体溶液等が用いられる。
一般に、フォトリソグラフィー法における感光性樹脂層の形成では、感光性樹脂組成物の溶液を基板に塗布して乾燥させる方法、又はドライフィルムレジスト(感光性樹脂組成物から成る感光性樹脂層が支持体上に積層された感光性樹脂積層体)の感光性樹脂層を基板に積層する方法のいずれかが使用される。また、フォトリソグラフィー法では、多種の外形(例えば、平面、凹凸、非平面、溝、予め形成されたライン/スペース等)を有する基板も使用されている。
基板とドライフィルムレジストから成る積層体の形成については、基板上にドライフィルムレジストをラミネートするときに、液体の非存在下でラミネートを行う方法(いわゆる「ドライラミネーション」)、基板とドライフィルムレジストの間に液体を適用して、基板とドライフィルムレジストの隙間を液体で埋める方法(いわゆる「ウェットラミネーション」)等が知られている。近年、ウェットラミネーションに適した感光性樹脂組成物、ドライフィルムレジスト又は積層体も提案されていた(特許文献1〜5)。
特開2017−120393号公報 特開2017−181646号公報 国際公開第2017/043544号 特開2011−048064号公報 特開平6−69631号公報
特許文献1では、基板に対するレジスト材料の追従性とエッチングプロセス後のショート不良抑制性を両立するという観点から、支持体と、支持体上に設けられた感光性樹脂層との積層体を用いたときに、ウェットラミネーション並びにその後の露光及び現像により得られるレジストパターンの解像度と、ドライラミネーション並びにその後の露光及び現像により得られるレジストパターンの解像度との差が5μm以下であることが記述されている。
特許文献2では、ドライフィルムレジストとして形成される前の感光性樹脂組成物の調合液の粘度安定性を高めるという観点から、感光性樹脂組成物中のアルカリ可溶性高分子とエチレン性不飽和付加重合性と光重合開始剤とp−トルエンスルホン酸アミドとアルキレンオキシド化合物の配合割合を調整することが提案されており、その感光性樹脂組成物から形成されたドライフィルムレジストのウェットラミネーションを含むレジスト又は導体パターンの形成方法が記述されている。
特許文献3及び4には、配線幅の縦横差が抑制されたレジスト材料の提供、現像分散性と微細パターンの密着性に優れる感光性材料の提供、レジストパターンのテント性と水残りショート不良抑制性の両立、レジストパターンの最小現像時間の延長、レジストパターンの耐溶剤性と貯蔵安定性の両立などの観点から複数の感光性樹脂組成物が提案されている。これらの感光性樹脂組成物は、アルカリ可溶性高分子及びエチレン性二重結合を有する化合物の種類又は組成について更に検討の余地があり得る。
特許文献5には、直径が約0.3mm〜約0.5mmのスルーホールを有する配線パターンの形成において、エッチング工程でスルーホール内へのエッチング液の滲み込みを防ぎ、スルーホールエッジ部の信頼性を得るという観点から、光重合開始剤としてベンゾフェノン類、フェニルグリシン類、フェニルイミダゾール類などを使用する感光性樹脂組成物が記述されている。
近年、プリント配線板の配線精度及び電子部品の相互接続精度が向上したことに伴って、配線層間をつなぐためのスルーホールの数が増加し、スルーホールも従来品よりも小径に、例えばスルーホール直径0.1mm程度になっていた。
しかしながら、特許文献1〜5のいずれにも、上記のような小径のスルーホールを有する基板を用いてウェットラミネーション、テンティング法及びレジスト剥離を行った後に、硬化レジストが剥離されずに小径スルーホール内に残る場合があることについて、未だ検討の余地があった。
上記の事情に鑑みて、本発明が解決しようとする課題は、小径(スルーホール直径0.1mm程度)のスルーホールを有する基板を用いてウェットラミネーション、フォトリソグラフィー及びレジスト剥離を行った後に、剥離されずに小径スルーホール内に残った硬化レジスト(以下「小径スルーホール剥離残」ともいう)を低減することができるウェットラミネーション用感光性樹脂組成物、それを用いるレジストパターン形成方法又は導体パターンの製造方法を提供することである。
本発明者は、以下の技術的手段によって上記課題を解決することができることを見出した。
[1]
(A)アルカリ可溶性高分子;及び
(B)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物;
を含有するウェットラミネーション用感光性樹脂組成物であって、
前記ウェットラミネーション用感光性樹脂組成物は、前記(A)アルカリ可溶性高分子を51質量%以上含有し、前記(B)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物は、エチレンオキシド(EO)単位を有するモノマーを含み、かつEO単位を29モル以下含むモノマーに対するEO単位を30モル以上含むモノマーの質量割合が、37%以下であるウェットラミネーション用感光性樹脂組成物。
[2]
前記(B)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物に対する(A)アルカリ可溶性高分子の質量比率が、1.25以上2.50以下である、項目1に記載のウェットラミネーション用感光性樹脂組成物。
[3]
前記ウェットラミネーション用感光性樹脂組成物に含まれる前記(A)アルカリ可溶性高分子の質量割合が60質量%以下である、項目1又は2に記載のウェットラミネーション用感光性樹脂組成物。
[4]
前記EO単位を29モル以下含むモノマーに対するEO単位を30モル以上含むモノマーの質量割合が、13%以上である、項目1〜3のいずれか1項に記載のウェットラミネーション用感光性樹脂組成物。
[5]
前記ウェットラミネーション用感光性樹脂組成物に含まれる前記(A)アルカリ可溶性高分子の質量割合が52質量%以上である、項目1〜4のいずれか1項に記載のウェットラミネーション用感光性樹脂組成物。
[6]
前記EO単位を有するモノマーが、
下記一般式(II):
{式中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、AはCであり、BはCであり、n、n、n及びnは、n+n+n+n=2〜50の関係を満たす整数であり、−(A−O)−及び−(B−O)−の繰り返し単位の配列は、ランダムであってもブロックであってもよく、ブロックの場合、−(A−O)−と−(B−O)−とのいずれがビスフェニル基側でもよい。}
で表されるアルキレンオキシド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート化合物;
下記一般式(III):
{式中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、Xは、それぞれ独立に、炭素数2〜6のアルキレン基を表し、少なくとも1つのXの炭素数は2であり、m、m及びmは、それぞれ独立に、0〜40の整数であり、m+m+mは、1〜40であり、そしてm+m+mが2以上である場合には、複数のXは、互いに同一であるか、又は異なっていてよい}
で表されるトリ(メタ)アクリレート化合物;及び
下記一般式(V):
{式中、Rは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、かつnは、0〜30の整数であり、かつ全てのnの合計値が1以上である。}
で表されるヘキサ(メタ)アクリレート化合物;
から成る群から選ばれる少なくとも2種の化合物である、項目1〜5のいずれか1項に記載のウェットラミネーション用感光性樹脂組成物。
[7]
前記一般式(V)において、全てのnの合計値が、180以下である、項目6に記載のウェットラミネーション用感光性樹脂組成物。
[8]
前記(A)アルカリ可溶性高分子又は前記(B)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物が、ヒドロキシ基を含む、項目1〜7のいずれか1項に記載のウェットラミネーション用感光性樹脂組成物。
[9]
(C)光重合開始剤をさらに含む、項目1〜8のいずれか1項に記載のウェットラミネーション用感光性樹脂組成物。
[10]
前記(C)光重合開始剤は、アクリジン誘導体、アントラセン誘導体、及びピラゾリン誘導体から成る群から選択される少なくとも1つを含む、項目9に記載のウェットラミネーション用感光性樹脂組成物。
[11]
支持体と、該支持体上に積層された項目1〜10のいずれか1項に記載のウェットラミネーション用感光性樹脂組成物から成る感光性樹脂層とを有する、感光性樹脂積層体。
[12]
項目11に記載の感光性樹脂積層体を用いて、液体の存在下で基板の上に感光性樹脂層を形成するウェットラミネーション工程、
該感光性樹脂層を露光する露光工程、及び
該露光後の感光性樹脂層を現像液で現像することによってレジストパターンを形成する現像工程
を順に含む、レジストパターン形成方法。
[13]
項目11に記載の感光性樹脂積層体を用いて、金属板又は金属皮膜絶縁板である基板の上に液体の存在下で感光性樹脂層を形成するウェットラミネーション工程、
該感光性樹脂層を露光する露光工程、
該露光後の感光性樹脂層を現像液で現像することによってレジストパターンを形成する現像工程、及び
該レジストパターンが形成された基板をエッチング又はめっきする導体パターン形成工程
を順に含む、導体パターンの製造方法。
[14]
前記基板が、直径1mm以下のスルーホールを有する、項目13に記載の導体パターンの製造方法。
本発明によれば、ウェットラミネーションを含むフォトリソグラフィーにおいて、解像性の高いレジストパターンの形成が可能であり、かつ小径スルーホール剥離残を低減することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
<感光性樹脂組成物>
本発明の一態様は、感光性樹脂組成物であり、液体の存在下で基板とレジスト材料を積層するウェットラミネーションに使用されることができる。本発明の一実施形態では、感光性樹脂組成物が、(A)アルカリ可溶性高分子;及び(B)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物を含有する。所望により、感光性樹脂組成物は、(C)光重合開始剤、各種の添加剤、例えば、変色剤、染料、エポキシ化合物、可塑剤、酸化防止剤、有機ハロゲン化合物、及び安定化剤などをさらに含んでよい。
感光性樹脂組成物は、フォトマスクを使用する露光、又はフォトマスクを使用せず直接描画装置を使用する露光(ダイレクトイメージング露光)、及び現像による、レジスト材料の形成、例えばドライフィルムレジストなどの形成に使用されることができる。感光性樹脂組成物の構成要素について以下に説明する。
(A)アルカリ可溶性高分子
(A)アルカリ可溶性高分子は、アルカリ可溶性の観点から、カルボキシル基を含有することが好ましく、小径スルーホール剥離残を低減するという観点から、ヒドロキシ基を含むことが好ましい。(A)アルカリ可溶性高分子は、典型的には、カルボキシル基含有単量体を共重合成分として含む、カルボキシル基含有量が酸当量で100〜600、かつ重量平均分子量が5,000〜500,000の熱可塑性共重合体である。
(A)アルカリ可溶性高分子中のカルボキシル基は、感光性樹脂組成物がアルカリ水溶液から成る現像液及び剥離液に対して現像性及び剥離性を有するために必要である。酸当量は、100〜600が好ましく、より好ましくは250〜450である。溶媒又は感光性樹脂組成物中の他の成分、特に後述する(b)付加重合性モノマーとの相溶性を確保するという観点から100以上が好ましく、また、現像性及び剥離性を維持するという観点から600以下であることが好ましい。ここで、酸当量とは、その中に1当量のカルボキシル基を有する熱可塑性共重合体の質量(グラム)をいう。なお、酸当量の測定は、タイトレーター(例えば平沼レポーティングタイトレーター(COM−555))を用い、0.1mol/LのNaOH水溶液で電位差滴定法により行われる。
熱可塑性共重合体の重量平均分子量は、5,000〜500,000であることが好ましい。ドライフィルムレジストの厚みを均一に維持し、現像液に対する耐性を得るという観点から5,000以上が好ましく、また、現像性を維持するという観点から500,000以下が好ましい。より好ましくは、上記重量平均分子量は、20,000〜100,000である。なお、重量平均分子量の測定条件は、下記実施例において詳述される。
熱可塑性共重合体は、後述する第一の単量体の1種以上と後述する第二の単量体の1種以上とから成る共重合成分を共重合させて得られることが好ましい。
第一の単量体は、分子中にカルボキシル基を含有する単量体である。第一の単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、フマル酸、ケイ皮酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸無水物、及びマレイン酸半エステルが挙げられる。中でも、特に(メタ)アクリル酸が好ましい。ここで、(メタ)アクリルとはアクリル又はメタクリルを示す。以下同様である。
第二の単量体は、非酸性で、分子中に重合性不飽和基を少なくとも1個有する単量体である。第二の単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル等のビニルアルコールのエステル類、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、及び重合可能なスチレン誘導体が挙げられる。中でも、特にメチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、スチレン、及びベンジル(メタ)アクリレート、が好ましい。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物中に含有される(A)アルカリ可溶性高分子の量(但し、感光性樹脂組成物固形分総量に対してである。以下、特別に規定される場合以外は、含有各成分において同じ。)は、51質量%以上である。(A)アルカリ可溶性高分子の量が51質量%以上であると、感光性樹脂組成物は、ウェットラミネーションプロセスに用いられたときに小径スルーホール剥離残渣を低減することができ、かつ/又はアルカリ現像性を維持することができる傾向にある。(A)アルカリ可溶性高分子の量は、タック性が高く、かつ低密度ポリエチレン(LDPE)又はポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが剥がれ難くなるという観点から、60質量%以下であることが好ましく、より好ましくは、52質量%以上であり、さらに好ましくは、53質量%〜59質量%である。
(B)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物
(B)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物は、その構造中にエチレン性不飽和二重を有することによって重合性を有することができる。エチレン性不飽和結合は、付加重合性の観点から、末端エチレン性不飽和基であることが好ましい。
本発明の一実施形態に係る感光性樹脂組成物中の(B)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物に対する(A)アルカリ可溶性高分子の質量比率は、1.25以上2.50以下であることが好ましい。(B)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物に対する(A)アルカリ可溶性高分子の質量比率が1.25以上2.50以下であると、感光性樹脂組成物は、ウェットラミネーションプロセスに用いられたときに小径スルーホール剥離残渣を低減することができ、かつ/又はレジストパターンの解像性を維持することができる。(B)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物に対する(A)アルカリ可溶性高分子の質量比率は、1.25〜2.20であることがより好ましく、さらに好ましくは、1.25〜1.90である。
本発明の一実施形態に係る(B)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物は、エチレンオキシド(EO)単位を有するモノマーを含む。感光性樹脂組成物において、(A)アルカリ可溶性高分子とEO単位を有するモノマーを併用すると、ウェットラミネーションを含むフォトリソグラフィーにおいて、小径スルーホール剥離残を低減し易い傾向にある。EO単位を有するモノマーは、エチレン性不飽和二重結合を有し、かつ少なくとも1つのエチレンオキシドを有する限り、任意のモノマーでよい。EO単位を有するモノマー中のEOの合計モル数は、例えば、2〜60、3〜58、4〜56などであり、また複数のEO単位の配列は、ランダム又はブロックであることができる。
本発明の一実施形態では、(B2)エチレンオキシド(EO)単位を29モル以下含むモノマーに対する(B1)エチレンオキシド(EO)単位を30モル以上含むモノマーの質量割合が、37%以下である。理論に拘束されることを望まないが、ウェットラミネーション用感光性樹脂組成物中に51質量%以上の(A)アルカリ可溶性高分子を存在させ、(B)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物に対する(A)アルカリ可溶性高分子の重量比率を1.25以上2.50以下の範囲内に調整し、かつ比較的長鎖のEO単位を有するモノマー量を抑制することによって、すなわち、(B2)モノマーに対する(B1)モノマーの質量割合(=100×感光性樹脂組成物中の(B1)モノマー質量/感光性樹脂組成物中の(B2)モノマー質量)が37%以下であると、その感光性樹脂組成物で形成された感光性樹脂層がウェットラミネーションに適することが考えられるだけでなく、その後のレジスト剥離工程において小径スルーホール剥離残を低減し易くなることも考えられる。同様の観点から、(B2)モノマーに対する(B1)モノマーの質量割合は、好ましくは0%以上35%以下、より好ましくは1%以上33モル%以下、よりさらに好ましくは5%以上33%以下である。また、(B2)モノマーに対する(B1)モノマーの質量割合は、タック性が高く、かつ低密度ポリエチレン(LDPE)又はポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが剥がれ難くなるという観点から、好ましくは13%以上、より好ましくは16%以上である。
(B1)エチレンオキシド(EO)単位を30モル以上有するモノマーは、その構造中に、少なくとも1つのエチレン性不飽和二重結合と、30モル以上のEO単位とを有する限り、任意のモノマーでよく、EO以外のアルキレンオキシド単位、例えば、プロピレンオキシド(PO)単位を含むことができる。重合性とフォトリソグラフィー性のバランスを取るという観点から、(B1)モノマー中のEO単位は、50モル以下、45モル以下又は40モル以下であることが好ましい。
(B2)エチレンオキシド(EO)単位を29モル以下有するモノマーは、その構造中に、少なくとも1つのエチレン性不飽和二重結合と、0モル以上29モル以下のEO単位を有する限り、任意のモノマーでよく、EO単位の有無を問わず、EO以外のアルキレンオキシド単位、例えば、プロピレンオキシド(PO)単位を含むことができる。
(B)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物は、小径スルーホール剥離残渣を低減するという観点から、ヒドロキシ基を含むことが好ましい。ヒドロキシ基は、(B1)モノマーと(B2)モノマーの一方又は両方に存在してよい。同様の観点から、(A)アルカリ可溶性高分子と(B)エチレン性不飽和二重結合の両方が、ヒドロキシ基を含むことも好ましい。
(B)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物は、下記(b)〜(b):
(b)下記一般式(I):
{式中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、かつmは、2〜40を満たす数である。}
で表されるエチレングリコールジ(メタ)アクリレート化合物;
(b)下記一般式(II):
{式中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、AはCであり、BはCであり、n、n、n及びnは、n+n+n+n=2〜50の関係を満たす整数であり、−(A−O)−及び−(B−O)−の繰り返し単位の配列は、ランダムであってもブロックであってもよく、ブロックの場合、−(A−O)−と−(B−O)−とのいずれがビスフェニル基側でもよい。}
で表されるアルキレンオキシド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート化合物;
(b)下記一般式(III):
{式中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、Xは、炭素数2〜6のアルキレン基を表し、m、m及びmは、それぞれ独立に、0〜40の整数であり、m+m+mは、1〜40であり、そしてm+m+mが2以上である場合には、複数のXは、互いに同一であるか、又は異なっていてよい}
で表されるトリ(メタ)アクリレート化合物;
(b)下記一般式(IV):
{式中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、Yは、炭素数2〜6のアルキレン基を表し、Zは、2価の有機基を表し、かつs及びtは、それぞれ独立に、0〜40の整数であり、かつs+t≧1である}
で表されるウレタンジ(メタ)アクリレート化合物;
(b)下記一般式(V):
{式中、Rは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、かつnは、0〜30の整数であり、かつ全てのnの合計値が1以上である。}
で表されるヘキサ(メタ)アクリレート化合物;
(b)下記一般式(VI):
{式中、Aは、Cを表し、R61は、水素原子又はメチル基を表し、R62は、水素原子、メチル基又はハロゲン化メチル基を表し、R63は、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子又は水酸基を表し、aは、1〜4の整数であり、kは0〜4の整数であり、そしてkが2以上の整数である場合には、複数のR63は同一であっても異なっていてもよい}
で表されるo−フタレート化合物;
(b)下記式(VII):
{式中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。}
で表されるエポキシ(メタ)アクリレート化合物;及び
(b)上記(b)〜(b)以外の付加重合性モノマー;
から成る群から選択される少なくとも1つを含んでよい。
上記で説明された(b)〜(b)成分及び(b)成分は、(B1)モノマーと(B2)モノマーの一方又は両方を形成することができる。上記で説明された(b)及び(b)成分は、(B2)モノマーを形成することができる。また、レジストパターンの解像性を高め、かつ小径スルーホール剥離残を低減するという観点から、EO単位を有するモノマーは、(b)成分、(b)成分及び(b)成分から成る群から選択される少なくとも2種の化合物を含むことが好ましい。
(B)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物は、レジストパターンの剥離時間及び剥離片のサイズを調整するという観点から、(b)一般式(I)で表されるエチレングリコールジ(メタ)アクリレート化合物を含むことが好ましい。
一般式(I)において、mは、剥離時間及び剥離片サイズの観点から2以上であることが好ましく、エッチングプロセス後のショート不良抑制性の観点から20以上であることが好ましく、解像性、耐めっき性及び耐エッチング性の観点から40以下であることが好ましい。ウェットラミネーションを含むフォトリソグラフィーにおいて小径スルーホール剥離残を低減するという観点から、mは、(b)成分が(B1)モノマーを形成する場合には、30〜40であることが好ましく、(b)成分が(B2)モノマーを形成する場合には、2〜29であることが好ましく、4〜20であることがより好ましい。
一般式(I)で表されるエチレングリコールジ(メタ)アクリレート化合物の具体例としては、m=4のテトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、m=9のノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、m=14のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、m=23のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、m=30のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、又はm=40のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートが好ましい。
(B)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物は、エッチングプロセス後のショートを抑制するという観点から、(b)一般式(II)で表されるアルキレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート化合物を含むことが好ましい。一般式(II)中のBは、−CHCHCH−又は−CH(CH)CH−でよい。
一般式(II)中の芳香環上の水素原子は、ヘテロ原子及び/又は置換基で置換されていてよい。ヘテロ原子としては、例えば、ハロゲン原子等が挙げられ、そして置換基としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、フェナシル基、アミノ基、炭素数1〜10のアルキルアミノ基、炭素数2〜20のジアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボニル基、メルカプト基、炭素数1〜10のアルキルメルカプト基、アリール基、水酸基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基、カルボキシル基、アルキル基の炭素数が1〜10のカルボキシアルキル基、アルキル基の炭素数が1〜10のアシル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜10のアルキルカルボニル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のN−アルキルカルバモイル基若しくは複素環を含む基、又はこれらの置換基で置換されたアリール基等が挙げられる。これらの置換基は縮合環を形成しているか、又はこれらの置換基中の水素原子がハロゲン原子等のヘテロ原子に置換されていてもよい。一般式(II)中の芳香環が複数の置換基を有する場合には、複数の置換基は同一であるか、又は異なっていてよい。
一般式(II)中のR及びRは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基でよいが、感光性樹脂組成物から成る感光性樹脂層の露光直後にコントラストを確保するという観点から、RとRの一方又は双方が水素原子であることが好ましく、RとRの双方が水素原子であることがより好ましい。
(b)一般式(II)で表されるアルキレンオキシド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート化合物には、エッチングショート不良抑制の観点から、20モル以上のアルキレンオキシドが付加されていることが好ましい。より詳細には、一般式(II)において、n、n、n及びnは、好ましくはn+n+n+n=4〜50の関係を満たし、より好ましくはn+n+n+n=10〜50の関係を満たし、さらに好ましくはn+n+n+n=20〜50の関係を満たし、よりさらに好ましくはn+n+n+n=30〜50の関係を満たす。
一般式(II)において、n+nは、ウェットラミネーションを含むフォトリソグラフィーにおいて小径スルーホール剥離残を低減するという観点から、(b)成分が(B1)モノマーを形成する場合には、30〜50又は30〜40であることが好ましく、(b)成分が(B2)モノマーを形成する場合には、2〜29であることが好ましく、20〜29であることがより好ましい。
(b)一般式(II)で表されるアルキレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート化合物の好ましい具体例としては、ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均1モルのエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均2モルのエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均2モルのエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均5モルのエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリレート(例えば、ジメタクリレートの場合には、日立化成工業社から入手可能な製品名「FA−321」などであることができる)、ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均7モルのエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均6モルのエチレンオキサイドと平均2モルのプロピレンオキサイドを付加したポリアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均15モルのエチレンオキサイドを付加したポリアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均15モルのエチレンオキサイドと平均2モルのプロピレンオキサイドを付加したポリアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(B)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物は、解像性の観点から、(b)一般式(III)で表されるトリ(メタ)アクリレート化合物を含むことが好ましい。一般式(III)中のXは、炭素数2〜6のアルキレン基であり、例えば、−CHCH−、−CHCHCH−、−CH(CH)CH−等でよい。上記で説明されたEO単位を有するモノマーとして(b)成分を使用するときには、一般式(III)中の少なくとも1つのXの炭素数は2である。
(b)一般式(III)で表されるトリ(メタ)アクリレート化合物の好ましい具体例としては、エチレンオキサイド(EO)変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(EO平均付加モル数:2〜40、3〜35、3〜20、又は30〜35)、プロピレンオキサイド(PO)変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(PO平均付加モル数:10〜40)等が挙げられる。EO平均付加モル数が3であるEO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートは、例えば、新中村化学社から入手可能な製品名「A−TMPT−3EO」などであることができる。
(B)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物は、解像性の観点から、(b)一般式(IV)で表されるウレタンジ(メタ)アクリレート化合物を含むことが好ましい。
一般式(IV)において、Zは、2価の有機基を表し、例えば、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数2〜10のアルキレンオキサイド基、置換基を有していてもよい炭素数3〜10の2価の脂環式基等でよい。一般式(IV)において、Yは、炭素数2〜6のアルキレン基を表し、例えば、−CHCH−、−CHCHCH−、−CH(CH)CH−等でよい。
テント性の観点から、一般式(IV)中の−(Y−O)−部分及び−(Y−O)−部分は、それぞれ独立に、−(CO)−(CO)−で置換されていることが好ましい。エッチングプロセス後のショートを抑制するという観点から、一般式(IV)においてs+t=20〜40が好ましい。
(b)一般式(IV)で表されるウレタンジ(メタ)アクリレート化合物の好ましい具体例としては、β位に水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーとイソホロンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート及び1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物との付加反応物、トリス((メタ)アクリロキシテトラエチレングリコールイソシアネート)ヘキサメチレンイソシアヌレート、EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート並びにEO,PO変性ウレタンジ(メタ)アクリレートが挙げられる。なお、EOはエチレンオキサイドを示し、EO変性された化合物はエチレンオキサイド基のブロック構造を有する。また、POはプロピレンオキサイドを示し、PO変性された化合物はプロピレンオキサイド基のブロック構造を有する。EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレートとしては、例えば、新中村化学工業株式会社製、商品名「UA−11」等が挙げられる。また、EO,PO変性ウレタンジ(メタ)アクリレートとしては、例えば、新中村化学工業株式会社製、商品名「UA−13」等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
(B)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物は、解像性の観点から、(b)一般式(V)で表されるヘキサ(メタ)アクリレート化合物を含むことが好ましい。
解像性をさらに向上させるために、一般式(V)において、全てのnの平均値が6以上であるか、又はnがそれぞれ1以上であることが好ましい。一般式(V)中のnの合計値については、ウェットラミネーションを含むフォトリソグラフィーにおいて小径スルーホール剥離残を低減するという観点から、(b)成分が上記EO単位を有するモノマーである場合には、180以下であることが好ましく、(b)成分が(B1)モノマーを形成する場合には、30〜180であることが好ましく、30〜36であることがより好ましく、(b)成分が(B2)モノマーを形成する場合には、1〜29であることが好ましく、6〜29であることがより好ましい。
(b)一般式(V)で表されるヘキサ(メタ)アクリレート化合物の好ましい具体例としては、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールの6つの末端に合計1〜36モルのエチレンオキサイドが付加されたヘキサ(メタ)アクリレート、及びジペンタエリスリトールの6つの末端に合計1〜10モルのε-カプロラクトンが付加されたヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。
(B)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物は、解像性の観点から、(b)一般式(VI)で表されるo−フタレート化合物を含むことができる。一般式(VI)で表されるo−フタレート化合物としては、例えば、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシエチル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、及びβ−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート等が挙げられる。これらの中でも、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレートが好ましい。これらは1種を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
(B)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物は、ウェットラミネーションを含むフォトリソグラフィーにおいて小径スルーホール剥離残を低減するという観点から、(b)一般式(VII)で表されるエポキシ(メタ)アクリレート化合物を含むことが好ましく、(b)成分と、後述される(b)成分としてのトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートとを併用することがより好ましい。理論に拘束されることを望まないが、(b)成分の一般式(VII)において、重合性末端以外の箇所に存在するヒドロキシ基が、小径スルーホール剥離残の低減に寄与することが考えられる。
(b)成分と後述される(b)成分としてのトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートとの混合比については、(b)成分)の質量/トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートの質量=50〜80/50〜20であることが好ましく、より好ましくは55〜75/45〜25であり、さらに好ましくは60/40である。
(B)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物は、(b)成分として、(b)〜(b)成分以外の付加重合性モノマーを含んでよい。
(b)成分としては、(b)、(b)及び(b)成分以外のジ(メタ)アクリレート、例えば、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
さらに、(b)成分としては、以下の:
(b)成分以外のトリ(メタ)アクリレート、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等;
テトラ(メタ)アクリレート、例えば、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(ポリ)アルコキシテトラ(メタ)アクリレート等;
ペンタ(メタ)アクリレート、例えば、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等;
多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物;及び
グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物;
が挙げられる。
解像性及びエッチング後のショート不良抑制性の観点から、感光性樹脂組成物中の全ての(B)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物の総量は、好ましくは1質量%〜49質量%、より好ましくは、1質量%〜44質量%、2質量%〜47質量%又は2質量%〜42質量%、さらに好ましくは4質量%〜39質量%、特に好ましくは20質量%〜35質量%又は30質量%〜34質量%の範囲内である。
(C)光重合開始剤
(C)光重合開始剤としては感光性樹脂の分野で一般的に用いられる光重合開始剤を使用できる。感光性樹脂組成物中の(C)光重合開始剤の量は、0.1質量%〜20質量%である。この量は、感度の観点から0.1質量%以上であり、解像度の観点から20質量%以下である。好ましい含有量は、0.1質量%〜15質量%であり、0.9質量%〜10質量%がより好ましい。(C)光重合開始剤としては、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上組み合わせて用いてもよい。
本発明の一実施形態では、(C)光重合開始剤は、アクリジン誘導体、アントラセン誘導体、及びピラゾリン誘導体から成る群から選択される少なくとも1つであることが好ましい。アクリジン誘導体、アントラセン誘導体、及びピラゾリン誘導体から成る群から選択される少なくとも1つを用いることで感光性組成物の紫外線に対する高い感度を達成することができ、かつ、ウェットラミネーションプロセスに用いられたときに小径スルーホール剥離残渣を低減することができる。このような観点から、(C)光重合開始剤の中でも、アクリジン誘導体がより好ましい。(C)光重合開始剤は、アクリジン誘導体、アントラセン誘導体及びピラゾリン誘導体の任意の組み合わせを含むことができ、これらの誘導体と他の光重合開始剤とを併用することもできる。
アクリジン誘導体の例としては、9−フェニルアクリジン、1,6−ビス(9−アクリジニル)ヘキサン、1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタン、1,8−ビス(9−アクリジニル)オクタン、1,9−ビス(9−アクリジニル)ノナン、1,10−ビス(9−アクリジニル)デカン、1,11−ビス(9−アクリジニル)ウンデカン、1,12−ビス(9−アクリジニル)ドデカン等が挙げられ、中でも9−フェニルアクリジンが好ましい。
感度及び/又は解像性の改良と小径スルーホール剥離残渣の低減の観点から、上記アクリジン誘導体とN−アリールアミノ酸を併用することが好ましい。N−アリールアミノ酸の例としては、N−フェニルグリシン、N−メチル−N−フェニルグリシン、N−エチル−N−フェニルグリシン等が挙げられ、中でもN−フェニルグリシンが好ましい。
本明細書では、用語「アントラセン誘導体」は、アントラセン及びそれから誘導される化合物の両方を含むものである。アントラセン誘導体としては、例えば、アントラセン、9,10−ジアルコキシアントラセン、9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、2−エチルアントラキノン、オクタエチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノンなどが挙げられる。
ピラゾリン誘導体としては、例えば、1−フェニル−3−(4−tert−ブチル−スチリル)−5−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−(4−(ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニル)−3−(4−tert−ブチル−スチリル)−5−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−ビフェニル)−5−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−ビフェニル)−5−(4−tert−オクチル−フェニル)−ピラゾリン等が挙げられる。
本実施形態で使用可能な(C)光重合開始剤として、上記の誘導体とヘキサアリールビスイミダゾール誘導体(以下、トリアリールイミダゾリル誘導体の二量体、又はトリアリールイミダゾリル二量体ともいう)とを併用することもできる。トリアリールイミダゾリル二量体としては、例えば、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体(以下、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,1’−ビスイミダゾール、ともいう)、2,2’,5−トリス−(o−クロロフェニル)−4−(3,4−ジメトキシフェニル)−4’,5’−ジフェニルイミダゾリル二量体、2,4−ビス−(o−クロロフェニル)−5−(3,4−ジメトキシフェニル)−ジフェニルイミダゾリル二量体、2,4,5−トリス−(o−クロロフェニル)−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(o−クロロフェニル)−ビス−4,5−(3,4−ジメトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2−フルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,3−ジフルオロメチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,5−ジフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,6−ジフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,3,4−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,3,5−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,3,6−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,4,5−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、及び2,2’−ビス−(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体が挙げられる。特に、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体は解像性及び硬化膜の強度に対して高い効果を有する光重合開始剤であり、好ましく用いられる。
上記以外で(C)光重合開始剤として使用できる化合物としては、例えば、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノン、及び3−クロロ−2−メチルアントラキノン等のキノン類、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン[4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン]、及び4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等の芳香族ケトン類、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、メチルベンゾイン、及びエチルベンゾイン等のベンゾインエーテル類、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン類とアルキルアミノ安息香酸との組み合わせ、並びに1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−O−ベンゾインオキシム、及び1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム等のオキシムエステル類が挙げられる。
なお、上述のチオキサントン類とアルキルアミノ安息香酸との組み合わせとしては、例えばエチルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸エチルとの組み合わせ、2−クロルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸エチルとの組み合わせ、及びイソプロピルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸エチルとの組み合わせが挙げられる。また、ヘキサアリールビスイミダゾール誘導体と芳香族ケトン類との組み合わせが好ましい。
その他の成分
感光性樹脂組成物は、上記で説明された(A)アルカリ可溶性高分子、(B)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物及び(C)光重合開始剤に加えて、各種の添加剤、例えば、変色剤、染料、可塑剤、酸化防止剤、有機ハロゲン化合物、及び安定化剤などをさらに含んでよい。
変色剤
変色剤としては、ロイコ染料及びフルオラン染料が挙げられる。ロイコ染料としては、例えばロイコクリスタルバイオレット、ロイコマラカイトグリーン等が挙げられる。感光性樹脂組成物中の変色剤の含有量としては、良好な着色性(すなわち発色性)が認識できるようにする観点から0.01質量%以上が好ましく、色相安定性の観点及び良好な画像特性を得る観点から5質量%以下が好ましい。
染料
染料としては、例えば、ベイシックグリーン1[CAS:633−03−4](例えば、Aizen Diamond Green GH、商品名、保土谷化学工業製)、マラカイトグリーンしゅう酸塩[2437−29−8](例えばAizen Malachite Green、商品名、保土谷化学工業製)、ブリリアントグリーン[633−03−4]、フクシン[632−99−5]、メチルバイオレット[603−47−4]、メチルバイオレット2B[8004−87−3]、クリスタルバイオレット[548−62−9]、メチルグリーン[82−94−0]、ビクトリアブルーB[2580−56−5]、ベイシックブルー7[2390−60−5](例えば、Aizen Victoria Pure Blue BOH、商品名、保土谷化学工業製)、ローダミンB[81−88−9]、ローダミン6G[989−38−8]、ベイシックイエロー2[2465−27−2]等が挙げられ、中でもベイシックグリーン1、マラカイトグリーンしゅう酸塩、及びベイシックブルー7が好ましい。
感光性樹脂組成物中の染料の量は、好ましくは0.001質量%〜0.3質量%の範囲内であり、より好ましくは0.01質量%〜0.12質量%の範囲内である。染料の量は、良好な着色性が認識できるようにする観点から0.001質量%以上であることが好ましく、感度維持の観点から0.3質量%以下であることが好ましい。
可塑剤
可塑剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンモノメチルエーテル、ポリオキシプロピレンモノメチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノメチルエーテル、ポリオキシエチレンモノエチルエーテル、ポリオキシプロピレンモノエチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノエチルエーテル等のグリコール・エステル類、ジエチルフタレート等のフタル酸エステル類、o−トルエンスルホン酸アミド及びp−トルエンスルホン酸アミド等のスルホンアミド類、クエン酸トリブチル、クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリ−n−プロピル、及びアセチルクエン酸トリ−n−ブチルが挙げられる。中でも、スルホンアミド類が好ましい。
感光性樹脂組成物中の可塑剤の量は、好ましくは0.1質量%〜50質量%であり、より好ましくは1質量%〜20質量%、さらに好ましくは3質量%〜10質量%である。可塑剤の量は、粘度安定性を確保し、現像時間の遅延を抑え、かつ硬化膜に柔軟性又は剥離性を付与するという観点から0.1質量%以上であることが好ましく、また、硬化不足及びコールドフローを抑えるという観点から50質量%以下であることが好ましい。
エポキシ化合物
本実施形態で使用されるエポキシ化合物は、分子内にエポキシ基を有し、かつ上記で説明された成分とは異なる化合物である。エポキシ化合物によるラジカルの捕捉作用によって、感光性樹脂組成物の調合液の粘度安定性が得られる傾向にある。好ましいエポキシ化合物は、分子内にグリシジル基を2つ含み、かつ下記一般式(VIII):
[式中:
Xは、酸素原子、又は式−O−X−O−(式中、Xは、炭素数1〜100の直鎖又は分岐のアルキレン基、炭素数3〜10の脂環式アルキレン基、及び炭素数5〜20のアリーレン基から成る群から選ばれる少なくとも1つの炭化水素基を含有する2価の基であり、該炭化水素基はハロゲン原子、酸素原子、及び窒素原子から成る群から選ばれる少なくとも1つの原子で置換されていてもよい)で表される基であり;
Yは、下記一般式(IX):
(式中、Xは、上記式−O−X−O−について定義された通りである)で表される2価の基であり;かつ
、R及びRは、各々独立に、炭素数2〜10の直鎖又は分岐のアルキレン基であり、かつ複数存在する場合のR、R及びRは、それぞれ同一でも異なっていてもよく、異なる場合、−(R−O)−、−(R−O)−及び−(R−O)−の繰り返し単位の配列はブロックでもランダムでもよく;
n、m及びkは、各々独立に、0〜50の整数であり、かつm+n+kは、0〜50の整数であり;かつ
lは、0〜10の整数である。]
で表される。
一般式(VIII)中のXは、酸素原子、又は、上記式−O−X−O−で表されるような、両末端が酸素原子で置換された炭化水素鎖である。上記式−O−X−O−におけるXは、溶解性の観点から、炭素数1〜100の直鎖又は分岐のアルキレン基、炭素数3〜10の脂環式アルキレン基、及び炭素数5〜20のアリーレン基から成る群から選ばれる少なくとも1つの炭化水素基を含有する2価の基である。一般式(I)中のXとしては、解像度の観点から、酸素原子、ビスフェノールAの水酸基から水素を除いた2価の基(以下「ビスフェノールA型基」ともいう。)、及び水添ビスフェノールAの水酸基から水素を除いた2価の基(以下「水添ビスフェノールA型基」ともいう。)が特に好ましく、ビスフェノールA型基が最も好ましい。
一般式(VIII)中のXがビスフェノールA型基であるエポキシ化合物は、具体的には下記一般式(X):
[式中:
、R及びRは、各々独立に、炭素数2〜10の直鎖又は分岐のアルキレン基であり、かつ複数存在する場合のR、R及びRは、それぞれ同一でも異なっていてもよく、異なる場合、−(R−O)−、−(R−O)−及び−(R−O)−の繰り返し単位の配列はブロックでもランダムでもよく;
は、下記一般式(XI):
で表される2価の基であり;
n、m及びkは、各々独立に、0〜50の整数であり、かつm+n+kは0〜50の整数であり;かつ
lは、0〜10の整数である。]
で表される。
一般式(VIII)中のR、R及びRは、各々独立に、炭素数2〜10の直鎖又は分岐のアルキレン基であり、複数存在する場合のR及びRはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、異なる場合、−(R−O)−、−(R−O)−及び−(R−O)−の繰り返し単位の配列はブロックでもランダムでもよい。
上記R、R及びRとしては、感光性樹脂組成物の調合液粘度安定性の観点から、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、ネオペンチル基、及びヘキサメチレン基が特に好ましい。
感光性樹脂組成物の調合液粘度安定性から、一般式(VIII)又は(X)中のn、m及びkは、各々独立に、0〜50の整数であり、かつm+n+kは0〜50の整数である。m+n+kは、0〜20の整数であることが好ましく、0〜10の整数であることがさらに好ましい。
感光性樹脂組成物の調合液粘度安定性から、一般式(VIII)又は(X)中のlは、0〜10の整数である。lは、0〜5の整数であることが好ましく、0〜3又は1〜3の整数であることがさらに好ましい。
エポキシ化合物の好ましい例としては、Xが酸素原子の場合、エチレングリコールジグリシジルエーテル(例えば共栄社化学(株)製エポライト40E)、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル(例えば共栄社化学(株)製エポライト100E)、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、テトラエチレングリコールジグリシジルエーテル(例えば共栄社化学(株)製エポライト200E)、ペンタエチレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサエチレングリコールジグリシジルエーテル、ヘプタエチレングリコールジグリシジルエーテル、オクタエチレングリコールジグリシジルエーテル、ノナエチレングリコールジグリシジルエーテル(例えば共栄社化学(株)製エポライト400E)、デカエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル(例えば共栄社化学(株)製エポライト70P)、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル(例えば共栄社化学(株)製エポライト200P)、テトラプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ペンタプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ヘプタプロピレングリコールジグリシジルエーテル(例えば共栄社化学(株)製エポライト400P)、オクタプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ノナプロピレングリコールジグリシジルエーテル、デカプロピレングリコールジグリシジルエーテル、
テトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ジテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、トリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、テトラテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ペンタテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ヘプタテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、オクタテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ノナテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールとプロピレングリコールとをそれぞれ1モル及び2モルずつ含有するジグリシジルエーテル、エチレングリコールとプロピレングリコールとをそれぞれ1モル及び3モルずつ含有するジグリシジルエーテル、エチレングリコールとプロピレングリコールとをそれぞれ1モル及び4モルずつ含有するジグリシジルエーテル、エチレングリコールとプロピレングリコールとをそれぞれ1モル及び5モルずつ含有するジグリシジルエーテル、エチレングリコールとプロピレングリコールとをそれぞれ1モル及び9モルずつ含有するジグリシジルエーテル、エチレングリコールとプロピレングリコールとをそれぞれ2モル及び1モルずつ含有するジグリシジルエーテル、エチレングリコールとプロピレングリコールとをそれぞれ2モル及び2モルずつ含有するジグリシジルエーテル、エチレングリコールとプロピレングリコールとをそれぞれ2モル及び3モルずつ含有するジグリシジルエーテル、エチレングリコールとプロピレングリコールとをそれぞれ2モル及び4モルずつ含有するジグリシジルエーテル、エチレングリコールとプロピレングリコールとをそれぞれ2モル及び5モルずつ含有するジグリシジルエーテル、エチレングリコールとプロピレングリコールとをそれぞれ2モル及び8モルずつ含有するジグリシジルエーテル、
エチレングリコールとプロピレングリコールとをそれぞれ3モル及び1モルずつ含有するジグリシジルエーテル、エチレングリコールとプロピレングリコールとをそれぞれ3モル及び2モルずつ含有するジグリシジルエーテル、エチレングリコールとプロピレングリコールとをそれぞれ3モル及び3モルずつ含有するジグリシジルエーテル、エチレングリコールとプロピレングリコールとをそれぞれ3モル及び4モルずつ含有するジグリシジルエーテル、エチレングリコールとプロピレングリコールとをそれぞれ3モル及び5モルずつ含有するジグリシジルエーテル、エチレングリコールとプロピレングリコールとをそれぞれ3モル及び7モルずつ含有するジグリシジルエーテル、エチレングリコールとプロピレングリコールとをそれぞれ5モル及び1モルずつ含有するジグリシジルエーテル、エチレングリコールとプロピレングリコールとをそれぞれ5モル及び2モルずつ含有するジグリシジルエーテル、エチレングリコールとプロピレングリコールとをそれぞれ5モル及び3モルずつ含有するジグリシジルエーテル、エチレングリコールとプロピレングリコールとをそれぞれ5モル及び4モルずつ含有するジグリシジルエーテル、エチレングリコールとプロピレングリコールとをそれぞれ5モル及び5モルずつ含有するジグリシジルエーテル、
エチレングリコールとプロピレングリコールとをそれぞれ6モル及び1モルずつ含有するジグリシジルエーテル、エチレングリコールとプロピレングリコールとをそれぞれ6モル及び2モルずつ含有するジグリシジルエーテル、エチレングリコールとプロピレングリコールとをそれぞれ6モル及び3モルずつ含有するジグリシジルエーテル、エチレングリコールとプロピレングリコールとをそれぞれ6モル及び4モルずつ含有するジグリシジルエーテル、エチレングリコールとプロピレングリコールとをそれぞれ7モル及び1モルずつ含有するジグリシジルエーテル、エチレングリコールとプロピレングリコールとをそれぞれ7モル及び2モルずつ含有するジグリシジルエーテル、エチレングリコールとプロピレングリコールとをそれぞれ7モル及び3モルずつ含有するジグリシジルエーテル、エチレングリコールとプロピレングリコールとをそれぞれ8モル及び1モルずつ含有するジグリシジルエーテル、エチレングリコールとプロピレングリコールとをそれぞれ8モル及び2モルずつ含有するジグリシジルエーテル、エチレングリコールとプロピレングリコールとをそれぞれ9モル及び1モルずつ含有するジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(例えば共栄社化学(株)製エポライト1500NP)、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(例えば共栄社化学(株)製エポライト1600)等が挙げられる。
また、XがビスフェノールA型基である場合、エポキシ化合物の好ましい例としては、ビスフェノールA−ジグリシジルエーテル;ビスフェノールAが2モル、かつグリシジルエーテル3モルずつ付加した化合物;ビスフェノールAが3モル、かつグリシジルエーテル4モルずつ付加した化合物;ビスフェノールAが4モル、かつグリシジルエーテル5モルずつ付加した化合物;ビスフェノールAが5モル、かつグリシジルエーテル6モルずつ付加した化合物;ビスフェノールA−プロピレンオキシド2モル付加物ジグリシジルエーテル(例えば共栄社化学(株)製エポライト3002);ビスフェノールA−プロピレンオキシド4モル付加物ジグリシジルエーテル;ビスフェノールA−プロピレンオキシド6モル付加物ジグリシジルエーテル;ビスフェノールA−プロピレンオキシド8モル付加物ジグリシジルエーテル;ビスフェノールA−プロピレンオキシド10モル付加物ジグリシジルエーテル;ビスフェノールA−エチレンオキシド2モル付加物ジグリシジルエーテル;ビスフェノールA−エチレンオキシド4モル付加物ジグリシジルエーテル;ビスフェノールA−エチレンオキシド6モル付加物ジグリシジルエーテル;ビスフェノールA−エチレンオキシド8モル付加物ジグリシジルエーテル;ビスフェノールA−エチレンオキシド 10モル付加物ジグリシジルエーテル等が挙げられる。
Xが水添ビスフェノールA型基である場合、エポキシ化合物の好ましい例としては、水添ビスフェノールA−ジグリシジルエーテル(例えば共栄社化学(株)製エポライト4000);水添ビスフェノールAが2モルかつグリシジルエーテル3モルずつ付加した化合物;水添ビスフェノールAが3モルかつグリシジルエーテル4モルずつ付加した化合物;水添ビスフェノールAが4モル、かつグリシジルエーテル5モルずつ付加した化合物;水添ビスフェノールAが5モルかつグリシジルエーテル6モルずつ付加した化合物;水添ビスフェノールA−エチレンオキシド2モル付加物ジグリシジルエーテル;水添ビスフェノールA−エチレンオキシド4モル付加物ジグリシジルエーテル;水添ビスフェノールA−エチレンオキシド6モル付加物ジグリシジルエーテル;水添ビスフェノールA−エチレンオキシド8モル付加物ジグリシジルエーテル;水添ビスフェノールA−エチレンオキシド10モル付加物ジグリシジルエーテル;水添ビスフェノールA−プロピレンオキシド2モル付加物ジグリシジルエーテル;水添ビスフェノールA−プロピレンオキシド4モル付加物ジグリシジルエーテル;水添ビスフェノールA−プロピレンオキシド6モル付加物ジグリシジルエーテル;水添ビスフェノールA−プロピレンオキシド8モル付加物ジグリシジルエーテル;水添ビスフェノールA−プロピレンオキシド10モル付加物ジグリシジルエーテル等が挙げられる。
感光性樹脂組成物中のエポキシ化合物の量は、感光性樹脂組成物の調合液粘度安定性を確保し得るという観点から、好ましくは0.10質量%以上、より好ましくは0.20質量%以上、さらに好ましくは0.25質量%以上であり、また十分な感度を得るという観点から、好ましくは1.0質量%以下、好ましくは0.50質量%以下である。
酸化防止剤
酸化防止剤としては、例えば、トリフェニルフォスファイト(例えば旭電化工業社製、商品名:TPP)、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト(例えば旭電化工業社製、商品名2112)、トリス(モノノニルフェニル)フォスファイト(例えば旭電化工業社製、商品名:1178)、及びビス(モノノニルフェニル)−ジノニルフェニルフォスファイト(例えば旭電化工業社製、商品名:329K)が挙げられる。感光性樹脂組成物中の酸化防止剤の含有量は、好ましくは0.01〜0.8質量%の範囲であり、より好ましくは、0.01〜0.3質量%の範囲である。上記含有量が0.01質量%以上である場合、感光性樹脂組成物の色相安定性に優れる効果が良好に発現し、感光性樹脂組成物の露光時における感度が良好である。また、上記含有量が0.8質量%以下である場合、発色性が抑えられることで色相安定性が良好であるとともに密着性も良好である。
有機ハロゲン化合物
有機ハロゲン化合物としては、例えば、臭化アミル、臭化イソアミル、臭化イソブチレン、臭化エチレン、臭化ジフェニルメチル、臭化ベンジル、臭化メチレン、トリブロモメチルフェニルスルホン、四臭化炭素、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリクロロアセトアミド、ヨウ化アミル、ヨウ化イソブチル、1,1,1−トリクロロ−2,2−ビス(p−クロロフェニル)エタン、及びクロル化トリアジン化合物が挙げられ、中でも特にトリブロモメチルフェニルスルホンが好ましく用いられる。感光性樹脂組成物中の有機ハロゲン化合物の量は、好ましくは0.001質量%〜3質量%、より好ましくは0.005質量%〜2.5質量%である。
安定化剤
安定化剤としては、感光性樹脂組成物の熱安定性及び/又は保存安定性を向上させるという観点から、ラジカル重合禁止剤、チアゾール類、チアジアゾール類、ベンゾトリアゾール類及びカルボキシベンゾトリアゾール類から成る群から選ばれる1種以上の化合物が好ましい。
ラジカル重合禁止剤としては、例えば、p−メトキシフェノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ナフチルアミン、tert−ブチルカテコール、塩化第一銅、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、ニトロソフェニルヒドロキシアミンアルミニウム塩、及びジフェニルニトロソアミンが挙げられる。
チアゾール類としては、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール、6−アミノ−2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプト−5−メトキシベンゾチアゾール、5−クロロ−2−メルカプトベンゾチアゾール等が挙げられる。
チアジアゾール類としては、例えば、2‐アミノ‐5‐メルカプト‐1,3,4‐チアジアゾール等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール類としては、例えば、1,2,3−ベンゾトリアゾール、1−クロロ−1,2,3−ベンゾトリアゾール、ビス(N−2−エチルヘキシル)アミノメチレン−1,2,3−ベンゾトリアゾール、ビス(N−2−エチルヘキシル)アミノメチレン−1,2,3−トリルトリアゾール、ビス(N−2−ヒドロキシエチル)アミノメチレン−1,2,3−ベンゾトリアゾール、1−(N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル)−1,2,3−ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
カルボキシベンゾトリアゾール類としては、例えば、4−カルボキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール、5−カルボキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール、N−(N,N−ジ−2−エチルヘキシル)アミノメチレンカルボキシベンゾトリアゾール、N−(N,N−ジ−2−ヒドロキシエチル)アミノメチレンカルボキシベンゾトリアゾール、及びN−(N,N−ジ−2−エチルヘキシル)アミノエチレンカルボキシベンゾトリアゾールが挙げられる。
感光性樹脂組成物中の安定化剤の合計量は、好ましくは0.001質量%〜4.0質量%であり、より好ましくは0.01質量%〜2.0質量%であり、さらに好ましくは0.05質量%〜1.9質量%である。この合計量は、感光性樹脂組成物に良好な保存安定性を付与するという観点から0.001質量%以上が好ましく、また、感度を良好に維持するという観点から4.0質量%以下が好ましい。
<感光性樹脂組成物調合液>
本発明の感光性樹脂組成物は、これに溶媒を添加して形成した感光性樹脂組成物調合液として用いてもよい。好適な溶媒としては、メチルエチルケトン(MEK)に代表されるケトン類、並びにメタノール、エタノール、及びイソプロピルアルコール等のアルコール類が挙げられる。感光性樹脂組成物調合液の粘度が25℃で500mPa・sec〜4000mPa・secとなるように、溶媒を感光性樹脂組成物に添加することが好ましい。
<感光性樹脂積層体>
本発明の別の態様は、支持体と、支持体上に積層された、上述の本発明に係る感光性樹脂組成物から成る感光性樹脂層とを有する感光性樹脂積層体を提供する。本発明の感光性樹脂積層体は、感光性樹脂層、及び該感光性樹脂層を支持する支持体に加え、必要により、感光性樹脂層の支持体形成側と反対側の表面に保護層を有していてもよい。
支持体としては、露光光源から放射される光を透過する透明なものが望ましい。このような支持体としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、塩化ビニリデン共重合フィルム、ポリメタクリル酸メチル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、スチレン共重合体フィルム、ポリアミドフィルム、及びセルロース誘導体フィルム等が挙げられる。必要に応じて、これらのフィルムの延伸物も支持体として使用可能である。また、支持体として使用されるフィルムのヘーズは、5以下であることが好ましく、その厚みは、薄いほど画像形成性及び経済性の観点では有利であるが、強度を維持する観点から、10μm〜30μmであることが好ましい。
また、感光性樹脂積層体に用いられる保護層の重要な特性は、感光性樹脂層との密着力について、支持体よりも保護層の方が小さく、容易に剥離できることである。例えば、ポリエチレンフィルム、及びポリプロピレンフィルム等が保護層として好ましい。また、保護層として、例えば、特開昭59−202457号公報に示された剥離性の優れたフィルムを用いることができる。保護層の厚みは、10μm〜100μmが好ましく、10μm〜50μmがより好ましい。
感光性樹脂積層体における感光性樹脂層の厚みは、好ましくは5μm〜100μm、より好ましくは7μm〜60μmである。感光性樹脂層が薄いほど解像度は向上し、また、厚いほど膜強度が向上するので、用途に応じて適宜選択することができる。
支持体、感光性樹脂層、及び所望により保護層を順次積層して、本発明の感光性樹脂積層体を作製する方法としては、従来知られている方法を採用することができる。例えば、感光性樹脂層を形成するために用いる感光性樹脂組成物を、前述の感光性樹脂組成物調合液として形成しておき、先ず支持体上にバーコーター又はロールコーターを用いて塗布して乾燥させ、支持体上に感光性樹脂組成物から成る感光性樹脂層を積層する。次いで、必要により、感光性樹脂層上に保護層を積層することにより感光性樹脂積層体を作製することができる。
<レジストパターン形成方法>
本発明の別の態様は、上述した本発明の感光性樹脂積層体を用いて、液体の存在下で基板の上に感光性樹脂層を形成するウェットラミネーション工程;感光性樹脂層を露光する露光工程;及び露光後の感光性樹脂層を現像液で現像することによってレジストパターンを形成する現像工程を順に含むレジストパターン形成方法を提供する。本発明の感光性樹脂積層体を用いてレジストパターンを形成する具体的な方法の一例を示す。
ウェットラミネーション工程に先立ち、ラミネーション液を含浸させたスポンジロールを基板に接触させる方法、基板に直接ラミネーション液をスプレーする方法、基板をラミネーション液中に浸漬する方法等により基板表面に液体を塗布することが好ましい。ラミネーション液は、例えば、イオン交換水、脱イオン水、水道水、硬水、軟水;水とアルコール、ケトン、炭化水素若しくは界面活性剤との混合液;又はそれらの組み合わせなどでよい。
ウェットラミネーション工程において、ラミネーション液などの液体の存在下、ラミネーターを用いて基板上に感光性樹脂層を形成する。具体的には、感光性樹脂積層体が保護層を有する場合には保護層を剥離した後、ラミネーターで感光性樹脂層を基板表面に加熱圧着しラミネートする。基板の材質としては銅、SUS、ガラス、ITO等が挙げられる。この場合、感光性樹脂層は基板表面の片面だけにラミネートしてもよいし、必要に応じて両面にラミネートしてもよい。この時の加熱温度は一般的に40℃〜160℃である。また、加熱圧着を2回以上行うことにより、得られるレジストパターンの基板に対する密着性が向上する。この時、圧着には二連のロールを備えた二段式ラミネーターを使用してもよいし、基板と感光性樹脂層との積層物を何回か繰り返してロールに通して圧着してもよい。
次に、露光工程において、露光機を用いて感光性樹脂組成物を活性光に露光する。感光性樹脂層の露光部は、重合硬化(感光性樹脂組成物がネガ型の場合)又は現像液に対して可溶化(感光性樹脂組成物がポジ型の場合)する。露光は、必要ならば支持体を剥離した後に行うことができる。フォトマスクを通しての露光の場合、露光量は、光源照度及び露光時間より決定され、光量計を用いて測定してもよい。露光工程においては、マスクレス露光方法を用いてよい。マスクレス露光においてはフォトマスクを使用せず基板上に直接描画装置によって露光する。光源としては波長350nm〜410nmの半導体レーザー又は超高圧水銀灯等が用いられる。描画パターンはコンピューターによって制御され、この場合の露光量は、露光光源の照度及び基板の移動速度によって決定される。
次に、現像工程において、露光後の感光性樹脂層における未露光部(感光性樹脂組成物がネガ型の場合)又は露光部(感光性樹脂組成物がポジ型の場合)を、現像装置を用いて現像液により除去する。露光後、感光性樹脂層上に支持体がある場合にはこれを除く。続いてアルカリ水溶液から成る現像液を用いて未露光部又は露光部を現像除去し、レジスト画像を得る。アルカリ水溶液としては、NaCO、又はKCO等の水溶液が好ましい。これらは感光性樹脂層の特性に合わせて選択されるが、0.2質量%〜2質量%の濃度のNaCO水溶液が一般的である。アルカリ水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等を混入させてよい。なお、現像工程における現像液の温度は、20℃〜40℃の範囲内で一定に保つことが好ましい。
上述の工程によってレジストパターンが得られるが、場合によっては、さらに100℃〜300℃の加熱工程を行うこともできる。この加熱工程を実施することにより、パターンの更なる耐薬品性向上が可能となる。加熱には、熱風、赤外線、又は遠赤外線等の方式の加熱炉を用いることができる。
<導体パターンの製造方法>
本発明の別の態様は、上述した本発明の感光性樹脂積層体を用いて、金属板又は金属皮膜絶縁板である基板の上に液体の存在下で感光性樹脂層を形成するウェットラミネーション工程;感光性樹脂層を露光する露光工程;露光後の感光性樹脂層を現像液で現像することによってレジストパターンを形成する現像工程;及びレジストパターンが形成された基板をエッチング又はめっきする導体パターン形成工程を順に含む、導体パターンの製造方法を提供する。すなわち、本発明の導体パターンの製造方法は、基板として金属板又は金属皮膜絶縁板を用い、上述のレジストパターン形成方法によってレジストパターンを形成した後に、以下の導体パターン形成工程を経ることにより実施される。導体パターン形成工程においては、上述したような方法でレジストパターンが形成された基板において、現像により露出した基板表面(例えば銅面)に公知のエッチング法又はめっき法を用いて導体パターンを形成する。導体パターンの製造に使用される基板は、本発明の一実施形態に係るウェットラミネーション用感光性樹脂組成物を活用するという観点から、直径1mm以下のスルーホールを有することが好ましく、直径0.05mm〜1mmのスルーホールを有することがより好ましく、直径0.05〜0.5mm、直径0.05〜0.3mm、直径0.05〜0.15mm、又は直径0.10mm±0.04mmのスルーホールを有することがさらに好ましい。
さらに、本発明は例えば以下のような用途において好適に適用される。
<プリント配線板の製造>
なお、本発明に従い上記のような方法で導体パターンを製造した後、レジストパターンを、現像液よりも強いアルカリ性を有する水溶液により基板から剥離する剥離工程を更に行うことにより、所望の配線パターンを有するプリント配線板を得ることができる。プリント基板の製造においては、基板として、好ましくは銅張積層板又はフレキシブル基板を用いる。剥離用のアルカリ水溶液(以下、「剥離液」ともいう。)について特に制限はないが、2質量%〜5質量%の濃度の、NaOH又はKOHの水溶液が一般的に用いられる。剥離液には少量の水溶性溶媒を加えることが可能である。剥離工程における剥離液の温度は、40℃〜70℃の範囲内であることが好ましい。
<リードフレームの製造>
基板として銅、銅合金、又は鉄系合金等の金属板を用い、前述のレジストパターン形成方法によってレジストパターンを形成した後に以下の工程を経ることにより、リードフレームを製造できる。先ず、現像により露出した基板をエッチングして導体パターンを形成する工程を行う。その後、レジストパターンを上述のプリント配線板の製造方法と同様の方法で剥離する剥離工程を行って、所望のリードフレームを得る。
<凹凸パターンを有する基材の製造>
本発明のレジストパターン形成方法によって形成されるレジストパターンは、サンドブラスト工法により基板に加工を施す時の保護マスク部材として使用することができる。このときの基板としては、ガラス、シリコンウエハー、アモルファスシリコン、多結晶シリコン、セラミック、サファイア、金属材料等が挙げられる。これらの基板上に、前述のレジストパターン形成方法と同様の方法によって、レジストパターンを形成する。その後、形成されたレジストパターン上からブラスト材を吹き付けて、目的の深さに切削するサンドブラスト処理工程、基板上に残存したレジストパターン部分をアルカリ剥離液等で基板から除去する剥離工程を経て、基板上に微細な凹凸パターンを有する基材を製造することができる。サンドブラスト処理工程に用いるブラスト材としては公知のものを使用でき、例えばSiC、SiO、Al、CaCO、ZrO、ガラス、ステンレス等の粒径2μm〜100μmの微粒子が用いられる。
<半導体パッケージの製造>
基板として、大規模集積回路(LSI)の形成が終了したウェハを用いて、これに前述のレジストパターン形成方法によってレジストパターンを形成した後に、以下の工程を経ることによって、半導体パッケージを製造することができる。先ず、現像により露出した開口部に銅、はんだ等の柱状のめっきを施して、導体パターンを形成する工程を行う。その後、レジストパターンを上述のプリント配線板の製造方法と同様の方法で剥離する剥離工程を行って、更に、柱状めっき以外の部分の薄い金属層をエッチングにより除去する工程を行うことにより、所望の半導体パッケージを得ることができる。
以下に、実施例1〜16及び比較例1〜5の評価用サンプルの作製方法並びに得られたサンプルについての評価方法及び評価結果について示す。
[評価用サンプルの作製方法]
実施例1〜16及び比較例1〜5の感光性樹脂積層体を次のように作製した。
<感光性樹脂積層体の作製>
下記表1〜3に示す成分(但し、各成分の数字は固形分としての配合量(質量部)を示す)及び溶媒を十分に攪拌、混合して、感光性樹脂組成物調合液を得た。表1〜3中に略号で表した成分の名称を下記表4に示す。支持フィルムとして15.5μm厚のポリエチレンテレフタラートフィルム(帝人フィルムソリューション株式会社製、GR−15.5)を用い、その表面にバーコーターを用いて、この調合液を均一に塗布し、95℃の乾燥機中で3分間乾燥して、感光性樹脂組成物層を形成した。感光性樹脂組成物層の乾燥厚みは30μmであった。次いで、感光性樹脂組成物層のポリエチレンテレフタラート(PET)フィルムを積層していない側の表面上に、保護層として19μm厚のポリエチレンフィルム(タマポリ株式会社製、G F−18)を貼り合わせて感光性樹脂積層体を得た。
<基板>
剥離残評価については、18μm圧延銅箔と20μm銅めっきを積層した0.28mm厚の、直径0.1mmの小径スルーホールを368穴有している銅張積層板を用いた。
支持層(PETフィルム)の引き剥がし強度(タック性)評価のための基板としては、35μm銅箔を積層した0.4mm厚の銅張積層板を用い、ジェットスクラブ研磨機を用いた表面処理により整面した後、下記ラミネートに供した。
<ラミネーション>
(1)剥離残評価基板のウェットラミネーションは以下のように行った。
ラミネーション液として、イオン交換水を用意した。剥離残評価用基板をイオン交換水に浸漬し、基板表面及びスルーホール内にイオン交換水を塗布した。感光性樹脂積層体のポリエチレンフィルムを剥がし、イオン交換水に浸漬した評価用基板に、ホットロールラミネーター(旭化成(株)社製、AL−700)により、感光性樹脂積層体をロール温度105℃で片面ずつラミネートして試験片を得た。エアー圧は0.45MPaとし、ラミネート速度は1.0m/分とした。
(2)支持層(PETフィルム)の引き剥がし強度(タック性)評価基板のラミネーションについては50℃に予熱した評価用基板に、感光性樹脂積層体のポリエチレンフィルムを剥がし、ホットロールラミネーター(旭化成(株)社製、AL−700)により、感光性樹脂積層体をロール温度105℃でラミネートして試験片を得た。エアー圧は0.35MPaとし、ラミネート速度は1.5m/分とした。
<露光>
直接描画式露光装置(株式会社アドテックエンジニアリング社製、IP−8 8000H、主波長405nm)により、ストーファー41段ステップタブレットをマスクとして、タブレット段数が18段となる露光量で片面ずつ基板全面を露光した。
<現像>
感光性樹脂積層体からポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離した後、株式会社フジ機工製現像装置を用い、スリットタイプのノズルにて、現像スプレー圧0.22MPaで、30℃の1質量%NaCO水溶液をスプレーして現像した。このとき、未露光部分の感光性樹脂層が完全に溶解するのに要する最も少ない時間を最小現像時間として測定し、最小現像時間の2倍の時間で現像を行った。その際、水洗工程は、フラットタイプのノズルにて水洗スプレー圧0.20MPaで、現像工程と同時間処理した。
<剥離>
東京化工機株式会社製剥離装置を用い、フルコーンタイプのノズルにて、剥離スプレー圧0.18MPaで、50℃の3質量%NaOH水溶液を75秒間スプレーして、残されたレジストパターンを剥離した。その際、水洗工程は、フラットタイプのノズルにて水洗スプレー圧0.15MPaで、剥離工程の半分の時間処理した。
[重量平均分子量の測定方法]
本明細書において重量平均分子量とは、以下の条件に設定された日本分光(株)製ゲルパーミエ−ションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定された重量平均分子量を意味する。得られた重量平均分子量はポリスチレン換算値となる。
ポンプ:Gulliver、PU−1580型
カラム:昭和電工(株)製Shodex(登録商標)(KF−807、KF−806M、KF−806M、KF−802.5)4本直列
検出器:RI
カラム温度:40℃
流速:1.0mL/min
注入量:0.02mL
移動層溶媒:テトラヒドロフラン
検量線:ポリスチレン標準サンプルを用いて規定された検量線{ポリスチレン標準サンプル(昭和電工(株)製Shodex STANDARD SM−105)による検量線の使用}
[サンプルの評価方法]
<剥離残評価>
上記ウェットラミネーション後の基板を25℃及び60%相対湿度の条件下に48時間に亘って放置した後、上記露光、現像及び剥離を行い、全ての小径スルーホール穴に対する剥離残の割合を以下の基準により評価した。
◎(著しく良好):剥離残の割合が20%未満
○(良好):剥離残の割合が20%以上50%未満
×(不良):剥離残の割合が50%以上
<支持層(PETフィルム)の引き剥がし強度(タック性)>
感光性樹脂積層体の感光性樹脂層を上記方法により片面にラミネートした基板を用意し、24時間、23℃及び50%相対湿度の条件下に放置した後、1インチ幅の支持層(PETフィルム)を180°引き剥がし、その強度をテンシロンRTM−500(東洋精機製)で測定し、下記基準に従って評価した。
◎(著しく良好):引き剥がし強度の極大平均値が6gf以上である。
○(良好):引き剥がし強度の極大平均値が4gf以上、6gf未満である。
×(不良):引き剥がし強度の極大平均値が4gf未満である。
<解像性>
各実施例及び比較例で得た感光性エレメントを用いて上記の方法に従って(1)ウェットラミネーションを行った後、15分経過した試料を用い、ライン/スペースの比が1になるようなレジストパターンを上記の方法に従って直接描画露光した。次いで、上記の方法に従って現像を行った。さらに、硬化レジストラインが正常に形成されている最小のマスクライン幅を調べ、以下の基準で評価した。
◎(著しく良好):最小ライン幅が25μm未満であった場合
○(良好):最小ライン幅が25μm以上30μm未満であった場合
×(不良):最小ライン幅が30μm以上であった場合
[評価結果]
実施例1〜16及び比較例1〜5の評価結果を表1〜3に示す。

Claims (14)

  1. (A)アルカリ可溶性高分子;及び
    (B)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物;
    を含有するウェットラミネーション用感光性樹脂組成物であって、
    前記ウェットラミネーション用感光性樹脂組成物は、前記(A)アルカリ可溶性高分子を51質量%以上含有し、前記(B)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物は、エチレンオキシド(EO)単位を有するモノマーを含み、かつEO単位を29モル以下含むモノマーに対するEO単位を30モル以上含むモノマーの質量割合が、37%以下であるウェットラミネーション用感光性樹脂組成物。
  2. 前記(B)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物に対する(A)アルカリ可溶性高分子の質量比率が、1.25以上2.50以下である、請求項1に記載のウェットラミネーション用感光性樹脂組成物。
  3. 前記ウェットラミネーション用感光性樹脂組成物に含まれる前記(A)アルカリ可溶性高分子の質量割合が60質量%以下である、請求項1又は2に記載のウェットラミネーション用感光性樹脂組成物。
  4. 前記EO単位を29モル以下含むモノマーに対するEO単位を30モル以上含むモノマーの質量割合が、13%以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のウェットラミネーション用感光性樹脂組成物。
  5. 前記ウェットラミネーション用感光性樹脂組成物に含まれる前記(A)アルカリ可溶性高分子の質量割合が52質量%以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のウェットラミネーション用感光性樹脂組成物。
  6. 前記EO単位を有するモノマーが、
    下記一般式(II):
    {式中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、AはCであり、BはCであり、n、n、n及びnは、n+n+n+n=2〜50の関係を満たす整数であり、−(A−O)−及び−(B−O)−の繰り返し単位の配列は、ランダムであってもブロックであってもよく、ブロックの場合、−(A−O)−と−(B−O)−とのいずれがビスフェニル基側でもよい。}
    で表されるアルキレンオキシド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート化合物;
    下記一般式(III):
    {式中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、Xは、それぞれ独立に、炭素数2〜6のアルキレン基を表し、少なくとも1つのXの炭素数は2であり、m、m及びmは、それぞれ独立に、0〜40の整数であり、m+m+mは、1〜40であり、そしてm+m+mが2以上である場合には、複数のXは、互いに同一であるか、又は異なっていてよい}
    で表されるトリ(メタ)アクリレート化合物;及び
    下記一般式(V):
    {式中、Rは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、かつnは、0〜30の整数であり、かつ全てのnの合計値が1以上である。}
    で表されるヘキサ(メタ)アクリレート化合物;
    から成る群から選ばれる少なくとも2種の化合物である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のウェットラミネーション用感光性樹脂組成物。
  7. 前記一般式(V)において、全てのnの合計値が、180以下である、請求項6に記載のウェットラミネーション用感光性樹脂組成物。
  8. 前記(A)アルカリ可溶性高分子又は前記(B)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物が、ヒドロキシ基を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のウェットラミネーション用感光性樹脂組成物。
  9. (C)光重合開始剤をさらに含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載のウェットラミネーション用感光性樹脂組成物。
  10. 前記(C)光重合開始剤は、アクリジン誘導体、アントラセン誘導体、及びピラゾリン誘導体から成る群から選択される少なくとも1つを含む、請求項9に記載のウェットラミネーション用感光性樹脂組成物。
  11. 支持体と、該支持体上に積層された請求項1〜10のいずれか1項に記載のウェットラミネーション用感光性樹脂組成物から成る感光性樹脂層とを有する、感光性樹脂積層体。
  12. 請求項11に記載の感光性樹脂積層体を用いて、液体の存在下で基板の上に感光性樹脂層を形成するウェットラミネーション工程、
    該感光性樹脂層を露光する露光工程、及び
    該露光後の感光性樹脂層を現像液で現像することによってレジストパターンを形成する現像工程
    を順に含む、レジストパターン形成方法。
  13. 請求項11に記載の感光性樹脂積層体を用いて、金属板又は金属皮膜絶縁板である基板の上に液体の存在下で感光性樹脂層を形成するウェットラミネーション工程、
    該感光性樹脂層を露光する露光工程、
    該露光後の感光性樹脂層を現像液で現像することによってレジストパターンを形成する現像工程、及び
    該レジストパターンが形成された基板をエッチング又はめっきする導体パターン形成工程
    を順に含む、導体パターンの製造方法。
  14. 前記基板が、直径1mm以下のスルーホールを有する、請求項13に記載の導体パターンの製造方法。
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